JPS5812498Y2 - ケ−ブル被覆剥取工具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ケーブル被覆剥取工具に係り、特に架橋ポリ
エチレンケーブルの絶縁体と一体に成形された外部半導
電層を剥ぎ取るのに好適なケーブル被覆剥取工具に関す
る。

架橋ポリエチレンケーブルの接続処理に際しては絶縁体
表面が平滑になるように外部半導電層を剥ぎ取る必要が
ある。

従来、この種の切削工具としては、種々考案されている
が、いずれも切削刃物をケーブルの軸心を中心として回
転することにより切削を行なうものであるため、外部半
導電層を取り除いた絶縁体表面に螺旋状の凹凸を生じる
という欠点があった。

この主な原因は、ケーブルの横断面が必ずしも真円でな
いこと、また１本のケーブルでも全長に亙って半導電層
の肉厚に若干の寸法の変動があるため、前記切削工具を
挿着して回転切削しているうち外径が変化すると、ケー
ブルと切削工具との間に間隙を生じ、その結果、ケーブ
ルと切削刃物との間の間隙が倍増されて絶縁体表面の仕
上り程度に影響を与えることと思われる。

本考案は、上記の欠点を解消すべくなされたもので、ケ
ーブル被覆を常に一定の肉厚で剥ぎ取ることのできるケ
ーブル被覆剥取工具を提供することを目的とする。

以下、本考案を図示の実施例につき説明する。

第１図、第２図は本考案の一実施例を示している。

図において、適当間隙を置いて併行配置された１対の固
定部材１，２と、これらの固定部材１．．２間にかけ渡
されてナツトにより固定された１対の案内棒３，４とに
より矩形体を形成している。

固定部材１，２間には１対の可動部材５，６が案内棒３
，４に摺動自在に支持されている。

一方の可動部材５の内側に２個の押えローラ７．８が適
当間隔を置いて配設されている。

他方の可動部材６の内側には、２個の押えローラ７．８
の中間部に対向する位置に１個の押えローラ９が配置さ
れている。

上記押えローラ７．８．９の回転軸７ ａ 、８ａ 、
９ ａは被覆を剥離すべきケーブル１０の長さ方向とほ
ぼ一致している。

尚、ケーブル１０は３個の押え口−ラ７，８．９間に挿
入されるようになる。

一方の固定部材１の中間部には把持棒１１のわし部１１
ａがねじ込み貫通されており、その内端が一方の可動
部材５の中間部に回転自在に係止されている。

つまり、把持棒１１の内端１１ ｂは可動部材５の中間
部に予しめ設けられた貫通孔に挿入され、止め輪１２に
より回転自在に止められている。

他方の固定部材２の外側に他の把持棒１３が固着されて
いる。

上記各把持棒１１，１３の外端側の外周上にはローレッ
トが施されている。

１個の押えローラ９を備えた可動部材６の中間部に刃物
ホルダ１４が設けられており、この刃物ホルダ１４に刃
物１５が他方の可動部材５側に進退可能に保持されてい
る。

尚、符号１６は刃物１５を固定するための止めねじであ
る。

一方の固定部材２と一方の可動部材６との間の案内棒３
，４上にはコイルスプリング１７．１８が嵌入されてい
る。

これらのコイルスプリング１７．１８は可動部材６を他
方の可動部材５側に押圧するよう付勢されているもので
ある。

次に、上記した本考案の工具の作動につき説明する。

一方の把持棒１３は固定部材２に固定されているが、他
方の把持棒１１は固定部材１に螺合され、可動部材５に
回転自在に係止されていることから、これを回転すると
、可動部材５を案内棒３，４に沿って往復動させること
ができる。

例えば、架橋ポリエチレンケーブルの外部半導電層を剥
ぎ取る場合、そのケーブル１０を３個の押えローラ７．
８．９により３方から挟持するよう、把持棒１１を回転
して可動部材５を移動させる。

このとき、コイルスプリング１７．１８は可動部材６を
介して圧縮され、所定のところで可動部材６を介してケ
ーブル１０外面に一定の圧力を与えることとなる。

このため、刃物とケーブルとの間に間隙を生じることが
常に防止される。

この状態で、把持棒１１ｊ３をもってケーフ゛ル１０の
回わりを回転させることにより、刃物が一定深さでケー
ブル被覆を切削するようになる。

本考案においては、刃物１５を１個の押えローラ９を備
えた可動部材６に配置したところに特徴がある。

即ち、ケーブル外径が変化しても一定の厚さに外部半導
電層を切削するには刃物１５は上記可動部材６に配設さ
れなければならない。

仮に反対側の可動部材５に刃物１５を取り付けた場合は
、第３図に破線で示すようにケーブル１０ａ外径が変動
したとき刃物１５とケーブル１０外面との間隔が変わり
、その結果、一定の厚さにケーブル１０ ａの外部半導
電層を切削できなくなるからである。

以上、本考案によれば、刃物１５を１個の押えローラ９
の可動部材６に設けたことにより、常に一定の肉厚で剥
ぎ取ることができ、しかも１種類の工具で導体断面の異
なる数種類のケーブルに対しても同様に被覆剥ぎ取りを
行い得る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるケーブル被覆剥取工具の一実施例
を示す正面図、第２図は同平面図、第３図は本考案のケ
ーブル被覆剥取工具の動作原理を示す説明図である。 １．２・・・・・・固定部材、３，４・・・・・・案内
棒、５，６・・・・・・可動部材、７，８．９・・・・
・・押えローラ、１０・・・・・・ケーブル、１１゜１
３・・・・・・把持棒、１５・・・・・・刃物、１７．
１８・・・・・・コイルスプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適当間隔を置いて配置されたｌ対の固定部材１．２と、
   これらの固定部材１，２間にかけ渡されて固定部材１，
   ２と協働して矩形体を形成する１対の案内棒３，４と、
   固定部材１，２間における案内棒３゜４に摺動自在に支
   持された１対の可動部材５，６と、一方の可動部材５の
   内側に適当間隔を置いて配置された２個の押えローラ７
   ．８と、他方の可動、部材６の内側に、前記２個の押え
   ローラ７．８の中間部に対向する位置に配置された１個
   の押えローラ９と、一方の固定部材１を外側がらねじ込
   み貫通され、内端が一方の可動部材５に回転自在に係止
   された把持棒１１と、他方の固定部材２の外側に係止さ
   れた他の把持棒１３と、１個の押えローラ９を備えた可
   動部材６の中間部に他方の可動部材５側に進退可能に保
   持された刃物１５と、案内棒３，４の、固定部材２およ
   び可動部材６間に嵌入され、がつ可動部材６を他の可動
   部材５側に押圧するよう付勢されたコイルスプリング１
   ７．１８とからなることを特徴とするケーブル被覆剥取
   工具。