JPH1199426A - 電子部品吸着用ノズル - Google Patents

電子部品吸着用ノズル

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JPH1199426A
JPH1199426A JP26758697A JP26758697A JPH1199426A JP H1199426 A JPH1199426 A JP H1199426A JP 26758697 A JP26758697 A JP 26758697A JP 26758697 A JP26758697 A JP 26758697A JP H1199426 A JPH1199426 A JP H1199426A
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JP
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suction
nozzle
electronic component
sucking
roughness
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JP26758697A
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English (en)
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Takuya Gendoshi
拓哉 源通
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Kyocera Corp
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】チップ状の電子部品の実装工程において、吸着
用ノズルに保持した電子部品を高速搬送させる際に、ず
れを生じたり、落下することを防ぎ、回路基板の所定位
置に正確に実装できるようにする。 【解決手段】吸着用ノズルの吸着面5にショットブラス
ト処理を施して吸引孔4から周縁部に延びる特定方向の
加工痕のない面とするとともに、その表面粗さを最大粗
さ(Ry)0.5〜5μmとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チップコンデンサ
ーやチップ抵抗器などチップ状の電子部品を回路基板に
実装するためのチップマウンター装置に用いられる電子
部品吸着用ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、チップコンデンサーやチップ抵抗
器などチップ状の電子部品を回路基板に実装する工程で
は、電子部品を吸着用ノズルにより吸着保持し、電子部
品の外形状あるいはその一部分を光学的に画像解析装置
でもって測定認識したあと、吸着用ノズルを相対的に所
定の位置まで高速移動させ、回路基板の所定位置に実装
するようになっていた。
【0003】また、この種の吸着用ノズルは、図1にそ
の一般的な構造を示すように、ノズル本体2に円筒状を
したノズル3を備え、該ノズル3の内孔を吸引孔4とす
るとともに、ノズル3の先端面を吸着面5としたもので
あった。
【0004】また、上記吸着用ノズル1の吸着面5に
は、図5(a)に示すような多数の吸引孔4を穿設した
り、あるいは吸着面5に開口する吸引孔4の穴形状を図
5(b)に示すような十字状や図5(c)に示すような
長穴状として吸着力が高められており、高速移動時に保
持した電子部品Wがずれることによる実装ミスを低減す
るようになっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、回路
基板における実装密度の向上と電子部品Wの小型化に伴
って、吸着用ノズル1のノズル径は極端な小径化が進
み、その結果、吸着面5における吸引孔4の穴形状の自
由度も制限され、従来のような高い吸着力は望めなくな
っていた。
【0006】例えば、チップコンデンサーの寸法は、長
辺の長さが1.0〜1.6mm程度、短辺の長さが0.
5〜0.8mm程度となり、さらに微細なものでは長辺
の長さが0.6mm、短辺の長さが0.3mmのものも
あり、また、回路基板上における電子部品Wの間隔も
0.3〜0.5mm程度と狭かった。
【0007】その為、ノズル3のノズル径は大きいもの
でも1.3mm以下としなければならず、また、上記電
子部品Wを吸着保持しようとすると吸着用ノズル1にお
