JPS5811044Y2 - フイルタ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、金属を圧延して形成するシールドケースの内
部に仕切板を形成し、この仕切板に切かき、穴を設けて
各部屋内に装着したコイル、コンデンサ等を分離あるい
は結合して成るフィルターに関するものである。

テレビジョン受像機の映像中間周波数フィルターを例に
とって本考案例を従来例と比較して説明する。

テレビジョン受像機の映像中間周波数フィルターは広い
通過帯域特性と、隣接するチャンネルの音声搬送波周波
数と映像搬送波周波数で鋭い減衰特性と大きな帯域外減
衰量を必要とされる。

従って一般には映像中間周波数フィルターは多くのコイ
ルとコンデンサを組み合わせた帯域通過フィルターと、
鋭い減衰特性と大きな減衰量を得るために設けたトラッ
プ回路をプリント基板にそれぞれ組み込み、接続して構
成している。

しかしこれらの構成によると独立した部品を多数プリン
ト基板に組む必要があり、プリント基板実装面積は大き
くなる。

また、個々の部品の特性偏差により組み込み後入念な調
整をほどこさなければ必要とする映像中間周波数フィル
ター特性の実現は不可能である。

その上実装密度を上げるために部品と部品を接近させて
装着すると部品間の相互影響が生じて調整が複雑化した
り、フィルター周辺および外部の電磁界影響を受けるこ
とが多い。

本考案はこれらの従来の問題を改善して、製造。

加工の容易なシールドケースを形成してこのシールドケ
ース内に映像中間周波数フィルター素子をまとめ、必要
な映像中間周波フィルター特性を実現するものである。

本考案の実施例を第１図、第２図に示す。

１はアルミニウム等を圧延して形成したシールドケース
であり、同時に内部には仕切板２と、切かき６および切
かき６の残部５を有する仕切板３によって仕切られてい
る。

従って空洞共振器を形成する場合、シールドケース１に
継ぎ目がなくＱの高い共振器が得られる。

また仕切板３や残部５はシールドケース１の外側に凸部
４を設けているため、金属を圧延する時に、金属が凸部
４と仕切板３に流れるため、仕切板２よりもうすくでき
ている。

このように仕切板２や仕切板３を有するシールドケース
１には、プラスチック樹脂等で成形したボビンに銅線８
を巻回したコイル７．１５とか、コンデンサ、抵抗等の
部品９と配線用の端子１０を組み合せて保持するための
保持板１１．１３が挿入されている。

また、保持板１１には仕切板３の残部５とかん合固定す
るために設けた凹部１２が設けられている。

１４はシールドケース１の上面に設けた透孔で、コイル
７の中央に螺合されているフェライトコア１６を調整す
るために設けたものである。

第１図において、保持板１１にはトラップ回路を組み込
む。

仕切板３によってコイル７、コンテ゛ンサ９、抵抗９な
どによって組み合わされた複数のトラップ回路をシール
ドする。

一方保持板１３には士波長ヘリカル共振器用のコイル１
５が組み込まれている。

＋波長共振器間の結合を行なうため、シールドケース１
に設けた仕切板３には切かき６を設けて結合窓とする。

一般にヘリカルフィルターの中心周波数とか、帯域幅は
コイル１５とシールドケース１、切かき６の寸法によっ
て決まる。

本考案のように金属を圧延上たシールドケース１を用い
ると形状寸法の偏差が少なく、また凸部４によって仕切
板３がうすく構成できるため、この仕切板３を切断する
ことは容易であり、従って切断にともなう切かき６の寸
法偏差は最小にできる。

このように形成したヘリカルフィルターは特性の偏差を
少なくでき安定した性能を容易に維持できる。

次に保持板１１．１３には凹部１２が設けられておリミ
これと仕切板３を切かいた残部５とがかみ合いシールド
ケース１と保持板１１．１３はしっかりと固定される。

この残部５は保持板１１．１３がシールドケース１の内
径よりも小さく外周とシールドケース１とにすき間の大
きい場合等にもガタつきを防止できる。

特に、トラップ回路および゛ヘリカルフィルターは、コ
イル７とシールドケース１との間に分布容量が介在し、
ガタつき等により周波数ずれを起こし易く、ガタつきの
防止が必要なものである。

