JP2018154704A - 二色性化合物、液晶組成物および液晶素子 - Google Patents

二色性化合物、液晶組成物および液晶素子 Download PDF

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Abstract

【課題】新規な二色性化合物、該化合物を含有してなる液晶組成物、液晶素子を提供する。【解決手段】一般式(1)で表される二色性化合物、該化合物を含有してなる液晶組成物、液晶素子。〔式中、Ar1はハロゲン原子、フルオロアルキル基、またはフルオロアルコキシ基で置換されているフェニル基を表し、Ar2はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、フルオロアルキル基、またはフルオロアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表す〕【選択図】 なし

Description

本発明は、二色性化合物、該化合物を含有して成る液晶組成物および液晶素子に関する。
従来より、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末などの表示素子、視野切り替え可能なカメラファインダーなどの調光素子などに液晶表示素子(LCD)が広く利用されてきている。
液晶表示素子としては、例えば、TN(twisted nematic)型液晶素子、STN(super twisted nematic)型液晶素子が一般に利用されている。
TN型液晶素子およびSTN型液晶素子では偏光フィルムを使用するために、入射光の利用効率が低い。このため表示素子の明るさを確保するために、強力な光源のバックライトを使用するのが一般的で、消費電力の増加につながっている。
最近では、省エネルギーの観点から、ゲスト−ホスト(GH)型液晶素子が見直されている。GH型液晶素子では、二色性化合物を含有する液晶組成物が用いられ、明るい色表示が可能であり、また視野角が広いなどの利点を有する。GH型液晶素子では二色性化合物の光吸収異方性を利用し、カラーフィルターを使用しないので、光の利用効率が高く、省エネルギーでの表示が可能となる。GH型液晶素子に使用する二色性化合物に求められる特性としては、例えば、オーダーパラメータ(S値)が高いこと、また液晶化合物(液晶混合物)に対する溶解度が高いことなどが挙げられる。
近年では、薄型軽量で鮮明な画像が得られることから、液晶素子の駆動方式としては、薄膜トランジスタ(TFT)による駆動方式が主流となっている。
TFT駆動方式の実用的なGH型液晶素子を実現するためには、液晶の電圧保持率(VHR)が高いことが重要になる。液晶組成物中の二色性化合物の劣化、あるいは配向膜に吸着された微量のイオン性物質などに起因して、長期間の駆動により、経時的な液晶組成物の抵抗値の低下、ひいては電圧保持率が低下することが懸念されることから、TFT駆動方式のGH型液晶素子に使用される二色性化合物には、耐久性(駆動安定性)が求められている。さらには、液晶組成物および液晶素子を、長期間の駆動安定性が要求される分野へ応用する場合には、電圧保持率の安定性が要求されるのである。
従来から、GH型液晶素子用の二色性化合物が数多く開発されてきているものの、現在では、オーダーパラメータが高く、また液晶に対する溶解度が高く、さらには実用上充分な耐久性を有する二色性化合物の開発が望まれている。
二色性化合物としては、優れた特性を有する種々の色の化合物の開発が求められており、例えば、イエロー色、マゼンタ色、シアン色の化合物は勿論であり、さらには、橙黄色の二色性化合物が求められている。
現在までに、アントラキノン骨格を有する橙黄色の二色性化合物としては、例えば、式(A)および式(B)で表される化合物が報告されている(特許文献1)。
特許文献1では、式(A)で表される化合物の液晶組成物中のオーダーパラメータは高いものの、液晶に対する溶解度は低いものであり、式(B)で表される化合物は、式(A)で表される化合物の溶解度を改良したものであることが記載されている。
また、式(C)で表される化合物(非特許文献1)、式(D)で表される化合物(非特許文献2)も二色性化合物として有用であることが報告されている。
これら式(A)〜式(D)で表される化合物の液晶組成物中のオーダーパラメータは高いものの、これらの二色性化合物を含有してなる液晶組成物の耐久性(駆動安定性)は優れたものとは言い難いものであった。
現在では、優れた特性を有する、橙黄色の二色性化合物、および該化合物を含有してなる液晶組成物、液晶素子の開発が求められている。
特開2008−106200号公報
Phys.Chem.Chem.Phys.,18,20651(2016) Mol.Cryst.Liq.Cryst.,94,191(1983)
現在までに、種々の二色性化合物、および該化合物を含有してなる液晶組成物の提案がなされているが、そのいずれもが、実用的に充分満足できる特性を有しているとはいい難いものであった。
本発明は、上述に鑑み、オーダーパラメータ(S値)が高く、液晶化合物に対する溶解度に優れ、さらに耐久性(駆動安定性)に優れた二色性化合物、および該化合物を含有してなる液晶組成物、液晶素子を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決するため、鋭意検討した結果、特定構造を有するアントラキノン化合物が二色性化合物として優れた特性を有することを見出した。
すなわち、本発明は、
(i)一般式(1)で表される二色性化合物である。
〔式中、Arはハロゲン原子、フルオロアルキル基、またはフルオロアルコキシ基で置換されているフェニル基を表し、Arはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、フルオロアルキル基、またはフルオロアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表す〕
また、
(ii)上記(i)に記載の二色性化合物の少なくとも1種、および少なくとも1種の液晶化合物とから成る液晶組成物に関するものであり、
さらに、
(iii)少なくとも一方が透明電極である1対の電極を有する基板間に、上記(ii)に記載の液晶組成物を挟持してなる液晶素子に関するものである。
本発明により、各種の液晶素子(例えば、表示部材、調光部材、遮光部材)に有用な二色性化合物、液晶組成物、液晶素子を提供することが可能になった。
本発明の一実施形態としてのHeilmeierタイプのゲスト−ホスト型液晶素子の電圧無印加時の模式的断面図である。 本発明の一実施形態としてのHeilmeierタイプのゲスト−ホスト型の液晶素子の電圧印加時の模式的断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。

<二色性化合物>
本発明は、一般式(1)で表される二色性化合物である。
〔式中、Arはハロゲン原子、フルオロアルキル基、またはフルオロアルコキシ基で置換されているフェニル基を表し、Arはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、フルオロアルキル基、またはフルオロアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表す〕
一般式(1)で表される二色性化合物において、Arはハロゲン原子、フルオロアルキル基、またはフルオロアルコキシ基で置換されているフェニル基を表す。より好ましくは、Arは一つのハロゲン原子のみで置換されているフェニル基、一つのフルオロアルキル基のみで置換されているフェニル基、あるいは一つのフルオロアルコキシ基のみで置換されているフェニル基を表す。
