JPH06270437A - 通電転写記録装置および通電記録用インクリボン - Google Patents

通電転写記録装置および通電記録用インクリボン

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JPH06270437A
JPH06270437A JP5061708A JP6170893A JPH06270437A JP H06270437 A JPH06270437 A JP H06270437A JP 5061708 A JP5061708 A JP 5061708A JP 6170893 A JP6170893 A JP 6170893A JP H06270437 A JPH06270437 A JP H06270437A
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JP
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recording
ink ribbon
layer
resistance layer
electrode
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Application number
JP5061708A
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Inventor
Masashi Hiroki
正士 廣木
Takeo Miki
武郎 三木
Takashi Hatakeyama
隆至 畠山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インクリボン自体が弾性を有し、記録電極とイ
ンクリボンの抵抗層とを安定して接触させることがで
き、良好な画像記録を可能とした通電記録用インクリボ
ンを提供することを目的とする。 【構成】受像紙Pと重ね合わされて搬送される通電記録
用インクリボン14のインク層14dと抵抗層14aと
の間に弾性層14cを設ける。これにより、記録を行な
う際、インクリボン14と記録ヘッド12の取付精度、
搬送時の振動、インクリボン14の表面の凹凸に対応し
てインクリボン14の弾性層14cが変形して、記録電
極33と帰路電極37とインクリボン14の抵抗層14
aの接触が安定するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、色材を塗布したインク
層および通電により発熱する抵抗層を有するインクリボ
ンと受像紙とを重ね合わせ、前記抵抗層に対して多数の
記録電極と帰路電極とを当接させた状態で、これらの間
に選択的に電流を流して部分的に発熱させることによ
り、前記色材を受像紙に転写させて記録させる通電転写
記録装置および該装置に使用する通電記録用インクリボ
ンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、熱転写記録は、低コスト・小型軽
量・保守が容易であるという特徴から、プリンタ、ファ
クシミリ等の記録方式に採用されている。しかし、サー
マルヘッドを用いる方式ではインクリボン上のインクを
加熱する熱効率が低かったり、サーマルヘッド自身の蓄
熱により印字速度の高速化が困難であった。
【0003】そこで、記録信号に応じてインクリボン内
部で発熱させ、その熱によりインクを加熱し受像紙に転
写する通電転写記録方式の記録装置が実用化されてきて
いる。
【0004】この通電転写記録方式の記録原理を図10
に示す。インクリボン1は、抵抗層2、アルミニウムの
導電層3、熱により受像紙Pに転写するインク層4で構
成されている。記録ヘッド5は記録電極6と図示しない
駆動回路を支持体8上に設けた構造になっており、駆動
回路はパターン発生装置100と接続されている。
【0005】記録電極6と帰路電極7を抵抗層2に当接
させ、パターン発生装置100により画像情報に応じて
記録電極6に通電すると、電流が記録電極6→抵抗層2
→導電層3→抵抗層2→帰路電極7の順に流れる。
【0006】記録電極6と抵抗層2の接触面積は、帰路
