JPH1199960A - 車両ボデーの強化組立体および強化組立法 - Google Patents

車両ボデーの強化組立体および強化組立法

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JPH1199960A
JPH1199960A JP9264114A JP26411497A JPH1199960A JP H1199960 A JPH1199960 A JP H1199960A JP 9264114 A JP9264114 A JP 9264114A JP 26411497 A JP26411497 A JP 26411497A JP H1199960 A JPH1199960 A JP H1199960A
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貢 深堀
Katsunori Hanakawa
勝則 花川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両ボデーのピラー部等の閉断面空間内に発
泡材を充填して強化する際に、未発泡材を所定の強化必
要部位に簡単且つ確実に固定し、当該強化必要部位の閉
断面空間内が万遍なく確実に充填されて強化された強化
組立体を提供すると共に、当該強化組立体を確実に得る
ことのできる強化組立法を確立すること。 【解決手段】 車両ボデー用パネルを閉断面空間を形成
する様に合わせて接合してなる車両ボデーの組立体にお
いて、該組立体における強化必要部位の全部もしくは一
部に対応するパネルにビードが形成され、該ビード形成
部位を含む前記閉断面空間内には発泡材が充填されて強
化され、或は更に強化必要部位の周縁を連続接合した車
両ボデーの強化組立体とその強化組立法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用ボデーの強化
組立体および強化組立法に関し、例えば自動車ボデーの
ピラー部の如き閉断面空間部の強化必要部に、発泡材を
充填して強度・剛性を高めた強化組立体および強化組立
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車などの車両のボデーには、例えば
ピラー部等に中空の閉断面空間部が形成されている。こ
れらピラーは視認性や乗降性などの向上という観点から
断面の大きさが制約を受け、結果として十分な強度と剛
性を確保しにくいという問題がある。また該中空部の共
鳴効果によって車室内騒音を増大するといった問題も指
摘される。
【0003】一方、例えば特開昭58−139878号
公報には、前記閉断面空間内に未発泡の発泡材を装着し
ておき、電着塗装時の乾燥熱を利用し該発泡材を発泡さ
せて前記閉断面空間内に充填することにより、騒音を軽
減する方法を開示している。ところがこの方法では、未
発泡の発泡材を閉断面空間内の所定部位に固定するの
に、未発泡の発泡材よりも断面積の小さい断面縮少部を
形成したり、あるいは発泡材固定用の掛止部を形成する
等の予備加工が必要となり、ボデー成形の作業効率を低
下させる大きな原因となる。しかもこの方法では、前記
発泡材を閉断面空間内の所定部位に確実に位置決めでき
るとは限らず、偏った位置に固定されることがある。そ
の場合は偏った位置で発泡材の発泡が起こり、発泡材が
周辺フランジ部等から閉断面外へ漏れ出して外観を劣化
させたり、或は塗膜の密着性に悪影響を及ぼし、耐食性
などにも悪影響を及ぼす恐れがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、車両
ボデーのピラー部等の閉断面空間内に発泡材を充填して
強化する際に、未発泡材を所定の強化必要部位に簡単且
つ確実に固定することができ、発泡により発泡材が閉断
面空間外に漏れ出して前述の様な問題を起こすことな
く、しかも当該強化必要部位の閉断面空間内を万遍なく
確実に充填して強化することができる強化組立法を確立
すると共に、該強化組立法を活用することにより、前記
閉断面空間の強化必要部位の強度・剛性を高めた車両ボ
デーの強化組立体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る車両ボデーの組立体は、車両ボデ
