JPH1199675A - ノンインパクト記録方法 - Google Patents

ノンインパクト記録方法

Info

Publication number
JPH1199675A
JPH1199675A JP26356597A JP26356597A JPH1199675A JP H1199675 A JPH1199675 A JP H1199675A JP 26356597 A JP26356597 A JP 26356597A JP 26356597 A JP26356597 A JP 26356597A JP H1199675 A JPH1199675 A JP H1199675A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive
recording medium
layer
conductive recording
individual electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26356597A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Nishikawa
昶 西川
Toshihiro Ichinohe
敏浩 一戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Toshiba TEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba TEC Corp filed Critical Toshiba TEC Corp
Priority to JP26356597A priority Critical patent/JPH1199675A/ja
Publication of JPH1199675A publication Critical patent/JPH1199675A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electronic Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 3〜4枚以上の複写記録が可能なノンインパ
クト記録方法を提供することである。 【解決手段】 積層された導電性記録媒体1の各層の体
積固有抵抗率の相対値が、1枚の導電性記録媒体1の導
電性基材を含めた複数層の、個別電極針2側から数えて
m番目の層の体積固有抵抗率をρm、m+1番目の層の
体積固有抵抗率をρm +1としたとき、ρm≧ρm+1なる条
件を満足するとともに、複数枚重ねられた導電性記録媒
体1の個別電極針2側から数えてn枚目の導電性記録媒
体1のn+1枚目の導電性記録媒体1と接する層の体積
固有抵抗率をρne、n+1枚目の導電性記録媒体1のn
枚目の導電性記録媒体1と接する層の体積固有抵抗率を
ρ(n+1)fとしたとき、ρne≧ρ(n+1)fなる条件を満足す
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像信号に基づい
て導電性記録媒体に通電することにより発生するジュー
ル熱によって文字や画像を形成するノンインパクト記録
方法に係り、特に、積層した複数枚の導電性記録媒体に
同時に文字や画像を形成することができるノンインパク
ト記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複数枚の記録媒体に同時に文字や
画像を形成して複写記録する手段としてはインパクトド
ットプリンタが多く用いられている。このインパクトド
ットプリンタは、機械的な衝撃力を記録媒体に印加し
て、その記録媒体の基材に塗布された感圧発色剤を発色
させるか、又は感圧転写インクを他の記録媒体に転写し
て複写記録を得ている。
【0003】しかしながら、このようなインパクトドッ
トプリンタは、機械的な衝撃により発生する振動、騒音
が大きく、特に、携帯用の情報機器に組み込む場合に要
求される、小型化、軽量化及び電池電源の容量的制約に
よる電力消費量の軽減化に対して必ずしも満足できるも
のが得られていない。
【0004】このようなことから、いわゆるノンインパ
クト方式のプリンタで複数枚重ね合わせた記録媒体に同
時に複写記録を得る手段として、サーマル方式とインク
ジェット方式とが提案されている。まず、サーマル方式
では、特開昭52-115229号公報、特開昭56-75894号公報
等に記載された技術があり、インクジェット方式では、
特開昭51-24833号公報、特開昭55-69463号公報、特公平
2-37307号公報等に記載された技術がある。
【0005】先ず、サーマル方式の技術が記載された特
開昭52-115229号公報には、基材の表面に感熱発色層、
裏面にインクの浸透防止層及び熱溶融性インク層を設け
た第1の記録紙と、この記録紙に重ね合わされた転写用
の第2の記録紙とが設けられ、第1の記録紙の表面にサ
ーマルヘッドを接触させて感熱発色層を発色させて画像
を形成すると同時に、裏面の熱溶融インクを第2の記録
紙に転写して複写画像を得ているものである。このよう
な複写記録方式に使用される記録媒体の改良に関する技
術が前述の特開昭56-75894号公報にも記載されている。
【0006】次に、インクジェット方式の技術が記載さ
れた特開昭51-24833号公報には、第1の記録紙に衝突し
た液体インク粒子の一部を、その裏に重ね合わせたイン
ク浸透性の高い第2の記録紙に浸透吸収させて複写画像
を得るようにしているものである。また、特開昭55-694
63号公報に記載された技術は、加熱したインク粒子を第
1の記録紙に付着させ、そのインク粒子が持っている熱
エネルギーによりその裏に重ね合わせた第2の記録紙以
降に感熱記録方式によって複写画像を得ているものであ
る。さらに、特公平2-37307号公報に記載された技術
は、揮発性の発色誘起溶媒の液滴を、これと反応する発
色物質を塗布した第1の導電性記録媒体に付着させて画
像を形成し、反応し残った発色誘起溶媒を第1の導電性
記録媒体を通して第2の導電性記録媒体に到達させ、第
2の導電性記録媒体に塗布した発色物質を発色させて複