Arにおいて置換基として有するハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子または臭素原子であり、より好ましくは、フッ素原子または塩素原子である。
Arにおいて置換基として有するフルオロアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖または分岐のフルオロアルキル基であり、より好ましくは、炭素数1〜14の直鎖または分岐のフルオロアルキル基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜10の直鎖または分岐のフルオロアルキル基である。
Arにおいて置換基として有するフルオロアルコキシ基としては、炭素数1〜20の直鎖または分岐のフルオロアルコキシ基であり、より好ましくは、炭素数1〜14の直鎖または分岐のフルオロアルコキシ基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜10の直鎖または分岐のフルオロアルコキシ基である。
一般式(1)で表される二色性化合物において、Arの具体例としては、
例えば、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基などのハロゲン原子で置換されているフェニル基;
例えば、3−(フルオロメチル)フェニル基、4−(フルオロメチル)フェニル基、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロエチル)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロエチル)フェニル基、4−(1,1,3−トリヒドロ−パーフルオロエチル)フェニル基、3−(パーフルオロエチル)フェニル基、4−(パーフルオロエチル)フェニル基、
3−(3−フルオロ−n−プロピル)フェニル基、4−(1,1−ジフルオロ−n−プロピル)フェニル基、3−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−プロピル)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−プロピル)フェニル基、3−(1,1,3−トリヒドロ−パーフルオロ−n−プロピル)フェニル基、3−(2−ヒドロ−パーフルオロ−2−プロピル)フェニル基、4−(1,1,2,2−テトラヒドロ−パーフルオロ−n−プロピル)フェニル基、3−(パーフルオロ−n−プロピル)フェニル基、4−(パーフルオロ−n−プロピル)フェニル基、
3−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ブチル)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ブチル)フェニル基、4−(1,1,3−トリヒドロ−パーフルオロ−n−ブチル)フェニル基、4−(1,1,2,2−テトラヒドロ−パーフルオロ−n−ブチル)フェニル基、4−(1,1,2,2,3,3−ヘキサヒドロ−パーフルオロ−n−ブチル)フェニル基、
3−(パーフルオロ−n−ブチル)フェニル基、4−(パーフルオロ−n−ブチル)フェニル基、
4−(1,1−ジフルオロ−n−ペンチル)フェニル基、3−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ペンチル)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ペンチル)フェニル基、4−(パーフルオロ−n−ペンチル)フェニル基、
4−〔2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピル〕フェニル基、
4−(6−フルオロ−n−ヘキシル)フェニル基、3−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキシル)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキシル)フェニル基、4−(1,1,2,2−テトラヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキシル)フェニル基、4−(パーフルオロ−n−ヘキシル)フェニル基、
4−(1,1−ジフルオロ−n−ヘプチル)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘプチル)フェニル基、4−(1,1,7−トリヒドロ−パーフルオロ−n−ヘプチル)フェニル基、
3−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−オクチル)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−オクチル)フェニル基、3−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−デシル)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ドデシル)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−テトラデシル)フェニル基などのフルオロアルキル基で置換されているフェニル基;
例えば、3−(フルオロメチルオキシ)フェニル基、4−(フルオロメチルオキシ)フェニル基、2−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル基、3−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル基、4−(トリフルオロメチルオキシ)フェニル基、
3−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロエチルオキシ)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロエチルオキシ)フェニル基、4−(1,1,3−トリヒドロ−パーフルオロエチルオキシ)フェニル基、3−(パーフルオロエチルオキシ)フェニル基、4−(パーフルオロエチルオキシ)フェニル基、
3−(3−フルオロ−n−プロピルオキシ)フェニル基、4−(1,1−ジフルオロ−n−プロピルオキシ)フェニル基、3−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−プロピルオキシ)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−プロピルオキシ)フェニル基、3−(1,1,3−トリヒドロ−パーフルオロ−n−プロピルオキシ)フェニル基、3−(2−ヒドロ−パーフルオロ−2−プロピルオキシ)フェニル基、4−(1,1,2,2−テトラヒドロ−パーフルオロ−n−プロピルオキシ)フェニル基、3−(パーフルオロ−n−プロピルオキシ)フェニル基、4−(パーフルオロ−n−プロピルオキシ)フェニル基、
3−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ブチルオキシ)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ブチルオキシ)フェニル基、
4−(1,1,3−トリヒドロ−パーフルオロ−n−ブチルオキシ)フェニル基、4−(1,1,2,2−テトラヒドロ−パーフルオロ−n−ブチルオキシ)フェニル基、4−(1,1,2,2,3,3−ヘキサヒドロ−パーフルオロ−n−ブチルオキシ)フェニル基、
3−(パーフルオロ−n−ブチルオキシ)フェニル基、4−(パーフルオロ−n−ブチルオキシ)フェニル基、
