JPH1199745A - 光記録媒体およびそれを用いる光記録方法 - Google Patents

光記録媒体およびそれを用いる光記録方法

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JPH1199745A
JPH1199745A JP9261904A JP26190497A JPH1199745A JP H1199745 A JPH1199745 A JP H1199745A JP 9261904 A JP9261904 A JP 9261904A JP 26190497 A JP26190497 A JP 26190497A JP H1199745 A JPH1199745 A JP H1199745A
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JP
Japan
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group
ring
optical recording
represented
metal complex
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Application number
JP9261904A
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English (en)
Inventor
Mari Honda
真理 本多
Akira Onishi
明 大西
Tatsuo Tanaka
達夫 田中
Yoriko Nakayama
依子 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、高速記録、高密度記録時に
おいても感度が高く、記録特性並びに耐光性が良好な光
記録媒体、および該光記録媒体を用いた光記録方法を提
供することにある。 【解決手段】 基板上に、下記一般式(1)で表される
金属錯体色素を含有する記録層を有する光記録媒体。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた特性を有す
る新規な光記録媒体及びそれを用いる光記録方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】染料や顔料として知られている色素は、
繊維の染色剤、樹脂や塗料の着色剤、写真、印刷、複写
機、プリンターにおける画像形成剤、カラーフィルター
の光吸収剤、インクジェット記録液等様々な用途で広範
に利用されている。これらの色素の共通課題として吸収
波長、波形の最適化、及びモル吸光係数の向上、耐光
性、耐熱性を初めとする保存性の向上などが挙げられ
る。一方、近年、情報量の急速な増大に伴い、大容量の
光記録媒体が脚光を浴びている。光記録媒体への書き込
み及び読みだしは400〜900nmのレーザー光を利
用するので、記録材料の使用レーザー発振波長近傍にお
ける吸収係数、屈折率等の制御及び書き込み時における
精度の良いピット形成が重要である。このことは、最近
願望されている高速記録、高密度記録においては特に重
要である。そのため、構造安定性が高く、レーザー発振
波長近傍の光に対して屈折率が高く分解特性が良好で、
かつ感度の高い光記録媒体用色素の開発が必要となる。
しかし、従来開発された光記録媒体用色素は、記録媒体
に用いた時、特に高速記録、高密度記録の感度(C/N
比、最適記録パワー)、記録特性(ジッター、デビエイ
ション)について欠点を有するという問題があった。従
来、種々の色素の中から吸収、反射特性に優れたシアニ
ン色素がこの用途に用いられてきたが、耐光性等の保存
性が低いため、経時で情報が失われたり、書き込めなく
なる欠点があった。このような問題を解決するために、
例えば米国特許3,432,300号、同4,050,
938号、特開昭60−118748号、同63−19
9248号、特開平2−300288号等に光安定剤、
あるいは光安定化方法が記載されているが、十分な保存
安定性を得るには至っていない。また、特開昭64−4
4786号、特開平2−76884号、同5−1770
1号には保存安定性に優れた金属錯体色素が記載されて
いるが、吸収波長が長波長すぎるため光記録媒体などの
用途に用いることはできない。
【0003】尚、そのほかの公知の色素を用いた光記録
媒体の記録特性においても十分な性能を有しているもの
は見いだされていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、上記欠点を改善し、高速記録、高密度記録時におい
ても感度が高く、記録特性並びに耐光性が良好な光記録
媒体、および該光記録媒体を用いた光記録方法を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の構成により達成される。
【0006】1.基板上に、下記一般式(1)で表され
る金属錯体色素を含有する記録層を有する光記録媒体。
【0007】
【化7】
【0008】〔式中、Mは金属イオンを表し、Dyeは
色素を表す。A1は陰イオンを表し、m1は1、2または
3を表し、m1が2又は3の時、各Dyeは同一でも異
なっていても良く、Dyeの少なくとも1つは下記の一
般式(2)〜(6)を表す。n1は0、1、2または3
を表す。
【0009】下記一般式(2)〜(6)で表される色素
は少なくとも2つの配位座を有し、上記一般式(1)で
表される金属錯体色素は下記一般式(2)〜(6)で表
される色素の少なくとも1種を配位子とする金属錯体色
素である。
【0010】
【化8】
【0011】〔式中、Bは置換基を有してもよい芳香族
炭素環又は複素環を表し、R1及びR2は水素原子又は一
価の置換基を表し、Z1は5員または6員の置換されて
いてもよい含窒素複素環を形成する原子の集まりを表
