JPH1198588A - スピーカ装置 - Google Patents

スピーカ装置

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JPH1198588A
JPH1198588A JP25179697A JP25179697A JPH1198588A JP H1198588 A JPH1198588 A JP H1198588A JP 25179697 A JP25179697 A JP 25179697A JP 25179697 A JP25179697 A JP 25179697A JP H1198588 A JPH1198588 A JP H1198588A
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speaker
sound
duct
speaker box
reaction
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JP25179697A
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English (en)
Inventor
Masao Fujihira
正男 藤平
Akira Yamagishi
亮 山岸
Ikuo Shinohara
幾夫 篠原
Akihiro Akiyama
明広 秋山
Naoki Watanabe
直樹 渡辺
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射する低音の音質劣化を防止可能なスピー
カ装置を提供する。 【解決手段】 スピーカボックス30の前面側にバッフ
ル板31を設け、このバッフル板31の左右の傾斜面に
それぞれ中低音用スピーカユニット50−1,50−2
を取り付ると共に、スピーカボックス30の背面側にダ
クト32を形成した。これにより、中低音用スピーカユ
ニット50−1,50−2の音放射時の反作用の力−F
1及び−F2が、ダクト32の音放射時の反作用の力−
Fdで支えられる。この結果、スピーカボックス30の
動きが抑制されて、音の放射力の弱まりが防止され、音
質の改善が図られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、小形軽量のスピ
ーカ装置に適用して好適なスピーカ装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のスピーカ装置としては、
図8に示すような装置が提案されている。同図におい
て、スピーカボックス1は合成樹脂等の小形軽量により
形成され、このスピーカボックス1の前面に固定された
バッフル板2の上側に穿設したスピーカ取付孔2aに、
スピーカユニット3が固定されている。
【0003】このスピーカユニット3は例えば次のよう
に構成されたものである。プレート5及びヨーク6がリ
ング状マグネット4を挟むように取り付けられており、
プレート5の内周側とヨーク6のセンターポール6aと
間に磁気空隙7が形成されている。また、このプレート
5にはスピーカのフレーム8が取付けられ、このフレー
ム8の外周部にはエッジ9が設けられ、このエッジ9に
よってコーン型の振動板10の外周部が保持されてい
る。
【0004】一方、振動板10の内周部にはボイスコイ
ルボビン11が取り付けられており、このボイスコイル
ボビン11にはボイスコイル12が巻装されている。そ
して、このボイスコイル12がプレート5及びヨーク6
のセンターポール6aによって形成された磁気空隙7内
に挿入されている。なお、ダンパー17はこのボイスコ
イル12をこの磁気空隙7内に保持する。また、スピー
カボックス1の外部の所定位置には入力端子13が取り
付けられており、この入力端子13からの音声信号を接
続線14を介してスピーカユニット3の端子15に供給
し、この端子15からの音声信号を錦糸線16を介して
ボイスコイル12に供給するようになっている。
【0005】また、バッフル板2には、スピーカ取付孔
2aと同一面に開口18aを有するダクト18が設けら
れ、スピーカユニット3の振動板10の背面から出た音
の位相を反転して、このダクト18からスピーカボック
ス1の外に放射し、この振動板10の前面からでる音の
低音域を広げるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のスピーカ装置では、次のような問題があった。上記ス
ピーカ装置は小形軽量であるという特徴がある。しかし
ながら、スピーカユニット3の振動板10が音を放射す
るために振動すれば、その振動の力Fはスピーカユニッ
