JPS5810958Y2 - 加熱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、材料を真空焼結し、次いで熱間均衡圧縮（
ｈｏｔ １ｓｏｓｔａｔｉｃ ｐｒｅｓｓｉｎｇ）する
工程に使うのにとくに適したオートクレーブ炉に関する
。

理論的密度に近い焼結体は、表面につながり又相互につ
ながる開放された多孔性がなくなるまで真空のもとに焼
結され、次いで残りの多孔性を除くまで熱間均衡圧縮を
行うことにより、粒状物質から作られる。

この業界の現状は、部分的に密度の高い加工体を焼結し
、理論的密度の９５％の密度を得て、次いで１００％の
理論的密度に達するまで熱間均衡圧縮処理を行う。

この方法は旧式であり、たとえば米国特許第３５６２３
７１号明細書に記載されている。

しかしこの方法は、真空焼結工程と、熱間均衡圧縮工程
とに、各別の炉を必要とする点で障害がある。

この場合極めて熱い加工品を、１つの炉から別の炉に運
び、又は加工品を運搬に先だって冷却しなければならな
かった。

焼結加工品は、高温のままの運搬中に生ずる熱衝撃に耐
えられないので、運搬に先だって冷却する必要がある。

運搬する前の冷却により、エネルギーの損失を伴い、製
造処理を終えるのに必要な時間が増加し、焼結体の結晶
性が変化する。

この考案は、前記した方法で真空焼結及び熱間均衡圧縮
の両工程に使う単一の炉に関する。

真空焼結中に、炉の加工空間内のふん囲気条件は、たと
えば１５００℃及び真空５×１０−１トル（ｔｏｒｒ）
である。

熱間均衡圧縮中に、加工空間内のふん囲気条件はたとえ
ば１４００℃及び８００ないし１２００バールである。

真空条件と、圧力条件とのもとで、加工空間内に均等な
温度を保つには実質的に種々の検討が必要である。

炉内が真空のときは、熱は放射により伝えられるだけで
、対流では伝えることができない。

熱は放射により全方向に均等に広がるので、加熱部片及
び加工空間から全方向に一様な絶縁を必要とする。

炉を均衡圧力で加圧するときは、熱は主として対流で伝
わる。

この対流は、加工空間内で絶えず熱を上方に移動させる
ようになる。

このことは利点であると共に欠点であもある。

対流加熱の利点は、たとえば、炉の底部を、きびしく絶
縁しなくてもよく、この炉底部の直下の空間を若干の機
能を果すために使うことができることである。

たとえば炉の直下の空間は、加工空間内の温度に耐える
ことのできない電気結線を納めるのに使える。

しかし加圧炉においては、加工空間内で温度を均等に保
つように、絶えず努めなければならない。

これ等のことを考えると真空焼結、熱間均衡圧縮処理に
従来各別の処理炉を必要とした理由が分る。

この考案の利点は、真空時にも加圧時にも均等な熱分布
状態を生ずる真空焼結、熱間均衡圧縮用単一炉の得られ
ることである。

この炉は、加熱及び真空焼結中に加工品から出る蒸気（
放出ガス汚染物）を、接触により損傷することのある加
熱部片及びその他の炉内機能構造品に接触しないで、炉
から吸出すことのできる独得の構造にしである。

この考案のなお別の利点は、蒸気を、凝縮させて収集す
るように炉容器内にコールドトラップを設けであること
にある。

もしそうでなければ、この蒸気は排気系統に対して障害
となる。

この考案による装置の利点は、真空焼結−熱間均衡圧縮
処理を、一層安価に、かつ一層有効に実施できることに
ある。

両工程に対し１台の炉だけの装入及び加熱により、時間
及びエネルギーの節約ができる。

投資設備が一層安価で済み、又温度制御装置のような補
助装置が少くて済む。

真空のもとでも大気圧以上の圧力のもとでも高い温度で
加工品を処理するこの考案による装置は、真空又は加圧
のふん囲気を内部に保つ容器すなわち真空−圧力容器を
備えている。

