JPS5810333B2 - 粉粒物の定量空気輸送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、粉粒物を正圧空気により単位時間当り一定量
輸送する定量輸送装置に関し、該粉粒物用フィーダの定
量性を向上させると共に、故障のない装置を提供するも
のである。

従来の定量輸送装置は、第１図に示す如く、サイロ本体
１の漏斗状部２の下端にクッションタンク３を連設し、
該クッションタンク３に内装された定量フィーダ４の流
出口５からロータリーバルブ６を介して空気輸送管７へ
誘導路８を設け、ロータリーバルブ６のケーシング内壁
面にバックフィルター９の導入口を開口し、サイロ本体
１の漏斗状部２にエアースライダー１０を取付けたもの
であった。

そして、定量フィーダ４から流出された粉粒物１１を空
気輸送管内の正圧気流により搬送するものである。

しかしながら、前記正圧気流がサイロ本体側に逆流する
ことを幾分でも阻止して粉粒物の定量性を保つバックフ
ィルター９は、目詰まりを生じ易く、そのだめ粉粒物１
１が常にロータリーバルブ６に落下するように監視する
必要があり面倒であるばかりか、バックフィルター９に
付着した粉粒物が断続的に落下すると輸送装置の定量性
が悪化する。

又、バックフィルター９に目詰まりが生ずるとサイロ本
体側に気流がより多く逆流し、定量フィーダ４の定量性
がなくなると共に、ときとして定量フィーダ４から粉粒
物を排出しないことが起る。

なお、バックフィルターによるエアー抜きを完全に行な
った場合には、ロータリーバルブ６からの漏れ空気量が
多くなり、輸送効率が低下すると共に、ローターパルプ
６を損耗し該パルプ６の寿命を短縮させていた。

さらに、従来型装置では、装置内に堆積した粉粒物１１
の内部に圧力勾配が生ずるので、定量フィーダ４に気体
の逆流が生じ易く該フィーダ４の定量性を悪化させると
共に、そのリークエアーにより該フィーダ４を損耗させ
る虞れがあり、それらに対処するため、該フィーダ４の
シールを完全に行う必要が生じて定量フィーダ４は構造
が複雑化し高価となる欠点を有していた。

又、エアースライダー１０はサイロ本体の粉粒物１１に
空気を送り込んで、粉粒物の流下を助勢するものである
が、空気源及びその動力を必要とし不経済であると共に
、該スライダーの作動時と不作動時とでは、粉粒体の見
掛は比重（空気を含有した単位容積当りの比重）が変化
１位容積当りの粉粒体重量が変化してフィーダ６の定量
性を悪化させていた。

なお、サイロ本体１内の粉粒物１１の堆積量によっても
前記粉粒物１１の見掛は比重が変化して前記同様に粉粒
物１１の定量供給ができなかった。

又瞬間的な粉体落下圧の影響により定量フィーダのコン
トロールが不可能となり定量誤差及びフラッシングを起
す危険性があった。

本発明は上記の欠点を取り除いたものであり、以下第２
図、第３図を参照しつつ本発明の実施例につき説明する
。

本発明の装置は、サイロ本体１の漏斗状部２の下端にク
ッションタンク３を連設し、該クッションタンク３に内
装された定量フィーダ４の流出口５からロータリーパル
プ６を介して空気輸送管７へ誘導路８を設けだ粉粒物の
定量空気輸送装置において、サイロ内の粉粒物１１の堆
積体内部に空間部１２を形成すると共に該粉粒物が前記
クッションタンクへ流下可能なように前記漏斗状部内面
の対向位置にバッフルプレート１３を配設し、前記ロー
タリーバルブ６のケーシング１４の内壁面に一端が開口
した空気抜管１５の他端を前記堆積体内部の空間部１２
に開口させたものである。

そして、前記本発明の構成に加えて、前記漏斗状部２を
振動源１６に連結し、あるいは該漏斗状部２及び空気抜
き管１５を振動源１６に連結したものである。

なお本実施例では、漏斗状部２の上端及び下端がフレキ
シブルジヨイント１７゜１Ｂで接続されると共に、サイ
ロ本体ＩＫ枢着されだ吊材１９の下端が漏斗状部２の上
端に枢着され、且つ、水平振動する振動源１６の振動杆
２０が漏斗状部２の上端に取付けられている。

さらにバッフルプレート１３は傘状に形成され梁材２１
によりサイロ本体に架設されている。

又、空気抜管１５はその上端部が漏斗状部壁面を貫通し
、且り該管１５が振動可能な柔軟材からなるか、あるい
はフレシキブルジヨイントでその下端部と接続されてい
る。

次に本発明の作用につき説明すると、サイロ内の粉粒物
１１ば、一般に、その堆積圧のだめ圧縮されて見かけ比
重（気体を含有する単位容積当りの比重）が消石灰粉末
の場合で０．８〜０．９となっている。