ー用パネルを閉断面空間を形成する様に合わせて接合し
てなる車両ボデーの組立体において、該組立体における
強化必要部位の全部もしくは一部に対応するパネル内面
側に、複数本のビードが形成されると共に、該ビード形
成部位を含む前記閉断面空間内には発泡材が充填されて
強化されているところに要旨が存在する。
【0006】また本発明に係る強化組立法は、上記強化
組立体を効率よく製造することのできる強化組立法を提
供するもので、車両ボデーの加工組立を行なうに当た
り、車両ボデー用パネルの強化必要部位の全部もしくは
一部に対応するパネル内面側にビードを形成してから所
定形状にプレス加工し、あるいは車両ボデー用パネルを
所定形状にプレス加工してから強化必要部位の全部もし
くは一部に対応するパネル内面側にビードを形成し、上
記パネルを、閉断面空間を形成する様に合わせて接合し
た後、該閉断面空間内で前記発泡材を発泡させるところ
に要旨を有している。
【0007】上記強化組立法を実施するに当っては、前
記ビードをボデー用パネルにおける成形時の材料の伸び
率が大きくなる方向に沿って形成すれば、該ビード形成
による加工性の低下を抑制すると共に、該ビード形成に
よってもたらされる強化効果を一層有効に生かすことが
できるので好ましい。
【0008】また、前記ビードを前記パネルの接合部面
領域に位置に形成すると、接合性や接合強度に悪影響を
及ぼすことがあるので、該ビードは上記パネルの非接合
面領域に形成するのがよく、また該接合面は、強化効果
を高めるため連続的に接合しておくことが望ましい。ま
た、パネル材料は該ビードの形成によって強化される反
面、伸び率は低下する傾向があるので、伸び率の急変に
よる加工性の劣化や外力を受けたときの応力集中を回避
するには、該パネル材料の伸び率が略連続的となる様に
前記ビードを形成することが望ましい。
【0009】また、ビードの形成には様々の方法を採用
することができるが、ビード形成部以外の部位に極力熱
影響を及ぼすことなく所定のビードを効率よく形成する
には、高密度エネルギー熱源、中でもレーザービームを
用いてビードを形成する方法を採用することが望まし
い。また、該ビード形成部に装填される未発泡発泡材を
発泡させるための加熱源は特に制限されないが、車両ボ
デーの組立に当っては、殆んどの場合塗装工程で電着塗
装が行なわれるので、該電着塗装時の乾燥熱を利用して
加熱発泡させる方法を採用すれば、作業性および熱効率
の上で最も好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】上記の様に本発明の強化組立体
は、ボデー用加工パネルを閉断面空間を形成する様に合
わせて接合した車両ボデーの組立体において、該組立体
における強化必要部位の全部もしくは一部に対応するパ
ネル内面側に、複数本のビードが形成されると共に、該
ビード形成部位を含む前記閉断面空間内が発泡材により
充填されて強化された構造を有しており、強化必要部位
はビードの形成と発泡材の充填によって二重に強化され
ているので、軽量で且つ優れた強度・剛性を示す車両ボ
デーとなる。
【0011】そしてこの様な強化組立体は、車両用ボデ
ーを構成するボデー用パネルの強化必要部位に複数のビ
ードを形成してから所定形状にプレス加工し、あるい
は、ボデー用パネルを所定形状にプレス加工し強化必要
部位に複数のビードを形成し、上記パネルを、閉断面空
間を形成する様に合わせて接合した後、該閉断面内で前
記発泡材を発泡させて該閉断面空間内に充填させるもの
で、この様な方法、特にボデー用パネルの強化必要部位
に複数のビード(突部)を形成し、この部分を発泡材の
充填部とすることによって、該発泡材を所定の強化必要
部位に確実に固定させることができ、発泡材充填部の偏
り等によって生じる前述の様な問題、具体的には、発泡
材が偏った位置で発泡し、閉断面の周辺フランジ部等か
ら発泡材が漏れ出して外観を劣化させたり、或は塗膜の
密着性を悪化させて耐食性などに悪影響を及ぼす、とい
った問題などを生じることなく安定した強化効果を得る
ことができる。また、強化必要部位のフランジ部を連続
的に接合しておけば、強化部へ加わる加重を効率よく周
