JPS58152087A - ゲスト・ホスト型液晶セル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、２色性色素を添加した液晶組成物を２枚の基
板間に保持して成るゲスト・ホスト型液晶セルに関する
ものである。

従来、液晶表示素子としては９０゛ツイスト構造をした
誘電率異方性が正のネマチック液晶組成物を２枚の透明
基板間に挟持し、さらに両基板の外側にそれぞれ１枚の
偏光板を配置したＴＮ型液晶セルが時計等に使われてい
る。しかし２枚の偏光板を使うため明るさがかなり低下
し、また視野角特性についてもある特定な方向からかし
か表示が見えないという表示の視野角依存性がある。

通常のＴＮ型液晶セルは、黒白によるモノクロ表示であ
るが、カラー表示をする場合には偏光板の替りにカラー
偏光板を使用する。

しかしながらカラー偏光板によるＴＮ型液晶セルも当然
ながら上記の明るさの低下や表示の視野角依存性等の欠
点は依然存在している。そこで他の方法でカラー表示を
行うために、２色性色素を添加して成るネマチック液晶
組成物を用いたいわゆるゲスト・ホスト（以下ＧＨと略
する）型液晶セルを使うことも提案されている。

このＧＨ型液晶セルは、ＴＮＷ／ｆｆｌ晶セルと比較ナ
ると偏光板を全く使用しないか、または１枚のみ使用す
るので、明る（、また表示の視野角依存性がほぼなくな
るか、またはがなり低減される。

しかしながらこのＧＨ型液晶セルは、２色性色素自体の
耐久性、特に紫外線を含めた光や熱に対する耐久性に難
がある。光に対する耐久性試験では、カーボンアークな
ＧＨ液晶セルに照射したところ数１００時間で退色が認
められた。また１２・０１　’Ｃの高温中にＧＨ型液晶
セルを放置した場合、数１００時間で退色が認められた
。

このような耐久性の悪さでは、太陽光等の紫外線を含む
光が直接または間接的にでも当る環境ではＧ）１型液晶
セルは使用できないことになる。

そこでフィルム状のＵＶフィルタを液晶セルの光の入射
面上に貼ることが行なわれていたが、ＵＶフィルタを貼
る時に気泡の発生が起り易いし、また工業的には貼る工
程に時間がかかり、いわゆる工数が多（必要となった。

またＧＨ型液晶セルの信頼性の確認のために８５　’Ｃ
；の高温中に放置すると、数１０分後に気泡の新たな発
生１が認められたり、また６５℃９６ＳＲ，Ｈ，という
高温高湿中に放置すると数１００時間後には寸法の減少
が認められた。このように特に腕時計等の如く屋外でも
使用され、また小型のため精密さが必要であり、かつ量
産を行なう必要のある製品には不利な点が多くある。

そこで本発明の目的は、かかる上記の欠点を除き、熱、
紫外線を含む光および湿度に対する信頼性を向上し、さ
らに原材料費が安く、工業的にも工数が少なくて生産が
可能となるＧＨ型液晶セルを提供することにある。

具体的には本発明は、２色性色素を添加した液晶組成物
に、更に紫外線吸収剤を添加することを特徴とするもの
である。

なお紫外線吸収剤として構造式ＣＩ） （式中、Ｒ８は水素あるいは直鎖アルキル基を表わし、
Ｒ２は水素、水酸基あるいはカルボン酸基を表わす）で
示されるべ／シフエノン系物質を使用すると、本発明を
特に好適に実現することができる。

２色性色素や液晶分子が劣化を起す原因の１つに、太陽
光の紫外線に依るものがあると一般に言われている。

地表での太陽光線の波長の分布特性をみると、２９０〜
４００ｍμが約７チであるので、紫外線劣化を考える場
合には２９０〜４００．ｔμまでの波長の光線に対する
対策を考えれば良い。なお紫外線の持つエネルギーは３
０ｏ７７Ｌμで９５．ＩＫｃａ４００ＷＬμで７１．５
Ｋｃａｌであって、一般に有機物の共有結合エネルギー
が６０〜１２０Ｋｃａｌ／　ｍ　ｏ　ｌであるので、分
解を起すに十分のエネルギーを持っている。

しかし、光化学第１法則′は「物質によって吸収された
光のみが光化学反応を起こす」のであって、色素分子や
液晶分子もそれぞれ特定の波長領域（（この場合は紫外
線）を吸収して劣化を起すのである。だから紫外線吸収
剤としては２９０〜４００肌μ間の波長を完全に吸収す
るのが理想的であるが、色素分子や液晶分子が吸収する
波長の範囲のみの光線を吸収するものであってもよいこ
とになる。紫外線吸収剤の作用機構は、まず被保護物質
よりも、分子吸光係数が犬であって、はとんどの有害波
長の光線（紫外線）を吸収することが必要であり、吸収
したエネルギーは無害なｆｆ１ｄエネルギーに転換して
、それ自身が反応したり分解せずに、いつまでも紫外線
吸収能を有する、ことである。

また液晶セルの基板材料は一般的にガラスが使われてお
り、ガラスによる光の波長吸収端はガラス材料の種類に
より異なるが、おおよそ３ｏＯｒｒＬμである。そのた
め３００ｍμ以下の波長の紫外線は、ガラス自身により
吸収されるので、波長領域として約３００〜４００ｒｒ
Ｌμの光を紫外線吸収剤が吸収するように、紫外線吸収
剤を選択すれば良いことになる。

