JPH1197972A - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

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JPH1197972A
JPH1197972A JP25879097A JP25879097A JPH1197972A JP H1197972 A JPH1197972 A JP H1197972A JP 25879097 A JP25879097 A JP 25879097A JP 25879097 A JP25879097 A JP 25879097A JP H1197972 A JPH1197972 A JP H1197972A
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radio wave
wave shield
package
electrodes
idt
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JP25879097A
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Yoshinori Shiraiwa
義則 白岩
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Kyocera Corp
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  • Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】例えば帯域通過フィルタ用のSAW装置におい
て、通過帯域外減衰量、即ち信号のS/N比を大きくす
ると同時に挿入損失を小さくする。 【解決手段】同一の圧電基板2の主面に複数対のIDT
電極3a,3bを形成したSAW素子1をパッケージ1
0内に収納して成るSAW装置Sであって、パッケージ
10内の複数対のIDT電極3a,3bの対間に、各々
のIDT電極3a,3b側に突出した凸状部Kを有する
電波遮蔽体7が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話等の移動
体通信機器などに内蔵される弾性表面波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の弾性表面波(Surface Acoustic W
ave で、以下、SAWと略す)素子Dの基本構成の平面
図を図9に示す。36°Yカット−X伝搬のLiTaO
3 等の圧電結晶からなる圧電基板21の一主面に、Al
等からなり一対の櫛歯状電極であるIDT(Inter Digi
tal Transducer)電極23がフォトリソグラフィ法及び
蒸着法によって形成されて成る。IDT電極23のSA
Wの伝搬路上の両端には、SAWを効率良く共振させる
ための反射器(図示せず)を設けたものもある。また、
IDT電極23の電極指の対数は実際には数10〜数1
00対になるが、同図では模式的に描いてある。尚、2
4,25は高周波信号の入力用の端子と出力用の端子で
ある。
【0003】そして、前記IDT電極23を複数縦続接
続したり、ラダー型に接続することにより、帯域通過フ
ィルタ、帯域阻止フィルタ等の周波数フィルタ(以下、
フィルタという)を構成できる。また、このようなSA
W素子Dをセラミック等からなる箱型のパッケージに内
蔵し、蓋を被せ密封してSAW装置として使用してい
る。
【0004】前記SAW装置の従来例として、図8に示
すように、SAW素子のパターンが形成された圧電体基
板を、上方から覆うようにしたパッケージであって、こ
のパッケージの中に仕切り板を具備することにより、S
AW素子の電極やワイヤーから発生した電波を仕切り板
により受信し、信号のS/N比を改善するものが提案さ
れている(実開平4−121122号公報参照)。
【0005】同図において、SAW素子1は、36°Y
カット−X伝搬のLiTaO3 等の圧電結晶からなる圧
電基板2の主面に、2対のSAWフィルタ(又はSAW
共振子)用のIDT電極3a,3bが形成されて成り、
この圧電基板2をパッケージ10内に収納すると共に、