写画像を形成するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に3〜4枚重ねの
導電性記録媒体に同時に複写記録する需要が多いが、従
来例で示した特開昭52-115229号公報等のサーマル記録
方式では、サーマルヘッドが供給し得る熱エネルギーに
限界があり、記録媒体の熱伝導度、伝導中の熱の拡散等
による画像濃度や精細度の不足、画像形成速度の低下
等、解決しなければならない技術的課題が多く残されて
いる。
【0008】又、従来例で示したインクジェット記録方
式の特開昭51-24833号公報、特公平2-37307号公報 記載
の方式は、液体インク或いは発色誘起溶媒の記録媒体を
通しての浸透性や記録媒体中での拡散の問題があり、又
特開昭55-69463号公報に記載された方式は、インク粒子
が持つ熱エネルギー量に限界があり、いずれも3〜4枚
以上の複写が必要な用途に対しては実用化されていな
い。
【0009】本発明は、ノンインパクト方式で3〜4枚
以上の複写記録が可能で、且つ、携帯型情報端末機器に
搭載可能な伝票プリンタに適用できるノンインパクト記
録方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
導電性基材の表面に感熱発色層が形成された導電性記録
媒体、導電性基材の表面に感熱発色層が形成され裏面に
感熱転写インク層が形成された導電性記録媒体、導電性
基材の裏面に感熱転写インク層が形成された導電性記録
媒体、内層部を含む全体に導電性及び感熱発色性が付与
された導電性記録媒体、内層部を含む全体に導電性及び
感熱発色性が付与され裏面に感熱転写インク層が形成さ
れた導電性記録媒体、導電性基材単層の導電性記録媒体
を選択的に組み合わせて積層し、積層された導電性記録
媒体の一方の面に個別電極針群を他の面に共通電極を対
向して接触配置し、制御信号に基づいて選択された個別
電極針群の中の単数又は複数の個別電極針と共通電極と
の間に通電したとき発生するジュール熱で、導電性発色
剤を発色させるか、或いは感熱転写インク層を他の導電
性記録媒体に転写して文字・画像を形成するノンインパ
クト記録方法において、導電性記録媒体の積層された状
態での各層の体積固有抵抗率の相対値が、個別電極針側
から数えてp番目の層の体積固有抵抗率をρpp+1番目
の層の体積固有抵抗率をρp+1としたとき、ρp≧ρp+1
の条件を満足することである。このようにすれば、各種
の導電性記録媒体を積層しても、個別電極針と共通電極
との間を流れる通電電流は拡散せず、且つ、通電電流に
よる発熱が導電性記録媒体中で局部的に発生するため、
サーマルヘッド方式のように外部から熱エネルギーを印
加する方式に比べて、高いエネルギー効率で鮮明な文字
や画像を形成することができる。
【0011】請求項2記載の発明は、導電性基材の表面
に感熱発色層が形成された複数枚の導電性記録媒体を積
層し、積層された導電性記録媒体の一方の面に個別電極
針群を他の面に共通電極を対向して接触配置し、制御信
号に基づいて選択された個別電極針群の中の単数又は複
数の個別電極針と共通電極との間に通電したとき発生す
るジュール熱で、導電性発色剤を発色させて文字・画像
を形成するノンインパクト記録方法において、積層され
た導電性記録媒体の各層の体積固有抵抗率の相対値が、
1枚の導電性記録媒体の導電性基材を含めた複数層の個
別電極針側から数えてm番目の層の体積固有抵抗率をρ
m、m+1番目の層の体積固有抵抗率をρm+1としたと
き、ρm≧ρm+1なる条件を満足するとともに、複数枚重
ねられた導電性記録媒体の個別電極針側から数えてn枚
目の導電性記録媒体のn+1枚目の導電性記録媒体と接
する層の体積固有抵抗率をρne、n+1枚目の導電性記
録媒体のn枚目の導電性記録媒体と接する層の体積固有
抵抗率をρ(n+1)fとしたとき、ρne≧ρ(n+1)fなる条件
を満足することである。このようにすれば、複数枚積層
された導電性記録媒体であっても、個別電極針と共通電
極との間を流れる電流は拡散せず、且つ、通電電流によ
る発熱が導電性記録媒体中で局部的に発生するため、サ
ーマルヘッド方式のように外部から熱エネルギーを印加
する方式に比べて、高いエネルギー効率で鮮明な文字や
画像を形成することができる。
【0012】請求項3記載の発明は、導電性基材の表面
に感熱発色層が形成され裏面に感熱転写インク層が形成
された導電性記録媒体、導電性基材の裏面に感熱転写イ
ンク層が形成された導電性記録媒体、導電性基材単層の
導電性記録媒体をそれぞれ単数又は複数枚挿入して積層
し、積層された導電性記録媒体の一方の面に個別電極針
群を他の面に共通電極を対向して接触配置し、制御信号
に基づいて選択された個別電極針群の中の単数又は複数
の個別電極針と共通電極との間に通電したとき発生する
ジュール熱で、導電性発色剤を発色させるか、或いは感
熱転写インク層を他の導電性記録媒体に転写して文字・
画像を形成するノンインパクト記録方法において、積層
された導電性記録媒体の各層の体積固有抵抗率の相対値
が、1枚の導電性記録媒体の導電性基材を含めた複数層
の個別電極針側から数えてm番目の層の体積固有抵抗率
をρm、m+1番目の層の体積固有抵抗率をρm+1とした
とき、ρm≧ρm+1なる条件を満足するとともに、複数枚
重ねられた導電性記録媒体の個別電極針側から数えてn
枚目の導電性記録媒体のn+1枚目の導電性記録媒体と
接する層の体積固有抵抗率をρne、n+1枚目の導電性
記録媒体のn枚目の導電性記録媒体と接する層の体積固
有抵抗率をρ(n+1)fとしたとき、ρne≧ρ(n +1)fなる条
件を満足することである。このようにすれば、複数枚積
層された導電性記録媒体であっても、個別電極針と共通
電極との間を流れる電流は拡散せず、且つ、通電電流に
よる発熱が導電性記録媒体中で局部的に発生するため、
サーマルヘッド方式のように外部から熱エネルギーを印
加する方式に比べて、高いエネルギー効率で鮮明な文字
や画像を形成することができる。
【0013】請求項4記載の発明は、内層部を含む全体
に導電性及び感熱発色性が付与された導電性記録媒体を