し、該複素環は更に別の環と縮合環を形成してもよ
い。〕〕 2.前記金属錯体色素が下記一般式(7)で表される1
記載の光記録媒体。
【0012】
【化9】
【0013】〔式中、Mは金属イオンを表し、Bは置換
基を有してもよい芳香族炭素環又は複素環を表し、R1
は水素原子又は1価の置換基を表し、Z1は5員または
6員の置換されていてもよい含窒素複素環を形成する原
子の集まりを表し、該複素環は更に別の環と縮合環を形
成してもよい。A1は陰イオンを表し、m1は1、2また
は3を表し、n1は0、1、2または3を表す。〕 3.上記一般式(1)〜(7)において、Bで表される
置換基を有してもよい芳香族炭素環または複素環が下記
一般式(8)で表されることを特徴とする1または2記
載の光記録媒体。
【0014】
【化10】
【0015】〔式中、Xは−N<(R82)(R83)基
(但し、R82、R83は同じであっても異なっていてもよ
く、各々置換されていてもよいアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アラルキル基またはシクロアルキル基
を表す。またそれらの置換基は互いに結合するかまたは
1と結合して環を形成してもよい。)、OH基または
OR84基(但し、R84はカチオンを表す。)を表す。Y
1、Y2は炭素原子又は窒素原子を表し、R81は水素原子
又は一価の置換基を表し、nは0〜4を表し、nが2以
上のとき、各R81は同じでも異なっていてもよい。〕 4.前記金属錯体色素を形成する金属イオンが、Ni,
Cu,Co,Zn,Cr,Pt,Pd及びFeから選ば
れる少なくとも1種であることを特徴とする1〜3のい
ずれか1項に記載の光記録媒体。
【0016】5.上記一般式(1)で表される金属錯体
色素と少なくとも一種の下記一般式(a)(b)(c)
で表される金属錯体色素を含有する記録層を有する光記
録媒体。
【0017】
【化11】
【0018】〔式中、Mは金属イオンを表し、X1、X2
は少なくとも2座のキレート形成可能な基又は原子の集
まりを表し、L1、L2及びL3は、メチン基を表し、互
いに結合して環を形成してもよく、X1、X2、Z2、Q1
と結合して環を形成してもよい。Z2、Q1はそれぞれ芳
香族炭素環又は複素環を形成する原子の集まりを表し、
Bは芳香族炭素環又は複素環を表し、R1、R2は水素原
子または一価の置換基を表し、R1又はR2の少なくとも
一方は少なくとも2座のキレート形成可能な基又は原子
の集まりを表す。pは0、1又は2を表し、qは0、1
又は2を表し、A1は陰イオンを表し、m3、m4、m5
1、2または3を表し、n3、n4、n5は0、1、2ま
たは3を表す。〕 6.上記一般式(1)で表される金属錯体色素と下記一
般式(d)で表される色素を含有する記録層を有する光
記録媒体。
【0019】
【化12】
【0020】〔式中、Q2およびQ3は複素環を表し、同
一でも異なってもよい。L1、L2およびL3はメチン基
を表し、互いに結合して環を形成してもよく、Q2また
はQ3と結合して環を形成してもよい。rは0または1
を表す。〕 7.上記1〜6記載の光記録媒体に、400〜900n
mの光を用いて記録及び再生から選ばれる少なくとも1
つを行うことを特徴とする光記録方法。
【0021】即ち、本発明は基板上に一般式(1)で表
される金属錯体色素を含有する記録層を有する光記録媒
体、および該光記録媒体に400〜900nmの光を用
いて記録および再生から選ばれる少なくとも1つを行う
ことを特徴とする光記録方法によって、本発明の目的が
達成され得たものである。
【0022】一般式(1)で表される金属錯体色素は一
般式(7)であることが耐光性等の点で好ましく、更に
式中Bが一般式(8)であることがより好ましい。これ
らと、一般式(a)、(b)、(c)で表される金属錯
体色素の少なくとも1種とを含有してもよく、一般式
(d)で表される色素の少なくとも1種とを含有しても
よい。この場合、塗布液の停滞性等がより良好となる等
の利点がある。
【0023】以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】一般式(2)〜(7)、(c)においてB
で表される芳香族炭素環又は複素環としては、該環上に
は更に置換基を有していても良く、縮合環を有していて
も良い。具体例としては、フェニル環、ナフチル環、ピ
リジル環、ピミジル環、ピラジル環、ピラゾリル環、ピ
ロリル環、インドリル環、イミダゾリル環、フリル環、
オキサゾリル環、チエニル環、チアゾリル環、キノリル
環などが挙げられる。これらの芳香族炭素環又は複素環
は更に置換基を有していても良く、該置換基としては、
例えばハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子な
ど)、アルキル基(例えばメチル、エチル、ブチル、ペ
ンチル、2−メトキシエチル、トリフルオロメチル、2
−エチルヘキシルなど)、アリール基、(例えばフェニ
ル、ベンゾイルなど)、アルコキシ基(例えばメトキ
シ、エトキシ、ブトキシなど)、アルコキシカルボニル
基(例えばメトキシカルボニル、i−プロポキシカルボ
ニルなど)アシルオキシ基(例えばアセチルオキシ、エ
チルカルボニルオキシなど)、カルバモイル基(例えば
メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ブチルカル
バモイル、フェニルカルバモイルなど)、スルファモイ
ル基(例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、
ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル
等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチ
オ、オクチルチオ等)アリールチオ基(例えばフェニル
チオ、p−トリルチオ等)、アミノ基(例えばアミノ、