4−(1,1−ジフルオロ−n−ペンチルオキシ)フェニル基、3−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ペンチルオキシ)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ペンチルオキシ)フェニル基、4−(パーフルオロ−n−ペンチルオキシ)フェニル基、
4−〔2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピルオキシ〕フェニル基、
4−(6−フルオロ−n−ヘキシルオキシ)フェニル基、3−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキシルオキシ)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキシルオキシ)フェニル基、4−(1,1,2,2−テトラヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキシルオキシ)フェニル基、4−(パーフルオロ−n−ヘキシルオキシ)フェニル基、
4−(1,1−ジフルオロ−n−ヘプチルオキシ)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ヘプチルオキシ)フェニル基、4−(1,1,7−トリヒドロ−パーフルオロ−n−ヘプチルオキシ)フェニル基、
3−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−オクチルオキシ)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−オクチルオキシ)フェニル基、3−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−デシルオキシ)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ドデシルオキシ)フェニル基、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−テトラデシルオキシ)フェニル基などのフルオロアルコキシ基で置換されているフェニル基を挙げることができる。
一般式(1)で表される二色性化合物において、Arはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、フルオロアルキル基、またはフルオロアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表す。
より好ましくは、Arは一つのアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、フルオロアルキル基、またはフルオロアルコキシ基のみで置換されていてもよいフェニル基を表す。
Arにおいて置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルキル基であり、より好ましくは、炭素数1〜14の直鎖または分岐のアルキル基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基である。
Arにおいて置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコキシ基であり、より好ましくは、炭素数1〜14の直鎖または分岐のアルコキシ基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜10の直鎖または分岐のアルコキシ基である。
Arにおいて置換されていてもよいハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子または臭素原子であり、より好ましくは、フッ素原子または塩素原子である。
Arにおいて置換されていてもよいフルオロアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖または分岐のフルオロアルキル基であり、より好ましくは、炭素数1〜14の直鎖または分岐のフルオロアルキル基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜10の直鎖または分岐のフルオロアルキル基である。
Arにおいて置換されていてもよいフルオロアルコキシ基としては、炭素数1〜20の直鎖または分岐のフルオロアルコキシ基であり、より好ましくは、炭素数1〜14の直鎖または分岐のフルオロアルコキシ基であり、さらに好ましくは、炭素数1〜10の直鎖または分岐のフルオロアルコキシ基である。
一般式(1)で表される二色性化合物において、Arの具体例としては、フェニル基、例えば、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−n−プロピルフェニル基、3−n−プロピルフェニル基、4−n−プロピルフェニル基、4−イソプロピルフェニル基、3−n−ブチルフェニル基、4−n−ブチルフェニル基、4−イソブチルフェニル基、4−sec−ブチルフェニル基、2−tert−ブチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2−n−ペンチルフェニル基、3−n−ペンチルフェニル基、4−n−ペンチルフェニル基、4−イソペンチルフェニル基、4−tert−ペンチルフェニル基、3−n−ヘキシルフェニル基、4−n−ヘキシルフェニル基、3−n−ヘプチルフェニル基、4−n−ヘプチルフェニル基、2−n−オクチルフェニル基、3−n−オクチルフェニル基、4−n−オクチルフェニル基、3−n−ノニルフェニル基、4−n−ノニルフェニル基、3−n−デシルフェニル基、4−n−デシルフェニル基、4−n−ウンデシルフェニル基、3−n−ドデシルフェニル基、4−n−ドデシルフェニル基、4−n−テトラデシルフェニル基などのアルキル基で置換されているフェニル基、
例えば、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、3−n−プロポキシフェニル基、4−n−プロポキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、2−n−ブトキシフェニル基、3−n−ブトキシフェニル基、4−n−ブトキシフェニル基、4−イソブトキシフェニル基、4−n−ペンチルオキシフェニル基、2−n−ヘキシルオキシフェニル基、3−n−ヘキシルオキシフェニル基、4−n−ヘキシルオキシフェニル基、4−n−ヘプチルオキシフェニル基、3−n−オクチルオキシフェニル基、4−n−オクチルオキシフェニル基、4−n−ノニルオキシフェニル基、4−n−デシルオキシフェニル基、4−n−ウンデシルオキシフェニル基、4−n−ドデシルオキシフェニル基、4−n−テトラデシルオキシフェニル基などのアルコキシ基で置換されているフェニル基、
例えば、Arで例示したハロゲン原子で置換されているフェニル基、
例えば、Arで例示したフルオロアルキル基で置換されているフェニル基、
例えば、Arで例示したフルオロアルコキシ基で置換されているフェニル基を挙げることができる。
一般式(1)で表される二色性化合物において、より好ましくは、Arはフルオロアルキル基、またはフルオロアルコキシ基で置換されているフェニル基であり、且つArはハロゲン原子、フルオロアルキル基、またはフルオロアルコキシ基で置換されているフェニル基である。