電極7の接触面積より小さいので、記録電極6の近傍の
抵抗層2の内部で電流密度が高くジュール熱により高温
になる。そのため、発熱部付近のインク層4が受像紙P
に転写し、画像が形成される。
【0007】発熱源である抵抗層2が、印字とともに移
動するので、蓄熱がなく冷却時間が不必要であること
と、発熱源がインク層2に近いため、熱伝達効率が良い
ことにより、高速印字が可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような特長を有す
る通電転写記録装置でも次のような問題点があった。
【0009】すなわち、従来実用化されている通電転写
記録装置は、印字幅が10mmほどのシリアル記録がほ
とんどで、カード印刷用や一般OA用途の印字幅が50
mmやA4以上の記録装置はあまり実用化されていな
い。
【0010】それは、ラインタイプの記録ヘッドでは、
記録電極とインクリボンの抵抗層を安定して接触させる
ことが困難であり、記録電極とインクリボンの接触抵抗
が変動し、記録電極での発熱量が変動して濃度ムラが発
生してしまうからである。
【0011】さらに、接触不良により記録電極と抵抗層
の間にギャップがある状態で記録電極に通電すると放電
が生じ、画像が劣化するだけでなく記録電極が摩耗し記
録ヘッドの寿命が著しく低下する。
【0012】記録電極とインクリボンとの接触状態は、
記録時のインクリボンおよび受像紙の搬送による振動や
インクリボンおよび受像紙の局部的な凹凸等により変化
する。
【0013】そのような要因があっても、記録電極と接
触状態が安定するために、記録ヘッドの記録電極支持部
材にポリイミドやシリコンゴムを用い、記録電極が可動
する記録ヘッドも考案されているが、記録ヘッドの耐熱
性が低くなることや、記録ヘッドのコストが高くなるな
どの問題があった。
【0014】本発明は、上記事情に基づき成されたもの
で、第1の目的とするところは、記録電極が配置される
電極支持部材を剛体部材で構成しても記録電極と受像紙
の抵抗層との接触状態が安定して得られ、これにより良
好な画像記録が可能で、しかも、耐熱性の向上とコスト
の低減が可能な通電転写記録装置を提供することにあ
る。
【0015】また、第2の目的とするところは、インク
リボン自体が弾性を有し、記録電極とインクリボンの抵
抗層とを安定して接触させることができ、良好な画像記
録を可能とした通電記録用インクリボンを提供すること
にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の目的を達
成し得る手段として、色材を塗布したインク層と通電に
より発熱する抵抗層とを有し、かつ弾性を有する層を有
する通電記録用インクリボンと受像紙を重ね合わせた状
態で支持する支持手段と、この支持手段により受像紙に
重ね合わされた状態で支持された通電記録用インクリボ
ンの前記抵抗層に、複数の記録電極と帰路電極を当接さ
せて通電することにより前記抵抗層を部分的に発熱さ
せ、この発熱された抵抗層に対応する色材を前記受像紙
に転写させる通電記録ヘッドとを具備し、前記通電記録
ヘッドは、前記複数の記録電極を剛体部材からなる電極
支持部材上に配置した構成としたものである。
【0017】また、第2の目的を達成し得る第1の手段
として、受像紙と重ね合わされて搬送され、熱を加える
ことにより前記受像紙に転写する色材を塗布したインク
層と、通電により発熱する抵抗層とを有する通電記録用
インクリボンにおいて、前記インク層と前記抵抗層との
間に弾性層を設けたものである。
【0018】また、第2の目的を達成し得る第2の手段
として、受像紙と重ね合わされて搬送され、熱を加える
ことにより前記受像紙に転写する色材を塗布したインク
層と、通電により発熱する抵抗層とを有する通電記録用
インクリボンにおいて、前記抵抗層に抵抗層を形成する
樹脂より弾性が低い中空のカプセルを含有させたもので
ある。
【0019】
【作用】本発明の通電転写記録装置は、インクリボンが
弾性層を有するため、インクリボンのインク層側との受
像紙を重ね合わせ、インクリボンの抵抗層側に記録ヘッ
ドの記録電極と帰路電極を接触させ、インクリボンと受
像紙を搬送しながら記録を行なう際、インクリボンと記