ト3の振動系の実効質量mとこの振動系の動く加速度α
の積(F=mα)となる。そして、物体が動けば、作用
と反作用があり、このスピーカ装置の場合、反作用の力
をスピーカボックス1が受けることになるが、この小形
軽量のスピーカ装置では、このスピーカボックス1の重
量が小さいので、この反作用の力をこのスピーカボック
ス1では支えることができない。
【0007】このため、従来の小形軽量のスピーカ装置
では、スピーカユニット3の振動板10が音の放射のた
めに振動すると、スピーカボックス1がそのスピーカユ
ニット3の振動系の振動の力Fを支えるほどの重量が無
いので、音の放射の力は弱くなり音質を劣化させるとい
う不都合があった。さらに、ダクト18においても、音
を放射したときの反作用の力をスピーカボックス1に与
え、このスピーカボックス1が軽量であるため、この音
の放射の力が弱まり、低音の音質を劣化させる不都合が
あった。
【0008】この発明は上述した課題を解決するために
なされたもので、放射する低音の音質劣化を防止可能な
スピーカ装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明に係るスピーカ装置は、スピーカボ
ックスと、このスピーカボックスに対して音の放射方向
を互いに傾斜させるようにして収容される二つの中低音
用のスピーカユニットと、スピーカボックスの背面側に
形成されて二つのスピーカユニットの低音放射時に生じ
る反作用を減少又は打ち消す反作用を発生させるための
ダクトとを具備する構成とした。かかる構成により、ス
ピーカユニットから音が放射されると、前面側に出た音
の放射の力により背面側方向に反作用の力が働く。上記
二つのスピーカユニットは、音の放射方向が互いに傾斜
しているため、各々のスピーカユニットに働く反作用の
力も互いに傾斜した関係となる。この二つの反作用の力
において、両者の横方向の成分は互いに打ち消し合うよ
うに作用するため、全体として背面側方向への反作用の
力が残ってスピーカボックスに働く。また、ダクトから
の放射力によりスピーカボックスの前面側方向に反作用
の力が働く。したがって、スピーカボックスには背面側
方向及び前面側方向に音の放射による反作用の力が加わ
って両者が互いに打ち消し合うように作用する。
【0010】さらに、この発明においては、音の放射方
向が互いに傾斜した二つのスピーカユニットを備えてい
ることから、一のスピーカ装置でステレオ出力すること
も可能である。その具体的な構成の一例として請求項2
に係る発明は、請求項1に記載のスピーカ装置におい
て、スピーカボックスを左右に分離してダクトをそれぞ
れ形成すると共に、スピーカボックスの左右に中高音用
のスピーカユニットをそれぞれ配置した構成としてあ
る。かかる構成により、左右に分離した左右のスピーカ
ユニットから音が放射されると、背面側から出た音は各
々の背面側に形成されたダクトから放射され、この放射
による反作用の力がスピーカユニット放射時の反作用を
打ち消す。
【0011】また、上記左右のスピーカユニットのそれ
ぞれに対して中高音用のスピーカユニットが配されてい
るため、これらのスピーカユニットからも音が放射され
るが中高音用のスピーカユニットからの音の放射による
反作用の力は比較的小さく、スピーカボックスの左右に
配置してもこの反作用の力による音質への影響は少ない
といえる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。 (第1の実施形態)図1は、この発明の第1の実施形態
に係るスピーカ装置20を水平断面図により示してい
る。同図において、スピーカボックス30は、合成樹脂
等により小型軽量の箱形に形成され、前面側には略台形
に突出するバッフル板31が取り付けられている。そし
て、このバッフル板31の先端面に、断面円形のスピー
カユニット取付凹部31aが形成され、中高音用スピー
カユニット40がこの凹部31aに埋設されている。さ
らに、バッフル板31の左右の傾斜面にはこの中高音用
スピーカユニット40を挟むように、それぞれ円形のス
ピーカ取付孔31b,31cが形成され、それぞれの内
側に、同一構成の中低音用スピーカユニット50−1,
50−2を固定してある。なお、中低音用スピーカユニ
ット50−1,50−2は、それぞれスピーカボックス
の前面方向に対してθの傾斜角をもって左右に傾斜され
ている。
【0013】中高音用スピーカユニット40及び中低音
用スピーカユニット50−1,50−2は、共にダイナ
ミックスピーカ構造を有しており、スピーカボックスに
形成された図示しない音声信号入力端子を介して同一の
音声信号が供給されるようにしてある。
【0014】図2は、中低音用スピーカユニット50−