ける吸引孔4の孔径はこれらの短辺と同等あるいはさら
に小さくしなければならないことから、このような孔径
の小さな吸引孔4の穴形状を十字状や楕円状として吸着
力を高めることは難しくなってきていた。
【0008】また、吸着用ノズル1の吸着面5は、電子
部品Wとの密着性を高めるために平坦化する必要があ
り、通常、吸着面5はノズル3の先端面に固定砥粒でも
って研磨することにより平坦化されているのであるが、
固定砥粒を用いて研磨すると、吸着面5に図5(a)〜
(c)に示すような一方向に延びる直線状の加工痕7
(砥粒による引っかき傷)が多数形成されるため、電子
部品Wを吸着保持しても上記加工痕7から空気の漏れが
発生し、吸着力をさらに低下させるといった課題があっ
た。
【0009】その為、このように吸着面積が小さくかつ
一方向に延びる直線状の加工痕7をもった吸着用ノズル
1を用いて電子部品Wを保持し、所定の位置まで高速移
動させると、電子部品Wのずれを生じ、所定の位置へ正
確に実装できなかったり、あるいは電子部品Wが移送中
に落下し、部分的に電子部品Wの抜けが生じるなどの実
装不良が発生したり、再度電子部品Wを取りに行くなど
無駄な操作が増え、生産効率が悪かった。
【0010】このように、これまでの吸着用ノズル1は
吸着面5の表面状態についてあまり考慮されていなかっ
た。
【0011】本発明は、このような極端に小径化された
ノズルを有する吸着用ノズルにおいて、高速移動時に電
子部品のずれを生じたり落下させることなく確実に保持
することができる電子部品吸着用ノズルを提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題に鑑
み、本発明の第1発明は、先端にチップコンデンサーや
チップ抵抗器などの電子部品を真空吸引して吸着保持す
る平坦な吸着面を有するとともに、該吸着面に開口した
吸引孔を備えた吸着用ノズルにおいて、上記吸着面にシ
ョットブラスト加工を施してその表面粗さを最大粗さ
(Ry)0.5〜5μmとすることにより、上記吸着面
に一方向に延びる直線状の加工痕のない面としたことを
特徴とする。
【0013】また、本発明の第2発明は、チップコンデ
ンサーやチップ抵抗器などの電子部品を真空吸引して吸
着保持する平坦な先端面を有するとともに、該先端面に
開口した吸引孔を備えた吸着用ノズルにおいて、少なく
とも上記先端面に粒径が0.5〜2μmの硬質粒子を緻
密に整列させて固着することにより吸着面を形成し、そ
の表面粗さを最大粗さ(Ry)0.5〜5μmとするこ
とにより、上記吸着面に一方向に延びる直線状の加工痕
のない面としたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0015】図1は本発明に係る電子部品吸着用ノズル
1の一例を示す斜視図であり、図2は吸着面5のみを拡
大した斜視図である。
【0016】図1に示す電子部品吸着用ノズル1(以
下、吸着用ノズルと称す。)は、チップコンデンサーや
チップ抵抗器などチップ状の電子部品Wを回路基板(不
図示)に実装するためのチップマウンター装置に用いら
れるもので、円筒状をしたノズル本体2と、該ノズル本
体2の外径より小さな外径を有する円筒状のノズル3か
らなり、該ノズル3の内孔を吸引孔4とするとともに、
ノズル3の先端面を吸着面5としてある。
【0017】そして、上記吸着用ノズル1の吸着面5を
電子部品Wに近づけ、吸引孔4より真空吸引すれば、電
子部品Wは吸着面5に吸い付けられ、吸着保持するよう
になっている。
【0018】この種の吸着用ノズル1におけるノズル3
のノズル径L及び吸引孔4の孔径lは、保持する電子部
品Wの大きさにもよるが、例えば、電子部品Wとして長
辺の長さが0.6〜1.6mm程度、短辺の長さが0.
5〜0.8mm程度のチップコンデンサーを保持し、
0.3〜0.5mm程度のクリアランスで実装する場
合、ノズル3のノズル径Lは最大1.0〜1.3mm程
度、吸引孔4の孔径lは最大0.5〜0.8mm程度と
すれば良い。
【0019】ところで、このようなノズル径Lの小さな
吸着用ノズル1において、電子部品Wのずれを生じたり
落下させることなく確実に保持するには吸着面5の表面
状態が重要であり、図2に示すように、吸着面5の表面
粗さを最大粗さ(Ry)で0.5〜5μmとするととも
に、吸着面5上に点状の加工痕6が多数存在した凹凸面
とし、吸引孔4から周縁部に延びる直線状の加工痕のな
い面とすることが必要である。
【0020】即ち、吸着面5の最大粗さ(Ry)が0.