録ヘッドの取付精度、搬送時の振動、インクリボンの表
面の凹凸に対応してインクリボンの弾性層が変形するの
で、電極支持部材を剛体部材で構成しても記録電極と受
像紙の抵抗層との接触状態が安定する。これにより、良
好な画像記録が可能で、しかも、耐熱性の向上とコスト
の低減が可能となる。
【0020】本発明の通電記録用インクリボンは、イン
ク層と抵抗層との間に弾性層を設けてあるので、インク
リボンのインク層側との受像紙を重ね合わせ、インクリ
ボンの抵抗層側に記録ヘッドの記録電極と帰路電極を接
触させ、インクリボンと受像紙を搬送しながら記録を行
なう場合、インクリボンと記録ヘッドの取付精度、搬送
時の振動、インクリボンの表面の凹凸に対応して弾性層
が変形するので、記録電極と帰路電極とインクリボン抵
抗層の接触が安定する。その結果ムラの無い良好な画像
が得られるとともに、記録ヘッドの寿命が伸びる。
【0021】また、本発明の通電記録用インクリボン
は、抵抗層に抵抗層を形成する樹脂より弾性が低い中空
のカプセルを含有させた場合は、上記の接触ムラの要因
に対して抵抗層自体が変形するので、記録電極とインク
リボンの抵抗層の接触が安定する。その結果ムラの無い
良好な画像が得られるとともに、記録ヘッドの寿命が伸
びる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例について図1な
いし図7を参照して説明する。図2は本発明の通電転写
記録装置の構成を概略的に示すものである。
【0023】すなわち、装置本体10の略中央部には、
支持手段としてのプラテンドラム11が配設されてい
る。このプラテンドラム11は、その周囲がゴム等の弾
性体で構成され、通電記録ヘッド12のプラテンローラ
としての機能を持っている。
【0024】上記プラテンドラム11は、自身が時計方
向(矢印A方向)へ回転することにより、受像紙である
用紙Pを巻付け、重ね合せ印刷の際に用紙Pがずれない
ようにしている。
【0025】上記プラテンドラム11の周囲には、所定
間隔で用紙Pがプラテンドラム11から浮上らないよう
にするための複数の加圧ローラ13が設けられている。
上記プラテンドラム11の円周は、最大用紙サイズの長
手方向の長さよりも少し長いものとなっている。
【0026】上記プラテンドラム11の下方部には、通
電記録ヘッド12が配設されている。そして、プラテン
ドラム11と通電記録ヘッド12との間には、転写媒体
としてのインクリボン14が介在した状態となってい
る。
【0027】上記インクリボン14は、インクリボン供
給リール15と、インクリボン巻取リール16とに亘っ
て巻回され、駆動ローラ対17により搬送(移動)され
るようになっている。この駆動ローラ対17には、図示
しない駆動力伝達機構を介して図示しないパルスモータ
の駆動軸が連結され、必要に応じて回転駆動されるよう
になっている。
【0028】上記プラテンドラム11の左側には、多数
枚の用紙Pを収容してなる給紙カセット18が設けられ
ている。この給紙カセット18の上部には、給紙ローラ
19が設けられていて、給紙カセット18内に収容され
た用紙Pを1枚ずつ取出すようになっている。
【0029】給紙ローラ19で取出された用紙Pは、レ
ジストローラ対20へ送られてその先端整位が行われた
後、レジストローラ対20によってガイド21、21間
を通りプラテンドラム11に向けて移送される。そし
て、グリッパ22および複数の押付けローラ13によっ
てプラテンドラム11に巻掛けられた状態となり、プラ
テンドラム11の回転に伴って正確に送られるようにな
っている。
【0030】上記グリッパ22により先端が固定された
用紙Pは、反時計方向の回転により上記プラテンドラム
11に巻き付き、先端が記録エリアを通過した後、通電
記録ヘッド12がプラテンドラム11に加圧され、記録
が行われる。
【0031】記録が終了して排紙する際には、用紙Pの
後端が、排紙用のガイド23、23に到達するまで上記
プラテンドラム11を反時計方向に回転し、到達した
際、そのプラテンドラム11を時計方向へ回転し、図示
しない分離爪により用紙Pの後端をプラテンドラム11
から分離して排紙ガイド23、23へ導く。そして、最