この真空圧力容器内に炉を設けである。

この炉は、この容器を加工空間から絶縁する覆いと、炉
内に上向きに延びる台脚を持ちこの台脚上に炉床を設け
た絶縁炉底部とを備えている。

電気抵抗加熱部片を含む第１の電気加熱回路は炉床の下
方で台脚のまわりに相互に間隔を隔てている。

電気低加熱部片から戊る少くとも１組の第２の電気加熱
回路は、炉床の上方で加圧空間のまわりに相互に間隔を
隔てている。

第１の電気加熱回路及び少くとも１組の第２の電気加熱
回路を各別に制御する制御装置を設けである。

この考案による加熱装置は、加圧ガスの源又は選定した
ふん囲気で容器を加圧するポンプ或はこれ等の両方と、
容器を減圧にしその中に真空を生ずる真空ポンプとに連
結するようにしである。

この炉は、これを排気したときは、炉床の上方の電気加
熱部片からの放射により、又容器を加圧するときは、炉
床の下方の電気加熱部片からの対流により、炉床上の加
工品にほぼ一様な温度分布を生ずることができる。

この考案による加熱装置には、複数個の下向きの穴を持
つ中空の台脚を設けて、容器を減圧にする装置を台脚の
内部に直接連通させ、放出ガス汚染物により損傷を受け
る加熱部片及びその他の構造品に接触しないで放出ガス
汚染物を、台脚を経て直接下向きに吸引し、容器から排
出するようにするのがよい。

容器に、台脚の下方においてコールドトラップを設けで
あるのは、この考案の好適とする構造である。

この考案のとくに好適とする実施例では、真空−圧力容
器は、各端部にふたを持つ細長い円筒形容器から或てい
る。

この容器の底部と、取りはずし自在の炉底部との上方に
台を間隔を隔てて設け、この台に乗るように炉床を支え
る付属台脚を配置しである。

円筒形加熱部片及びその支持体も又、前記炉底部に乗せ
られている。

絶縁覆いにより、加熱部片及び加工空間を囲み、この絶
縁覆いの下縁部を、炉底部に固定して、頂部ふたをはず
したときに生ずる開口を経てこの絶縁覆いを容器から引
上げることにより、炉底部、覆い及び加工品を容器から
取出せるように、絶縁覆いの下縁部を炉底部に固定する
。

以下この考案による加熱装置の実施例を添付図面につい
て詳細に説明する。

第１図に示すようにこの加熱装置は、円筒形部分２と、
円筒形部分２内に入れ子にした底部３と、取りはずし自
在の頂部カバー４とから戊っている。

底部３を囲む密封部片７と、カバー４のまわりの密封部
片６とは、この容器の内外からの圧力に確実に耐えるよ
うにしである。

頂部カバー４は、円筒形部分２及びカバー４の両方に形
成したつる巻形みぞ５内に挿入したつる巻ばね部片によ
り固定されている。

この容器内を真空にしたときに、せん又はボルト８によ
り底部３を上向きに動かないように保持しである。

この容器は高張力鋼により構成されている。

容器の底部３には、下部脚１０が乗せられている。

下部脚１０は、後述のように若干の電気プラグ又は電気
ソケットを保持する中央位置の環状の基部フランジ１２
、及び中央位置の環状フランジ１３を持つほぼ中空の円
筒である。