このように形成したトラップ回路とヘリカルフィルター
をシールドケース１の中央に設けた仕切板２によってシ
ールドして相互の電磁界による影響を防いで゛いる。

トラップ回路とヘリカルフィルターの接続はそれぞれコ
イル７．１５とコンテ゛ンサ、抵抗等９の配線のために
設けた端子１０を必要に応じて下側でプリント基板等を
用いて接続すれば良い。

以上のように本考案によると特性の偏差が小さく、集中
化の可能な小型映像中間、周波数フィルターを提供でき
る。

映像中間周波数フィルターとして必要な部品をすべて組
み合わせているため調整後出荷することもでき単体部品
としてではなく一つのフィルターとして扱い得る。

またシールド構造のため内部各部品の相互影響とか外部
電磁界の影響を防ぐことができる。

第１図、第２図で゛はトラップ回路とヘリカルフィルタ
ーを縦割り状に形成しているが、横割り状等の種々の組
み合わせにして、入力端子、出力端子を任意場所に設定
できる。

第３図は第１図、第２図フィルターの流れを、帯域通過
フィルター１７とトラップ回路１８との流れをブロック
ダイヤグラムで表わしたものである。

１９．２０は入力端子または出力端子である。

第４図は帯域通過フィルター１７を２分しトラップ回路
１８を中央に接続したものである。

このようにするとトラップ回路１８の入力、出力側に帯
域通過フィルター１７が接続されるため、外部インピー
ダンス変化の影響を受けにくくなる。

第５図は逆にトラップ回路１８を２分し中央に帯域通過
フィルター１７を接続した例であり、帯域通過フィルタ
ー１７は外部のインピーダンス変化の影響を受けにくく
なる。

以上はヘリカルフィルターとトラップ回路を組み込む場
合であるが、他の分離を必要とする複数の回路網を組み
込む場合にも本考案のフィルターは実施でき、シールド
効果と小型化、集中化が容易にできる。

このように本考案のフィルターは種々の利点をもち、し
かも多くの用途に有効で実用的価値の大なるものである
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるフィルターの一実施例を示す一部
切欠斜視図、第２図は同フィルターに用いるシールドケ
ースの斜視図、第第３図は映像中間周波数フィルターの
構成例を示すブロック図、第４図、第５図は映像中間周
波数フィルターの他の構成例を示すブロック図である。 １・・・・・・シールドケース、２，３・・・・・・仕
切板、４・・・・・・凸部、５・・・・・・残部、６・
・・・・・切かき、７．１５・・・・・・コイル、９・
・・・・・部品、１０・・・・・・端子、１１．１３・
・・・・・保持板、１２・・・・・・凹部、１４・・・
・・・透孔、１６・・・・・・フェライトコア、１７・
・・・・・帯域通過フィルター、１８・・・・・・トラ
ップ回路。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）アルミニウム等の金属を圧延成形したシールドケ
   ースの内部にシールドケースと一体となる複数個の仕切
   板を設けて複数個の部屋に分離し、仕切板の一部に切か
   きを設け、一部の部屋に設けた士波長共振器が切かきに
   よる結合窓によって結合して成るヘリカルフィルターと
   、仕切板によってシールドされた部屋にトラップ回路を
   形成し、かつ仕切板の両端または片方を残して中央部を
   切かき結合窓を設けるとともに、この両端又は片方の残
   りの部分で、コイル、コンデンサ等を保持固定配線する
   ために設けた保持板を保持固定してなるフィルター。
2. （２）シールドケースに仕切板を設ける部分と反対の外
   側に凸部を設けることにより、圧延時凸部へ金属が流れ
   ることを利用して、仕切板へ流れる金属の量を減らし仕
   切板の厚みを薄くしてなるシールドケースで構成される
   実用新案登録請求の範囲第１項に記載のフィルター