1,50−2の断面図である。各中低音用スピーカユニ
ット50−1(50−2)は、図2に示すように、磁気
回路52と振動系54とを備えている。
【0015】磁気回路52は、円盤型に形成されると共
に中央から垂直方向に円柱型のセンターポール部52a
1を有したヨーク52aと、センターポール部52a1
に開口を挿通させて同芯状態でヨーク52aの上面に接
着固定されたリング型のマグネット52bと、同様にセ
ンターポール部52a1と同芯状態でマグネット52b
の上面に装着されたプレート52cとから構成される。
【0016】一方、振動系54は、センターポール部5
2a1の外径よりも僅かに大きな径の筒体で形成される
と共に外周壁面にボイスコイル54b1を備えたボイス
コイルボビン54bと、内周部分をボイスコイルボビン
54bの外周壁面に固定されると共に外周部分をフレー
ム54aの底面に固定されるダンバー54cと、外周部
分をフレーム54aの周縁部分にガスケット54d1を
介して接着されると共に内周部分をボイスコイルボビン
54bの外周壁面に接着されたコーン型の振動板54d
と、ボイスコイルボビン54bの先端に装着されたキャ
ップ54eとを備えている。なお、上記フレーム54a
には、入力端子54fが備えられており、錦糸線54g
を介してボイスコイル54b1の引き出し線と電気的に
接続されている。
【0017】かかる構成により、入力端子54fから所
定の音声信号を入力すると、ボイスコイル54b1の周
囲に磁場が発生し、この磁場と磁気回路52のギャップ
間の磁場との相互作用によって、振動板54dが振動
し、入力された音声信号に応じた音が外方に放射され
る。むろん、中低音用スピーカユニット50−1,50
−2は、必ずしも上記のような構成に限定されることは
なく、種々の形態のものを適用可能である。
【0018】また、図1に示すように、スピーカボック
ス30の背面側中程には、同背面側から中低音用スピー
カユニット50−1,50−2の背面側に延出されたダ
クト32が形成されている。このダクト32は、中低音
用スピーカユニット50−1,50−2の低音放射時に
生じる反作用を打ち消す反作用を発生させるための円筒
体である。すなわち、中低音用スピーカユニット50−
1,50−2の前面側から音が放射されるとき、それぞ
れにおいて矢印F1及びF2で示す力が生じる。ここ
で、中低音用スピーカユニット50−1,50−2の振
動系の実効質量をms、同振動系の加速度をαsとする
と、次式(1)の関係が成り立つ。 F1=F2=ms・αs …(1)
【0019】このように音の放射の力F1及びF2が生
じると、その反作用により逆向きの力−F1及び−F2
が生じる。したがって、スピーカボックス30は、この
反作用の力−F1と−F2の合成力を受けることにな
る。むろん、中低音用スピーカユニット50−1,50
−2から音が放射されれば、この中低音用スピーカユニ
ット50−1,50−2と同一の音声信号が供給される
中高音用スピーカユニット40からも音が放射される
が、その音の放射の力は非常に軽微であるため無視する
ことができ、ここでは考慮しない。
【0020】一方、ダクト32から音が放射されるとき
にも、矢印Fdで示す音の放射の力が生じる。ここで、
ダクト32の実効質量をmd、ダクト32の内部におけ
る空気の加速度をαdとすると、上述したものと同様に
次式(2)の関係が成り立つ。 Fd=md・αd …(2) この場合も同様に、スピーカボックス30は音の放射の
力Fdと逆向きの反作用の力−Fdを受けることにな
る。
【0021】図3は、スピーカボックス30に働く力を
ベクトル表示により示している。同図において、中低音
用スピーカユニット50−1,50−2のそれぞれの音
の放射の反作用の力−F2,−F1において、横方向の
成分−F1sinθと、−F2sinθは互いに釣り合
うことがわかる。したがって、この反作用の力の合成力
−F3はスピーカボックス30の背面側方向に働き、そ
の大きさは次式(3)で与えられる。 −F3=−F1cosθ+(−F2cosθ) =−2ms・αscosθ …(3)
【0022】一方、ダクト32における音の放射の反作
用の力Fdは、上述したようにFd=md・αdの関係
式で与えられ、このダクト32の実効質量mdは、次式
(4)の近似式で与えられる。
【数1】 ρ0:空気の密度 as:振動板54dの有効直径 ld:ダクトの長さ Ss:振動板54dの有効面積 Sd:ダクトの面積
【0023】この式(4)においてダクトの直径をad
とすると、次式(5)が成り立つ。
【数2】 このため、式(4)の右辺はダクトの長さldと、直径
adの関数となる。そこで、以下便宜上、式(4)を次
式(6)で表記することとする。 md≡Md(ld,ad) …(6) Md:ダクトの長さldと直径adの関数