前記圧電基板2上に設けられたIDT電極3aの入力電
極用のパッド4a,IDT電極3bの入力電極用のパッ
ド4b,IDT電極3aの出力電極用のパッド4c(図
示せず。パッド5cに対応),IDT電極3bの出力電
極用のパッド4d(図示せず。パッド5dに対応)と、
箱型のパッケージ10の側壁上面に形成されたパッド5
a〜5dとを、それぞれワイヤー6で接続している。前
記パッド5a〜5dは更に外部の駆動回路、接地回路等
に接続される。
【0006】また、パッケージ10の上面には封止のた
めのセラミック等からなる蓋体14を被せてあり、その
蓋体14のパッケージ10側の主面には、IDT電極3
a,3b間においてパッド4a〜4dやワイヤー6で発
生した電波を遮蔽(シールド)する仕切り板20が設置
されている。そして、パッケージ10の外部側壁に、導
体印刷、ワイヤー等からなるアース線15が形成されて
おり、このアース線15は仕切り板20に接続されてい
る。この場合、仕切り板20がセラミック,ガラス,プ
ラスチック等の絶縁性のものであればアース線15は不
要であり、勿論Al,Cu等の導電体であればアース線
15が必要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来、
帯域通過フィルタ用のSAW装置のフィルタ特性におけ
る通過帯域外減衰量は、縦続接続やラダー型接続の段数
を増やすことにより大きくすることができるが、段数が
増えるにつれ逆に挿入損失が増加するという問題点があ
った。
【0008】また、上記のパッケージの中に仕切り板を
有する従来例では、通過帯域外減衰量を実用に供し得る
程度(−60dB)以下にすることが困難であった。
【0009】従って、本発明は上記事情に鑑みて完成さ
れたものであり、その目的は、例えば帯域通過フィルタ
用のSAW装置において、挿入損失を増大させることな
く通過帯域外減衰量、即ち信号のS/N比を大きくする
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の弾性表面波装置
は、同一の圧電基板の主面に複数対の櫛歯状電極を形成
した弾性表面波素子をパッケージ内に収納して成る弾性
表面波装置であって、前記パッケージ内の前記複数対の
櫛歯状電極の対間に、各々の櫛歯状電極側に突出した凸
状部を有する電波遮蔽体が設けられていることを特徴と
し、櫛歯状電極や接続用のワイヤーで発生した高周波信
号の電波を電波遮蔽体で受信して遮蔽することにより、
信号のS/N比を大きくすることができる。また、S/
N比を大きくするために櫛歯状電極を多段接続する必要
もないので、挿入損失も小さくなる。
【0011】好ましくは、前記電波遮蔽体が、前記パッ
ケージを封止する蓋体に取り付けられ、このような構成
により、電波遮蔽体のパッケージ内への設置が容易とな
り、電波遮蔽体を蓋体ではなくパッケージに設置するこ
とによる圧電基板の損傷、圧電基板への接着剤の付着等
による特性劣化を防止できる。
【0012】また、好ましくは、前記パッケージ内の前
記電波遮蔽体に対応した側壁部に、電波吸収層が形成さ
れ、これにより、更にS/N比を大きくすることができ
る。
【0013】前記電波遮蔽体は多孔質金属又はフェライ
トからなるのが好ましく、多孔質金属の場合、その気孔
率は30%〜80%が良く、その材質は黄銅,炭素鋼,
ステンレス鋼,鋳鉄等がよい。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明を図1〜図7により説明す
る。図1は本発明のSAW装置Sを示したものであり、
(a)はSAW装置Sの蓋体14を省略したものの斜視
図、(b)は(a)の平面図、(c)は蓋体14を有す
るもので(b)のA−A線における断面図である。
【0015】図2〜図5は本発明の他の実施形態であ
り、図2はSAW装置S1 の蓋体14を省略したものの
斜視図、(b)は(a)の平面図、(c)は(b)のB
部の部分拡大斜視図である。図3は電波遮蔽体7に対応
したパッケージ内の側壁部に電波吸収層16を形成した
ものの平面図、図4は電波遮蔽体7に対応したパッケー
ジ内の側壁部に凹部17を形成したものの平面図、図5
は電波遮蔽体7に対応したパッケージ内の側壁部に凹部
17及び電波吸収層16を形成したものの平面図であ
