JPS5814417Y2 - ステレオ式テ−プレコ−ダのａｌｃ回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は左右のチャンネルを有するステレオ式テープレ
コーダーのＡＬＣ回路に関する。

一般にテープデツキと呼ばれる高級なテープレコーダー
は録音レベルを手動的に調整する手段を有しているのに
対し、普及型のテープレコーダーは自動的に録音レベル
を調整する所謂ＡＬＣ（自動レベル調整）回路を有して
いる。

本考案は斯かるＡＬＣ回路を有するステレオ式テープレ
コーダーの改良に関し、第１図に示した従来例について
説明する。

第１図において１．２は夫々左右のチャンネルの入力端
子、３，４は前置増幅器、５，６は主増幅器、７，８は
出力端子である。

９及び１０は夫夫者チャンネルの信号路１１．１２ど接
地間にコレクタ・エミッタ間が接続されている第１第２
のＡＬＣ用トシトランジスター３及び１４は前記信号路
１１．１２の後段より得られる信号を整流し前記第１Ａ
ＬＣ用トランジスター９及び第２ＡＬＣ用トランジスタ
ー１０のベースに制御信号を印加せしめる第１第２の整
流回路であり、ダイオード１５．１６及びコンデンサ１
７．１８によって構成されている。

前記整流回路１３及び１４と前記第１及び第２ＡＬＣ用
トランジスター９，１０のベースとの間にはＡＬＣ回路
の動作時間を設定するために抵抗１９．２０が接続され
、また該整流回路１３．１４の出力端子間は一方のチャ
ンネルより得られる信号によっても他方のチャンネルの
ＡＬＣ回路が動作するように短絡されている。

以上の如〈従来のステレオ式テープレコーダーのＡＬＣ
回路は構成されているが、次のような欠点を有している
。

即ち、第１ＡＬＣ用トランジスター９と１ＺＡＬｃ用ト
ランジスター１０の特性が同一であれば問題はないが、
特性が異なると夫夫信号レベルの圧縮率に差が生じるこ
とになる。

その結果圧縮率の悪いチャンネルの整流回路より得られ
る制御信号のレベルは大きくなり、圧縮率の良いチャン
ネルの整流回路より得られる制御信号のレベルは小さく
なる。

前記第１ＡＬＣ用トランジスター９及び第２ＡＬＣ用ト
ランジスター１０は両チャンネルの中で大きいレベルを
有するチャンネルより得られる制御信号によってその動
作が制御されるため圧縮率の良いＡＬＣ用トシトランジ
スター縮率は更に良くなり、圧縮率の悪いＡＬＣ用トラ
ンジスターの圧縮率は更に悪くなる。

従って左右のチャンネルの出力端子７，８に現われる信
号のレベル差が犬きくなり、斯かる回路によって録音さ
れたテープを再生するとステレオ感が得られず聴取者に
不快感を与えることになる。

本考案は斯かる点を改良したＡ１０回路を提供しようと
するものであり、以下第２図に示した本考案の一実施例
について説明する。

同図において、２１．２２は夫々左右のチャンネルの入
力端子、２３．２４は前置増幅器、２５．２６は主増幅
器、２７．２８は出力端子である。

２９及び３０は夫夫釜チャンネルの信号路３１．３２と
接地間にコレクタ・エミッタ間が接続されている第１第
２のＡＬＣ用トランジスター、３３及び３４は夫々該第
１第２のＡＬＣ用トランジスタ２９．３０のベースにそ
のエミッタが接続されていると共にコレクタが抵抗３５
．３６を介して電源に接続されている第１第２の制御ト
ランジスターである。

３７及び３８は前記信号路３１．３２の後段より得られ
る信号を整流し前記第１ＡＬＣ用トランジスター２９及
び第２ＡＬＣ用トランジスター３０の動作を制御するべ
く前記第１制御トランジスター３３及び第２制御トラン
ジスター３４のベースに制御信号を印加する第１第２の
整流回路であり、ダイオード３９．４０及びコンデンサ
ー４１．４２によって構成されている。

４３及び４４は前記コンデンサー４１．４２の放電用抵
抗であり、Ａ１０回路の動作時間を設定する作用を有し
ている。

本考案は斯かる回路において、Ａ１０回路を構成する第
１整流回路３７と第２整流回路３８の出力端子間を互い
に逆方向に且つ並列接続された第１第２ダイオード４５
．４６を介して接続したものである。