【0024】ところで、ダクト32の内部における空気
の加速度αdは、次式(7)で与えられる。 αd=αs・Ss/Sd …(7) したがって、(5)式から、この式(7)は、次式
(8)のように変形することができる。
【数3】
【0025】音の放射の力を100%近く発揮するため
には、音放射時にスピーカボックス30が動かないよう
にすればよいから、反作用の力−F1,−F2を反作用
の力−Fdで支えることができればよい。すなわち、−
Fd=−F3の関係が成り立てばよく、式(2)及び式
(3)から次式(9)が導き出される。 −md・αd=−2ms・αscosθ …(9) この式(9)に式(6)及び式(8)を代入すると、次
式(9)が得られる。
【数4】 さらに、この式(9)を変形して次式(10)を得る。
【数5】
【0026】この式(10)からも明らかなように、右
辺は定数となるため、この右辺の定数に合うようにダク
ト32の直径adと、長さldを適宜選択することによ
り、音の放射の力を100%発揮することができ、音質
の劣化を防ぐことが可能となる。さらに、この実施形態
においては、中低音用スピーカユニット50−1,50
−2の音放射時の反作用の力−F1,−F2と、ダクト
32の音放射時の反作用の力−F3とが三角形状で力を
支え合うため、スピーカボックス30は、より強固に固
定されて動きが抑制されることになる。
【0027】次に、上記のように構成した第1の実施形
態の動作について説明する。図1において、中低音用ス
ピーカユニット50−1,50−2に音声信号が供給さ
れると、それぞれの音の放射時に力F1及びF2が前面
側に生じ、この力F1及びF2と逆向きの反作用の力−
F1及び−F2がスピーカボックス30に働く。
【0028】一方、スピーカボックス30の背面側に形
成されたダクト32から放射されると、この放射の力F
dとは逆向きの反作用の力−Fdがスピーカボックス3
0の前面側方向に働く。図3を参照すれば、反作用の力
−F1と、反作用の力−F2のそれぞれの横方向の成分
−F1sinθと、−F2sinθは互いに釣り合うた
め、スピーカボックス30の背面側方向に−F3(=−
F1cosθ+(−F2cosθ))の力が働く。する
と、この力−F3は、対向関係にある反作用の力−Fd
と互いに支え合うことになり、スピーカボックス30の
動きは抑制され、中低音用スピーカユニット50−1,
50−2の音の放射の力は増強されて音質の劣化が防止
される。
【0029】(第2の実施形態)図4は、この発明の第
2の実施形態に係るスピーカ装置120を水平断面図に
より示している。同図において、第1の実施形態と同様
に、スピーカボックス130の前面側には略台形に突出
するバッフル板131が設けられ、バッフル板131の
左右の傾斜面に中低音用スピーカユニット150−1,
150−2が固定されてある。この場合も第1の実施形
態と同様に、中低音用スピーカユニット150−1,1
50−2は、それぞれスピーカボックスの前面方向に対
してθの傾斜角をもって左右に傾斜されている。さら
に、この第2の実施形態においては、中高音用スピーカ
ユニット140a,140bがスピーカボックス130
の左右の側壁に音の放射面を前方に向けた状態で固定さ
れている。
【0030】このスピーカボックス130は、図示しな
いL側入力端子と、R側入力端子とを備えており、L側
入力端子には中低音用スピーカユニット150−1と中
高音用スピーカユニット140aとが接続され、R側入
力端子には中低音用スピーカユニット160と中高音用
スピーカユニット140bとが接続されており、それぞ
れに音声信号が供給されるようにしてある。すなわち、
この第2の実施形態におけるスピーカ装置120は、一
の筐体でステレオ出力が可能となっている。
【0031】また、バッフル板131の先端面の内側か
らスピーカボックスの背面側にかけては、スピーカボッ
クス130の内部を左右に分離する分離壁131a(隔
壁)が設けられ、中低音用スピーカユニット150−
1,150−2の背面側から出た音が互いに干渉しない
ようにされている。さらに、スピーカボックス130の
背面側の所定箇所には、中低音用スピーカユニット15
0−1,150−2のそれぞれの背面側に延出されたダ
クト132,133が形成されている。このダクト13
2,133は、それぞれ中低音用スピーカユニット15
0−1,150−2の低音放射時に生じる反作用を打ち
消すための反作用を発生させる円筒体である。
【0032】すなわち、中低音用スピーカユニット15
0−1,150−2の前面側から音が放射されるとき、
それぞれにおいて矢印F4及びF5で示す力が生じ、逆
向きの反作用の力−F4及び−F5がスピーカボックス