5μm未満であると、大きな吸引力が望めない吸着用ノ
ズル1では吸着面5が滑らか過ぎるために電子部品Wと
の摩擦抵抗が小さく、高速移動に伴って加わる水平方向
の力によって電子部品Wのずれを生じるからであり、逆
に、最大粗さ(Ry)が5.0μmより粗くなると、電
子部品Wとの隙間が大きくなりすぎるために、この隙間
から空気が漏れて吸着力が低下するからである。
【0021】また、吸着面5が0.5〜5μmの表面精
度に仕上げられていたとしても、一方向に延びる直線状
の加工痕があると、この加工痕から漏れる空気の量が多
く、吸着力が大きく低下するため、吸着用ノズル1の高
速移動時にずれを生じることになる。
【0022】これに対し、図2に示す吸着面5のよう
に、点状の加工痕6が多数存在した凹凸面とし、一方向
に延びる直線状の加工痕のない面とすることにより、電
子部品Wを吸着保持したとしても空気の漏れを最小限に
抑え、高速移動に伴う電子部品Wのずれや落下をなく
し、吸着面5に確実に吸着保持することができる。
【0023】このような吸着面5を得る手段としては、
微小な球状粒子をノズルから噴出させ、その衝撃力でも
って加工を行うショットブラスト処理を施すことが必要
である。
【0024】例えば、点状の加工痕を有する吸着面5を
得るための他の加工手段として放電加工や超音波加工が
あるが、放電加工は加工精度がそれほど良くないために
吸着面5の表面粗さを5.0μm以下とすることができ
ず、また、超音波加工では吸着面5のエッジ部分が大き
く削られ易いために吸着面5の面積がさらに小さくな
り、その結果、空気漏れが生じ易くなるといった不都合
がある。
【0025】これに対し、ショットブラスト処理は、球
状粒子の粒子径と噴出圧及び噴出時間を適宜設定するこ
とで、無数の点状加工痕6が吸着面5に形成されるだけ
で吸引孔4から周縁部につながる直線状の加工痕がな
く、また、その表面粗さが最大粗さ(Ry)0.5〜5
μmである吸着面5を容易にかつ効率良く形成すること
ができる。なお、加工条件としてはノズル3の材質にも
よるが、例えば、50番手〜250番手程度のダイヤモ
ンド、炭化硼素、炭化珪素、アルミナなどからなる硬質
の球状粒子を2.5〜6kg/cm2 の噴射圧で4〜3
0秒程度噴出させれば良い。
【0026】一方、吸着用ノズル1を構成する材質とし
ては、1秒間に4〜5個の電子部品Wを回路基板に実装
しなければならず、実装の際には吸着ノズル1の吸着面
5に大きな衝撃が加わるとともに、電子部品Wの脱着の
繰り返しに伴い摩耗し易ため、少なくとも吸着面5は高
強度、高硬度を有し、耐摩耗性に優れるアルミナ、ジル
コニア、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム等のセ
ラミックスで形成するか、あるいは超硬合金、サーメッ
ト材、あるいはダイヤモンド焼結体で形成することが良
い。
【0027】上記セラミックスや超硬合金、サーメット
材、ダイヤモンド焼結体は表1にその機械的特性を示す
ように、曲げ強度30kg/mm2 以上、ビッカース硬
度1200kg/mm2 以上と優れることから、電子部
品Wの脱着の繰り返しにおいても摩耗が少なく、また、
欠けや割れを生じることがないため、寿命の長い吸着用
ノズル1を提供することができる。
【0028】また、チップマウンター装置において、電
子部品Wの形状を解析する測定手段によっては、下方か
らライトの光を照射し、電子部品Wからの反射光を画像
解析装置で測定する方法があり、この場合、吸着用ノズ
ル1における光の反射を防ぐために黒色系のセラミック
スを用いることが良い。
【0029】このような黒色を呈するセラミックスとし
ては、表1に示す窒化珪素や炭化珪素の他に、例えば、
アルミナに対し、着色顔料として酸化チタンを添加した
濃青色のアルミナセラミックス、ジルコニアに対し、着
色顔料としてCr2 3 、FeO、Fe3 4 、Co
O、NiO等と助剤成分としてAl2 3 やTiCを添
加した黒緑色あるいは濃青色を有するジルコニアセラミ
ックス、あるいはジルコニアに対してCやZrCを含む
黒色のジルコニアセラミックス等を用いることもでき
る。
【0030】
【表1】
【0031】また、吸着面5を上記セラミックスや超硬
合金、サーメット材、ダイヤモンド焼結体等で形成する
場合、内外のエッジはシャープエッジのままでも良い
が、欠けや割れを防ぐためにR面やC面などの面取りを
施すことが好ましい。
【0032】なお、図2ではノズル3全体がセラミック
ス、超硬、サーメット材、ダイヤモンド焼結体等からな
る例を示したが、例えば、図3(a)(b)に示すよう