複数枚重ね合わせ、積層された導電性記録媒体の一方の
面に個別電極針群を他の面に共通電極を対向して接触配
置し、制御信号に基づいて選択された前記個別電極針群
の中の単数又は複数の個別電極針と共通電極との間に通
電して導電性発色剤を発色させ文字・画像を形成する通
電記録方法において、導電性記録媒体の個別電極針側か
ら数えてn枚目の導電性記録媒体の体積固有抵抗率をρ
n、n+1枚目の導電性記録媒体の体積固有抵抗率をρ
n+1としたとき、ρn≧ρn+1の条件を満足することであ
る。このようにすれば、複数枚積層された導電性記録媒
体であっても、個別電極針と共通電極との間を流れる電
流は拡散せず、且つ、通電電流による発熱が導電性記録
媒体中で局部的に発生するため、サーマルヘッド方式の
ように外部から熱エネルギーを印加する方式に比べて、
高いエネルギー効率で鮮明な文字や画像を形成すること
ができる。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
いずれか1記載のノンインパクト記録方法において、導
電性記録媒体の各層、及び、導電性記録媒体自体の体積
固有抵抗率の絶対値が10~2〜102Ω・cmの範囲にあるこ
とである。このようにすれば、個別電極針と共通電極間
に印加する電圧や、各個別電極針に流れる電流を、実用
的なプリンタ装置の電源や駆動回路、及び通電記録ヘッ
ドの構造、とりわけ携帯型情報端末機器に搭載する電池
電源や、個別電極針群を選択駆動するIC回路に適合さ
せることができる。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の
いずれか1記載のノンインパクト記録方法において、積
層された導電性記録媒体の共通電極と接する層の体積固
有抵抗率をρne、共通電極の導電性記録媒体と接する層
の体積固有抵抗率をρcfとしたとき、両者の関係が、ρ
ne≧ρcfの条件を満足することである。このようにすれ
ば、導電性記録媒体の共通電極と接触する層で通電電流
が拡散せず、鮮明な文字や画像を形成することができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面に基
づいて説明する。まず、図1は、本発明に基づくノンイ
ンパクト記録方法の基本構成図である。3枚の導電性記
録媒体1が積層されており、これらの導電性記録媒体1
の上面には個別電極針2が接触しており、裏面には共通
電極3が接触している。そして、各個別電極針2毎に設
けられた制御用スイッチ素子4を介してその個別電極針
2と共通電極3とには電源5が接続されている。前述の
制御用スイッチ素子4は、制御信号に基づいて選択的に
個別電極針2と電源5との接続をON-OFFする。これによ
り、制御用スイッチ素子4で選択された個別電極針2と
共通電極3との間に通電されたとき、導電性記録媒体1
に発生するジュール熱により積層された各導電性記録媒
体1のそれぞれに同時に文字や画像が記録される。
【0017】つぎに、図2の(a)乃至(f)は、A乃至F
の6種の導電性記録媒体1の構造を示すものである。ま
ず、図2(a)のAなる導電性記録媒体1は、天然セルロ
ースや合成繊維を結合剤や填材等を加えずに抄いた目の
粗い薄紙又は不織布に導電性微粒子を分散させた液状樹
脂を含浸、乾燥させた導電性基材6の表面に、導電性微
粒子を分散させた感熱発色剤液を塗布、乾燥させて感熱
発色層7を形成した2層構造のものである。すなわち、
導電性基材6の表面に導電性を有する感熱発色層7が形
成された導電性記録媒体1(A)である。
【0018】図2(b)のBなる導電性記録媒体1は、前
述のAなる導電性記録媒体1の裏面に導電性微粒子を分
散させた感熱転写インク液を塗布、乾燥させて感熱転写
インク層8を形成した3層構造のものである。すなわ
ち、導電性基材6の表面に導電性を有する感熱発色層7
が形成され裏面に感熱転写インク層8が形成された導電
性記録媒体1(B)である。
【0019】図2(c)のCなる導電性記録媒体1は、天
然セルロースや合成繊維を結合剤や填材等を加えずに抄
いた目の粗い薄紙又は不織布に導電性微粒子を分散させ
た液状樹脂を含浸、乾燥させた導電性基材6の裏面に、
導電性微粒子を分散させた感熱転写インク液を塗布、乾
燥させて感熱転写インク層8を形成した2層構造のもの
である。すなわち、導電性基材6の裏面に感熱転写イン
ク層8が形成された導電性記録媒体1(C)である。
【0020】図2(d)のDなる導電性記録媒体1は、そ
の内層部を含めて全体に導電性及び感熱発色性を付与し
たもので、天然セルロースや合成繊維を結合剤や填材等
を加えずに抄いた目の粗い薄紙又は不織布の基材に導電
性微粒子を分散させた感熱発色剤液を含浸、乾燥させる
か、天然セルロースや合成繊維を結合剤や填材等を加え
ずに抄いた目の粗い薄紙又は不織布の基材に金属を無電
解メッキするか、金属を無電解メッキした天然セルロー
スや合成繊維を結合剤や填材等を加えずに抄いた導電性
基材に感熱発色剤液を含浸、乾燥させ、内層部を含めて
全体に導電性及び感熱発色性を付与した導電性基材6よ
りなるものである。すなわち、内層部を含む全体に導電
性及び感熱発色性が付与された導電性記録媒体1(D)
である。
【0021】図2(e)のEなる導電性記録媒体1は、そ
の内層部を含めて全体に導電性及び感熱発色性を付与し
た導電性基材6の裏面に導電性微粒子を分散させた感熱
転写インク液を塗布、乾燥させて感熱転写インク層8を
形成した2層構造のものである。すなわち、内層部を含
む全体に導電性及び感熱発色性が付与され裏面に感熱転
写インク層8が形成された導電性記録媒体1(E)であ
る。
【0022】図2(f)のFなる導電性記録媒体1は、天
然セルロースや合成繊維を結合剤や填材等を加えずに抄
いた目の粗い薄紙又は不織布に導電性微粒子を分散させ
た液状樹脂を含浸、乾燥させた導電性基材6の単層のも
のであり、それ自体が発色したり、他の導電性記録媒体
1に転写したりする機能を有するものではない。すなわ
ち、、導電性基材6の単層の導電性記録媒体1(F)で
ある。
【0023】図3(a)(b)(c)は、前述のA乃至Fの6
種の導電性記録媒体1を適宜選択して積層した状態の一