130に働く。一方、ダクト132,133は、上述し
たようにそれぞれ中低音用スピーカユニット150−
1,150−2の背面側から出た音を放射する。このと
き、ダクト132,133は、それぞれ矢印Fd’及び
Fd”で示す音の放射の力を生じ、この音の放射の力F
d’及びFd”とは逆向きの反作用の力−Fd’及び−
Fd”がスピーカボックス130に働く。
【0033】図5は、スピーカボックス130に働く力
をベクトル表示により示している。同図において、中低
音用スピーカユニット150−1,150−2のそれぞ
れにおける反作用の力−F4,−F5の横方向の成分で
ある−F4sinθ,−F5sinθは、分離壁131
aを介して互いに釣り合う。すると、スピーカボックス
130には反作用の力−F4,−F5の前後方向の成
分、すなわち−F4cosθ,−F5cosθの力が働
くが、両者はそれぞれダクト132,133の音放射時
の反作用の力−Fd’,−Fd”で支えられることにな
り、スピーカボックス130の動きは抑制される。した
がって、中低音用スピーカユニット150−1,150
−2の音の放射の力は増強され、音質の劣化が防止され
る。
【0034】ところで、この第2の実施形態において
は、中低音用スピーカユニット150−1,150−2
の反作用の力−F4,−F5をそれぞれダクト132,
133の反作用の力−Fd’,−Fd”で支えるように
しているため、ダクト132,133のそれぞれの反作
用の力−Fd’,−Fd”は、第1の実施形態の中低音
用スピーカユニット50−1,50−2とこの実施形態
の中低音用スピーカユニット150−1,150−2と
を同一構成とした場合、第1の実施形態におけるダクト
32の反作用の力−Fdの半分で済むことが判る。上述
したように、ダクトの実効質量mdはダクトの直径ad
と、長さldの関数として表すことができる。上述した
式(4)を参照すれば、この関数は同ダクトの直径ad
を同一とした場合、長さldの増加に対して単調増加の
関数であることが判る。したがって、ダクト132,1
33の直径と、ダクト32の直径を同一にした場合、ダ
クト132,133の長さはダクト32に比べて短くす
ることができる。
【0035】次に、上記のように構成した第2の実施形
態の動作について説明する。図1において、中低音用ス
ピーカユニット150−1及び中高音用スピーカユニッ
ト140aには図示しないL側入力端子から音声信号が
供給され、中低音用スピーカユニット150−2及び中
高音用スピーカユニット140bには図示しないR側入
力端子から音声信号が供給されて、全体としてスピーカ
装置120はステレオ音声出力する。中低音用スピーカ
ユニット150−1,150−2の前面側から音が放射
されるとき、それぞれ音の放射の力F4及びF5を生
じ、この音の放射の力F4及びF5と逆向きの反作用の
力−F4及び−F5がスピーカボックス130に働く。
【0036】一方、スピーカボックス130の背面側に
形成されたダクト132,133から放射されると、そ
れぞれ音の放射の力Fd’,Fd”が生じ、この音の放
射の力Fd’,Fd”とは逆向きの反作用の力−F
d’,Fd”がスピーカボックス130の前面側方向に
働く。図5を参照すれば、反作用の力−F4と、反作用
の力−F5のそれぞれの横方向の成分−F1sinθ
と、−F2sinθは、分離壁131aを介して互いに
釣り合う。したがって、スピーカボックス130には背
面側方向に−F4cosθと、−F5cosθの力が働
くことになる。すると、−F4cosθと、−F5co
sθの成分は、それぞれ対向関係にあるダクト132,
133の反作用の力−Fd’,Fd”と互いに支え合う
ことになり、スピーカボックス30の前後方向の動きは
抑制され、中低音用スピーカユニット150−1,15
0−2の音の放射の力は増強されるて音質の劣化が防止
される。
【0037】(第3の実施形態)図6は、この発明の第
3の実施形態に係るスピーカ装置121を水平断面図に
より示している。同図において、スピーカ装置121
は、概ね上述した第2の実施形態におけるスピーカ装置
120と同一構成としてあるが、スピーカボックス13
4の背面側には同スピーカ装置120におけるダクト1
32またはダクト133の直径を二倍強に拡径した円筒
状のダクト135を形成してある。すると、このダクト
135は分離壁131aにより左右に分離され、各々ダ
クト135a,135bが形成されるため、第2の実施
形態と同様の作用及び効果を有することになる。このよ
うな構成とすることにより、ダクトを形成する部材を削
減することが可能となるほか、製造工程も削減すること
ができ、製造コストを低減することができる。なお、ダ