本発明の一般式(1)で表される二色性化合物の具体例としては、例えば、以下の化合物を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(1)で表される化合物は、例えば、一般式(2)で表される化合物と、一般式(3)および一般式(4)で表される化合物を、塩基の存在下、触媒として、例えば、パラジウム触媒〔例えば、ビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウムジクロライド、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、パラジウム/炭素〕、またはニッケル触媒〔例えば、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ビス(トリフェニルフォスフィン)ニッケルジクロライド〕を作用させることにより製造することができる〔例えば、Chem.
Rev.,95、2457(1995)、Chem.Rev.,102、1359(2002)、Chem.Rev.,107、133(2007)、Tetrahedron,54、263(1998)に記載の方法を参考にすることができる〕。
〔式中、ArおよびArは一般式(1)と同じ意味を表し、ZおよびZはハロゲン原子を表し、MおよびMはアルカリ金属、または金属含有基を表す〕
また、一般式(1)で表される化合物は、例えば、一般式(5)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物、あるいは一般式(6)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物、塩基の存在下、触媒として、例えば、パラジウム触媒〔例えば、ビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウムジクロライド、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、パラジウム/炭素〕、またはニッケル触媒〔例えば、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ビス(トリフェニルフォスフィン)ニッケルジクロライド〕を作用させることにより製造することができる。
〔式中、ArおよびArは一般式(1)と同じ意味を表し、ZおよびZはハロゲン原子を表し、MおよびMはアルカリ金属、または金属含有基を表す〕
尚、一般式(2)、一般式(5)および一般式(6)において、Z〜Zで表されるハロゲン原子は、好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表し、より好ましくは、臭素原子、ヨウ素原子を表す。
また、一般式(3)および一般式(4)において、M〜Mで表されるアルカリ金属は、好ましくは、Li、Na、Kを表す。
一般式(3)および一般式(4)において、M〜Mで表される金属含有基は、好ましくは、ホウ素金属含有基、スズ金属含有基、マグネシウム金属含有基、亜鉛金属含有基、マンガン金属含有基、ジルコニウム金属含有基、インジウム金属含有基、ゲルマニウム金属含有基、鉛金属含有基、ビスマス金属含有基、または銅金属含有基を表し、より好ましくは、ホウ素金属含有基、スズ金属含有基、マグネシウム金属含有基、または亜鉛金属含有基を表す。
ホウ素金属含有基としては、好ましくは、一般式(M−1)で表される基である。
−B(OR)(OR00) (M−1)
(式中、RおよびR00は水素原子またはアルキル基を表し、さらにRとR00が互いに結合して環状のアルキレン基、あるいはアリーレン基を形成していてもよいを表す)
一般式(M−1)において、RおよびR00は、水素原子またはアルキル基を表し、好ましくは、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表す。
また、RおよびR00が互いに結合して環状のアルキレン基を表す場合、好ましくは、炭素数2〜10の環状のアルキレン基を表す。
また、RおよびR00が互いに結合してアリーレン基を表す場合、好ましくは、アルキル基で置換されていてもよい炭素数6〜10の1,2−フェニレン基を表す。
スズ金属含有基としては、好ましくは、一般式(M−2)で表される基である。
−Sn(R000 (M−2)
(式中、R000はアルキル基を表す)
一般式(M−2)において、R000はアルキル基を表し、好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基を表す。
マグネシウム金属含有基としては、好ましくは、一般式(M−3)で表される基である。
−MgZ (M−3)
(式中、Zはハロゲン原子を表す)
一般式(M−3)において、Zはハロゲン原子を表し、好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表す。
亜鉛金属含有基としては、好ましくは、一般式(M−4)で表される基である。
−ZnZ00 (M−4)
(式中、Z00はハロゲン原子を表す)
一般式(M−4)において、Z00はハロゲン原子を表し、好ましくは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を表す。
一般式(1)で表される化合物は、例えば、一般式(2)で表される化合物と、一般式(3)および一般式(4)で表される化合物、あるいは一般式(5)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物、さらには、一般式(6)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物を、塩基の存在下、触媒(例えば、パラジウム触媒、ニッケル触媒)を作用させて製造することができる。
係る塩基としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの無機塩基、
例えば、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウム(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノラート)、カリウム(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノラート)、カリウム(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノラート)などの金属アルコキシド、
例えば、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなどの有機塩基などを挙げることができる。
係る塩基は、1種を単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
塩基の使用量は特に制限されるものではないが、反応する一つのハロゲン原子に対して、一般に、0.5〜3.0倍当量であり、好ましくは、0.8〜2.5倍当量使用することが好ましい。
また触媒の使用量は特に制限するものではないが、いわゆる触媒量使用すればよく、反応する一つのハロゲン原子に対して、一般に、30%当量以下であり、好ましくは、0.001〜20%当量使用する。
一般式(1)で表される化合物を製造する際の反応温度に関しては、特に限定するものではないが、一般に、30℃〜180℃程度、好ましくは、50℃〜150℃程度で実施する。
また、この反応は、大気圧下で実施することも、加圧下で実施することもできる。この反応は、大気中でも実施することができるが、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン)雰囲気下で実施することは好ましい。
反応時間に関しては、特に限定するものではなく、反応の経過は、一般式(1)で表される化合物の生成量を各種分析方法により求め、所望の時間実施することができ、一般的には、反応温度が、30℃〜180℃程度であれば、1時間〜50時間程度で実施する。