部の例を示すものである。まず、図3(a)は、Aなる導
電性記録媒体1を3枚積層したものであり、図1に示す
ように、その表面と裏面とには個別電極針2と共通電極
3とを接触させて使用するものである。この場合、全く
同じ3枚の導電性記録媒体1を使用する場合と、導電性
基材6及び感熱発色層7とがそれぞれの材質や厚さ、発
色の色等を異ならせる場合とがある。
【0024】図3(b)に示すものは、上から数えて1枚
目がBなる導電性記録媒体1、すなわち、導電性基材6
の表面に感熱発色層7が形成され裏面に感熱転写インク
層8が形成された導電性記録媒体1であり、2枚目がC
なる導電性記録媒体1、すなわち、導電性基材6の裏面
に感熱転写インク層8が形成された導電性記録媒体1で
あり、3枚目がFなる導電性記録媒体1、すなわち、導
電性基材6の単層の導電性記録媒体1が順次積層されて
いるものである。これについても各導電性記録媒体を構
成する導電性基材6、感熱発色層7、感熱転写インク層
8が全く同一の場合と、使用目的に応じてそれぞれの材
質や厚さ、インクの色等が異なる場合とがある。また、
1枚目にEなる導電性記録媒体、すなわち、内層部を含
む全体に導電性及び感熱発色性が付与され裏面に感熱転
写インク層8が形成された導電性記録媒体1を使用して
も良い。
【0025】図3(c)に示すものは、Dなる導電性記録
媒体1を3枚積層した場合、すなわち、内層部を含む全
体に導電性及び感熱発色性が付与された導電性記録媒体
1を3枚積層したものであり、やはり、各導電性基材6
が全く同一の場合と、使用目的に応じてそれぞれの材質
や厚さ、発色の色等が異なる場合とがある。
【0026】つぎに、前述のように、複数枚積層された
導電性記録媒体1の厚さ方向に通電して記録する場合の
導電性記録媒体1を構成する各層の体積固有抵抗率の相
違によって発生する電流の集中、拡散に関して、コンピ
ュータシミュレーションや種々の基礎実験結果から得た
知見を説明する。
【0027】図4は、体積固有抵抗率の異なる2種類の
層状の導電体9,10を重ね、その一方の側に個別電極
針2、他の側に共通電極3を対向して接触配置した場合
の通電電流の集中、拡散の様子を示した説明図で、図4
(a)は個別電極針2側の層の体積固有抵抗率が、共通電
極3側の層の体積固有抵抗率に対して高い場合、図4
(b)は、2つの層の体積固有抵抗率の関係が逆の場合の
通電電流の密度の分布を模式的に示した説明図である。
【0028】図4(a)に示したように、個別電極針2側
の層の体積固有抵抗率が、共通電極3側の層の体積固有
抵抗率に対して高い場合には、直流通電で極性を逆にし
ても、或いは、交流通電したとても、通電電流により発
生するジュール熱の分布の観測から図示したような状態
に近い電流密度になっていることが推測される。即ち、
個別電極針2から流れ込んだ電流は大きく拡散せずに2
つの層を通過して共通電極3に達し、逆に、共通電極3
からは個別電極針2に対向する局部から集中して電流は
流れ込み、2つの層を通過する間に次第に集中して個別
電極針2に達する。
【0029】逆に、個別電極針2側の層の体積固有抵抗
率が、共通電極3側の層の体積固有抵抗率に対して低い
場合には、図4(b)に示すように、直流通電で極性を逆
にしても、通電電流により発生するジュール熱の分布の
観測から図示したような状態に近い電流密度になってい
ることが推測される。
【0030】即ち、個別電極針2から流れ込んだ電流は
個別電極針2側の体積固有抵抗率が低い層の中で拡散し
て共通電極3側の体積固有抵抗率が高い層に流れ込み、
拡散したままこの層を通過して共通電極3に達し、逆に
共通電極3からの電流は、共通電極3側の体積固有抵抗
率が高い層の個別電極針2に対向する点を中心にした広
い面積から流れ込み、そのまま個別電極針2側の体積固
有抵抗率が低い層との境界面に達し、この層を通過する
間に次第に集中して個別電極針2に達する。
【0031】つぎに、図5は、図3で説明した複数の導
電性記録媒体1を組み合わせたものの一方の面に個別電
極針2を、他の面に共通電極3を接触させて通電したと
きの電流の集中、拡散に関する模式的な説明図である。
【0032】図5(a)は、図3(a)に示したAなる導電
性記録媒体1の組み合わせ例に通電した場合で、その積
層した3枚の導電性記録媒体1を構成する導電性基材6
及び感熱発色層7の体積固有抵抗率が全て等しいか、或
いは、個別電極針2から共通電極3に向けて順次、同等
以下になっている場合の通電電流の状態を示す。この場
合は通電電流は大きく拡散することなく、導電性記録媒
体1の個別電極針2との接触点の直下の各層を通過し、
共通電極3に達するので3枚の導電性記録媒体1に同時
に複写印刷が可能である。
【0033】図5(b)も、図3(a)に示したAなる導電
性記録媒体1の組み合わせ例に通電した場合であるが、
その重ね合わせた3枚の導電性記録媒体1の、例えば、
1枚目の導電性基材6の体積固有抵抗率が感熱発色層7
の体積固有抵抗率より高い場合の通電電流の状態を示
す。この場合は通電電流は感熱発色層7の中で個別電極
針2との接触点の直下を中心にして拡散し、導電性基材
6との境界面に達する。この場合は3枚の導電性記録媒
体1に同時に複写印刷することは不可能である。
【0034】図5(c)も、やはり図3(a)に示したAな
る導電性記録媒体1の組み合わせ例に通電した場合であ
るが、その重ね合わせた3枚の導電性記録媒体1の、例
えば、1枚目の導電性基材6の体積固有抵抗率が、2枚
目の感熱発色層7の体積固有抵抗率より低い場合の通電
電流の状態を示す。この場合は通電電流は1枚目の導電
性基材6の中で、やはり個別電極針2との接触点の直下
を中心にして拡散し、2枚目の感熱発色層7との境界面
に達する。この場合も3枚の導電性記録媒体1に同時に
複写印刷することは不可能である。
【0035】図5(d)は、図3(d)に示したDなる導電
性記録媒体1の組み合わせ例に通電した場合であるが、
3枚重ね合わせた導電性記録媒体1の、例えば、1枚目
の体積固有抵抗率が2枚目のそれよりも低い場合の通電
電流の状態を示す。この場合は通電電流は1枚目の導電
性記録媒体1の中で、やはり個別電極針2との接触点の