メチルアミノ、ジエチルアミノ、メトキシエチルアミノ
等)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ、クロロ
アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミ
ノ、トリフルオロアセチルアミノ等)、アルキルウレイ
ド基(例えばメチルウレイド、エチルウレイド、メトキ
シエチルウレイド、ジメチルウレイド等)、アリールウ
レイド基(例えばフェニルウレイド等)、アルキルスル
ホンアミド基(例えばメタンスルホンアミド、エタンス
ルホンアミド、ブタンスルホンアミド、トリフルオロメ
チルスルホンアミド、2,2,2−トリフルオロエチル
スルホンアミド等)、アリールスルホンアミド基(例え
ばフェニルスルホンアミド、トリルスルホンアミド
等)、アルキルアミノスルホニルアミノ基(例えばメチ
ルアミノスルホニルアミノ、エチルアミノスルホニルア
ミノ等)、アリールアミノスルホニルアミノ基、(例え
ばフェニルアミノスルホニルアミノ等)ヒドロキシ基、
シアノ基、ニトロ基、複素環基(例えばピリジル、ピラ
ゾリル、イミダゾリル、フリル、チエニル等)等が挙げ
られる。
【0025】前記Bがフェニル環の場合の例としては、
4−ヒドロキシフェニル、4−メチルアミノフェニル、
4−(N−エチルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジ
メチルアミノ)フェニル、4−(N,N−ジエチルアミ
ノ)フェニル、4−(N,N−ジエチルアミノ)−2−
メチルフェニル、4−(N−エチル−N−2−メトキシ
エチルアミノ)−2−メチルフェニル、4−(N−エチ
ル−N−2−メタンスルホンアミニドエチルアミノ)−
2−アセトアミドフェニル、4−アニリノフェニル、4
−アセトアミドフェニル、2−シアノ−2−ニトロフェ
ニル、4−メチルフェニル、2,3,5−トリメチルフ
ェニル、2−メトキシフェニル、3,4−ジメトキシフ
ェニル、、4−クロロフェニル、2,4,6−トリクロ
ロフェニル、3−エトキシカルボニルフェニル、ジュロ
リジルなどを挙げることが出来る。
【0026】前記Bがピリジル環の場合の例としては、
3−(2−メチル−6−N,N−ジエチルアミノ)−ピ
リジル、3−(6−N,N−ジメチルアミノ)−ピリジ
ル、2−(6−ヒドロキシ)ピリジル、2−(5−メト
キシ)ピリジル、3−(6−メトキシ)ピリジル、3−
(6−ヒドロキシ−2−メチル)ピリジル、2−(3−
メチル−5−ジエチルアミノ)ピリジルなどを挙げるこ
とができ、ピラゾリル環の場合の例としては、3−
(1,5−ジメチル)ピラゾリル、3−(1−フェニル
−5−メチル)ピラゾリルなどを挙げることができ、フ
リル環の場合の例としては、2−(5−エトキシ)フリ
ル等を挙げることができ、チエニル環の場合の例として
は、2−(5−メチル)チエニル、2−(5−ジメチル
アミノ)チエニル、2−(5−エトキシ)チエニル等を
挙げることが出来、チアゾリル環の場合の例としては、
5−(2−メチル)チアゾリル、5−(2−ジメチルア
ミノ)チアゾリル、5−(2−メトキシ)チエニルなど
を挙げることが出来る。
【0027】Bは一般式(8)で表されることが好まし
く、式中、Xは−N<(R82)(R83)基(但し、
82、R83は同じであっても異なっていてもよく、各々
置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アリ
ール基、アラルキル基またはシクロアルキル基を表す。
またそれらの置換基は互いに結合するかまたはR81と結
合して環を形成してもよい。)、OH基またはOR84
(但し、R84はカチオンを表す。)を表す。
【0028】R82、R83の具体例としては、メチル基、
エチル基、プロピル基、ビニル基、メトキシエチル基、
プロペニル基、フェニル基、ベンジル基、フェニチル
基、シクロプロピル基、シュロブチル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、これらは更に
置換基を有してもよく、更に互いに結合して5員又は6
員の環を形成してもよい。
【0029】R84は一価の有機または無機のカチオンを
表し、無機のカチオンとして好ましくはナトリウム、カ
リウムのカチオンがあげられる。有機のカチオンとして
は、有機塩基のプロトン付加もしくは4級アンモニウム
カチオンが好ましく、有機塩基として好ましくはアルキ
ルアミン(例えば、メチルアミン、ジエチルアミン、ト
リエチルアミン等)、アリールアミン(例えば、アニリ
ン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン
等)、アミジン類(ベンズアミジン、アセトアミジン、
1,5−ジアゾビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセ
ン等)、グアニジン類(例えばテトラメチルグアニジ
ン、ジフェニルグアニジン、ジメチルジフェニルグアニ
ジン、ジピペリドグアニジン、ビスグアニジン等)、含
窒素複素環化合物(例えば、ピリジン、キノリン、イミ
ダゾール、ピロリジン、モルホリン、4−N,N−ジメ
チルアミノピリジン等)があげられる。4級アンモニウ
ムカチオンとしては例えばテトラメチルアンモニウム、
テトラエチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモ
ニウム、テトラブチルアンモニウム等のカチオンがあげ
られる。
【0030】Y1、Y2は炭素原子又は窒素原子を表し、
それぞれ同じであってもよく異なっていても良い。
【0031】R81は水素原子又は一価の置換基を表し、
具体例としては、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、
アリール基、アシルアミノ基、スルフォンアミド基、ウ