る。また、図6(a)〜(i)は電波遮蔽体7の各種実
施形態の平面図、図7は本発明品のフィルタ特性のグラ
フである。
【0016】図1において、1はSAW素子、2は36
°Yカット−X伝搬のLiTaO3等の圧電結晶からな
る圧電基板、3aは一方のSAWフィルタ(又はSAW
共振子)用の一対のIDT電極、3bは他方のSAWフ
ィルタ(又はSAW共振子)用の一対のIDT電極、4
aはIDT電極3aの入力電極用のパッド、4bはID
T電極3bの入力電極用のパッド、4cはIDT電極3
aの出力電極用のパッド、4dはIDT電極3bの出力
電極用のパッド、5a〜5dはパッケージ10の側壁1
2上面に形成されたパッドで、それぞれパッド4a〜4
dにワイヤー6で接続され、更に外部の駆動回路、接地
回路等に接続される。また、7はパッケージ10内の2
対のIDT電極3aとIDT電極3bとの対間に設置さ
れた電波遮蔽体である。
【0017】また、パッケージ10は積層セラミックパ
ッケージであり、2層のアルミナセラミックから成る。
11は底板としての1層目の基板、12は基板11の周
縁上に積層された2層目の枠状の側壁部、13は側壁部
12の上面の全周に配置された熱硬化性樹脂、光(紫外
線等)硬化性樹脂又は接着剤等からなる封止材(シーム
リング)、14はプラスチック,Al等の金属,セラミ
ック,ガラス等からなる蓋体、15はワイヤー,印刷導
体,メタライズ,導電性樹脂等からなり電波遮蔽体7を
接地するアース線である。このアース線15は基板11
や側壁部12にスルーホールを設け、それを通じて外部
のアース線、接地回路に接続するようにしてもよい。ま
た、15aは電波遮蔽体7に設けられたアース線で、蓋
体14に延在しており、蓋体14をパッケージ10に被
せると側壁部12の上面のアース線15に接するように
なっている。
【0018】本発明の電波遮蔽体7は、同図(b)に示
すように、各々のIDT電極3a,3b側に突出した凸
状部Kを有する枠状又は中実のものであり、また電波遮
蔽体7は好ましくは多孔質金属又はフェライトから成
る。前記電波遮蔽体7は、IDT電極3a,3bやワイ
ヤー6で発生した高周波信号の電波を受信(吸収)して
遮蔽すると共に、吸収しきれなった電波を前記凸状部K
の両側面で反射することにより、更にS/N比を向上し
得る。また、電波遮蔽体7は、換言すれば箱型又は柱状
のものであるが、側面が上方又は下方に傾斜した錐状の
ものであってもよい。
【0019】本発明において、電波遮蔽体7が多孔質金
属(合金も含む)の場合、その気孔率は、気孔の占める
体積でみた場合30%〜80%が良く、30%未満では
気孔が少なすぎ多孔質とはいえず、80%超では気孔が
多すぎて強度が低下し、また電磁遮蔽の効果が弱くな
る。
【0020】また、多孔質金属の気孔の平均直径は1m
m以下とするのが好ましく、800MHz〜100GH
z程度の波長の電波を受信し遮蔽(シールド)するため
には、1/4波長接地アンテナと同様にみたてて、1m
m以下の平均直径があればよいことになり、またSAW
装置Sの形状が最大巾数mm〜数10mmの箱型である
ことからして、1mm以下とするのが良い。より好まし
くは、気孔の平均直径は10μm〜1mmが良く、10
μm未満では電磁遮蔽効果の点からして、気孔がないの
とほとんど変わらない。また、本発明は10GHz程度
以上の周波数がより高いものに対して特に好適である。
【0021】多孔質金属の材質は、黄銅(63%Cu−
37%Zn),ステンレス鋼(71%Fe−19%Cr
−10%Ni),炭素鋼(含0.45%C),鋳鉄(含
3.6%C,2.2%Si)等が好適であり、これらは
電波吸収性が高い。また、電波遮蔽体7はフェライト
{亜鉄酸塩:MO・Fe2 3 (M=Mn,Fe,C
o,Ni,Cu,Zn,Mg,Cd)}であっても良
く、更には、フェライトからなる多孔質体でも良い。
【0022】更に、電波遮蔽体7の壁の厚さは0.7〜
5mmが好適であり、0.7mm未満では、電波の周波
数が100GHzで1/4波長が0.75mm程度とな
るので、0.7mmより薄いと電波の受信能力が低下す
る。5mmより厚いと、SAW装置Sの最大巾より大き
くなる場合があり、パッケージ10内に収納し難くな
る。より好ましは、0.7〜2mmである。
【0023】このような電波遮蔽体7は、上記黄銅等の