後に、用紙Pの先端がグリッパ22から開放され、その
排紙ガイド23、23で搬送される記録がなされた用紙
Pが排紙トレイ24上へ排出される。
【0032】上記インクリボン14は、図3に示すよう
に、カーボンブラックなどの導電性粒子を分散させた厚
さ12μmのポリカーボネイトの抵抗層14a上に、厚
さ1000オングストロームのアルミニウム,金等の導
電層14b、この導電層14b上にゴム状物質からなる
弾性層14c、この弾性層14c上に色材を含むインク
層14dを設けた層構成になっている。
【0033】弾性層14cには、スチレン−ブタジエン
ゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、多硫化ゴム、イソプレンゴム、天然ゴ
ム等の中から選択でき、また、これらの中から2種以上
を混合しても良い。層の厚さは1〜10μmが適当であ
る。具体的な例としてシリコンゴム分散液、加硫液、ト
ルエンを金属の導電層3上に塗布した後乾燥させ、膜厚
を3μmとした。
【0034】インク層14dは、昇華型記録では60〜
300℃で昇華ないし気化する色素、例えばアゾ系色
素、アントラキノン系色素、キサンテン系色素を色材と
して用いる。結着材としては記録時の加熱によって溶融
あるいは軟化することなく、色材の以降を妨げないもの
が好ましい。例えばポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリビニルアルコール、セルロースエステル類等
を用いることができる。
【0035】インク層14dの組成は,色材5〜7%、
結着材95〜30%の範囲が良く、厚さは1〜10μm
が適している。溶融型記録では色材には酸性染料、塩基
性染料、分散染料、油溶性染料等の染料、またはフタロ
シアニン系顔料に代表される有機染料、カーボンブラッ
ク等の無機顔料から選択することができる。結着材とし
てはエステルワックス、酸化ワックス、低分子量ポリエ
チレンワックスやステアリン酸、ベヘン酸、ステアリン
アルコールを用いることができる。例えば、カーボンブ
ラック5〜20%をエステルワックスに分散し、導電層
3上に厚さ2〜20μmで塗布する。
【0036】ここでは、インクリボン14の内部の電流
経路として、抵抗層14aと導電層14bがあるが、抵
抗層14aのみの場合でも、記録電極33(後述する)
近傍での電流集中は小さくなるが発熱により色材を転写
することは可能である。また、製造上、導電層14bと
インク層14cの間にPETフィルム等のベースフィル
ムを設ける場合もある。
【0037】インク層14dは、昇華性イエロー色素を
含むイエローインク層Y、昇華性マゼンタ色素を含むマ
ゼンタインク層M、昇華性シアン色素を含むシアンイン
ク層Cがインクリボン14の搬送方向と逆方向に順次塗
布されており、1色のインク層の長さは記録画面の長さ
に応じており、この実施例では145mmとしてある。
このインク層14dの幅は、記録電極33の列の長さ7
8.5mmを十分にカバーするよう80mmとしてい
る。
【0038】上記インクリボン14は、図1、図2に示
すように、上記通電記録ヘッド12の記録電極33や帰
路電極35の端面側に接する状態で搬送されるようにな
っている。
【0039】上記通電記録ヘッド12は、図1、図2、
図4、図5に示すように、ベース31、電極支持体3
2、複数の記録電極33、絶縁部材34、帰路電極3
5、回路基板36、記録電極制御回路37、およびコネ
クタ38によって構成されている。
【0040】通電記録ヘッド12のインクリボン14の
抵抗層14aに接触する部分は電極支持体32の一平面
上に複数の記録電極33が形成され、その上に絶縁部材
34、帰路電極35が積層されている。記録電極33は
剛体部材であるセラミックの電極支持体32上に無電解
メッキにより厚さ5μmの銅膜を形成し、これを薄膜加
工することにより電極ピッチ125μm、電極幅100
μmの628本の記録電極パターンを作り、さらに電解
メッキによりクロム−タングステン(Co−W)の合金
膜を形成する。
【0041】帰路電極35も同様にセラミック板の絶縁
部材34に銅、クロム−タングステン(Co−W)をメ