次に斯かる回路の動作について説明する。

まず第１ＡＬＣ用トランジスター２９及び第１制御トラ
ンジスター３３による圧縮率の方が第２ＡＬＣ用トラン
ジスター３０及び第２制御トランジスター３４による圧
縮率よりも悪い場合について説明する。

入力端子２１に大レベルの信号が印加されると、該信号
の一部は第１整流回路３７によって整流された後第１制
御トランジスター３３のベース及び第１ダイオード４５
を通して第２制御トランジスター３４のベースに印加さ
れる。

その結果第１ＡＬＣ用トランジスター２９及び第２ＡＬ
Ｃ用トランジスター３０が導通してそのコレクタ・工□
ツタ間のインピーダンスが低下し伝送路３１゜３２の信
号を圧縮する。

そしてこの場合第２制御トランジスター３４のベースに
印加される制御信号のレベルは第１制御トランジスター
３３のベースに印加される制御信号のレベルよりも小さ
くなるので、各チャンネルの圧縮率に大きさ差が生じる
ことはない。

次に入力端子２２に大レベルの信号が印加された場合に
ついて説明すると、この場合第２整流回路３８によって
整流された信号が第２制御トランジスター３４のベース
及び第２ダイオード４６を通して第１制御トランジスタ
ー３５のベースに印加される。

その結果伝送路３２の信号は良く圧縮されるが伝送路３
１の信号はほとんど圧縮されないことになる。

それ故第２整流回路３８の整流出力は小さくなるが第１
整流回路３７の整流出力は小さくなることはなく第１制
御トランジスター３３のベースに印加され、該トランジ
スター３３を導通せしめる。

従って第１ＡＬＣ用トランジスター２９も導通し伝送路
３１の信号は圧縮される。

斯かる動作が瞬時に行なかれるので各チャンネルの圧縮
率に大きな差が生じることはない。

前述した動作は第１ＡＬＣ用トランジスター２９及び第
１制御トランジスター３３による圧縮率の方が第２ＡＬ
Ｃ用トランジスター３０及び第２制御トランジスター３
４による圧縮率よりも悪い場合について説明したが反対
の場合にも同様の動作が行なわれて各チャンネル間の圧
縮率に大きな差が生じることはない。

また本実施例ではＡＬＣ動作を行なうトランジスターと
してＡＬＣ用トランジスターと制御トランジスターとを
組合せた場合について説明したが、−石の場合でも、更
に多くのトランジスターを使用した場合にも同様の効果
を得ることが出来る。

尚本考案のＡ１０回路は第１図に示した従来例に比較し
て信号レベルの圧縮率が若干悪くなり、音像の移動がみ
られるが大入力時において１〜２ｄＢ程度であり聴感上
はとんど感じられないことが確かめられた。

以上に説明したように本考案のＡ１０回路は、従来の斯
かる回路が有していた欠点を極めて簡潔な構成により除
去しただけでなく、集積回路によって構成するとコスト
の上昇を招くこともないのでその実用性は非常に大きい
ものである。

【図面の簡単な説明】 第１図は従来のＡＬＣ回路の一実施例、第２図は本考案
のＡＬＣ回路の一実施例である。 主な図番の説明、２３，２４・・・・・・前置増幅器、
２５．２６・・・・・・主増幅器、２９・・・・・・第
１ＡＬＣ用トランジスタ、３０・・・・・・第２ＡＬＣ
用トランジスタ、３３・・・・・・第１制御トランジス
ター、３４・・・・・・第２制御トランジスター、３７
・・・・・・第１整流回路、３８・・・・・・第２整流
回路、４５・・・・・・第１ダイオード、４６・・・・
・・第２ダイオード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右の各チャンネルの信号路と接地間にコレクタ・エミ
   ッタ間が接続されている第１及び第２のＡＬＣ用トシト
   ランジスター該信号路の後段より得られる信号を整流し
   夫々前記第１及び第２のＡＬＣ用トシトランジスター作
   を制御するべく設けられた第１及び第２の整流回路より
   成るＡＬＣ回路に卦いて、前記第１及び第２の整流回路
   の出力端子間を互いに逆方向に且つ並列接続された第１
   及び第２のダイオードを介して接続したことを特徴とす
   るステレオ式テープレコーダーのＡＬＣ回路。