粉体を板状の型枠内に充填し、その粉体の融点より約3
0%低い温度で焼結させることにより作製することがで
きる。例えば融点が1000℃であれば約700℃で焼
結させることになる。また、上記気孔の平均直径は前記
粉体の平均粒子径にほぼ相当するが、粉体の平均粒子径
を形成すべき気孔の平均直径よりも若干(5%〜20%
程度)大きくすると、焼結後に所望の気孔の平均直径と
ほぼ等しくなる。
【0024】また、電波遮蔽体7は上記のように全体が
多孔質金属から成るもの以外に、Al,Cu,SUS
(ステンレス)等の導電性基板又はセラミック,プラス
チック,ガラス等の絶縁性基板の表面に、多孔質金属層
を形成したものであっても良い。その場合、スパッタリ
ング法等の薄膜形成法による成膜、金属粒子を含む樹脂
の塗布等の方法により、多孔質金属層を形成することも
できる。
【0025】前記電波遮蔽体7は、蓋体14のパッケー
ジ10内面側の主面に接着するのが好適であり、電波遮
蔽体7のパッケージ10内への設置が容易となる。即
ち、電波遮蔽体7をパッケージ10内へ設置してから蓋
体14を被せる場合は、圧電基板2の損傷、圧電基板2
への接着剤の付着等によるSAW特性劣化が生じ易いの
に比べ、本発明では上記問題点の発生を防止できる。
【0026】前記パッケージ10は、未焼成のセラミッ
クシートから成る基板11及び側壁部12に、所望の配
線やパッド用の導体を印刷し、基板11及び側壁部12
を貼り合わせた後一度に焼成する方法で作製できる。
【0027】そして、SAW装置S全体は以下のように
して作製する。基板11及び側壁部12から成り、一面
が開口したパッケージ10内に圧電基板2を収容する。
このとき、圧電基板2をエポキシ樹脂系の接着剤,Au
−Sn系半田により基板11上にダイボンディングし、
パッド4a〜4dとパッド5a〜5dをAu,Al等か
ら成るワイヤーでボンディングする。その後、封止材1
3を側壁12の上面全周にわたって形成し、蓋体14を
封止材13上に載置し接着固定することにより、密封し
て作製が完了する。
【0028】そして、図2(a)〜(c)は本発明の他
の実施形態であり、電波遮蔽体7を蓋体14ではなくパ
ッケージ10側に取り付ける構成のSAW装置S1 であ
る。(c)は(b)のB部(パッケージ10の取り付け
部)を拡大した斜視図であり、パッケージ10の側壁1
2に、SAW特性に影響を及ぼさないように圧電基板2
の主面に達しない溝8を設け、電波遮蔽体7の取り付け
部(パッケージ10側の凸状部)を前記溝8に上方から
嵌入し接着する。この溝8は、(c)のように、前記凸
状部に倣った形状(V溝)であれば電波遮蔽体7が安定
的に固定できる。また、側壁12の前記凸状部に対応す
る部分にはアース線15が、メタライズ、印刷導体、ワ
イヤー等によって設けられてあり、溝8にまで延在させ
て電波遮蔽体7に導通するようになっている。このと
き、前記凸状部の接着は、導電性接着剤、半田等の導電
性を有するもので行う。
【0029】同図において、溝8の形状は必ずしもV溝
でなくとも良く、電波遮蔽体7の取り付け部(凸状部)
に倣った形状が好ましいが、その他断面が凹型、U型の
ものでも構わない。また、溝8の代わりに、側壁12の
内壁側に水平方向に突出した凸部を設け、その凸部の上
面に電波遮蔽体7の凸状部を載置固定する構成としても
良い。
【0030】図3〜図5は本発明のパッケージ10の他
の実施形態を示し、図3は電波遮蔽体7に対応したパッ
ケージ内の側壁部に電波吸収層16を形成したものであ
り、この電波吸収層16は電波遮蔽体7によって吸収さ
れずに反射された電波が当たる部分の側壁部に形成す
る。電波吸収層16の材質としては、電波遮蔽体7と同
様の電波吸収性が高いフェライトや金属材料が良く、蒸
着法やスパッタリング法等の薄膜形成法、あるいは樹脂
中に前記金属材料の微粒子を混入させたものを塗布する
方法等により形成する。勿論、電波吸収層16は図示し
ないアース線により接地されている。この場合、側壁1
2を電波遮蔽体7と同様の材料で作製して、全体が多孔
質金属から成るようにしても良い。
【0031】図4は電波遮蔽体7に対応したパッケージ
10内の側壁部に凹部17を形成したものであり、前記
凹部17によってIDT電極3a,3b側への電波の再
反射を抑えることができる。また、点線で示すように、
