JPH1198616A - 電気自動車用駆動装置 - Google Patents

電気自動車用駆動装置

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JPH1198616A
JPH1198616A JP9276600A JP27660097A JPH1198616A JP H1198616 A JPH1198616 A JP H1198616A JP 9276600 A JP9276600 A JP 9276600A JP 27660097 A JP27660097 A JP 27660097A JP H1198616 A JPH1198616 A JP H1198616A
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JP
Japan
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oil
case
wall
transmission mechanism
rotation
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JP9276600A
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Masayuki Takenaka
正幸 竹中
Yoshihiko Sasaki
芳彦 佐々木
Masahiro Hasebe
正広 長谷部
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Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
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    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝動機構の回転部材による少ない掻き上げ油
量を確実にケースの供給油路に送り込んで、低車速走行
時の潤滑油量を確保する。 【解決手段】 電気自動車用駆動装置は、ケース10内
にモータ1と、その動力を車輪へ伝達する伝動機構9を
備える。ケースの伝動機構収納部の下方をオイル溜めr
とし、伝動機構の回転部材95をオイルの掻き上げ手段
とする給油手段5が設けられ、給油手段は、掻き上げら
れるオイルをケース10の上方に導く導油壁50と、回
転部材95の外周側部に沿い導油壁50に漏れ止め連結
されてオイルの導油壁側方への逃げを防ぐ離隔壁部材5
4,55を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車用駆動
装置に関し、特に、モータと、その動力を車輪へ伝達す
る伝動機構とを組み合わせた電気自動車用駆動装置のオ
イル潤滑技術に関する。
【0002】
【従来の技術】電気自動車において、駆動装置の効率を
向上させることは、消費電力の削減による走行距離の向
上のうえで非常に重要な課題である。ところで、電気自
動車用駆動装置の一形態として、モータと、その動力を
車輪へ伝達する伝動機構とを組み合わせた形式のものが
ある。こうした形式の駆動装置では、伝動機構を潤滑し
なければならない。しかしながら、通常のエンジンを駆
動源とする車両と異なり、車両停止状態で駆動源が停止
してしまう電気自動車では、潤滑のための油圧を駆動源
の動力を利用して車両の走行開始時から確保することは
できない。そこで、一般には、別途電動オイルポンプを
設けて潤滑と冷却のための油圧を確保している。
【0003】しかしながら、こうした電動オイルポンプ
の付設は、上記消費電力の削減のためには望ましくな
い。そこで、出願人等は、先の特願平8−355424
号に係る提案で、電動オイルポンプを廃止し、ディファ
レンシャル装置のリングギヤで掻き上げられるオイルを
ケースに形成した油路に押し込み、かつ、レゾルバの軸
方向ずれを抑えるためにロータシャフト内に設けたコイ
ルスプリングのポンピング作用を利用してオイルをシャ
フト内に送り込み、シャフトに設けた油孔を通して機構
各部のベアリング及びオイルシールの潤滑とモータの冷
却と同時に行なう技術を提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ディファレ
ンシャル装置のリングギヤも車両停止時には停止してい
るものであり、車両発進の際の回転の立ち上がり当初か
ら低車速時にかけては回転数が低いものであるから、掻