一般式(1)で表される化合物を製造する際には、有機溶媒の存在下で実施することは好ましい。
係る有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレンなどの炭化水素系溶媒、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールなどのアルコール系溶媒、
ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、プロピオフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチルスルフォキサイド、スルフォラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、プロピオニトリルなどの非プロトン性極性溶媒などの有機溶媒を挙げることができる。
これらの有機溶媒は、1種を単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。さらには、これらの有機溶媒と水を併用して用いることができる。
このように製造される一般式(1)で表される二色性化合物は、再結晶法、カラムクロマトグラフィー法などの精製方法、あるいはこれらの方法を併用して精製することができる。
一般式(1)で表される二色性化合物は、各種の機能性材料として使用することができる。機能性材料としては、好ましくは、例えば、一般式(1)で表される二色性化合物を含有して成る液晶組成物、液晶素子が挙げられる。
機能性材料としては、さらに、一般式(1)で表される二色性化合物を含有して成る光学フィルムを挙げることができる。
係る光学フィルムは、一般式(1)で表される二色性化合物を、有機溶媒(例えば、トルエン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エチレングリコールモノプロピルエーテル)に溶解、または分散し、フィルム状、シート状またはパネル状の透明成形体の片面、あるいは両面に塗布、分散することにより製造することができる。
尚、該光学フィルムは、例えば、遮光フィルム、調光フィルムなどに適用することができる。
また、一般式(1)で表される二色性化合物を含有してなる液晶組成物は、各種の液晶素子(例えば、表示部材、調光部材、遮光部材)などに使用することができる。
以下、本発明の液晶組成物、液晶素子に関して説明する。

<液晶組成物>
本発明の液晶組成物は、一般式(1)で表される二色性化合物の少なくとも1種と、少なくとも1種の液晶化合物とから成る。尚、液晶組成物の物性を変化させる目的で、これら以外の化合物をさらに含有することができる。
液晶組成物を構成する際には、一般式(1)で表される二色性化合物の少なくとも1種と、1種の液晶化合物とから構成することができるが、より好ましくは、一般式(1)で表される二色性化合物の少なくとも1種と、複数種の液晶化合物(液晶混合物)とから構成する。勿論、一般式(1)で表される二色性化合物は、複数種用いることができる。
以下、本明細書においては、液晶組成物を構成する1種の液晶化合物または複数種の液晶化合物から成る液晶混合物をホスト液晶と称する。
(ホスト液晶)
一般式(1)で表される二色性化合物のホスト液晶へ溶解する方法は、例えば、機械的攪拌、加熱、超音波、あるいはこれらの方法を併用するなど公知の方法を適用することができる。
本発明の液晶組成物に用いられるホスト液晶は、一般式(1)で表される二色性化合物と共存しうるものであれば特に制限するものではないが、好ましくは、ネマチック相、コレステリック相あるいはスメクチック相を示す液晶化合物、さらには、強誘電性液晶化合物が好適に用いられる。
また、ホスト液晶としては、正の誘電率異方性、または負の誘電率異方性を有する液晶(液晶混合物)を用いることができる。
ホスト液晶としては、さらには、二周波駆動に適した液晶を用いることもできる。
ホスト液晶としては、例えば、アゾメチン化合物、シアノビフェニル化合物、シアノフェニルエステル、フッ素置換フェニルエステル、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、フッ素置換シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル、シアノフェニルシクロヘキサン、フッ素置換フェニルシクロヘキサン、シアノ置換フェニルピリミジン、フッ素置換フェニルピリミジン、アルコキシ置換フェニルピリミジン、フッ素置換アルコキシ置換フェニルピリミジン、フェニルジオキサン、トラン系化合物、フッ素置換トラン系化合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリルなどを挙げることができる。
本発明の液晶組成物において、一般式(1)で表される二色性化合物の、ホスト液晶に対する割合は、特に制限するものではなく、用途を考慮し任意に設定することができる。
一般には、一般式(1)で表される二色性化合物の、ホスト液晶に対する割合は、0.1〜15質量%、より好ましくは、0.5〜8質量%、さらに好ましくは、1〜5質量%に設定する。
本発明の液晶組成物は、一般式(1)で表される二色性化合物(G、ゲストと称する)と、液晶化合物または液晶混合物(H、ホストと称する)から成り、いわゆるGH型液晶素子に適した液晶組成物である。
(添加物)
本発明の液晶組成物に、液晶組成物の諸物性(例えば,液晶相の温度範囲)を調節する目的で、それ自体では液晶性を示さない化合物が含有されていてもよい。
また、液晶組成物には、例えば、カイラル化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが含有されていてもよい。
本発明の液晶組成物には、一般式(1)で表される二色性化合物以外に、他の色相の二色性化合物、あるいは他の構造の二色性化合物が含有されていてもよい。
一般式(1)で表される二色性化合物は、橙黄色の二色性化合物であり、他の色相の二色性化合物として、例えば、マゼンタ色およびシアン色の二色性化合物を併用することにより、黒色の二色性を有する液晶組成物を調製することができる。
勿論、一般式(1)で表される二色性化合物と、一般式(1)で表される二色性化合物以外の橙黄色の二色性化合物を併用することもできる。
一般式(1)で表される化合物以外の二色性化合物としては、特に制限するものではないが、例えば、アゾ化合物、アントラキノン化合物、ペリレン化合物、インジゴ化合物、ポリアセン化合物、アセキノン化合物、フェノキサジン化合物、ジオキサジン化合物、ベンゾチアジアゾール化合物、テトラジン化合物、ナフタルイミド化合物を挙げることができる。
<液晶素子>
本発明の液晶素子は、少なくとも一方が透明電極である1対の電極を有する基板間に液晶組成物を挟持してなる。
図1および図2は本発明の液晶素子の一実施形態であるHeilmeierタイプのゲスト−ホスト型液晶素子を示す模式的断面図である。図1は液晶素子の電圧無印加時、図2は電圧印加時を示す。図中、1は入射光、2は偏光板、3は基板、4は透明電極、5は配向膜、6は二色性化合物分子、7は液晶分子、8は透過光を示す。
液晶素子は、電界の有無により、二色性化合物分子6、液晶分子7の配向が制御されることにより、光の透過、吸収が制御される。
すなわち、電圧無印加時(図1)では、二色性化合物分子6、液晶分子7が共に、基板に平行に配向した状態を示し、入射光1は、偏光板2により直線偏光に変換され、その光が二色性化合物分子6に吸収され、透過光8となる。
電圧印加時(図2)では、二色性化合物分子6、液晶分子7が共に、基板に垂直に配向した状態を示し、入射光1は、偏光板2により直線偏光に変換され、その光は二色性化合物分子6には吸収されずに、透過光8となる。