凹部17をパッケージ10の中心部に向かってその厚み
方向において深くなるよう傾斜させることが好ましく、
更にIDT電極3a,3b側への再反射の抑制に効果が
ある。
【0032】図5は電波遮蔽体7に対応したパッケージ
内の側壁部に凹部17及び電波吸収層16を形成したも
のであり、凹部17によってIDT電極3a,3b側へ
の電波の再反射を抑えると共に、電波吸収層16で電波
を吸収するので、更にS/N比が向上する。また、凹部
17の形状を図3の点線の構成と同様にしても構わな
い。
【0033】また、図6(a)〜(i)は電波遮蔽体7
の各種実施形態であり、(a)は平面形状が正方形や長
方形等の方形状のもの、(b)は側面が曲線的な凹面と
されたもの、(c)は側面が曲線的な凸面とされたも
の、(d)はIDT電極側の凸状部を急角度にしたも
の、(e)は前記凸状部を(d)よりも更に急角度にし
た星型のものである。
【0034】(f)は、(a)において中実のものとし
た場合であり、プレス成形法、押し出し成形法、射出成
形法等によって作製する。この(f)の構成は、(b)
〜(e)の場合にも適用できる。(g)は、(f)にお
いて、電波が当たる側面に微細な凹凸、波型の凹凸、鋸
型の凹凸等を形成して電波の散乱及び吸収効果を高めた
例であり、勿論(a)〜(e)にも適用可能である。前
記凹凸の平均表面粗さは、電波の波長の1/4波長以下
が電波を受信吸収するうえで好適であり、具体的には1
mm以下、より好ましくは10μm〜1mmがよく、1
0μm以下では凹凸がないのと殆ど変わらない。
【0035】更に、(h)は楕円型のものであり、短軸
方向の曲線部がIDT電極側の凸状部とされたタイプ
で、(i)も楕円型のもので、長軸方向の曲線部がID
T電極側の凸状部とされたタイプであり、これらにおい
ても、(f)のように中実としたり、(g)のように表
面に微細な凹凸等を形成してもよい。
【0036】このようなSAW装置S(例えば図1のI
DT電極3b側)の帯域通過フィルタとしてのフィルタ
特性は図6のようになる。点線は電波遮蔽体7のない場
合、一点鎖線は図8のようなステンレス板からなる仕切
り板の場合、実線は本発明を示し、信号のS/N比を大
きくできる。
【0037】図1のSAW装置Sは、2種のSAWフィ
ルタ(又はSAW共振子)用のIDT電極3a,3bを
設けた例であるが、本発明は入力用の複数の平行電極と
出力用の複数の平行電極とを設けたSAWデュプレクサ
にも適用できる。また、SAWフィルタとして複数のS
AW共振子をラダー型に接続したものを用い、それを複
数種形成したSAW素子としてもよい。
【0038】更に、IDT電極を圧電基板2の表裏面に
形成したものとしてもよく、その場合新たな電波遮蔽体
7を圧電基板2の裏面側にも設ける。
【0039】本発明において、IDT電極3a,3bは
AlあるいはAl合金(Al−Cu系,Al−Ti系
等)からなり、特にAlが励振効率が高く、材料コスト
が低いため好ましい。また、IDT電極3a,3bは蒸
着法、スパッタリング法又はCVD法等の薄膜形成法に
より形成する。
【0040】そして、IDT電極3a,3bの対数は5
0〜200程度、電極指の幅は0.1〜10.0μm程
度、電極指の間隔は0.1〜10.0μm程度、電極指
の開口幅(交差幅)は10〜100μm程度、IDT電
極の厚みは0.2〜0.4μm程度とすることが、共振
器あるいはフィルタとしての所期の特性を得るうえで好
適である。また、IDT電極3a,3bの電極指間に酸
化亜鉛,酸化アルミニウム等の圧電材料を成膜すれば、
SAWの共振効率が向上し好適である。
【0041】圧電基板2としては、36°Yカット−X
伝搬のLiTaO3 結晶、64°Yカット−X伝搬のL
iNbO3 結晶、45°Xカット−Z伝搬のLiB4
7 結晶等が、電気機械結合係数が大きく且つ群遅延時間
温度係数が小さいため好ましい。圧電基板2の厚みは
0.3〜0.5mm程度がよく、0.3mm未満では圧
電基板2が脆くなり、0.5mm超では材料コストが大
きくなる。
【0042】かくして、本発明は、IDT電極3a,3
bや接続用のワイヤー6で発生した高周波信号の電波を
電波遮蔽体7で受信して電磁遮蔽すると共に、吸収でき
なかった電波を電波遮蔽体7の側面でパッケージ内の側
壁に向かって反射することにより、信号のS/N比を大