レイド基、ウレタン基、アミノ基、アルキルアミノ基、
アニリノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ
基、エステル基、アルコキシ基、スルフォニル基、チオ
基、アシル基、複素環基等が挙げられ、R81としてはア
ルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0032】一般式(2)〜(7)、(c)で表される
色素において、R1及びR2は水素原子又は1価の置換基
を表し、1価の置換基としては、前記Bで表される芳香
族環又は複素環の置換基として記載した基が挙げられ
る。R1及びR2の好ましい具体例としては、例えばハロ
ゲン原子(例えばフッソ原子、塩素原子など)、アルキ
ル基(例えばメチル、エチル、ブチル、2−メトキシエ
チル、トリフルオロメチル、2−エチルヘキシルな
ど)、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコ
キシカルボニル基、(例えばメトキシカルボニル、i−
プロポキシカルボニルなど)、カルバモイル基(例えば
メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ブチルカル
バモイル、フェニルカルバモイルなど)、シアノ基、ア
ルキルチオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、オクチ
ルチオなど)、アミノ基(例えばアミノ、メチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、メトキシエチルアミノなど)、ア
シル基、ヒドロキシ基、アシルアミノ基などが挙げられ
る。
【0033】また、R1とR2の少なくとも一方は、金属
と配位可能な基であり金属と配位可能な基として好まし
くは一般式(9)で表される基である。
【0034】
【化13】
【0035】〔一般式(9)中、X11及びX12は炭素原
子又は窒素原子を表し、同じであっても異なっていても
よく、少なくともどちらか一方は窒素原子である。
11、X12、Dを含む環は上記Bで表される複素環を表
す。〕 一般式(2)〜(7)において、Z1は5員または6員
の置換されていてもよい含窒素複素環を形成する原子の
集まりを表し、該複素環は更に別の環と縮合環を形成し
てもよい。
【0036】一般式(1)、(7)、(a)、(b)、
(c)において、Mは金属イオンを表し、Mで表される
金属イオン(金属錯体を形成する金属イオン)として
は、周期律表の第I〜VIII族に属する1価及び多価の
金属イオンが挙げられる。そして、中でもAl、Co、
Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、Sn、T
i、Pt、Pd、Zr、及びZn等の金属の金属イオン
が好ましく、Ni、Cu、Cr、Co、Zn、及びFe
の金属の金属イオンが特に好ましい。
【0037】一般式(1)、(7)、(a)、(b)、
(c)において、A1で表される陰イオンとしては、例
えば、エノレート(アセチルアセトナート、ヘキサフル
オロアセチルアセトナート)、ハロゲンイオン(フルオ
ライド、クロライド、ブロマイド、アイオダイドな
ど)、水酸イオン、亜硫酸イオン、硫酸イオン、アルキ
ル又はアリールスルホン酸イオン、硝酸イオン、亜硝酸
イオン、炭酸イオン、過塩素酸イオン、アルキル又はア
リールカルボン酸イオン、脂肪酸イオン、フェノールイ
オン、ジチオカルボン酸イオン、テトラアルキルボレー
ト、サリシネート、ベンゾエート、PF6-、BF4-、S
bF6-等が好ましいものとして挙げられる。一般式
(a)、(b)において、X1、X2は少なくとも2座の
キレート形成可能な基又は原子の集まりを表し、好まし
くは下記一般式(10)で表される。
【0038】
【化14】
【0039】〔一般式(10)中、Z3は少なくとも一
つのキレート化可能な窒素原子を含む基で置換された芳
香族性の含窒素複素環を形成する原子の集まりを表
す。〕 X1=、X2=としては下記一般式(11)〜(14)で
表されるものが特に好ましい。
【0040】
【化15】
【0041】〔式中、R1、R2は、水素原子又は1価の
置換基を表し、上記R1、R2で表される水素原子又は1
価の置換基として記載した基が挙げられる。Qは少なく
とも1つの窒素原子を有してなる複素環を形成する原子
の集まりを表す。〕 一般式(a)、(b)において、Z2、Q1は、それぞれ
芳香族炭素環又は複素環を形成する原子の集まりを表す
が、好ましくは5〜6員の芳香族性炭化水素環又は複素
環を形成する原子団であり、該環上には更に置換基を有
していても良い。該環の具体例としてはベンゼン環、ピ
リジン環、ピリミジン環、フラン環、チオフェン環、チ
アゾール環、イミダゾール環、ナフタレン環等が挙げら
れる。これらの環は更に他の炭素環(例えばベンゼン
環)や複素環(例えばピリジン環)と宿合環を形成して
もよい。環上の置換基としてはアルキル基、アリール
基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アシル
アミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アルコキシカ
ルボニル基、ハロゲン原子等であり、それらの基は更に
置換されていても良い。その置換基としては上記R1
2で表される水素原子又は1価の置換基として記載し
た基が挙げられる。
【0042】一般式(a)、(b)、(d)において、
1、L2、L3はメチン基を表し、これらは無置換でも
置換基を有していても良く、置換基としては、アルキル
基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アミノ基、ア
シルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アルコキ