液晶素子に用いられる基板としては、一般に、ガラス基板、窒化ケイ素基板、あるいはプラスチック基板が用いられる。
係るプラスチック基板としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAr)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、環状ポリオレフィン、ポリイミド(PI)、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられ、より好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホンである。
基板の厚みに関しては、特に制限するものではなく、用途に応じて所望の厚みの基板を利用できる。
ガラス基板の厚みとしては、好ましくは30μm〜20mmであり、より好ましくは、40μm〜10mm、さらに好ましくは、50μm〜5mmである。
プラスチック基板の厚みとしては、好ましくは、30μm〜20mmであり、より好ましくは、40μm〜10mm、さらに好ましくは、50μm〜5mmである。
また、基板の光学特性としては、ヘイズは3%以下が好ましく、より好ましくは、2%以下、さらに好ましくは、1%以下であり、全光透過率は70%以上が好ましく、より好ましくは、80%以上、さらに好ましくは、90%以上である。
プラスチック基板には、所望により、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば、可塑剤、染顔料、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、無機微粒子、剥離促進剤、レベリング剤、あるいは潤滑剤などの樹脂改質剤を含有していてもよい。
尚、液晶素子用の1対の基板の内、一方の基板は非光透過性であってもよい。
非光透過性の基板としては、例えば、光反射性を有する白色の無機顔料(例えば、酸化チタン、酸化亜鉛)を添加したプラスチック基板が挙げられる。
尚、表示面を構成する基板としては、少なくとも可視域の光に対して光透過性を有することが必要である。
1対の基板の内、少なくとも一方の基板表面には、透明電極が設けられており、もう一方の基板には、電極、好ましくは透明電極が設けられている。
係る透明電極としては、例えば、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウムガリウム(IGZO)、酸化スズなどが用いられる。
透明電極は、例えば、スパッタ法、ゾルゲル法、印刷法により形成することができる。
本発明の液晶素子は液晶組成物を配向させる目的で、液晶組成物と基板の接する表面に配向処理を施した層(配向膜)を形成することは好ましい。
配向方法としては、例えば、4級アンモニウム塩を塗布し配向させる方法、ポリイミドを塗布しラビング処理により配向する方法、SiOxを斜め方向から蒸着配向する方法、さらには、光反応性官能化合物に光照射を行い配向させる方法などが挙げられる。
本発明の液晶素子は1対の電極を有する基板を、例えば、スペーサーなどを介して、電極が対向するように、一般に、1〜200μmの間隔を設け、その空間に液晶組成物を注入することにより作製することができる。
また、本発明の液晶素子は、液晶組成物を基板上に塗布、または印刷することにより基板間の空間に配置することができる。
本発明の液晶素子には、さらに白色反射板、反射防止膜、輝度向上膜などが設けられていてもよい。
本発明の液晶素子は、偏光板を設けた素子形態(例えば、Heilmeier型素子)とすることもできる。
本発明の液晶素子は、単純マトリックス方式、あるいは薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクテイブマトリックス方式を用いて駆動することができる。
本発明の液晶素子においては、液晶組成物の配向方式に関しては特に制限するものではなく、例えば、ホモジニアス配向、ホメオトロピック配向、フォーカルコニック配向などを形成することができる。
また、液晶素子の形態に関しては、特に制限するものではなく、例えば、
Heilmeier型GHモード、White-Taylor型GHモード、1/4波長板型GHモード、多層型GHモード、相転移型GHモード、高分子分散液晶(PDLC)型GHモードなどが挙げられる。
また、本発明の液晶素子では、一般式(1)で表される二色性化合物と、ホスト液晶とから成る液晶組成物をマイクロカプセルに内包させた形態も好ましく使用できる。
また、本発明の液晶素子では、一般式(1)で表される二色性化合物と、ホスト液晶とから成る液晶組成物を、適正な大きさの空隙を有するポリマーネットワークに、液晶ドメインを包含させた形態をとることができる。
尚、ポリマーネットワークは、例えば、ポリマー前駆体(例えば、重合性モノマー、架橋性モノマー)に、光または熱エネルギーを加えることにより製造することができる。
また、予めポリマー前駆体(例えば、重合性モノマー、架橋性モノマー)と液晶組成物を混合しておき、光または熱エネルギーを加えることにより、ポリマーネットワークに包含させた液晶素子を製造することができる。
本発明の液晶素子は、自然光(太陽光)下で、充分な表示機能、視認機能を有するが、所望に応じて、光源(バックライト)を設けることができる。係る光源としては、例えば、発光ダイオード(LED)、冷陰極管などを挙げることができる。
本発明の液晶素子は、光または熱書き込み型の液晶表示素子として適用することが可能である。
本発明の液晶素子は、例えば、電子光学シャッター、電子光学絞り、光通信光路切り替えスイッチ、光変調器などに使用することができる。
また、本発明の液晶素子は、例えば、コンピューター、携帯端末、時計、各種掲示板、各種表示板、各種家電、医療機器、玩具などの表示部材に使用することができる。
さらには、本発明の液晶素子は、例えば、建材用、車両、船舶、電車、航空機などの遮光部材、調光部材として好適に使用することができる。
本発明の液晶組成物は、以下に説明する光学要素としても好適に利用できる。
尚、光学要素としては、例えば、偏光フィルム、光学フィルム、位相差板などの機能性フィルム、電気光学素子、光変調素子などの機能性素子などである。
光学要素は、例えば、一枚の基板(支持体)に本発明の液晶組成物を塗布した後に加工する方法、あるいは一対の基板(セルなど)に本発明の液晶組成物を注入する方法などにより製造できる。
以下、製造例および実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(製造例1) 例示化合物番号4の化合物の製造
窒素雰囲気下、式(6−4)で表される化合物(9.8g、20ミリモル)と3−フルオロフェニルホウ酸(3.4g、24ミリモル)を、トルエン(150ml)、エタノール(30ml)および水(25ml)溶液に加えた後、この溶液に炭酸カリウム(5.5g)およびテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム0.3g(0.26ミリモル)を加え、70℃で、15時間撹拌した。
反応混合物を室温に冷却後、トルエン(100ml)を加え、トルエン層を分離後、さらにトルエン層を水洗した。トルエン層を分離し、トルエンを減圧下で留去した。
残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶出液:トルエン/n−ヘキサン(4:1体積比)〕で分離後、トルエンおよびn−ヘキサンを減圧下で留去し、例示化合物番号4の化合物を橙黄色の固体として3.6g得た。収率39%
(製造例2) 例示化合物番号10の化合物の製造