き上げられる油量も少ない。更に、低車速時では、高負
荷運転される頻度が高いため、ベアリング及びモータの
冷却性能からみても、オイルの供給は非常に重要であ
る。したがって、いかに低車速時からオイルを供給油路
に送り込むかが、重要な問題となってくる。
【0005】そこで、本発明は、伝動機構の回転部材に
よる少ない掻き上げ油量を確実にケースの供給油路に送
り込んで、低車速走行時の潤滑油量を確保することがで
きる電気自動車用駆動装置を提供することを第1の目的
とする。
【0006】ところで、通常、伝動機構のディファレン
シャルギヤには、車両停止状態からの発進に備えて、十
分な潤滑油量が確保されていなければならないため、伝
動装置を収納するケースのオイル溜めのオイルレベル
は、ディファレンシャルギヤケースが十分に油中に埋没
する程度まで高くする必要がある。これに対して、車両
走行時は、伝動機構の各潤滑部位へオイルが十分に行き
渡るため、オイル溜めのオイルレベルを上記のように高
くする必要はなく、逆に伝動機構の攪拌ロスを低減する
ために、必要最小限のレベルまで下げる必要がある。
【0007】そこで、本発明は、こうした相反する要求
を共に解決すべく、低車速走行時の潤滑油量の確保と、
高車速時の駆動ロスの低減を両立させることを第2の目
的とする。
【0008】更に、本発明は、上記の目的をケース壁と
それに固定するプレートにより単純な構成で達成するこ
とを第3の目的とする。
【0009】更に、本発明は、上記の各目的を達成しな
がら、プレートを利用して必要潤滑部位への直接の給油
をも可能とすることを第4の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明は、ケース内にモータと、該モータの動
力を車輪へ伝達する伝動機構とを収納し、ケース内でオ
イルを循環させて少なくとも伝動機構を潤滑する電気自
動車用駆動装置において、前記ケースの伝動機構収納部
の下方をオイル溜めとし、伝動機構の回転部材をオイル
の掻き上げ手段とする給油手段が設けられ、該給油手段
は、回転部材の回転により掻き上げられるオイルをケー
スの上方に導く導油壁と、少なくとも回転部材の外周側
部に沿って設けられ、導油壁に漏れ止め連結されて掻き
上げられるオイルの導油壁側方への逃げを防ぐ離隔壁部
材とを有することを特徴とする。
【0011】また、上記第2の目的を達成するため、前
記離隔壁部材は、導油壁と協働してオイル溜めから回転
部材の周囲へのオイルの流入を阻止する堰壁部を有する
とともに、回転部材の下方へのオイルの流入を許容する
隙間部を有する構成とされる。
【0012】更に、上記第3の目的を達成するため、前
記導油壁は、回転部材の外周に沿い該回転部材の回転方
向後下方から後上方まで延びるケース壁の溝とされ、前
記離隔壁部材は、回転部材を挟んでケースに固定され、
外周縁部を溝のシール面に圧接したプレートとされる。
【0013】更に、上記第4の目的を達成するため、前
記伝動機構は、回転部材の回転方向とは逆方向に回転す
る他の回転部材を有し、他の回転部材の回転方向前側に
面するケース壁の下方に、伝動機構の潤滑部が設けら
れ、離隔壁部材は、他の回転部材の回転方向前側に面す
るケース壁の側部に延びる延長壁部を有する構成が採ら
れる。
【0014】
【発明の作用及び効果】上記請求項1に記載の構成で
は、伝動機構の回転部材により掻き上げられるオイルが
導油壁の側方へ逃げ出すのを、導入壁に漏れ止め固定さ
れた離隔壁部材により防ぐことができるため、少ない掻
き上げ量のオイルを効率よくケースの上部に送り上げ
て、そこから伝動機構の各部に供給される油量を、低車
速時の回転部材の回転速度が小さい状態でも十分に確保
することができる。
【0015】更に、請求項2に記載の構成では、車両発
進の際における伝動機構の回転部材の回転開始時には、
隙間部の連通によりオイル溜め内のオイルレベルが離隔
壁部材の内外を通じて均衡しているため、走行開始時に
多量の潤滑を必要とする伝動機構の所要部位への潤滑油
量は十分に確保される。そして、車両の定常走行時にお
ける回転部材の回転速度が大きい状態では、回転部材の
高速回転によるオイルの掻き上げで、離隔壁部材により
区切られる回転部材近傍のオイルレベルが低下するた
め、回転部材の高速回転時に増加するオイルの攪拌抵抗
を低減することができる。
【0016】また、請求項3に記載の構成では、導油壁
をケース壁とし、離隔壁部材をプレス品等からなるプレ
ートとして、軽量かつ単純な構成で給油手段を構成する
ことができる。
【0017】また、請求項4に記載の構成では、離隔壁