クト135の断面形状を矩形状にすることができること
は勿論である。
【0038】(第4の実施形態)図7は、この発明の第
4の実施形態に係るスピーカ装置220を水平断面図に
より示している。同図において、第1の実施形態〜第3
の実施形態と同様に、スピーカボックス230の前面側
に略台形に突出するバッフル板231を設け、このバッ
フル板231の左右の傾斜面に中低音用のスピーカユニ
ット250−1,250−2を固定すると共に、バッフ
ル板231の先端面にもスピーカ取付孔を形成して、中
低音用のスピーカユニット270を固定してある。さら
に、スピーカボックス230の背面側中程には、スピー
カユニット270の背面側に対向するようにダクト23
2を形成してある。
【0039】かかる構成により、スピーカユニット25
0−1,250−2から音が放射されると、スピーカボ
ックス230の背面側に反作用の力が働く。一方、スピ
ーカユニット270から音が放射される場合について
も、スピーカボックス230の背面側に反作用の力が働
く。したがって、かかる反作用の力は増長されるもの
の、その方向としてはスピーカの背面側方向であるか
ら、ダクト232から音放射することにより同反作用の
力は打ち消されるように作用することに変わりはない。
【0040】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、請求項1の
発明によれば、スピーカボックスに対して音の放射方向
を互いに傾斜させるようにして二つのスピーカユニット
を取り付けると共に、スピーカボックスの背面側にダク
トを形成して、同スピーカユニットの低音放射時に生じ
る反作用の力を打ち消すかあるいは減少させるようにし
たため、スピーカユニットからの音の放射の力が弱まる
のを改善することができ、この結果、低音の音質の改善
を図ることができるという優れた効果がある。また、請
求項2の発明によれば、高音質を維持しつつ一の筐体で
ステレオ出力可能なスピーカ装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るスピーカ装置
の水平断面図である。
【図2】中低音用スピーカユニットの縦方向断面図であ
る。
【図3】上記第1の実施形態におけるスピーカボックス
に働く力をベクトル表示により示した概略図である。
【図4】この発明の第2の実施形態に係るスピーカ装置
の水平断面図である。
【図5】同第2の実施形態におけるスピーカボックスに
働く力をベクトル表示により示した概略図である。
【図6】この発明の第3の実施形態に係るスピーカ装置
の水平断面図である。
【図7】この発明の第4の実施形態に係るスピーカ装置
の水平断面図である。
【図8】従来例に係るスピーカ装置の鉛直断面図であ
る。
【符号の説明】
20…スピーカ装置、 30…スピーカボックス、 3
1…バッフル板、32…ダクト、 40…中高音用スピ
ーカユニット、 50−1,50−2…中低音用スピー
カユニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 明広 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 渡辺 直樹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピーカボックスと、 このスピーカボックスに対して音の放射方向を互いに傾
    斜させるようにして収容される二つの中低音用のスピー
    カユニットと、 上記スピーカボックスの背面側に形成されて上記二つの
    スピーカユニットの低音放射時に生じる反作用を減少又
    は打ち消す反作用を発生させるためのダクトとを具備す
    ることを特徴とするスピーカ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスピーカ装置におい
    て、 上記スピーカユニットとスピーカボックスとを左右に分
    離する隔壁を設け、上記ダクトをこの隔壁の両側にそれ
    ぞれ形成すると共に、スピーカボックスの左右に中高音
    用のスピーカユニットをそれぞれ配置したことを特徴と
    するスピーカ装置。
JP25179697A 1997-09-17 1997-09-17 スピーカ装置 Pending JPH1198588A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2009512275A (ja) * 2005-10-06 2009-03-19 ボーズ・コーポレーション ラインアレイ電気音響変換
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