JPS5813080Y2 - エンジンの吸気装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、各々独立した低負荷用および高負荷用吸気通
路を単一の吸気孔を介して燃焼室に開口するようにした
エンジンの吸気装置の改良に関するものである。

従来より、エンジンの燃焼室に対し低負荷用および高負
荷用の２つの吸気通路を各々独立して開口したエンジン
の吸気装置、所謂複式吸気装置は一般によく知られてい
る。

この複式吸気装置は、アイドル運転を含む低・中負荷時
には小径の低負荷用吸気通路のみを使用して混合気の流
速を速め、燃料の気化、霧化を促進するとともに、高負
荷時には高負荷用吸気通路からも混合気を供給し、出力
の向上を図るようにしたものである。

上記複式吸気装置を備えたエンジンにおいては従来の単
一の吸気通路からなる吸気装置を備えたものと比べ、低
負荷時の燃料の気化、霧化の促進あるいはダイレクショ
ナルポート（シリンダに対し接線方向から吸気を流入さ
せ、シリンダ内でスワールを発生させるようにした吸気
ポート）等との組・合せによる燃焼室内でのスワールの
強化によって燃焼効率を向上できる等の種々の利点を有
している。

そこで、従来、上記複式吸気装置の一例として、第１図
に示すように各々独立した低負荷用および゛高負荷用吸
気管ａ、ｌ）を設けるとともに、シリンダヘッドＣに設
けた吸気通路ｄを、上記シリンダヘッドＣと同時に鋳造
され上記吸気通路ｄの大気側開口部ｅから吸気弁ｆの頭
部ｆ］より設定距離離れた位置まで包状に伸びる分離壁
ｇと、上記吸気通路ｄの燃焼室側開口部りから挿入され
上記分離壁ｇに連続して吸気弁ｆの頭部ｆ１の直上まで
包状に伸びる仕切部材ｉとによって低負荷用および高負
荷用吸気ポー）ｊ、ｋに分離し、上記低負荷用および高
負荷用吸気ポー）ｊ、ｋに各々上記低負荷用および高負
荷用吸気管ａ、１）を連結し、上記仕切部材ｉに、吸気
弁ｆの軸部ｆ２を包囲し、上記吸気弁ｆの軸部ｆ２を高
負荷用吸気ポー１− ｋ内に位置させる包囲部ｉ１を設
けたもの（例えば実開昭５３−５３２０８号公報を参照
。

）が提案されている。上記提案装置は、低負荷用および
高負荷用ポー）ｊ、ｋを分離壁ｇおよび仕切部材ｉによ
って仕切るようにしているため、両ポー）ｊ、にの十分
な仕切りを簡単に行なうことができる反面、吸気弁ｆの
軸部ｆ１が高負荷用吸気ポー）ｋ内に位置しているため
、低・中負荷時には、上記吸気弁ｆの軸部Ｆ２が混合気
流によって冷却されることがほとんどないので、上記吸
気弁ｆの軸部ｆ２の冷却が不十分となって高温となり、
上記吸気弁ｆの軸部ｆ２もしくは吸気弁ガイド（図示せ
ず）にスカッフが生じるという不具合がある。

本考案は、上記提案装置の利点を生かしつつ吸気弁の軸
部の冷却を十分に行ない得る構造を提供するものである
。

以下、図面に沿って本考案の実施例を詳細に説明する。

第２図乃至第４図において、１は気化器（図示せず）に
接続された吸気マニホールド、２はシリンダヘッド３に
形成された吸気通路であって、その−上流側は吸気マニ
ホールド１と接続され、下流側は吸気孔４を介してシリ
ンダヘッド３内に形成された燃焼室５に開口している。

上記吸気マニホールド１は吸気マニホールド１内に形成
された隔壁６によって２分割されて各々独立した小径の
低負荷用吸気管７および大径の高負荷用吸気管８が形成
され、各吸気管７，８の上流端には低負荷用気化器（図
示せず）および高負荷用気化器（図示せず）が具備され
ている。

また、上記シリンダヘッド３に設けた吸気通路２は、そ
の大気側開口部２ａから燃焼室側開口部２ｂに装着され
る吸気弁９の頭部９ａより設定距離離れた位置まで包状
に伸び、吸気通路２の断面を２分するようにシリンダヘ
ッド３と同時に鋳造された分離壁１０と、この分離壁１
０に連続して吸気弁９の頭部９ａの直上まで包状に伸び
、吸気通路２の断面を２分するように燃焼室側開口部２
ｂから挿入された仕切部材１１とによって２分割されて
、小径の低負荷用吸気ポート１２および大径の高負荷用
吸気ポート１３に国威され、上記分離壁１０の上流側端
面１０ａに上記隔壁６の下流側端面を一致して接続せし
めた状態で上記低負荷用および高負荷用吸気ポー） １
２．１３に各々低負荷用および高負荷用吸気管７，８が
連結され、以上によって、各々独立した小径の低負荷用
吸気通路１４および大径の高負荷用吸気通路１５を備え
、それぞれ単一の吸気孔４を介して燃焼室５に開口する
複式吸気装置が構成されている。