辺に分散させることができ、結果としてボデー組立体の
強度・剛性を一層高めることができる。しかもビード形
成によって当該強化必要部位のパネル自体も強化される
ことになり、発泡材の充填強化とビード形成による強化
効果、更にはフランジ部の連続接合による効果が相まっ
て、強化必要部位の剛性や構造強度を著しく高めること
が可能となる。
【0012】以下、実施例図面を参照しながら本発明の
実施の形態を具体的に説明するが、本発明はもとより下
記図示例によって制限を受けるものではなく、前・後記
の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施すること
も可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に
含まれる。
【0013】図1は、本発明にかかる車両ボデーの強化
組立体におけるセンターピラー部を例にとって説明する
要部見取り図であり、Aは強化部を示し、追って詳述す
る如くビードの形成と発泡材の充填によって強化されて
いる。図2は図1におけるX−X線断面相当図であり、
符号1はサイドフレームアウター、2はセンターピラー
レインフォース、3はセンターピラーインナーを示し、
これら各部材は、鋼板等からなる車両ボデー用パネル材
をプレス加工することによって成形され、これらを閉断
面空間を形成する様に合わせてレーザービーム等により
周縁を溶接々合することによって組み立てられる。符号
Hは発泡充填材を夫々示している。
【0014】これらの図において強化部Aは、以下に詳
述する如く複数本のビードを位置決め部として、当該部
位に発泡材を装填し加熱発泡させることによって強化さ
れている。図2では、サイドフレームアウター1とセン
ターピラー2とによって構成される狭い閉断面空間内に
も発泡充填材Hを装填した例を示している。
【0015】次に図3は、上記図1に示した様な強化組
立体を製造する際の1例を示す工程説明図であり、コイ
ル若しくは切り板状のパネル(鋼板)Pを所定形状に切
り出し、該パネルPのプレス成形後の強化必要部位に対
応する位置にビードWを形成した後、プレス成形によっ
てセンターピラー部材の成形を行なう。この際、前記図
2で説明した様にセンターピラーレインフォース、セン
ターピラーインナー等の成形が行なわれる。そして、別
途成形加工されたサイドフレームアウターと合わせてサ
イドフレームの加工組立が行なわれる。この加工組立工
程で、上記各プレス加工パネルを用いて閉断面空間を形
成しつつ接合する際に、前記ビード形成部への未発泡の
発泡材Hの装填が行なわれる。次いで、得られたサイド
フレームを他のフレーム部材等と接合して車体を組み立
て、その後電着塗装および乾燥を行なうと共に、前記強
化必要部位に装填された発泡材を加熱発泡させて車両ボ
デーの組み立てを終える。
【0016】図4は、上記図3に示したサイドフレーム
部材加工後の組立工程を説明する図3のY−Y線断面相
当図であり、サイドフレームアウター1の強化要求部に
未発泡の発泡材H1 を装填してからセンターピラーレン
イフォース2を仮付け溶接し、該センターピラーレイン
フォース2の前記ビード形成部位に未発泡の発泡材H 2
を装填した後、更にセンターピラーインナー3を仮付け
溶接する。次いで、レーザービーム等の高密度エネルギ
ー熱源を用いて周縁を溶接することにより、閉断面空間
を有する車両ボデーを組み立て、電着塗装後の乾燥熱
で、前記閉断面空間内の強化必要部位に装填された前記
未発泡の発泡材H1 ,H2 を発泡させることにより、車
両ボデーの組立が完了する。
【0017】この様な車両ボデーの組立において本発明
では、前述の如く未発泡の発泡材の強化必要部位への装
填と位置決めを確実にするためビードを利用するところ
に特徴を有しているので、以下、ビードの成形法を主体
にして説明を進める。
【0018】まずビードは、前述の如く発泡材を強化要
求部位へ確実に位置決めする機能を果たすものであるか
ら、単一のビードではその効果が有効に発揮されず、複
数の凹凸を形成する様、例えば図5に示す如く複数本形
成するか、あるいは図6(A),(B),(C)に示す
如くS字状、ジグザク状あるいは矩形状のビードとする
ことが望ましい。