それ故、該粉粒物１１ば、フィーダ４方向へ円滑に流下
し難い状態となっているが、サイロ本体１の漏斗状部２
が振動源１６により水平振動しているので、該振動に伴
なって粉粒物は常に浮動しつつ流下する。

このとき粉粒物１１は、第２図矢印の如く、傘状バッフ
ルプレート１３の斜面に沿って流下し該プレート１３の
下部へ回り込む。

傘状のバックルプレート１３内は粉粒物の堆積体中に空
間部１２が形成され、該空間部１２に空気輸送管７の圧
力がロータリーバルブ６、空気抜き管１５を介して誘導
されているため、該空間部１３の静圧は空気輸送管Ｉの
静圧（本実施例ではゲージ圧０，３〜０．４気圧）とほ
ぼ同じに維持されている。

従ってバッフルプレート１３の下部に回り込んだ粉粒物
１１間に前記振動に伴い気体が侵入介在し、該粉粒物１
１の見かけ比重を０．５程度に低下させる。

それと共にバッフルプレート１３から定量フィーダ４の
下流までの間を同一気体圧に維持し、粉粒物１１の見か
け比重を一定にする。

クッションタンク３に充満されて見かけ比重が一定に維
持されだ粉粒物１１は、該タンク３の底部に配設された
第１回転羽根２２（第３図）により第１穿設孔２３から
密閉室２４内に連続的に流下し、該密閉室２４に内装さ
れた第２回転羽根２５により回送されて第２穿設孔２６
からテーブル室２７の張出し板２８上に連続的に落下す
る。

なお前記第２回転羽根２５はロータリーバルブ６を水平
に位置させた如き形状を有し、羽根の先端が密閉室２４
の内周面に摺接するので、該密閉室２４はクッションタ
ンク３とテーブル室２７とを流体的にほぼ遮蔽する構造
（厳密には回転及び摺接に必要が間隙が存在する）とな
っている。

次にテーブル室２７の張出し板２８上に落下した粉粒物
１１は第３回転羽根２９及びケーシングに取付けられた
図外の均し板によりテーブル３０の凹陥部３１に均−高
さに充満する。

該凹陥部３１表面に貼着されたスリップ防止用ローレッ
ト盤上に均一に堆積した前記粉粒物１１はテーブル３０
の回転に伴い前記凹陥部３１内に突設した誘導板３３に
案内されて誘導路８内に連続的に落下し、ロータリーバ
ルブ６の各羽根３２．３２間に保持されて順次空気輸送
管７内に供給される。

ロータリーバルブ６は、前記第２回転羽根２５と同様に
、誘導路８及び空気抜管１５と空気輸送管７とを僅かの
空隙を除いて流体的ｖｃｇ蔽している。

従って空気輸送管７内に供給された粉粒物１１は肢管の
気流により該管内を搬送される。

又空気抜管１５内には、上方へ向う小量の気流が常に存
在する０それは、サイロ内のバッフルプレート１３の空
間部１２の気体が粉粒物１１の前記供給量に応じて該粉
粒物間に侵入し流下するので、その気体の流下分だけロ
ータリーバルブ６の間隙を通り、あるいは各羽根３２．
３２間に運ばれて空気抜管１５を新たな気体が上昇し前
記空間部に供給されるものである。

このとき僅〈少量の粉粒物１１も前記上昇気体に運ばれ
て空気抜き管１５に付着するが、該空気管１５はサイロ
の漏斗状部２の振動に伴い該管１５自体も振動している
ため、前記により付着した粉粒物１１がある程度成長す
るにつれ順次落下し、肢管１５が該粉粒物により閉塞さ
れる虞れはない。

なお図における本実施例は、焼却炉から大気に放出され
る塩化水素を減少するため、炉又は煙道内等に定量的に
消石灰粉等を空気輸送する装置であり、前記空気輸送管
７が図外のブロワ−に接続され、圧力気体を第３図の裏
面側から表面側に流出し前記焼却炉等に該気体と共に消
石灰等を供給するものである。

なお、消石灰あるいは炭酸カルシウム等は専用ローリ−
車でサイロ内に投入し、該サイロ内に一時貯蔵し、必要
に応じ本装置を作動させてクッションタンク３内に常に
消石灰等を充満させると共に、供給量だけサイロ本体１
から該タンクに補充する形式であり、粉体の落下圧の影
響を受けないものである。

本発明は以上の如き構成からなり次の効果を有する。

（１）空気抜き管１５をバッフルプレート１３下方の空
間部１２に誘導し、圧力空気を粉粒物間に介在させて該
粉粒物１１の見かけ比重を減少させると共に該比重を一
定に保持するから、粉粒体の流動性を良好にしてサイロ
本体１及びクッションタンク３内の閉塞を予防し、且つ
、前記見かげ比重が一定となることにより定量フィーダ
４の定量性を向上させて、常に一定量の粉粒物輸送を可
能とする。