シカルボニル基、ハロゲン原子などが挙げられる。ま
た、これらはX1、X2、Z1、Q1、Q2、Q3と結合して
環を形成してもよく、互いに結合してシクロヘキセン
環、シクロペンテン環等を形成してもよい。
【0043】一般式(d)において、Q2、Q3は複素環
を表し、同一でも異なっても良く、例えば、オキサゾー
ル環、イミダゾール環、チアゾール環、ピロール環、イ
ンドール環、ベンズオキサゾール環、ベンズイミダゾー
ル環、ベンゾチアゾール環、キノリン環、ピリジン環等
が挙げられる。これらの環は更に他の炭素環(例えばベ
ンゼン)や複素環(例えばピリジン環)と縮合環を形成
してもよい。環上の置換基としてはアルキル基、アリー
ル基、ヘテロ環基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、シ
アノ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ
基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子などが挙げ
られ、それらの基は更に置換されていてもよい。特にイ
ンドール環、インドレニン環、4,5−ベンゾインドー
ル環、4,5−ベンゾインドレニン環、5,6−ベンゾ
インドール環、5,6−ベンゾインドレニン環、6,7
−ベンゾインドール環、6,7−ベンゾインドレニン環
が溶解性の点で好ましい。
【0044】一般式(1)、(7)、(a)、(b)、
(c)において、m1、m3、m4、m5は1、2又は3を
表し、n1、n3、n4、n5は0、1、2、又は3を表
す。
【0045】一般式(a)、(b)において、p、qは
それぞれ0、1又は2を表す。
【0046】本発明の光記録媒体は、基板上に少なくと
も2つの配位座を有する上記一般式(2)〜(6)で表
される色素の少なくとも1種を配位子とする金属錯体色
素を含有する記録層を有する光記録媒体であり、金属錯
体色素としては、一般式(2)〜(6)を含有してなる
一般式(1)で表される金属錯体色素が好ましく、特に
一般式(7)で表される金属錯体色素が好ましい。
【0047】本発明の金属錯体色素は、他の色素、例え
ばアゾ色素、メチン色素、シアニン色素、フタロシアニ
ン色素、ナフタロシアニン色素等と混合して用いてもよ
い。2種以上の色素を併用して用いる場合には、色素膜
中での分光スペクトル特性が異なる色素と組み合わせて
使用することができる。例えば記録用にレーザ光の吸収
率の高い色素を用い、再生用にレーザ光の反射率の高い
色素を用いてもよい。また、より高密度な光記録媒体に
適用される620nm〜690nmの半導体レーザで、
記録および/または再生ができるように分光スペクトル
特性を選択して色素を組み合わせて用いてもよい。一般
式(1)で表される金属錯体色素から2種以上を併用し
て用いてもよく、また併用して用いる他の色素として
は、前記一般式(a)、(b)または(c)から選ばれ
る金属錯体色素が好ましい。また、前記一般式(d)で
表されるシアニン色素も好ましく用いられる。これらの
色素は分光スペクトル特性の変更が容易であり有利であ
る。
【0048】金属錯体色素を使用する際には、単離した
金属錯体色素を塗布液に添加してもよいし、色素と金属
イオンとをそれぞれ単独に添加して塗布液中で金属錯体
色素としてもよい。
【0049】本発明において、金属錯体色素とは、一般
式(1)、(7)、(a)、(b)、(c)等で表され
る色素等をいい、例えば、色素溶液に金属含有化合物を
添加するとなんらかの反応によってもとの色素溶液の最
大吸収波長あるいはその波形に何らかの変化が起こるこ
とがある。こういった現象が見られたとき、金属錯体色
素を形成していると見なしている。金属錯体色素を形成
したことで現れる現象はこれに限定されるものではない
が、その中の具体例としてここに挙げる。また、その現
象によって、金属錯体色素の形成を確認する場合もあ
る。
【0050】以下に本発明の金属錯体アゾメチン色素の
具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0051】
【化16】
【0052】
【化17】
【0053】
【化18】
【0054】
【化19】
【0055】
【化20】
【0056】
【化21】
【0057】
【化22】
【0058】
【化23】
【0059】
【化24】
【0060】
【化25】
【0061】
【化26】
【0062】
【化27】
【0063】
【化28】
【0064】
【化29】
【0065】
【化30】
【0066】以下に本発明の金属錯体アゾメチン色素の
合成例を示す。
【0067】合成例1(例示色素(7)−8の合成) (合成ルート)
【0068】
【化31】
【0069】アセトニトリル300ml中に化合物
(a)57gと化合物(b)41gを入れ、加熱還流下
6時間攪拌した。溶媒を留去して蒸留水250ml中に
入れ、水酸化カリウムで中和したあと、析出した結晶を
濾取、乾燥して化合物(c)48gを得た。
【0070】無水酢酸130ml中に化合物(c)44
gを入れ、加熱還流した5時間攪拌した。一夜放置した
あと、析出した結晶を濾取した。この結晶をメタノール
160ml中に入れ、さらに36%塩酸20mlを加え
て加熱還流下2時間攪拌した。水冷して析出物を濾別
し、蒸留水600ml中に注ぎ、水酸化カリウムで中和
した後、析出した結晶を濾取、水洗、乾燥した。アセト
ニトリルから再結晶して化合物(d)を16g得た。
【0071】メタノール275ml中に化合物(d)
8.5gと3−アミノ−6−N,Nジエチルアミノ−2
−メチルピリジン二塩酸塩(e)10.1g、トリエチ
ルアミン25gを入れて溶解し、室温攪拌した。蒸留水
90mlに溶解した過硫酸アンモニウム11.0gを約
30分で滴下して添加した。滴下後30分攪拌した後、