部材を必要潤滑部位への導油にも利用することができる
ようになるので、オイル溜めから回転部材の回転により
掻き上げられるオイルを更に無駄なく必要潤滑部位の潤
滑に利用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿い、本発明の実施
形態を説明する。この装置の概略構成から説明すると、
図1に軸方向断面(図3のA−A断面)を展開して示す
ように、この駆動装置は、ケース10内にモータ1と、
モータ1の動力を車輪へ伝達する伝動機構9とを収納
し、ケース10内でオイルを循環させて伝動機構9を潤
滑するとともにモータ1を冷却する電気自動車用駆動装
置とされている。
【0019】そして、ケース10の伝動機構収納部の下
方をオイル溜めrとし、伝動機構9の回転部材95をオ
イルの掻き上げ手段とする給油手段5が設けられてい
る。給油手段5は、回転部材95の回転により掻き上げ
られるオイルをケース10の上方に導く導油壁50と、
回転部材95の外周側部に沿って設けられ、導油壁50
に漏れ止め連結されて掻き上げられるオイルの導油壁側
方への逃げを防ぐ離隔壁部材54,55とを有する。更
に、図3に側面を示すように、離隔壁部材54は、導油
壁50と協働してオイル溜めrから回転部材95の周囲
へのオイルの流入を阻止する堰壁部Dを有するととも
に、回転部材95の下方へのオイルの流入を許容する隙
間部Sを有する。
【0020】以下、上記各部について逐次説明する。図
1に示すように、ケース10は、隔壁12で隔てられた
モータ室mとギヤ室gを備えるケース本体10Aと、ケ
ース本体10Aのモータ室m側の開口を閉じるフロント
ケース10Bと、ケース本体10Aのギヤ室g側の開口
を閉じるリヤケース10Cとから構成されている。ケー
ス本体10Aの隔壁12には、モータ室mとギヤ室gと
を連通する図示しないオリフィスと窓孔が形成されてお
り、オリフィスは、モータ室mの下方に溜まるオイルを
徐々にギヤ室gに戻すものとされ、窓孔は、モータ1の
ロータ3の周面最下方位置を超えるオイルをギヤ室gに
直ちに戻すものとされている。
【0021】モータ1は、極数に対応する複数の永久磁
石が埋め込まれたロータ3と、ロータ3の外周を取り巻
くコアのスロットにコイル部を挿通されたステータ4と
を備える永久磁石式同期モータとされている。モータ1
のロータシャフト2は、ケース本体10Aとフロントケ
ース10Bに両端をベアリングを介して回転自在に支持
されている。また、ステータ4は、ケース本体10Aに
通しボルト等で回り止め固定されている。なお、図にお
いて、符号6はロータシャフト2の一端に取付けられ
て、インバータによるモータ制御のためにロータシャフ
ト2の回転から磁極位置を検出するレゾルバを示す。
【0022】伝動機構9は、上記モータ1のロータシャ
フト2の回転を減速し、トルク増幅して、同方向回転と
して車輪に伝達すべく、カウンタギヤ機構とディファレ
ンシャル機構とから構成されている。カウンタギヤ機構
は、両端をそれぞれケース本体10Aとリヤケース10
Cにベアリングを介して支持されたロータシャフト2の
延長上の出力軸90と、それと並行するカウンタ軸93
とで構成されている。出力軸90は、ロータシャフト2
にスプライン嵌合で連結された中空軸とされ、それに一
体に駆動歯車91が形成されている。カウンタ軸93に
は、カウンタ出力歯車94が一体に形成され、更に、駆
動歯車91に噛み合う被動歯車92とパーキング歯車8
0がスプライン係合で固定されている。また、ディファ
レンシャル機構は、周知のベベルギヤからなる差動ギヤ
と、それを収容するデフケース96と、該ケース96に
固定されて、上記出力歯車94に噛み合うリングギヤ9
5とから構成されている。このリングギヤ95は、本発
明にいう伝動機構の回転部材を構成する。そして、デフ
ケース96の両端もベアリングを介してケース本体10
Aとリヤケース10Cとに支持されている。なお、デフ
ケース96内の差動ギヤは、図示しないデフ軸とユニバ
ーサルジョイントを介して、左右の車軸に連結されてい
る。
【0023】本発明の主題に係る給油手段5は、前記の
ように、ケース10のギヤ室gの下部をオイル溜めrと
して構成されている。そのため、ケース本体10Aとリ
ヤケース10Cの下部は、潤滑に必要なオイルの貯留容
量を確保すべく、伝動機構9の収容のために必要な容量
より、図1に示すように左右、特に右方向に拡張され、
図3に示すように前方向に拡張されている。
【0024】給油手段5を構成する油路は、ケース本体
10Aからリヤケース10Cに渡ってケース内油路とし