（２）さらにバックルプレート１３より下方に堆積する
粉粒物１１の内部をほぼ空気輸送管７内の静圧と同一に
することができるので、該輸送管Ｔ内の気体がロータリ
ーバルブ６の間隙を通り定量フィーダ４に逆流すること
がなくなる。

そのため密閉室２４のシールを不要とし、あるいはシー
ルが比較的簡単に行なわれ装置が簡素化すると共に、気
体の逆流に伴う定量フィーダ４の定量性悪化が防止され
る。

さらに該逆流にもとづき粉粒物１１の流路が閉塞される
ことを防止する。

（３）サイロ本体１の漏斗状部２が振動源１６に連結さ
れて該漏斗状部２を振動させているので、前記バッフル
プレート下部の空間部１２と相俟って粉粒物１１の流動
性を良好にすると共にその見かけ比重を一定値に低下維
持し、フィーダの定量性を確保している。

又、漏斗状部２を水平振動させる振動源１６は比較的小
さな動力で足りると共に、従来型装置のようなエアスラ
イダー１０及び比較的大きなその動力源を必要としない
ので、この点からも装置が簡素化され防塵対策上有利で
あり、且つ安価に該装置を製作可能であり、さらに消費
動力が低減されてランニングコストが低下する効果を有
する。

（４）又、空気抜き管１５も振動源１６に連結されて水
平振動しているから、該空気抜き管１５が閉塞する虞れ
がなく、該閉塞に伴う圧力気体の逆流及びフィーダ４の
定量性の悪化その他の障害を予防することができる。

なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく勿
論なく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で応用改変
し得るものであり、例えば傘状バックルプレートと空気
抜き管の下部に攪拌羽根等を取付ければ前記振動源の代
りとし得る。

又傘状のバッフルプレート１３自体も振動源１６に連結
してもよい。

さらに粉体のみでなく粒状物の定量供給装置として利用
することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来型の空気輸送装置の説明図であり、第２図
は本発明の粉粒物の定量空気輸送装置の説明図であり、
第３図は第２図の鎖線Ａ部分の拡大図である。 １…サイロ本体、２…漏斗状部、３…クツシヨンタンク
、４…定量フイーダ、５晶流出口、６…ロータリーバル
ブ、７…空気輸送管、８…誘導路、９…バツクフイルタ
ー、１０…エアースライダー、１１…粉粒物、１２−空
間部、１３…バツクルプレート、１４…ケーシング、１
５…空気抜き管、１６…振動源、１７．１８…フレキシ
ブルジヨイント、１９…吊材、２０…振動杆、２１…梁
材、２２…第１回転羽根、２３…第１穿設孔、２４…密
閉室、２５…第２回転羽根、２６…第２穿設孔、２７…
テーブル室、２８…張出し板、２９−第３回転羽根、３
０…テーブル、３１…凹陥部、３２…羽根、３３…誘導
板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ サイクロ本体の漏斗状部下端にクッションタンクを
   連設し、該クッションタンクに内装された定量フィーダ
   の流出口からロータリーバルブを介して空気輸送管へ誘
   導路を設けた粉粒物の定量空気輸送装置において、サイ
   ロ内の粉粒物の堆積体内部に空間部を形成すると共に該
   粉粒物が前記クッションタンクへ流下可能なように前記
   漏斗状部内面の対向位置にバッフルプレートを配設し、
   前記ロータリーバルブのケーシング内壁面に一端が開口
   した空気抜き管の他端を前記堆積体内部の空間部に開口
   させたことを特徴とする粉粒物の定量空気輸送装置。 ２ サイロ本体の漏斗状部下端にクッションタンクを連
   設し該クッションタンクに内装された定量フィーダの流
   出口からロータリーバルブを介して空気輸送管へ誘導路
   を設けた粉粒物の定量空気輸送装置において、サイロ内
   の粉粒物の堆積体内部に空間部を形成すると共に該粉粒
   物が前記クッションタンクへ流下可能なように前記漏斗
   状部内面の対向位置にバックルプレートを配設し、前記
   ロータリーバルブのケーシング内壁面に一端が開口した
   空気抜き管の他端を前記堆積体内部の空間部に開口させ
   、前記漏斗状部を振動源に連結したことを特徴とする粉
   粒物の定量空気輸送装置。 ３ サイロ本体の漏斗状部下端にクッションタンクを連
   設し該クッションタンクに内装された定量フィーダの流
   出口からロータリーバルブを介して空気輸送管へ誘導路
   を設けた粉粒物の定量空気輸送装置において、サイロ内
   の粉粒物の堆積体内部に空間部を形成すると共に該粉粒
   物が前記クッションタンクへ流下可能なように前記漏斗
   状部内面の対向位置にバッフルプレートを配設し、前記
   ロータリーバルブのケーシング内壁面に一端が開口した
   空気抜き管の他端を前記堆積体内部の空間部に開口させ
   、前記漏斗状部及び前記空気抜に管を振動源に連結した
   ことを特徴とする粉粒物の定量空気輸送装置。