下部脚１０の基部フランジ１２は、炉の底部３にボルト
１４によりボルト締めされている。

下部脚１０には、中空の円筒形部分２１及び上部環状フ
ランジ２２から威る上部脚２０が乗せられている。

環状フランジ２２には、絶縁炉底部が乗る台が設けられ
ている。

又上部脚２０は、後述のように若干の電気プラグ−ソケ
ットを保持する下部環状フランジ２３を備えている。

上部脚２０及び下部脚１０は、構造鋼又は類似物により
構成されている。

上部フランジ２２の頂部には、絶縁した炉底部２４及び
台脚２５が直接乗せられている。

炉底部２４は、鋳造品又はれんがである耐火性絶縁材で
ある。

台脚２５及び炉床は、炭素又は黒鉛により構成されてい
る。

熱絶縁覆い２６は、台脚２５及び加工空間を囲み、台脚
２５及び加工空間を容器からしやへいする残りの炉部分
を構成する。

熱絶縁覆い２６は、鋼製外殻から構成され耐火性絶縁材
を内張すしである。

熱絶縁覆い２６は、フック又は日入きフック２８を備え
、この日入付きフック２８はクレーン又は巻上機に取付
けたフックに連関させられ熱絶縁覆い２６を容器から抜
き出すことができる。

熱絶縁覆い２６の下縁部は、上部脚２０に、ピン２７に
より釈放自在にピン止めされている。

すなわち熱絶縁覆い２６を容器から抜き出すときは、上
部脚２０と、台脚２５と、加工品が挿入されている場合
には、台脚２５に乗せた加工品２９とは、すべて容器か
ら取出せる。

上部脚２０の上部フランジ２２のすぐ下方に、フランジ
２２の表面に平行な複数の反射熱しゃへい部片３７が設
けられている。

各しゃへい部片３７はその下側の区域を放射加熱中に、
すなわち容器を真空にしたときに安全な温度に保つのに
役立つ。

熱絶縁覆い２６内では、加工空間及び台脚２５が、円筒
形の加熱部片支持構造３０により囲まれている。

加熱部片支持構造３０は、軸線方向に互に間隔を隔てた
黒鉛環３４，３５．３６を挿入することにより、互に間
隔を隔てた３個の中空の黒鉛製円筒体３１゜３２．３３
から構成しである。