ッキし形成する。絶縁部材34は厚さが500μm以下
で、帰路電極35は主走査方向に分離せず一体化してい
る。この絶縁部材34を記録電極33の先端と後端が露
出するように張り付け、記録電極33の先端の露出長さ
は、記録解像度とほぼ同じ50〜150μmである。
【0042】上記通電記録ヘッド12の記録電極33か
らインクリボン14の抵抗層14aに注入された記録電
流は導電層14bを通って帰路電極35に至り、記録電
極33と抵抗層14aの接触部分では電流が集中するた
め、ジュール熱が発生する。
【0043】また、記録電極33と帰路電極35の距離
が記録電極33のピッチとほぼ同じかそれ以下になって
いるため、記録電極33から流れ出た電流は、インクリ
ボン14の導電層14b中で大きく広がることなく帰路
電極35に流れ込むため、通電する記録電極数によらず
導電層14b、および帰路電極35と接する抵抗層14
aの抵抗値は一定となる。
【0044】通電記録ヘッド12はこの電極支持体32
と記録電極制御回路37と、コネクタ38を実装した回
路基板36をアルミニウムのベース31上に取り付けた
ものである。
【0045】各記録電極33のリード部(インクリボン
14の抵抗層14aと接触する面と反対の端部)と帰路
電極35はワイヤボンディングにより記録電極制御回路
37に接続されている。
【0046】上記通電記録ヘッド12のベース31は、
図2に示すように、本体10の下部の固定板25上に取
り付けられている。固定板25の左方下部は、本体10
の底部に一体化されて設けられている支持体10aに連
結されているシャフト10bによって軸支され、固定板
25の右方下部は、本体10の底部に立設されているソ
レノイド54と圧縮ばね26とが設けられている。
【0047】これにより、ソレノイド26と圧縮ばね2
7の作用により、固定板25(通電記録ヘッド12)が
支持体10a側のシャフト10bを支点として上下動す
るようになっている。たとえば、ソレノイド54がオン
すると、圧縮ばね26のばね力に打ち勝って固定板25
が下方へ移動され、ソレノイド54がオフすると、圧縮
ばね26のばね力によって固定板25が上方へ移動され
る。次に、通電転写記録装置の制御回路を図6を用いて
説明する。
【0048】すなわち、通電転写記録装置全体を制御す
る制御部としてのCPU40が設けられている。このC
PU40には、バス41を介して、ROM42、RAM
43、ドライバ44、45、46、47、記録信号生成
回路48、インターフェース49、50が接続されてい
る。ROM42には、制御プログラムが記憶されてい
る。RAM43はワーキング用に用いられるとともに、
各パルスモータによる搬送状態をパルス数で計数するた
めのカウント部43a、43bを有している。
【0049】ドライバ44により通電記録ヘッド12が
駆動され、ドライバ45により給紙ローラ19にパルス
モータ53の回転力を伝達するソレノイド52が駆動さ
れ、ドライバ46により用紙Pやインクリボン14を搬
送するプラテンドラム11や駆動ローラ対17やレジス
トローラ20、20等を回転するパルスモータ53が駆
動され、ドライバ47により通電記録ヘッド12(ある
いはプラテンドラム11)を上下動させるソレノイド5
4が駆動される。
【0050】インターフェース49には、外部パソコン
(パーソナルコンピュータ)55が選択的に接続され、
外部パソコン55からの記録コードを受入れるものであ
る。インターフェース50には、スキャナ56が選択的
に接続され、スキャナ56からの記録信号を受入れるも
のである。記録信号生成回路48は、外部パソコン55
からの記録コードを記録信号に変換するものである。次
に、この発明の通電記録ヘッド12を用いた通電転写記
録装置の動作について図2を用いて説明する。
【0051】まず、用紙Pがカセット18から取り出さ
れ、プラテンドラム11に巻回され、その先端がグリッ
パ22によってプラテンドラム11に固定され保持され
る。また、インクリボン14は、インクリボン14の搬
送する駆動ローラ対17によってインクリボン供給リー
ル15から引き出され、まずイエローインク層Yの頭出
しが行われる。
【0052】用紙Pとインクリボン14とのこの一連の