蒸留水300mlを少量ずつ加えて攪拌し、析出した結
晶を濾取、水洗した。この結晶をメタノール250ml
中に入れて煮沸後、放冷して析出結晶を濾取、メタノー
ル洗浄、乾燥して暗赤褐色の結晶10.2g(化合物
(f))を得た。NMR、massスペクトルにより目
的物であることを確認した。
【0072】化合物(f)4.3gをメタノール50m
lに溶解し、これに塩化ニッケル6水和物1.1gを加
えた。溶媒を留去後、アセトニトリルを添加し、結晶を
濾取、洗浄、乾燥して、目的の金属錯体色素(化合物
(g))2.8gを得た。この金属錯体色素のアセトン
溶液中での吸収極大は534nmであった。
【0073】本発明の金属錯体アゾメチン色素は必要に
応じ重合可能な置換基を導入することにより高分子とす
ることができるほか、油溶性基、親水性基の導入による
LB膜形成、オイルを用いた分散、あるいはマイクロカ
プセル等さまざまな形態に加工することが可能である。
また、本発明の金属錯体アゾメチン色素は単独、または
他の色素と組み合わせて使用できる。本発明の金属錯体
アゾメチン色素に種々の保存性改良剤を加えて保存性を
更に改良することも可能である。例えば、ベンズトリア
ゾリルフェノール誘導体等の紫外線吸収剤、β−カロチ
ン、トコフェロール誘導体、ハイドロキノン誘導体、ス
ピロインダン誘導体、フェノール誘導体、アミン誘導
体、チオエーテル誘導体、Niジチオール誘導体、Ni
フェナンスロリン誘導体,Niベンジリデンアニリン誘
導体などの酸化防止剤、及び光安定剤等が挙げられ、単
独でも2種以上を混合してもよい。
【0074】以下、本発明の金属錯体色素を用いた光記
録媒体について説明する。
【0075】本発明の光記録媒体を構成する基板として
は、記録/再生に用いる光の波長領域(400〜900
nm)において実質的に透明(透過率が80%以上)で
あることが必要とされる。基板の形状としては、通常の
コンパクトディスクとして用いる場合には、厚さ0.5
〜1.2mm程度、直径80〜120mm程度とされ
る。基板を構成する材料としては、例えばポリメチルメ
タクリレート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂、エポキシ樹脂、ポリサルフォン樹脂、メチルペンテ
ンポリマー等の透明性樹脂、ガラスなどが挙げられる。
基板の外表面、内表面、内/外周面には、必要に応じて
酸素遮断性被膜が形成されていてもよい。また、記録層
が形成される基板上には、トラッキング用のグルーブが
形成されていることが好ましい。
【0076】本発明の金属錯体色素を含有する記録層を
有する光記録媒体は、記録のために好適な光吸収性と再
生のために好適な反射率とを兼ね備えたものである。消
衰係数kとしては好ましくは0.01〜0.1である。
一方、レーザ光の波長領域における記録層の屈折率n
(複素屈折率の実部)としては1.5〜4.0であるこ
とが好ましい。
【0077】本発明の光記録媒体に係る記録層には、各
種樹脂、界面活性剤、帯電防止剤、分散剤、酸化防止
剤、架橋剤などが含まれていてもよい。また、記録層
は、基板の一面上に形成されていてもよく、基板の両面
上に形成されていてもよい。記録層の厚さとしては、通
常500〜3000オングストロームが好ましい。
【0078】基板上に記録層を形成するための方法とし
ては特に限定されるものではなく、例えばスピンコーテ
ィング法、浸漬コーティング法、スプレーコーティング
法、ブレードコーティング法、ローラーコーティング
法、ビードコーティング法、マイヤーコーティング法、
カーテンコーティング法など各種の方法を適用すること
ができる。また、記録層の形成にあたって用いる溶媒と
しては、例えばシクロヘキサノン、等のケトン系溶媒、
酢酸ブチル等のエステル系溶媒、エチルセロソルブ等の
エーテル系溶媒、ジアセトンアルコール、フッ化アルコ
ール等のアルコール系溶媒、トルエン等の芳香族系溶
媒、ハロゲン化アルキル系溶媒などを挙げることができ
る。
【0079】記録層上には反射層を設けてもよい。反射
層としては、例えばAu、Al−Mg合金、Al−Ni
合金、Ag、PtおよびCu等の反射率の高い金属を用
い、蒸着、スパッタ等の手段によって形成することがで
きる。反射層の厚さは500オングストローム以上であ
ることが好ましい。
【0080】反射層上には、例えば紫外線硬化樹脂等か
らなる保護膜が形成されていてもよい。保護膜の厚さと
しては0.1〜100μm程度とされ、その硬度が25
℃における鉛筆硬度でH〜8Hであることが好ましい。
【0081】記録層と反射層の間には、これらを密着さ
せるための接着層が設けられていてもよい。接着層の厚
さは10〜300オングストロームであることが望まし
い。
【0082】本発明の光記録媒体の記録、再生を行う光
源としては、固体レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、半
導体レーザ等が挙げられる。本発明の化合物は特に高い
記録感度を有していることから、635nmや650n
mの半導体レーザや532nmのYAG高調波レーザー
等を用いた記録、再生に適している。
【0083】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0084】以下に本発明の金属錯体アゾメチン色素を
用いた光記録媒体の実施例を示す。
【0085】実施例1 本発明の一般式(1)で表される金属錯体色素を形成す
る一般式(2)〜(6)で表されるアゾメチン色素のア
セトン中での分光吸収特性及び、そこに金属含有化合物
を添加して得られる金属錯体色素の分光吸収特性を表1
に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【化32】
【0088】表1の結果から明らかなように、本発明の
金属錯体色素は高いモル吸光係数を有しており、記録層
にとって有利な色素であることがわかる。