直下を中心にして拡散し、2枚目の導電性記録媒体1と
の境界面に達する。この場合もやはり3枚の導電性記録
媒体1に同時に複写印刷することは不可能である。
【0036】図6は、導電性記録媒体1と共通電極3と
の間での、通電電流の集中、拡散現象の説明図である。
まず、図6(a)は、図3(a)に示したAなる導電性記録
媒体1を組み合わせ例に通電した場合、図6(b)は図3
(d)に示したDなる導電性記録媒体1の組み合わせ例に
通電した場合の導電性記録媒体1と共通電極3との間で
の、通電電流の集中、拡散現象の説明図である。
【0037】導電性記録媒体1を表裏両面から個別電極
針2及び共通電極3で挟持して記録する場合、その接触
を良好に保つために、共通電極3の導電性記録媒体1と
の接触面側に導電性を付与したゴムのような弾性のある
材料の層を設けるのが一般的であるが、図示した共通電
極3の3aがこの弾性のある導電層であり、3bは一般
的には金属である。
【0038】この場合、導電性記録媒体1の共通電極3
と接する層の体積固有抵抗率が、共通電極3の弾性のあ
る導電層3aの体積固有抵抗率よりも低い場合は、図示
したような通電電流の拡散現象が発生する。この場合も
3枚の導電性記録媒体1に同時に複写印刷することは不
可能である。
【0039】以上、導電性記録媒体1の表裏に個別電極
針2及び共通電極3を接触させて、導電性記録媒体1の
厚さ方向に通電した場合の通電電流の集中・拡散現象
と、導電性記録媒体1を構成する各層、及び共通電極3
の体積固有抵抗率との関係について、個別電極針2側か
ら共通電極3側に向けて、各層の体積固有抵抗率の相対
値が同等又は順次それ以下に減少していく場合は拡散現
象が発生しないが、隣接する2つの層の体積固有抵抗率
の相対的関係が逆転した場合は、そこで拡散現象が発生
する。
【0040】次に、導電性記録媒体1を構成する各層の
体積固有抵抗率の絶対値について記述する。通電記録に
使用する導電性記録媒体1を構成する各層の体積固有抵
抗率の絶対値は、記録装置の電源電圧、要求される文字
や画像の記録速度や濃度、導電性記録媒体の厚さや熱伝
導性、感熱発色剤や転写インクの感度、重ね枚数等の条
件で、その適正な値が要求される。例として、図7に示
したような3枚重ねの伝票11を複写印刷する通電記録
プリンタ機構を内蔵した携帯型情報端末機について記述
する。ここで、前述のように、11は同じ材質の3枚重
ねの伝票、12は個別電極針2群で構成された通電記録
ヘッド、13は共通電極として機能するとともに伝票搬
送の機能を併せもつプラテンローラである。
【0041】携帯型情報端末機の電池電源は、DC12
V、プリンタの通電記録ヘッドの導電性記録媒体と接触
して発色ドットを形成する各電極針の先端部分の直径は
100μm、要求される記録速度は1ドット当たり5m
s、伝票に使用する導電性記録媒体は、図2(a)に示し
た導電性基材6の表面に感熱発色層7を形成したAなる
導電性記録媒体1であり、1枚の厚さは50μm、塗布
された感熱発色剤は、直径100μmの1ドット当たり
0.3Watt、5msの通電によるジュール熱で適正
濃度に達する発色感度のものとする。
【0042】電池電源の電圧低下や制御回路等の途中経
路での電圧降下がなく、又共通電極としてのプラテンロ
ーラ13の体積固有抵抗率が導電性記録媒体1としての
伝票11のそれに比べて無視できる程度に低く、且つ、
通電電流が通電記録ヘッド12の個別電極針2の直径1
00μmの先端からプラテンローラ13に向けて拡散せ
ずに、伝票11中を直進すると仮定すれば、3枚重ねの
伝票11の用紙1枚当たりの電圧は4Vであるから、そ
れぞれの用紙に1ドット当たり0.3Wattの電力を
供給するためには、その1ドットに相当する部分の用紙
に必要な厚さ方向の抵抗値は約53Ωである。これから
導電性記録媒体1の体積固有抵抗率を算出すると、約
0.83Ω・cmとなる。
【0043】実際には、導電性記録媒体1を構成する導
電性基材6及び感熱発色層7の体積固有抵抗率を同一に
した導電性記録媒体1を3枚重ねた場合でも、通電電流
の拡散現象は発生するが、上記計算結果に近い体積固有
抵抗率の導電性記録媒体1を試作して実験した結果、良
好な通電記録が得られた。
【0044】個々の導電性記録媒体1の厚さや、重ね枚
数にもよるが、導電性記録媒体1或いは導電性記録媒体
1を構成する各層の体積固有抵抗率が余り低いと、電源
電圧は低くて良いが個別電極針2の1本当たりの電流を
大きくする必要があり、ICを使って多数の個別電極針
2を制御するのに不都合である。逆に、体積固有抵抗率
が余り高いと、個別電極針2の1本当たりの電流値は小
さくてよいが、高い電源電圧が必要となり、電池電源や
商用電源を昇圧しても、制御用ICや記録ヘッドの個別
電極針2の耐電圧には限界があり不都合な点が多い。
【0045】従って、このような通電記録方式の重ね複
写プリンタの導電性記録媒体1に印加できる電圧は、実
用的には、数Vから数百Vの範囲に限定される。導電性
記録媒体1の体積固有抵抗率を選択する上で考慮すべき
条件としては、電源電圧以外に印刷速度、ドットサイ
ズ、用紙の厚さ、重ね枚数、記録層の感度等があるが、
実用的な通電記録方式の重ね複写プリンタを実現する上
で、最も制約される重要な条件はプリンタが導電性記録
媒体1に印加できる電圧の範囲である。前述の例として
計算上仮定した印刷速度、ドットサイズ、用紙の厚さ、
重ね枚数等の条件は極めて一般的なものであり、又記録
層の感熱発色や感熱転写インクの感度も現時点の技術レ
ベルでは標準的なものなので、導電性記録媒体1を構成
する各層の体積固有抵抗率の実用的な範囲は、前記計算
結果から得られた電源電圧12Vのときの約1Ω・cm
に対して、実現可能な電源電圧の範囲を加味した値とな
る。実現可能な電源電圧の範囲はプリンタ装置のコスト
を考慮すればこの12Vに対して上下約1桁の範囲であ
り、同一負荷に対して印加電力は電圧の2乗に比例する
ので、実用的な体積固有抵抗率は1Ω・cmに対して上
下約2桁、即ち10~2〜102Ω・cmの範囲となる。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、導電性基材の表