て形成され、更に、出力軸90とロータシャフト2に渡
って軸内油路として設けられている。ケース内油路は、
ケース本体10Aの隔壁12の端面とリヤケース10C
のケース本体10Aとの合わせ面との間に、実質上それ
らの面間距離に相当する幅で、リングギヤ95の周面上
方に形成されたオイルレシーバ51と、その上流側の導
入油路50aと、下流側の軸方向油路50b(図4参
照)と、連絡油路50c(図1参照)と、その延長部と
しての管状油路50dとで構成されている。ケース内油
路50aは、いわばリングギヤ95をギヤポンプのギヤ
とするポンプ吐出路を構成し、オイルレシーバ51と同
幅で、それに連通する上方に向かう油路とされている。
オイルレシーバ51は、その底壁をリングギヤ95の周
面近傍上部に位置する平面とし、一方の側壁をケース内
油路50aの一側面とし、他方の側壁をロータシャフト
2の外周に嵌まる出力軸90の軸支持ベアリングの外周
に沿う円弧状面とする小容積のくさび状オイルリザーバ
を構成している。図4に示す軸方向油路50bは、オイ
ルレシーバ51の上方のレベルからリヤケース10C内
を軸方向に延びる矩形断面の油路として形成されてお
り、円形断面の連絡油路50cで出力軸90の軸端まで
延びて屈曲し、軸方向に突出して出力軸90の軸孔に嵌
め込まれて、管状油路50dで軸内油路50eに連結さ
れている。出力軸90の軸内油路50eは、ロータシャ
フト2の軸孔からなる軸内油路50fに連通しており、
最終的に軸内油路50fに連なる径方向油孔で終端して
いる。
【0025】なお、ロータシャフト2の軸線方向の浮動
を防止して、その軸端に設けられたレゾルバによる磁極
位置検出精度を向上させるべく、出力軸90の軸端部内
周にスナップリングをスプリングシートとするコイルス
プリング15がロータシャフト2の軸端との間に圧縮状
態で配設されている。こうした配置のコイルスプリング
15は、その本来の付勢力による浮動防止機能に加え
て、出力軸90と一体に回転する螺旋条の形状によるオ
イルの送り込み機能を発揮する。
【0026】次に、給油手段5を構成する導油壁50
は、図2を参照してわかるように、両ケース10A,1
0Cの周壁に、リングギヤ95の外周歯先95aが若干
入り込む溝として形成されている。この溝50の始端
は、図3に符号Fで、また図4に符号Gで示すように、
両ケース10A,10Cの最下方より若干後方の位置と
され、終端は、導入油路50aの始端とされている。
【0027】また、前記のように、ギヤ室gの下方は、
オイル溜めrの容量を確保すべく、リングギヤ95の幅
より軸方向に相当量広げられているため、リングギヤ9
5による掻き上げ効果を向上すべく、リングギヤ95の
両側面外周側に沿うように、一対のサイドプレート5
4,55が添設されており、これらはケース本体10A
とリヤケース10Cとは別体の環状のプレス板で構成さ
れ、図3及び図4にそれぞれの平面形状を示すように、
掻き上げ効果に大きく関与しない上方部分に当たる周方
向の一部を切り欠かれており、それぞれボルト締めでケ
ース本体10Aとリヤケース10Cに取り付けられてい
る。
【0028】図2に示すように、サイドプレート54
は、ケース本体10Aのデフケース96を支持するベア
リング嵌合部周壁に対応する内周径と、溝50の溝底径
に対応する外径を有するコーン状とされ、図3に示すよ
うに、前側は水平に径方向に切徐され、後側は導入油路
50aとの接続部で水平に切徐されている。サイドプレ
ート54の外径側はケース周壁に沿う部分が径方向に延
びるフランジとされ、それより前方は軸方向に折り曲げ
られて、その先端縁がサイドプレート55への圧接縁と
されている。
【0029】一方、サイドプレート55は、リヤケース
10Cのデフケース96を支持するベアリング嵌合部周
壁に対応する内周径と、溝50の溝底径に対応する外径
を有する環板状とされ、図4に示すように、前側は水平
に径方向に切除され、後側は導入油路50aとの接続部
を越えてオイルレシーバ51の下方まで延びて径方向に
切除されている。
【0030】これらサイドプレート54,55は、それ
ぞれ2本ずつのボルトでケース本体10Aとリヤケース
10Cに固定されている。これにより、両サイドプレー
トの外径側は溝50の側壁をシール部として圧接されて
ケース10に漏れ止めされ、内径側は両ケースのベアリ
ング嵌合部周壁に圧接させて漏れ止めされている。そし
てサイドプレート54前方の軸方向への折り曲げ部54
aは、その先端縁がサイドプレート55へ圧接されて相
互に連結されている。
【0031】かくして、離隔壁部材を構成する両サイド