【0089】以下に示す手順で色素薄膜を作成し、吸収
極大、耐光性の評価を行った。
【0090】(1)色素薄膜(記録層)の作成 本発明の金属錯体色素(表2に記載)及び上記比較色素
(A)、(B)を各1g秤量し、50mlのフッ化アル
コールに溶解した。溶解性は良好であった。塗布液を、
スピンコーティング法によりガラス基板(厚さ1.2m
m、直径80mm)上に塗布し、80℃で30分間乾燥
することにより当該ガラス基板上に厚さ1000Å前後
の記録層を形成した。
【0091】(2)耐光性試験 キセノンフェードメータ(スガ試験機(株)製)を用
い、各試料の記録層にキセノン光を照射し、照射後にお
ける色素残存率を測定した。ここで、照射条件として
は、記録層表面の照度を7万ルクス、照射時の温度を4
3℃、照射時間を30時間とした。また、色素残存率
は、色素の最大吸収波長の光透過率をキセノン光照射前
後で測定して下式から求めた。
【0092】色素残存率=(100−T)/(100−
0) [但し、T0はキセノン光照射前の透過率、Tはキセノ
ン光照射後の透過率。]結果を表2に示す。
【0093】
【表2】
【0094】表2の結果から明らかなように、本発明の
金属錯体色素を用いた記録媒体である試料1、2、3お
よび4は、比較の試料5に比べ色素残存率が高く、優れ
た耐光性を有することが分かる。一方、試料6は吸収極
大が長波長過ぎて光記録媒体としては適さないことがわ
かる。
【0095】実施例2 以下に示す手順で光記録媒体を作成し、耐光性、光記録
特性等の評価を行った。
【0096】(光記録媒体の作成)直径120mm、厚
さ1.2mmのグルーブつきポリカーボネート樹脂基板
上に本発明の金属錯体色素(表3に記載)を用いて実施
例1と同様に記録層(膜厚1200Å)を塗布し、次に
Auを材質とする反射層(厚さ100Å)をスパッタに
より形成し、さらに保護膜(紫外線硬化型アクリル樹
脂、厚さ5μm)を形成し、本発明の光記録媒体7〜1
0を作成した。比較として、比較色素(B)を記録層に
用いて同様に光記録媒体13を作成した。
【0097】また、本発明の金属錯体色素の代わりに、
本発明の金属錯体色素を形成しうる一般式(2)〜
(6)で表されるアゾメチン色素のうち表3に記載の色
素と金属イオン化合物としてニッケルアセチルアセトナ
ートを前記金属錯体色素と当量の割合となるように塗布
液に添加して調製し、上記と同様にして本発明の光記録
媒体11及び12を製造した。
【0098】反射率を測定したところ、光記録媒体7、
8、9、10、11及び12は70%以上を示した。こ
れらの試料に650nmの半導体レーザによりパワーを
変化させて情報記録し、0.8mWで再生を行った。
【0099】また、実施例1で用いたキセノンフェード
メータを使用し、7万ルクス、30時間の光曝射を行っ
た後に同様の記録再生実験を行った。表3にその結果を
示す。
【0100】
【表3】
【0101】表3の結果から明らかなように、本発明の
光記録媒体7、8、9、10、11及び12は良好な記
録・再生を行うことができた。また、耐光性に優れ、安
定した記録・再生特性を有することが明らかとなった。
一方、比較の光記録媒体13はレーザの再生光で反射率
が低下し、再生不良を起こした他、キセノンフェードメ
ータによる光曝射でも記録できなくなる現象がみられ
た。
【0102】実施例3 上記実施例2と同様の手順で光記録媒体14〜20を作
成し、耐光性、光記録特性等の評価を行った。反射率を
測定したところ、光記録媒体14〜19(本発明の試
料)は70%以上を示した。これらの試料に532nm
のYAGレーザーによりパワーを変化させて情報記録
し、0.8mWで再生を行った。
【0103】また、実施例1で用いたキセノンフェード
メーターを使用し、7万ルクス、30時間の光曝射を行
った後に同様の記録再生実験を行った。表4にその結果
を示す。
【0104】
【表4】
【0105】表4の結果から明らかなように、本発明の
光記録媒体14〜19は良好な記録・再生を行うことが
できた。また、耐光性に優れ、安定した記録・再生特性
を有することが明らかとなった。一方、比較の光記録媒
体20は532nmの波長での記録及び再生のいずれも
不可能であった。
【0106】実施例4 以下に示す手順で2種以上の色素を併用して光記録媒体
を作成し、耐光性、光記録特性等の評価を行った。
【0107】(光記録媒体の作成)実施例2と同様にし
て、ポリカーボネート樹脂基板上に本発明の色素(表5
に記載)を用いて、記録層(膜厚1200Å)を塗布
し、次に反射層(Au、厚さ100Å)、さらに保護膜
(紫外線硬化型アクリル樹脂、厚さ5μm)を形成して
本発明の光記録媒体21〜31を作成した。比較とし
て、比較色素(B)を併用して記録層に用いて同様に光
記録媒体32を作成した。
【0108】表5記載の光記録媒体21〜28、30及
び32の記録層塗布液では、表5記載の色素(A),2
部、色素(B),8部を併用して用いた。また、光記録
媒体29及び31では、色素(A),2部、色素
(B),4部、色素(C),4部を併用した。各試料の
記録層塗布液に含有される色素のモル数を等しくするよ
うに添加した。また、表5記載の光記録材料21〜2
3、26、30及び31の記録層塗布液には、金属イオ
ン化合物として、ニッケルヘキサフルオロアセチルアセ
トナートを色素モル数の0.75倍量を添加して調製し
た。
【0109】反射率を測定したところ、光記録媒体21
〜31は70%以上を示した。これらの試料に635n
mの半導体レーザによりパワーを変化させて情報記録
し、0.8mWで再生を行った。
【0110】また、実施例1で用いたキセノンフェード
メータを使用し、7万ルクス、30時間の光曝射を行っ
た後に同様の記録再生実験を行った。表5にその結果を
示す。
【0111】
【表5】
【0112】表5の結果から明らかなように、本発明の
光記録媒体21〜31は、色素を併用して用いても良好
な記録・再生を行うことができ、耐光性に優れた安定し