動作中、ソレノイド54がオンされ、固定板25が本体
10の支持体10aに連結されているシャフト10bを
軸として時計回りに回動し、通電記録ヘッド12はプラ
テンドラム11より離間しているが、インクリボン14
と用紙Pとが定位置に設定された後、ソレノイド54が
オフし、圧縮ばね27により通電記録ヘッド12はプラ
テンドラム11に付勢される。
【0053】ここで、複数の記録電極33が配設されて
いる電極支持体32の一平面がプラテンドラム11のほ
ぼ接線方向になるように配置されている。つまり、プラ
テンドラム11が電極支持体32の各記録電極33が形
成された平面にほぼ垂直に付勢されている。
【0054】ついで、カラー画像信号(図示しない)よ
りイエロー成分の記録信号が通電記録ヘッド12の複数
の記録電極制御回路37に供給され、各記録電極33に
記録電流が選択的に給電される。用紙Pはプラテンドラ
ム11の回転にしたがって送られ、イエロー画面の記録
が終了する。
【0055】次に、通電記録ヘッド12がプラテンドラ
ム11より離間し、用紙Pの記録画面およびインクリボ
ン14のマゼンタインク層Mの頭出しが行われ、その
後、通電記録ヘッド12が再びプラテンドラム11に付
勢され、各記録電極33のマゼンタ成分の記録信号にし
たがって記録電流が給電され、イエロー画像に重ね合わ
せてマゼンタ画像の記録がなされる。ついで、同様の動
作によりシアン画像が記録される。
【0056】このシアン画像の記録の後に、通電記録ヘ
ッド12はプラテンドラム11より離間し、インクリボ
ン14の搬送は停止されるが、用紙Pはプラテンドラム
11の回転にしたがって送り出され、排紙ガイド23、
23によってクリッパ22がはずされ、用紙Pの先端が
解放されて排紙トレイ24上に排紙される。上記一連の
動作において、通電記録ヘッド12による記録動作の詳
細について説明する。
【0057】すなわち、プラテンドラム11と通電記録
ヘッド12の各記録電極33の間に転写紙Pとインクリ
ボン14を挟み、プラテンドラム11の回転により転写
紙Pとインクリボン14を搬送する。ここで、各記録電
極33が形成されている電極支持体32の面がプラテン
ドラム11のほぼ接線方向になるように配置されてい
る。インクリボン14が通電記録ヘッド12の先端部か
ら滑らかに離れるためインクリボン14に振動が生じ
ず、また、しわの発生が無いので画質が向上する。
【0058】また、記録電極33と接触する抵抗層14
aは高温になるなるためその状態で転写紙Pや通電記録
ヘッド12から摩擦を受けると、しわの発生まではいた
らなくとも、抵抗層14aは若干変形し、初期の電気的
特性を保持しない場合がある。
【0059】帰路電極35が、インクリボン14、転写
紙Pの搬送方向に対して記録電極33より上流側になる
ようにすることで、発熱した抵抗層14aは記録電極3
3と帰路電極35の間をすでに通過しているので、常に
熱的に損傷を受けていない抵抗層14aが各記録電極3
3と帰路電極35と接触するため、画像が安定する。
【0060】画像情報に応じた記録信号が記録信号生成
回路48からコネクタ38を介して記録電極制御回路3
7に供給され、搬送速度に同期して各記録電極33に通
電が行われ、図1に示したように記録電極33と接する
抵抗層14aで発熱が生じ色材の転写が行われ画像が形
成される。つぎに、通電記録装置の動作について説明す
る。図1に記録時の記録ヘッド7とプラテンローラ11
の配置図を示す。
【0061】プラテンローラ11と記録ヘッド12の記
録電極33の間に用紙Pとインクリボン14を挟み、ベ
ース15の回転により用紙Pとインクリボン14を搬送
する。ここで、記録電極33が形成されている電極支持
体32の面がプラテンローラの接線方向になるように配
置する。
【0062】このようにすることで、インクリボン14
が記録ヘッド12の先端端部から滑らかに離れるためイ
ンクリボン14に振動が生じず、また、しわの発生が無
いので画質が向上する。
【0063】また、記録電極33と接触する抵抗層14
aは高温になるため、その状態で用紙Pや記録ヘッド1
2から摩擦を受けるとしわの発生まではいたらなくとも
抵抗層14aは若干変形し、初期の電気的特性を保持し