１６は吸気孔４を所定のタイミングで開閉する吸気弁９
の軸部９ｂを摺動可能に支持する吸気弁ガイドである。

上記仕切部材１１は、第５図に示すように吸気弁９の軸
部９ｂを包囲して吸気弁９の軸部９１〕を低負荷用吸気
ポート１２内に位置させる包囲部１１ ａとこの包囲部
１１ ａの両側から適当（例えば１２０゜〜１５０°程
度）な開き角度をもって両翼に拡がった略長方形状の側
部１１ ｂ、１１ Ｃを有する鉄板等のプレス成形品で
、上端縁１１ ｄは前記分離壁１０の燃焼室側端面１０
ｂ（第３図参照）に当接するよう平滑に形成される一方
、下端縁１１ ｅは前記吸気弁９の頭部９ａの形状に対
応させて形成し下端縁１１ｅと全閉位置における頭部９
ａとの間隔が０゜１〜２ｍｍ程度になるようにし、一方
の側縁１１ ｆは、前記分離壁１０の下流側端部１０
Ｃの一側に設けた嵌合溝１０ｄに嵌合するようにし、他
方の側縁１１ ｇは、吸気通路２の端部壁面に上下方向
に穿設した嵌合溝１７内に嵌合するようにしている。

なお、上記両側縁１１ ｆ 、１１ ｇの下部に設けた
切欠き１１ ｈ、１１ ｉは、シリンダヘッド３に設け
た吸気孔４の周壁１８に嵌合固定する鋼製のリング状弁
座１９と嵌合させるためのものである。

上記の仕切部材１１は、吸気弁９の装着に先立って、吸
気孔４から挿入し、次いで嵌合する弁座１９によって、
ガタつかないように固定する。

このような構成により、吸気弁９の軸部９ｂは低負荷用
吸気ポート１２内を通過する混合気流によって、エンジ
ンの作動中常時十分に冷却されるので、吸気弁９の軸部
９ｂが高温となることがなく、吸気弁９の軸部９ｂもし
くは吸気弁ガイド１６にスカッフが発生するということ
が防止できる。

なお、上記実施例では、仕切部材１１をシリンダヘッド
３に設けた嵌合溝１０ｄ、１７に嵌合させて固定させた
が、他の手段によって、上記仕切部材を固定させること
かで゛きる。

以上、説明したように、本考案によれば、吸気弁の軸部
を低負荷用吸気ポー ト内に位置させる包囲部を仕切部
材に設けるようにしたので、吸気弁の軸部を十分に冷却
することができ、吸気弁の軸部もしくは吸気弁力゛イド
にスカッフが発生するのを防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の複式吸気装置の構造を示す模式説明図、
第２図は本考案の実施例を示す模式説明図、第３図は第
２図のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図、第４図は第３図のＩＶ
方向矢視図、第５図は仕切部材の形状を説明する斜視図
である。 ２・・・・・・吸気通路、２ａ・・・・・・大気側聞［
」部、２ｂ・・・・・・燃焼室側開口部、３・・・・・
・シリンダヘッド、７・・・・・・低負荷用吸気管、８
・・・・・・高負荷用吸気管、９・・・・・・吸気弁、
９ａ・・・・・・頭部、９ｂ・・・・・・軸部、１０・
・・・・・分離壁、１１・・・・・・仕切部材、１１
ａ・・・・・・包囲部、１２・・・・・・低負荷用吠、
気ポーｌ−１１３・・・・・・高負荷用吸気ポート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各々独立した低負荷用および高負荷用吸気管を設けると
   ともに、シリンダヘッドに設けた吸気通路を、上記シリ
   ンダヘッドと同時に鋳造され上記吸気通路の大気側開口
   部から吸気弁の頭部より設定距離離れた位置まで包状に
   伸びる分離壁と、１−記吸気通路の燃焼室側開口部から
   挿入され、上記分離壁に連続して吸気弁の頭部の直上ま
   で包状に伸びる仕切部材とによって低負荷用および高負
   荷用吸気ポートに分離し、上記低負荷用および高負荷用
   吸気ポートに各々上記低負荷用および高負荷用吸気管を
   連結してなるエンジンの吸気装置において、上記仕切部
   材に、吸気弁の軸部を包囲し上記吸気弁の軸部を低負荷
   用吸気ポート内に位置させる包囲部を設けたことを特徴
   とするエンジンの吸気装置。