JPS5810157Y2 - 核融合装置用コイル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は核融合装置用コイルに係り、特に真空容器と同
芯状に配置される垂直磁場コイルや空心変流器コイル等
の核融合装置用コイルに関する。

第１図、及び第２図に核融合装置の概略を示し、特にト
ーラス状の真空容器内にプラズマを磁場によって閉じ込
めるトーラス型核融合装置を示す。

護国の如く、トーラス型核融合装置は、内部にプラズマ
７を収納するトーラス状の真空容器１と、プラズマ７を
真空容器１内に閉じ込めるための磁場を発生させるため
該真空容器１を取り囲み、かつ、ｌ・−ラス周方向に所
定間隔をもって複数個配置されるトロイダル磁場コイル
２と、真空容器１内にトーラス状のプラズマ７を発生さ
せ、かつ、このプラズマ７を磁場によって保持すること
を目的として、真空容器１と同芯状に配置される垂直磁
場コイル３、及び空心変流器コイル４とから概略構成さ
れる。

尚、５、及び６は上下架台である。ところで、此種装置
においては、通電することによりコイルが発熱するため
冷却する必要がある。

従来、垂直磁場コイル３や空心変流器コイル４のような
真空容器１と同芯状に配置されるコイルの冷却は、コイ
ル表面からの熱の自然放散による自然空冷方式、あるい
はコイル導体に中空孔をあけ、ここに冷媒を流す直接冷
却方式が一般的であった。

しかしながら、近年の如く、コイルが大型化し、コイル
導体の断面寸法が大きくなると、前者の自然空冷方式で
は発熱量に比べて表面積が小さいためコイルの温度が上
昇して遂には絶縁を破壊するに至ってしまうという欠点
があり、後者の直接冷却方式は比較的電流密度の低いコ
イルでは経済的でないという欠点か゛ある。

本考案は上述の点に鑑み威されたもので、その目的とす
るところは、大断面寸法のコイルであっても安価で冷却
効率の良い核融合装置用コイルを提供するにある。

本考案はコイルを構成する各素線の径方向間に空気の流
通する間隔を設け、コイル全体の冷却面積を増して冷却
効率を高めるようにしたものである。

以下、図面の実施例に基づいて本考案を説明する。

第２図に本考案の一実施例を示す。

護国は垂直磁場コイル、あるいは空心変流器コイルなど
のように真空容器と同芯状に配置されるコイルを示す。

本実施例では、コイルを形成するコイル導体１０を巻回
する際に、そのコイル導体１ｏの径方向間に間隔１１を
設けて構成し、全周８ケ所を固定テ−プ１２で束ねてい
る。

更に、この詳細を第３図、及び第４図に示す。

固定テープ１２で固定されていないところでは、第３図
の如く、コイル導体１０は絶縁物１３で覆れ３列のコイ
ル導体１０の間に間隔がある。

一方、固定テープ１２で固定されているところでは、第
４図の如く、第３図の間隔の部分に詰物１４を入れてい
る。

このような本実施例の構成とすることにより、コイルの
断面寸法が大きくなったとしても、特別な加工を施すこ
となく冷却面積が増え安価で冷却効率の優れたものが得
られる。

尚、本考案の実施例とすることにより、コイル導体を隙
間なく巻いた場合に比べて冷却面積は約１．８倍に増え
、コイルの温度上昇は約７０％に低下させることができ
た。

以上説明した本考案の核融合装置用コイルによれば、安
価で冷却効率の良いコイルを得ることができ、此種核融
合装置には非常に有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図はトーラス型核融合装置の概略を示す半断面図、
第２図は本考案の一実施例を示すコイルの平面図、第３
図は第２図のＡ−Ａ断面図、第４図は第２図のＢ−Ｂ断
面図である。 １・・・・・・真空容器、２・・・・・・トロイダル磁
場コイル、３・・・・・・垂直磁場コイル、４・・・・
・・空心変流器コイル、５゜６・・・・・・架台、７・
・・・・・プラズマ、１０・・・・・・コイル導体、１
１・・・・・・間隔、１２・・・・・・固定テープ、１
３・・・・・・絶縁物、１４・・・・・・詰物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周囲に絶縁か施されているコイル導体を複数回巻回して
   形成するコイルを、内部にプラズマを収納するトーラス
   状の真空容器と同芯状に複数個配置して成る核融合装置
   用コイルにおいて、前記コイルは、周囲に絶縁が施され
   ているコイル導体の径方向間に空気が流通する間隔を設
   けて形成されることを特徴とする核融合装置用コイル。