に、金属や樹脂からなるノズル3の先端に、本発明の表
面状態を有する吸着面5を備えたセラミックス、超硬、
サーメット材、ダイヤモンド焼結体等からなる先端チッ
プ7を接着やネジ止めなどの手段により接合したもので
も構わない。
【0033】次に、本発明の他の実施形態を図4を用い
て説明する。
【0034】この吸着用ノズル10は、図2におけるノ
ズル3の先端面を平滑に形成し、この先端面上に、多数
の硬質粒子8を緻密に整列させて固着し、その表面を吸
着面9としたものである。
【0035】このように、ノズル3の先端面に多数の硬
質粒子8を緻密に整列させて固着させることにより、吸
着面9には硬質粒子8同士によって形成される窪みが点
在するため、吸着面5を適度に粗すことができるととも
に、吸引孔4から周縁部に延びる直線状の溝や凹みがな
いため、吸着面9を電子部品に近づけ、吸引孔4より真
空吸引すれば、電子部品は吸着面9に吸い付けられ、強
固に吸着保持することができる。ただし、この吸着用ノ
ズル10においても、吸着面9の表面粗さは最大粗さ
(Ry)で0.5〜5μmとすることが必要であり、そ
のためには粒径が0.5〜2.0μmの硬質粒子8を用
いれば良い。
【0036】また、電子部品の脱着に伴う吸着面9の摩
耗を抑えるために、吸着面9を形成する硬質粒子8は、
前述したセラミックスや超硬合金、あるいはサーメット
材やダイヤモンド焼結体などにより形成すれば良い。
【0037】(実施例1)図1に示す吸着用ノズル1の
吸着面5に、ショットブラス加工、固定砥粒による研磨
加工、放電加工、超音波加工をそれぞれ施して、吸着面
5の表面粗さと加工痕の状態をそれぞれ変化させたもの
を用意し、吸着特性について測定を行った。
【0038】吸着用ノズル1には、ノズル径Lが1.2
mm、吸引孔4の孔径lが0.5mmのノズル3を備え
たものを使用し、ノズル3材質をダイヤモンド焼結体及
びジルコニアセラミックスとした。
【0039】そして、これらの吸着用ノズル1に4×1
0×1mmの寸法を有するセラミック板を吸着保持さ
せ、このセラミック板を長手方向に引っ張った時にずれ
を生じた時の荷重を測定して吸着特性を評価した。な
お、セラミック板には純度99.5%のアルミナセラミ
ックスを使用した。
【0040】吸着用ノズル1の吸着面5における表面粗
さと加工痕の状態及びそれぞれの結果は表2に示す通り
である。
【0041】
【表2】
【0042】この結果、表2より判るように、固定砥粒
による研磨加工を施した試料No.10〜12は、吸着
面5の表面粗さが最大粗さ(Ry)で0.5〜5.0μ
mの範囲にあるものの、吸着面5に吸引孔4から周縁部
に延びる特定方向の加工痕があるために、0.7g程度
の荷重でセラミック板のずれが発生した。
【0043】また、超音波加工を施した試料No.13
は、吸着面5に特定方向の加工痕がなく、また、表面粗
さを最大粗さ(Ry)0.5〜5.0μmとすることが
できたものの、エッジ部が大きく削られて吸着面5の面
積が小さくなりすぎているために空気の漏れを生じ、
0.6g程度の荷重でセラミック板のずれが発生した。
【0044】さらに、放電加工を施した試料No.14
では、吸着面5の表面粗さが5.0μmより粗いために
ガラス板との隙間からの空気の漏れが多く、セラミック
板を吸着させることができなかった。
【0045】一方、ショットブラス加工を施した試料N
o.1及び4は、いずれも吸着面5に吸引孔4から周縁
部に延びる特定方向の加工痕がないものの、吸着面5の
表面粗さが最大粗さ(Ry)で0.5μm未満と滑らか
過ぎるため、0.5〜0.6g程度の荷重でセラミック
板のずれが発生し、また、試料No.9では吸着面5の
表面粗さが最大粗さ(Ry)で5.0μmより大きいた
めに空気の漏れが発生し、0.6gの荷重でセラミック
板のずれが発生した。
【0046】これに対し、ショットブラス加工を施した
試料No.2,3,5〜8は、いずれも吸着面5の表面
粗さが最大粗さ(Ry)で0.5〜5.0μmの範囲に
あるとともに、吸着面5に吸引孔4から周縁部に延びる
特定方向の加工痕がないため、セラミック板を移動させ
るのに必要な荷重を1.0g以上にまで吸着力を高める
ことができた。
【0047】(実施例2)次に、ノズル3の先端面に硬
質粒子を固着した図4の吸着ノズル10を2種類用意
し、実施例1と同様に吸着特性について測定を行った。
【0048】第1の吸着ノズル10は、ボールミルにて
粒径を0.5〜2.0μmに調整したSiCの硬質粒子
をメチルセルロース溶液に添加してペーストを作製し、