【0019】また該ビードの形成方向は、該ビードをプ
レス成形前に形成する場合は、プレス成形工程で加工歪
みが大きくなる方向に沿って形成することが望ましい。
その理由は、ビード形成部は、加熱後の急冷に伴う焼入
れ効果によって硬質化する傾向があり、加工歪みが大き
くなる方向にビードを形成すると、プレス加工々程で硬
質化したビードの部分で割れや亀裂を生じたり、ビード
の形成されていない非硬質化部にシワが発生する恐れが
あるが、加工歪みが大きくなる方向にビードを形成する
と、該ビード形成方向に沿って硬質化部と非硬化部が均
等に引き伸ばされることになり、上記の様な問題を生じ
ることなく高品質のプレス加工品を得ることができるか
らである。
【0020】また前記センターピラーの形状からも容易
に理解できる様に、通常の車両ボデー用パネルは一方々
向の単純な引張り加工によって所定形状に加工されるこ
とは少なく、プレス加工々程で大なり小なり縦・横・斜
め方向の複雑な引張りを受ける。そして例えば図7
(A)に示す如く、パネルに形成するビードを強化必要
部位に等しい長さと大きさで形成した場合、該パネル材
の伸び率は図7(B)に示す如くビード形成部で急変す
ることになり、プレス加工時に該伸び率の急変部位で割
れや亀裂を起こす恐れがでてくる。
【0021】この様な問題は、パネル材の伸び率が連続
的に変化する様にビードの形成法を工夫することによっ
て回避することができる。例えば図8(A)〜(C)は
ビードの好ましい形成法を例示する平面説明図であり、
図8(A)では、ビードWを中央部で最も長く形成する
と共にその両側にいくにつれて短く形成した例、図8
(B)は、中央部を実線状に連続して形成すると共にそ
の両側は鎖線状で断続的に且つ両側にいく程鎖ピッチを
広くした例、図8(C)は、ビードの長さ自体は同じで
あるが両側にいくにつれてビード深さを浅くした例(ビ
ード深さを調整する方法としては、例えばレーザ出力や
焦点距離、溶接速度などを変える方法等が採用できる)
を示している。この様にビードWの形成法を工夫すれ
ば、図8(D)に示す如くビード形成部における伸び率
の変化を連続的とすることができ、プレス加工時におけ
る伸び率の急変による割れや亀裂の発生を未然に防止す
ることができる。もっとも、図8(A)〜(C)に示し
た方法はその一例を示しただけであってこれらの方法に
限定される訳ではなく、要はビード形成部の伸び率を連
続的に変化させ得る限り、上記以外の様々の方法を採用
することが可能である。
【0022】この様に、ビード形成による伸び率変化が
連続的となる様に工夫すれば、その後パネル材がどの様
な方向に引き伸ばされた場合でも、伸び率の急変による
加工割れを防止することができる。また上記では、ビー
ド形成後にプレス加工を行なう場合の利点を説明した
が、こうしたビード形成法は、プレス加工後にビードを
形成する場合にも有効となる。しかして、プレス加工後
に上記の如くパネル材の伸び率が連続的に変化する様な
ビード形成を行なっておけば、これを車両ボデー材とし
て仕上げた後の局部的な応力集中が回避される結果、ボ
デー材全体としての強度が高められるからである。
【0023】本発明では、上記の様にしてビードを形成
した後、先に説明した様に該ビード形成部に未発泡の発
泡材を装填し、該パネルを閉断面空間を形成する様に合
わせて接合される。この接合にはリベット接合などを採
用することも可能であるが、好ましいのはレーザービー
ムの如き高密度エネルギー熱源を利用し、各パネル材同
士の周縁を隙間なく連続的に接合する方法である。しか
して、この接合部に僅かでも隙間ができると、その後の
未発泡材の加熱発泡時に発泡材の一部が当該隙間から漏
れ出して外観を劣化させたり、あるいは電着塗装不良と
なって耐食性にも悪影響を及ぼす恐れが生じるからであ
る。
【0024】図9は、強化必要部位の周縁を連続溶接し
たものの曲げ特性とピッチを変えて溶接したものの曲げ
剛性を調べた実験例を示している。即ち、図9(A)に
示す如く断面U字状に曲げ加工したパネルP1 の内面側
略中央部にビードを形成し、該ビード形成部にエポキシ
系の発泡材(Terocoa社製の「Terocoa1
010A」)を装填してから平板状のパネルP2 を合わ
せて周縁フランジ部を溶接し、発泡材装填部を加熱して