各黒鉛環３４．３５．３６の内部リムは、これ等と協働
する黒鉛製円筒体３１，３２゜３３の内壁内にはまるよ
うに配置し寸法を定めである。

前記内部リムにより、黒鉛棒加熱部片４０又は類似物を
固定する場所を形成する。

各加熱部片４０は、この考案者による米国特許第４１２
６７５７号明細書多重区域黒鉛加熱部片使用炉に記載さ
れているように、互に連結されている。

これ等の加熱部片は、少くとも２個所なるべくは３個所
の互に無関係に制御できる区域に電気的に接続されてい
る。

最下部の加熱区域は台脚２５を囲み、上部加熱区域は加
工空間を囲む。

各加熱部片４０は、絶縁した炉底部２４を貫いて下方に
延びる黒鉛棒リード線を備えている。

炉底部２４で各加熱部片４０は、ケーブルにより、上部
脚２０の下部フランジ２３内に取付けた電気プラグ４２
に接続されている。

プラグ４２は、下部脚１０の上部フランジ１３内に取付
けたコンセント又はソケット４３と協働している。

ケーブル伺は、コンセント又はソケット４３を、この容
器の底部３内の電力貫通リード線４５に接続する。

複数個のプラグ４２及びソケット４３と複数本のケーブ
ル４４及び貫通リード線４５とを設けであるのはもちろ
んである。

容器の底部３を貫いて、この容器を排気する太い通路５
０を設けである。

弁棒５１は通路５０を貫通している。

弁棒５１の上端部には、弁座５４に連関するように配置
した密封環５３を持つ弁止め部片５２を設けである。

この弁の頂部には、がさ形のそらせ部片６０の底部に対
する台又は受は座が設けられている。

この弁は、弁棒５１を持上げることにより駆動され開か
れる。

この操作は、図示してない装置を介し流体圧により行わ
れる。

弁棒５１は、真空密のパツキンを貫通し、磁気的に駆動
されなければならないのはもちろんである。

真空ポンプは、底部３にねし込んだ継手により通路５０
に連通ずる。

冷却コイル管６１は、下部脚１０の上端部のまわりに配
置され、冷却コイル管６１に連結した導管６２が容器の
底部３を貫通して出ている。

上部脚２０には捕捉つぼ６３が固定されている。

捕捉つぼ６３は、環状のといの形状を持ち金属で作られ
ている。

冷却コイル管６１は、捕捉つば６３、上部脚２０及び下
部脚１０の温度を下げるという主な目的を持つ。

容器底部３内の各通路により、加圧口６５、掃気ガス口
６６及び圧力低下は６７が形成されている。

底部３の各継手によりこれ等の口を、適当な装置（図示
してない）に連結することができる。

炉の台脚２５には、複数の下向きの通路が形成されてい
る。

これ等の通路は、放出ガス案内７０（インコネルのよう
な耐火性金属又は黒鉛がら構成しである）と協働し、加
熱部片及びその結線を放出ガス蒸気から保護する。

この放出ガス蒸気は、加熱部片を腐食させ又は加熱部片
に望ましくない堆積物を生ずる。

放出ガス蒸気は、台脚２５の各穴を経て下向きに吸引さ
れ、かさ形そらせ部片６０により捕捉つぼ６３内へそら
される。

捕捉っぽ６３内で若干の蒸気が凝固して、弁座５４及び
減圧装置（図示してない）の汚染を防ぐ。

次にこの考案の加熱処理装置の操作法について述べる。

前記した加熱装置を使う真空焼結熱間均衡圧縮法は次の
通りである。

バスケラ１へ又は類似物内の加工品を炉床に置く。

この炉床は残りの炉部分と共に容器の外部にある。

次いで絶縁覆い２６を加工品の上方に位置させ、覆い２
６の底部でピン２７を上部脚３０に挿入する。

次いで覆い２６、加工品２９及び炉底部２４〔上部脚２
０）を、容器内におろし、このように容器内に覆い２６
をおろす際に、覆い２６の適正な整合により電気結線及
び熱電対を自動的に連関させる。

このときに容器を閉じ通路５０を経て排気する。

次いで炉床の上方に間隔を隔てた加熱部片４０を持つ、
少くとも１組の加熱体を制御し、加工品の温度を上げる
。

この温度を、真空に従って次のように上げる。

真空を絶えず監視し、放出ガスの急増により真空が減少
すると、ふたたび所望の真空が得られるまで加熱を中断
する。

容器の減圧が台脚２５の下向きの穴に左右されるので、
金属蒸気のような放出ガス汚染物は、各台脚穴を経て下
向きに直接吸引され、かさ形それら部片６０により捕捉
つぼ６３内にそらされ、捕捉っぽ６３内で蒸気を凝結さ
せる。