ない場合がある。
【0064】帰路電極35がインクリボン14・用紙P
の搬送方向に対して記録電極33より上流側になるよう
にすることで、発熱した抵抗層14aは記録電極33と
帰路電極35の間はすでに通過しているので、常に熱的
に損傷を受けていない抵抗層14aが記録電極33と帰
路電極35と接触するため画像が安定する。
【0065】画像情報に応じた記録信号がパターン発生
装置100からコネクタ38を介して記録電極制御回路
(駆動IC)37に供給され、搬送速度に同期して記録
電極33に通電が行なわれ、図10を参照して前述した
ように記録電極33と接する抵抗層14aで発熱が生じ
色材の転写が行なわれ画像が形成される。
【0066】従来の弾性層14cを有しないインクリボ
ン1(図10参照)を用いた場合、すなわち、抵抗層2
(14a)とインク層4(14d)、または抵抗層2
(14a)と導電層3(14b)とインク層4(14
d)で構成されたインクリボン1を用いた場合は、プラ
テンローラ11が変形することで記録電極33と抵抗層
2(14a)の接触を安定させていた。
【0067】しかし、用紙Pは昇華記録、溶融記録どち
らの場合でも、厚さが200μmあり、インクリボン1
の搬送時における記録ヘッド12やプラテンローラ11
の振動や、インクリボン1や用紙Pの局所的な凹凸によ
る記録電極33と抵抗層2(14a)の接触ムラを補正
することはできなかった。
【0068】これに対し、本発明のインクリボン14を
用いると、図7に示すように、記録電極33とプラテン
ローラ11に挟まれた部分では、プラテンローラ11と
弾性層14cが圧縮変形する。
【0069】そして、記録ヘッド12やプラテンローラ
11の振動やインクリボン14に凹凸による記録電極3
3と抵抗層14aの接触状態の微小で瞬間的な変動は弾
性層14cの変形量により良好に保たれる。
【0070】図8および図9は、通電記録用インクリボ
ンの第2の実施例に係わるもので、この通電記録用イン
クリボン140は、抵抗層14aが弾性層を兼用した構
成となっている。すなわち、このインクリボン140
は、抵抗層140a、導電層14b,およびインク層1
4dから構成されている。ここで、導電層14bおよび
インク層14dは前述の第1の実施例の図3で説明した
ものと同じである。
【0071】抵抗層140aは、ポリカーボネートにカ
ーボンブラック等の導電性粒子と中空のカプセル60を
分散させ約12μmに製膜されている。カプセル60の
具体例としては、イソブタン、ペンタン、石油エーテ
ル、ヘキサン、ヘプタン、低沸点ハロゲン化炭化水素、
メチルシランなどの揮発性有機溶剤を塩化ビニリデン、
アクリルニトリル、アクリル酸エステルなどの共重合体
からなる熱可塑性樹脂でくるみ、熱可塑性樹脂の軟化点
以上に加熱し膨張させたものである。膨張後の直径は5
〜10μmが良い。これらのカプセル60はポリカーボ
ネイトと比較すると圧力により容易に変形する。
【0072】そして、図9に示すように、記録電極33
とプラテンローラ11に挟まれた部分では、圧力により
抵抗層140aが圧縮変形し、振動や凹凸に対応した抵
抗層140aが変形するので抵抗層140aと記録電極
33の接触は良好に保たれるようになっている。その
他、本発明は、上記実施例に限らず、種々変形実施可能
なことは勿論である。
【0073】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
つぎのような効果を奏する。
【0074】請求項1記載の通電転写記録装置によれ
ば、インクリボンが弾性層を有するため、インクリボン
のインク層側との受像紙を重ね合わせ、インクリボンの
抵抗層側に記録ヘッドの記録電極と帰路電極を接触さ
せ、インクリボンと受像紙を搬送しながら記録を行なう
際、インクリボンと記録ヘッドの取付精度、搬送時の振
動、インクリボンの表面の凹凸に対応してインクリボン
の弾性層が変形するので、電極支持部材を剛体部材で構
成しても記録電極と受像紙の抵抗層との接触状態が安定
する。これにより、良好な画像記録が可能で、しかも、
電極支持部材にセラミックを用いることで、耐熱性の向
上とコストの低減が可能となる。
【0075】請求項2記載の通電記録用インクリボンに