きくすることができ、また、従来のようにS/N比を大
きくするためにIDT電極3a,3bを多段接続する必
要もないので、挿入損失も小さくなるという作用効果を
有する。
【0043】尚、本発明は上記の実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々
の変更は何等差し支えない。
【0044】
【発明の効果】本発明は、パッケージ内の複数対のID
T電極の対間に、各々のIDT電極側に突出した凸状部
を有する電波遮蔽体を設け、その電波遮蔽体を多孔質金
属で形成することにより、IDT電極や接続用のワイヤ
ーで発生した高周波信号の電波を箱型の電波遮蔽体で受
信して遮蔽すると共に、吸収できなかった電波を電波遮
蔽体の側面でパッケージ内の側壁に向かって反射するこ
とにより、信号のS/N比を大きくすることができ、ま
た挿入損失も小さくなるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のSAW装置Sを示し、(a)はSAW
装置Sの蓋体を省略したものの斜視図、(b)は(a)
の平面図、(c)は(b)のA−A線における蓋体を設
けたものの断面図である。
【図2】本発明のSAW装置S1 を示し、(a)は蓋体
を省略したものの斜視図、(b)は(a)の平面図、
(c)は(b)のB部の部分拡大斜視図である。
【図3】本発明の他の実施形態であり、電波遮蔽体に対
応したパッケージ内の側壁部に電波吸収層を形成したも
のの平面図である。
【図4】本発明の他の実施形態であり、電波遮蔽体に対
応したパッケージ内の側壁部に凹部を形成したものの平
面図である。
【図5】本発明の他の実施形態であり、電波遮蔽体に対
応したパッケージ内の側壁部に凹部及び電波吸収層を形
成したものの平面図である。
【図6】本発明の電波遮蔽体の各種実施形態であり、
(a)は平面形状が方形状のものの平面図、(b)は側
面が曲線的な凹面とされたものの平面図、(c)は側面
が曲線的な凸面とされたものの平面図、(d)はIDT
電極側の凸状部を急角度にしたものの平面図、(e)は
凸状部を(d)よりも更に急角度にした星型のものの平
面図、(f)は(a)において中実のものとした場合の
平面図、(g)は(f)において電波が当たる側面に微
細な凹凸を設けた場合の平面図、(h)は楕円型のもの
で短軸方向の曲線部を凸状部とした場合の平面図、
(i)は楕円型のもので長軸方向の曲線部を凸状部とし
た場合の平面図である。
【図7】本発明のSAW装置Sと従来例とを比較するフ
ィルタ特性のグラフである。
【図8】従来のSAW装置の蓋体を省略したものの斜視
図である。
【図9】従来のSAW素子Dの基本構成の平面図であ
る。
【符号の説明】
1:SAW素子 2:圧電基板 3a:IDT電極 3b:IDT電極 4a〜4d:パッド 5a〜5d:パッド 6:ワイヤー 7:電波遮蔽体 10:パッケージ 11:基板 12:側壁 14:蓋体 15:アース線 15a:アース線 16:電波吸収層 17:凹部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一の圧電基板の主面に複数対の櫛歯状電
    極を形成した弾性表面波素子をパッケージ内に収納して
    成る弾性表面波装置であって、前記パッケージ内の前記
    複数対の櫛歯状電極の対間に、各々の櫛歯状電極側に突
    出した凸状部を有する電波遮蔽体が設けられていること
    を特徴とする弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】前記電波遮蔽体が、前記パッケージを封止
    する蓋体に取り付けられている請求項1記載の弾性表面
    波装置。
  3. 【請求項3】前記パッケージ内の前記電波遮蔽体に対応
    した側壁部に、電波吸収層が形成されている請求項1又
    は2記載の弾性表面波装置。
JP25879097A 1997-09-24 1997-09-24 弾性表面波装置 Pending JPH1197972A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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