た記録・再生特性を有することが明らかとなった。ま
た、本発明の金属錯体色素単独を用いた光記録媒体9よ
り、上記のような色素を併用して用いた塗布液の停滞性
が優れていた。一方、比較の光記録媒体32はレーザの
再生光で反射率が低下し、再生不良を起こした他、キセ
ノンフェードメータによる光曝射でも記録できなくなる
現象がみられた。
【0113】以上から明らかなように、本発明による金
属錯体色素を用いた光記録媒体は、光記録特性、保存安
定性に優れた特性を有する。
【0114】以上、本発明により、塗布溶剤への溶解性
に優れ、モル吸光係数が高く、かつ耐光性に優れた金属
錯体色素を用いることにより光記録特性、保存安定性に
優れた光記録媒体およびそれを用いる光記録方法を提供
することが可能となった。
【0115】
【発明の効果】本発明により、高速記録、高密度記録時
においても感度が高く、記録特性並びに耐光性が良好な
光記録媒体、および該光記録媒体を用いた光記録方法を
提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 依子 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、下記一般式(1)で表される
    金属錯体色素を含有する記録層を有する光記録媒体。 【化1】 〔式中、Mは金属イオンを表し、Dyeは色素を表す。
    1は陰イオンを表し、m1は1、2または3を表し、m
    1が2又は3の時、各Dyeは同一でも異なっていても
    良く、Dyeの少なくとも1つは下記の一般式(2)〜
    (6)を表す。n1は0、1、2または3を表す。下記
    一般式(2)〜(6)で表される色素は少なくとも2つ
    の配位座を有し、上記一般式(1)で表される金属錯体
    色素は下記一般式(2)〜(6)で表される色素の少な
    くとも1種を配位子とする金属錯体色素である。 【化2】 〔式中、Bは置換基を有してもよい芳香族炭素環又は複
    素環を表し、R1及びR2は水素原子又は一価の置換基を
    表し、Z1は5員または6員の置換されていてもよい含
    窒素複素環を形成する原子の集まりを表し、該複素環は
    更に別の環と縮合環を形成してもよい。〕〕
  2. 【請求項2】 前記金属錯体色素が下記一般式(7)で
    表される請求項1記載の光記録媒体。 【化3】 〔式中、Mは金属イオンを表し、Bは置換基を有しても
    よい芳香族炭素環又は複素環を表し、R1は水素原子又
    は1価の置換基を表し、Z1は5員または6員の置換さ
    れていてもよい含窒素複素環を形成する原子の集まりを
    表し、該複素環は更に別の環と縮合環を形成してもよ
    い。A1は陰イオンを表し、m1は1、2または3を表
    し、n1は0、1、2または3を表す。〕
  3. 【請求項3】 上記一般式(1)〜(7)において、B
    で表される置換基を有してもよい芳香族炭素環または複
    素環が下記一般式(8)で表されることを特徴とする請
    求項1または2記載の光記録媒体。 【化4】 〔式中、Xは−N<(R82)(R83)基(但し、R82
    83は同じであっても異なっていてもよく、各々置換さ
    れていてもよいアルキル基、アルケニル基、アリール
    基、アラルキル基またはシクロアルキル基を表す。また
    それらの置換基は互いに結合するかまたはR1と結合し
    て環を形成してもよい。)、OH基またはOR84基(但
    し、R84はカチオンを表す。)を表す。Y1、Y2は炭素
    原子又は窒素原子を表し、R81は水素原子又は一価の置
    換基を表し、nは0〜4を表し、nが2以上のとき、各
    81は同じでも異なっていてもよい。〕
  4. 【請求項4】 前記金属錯体色素を形成する金属イオン
    が、Ni,Cu,Co,Zn,Cr,Pt,Pd及びF
    eから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記一般式(1)で表される金属錯体色
    素と少なくとも一種の下記一般式(a)(b)(c)で
    表される金属錯体色素を含有する記録層を有する光記録
    媒体。 【化5】 〔式中、Mは金属イオンを表し、X1、X2は少なくとも
    2座のキレート形成可能な基又は原子の集まりを表し、
    1、L2及びL3は、メチン基を表し、互いに結合して
    環を形成してもよく、X1、X2、Z2、Q1と結合して環
    を形成してもよい。Z2、Q1はそれぞれ芳香族炭素環又
    は複素環を形成する原子の集まりを表し、Bは芳香族炭
    素環又は複素環を表し、R1、R2は水素原子または一価
    の置換基を表し、R1又はR2の少なくとも一方は少なく
    とも2座のキレート形成可能な基又は原子の集まりを表
    す。pは0、1又は2を表し、qは0、1又は2を表
    し、A1は陰イオンを表し、m3、m4、m5は1、2また
    は3を表し、n3、n4、n5は0、1、2または3を表
    す。〕
  6. 【請求項6】 上記一般式(1)で表される金属錯体色
    素と下記一般式(d)で表される色素を含有する記録層
    を有する光記録媒体。 【化6】 〔式中、Q2およびQ3は複素環を表し、同一でも異なっ
    てもよい。L1、L2およびL3はメチン基を表し、互い
    に結合して環を形成してもよく、Q2またはQ3と結合し
    て環を形成してもよい。rは0または1を表す。〕
  7. 【請求項7】 請求項1〜6記載の光記録媒体に、40
    0〜900nmの光を用いて記録及び再生から選ばれる
    少なくとも1つを行うことを特徴とする光記録方法。
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