よれば、インク層と抵抗層との間に弾性層を設けてある
ので、インクリボンのインク層側との受像紙を重ね合わ
せ、インクリボンの抵抗層側に記録ヘッドの記録電極と
帰路電極を接触させ、インクリボンと受像紙を搬送しな
がら記録を行なう場合、インクリボンと記録ヘッドの取
付精度、搬送時の振動、インクリボンの表面の凹凸に対
応して弾性層が変形するので、記録電極と帰路電極とイ
ンクリボン抵抗層の接触が安定する。その結果ムラの無
い良好な画像が得られるとともに、記録ヘッドの寿命が
伸びる。
【0076】請求項2記載の通電記録用インクリボンに
よれば、抵抗層に抵抗層を形成する樹脂より弾性が低い
中空のカプセルを含有させた場合は、上記の接触ムラの
要因に対して抵抗層自体が変形するので、記録電極とイ
ンクリボンの抵抗層の接触が安定する。その結果ムラの
無い良好な画像が得られるとともに、記録ヘッドの寿命
が伸びる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例における記録時の通電
記録ヘッドとインクリボンとプラテンドラムの構成を示
す断面図。
【図2】通電転写記録装置の構成を示す断面図。
【図3】通電記録用インクリボンの構成例を示す図。
【図4】通電記録ヘッドの構成を示す断面図。
【図5】通電記録ヘッドの斜視図。
【図6】通電転写記録装置の制御回路を示すブロック
図。
【図7】通電記録用インクリボンの記録部における挙動
を示す説明図。
【図8】通電記録用インクリボンの異なる層構成を示す
図。
【図9】図8に示す通電記録用インクリボンの記録部に
おける挙動を示す説明図。
【図10】通電記録方式の記録原理を説明するための
図。
【符号の説明】
11…プラテンドラム(支持手段)、12…通電記録ヘ
ッド、14,140…インクリボン(転写媒体)、14
a,140a…抵抗層、14b…導電層、14c…弾性
層、14d…インク層、31…ベース、32…電極支持
体、33…記録電極、34…絶縁部材、35…帰路電
極、36…回路基板、37…記録電極制御回路、38…
コネクタ、60…中空カプセル、P…受像紙。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/26

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色材を塗布したインク層と通電により発
    熱する抵抗層とを有し、かつ弾性を有する層を有する通
    電記録用インクリボンと受像紙を重ね合わせた状態で支
    持する支持手段と、 この支持手段により受像紙に重ね合わされた状態で支持
    された通電記録用インクリボンの前記抵抗層に、複数の
    記録電極と帰路電極を当接させて通電することにより前
    記抵抗層を部分的に発熱させ、この発熱された抵抗層に
    対応する色材を前記受像紙に転写させる通電記録ヘッド
    と、を具備し、 前記通電記録ヘッドは、前記複数の記録電極を剛体部材
    からなる電極支持部材上に配置した構成としたことを特
    徴とする通電転写記録装置。
  2. 【請求項2】 受像紙と重ね合わされて搬送され、熱を
    加えることにより前記受像紙に転写する色材を塗布した
    インク層と、通電により発熱する抵抗層とを有する通電
    記録用インクリボンにおいて、 前記インク層と前記抵抗層との間に弾性層を設けたこと
    を特徴とする通電記録用インクリボン。
  3. 【請求項3】 受像紙と重ね合わされて搬送され、熱を
    加えることにより前記受像紙に転写する色材を塗布した
    インク層と、通電により発熱する抵抗層とを有する通電
    記録用インクリボンにおいて、 前記抵抗層に抵抗層を形成する樹脂より弾性が低い中空
    のカプセルを含有させたことを特徴とする通電記録用イ
    ンクリボン。
JP5061708A 1993-03-22 1993-03-22 通電転写記録装置および通電記録用インクリボン Pending JPH06270437A (ja)

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