面に感熱発色層が形成された導電性記録媒体、導電性基
材の表面に感熱発色層が形成され裏面に感熱転写インク
層が形成された導電性記録媒体、導電性基材の裏面に感
熱転写インク層が形成された導電性記録媒体、内層部を
含む全体に導電性及び感熱発色性が付与された導電性記
録媒体、内層部を含む全体に導電性及び感熱発色性が付
与され裏面に感熱転写インク層が形成された導電性記録
媒体、導電性基材単層の導電性記録媒体を選択的に組み
合わせて積層し、積層された導電性記録媒体の一方の面
に個別電極針群を他の面に共通電極を対向して接触配置
し、制御信号に基づいて選択された個別電極針群の中の
単数又は複数の個別電極針と共通電極との間に通電した
とき発生するジュール熱で、導電性発色剤を発色させる
か、或いは感熱転写インク層を他の導電性記録媒体に転
写して文字・画像を形成するノンインパクト記録方法に
おいて、導電性記録媒体の積層された状態での各層の体
積固有抵抗率の相対値が、個別電極針側から数えてp番
目の層の体積固有抵抗率をρp、p+1番目の層の体積
固有抵抗率をρp+1としたとき、ρp≧ρp+1の条件を満
足するようにしたので、各種の導電性記録媒体を積層し
ても、個別電極針と共通電極との間を流れる通電電流は
拡散せず、且つ、通電電流による発熱が導電性記録媒体
中で局部的に発生するため、サーマルヘッド方式のよう
に外部から熱エネルギーを印加する方式に比べて、高い
エネルギー効率で鮮明な文字や画像を形成することがで
きると云う効果を有する。
【0047】請求項2記載の発明は、導電性基材の表面
に感熱発色層が形成された複数枚の導電性記録媒体を積
層し、積層された導電性記録媒体の一方の面に個別電極
針群を他の面に共通電極を対向して接触配置し、制御信
号に基づいて選択された個別電極針群の中の単数又は複
数の個別電極針と共通電極との間に通電したとき発生す
るジュール熱で、導電性発色剤を発色させて文字・画像
を形成するノンインパクト記録方法において、積層され
た導電性記録媒体の各層の体積固有抵抗率の相対値が、
1枚の導電性記録媒体の導電性基材を含めた複数層の個
別電極針側から数えてm番目の層の体積固有抵抗率をρ
m、m+1番目の層の体積固有抵抗率をρm+1としたと
き、ρm≧ρm+1なる条件を満足するとともに、複数枚重
ねられた導電性記録媒体の個別電極針側から数えてn枚
目の導電性記録媒体のn+1枚目の導電性記録媒体と接
する層の体積固有抵抗率をρne、n+1枚目の導電性記
録媒体のn枚目の導電性記録媒体と接する層の体積固有
抵抗率をρ(n+1)fとしたとき、ρne≧ρ(n+1)fなる条件
を満足するようにしたので、複数枚積層された導電性記
録媒体であっても、個別電極針と共通電極との間を流れ
る電流は拡散せず、且つ、通電電流による発熱が導電性
記録媒体中で局部的に発生するため、サーマルヘッド方
式のように外部から熱エネルギーを印加する方式に比べ
て、高いエネルギー効率で鮮明な文字や画像を形成する
ことができると云う効果を有する。
【0048】請求項3記載の発明は、導電性基材の表面
に感熱発色層が形成され裏面に感熱転写インク層が形成
された導電性記録媒体、導電性基材の裏面に感熱転写イ
ンク層が形成された導電性記録媒体、導電性基材単層の
導電性記録媒体をそれぞれ単数又は複数枚挿入して積層
し、積層された導電性記録媒体の一方の面に個別電極針
群を他の面に共通電極を対向して接触配置し、制御信号
に基づいて選択された個別電極針群の中の単数又は複数
の個別電極針と共通電極との間に通電したとき発生する
ジュール熱で、導電性発色剤を発色させるか、或いは感
熱転写インク層を他の導電性記録媒体に転写して文字・
画像を形成するノンインパクト記録方法において、積層
された導電性記録媒体の各層の体積固有抵抗率の相対値
が、1枚の導電性記録媒体の導電性基材を含めた複数層
の個別電極針側から数えてm番目の層の体積固有抵抗率
をρm、m+1番目の層の体積固有抵抗率をρm+1とした
とき、ρm≧ρm+1なる条件を満足するとともに、複数枚
重ねられた導電性記録媒体の個別電極針側から数えてn
枚目の導電性記録媒体のn+1枚目の導電性記録媒体と
接する層の体積固有抵抗率をρne、n+1枚目の導電性
記録媒体のn枚目の導電性記録媒体と接する層の体積固
有抵抗率をρ(n+1)fとしたとき、ρne≧ρ(n +1)fなる条
件を満足するようにしたので、複数枚積層された導電性
記録媒体であっても、個別電極針と共通電極との間を流
れる電流は拡散せず、且つ、通電電流による発熱が導電
性記録媒体中で局部的に発生するため、サーマルヘッド
方式のように外部から熱エネルギーを印加する方式に比
べて、高いエネルギー効率で鮮明な文字や画像を形成す
ることができると云う効果を有する。
【0049】請求項4記載の発明は、内層部を含む全体
に導電性及び感熱発色性が付与された導電性記録媒体を
複数枚重ね合わせ、積層された導電性記録媒体の一方の
面に個別電極針群を他の面に共通電極を対向して接触配
置し、制御信号に基づいて選択された前記個別電極針群
の中の単数又は複数の個別電極針と共通電極との間に通
電して導電性発色剤を発色させ文字・画像を形成する通
電記録方法において、導電性記録媒体の個別電極針側か
ら数えてn枚目の導電性記録媒体の体積固有抵抗率をρ
n、n+1枚目の導電性記録媒体の体積固有抵抗率をρ
n+1としたとき、ρn≧ρn+1の条件を満足するようにし
たので、複数枚積層された導電性記録媒体であっても、
個別電極針と共通電極との間を流れる電流は拡散せず、
且つ、通電電流による発熱が導電性記録媒体中で局部的
に発生するため、サーマルヘッド方式のように外部から
熱エネルギーを印加する方式に比べて、高いエネルギー
効率で鮮明な文字や画像を形成することができると云う
効果を有する。
【0050】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
いずれか1記載のノンインパクト記録方法において、導
電性記録媒体の各層、及び、導電性記録媒体自体の体積
固有抵抗率の絶対値が10~2〜102Ω・cmの範囲にあ
るので、個別電極針と共通電極間に印加する電圧や、各
個別電極針に流れる電流を、実用的なプリンタ装置の電