発泡させたものについて、図9(B)に示す方法で曲げ
特性を調べ、図9(C)に示す結果を得た。
【0025】図9(C)からも明らかである様に、強化
部に発泡材を充填したものは、未充填のものに比べて高
い曲げ特性を示しており、また特に発泡材を充填したも
のでは、周縁を連続溶接することによって曲げ剛性が大
幅に高められることを確認できる。即ち発泡材充填強化
構造の組立体では、周縁を連続接合することによる強化
効果がより有効に発揮されることを知ることができる。
【0026】また、上記の様な閉断面空間を形成する為
の接合を隙間なくより確実に行なうには、該接合部がで
きるだけ平坦であることが望ましいので、前記ビードは
非接合面領域に形成する様に配慮すべきである。ちなみ
に、周縁の該接合面領域にビードを形成すると、該ビー
ドの凹凸によって接合性が悪影響を受けるばかりでな
く、接合部に隙間ができ、前述した如く発泡材の漏出に
よる問題が生じ易くなるからである。又このビードは、
車両ボデー材の外観に悪影響を及ぼすのを避けるため、
車体の内側など表面に露出しない位置に形成することが
望ましい。
【0027】かくしてビード形成部位に未発泡の充填材
を装填し、閉断面空間を形成する様に接合した後、任意
の時期に該発泡材充填部位を加熱すると、発泡材は該ビ
ード形成部位で発泡して閉断面空間が充填され、当該部
位の構造強度を高めると共に、共鳴作用による騒音抑制
効果とも相まって、車両ボデーとして極めて優れたもの
となる。なお上記発泡材を発泡させる為の熱源は特に制
限されないが、自動車ボデー等では塗装工程で電着塗膜
の加熱乾燥が行なわれるので、この乾燥熱を利用して加
熱発泡させる様にすれば、工程を簡略化することができ
るので好ましい。
【0028】発泡材としては、前述の如く加熱発泡型の
ものであればその種類は特に制限されず、例えばエポキ
シ系、ポリエチレン系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニ
ル系、ウレタン系、ゴム系などの架橋型もしくは非架橋
型の様々の発泡性樹脂を使用できるが、主として剛性向
上という本発明の目的を生かすうえで特に好ましいの
は、エポキシ系の発泡材が例示される。市販の発泡材と
しては、例えばTerocoa社製の「Terocoa
1010A」,イイダ産業社製「DROXEX81
5」等が好ましいものとして例示される。これら発泡材
は、その発泡倍率と充填強化部である閉断面空間の体積
に応じたサイズのものを使用し、これを前記ビード形成
部に装着固定すればよい。
【0029】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、車
両ボデー組立体の強化必要部位のパネル内面側にビード
を形成すると共に、該ビード形成部位を含む前記閉断面
空間内に発泡材を充填して強化することにより、ビード
形成に伴う硬質化効果と発泡材の充填による剛性向上効
果が相まって、該ボデー組立体の強度を大幅に高め得る
ことになった。しかも該強化部位の閉断面空間が発泡材
で充填されることによって共鳴効果による騒音を著しく
軽減することができる。更に、周縁の接合を連続溶接す
れば、該強化部位への負荷加重を周辺部に効率よく分散
し、結果として該ボデー組立体の強度・剛性を一段と高
めることができる。また本発明の方法によれば、ビード
の形成によって未発泡充填材の位置決めを簡単且つ確実
に行なうことができ、充填材装着位置の偏りによる前述
の如き様々の問題を解消することができる。更に、ビー
ド形成位置はその凹凸或はビード部の着色状態等によっ
て簡単に自動検知することができるので、ビードの形成
と当該位置への発泡材の装着を自動的に行なうことも可
能となる。
【0030】また、ビードを前記ボデー用パネルにおけ
る成形歪みが大きくなる方向に沿って形成し、或は更に
加工に伴うパネル材料の伸び率が略連続的となる様に形
成しておけば、プレス加工時にパネル材が割れや亀裂、
シワなどの欠陥を生じることがなく、またボデー組立体
全体として局部的な応力集中を起こすといった問題も回
避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の強化組立体および強化組立法を、その