従って紫外線吸収剤として構造式ＣＩ）のようなベンゾ
フェノン系物質を用いれば良い訳である。

第１図は、構造式（Ｉ）のベンゾフェノン系物質の一種
である下記に示す化合物（Ｉｌ）の吸収スベクトルを透
過率で表わしたグラフである。

第１図のように４００−μ以下の波長を吸収する性質が
見られる。また光と熱に対する安定性も認められている
。ま”た第２図は光安定性を示すグラフである。具体的
には第２図は、化合物（ｎ）をメタノール中に１００ｒ
［ｔｇ／　１００ｃｃ溶解した溶液に、紫外線を照射し
た時に吸収が極大となる波長（λ、ｍａｘ　　＝３４５
ｍμ）を対象として、吸光、度の初期に対する変化率を
表わすグラフである。

第２図を見ると、メタノール中では紫外線を照射するこ
とによって起る変化は非常に少ない。

第３図は熱安定性を表わすグラフである。具体的には第
３図は化合物（ｎ）をジエチルマロネート中に１００１
１１ｇ／１００ｃｃ溶解し、還流コンデンサー付きナス
形フラスコに入れ、１６０℃の油槽恒温槽中で１０．２
０．４０．８０分間それぞれ加熱して吸光度を測定し、
その変化率をプロットしたグラフを表わすものである。

第３図を見ると、熱に対してもかなり安定性が高いこと
がわかる。

以上のように化合物（ｎ）は、光と熱に対して安定性が
高いことがわかる。

第４図は本発明による液晶セルを示す断面図であり、以
下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

数字・文字等を表示すべ（パターン化された透明電極１
を持つ透明基板２上に液晶物質を配向するための配向層
６を設け、この２枚の透明基板２を、相互の間隙が所望
の大きさになるように接着層４を用いて組み立てる。さ
らに該透明基板２間に２色性色素（本実施例においては
日本感光色素研究所製の０２３２を使用した）を１％添
加し、また上記化合物（ｎ）の構造式で示されるベンゾ
フェノン系物質をさらに０．１％添加したネマチック液
晶組成物５を封入する。

このようにして出来上ったＧＥ−Ｌ型液晶セルなカーボ
ンアークによる光の耐久試験にかけたところ、１０００
時間まで色の劣化は認められず、また液晶分子の配向状
態の劣化も認められなかった。

またこのＧＨ型液晶セルを１２０℃の高温中に５００時
間放置したところ、色の劣化、配向状態の劣化は認めら
れなかった。

なお、上記実施例では紫外線吸収剤として化合物（１１
）を用いたが、下記に示す化合物（ｆｆｌ）、化合物（
ＩＶ　）、または化合物（ＩＩ）、（ＩＩＩ）、（ＩＶ
）の任意の配合比による混合物を用いても前記実施例と
ほぼ同様な効果が得られる。

また紫外線吸収剤の添加量については、０．０５％以上
であれば上記の効果が認められるが、好ましくは０．１
から５％である。

また工業的生産上の見地ではＵＶフィルターを貼る工程
よりもはるかに工数が減少し、またＵＶフィルターの寸
法変化という不良原因もなくなり、歩留りが向上し、材
料費としてもＵＶフィルターより紫外線吸収剤の方が安
価であり、有利な点が゛多い。

以上のように、本発明はネマチック液晶中にベンゾフェ
ノン系物質を紫外線吸収剤として添加することにより、
ゲストホスト型液晶セルの信頼性、特に光、熱および湿
度に対する耐久性を著しく向上し、かつ工業的にも容易
に液晶セルを製造することを可能とした。

なお、本発明はネマチック液晶物質のみを主成分とした
普通のＧ）ｌ型液晶セルに実施できるのみならず、いわ
ゆる相転位方式のＧ）ｌ型液晶セルの耐久性向上につい
ても利用できることは明らかである。また本発明の実施
例で用いられて（・る紫外線吸収剤は、ＴＮ型液晶セル
において用（１られても、Ｇｆ（型液晶セルの場合と同
様な効果を引き出せるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は、本発明を説明するための図であり、
第１図は化合物（ＩＩ）の吸収スペクトルを示すグラフ
、第２図は化合物（ＩＩ）の光に対する安定性を示すグ
ラフ、第３図は化合物（ｎ）の熱に対する安定性を示す
グラン、第４図は、本発明の実施例による液晶セルを示
す断面図である。 １・・・・・・・透明電極　２・・・・・・透明基板６
・・・・・・配向層　４・・・・・・接着層５・・・・
・・液晶組成物 涙、Ｌ（ｍ）Ｊ）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）２色性色素を添加した液晶組成物を２枚の基板間
   に保持して成るゲスト・ホスト型液晶セルにおいて、前
   記液晶組成物にさらに紫外線吸収剤を添加して成ること
   を特徴とするゲスト・ホスト型液晶セル。
2. （２）紫外線吸収剤が構造式（Ｉ） （式中、Ｒ１は水素あるいは直鎖アルキル基を表わし、
   Ｒ７は水素、水酸基あるいはカルボン酸基を表わす）で
   示されるベンゾフェノン系物質であることを特徴とする
   特許請求の範囲ｇ１項記載のゲスト・ホスト型液晶セル
   。