源や駆動回路、及び通電記録ヘッドの構造、とりわけ携
帯型情報端末機器に搭載する電池電源や、個別電極針群
を選択駆動するIC回路に適合させることができると云
う効果を有する。
【0051】請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の
いずれか1記載のノンインパクト記録方法において、積
層された導電性記録媒体の共通電極と接する層の体積固
有抵抗率をρne、共通電極の導電性記録媒体と接する層
の体積固有抵抗率をρcfとしたとき、両者の関係が、ρ
ne≧ρcfの条件を満足するようにしたので、導電性記録
媒体の共通電極と接触する層で通電電流が拡散せず、鮮
明な文字や画像を形成することができると云う効果を有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すもので、ノンイン
パクト記録方法の基本構成を示す正面図である。
【図2】導電性記録媒体の構成を示すもので、(a)は導
電性基材の表面に導電性を有する感熱発色層が形成され
た導電性記録媒体の正面図、(b)は導電性基材の表面に
導電性を有する感熱発色層が形成され裏面に感熱転写イ
ンク層が形成された導電性記録媒体の正面図、(c)は導
電性基材の裏面に感熱転写インク層が形成された導電性
記録媒体の正面図、(d)は内層部を含む全体に導電性及
び感熱発色性が付与された導電性記録媒体の正面図、
(e)は内層部を含む全体に導電性及び感熱発色性が付与
され裏面に感熱転写インク層が形成された導電性記録媒
体の正面図、(f)は導電性基材単層の導電性記録媒体の
正面図である。
【図3】導電性記録媒体を積層した状態の正面図であ
り、(a)は導電性基材の表面に感熱発色層が形成された
3枚の導電性記録媒体を積層した正面図、(b)は上から
1枚目を導電性基材の表面に感熱発色層が形成され裏面
に感熱転写インク層が形成された導電性記録媒体とし2
枚目を導電性基材の裏面に感熱転写インク層が形成され
た導電性記録媒体とし、3枚目を導電性基材単層の導電
性記録媒体として積層した状態の正面図、(c)は内層部
を含む全体に導電性及び感熱発色性が付与され裏面に感
熱転写インク層が形成された3枚の導電性記録媒体を積
層した正面図である。
【図4】通電電流の集中、拡散に関する基本的現象の説
明図であり、(a)は電流が集中する場合、(b)は電流が
拡散する場合の正面図である。
【図5】導電性記録媒体中での通電電流の集中、拡散に
関する説明図であり、(a)は電流が集中する場合、
(b)、(c)、(d)は電流が拡散する場合の正面図であ
る。
【図6】導電性記録媒体の共通電極と接する層における
通電電流の集中、拡散を示すもので、(a)は導電性基材
の表面に感熱発色層が形成された3枚の導電性記録媒体
を積層した正面図、(b)は内層部を含む全体に導電性及
び感熱発色性が付与され裏面に感熱転写インク層が形成
された3枚の導電性記録媒体を積層した正面図である。
【図7】本発明の記録方法を適用したプリンタ機構の構
造図である。
【符号の説明】
1 導電性記録媒体 2 個別電極針 3 共通電極 6 導電性基材 7 感熱発色層 8 感熱転写インク層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基材の表面に感熱発色層が形成さ
    れた導電性記録媒体、導電性基材の表面に感熱発色層が
    形成され裏面に感熱転写インク層が形成された導電性記
    録媒体、導電性基材の裏面に感熱転写インク層が形成さ
    れた導電性記録媒体、内層部を含む全体に導電性及び感
    熱発色性が付与された導電性記録媒体、内層部を含む全
    体に導電性及び感熱発色性が付与され裏面に感熱転写イ
    ンク層が形成された導電性記録媒体、導電性基材単層の
    導電性記録媒体を選択的に組み合わせて積層し、積層さ
    れた導電性記録媒体の一方の面に個別電極針群を他の面
    に共通電極を対向して接触配置し、制御信号に基づいて
    選択された個別電極針群の中の単数又は複数の個別電極
    針と共通電極との間に通電したとき発生するジュール熱
    で、導電性発色剤を発色させるか、或いは感熱転写イン
    ク層を他の導電性記録媒体に転写して文字・画像を形成
    するノンインパクト記録方法において、導電性記録媒体
    の積層された状態での各層の体積固有抵抗率の相対値
    が、個別電極針側から数えてp番目の層の体積固有抵抗
    率をρp、p+1番目の層の体積固有抵抗率をρp+1とし
    たとき、ρp≧ρp+1の条件を満足することを特徴とする
    ノンインパクト記録方法。
  2. 【請求項2】 導電性基材の表面に感熱発色層が形成さ
    れた複数枚の導電性記録媒体を積層し、積層された導電
    性記録媒体の一方の面に個別電極針群を他の面に共通電
    極を対向して接触配置し、制御信号に基づいて選択され
    た個別電極針群の中の単数又は複数の個別電極針と共通
    電極との間に通電したとき発生するジュール熱で、導電
    性発色剤を発色させて文字・画像を形成するノンインパ
    クト記録方法において、積層された導電性記録媒体の各
    層の体積固有抵抗率の相対値が、1枚の導電性記録媒体
    の導電性基材を含めた複数層の個別電極針側から数えて
    m番目の層の体積固有抵抗率をρm、m+1番目の層の
    体積固有抵抗率をρm+1としたとき、ρm≧ρm+1なる条
    件を満足するとともに、複数枚重ねられた導電性記録媒
    体の個別電極針側から数えてn枚目の導電性記録媒体の
    n+1枚目の導電性記録媒体と接する層の体積固有抵抗
    率をρne、n+1枚目の導電性記録媒体のn枚目の導電
    性記録媒体と接する層の体積固有抵抗率をρ(n+1)fとし
    たとき、ρne≧ρ(n+1)fなる条件を満足することを特徴
    とするノンインパクト記録方法。
  3. 【請求項3】 導電性基材の表面に感熱発色層が形成さ
    れ裏面に感熱転写インク層が形成された導電性記録媒
    体、導電性基材の裏面に感熱転写インク層が形成された