プレート54,55は、導油壁を構成する溝50と協働
してオイル溜めrから回転部材としてのリングギヤ95
の周囲へのオイルの流入を阻止する堰壁部Dを有すると
ともに、リングギヤ95の下方へのオイルの流入を許容
する隙間部Sを有することになる。また、リングギヤ9
5の回転方向とは逆方向に回転する他の回転部材として
の被動歯車92の回転方向前側に面するケース壁10a
の下方には、伝動機構9の潤滑部としてのデフケース9
6の支持ベアリングが位置しているのに合わせて、サイ
ドプレート55は、ケース壁10aの側部に延びる延長
壁部55aを有する構成とされている。
【0032】このように構成された駆動装置において、
潤滑と冷却を兼ねるオイルは、主としてギヤ室g内に、
図3及び図4に示す両サイドプレート54,55で構成
される堰壁部Dの上縁を若干超えるレベルLhまで入れ
られている。したがって、この状態で、堰壁部Dの内側
のリングギヤ95の周辺のオイルレベルと堰壁部Dの外
側の油溜めrのオイルレベルは均一化されており、伝動
機構9に通常走行時より大量の潤滑を必要とする発進に
備えたオイルレベルが確保される。
【0033】この状態からモータ1の運転が開始される
と、それにより駆動されるリングギヤ95が、図3にお
いて反時計回りに回転し、それにより掻き上げられたオ
イルが、遠心力でケース本体10Aの内周面に沿う導油
壁50を押し上げられ、導入油路50aを経てオイルレ
シーバ51に送り込まれる。この際、導油壁50を構成
する溝の両側は両サイドプレート54,55により漏れ
止めされているため、オイルの側方への逃げが防止さ
れ、供給効率の大幅な増加が得られるようになる。こう
してオイルレシーバ51に集められたオイルは、リヤケ
ース10C内の油路50b,50cを経て管状油路50
dに導かれ、出力軸90内のコイルスプリング15のポ
ンピング作用でロータシャフト2の軸内油路50f内に
供給され、モータ1のコイルの冷却と、機構各部の潤滑
に充てられる。
【0034】このようにしてオイルの循環が始まると、
オイル溜めrのオイルレベルは、図3に示すレベルLl
まで下がるが、仮にこの状態で堰壁部Dの内側のリング
ギヤ95の周辺のオイルレベルと堰壁部Dの外側の油溜
めrのオイルレベルは均衡しているとすると、車両の走
行によるリングギヤ95の高速回転時には、著しいオイ
ルの攪拌が生じ抵抗が増大するばかりでなく、オイルの
劣化を早めることになる。そこで、本発明に従う堰壁部
Dと隙間部Sが有効に機能することになる。すなわち、
堰壁部Dは、運転が開始されモータ室m側とのオイル循
環が生じることで、レベルLlまで下がったオイルのリ
ングギヤ95の周囲への直接の流入を阻止し、隙間部S
を経るオイルの流入だけを許容するようになる。この状
態では、リングギヤ95の回転速度が速いほどオイルの
掻き上げ能率が向上するため、リングギヤ95周りのオ
イルレベルが低下し、攪拌抵抗が減少することになる。
【0035】また、この実施形態では、前記のように被
動歯車92の回転方向前側に面するケース壁10aの下
方にデフケース96の支持ベアリングが位置しているの
に合わせて、サイドプレート55に、ケース壁10aの
側部に延びる延長壁部55aを設けることで、被動歯車
92の回転により掻き上げられるオイルの側方への逃げ
が妨げられて、支持ベアリングへのオイルの直接の流れ
込みが有効に生じるようにすることができる。この給油
形態は、特にモータ1の運転開始当初のデフケース96
の支持ベアリングの潤滑油量を確保するのに有効とな
る。
【0036】かくして、この電気自動車用駆動装置で
は、伝動機構9のリングギヤ95により掻き上げられる
オイルが導油壁50の側方へ逃げ出すのを、導入壁50
に漏れ止め固定された離隔壁部材54,55により防ぐ
ことができるため、少ない掻き上げ量のオイルを効率よ
くケース10の上部に送り上げて、そこから伝動機構9
の各部に供給される油量を、低車速時のリングギヤ95
の回転速度が小さい状態でも十分に確保することができ
る。更に、車両発進の際におけるリングギヤ95の回転
開始時には、隙間部Sの連通によりオイル溜めr内のオ
イルレベルがサイドプレート54,55の内外を通じて
均衡しているため、走行開始時に多量の潤滑を必要とす
る伝動機構9の所要部位への潤滑油量は十分に確保され
る。そして、車両の定常走行時におけるリングギヤ95
の回転速度が大きい状態では、リングギヤ95の高速回
転によるオイルの掻き上げで、サイドプレート54,5
5により区切られるリングギヤ95近傍のオイルレベル