製造例1において、式(6−4)で表される化合物の代わりに、式(6−10)で表される化合物(20ミリモル)を使用した以外は、製造例1に記載の操作に従い、例示化合物番号10の化合物を橙黄色の固体として得た。収率35%
(製造例3) 例示化合物番号14の化合物の製造
窒素雰囲気下、式(6−14)で表される化合物(13.5g、20ミリモル)と4−フルオロフェニルホウ酸(3.4g、24ミリモル)を、トルエン(150ml)、エタノール(30ml)および水(25ml)溶液に加えた後、この溶液に炭酸カリウム(5.5g)およびテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム0.3g(0.26ミリモル)を加え、70℃で、15時間撹拌した。
反応混合物を室温に冷却後、トルエン(100ml)を加え、トルエン層を分離後、さらにトルエン層を水洗した。トルエン層を分離し、トルエンを減圧下で留去した。
残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶出液:トルエン/n−ヘキサン(4:1体積比)〕で分離後、トルエンおよびn−ヘキサンを減圧下で留去し、例示化合物番号14の化合物を橙黄色の固体として4.2g得た。収率33%
(製造例4) 例示化合物番号23の化合物の製造
窒素雰囲気下、式(6−23)で表される化合物(8.8g、20ミリモル)と4−(1,1,2,2−テトラヒドロ−パーフルオロ−n−ヘキシル)フェニルホウ酸(9.2g、25ミリモル)を、N,N−ジメチルホルムアミド(150ml)に加えた後、この溶液に炭酸カリウム(5.5g)およびテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム0.3g(0.26ミリモル)を加え、100℃で、10時間撹拌した。
反応混合物を室温に冷却後、水(100ml)を加え、析出した固体を濾過、水洗した。
この固体を、50℃で24時間乾燥させた後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶出液:トルエン/n−ヘキサン(4:1体積比)〕で分離後、トルエンおよびn−ヘキサンを減圧下で留去し、例示化合物番号23の化合物を橙黄色の固体として3.2g得た。収率25%
(製造例5) 例示化合物番号27の化合物の製造
窒素雰囲気下、式(6−27)で表される化合物(10.5g、20ミリモル)と4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−プロピル)フェニルホウ酸(7.1g、28ミリモル)を、トルエン(150ml)、エタノール(30ml)および水(25ml)溶液に加えた後、この溶液に炭酸カリウム(5.5g)およびテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム0.3g(0.26ミリモル)を加え、70℃で、15時間撹拌した。
反応混合物を室温に冷却後、トルエン(100ml)を加え、トルエン層を分離後、さらにトルエン層を水洗した。トルエン層を分離し、トルエンを減圧下で留去した。
残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶出液:トルエン/n−ヘキサン(4:1体積比)〕で分離後、トルエンおよびn−ヘキサンを減圧下で留去し、例示化合物番号27の化合物を橙黄色の固体として5.1g得た。収率42%
(製造例6) 例示化合物番号30の化合物の製造
窒素雰囲気下、式(6−30)で表される化合物(10.8g、20ミリモル)と3−(トリフルオロメチル)フェニルホウ酸(4.8g、25ミリモル)を、トルエン(150ml)、エタノール(30ml)および水(25ml)溶液に加えた後、この溶液に炭酸カリウム(5.5g)およびテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム0.3g(0.26ミリモル)を加え、70℃で、15時間撹拌した。
反応混合物を室温に冷却後、トルエン(100ml)を加え、トルエン層を分離後、さらにトルエン層を水洗した。トルエン層を分離し、トルエンを減圧下で留去した。
残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶出液:トルエン/n−ヘキサン(4:1体積比)〕で分離後、トルエンおよびn−ヘキサンを減圧下で留去し、例示化合物番号30の化合物を橙黄色の固体として4.3g得た。収率38%
(製造例7) 例示化合物番号31の化合物の製造
窒素雰囲気下、式(2−1)で表される化合物(9.8g、20ミリモル)と3−(トリフルオロメチル)フェニルホウ酸(9.6g、50ミリモル)を、トルエン(200ml)、エタノール(50ml)および水(40ml)溶液に加えた後、この溶液に炭酸ナトリウム(8.5g)およびテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム0.3g(0.26ミリモル)を加え、70℃で、15時間撹拌した。
反応混合物を室温に冷却後、トルエン(100ml)を加え、トルエン層を分離後、さらにトルエン層を水洗した。トルエン層を分離し、トルエンを減圧下で留去した。
残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶出液:トルエン/n−ヘキサン(4:1体積比)〕で分離後、トルエンおよびn−ヘキサンを減圧下で留去し、例示化合物番号31の化合物を橙黄色の固体として2.1g得た。収率20%
(製造例8) 例示化合物番号33の化合物の製造
製造例7において、3−(トリフルオロメチル)フェニルホウ酸の代わりに、4−(1,1,2,2−テトラヒドロ−パーフルオロ−n−ブチル)フェニルホウ酸(50ミリモル)を使用した以外は、製造例7に記載の操作に従い、例示化合物番号33の化合物を橙黄色の固体として得た。収率17%
(製造例9) 例示化合物番号38の化合物の製造
窒素雰囲気下、式(6−38)で表される化合物(13.8g、20ミリモル)と4−(1,1−ジフルオロ−n−ペンチル)フェニルホウ酸(5.7g、25ミリモル)を、トルエン(200ml)、エタノール(50ml)および水(40ml)溶液に加えた後、この溶液に炭酸ナトリウム(8.5g)およびテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム0.3g(0.26ミリモル)を加え、70℃で、10時間撹拌した。
反応混合物を室温に冷却後、トルエン(100ml)を加え、トルエン層を分離後、さらにトルエン層を水洗した。トルエン層を分離し、トルエンを減圧下で留去した。
残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー〔溶出液:トルエン/n−ヘキサン(4:1体積比)〕で分離後、トルエンおよびn−ヘキサンを減圧下で留去し、例示化合物番号38の化合物を橙黄色の固体として6.4g得た。収率43%
(製造例10) 例示化合物番号44の化合物の製造
製造例5において、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−プロピル)フェニルホウ酸の代わりに、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロペンチルオキシ)フェニルホウ酸(25ミリモル)を使用した以外は、製造例5に記載の操作に従い、例示化合物番号44の化合物を橙黄色の固体として得た。収率38%
(製造例11) 例示化合物番号46の化合物の製造
製造例6において、3−(トリフルオロメチル)フェニルホウ酸の代わりに、4−(1,1−ジヒドロ−パーフルオロエチルオキシ)フェニルホウ酸(25ミリモル)を使用した以外は、製造例6に記載の操作に従い、例示化合物番号46の化合物を橙黄色の固体として得た。収率31%