    導電性記録媒体、導電性基材単層の導電性記録媒体をそ
    れぞれ単数又は複数枚挿入して積層し、積層された導電
    性記録媒体の一方の面に個別電極針群を他の面に共通電
    極を対向して接触配置し、制御信号に基づいて選択され
    た個別電極針群の中の単数又は複数の個別電極針と共通
    電極との間に通電したとき発生するジュール熱で、導電
    性発色剤を発色させるか、或いは感熱転写インク層を他
    の導電性記録媒体に転写して文字・画像を形成するノン
    インパクト記録方法において、積層された導電性記録媒
    体の各層の体積固有抵抗率の相対値が、1枚の導電性記
    録媒体の導電性基材を含めた複数層の個別電極針側から
    数えてm番目の層の体積固有抵抗率をρm、m+1番目
    の層の体積固有抵抗率をρm+1としたとき、ρm≧ρm+1
    なる条件を満足するとともに、複数枚重ねられた導電性
    記録媒体の個別電極針側から数えてn枚目の導電性記録
    媒体のn+1枚目の導電性記録媒体と接する層の体積固
    有抵抗率をρne、n+1枚目の導電性記録媒体のn枚目
    の導電性記録媒体と接する層の体積固有抵抗率をρ
    (n+1)fとしたとき、ρne≧ρ(n+1)fなる条件を満足する
    ことを特徴とするノンインパクト記録方法。
  4. 【請求項4】 内層部を含む全体に導電性及び感熱発色
    性が付与された導電性記録媒体を複数枚重ね合わせ、積
    層された導電性記録媒体の一方の面に個別電極針群を他
    の面に共通電極を対向して接触配置し、制御信号に基づ
    いて選択された前記個別電極針群の中の単数又は複数の
    個別電極針と共通電極との間に通電して導電性発色剤を
    発色させ文字・画像を形成する通電記録方法において、
    導電性記録媒体の個別電極針側から数えてn枚目の導電
    性記録媒体の体積固有抵抗率をρn、n+1枚目の導電
    性記録媒体の体積固有抵抗率をρn+1としたとき、ρn
    ρn+1の条件を満足することを特徴とするノンインパク
    ト記録方法。
  5. 【請求項5】 導電性記録媒体の各層、及び、導電性記
    録媒体自体の体積固有抵抗率の絶対値が10~2〜102Ω・c
    mの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れか1記載のノンインパクト記録方法。
  6. 【請求項6】 積層された導電性記録媒体の共通電極と
    接する層の体積固有抵抗率をρne、共通電極の導電性記
    録媒体と接する層の体積固有抵抗率をρcfとしたとき、
    両者の関係が、ρne≧ρcfの条件を満足することを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれか1記載のノンインパク
    ト記録方法。
JP26356597A 1997-09-29 1997-09-29 ノンインパクト記録方法 Pending JPH1199675A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26356597A JPH1199675A (ja) 1997-09-29 1997-09-29 ノンインパクト記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26356597A JPH1199675A (ja) 1997-09-29 1997-09-29 ノンインパクト記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1199675A true JPH1199675A (ja) 1999-04-13

Family

ID=17391322

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26356597A Pending JPH1199675A (ja) 1997-09-29 1997-09-29 ノンインパクト記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1199675A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4461586A (en) Ink ribbon for use in electrothermic non-impact recording
JPH1199675A (ja) ノンインパクト記録方法
JPS6342889A (ja) 通電転写型カラ−リボン
EP0301891A1 (en) Electrothermal printer with a resistive ink ribbon
KR100327074B1 (ko) 논임팩트기록방법
JP3868520B2 (ja) 多色感熱記録媒体
JPH11334116A (ja) ノンインパクト記録方法
JPH11334117A (ja) ノンインパクト記録方法
JPS63233861A (ja) 通電転写記録装置
JPH0729460B2 (ja) 通電感熱記録用インク媒体
JPS6010862Y2 (ja) サーマルプリンタ
JP2824671B2 (ja) 通電平版印刷用原版
JPS59227491A (ja) 記録方法
JPS63233859A (ja) 通電転写記録装置
JPS6219477A (ja) 通電転写装置
JPS6139568Y2 (ja)
JPH01275072A (ja) 印写装置
JP2668946B2 (ja) 昇華転写型記録インク媒体
JPH02160572A (ja) 通電転写記録用インクシート
JPH06270437A (ja) 通電転写記録装置および通電記録用インクリボン
JPH10129018A (ja) 感熱記録方法及びその装置
JPS61179764A (ja) 通電記録装置
JPS61297183A (ja) 通電感熱転写記録方法
JPH05200965A (ja) 画像記録方法および装置
JPH062418B2 (ja) 印字記録媒体