が低下するため、リングギヤ95の高速回転時に増加す
るオイルの攪拌抵抗を低減することができる。また、導
油壁50をケース壁とし、離隔壁部材をプレス品等から
なるプレートとして、軽量かつ単純な構成で給油手段を
構成することができる。
【0037】以上要するに、この実施形態では、ケース
10にシール面を設け、それにリングギヤ95の両側に
設けたサイドプレート54,55外径側側面を押し当て
ることにより、リングギヤ95で掻き上げられたオイル
の側方への漏れをできるだけ防ぐ構造とした。また、ケ
ース10とサイドプレート54,55のシール部は、全
周に及ぶものとはせず、リングギヤ95の回転方向後方
側から導入油路50aの入口までとし、リングギヤ下部
ではケース10とサイドプレート54,55の間にクリ
アランスを設けた。この構成は、リングギヤ95の攪拌
損失を考慮したもので、仮に、リングギヤ95が常に油
中にありオイルを掻き上げている場合、低回転時での影
響は少ないものの、高回転時では攪拌損失が非常に大き
くなってくる。そこで、サイドプレート55の上縁の高
さを高回転時のオイルレベル以上に設定し、リングギヤ
室をオイル溜めrから隔離することで、リングギヤ95
による攪拌損失を抑え、更に、高回転時ではリングギヤ
下部からオイルを吸い込むことができる隙間部Sを設け
ることで、低回転時のオイル供給と高回転時の攪拌損失
を抑えることが可能となった。
【0038】以上、本発明を実施形態に基づき詳説した
が、本発明はこれらの実施形態に限るものではなく、特
許請求の範囲に記載の事項の範囲内で種々に具体的構成
を変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電気自動車用駆動装
置の軸方向展開断面図である。
【図2】図1の伝動装置収容部を拡大して示す部分断面
図である。
【図3】図1のB−B側面を一部の部材を断面で示す側
面図である。
【図4】図1のC−C側面図である。
【符号の説明】
1 モータ 5 給油手段 9 伝動機構 10A ケース本体(ケース) 10B フロントケース(ケース) 10C リヤケース(ケース) 50 溝(導油壁) 54,55 サイドプレート(離隔壁部材) 55c 延長壁部 92 被動歯車(他の回転部材) 95 リングギヤ(回転部材) D 堰壁部 S 隙間部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース内にモータと、該モータの動力を
    車輪へ伝達する伝動機構とを収納し、ケース内でオイル
    を循環させて少なくとも伝動機構を潤滑する電気自動車
    用駆動装置において、 前記ケースの伝動機構収納部の下方をオイル溜めとし、
    伝動機構の回転部材をオイルの掻き上げ手段とする給油
    手段が設けられ、 該給油手段は、回転部材の回転により掻き上げられるオ
    イルをケースの上方に導く導油壁と、少なくとも回転部
    材の外周側部に沿って設けられ、導油壁に漏れ止め連結
    されて掻き上げられるオイルの導油壁側方への逃げを防
    ぐ離隔壁部材とを有することを特徴とする、電気自動車
    用駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記離隔壁部材は、導油壁と協働してオ
    イル溜めから回転部材の周囲へのオイルの流入を阻止す
    る堰壁部を有するとともに、回転部材の下方へのオイル
    の流入を許容する隙間部を有する、請求項1記載の電気
    自動車用駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記導油壁は、回転部材の外周に沿い該
    回転部材の回転方向後下方から後上方まで延びるケース
    壁の溝とされ、 前記離隔壁部材は、回転部材を挟んでケースに固定さ
    れ、外周縁部を溝のシール面に圧接したプレートとされ
    た、請求項1又は2記載の電気自動車用駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記伝動機構は、回転部材の回転方向と
    は逆方向に回転する他の回転部材を有し、 他の回転部材の回転方向前側に面するケース壁の下方
    に、伝動機構の潤滑部が設けられ、 離隔壁部材は、他の回転部材の回転方向前側に面するケ
    ース壁の側部に延びる延長壁部を有する、請求項1、2
    又は3記載の電気自動車用駆動装置。
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