このペーストを、超硬合金製のノズル3の先端面付近に
塗布された銀ロウ材の上に印刷し、熱処理を施すことに
よってSiCの硬質粒子からなる吸着面9を形成し、そ
の表面粗さを最大粗さ(Ry)で3.5μmとした。
【0049】また、第2の吸着ノズル10は、ボールミ
ルにて粒径を0.5〜2.0μmに調整したTiCの硬
質粒子を30mol%混合したPtペーストを作製し、
このペーストを、ジルコニアセラミック製のノズル3の
先端面付近に塗布し、熱処理を施すことによってTiC
の硬質粒子からなる吸着面9を形成し、その表面粗さを
最大粗さ(Ry)で2.8μmとした。なお、いずれの
ノズル3もノズル径Lが1.2mm、吸引孔4の孔径l
が0.5mmのものを使用した。
【0050】そして、これらの吸着ノズル10に4×1
0×1mmの寸法を有するアルミナ製のセラミック板を
吸着保持させ、該セラミック板を長手方向に引っ張った
時にずれを生じた時の荷重を測定して吸着特性を評価し
た。
【0051】この結果、いずれの吸着ノズル10も、吸
着面9の表面粗さが最大粗さ(Ry)で0.5〜5.0
μmの範囲にあるとともに、吸着面9に吸引孔4から周
縁部に延びる特定方向の加工痕がないため、セラミック
板を移動させるのに必要な荷重を1.0g以上とするこ
とができ、吸着力を高めることができた。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、先端に
電子部品を真空吸引して吸着保持する平坦な吸着面を有
するとともに、該吸着面に開口した吸引孔を備えた電子
部品吸着用ノズルにおいて、上記吸着面にショットブラ
スト処理を施してその表面粗さを最大粗さ(Ry)0.
5〜5μmとするか、あるいは少なくとも上記ノズルの
先端面に粒径が0.5〜2μmの硬質粒子を緻密に整列
させて固着することにより吸着面を形成し、その表面粗
さを最大粗さ(Ry)0.5〜5μmとしたことによ
り、電子部品と吸着面との微小隙間からの空気の漏れを
最小限に留めることができるとともに、電子部品との摩
擦抵抗を適度に持たせてあることから、吸着力を向上さ
せることができ、吸着用ノズルを高速移動させて電子部
品がずれたり、落下することがない。
【0053】その為、本発明の電子部品吸着用ノズルを
チップマウンター装置に用いれば、電子部品の高速搬送
においても回路基板の所定位置に正確に実装することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子部品吸着用ノズルの一例を示
す斜視図である。
【図2】図1の吸着面のみを拡大した斜視図である。
【図3】(a),(b)は本発明に係る他の電子部品吸
着用ノズルの吸着面を拡大した斜視図である。
【図4】本発明に係る他の電子部品吸着用ノズルの吸着
面のみを示す斜視図である。
【図5】(a)〜(c)は従来の電子部品吸着用ノズル
における吸着面のみを示す斜視図である。
【符号の説明】
1・・・電子部品吸着用ノズル 2・・・ノズル本体 3・・・ノズル 4・・・吸引孔 5・・・吸着面 6・・・点状の加工痕 7・・・特定方向に延びる加工痕 W・・・電子部品

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端にチップコンデンサーやチップ抵抗器
    などの電子部品を真空吸引して吸着保持する平坦な吸着
    面を有するとともに、該吸着面に開口した吸引孔を備え
    た吸着用ノズルにおいて、上記吸着面にショットブラス
    ト加工を施してその表面粗さを最大粗さ(Ry)0.5
    〜5μmとしたことを特徴とする吸着ノズル。
  2. 【請求項2】チップコンデンサーやチップ抵抗器などの
    電子部品を真空吸引して吸着保持する平坦な先端面を有
    するとともに、該先端面に開口した吸引孔を備えた吸着
    用ノズルにおいて、少なくとも上記先端面に粒径が0.
    5〜2μmの硬質粒子を固着して吸着面を形成し、その
    表面粗さを最大粗さ(Ry)0.5〜5μmとしたこと
    を特徴とする吸着ノズル。
JP26758697A 1997-09-30 1997-09-30 電子部品吸着用ノズル Pending JPH1199426A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009154217A (ja) * 2007-12-25 2009-07-16 Kyocera Corp 真空吸着ノズル
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