(製造例12) 例示化合物番号53の化合物の製造
製造例7において、3−(トリフルオロメチル)フェニルホウ酸の代わりに、4−(1,1,2,2,3,3−ヘキサヒドロ−パーフルオロ−n−ブチルオキシ)フェニルホウ酸(50ミリモル)を使用した以外は、製造例7に記載の操作に従い、例示化合物番号53の化合物を橙黄色の固体として得た。収率16%
(実施例)
以下に、本発明の液晶組成物、液晶素子の評価を実施した。
(1)液晶組成物の調製および溶解度(質量%)試験
各二色性化合物(10mg)をホスト液晶(500mg、1000mg、および2000mg)と混合し、80℃に加熱し、10分間超音波をかけた。その後、48時間、室温に静置し、顕微鏡で未溶解の二色性化合物(不溶分)の有無を観察した。
・ホスト液晶500mgに溶解した(溶解度2質量%以上)ものは、溶解度「A」、
・ホスト液晶500mgで不溶分が残り、1000mgには溶解した(溶解度1〜2質量%未満)ものは、溶解度「B」、
・ホスト液晶500mgおよび1000mgで不溶分が残り、2000mgには溶解した(溶解度0.5〜1質量%未満)ものは、溶解度「C」、
・ホスト液晶2000mgでも不溶分が残った(溶解度0.5質量%未満)ものは溶解度「D」と示した。
尚、液晶素子の作製には、二色性化合物が最も高い濃度で溶解した液晶組成物を用いた。
(2)液晶素子の作製
上記で調製した各液晶組成物を、25℃で、真空下で液晶セルに注入し、液晶素子を作製した。
尚、使用した液晶セルは、EHC社製のセルで、2枚のガラス板(厚さ0.7mm)に、ITO透明電極層、およびポリイミド配向膜(ラビング処理によりパラレル配向処理されている)が形成され、ITO透明電極が互いに対向するようにエポキシ樹脂でシールされている。
また、セルギャップは10μmである。
(3)オーダーパラメータ(S値)の測定
作製した各液晶素子に、配向方向と平行な直線偏光、および垂直な直線偏光を入射し、その時のそれぞれのスペクトルから、吸光度(A||およびA⊥)を分光光度計(U−4100、日立ハイテクノロジー社製)にて測定した。
そして、吸収極大波長におけるA||およびA⊥から、オーダーパラメータ(S)を式(1)に従い求めた。
S=(A||−A⊥)/(A||+2A⊥) 式(1)
尚、A||およびA⊥値は、ガラス基板の吸収を考慮して補正した値を用いた。
Sの値は、1に近いほど吸収異方性が大きいことを表し、二色性化合物として優れた特性を有していることを表す。
(4)電圧保持率(VHR、%)の測定
各液晶素子の電圧保持率は、5Vのパルスを60マイクロ秒(μsec)印加した後、16.6ミリ秒(msec)後に測定した。
さらに、各液晶素子に、周波数500Hzの交流(Vp−p=7V)を720時間印加し、耐久試験を実施した。耐久試験後、さらに各液晶素子の電圧保持率(VHR)を同様に測定した。電圧保持率は、100(%)に近いほど優れた液晶素子であることを表す。
(実施例1〜8)
本発明の例示化合物番号4の化合物(実施例1)、例示化合物番号10の化合物(実施例2)、例示化合物番号14の化合物(実施例3)、例示化合物番号27の化合物(実施例4)、例示化合物番号30の化合物(実施例5)、例示化合物番号31の化合物(実施例6)、例示化合物番号33の化合物(実施例7)、例示化合物番号46の化合物(実施例8)をホスト液晶Aに溶解し液晶組成物を調製し、溶解度を測定した。
液晶組成物を液晶セルに注入後、液晶素子中での吸収極大波長(nm)および二色性化合物のオーダーパラメータ(S)を測定した。
(比較例1〜4)
比較のために、式(A)で表される化合物(比較例1)、式(B)で表される化合物(比較例2)、式(C)で表される化合物(比較例3)、式(D)で表される化合物(比較例4)をホスト液晶Aに溶解し液晶組成物を調製し、溶解度を測定した。
液晶組成物を液晶セルに注入後、液晶素子中での吸収極大波長(nm)および二色性化合物のオーダーパラメータ(S)を測定した。
尚、実施例1〜8および比較例1〜4で使用したホスト液晶Aは、1−シアノ−4‘−n−ペンチルビフェニル(51質量%)、1−シアノ−4‘−n−ヘプチルビフェニル(25質量%)、1−シアノ−4‘−n−オクチルオキシビフェニル(16質量%)、および1−シアノ−4“−n−ペンチルターフェニル(8質量%)から成る液晶混合物である。
第1表に、実施例1〜8および比較例1〜4の二色性化合物の溶解度、液晶素子中での吸収極大波長(nm)および二色性化合物のオーダーパラメータ(S)を示した。
第1表より、本発明の二色性化合物は、公知の二色性化合物に比べ、液晶混合物に対する溶解度に優れ、さらにオーダーパラメータが高いことが判明した。
(実施例9〜17)
本発明の例示化合物番号4の化合物(実施例9)、例示化合物番号23の化合物(実施例10)、例示化合物番号27の化合物(実施例11)、例示化合物番号30の化合物(実施例12)、例示化合物番号33の化合物(実施例13)、例示化合物番号38の化合物(実施例14)、例示化合物番号44の化合物(実施例15)、例示化合物番号46の化合物(実施例16)、例示化合物番号53の化合物(実施例17)をホスト液晶Bに溶解し液晶組成物を調製し、溶解度を測定した。液晶組成物を液晶セルに注入後、液晶素子中での吸収極大波長(nm)および二色性化合物のオーダーパラメータ(S)を測定した。さらに、電圧保持率(耐久試験前、試験後)を測定した。
(比較例5〜8)
式(A)で表される化合物(比較例5)、式(B)で表される化合物(比較例6)、式(C)で表される化合物(比較例7)、式(D)で表される化合物(比較例8)をホスト液晶Bに溶解し液晶組成物を調製し、溶解度を測定した。液晶組成物を液晶セルに注入後、液晶素子中での吸収極大波長(nm)および二色性化合物のオーダーパラメータ(S)を測定した。さらに、電圧保持率(耐久試験前、試験後)を測定した。
尚、実施例9〜17および比較例5〜8で使用したホスト液晶Bは、MLC−6608(メルク社製)である。第2表に、実施例9〜17および比較例5〜8の二色性化合物の溶解度、液晶素子中での吸収極大波長(nm)、二色性化合物のオーダーパラメータ(S)、および電圧保持率(耐久試験前、試験後)を示した。
第2表より、本発明の二色性化合物は、公知の二色性化合物に比べ、液晶混合物に対する溶解度に優れ、さらにオーダーパラメータが高いことが判明した。さらには、本発明の液晶組成物、液晶素子は、耐久試験後の電圧保持率が高く、駆動安定性に優れていることが判明した。
本発明より各種の表示部材、調光部材、遮光部材として有用な二色性化合物、液晶組成物、液晶素子を提供することが可能になった。
本発明の二色性化合物は、液晶(液晶混合物)に対する溶解性に優れている。
また、本発明の液晶組成物は、オーダーパラメータが高く、駆動安定性(電圧保持率)に優れており、各種表示素子、遮光部材、調光部材などの液晶素子に用いることができる。
1:入射光
2:偏光板
3:基板
4:透明電極
5:配向膜
6:二色性化合物分子
7:液晶分子
8:透過光

Claims (3)

  1. 一般式(1)で表される二色性化合物。
    〔式中、Arはハロゲン原子、フルオロアルキル基、またはフルオロアルコキシ基で置換されているフェニル基を表し、Arはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、フルオロアルキル基、またはフルオロアルコキシ基で置換されていてもよいフェニル基を表す〕
  2. 請求項1記載の二色性化合物の少なくとも1種、および少なくとも1種の液晶化合物とから成る液晶組成物。
  3. 少なくとも一方が透明電極である1対の電極を有する基板間に、請求項2記載の液晶組成物を挟持してなる液晶素子。
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