所望の温度に達すると、加工品が実質的に開いた多孔を
もはや持たないことが経験により分るまで、焼結を所定
の保持時間にわたって続ける。

掃気ガス口６６を経て掃気ガスを導入することにより、
加工品から放出ガス汚染物を払い出すことか゛望ましい
。

このときには止め部片５２を引下げ、容器をたとえば、
約１５０００ ｐｓｉに前もって加圧したタンクがら加
圧する。

加圧ガスは、口６５を経て導入される。このタンクから
の吹出しガスにより生成圧力が適当に供給されない場合
には、圧縮機が必要である。

加圧ふん囲気を容器内に導入する割合によって、加工品
の即座の成る程度の急冷作用が起るのはもちろんである
。

この場合加工空間を囲む加熱手段は、消勢され、炉床の
下方の加熱手段が付勢される。

ただこれだけで加工空間内の温度の均等性が得られる。

炉床の上方の加熱部片への給電電力を除々に減少させ、
炉床の下方の加熱部片に供給する電力を徐々に増加する
ことが望ましい。

実際上真空焼結中、又は熱間均衡圧縮中に、どちらの群
の加熱部片も完全に消勢する必要はない。

加工品の均衡凝固の起る所定の処理時限後に、容器圧力
は、口６７を経て低下させられる。

容器内の圧力が大気圧になると、この容器を開き、覆い
２６、加工品２９及び炉底部２４を取りのぞく。

次いで覆い２６を炉底部２４から分離し、加工品を取出
す。

炉底部２４を取りはずしているときに、所望なら、蒸気
から凝結した金属を除去することにより、捕捉つぼの補
修をすることができる。

以上この考案をその実施例について詳細に説明したがこ
の考案はなおその精神を逸脱しないで種々の変化変型を
行うことができるのはもちろんである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による装置の１実施例としてのオート
クレーブ炉の軸断面図、第２図及び第３図は第１図のそ
れぞれＩＩ−ＩＩ線及びｌｌｌ−■ＩＩ線に沿う断面図
である。 ３・・・・・・容器底部、１０．２０・・・・・・脚、
２５・・・・・・台脚、２６・・・・・・覆い、２９・
・・・・・加工品、３０・・・・・・支持構造、４０・
・・・・・加熱部片、５０・・・・・・通路、６５・・
・・・・加圧口。

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）真空下においても、大気圧以上の圧力下において
   も、加工品を高い温度に加熱する加熱装置において、（
   イ）真空−圧力容器と、（ロ）この真空−圧力容器を加
   工空間から絶縁する覆いと、（ハ）炉床を乗せ、炉内に
   上向きに延びる台脚と、（ニ）前記炉床の全く下方にお
   いて、前記台脚のまわりに間隔を隔てた第１の電気的加
   熱手段と、（ホ）前記炉床の上方において、前記加工空
   間のまわりに間隔を隔てた少くとも１組の第２の電気的
   加熱手段と、（へ）前記第１の電気的加熱手段と、前記
   少くとも１組の第２の電気的加熱手段とを各別に制御す
   る制御手段と、（ト）前記真空−圧力容器の内部を、選
   定したふん囲気でこの真空−圧力容器を加圧する加圧手
   段に連結する連結手段と、（チ）前記真空−圧力容器の
   内部を、この真空−圧力容器内に真空が生ずるように排
   気する排気手段に連結する連結手段とを備えることによ
   り、前記容器を排気するときは、前記少くとも１組の第
   ２の電気的加熱手段からの放射により、又前記容器を加
   圧するときは、前記第１の電気的加熱手段からの対流に
   より、前記炉が、前記加工空間に対し実質的に均等な温
   度分布を提供することができるようにした、加熱装置。
2. （２）台脚を中空にして穴をあけ、真空−圧力容器の内
   部を、この真空−圧力容器を排気する排気手段に連結す
   る連結手段を、前記台脚の内部に直接連通させた実用新
   案登録請求の範囲第（１）項記載の加熱装置。
3. （３）台脚と、第１の加熱手段との間に放出ガス案内を
   位置させた実用新案登録請求の範囲第（２）項記載の加
   熱装置。
4. （４）コールドトラップを、真空−圧力容器内において
   、中空の台脚の直下に、この台脚の内部に連通状態に位
   置させた実用新案登録請求の範囲第（１）項ないし第（
   ３）項のいずれかに記載の加熱装置。
5. （５）コールドトラップとして、上向きに開口する環状
   のといを使った実用新案登録請求の範囲第（４）項記載
   の加熱装置。
6. （６）台脚の中空の内部から下向きに吸引したガスをコ
   ールドトラップに内へそらせるように、前記台脚の中空
   の内部と前記コールドトラップとの間に位置するそらせ
   部片を備えた実用新案登録請求の範囲第（５）項記載の
   加熱装置。
7. （７）コールドトラップの付近に、真空−圧力容器の底
   部から出る延長部分に連通ずる冷却コイル管を位置させ
   た実用新案登録請求の範囲第（４）項記載の加熱装置。