一例として自動車のセンターピラーについて示す説明図
である。
【図2】図1におけるX−X線断面相当図である。
【図3】本発明の方法を、センターピラー部の強化組立
例を挙げて説明する概略工程図である。
【図4】図3の強化組立工程を、断面で追って示す断面
説明図である。
【図5】ビードの好ましい形成例を示す平面説明図であ
る。
【図6】ビードの他の好ましい形成例を示す説明図であ
る。
【図7】ビードをパネルの幅方向に等しい長さで形成し
たときの、パネル長さ方向の伸び率の変化を示す説明図
である。
【図8】ビードをパネルの幅方向に伸び率が連続的に変
化する様に形成する場合のビード形状とパネル長さ方向
伸び率の変化を示す説明図である。
【図9】強化必要部位の周縁を連続溶接したものの曲げ
特性とピッチを変えて溶接したものの曲げ剛性を調べた
実験法とその結果を示す図である。
【符号の説明】 1 サイドフレームアウター 2 センターピラーレインフォース 3 センターピラーインナー A 強化部 C センターピラー P 車両ボデー用パネル W ビード H,H1 ,H2 発泡材 P1 ,P2 パネル

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両ボデー用パネルを閉断面空間を形成
    する様に合わせて接合してなる車両ボデーの組立体にお
    いて、該組立体における強化必要部位の全部もしくは一
    部に対応するパネル内面側にビードが形成されると共
    に、該ビード形成部位を含む前記閉断面空間内には発泡
    材が充填されていることを特徴とする車両ボデーの強化
    組立体。
  2. 【請求項2】 前記ビードが、ボデー用パネルにおける
    成形歪みが大きくなる方向に沿って形成されている請求
    項1に記載の強化組立体。
  3. 【請求項3】 前記ビードが、前記パネルの非接合面領
    域に形成されている請求項1または2に記載の強化組立
    体。
  4. 【請求項4】 上記組立体における強化必要部位の被接
    合面が、連続的に接合されている請求項1〜3のいずれ
    かに記載の強化組立体。
  5. 【請求項5】 車両ボデーの加工組立に当たり、車両ボ
    デー用パネルの強化必要部位の全部もしくは一部に対応
    するパネル内面側にビードを形成してから所定形状にプ
    レス加工し、更に上記ビード形成部位に未発泡の発泡材
    を装填し、該パネルを閉断面空間を形成する様に合わせ
    て接合した後、該閉断面空間内で前記発泡材を加熱発泡
    させることを特徴とする車両用ボデーの強化組立法。
  6. 【請求項6】 車両用ボデーの加工組立に当たり、車両
    ボデー用パネルを所定形状にプレス加工してから、強化
    必要部位の全部もしくは一部に対応するパネル内面側に
    ビードを形成し、更に該ビード形成部位に未発泡の発泡
    材を装填し、該パネルを閉断面空間を形成する様に合わ
    せて接合した後、該閉断面空間内で前記発泡材を発泡さ
    せることを特徴とする車両用ボデーの強化組立法。
  7. 【請求項7】 前記ビードを、前記ボデー用パネルにお
    ける成形時の材料の伸び率が大きくなる方向に沿って形
    成する請求項5または6に記載の強化組立法。
  8. 【請求項8】 前記ビードを、前記パネルの非接合面領
    域に形成する請求項5〜7のいずれかに記載の強化組立
    法。
  9. 【請求項9】 加工に伴うパネル材料の伸び率が略連続
    的となる様に前記ビードを形成する請求項5〜8のいず
    れかに記載の強化組立法。
  10. 【請求項10】 前記ビードを高密度エネルギー熱源に
    よって形成する請求項5〜9のいずれかに記載の強化組
    立法。
  11. 【請求項11】 高密度エネルギー熱源がレーザービー
    ムである請求項10記載の強化組立法。
  12. 【請求項12】 発泡材の発泡を、電着塗装後の乾燥熱
    を利用して行なう請求項5〜11のいずれかに記載の強
    化組立法。
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