JP2001102811A - 複合フィルタ - Google Patents

複合フィルタ

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JP2001102811A
JP2001102811A JP27959399A JP27959399A JP2001102811A JP 2001102811 A JP2001102811 A JP 2001102811A JP 27959399 A JP27959399 A JP 27959399A JP 27959399 A JP27959399 A JP 27959399A JP 2001102811 A JP2001102811 A JP 2001102811A
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electrode
band
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acoustic wave
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Hiroshi Kuroki
博 黒木
Koichi Maruta
幸一 丸田
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性表面波フィルタの実装性・気密封止性に
優れ、且つ安定した通過帯域特性を有する小型化な複合
フィルタを提供することを目的としている。 【解決手段】 複数の誘電体層を積層して成る積層体基
板1の層1a、1b間に、第1の帯状内部電極2と第2
の帯状内部電極3とを並設配置したラインフィルタと弾
性表面波フィルタ6とから成る複合フィルタである。そ
して、前記弾性表面波フィルタ6は、前記積層体基板1
表面に開口を有し、且つその底面が前記第1及び第2の
帯状内部電極2、3を並設配置した誘電体層1b間より
も下層に位置するキャビティー部5内に収容し、金属製
蓋体7により密閉している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラインフィルタと
弾性表面波フィルタの複合フィルタに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、移動体通信機などなどのアン
テナ受信回路には、所定周波数の受信信号を抽出するバ
ンドパスフィルタとして機能するラインフィルタ、例え
ばストリップライン型フィルタ(SLフィルタという)
が用いられていた。尚、一般には、SLフィルタには、
受信フィルタと送信フィルタとを一体化することがある
が、ここでは、送信側フィルタを省略して、図6に示す
ように受信側フィルタを例として説明する。
【0003】図6において、受信側のラインフィルタ3
0は、誘電体基板31の一方主面31aに、受信フィル
タ前段部を構成するトラップ電極32、受信フィルタ後
段部を構成する共振電極33、34とが被着形成されて
いる。
【0004】また、誘電体基板31の一対の対向しあう
側面にそれぞれ入力端子電極35、出力端子電極36が
形成されている。誘電体基板31の裏面には、入力端子
電極35から延び、且つトラップ電極32の一端及び共
振電極33の一端と容量的に結合する入力側伝送導体3
7が形成されている。同時に、共振電極34の一端と容
量的に結合し、且つ出力端子電極36と接続する出力側
伝送導体38が形成されている。
【0005】さらに、誘電体基板31の一方主面31a
を除く面には、入出力端子電極35、36及び入力側伝
送導体37、出力側伝送導体38に導通しないようにア
ース電極39が被着形成されている。
【0006】上述の共振電極33、34、トラップ電極
32は、帯状導体膜が互いに並設されるよう配置されて
いる。そして、共振電極33、34は両者の誘導結合が
され、所定フィルタ特性となるように近接配置されてい
る。これに対して共振電極33とトラップ電極32との
間は、両者の電磁結合を防止するよう充分な間隔、例え
ば2mm以上の間隔が設けられている。
【0007】そして、トラップ電極32の一端部及び共
振電極33の一端部は、誘電体基板31の厚みを介して
入力側伝送導体37に対向している。また、共振電極3
4の一端部(開放端部)は、誘電体基板31の厚みを介
して出力側伝送導体38に対向している。また、トラッ
プ電極32の他端部、共振電極33の他端部は、誘電体
基板31の端面部分に被着形成したアース電極39に導
通している。
【0008】トラップ回路は、トラップ電極32及び入
力伝送導体37との間の結合容量により直列共振回路が
構成され、例えば、反共振周波数より低周波側ではイン
ダクタとして機能するため、入力端子電極35に供給さ
れたこの周波数の信号をグランド電位に短絡するように
機能する。
【0009】このトラップ回路とフィルタ回路とによっ
て、全体として複合フィルタは、所定周波数に減衰極を
形成するようにして、選択性の良好な所定通過帯域特性
を形成するものである。
【0010】ストリップラインフィルタは、誘電体基板
に高いQ値の誘電体材料を用いることにより、非常に無
負荷Q値が高く、温度依存性の少ないフィルタである。
【0011】また、弾性表面波フィルタは低損失で急峻
な減衰特性が得られ、群遅延時間が平坦なフィルタであ
る。
【0012】そして、共振器段数の増加による群遅延時
間特性の劣化してしまうストリップラインに、弾性表面
波フィルタを用いた複合フィルタでは、両者の長所を引
出し、通過帯域付近での減衰特性が優れたフィルタとな
る。尚、このような複合フィルタでは、実開昭58−9
6351号に既に示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実開昭58−
96351号では、単にラインフィルタと弾性表面波フ
ィルタとブロック回路図を用いて説明したに過ぎず、そ
の具体的な構造は全く開示されていない。
【0014】また、図6に示すSLフィルタ30では、
誘電体基板31にトラップ電極32、共振電極33は、
両者の結合により所望の通過帯域特性をみだすことにな
るため、その間隔を充分に拡げるように形成されてい
る。この間隔を利用して、誘電体基板の表面に弾性表面
波フィルタを設置することが考えられている。しかし、
誘電体基板上に弾性表面波フィルタを配置すると、弾性
表面波フィルタの気密封止手段である筐体状の金属製蓋
体が必要となる。この結果、複合フィルタ全体の高さが
増加するという問題があった。
【0015】弾性表面波フィルタが小型化に伴い、配置
領域、即ち、トラップ電極32と共振電極33との間隔
を狭くすると、両者の相互干渉・相互電磁界結合が発生
してしまう。このため、平面形状の小型化に限界があっ
た。
【0016】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
もので、その目的は、帯状電極を有するラインフィルタ
と弾性表面波フィルタとを複合フィルタであり、特に、
弾性表面波フィルタの実装性や気密封止性に優れ、且つ
安定した通過帯域特性を有する小型化・低背化可能な複
合フィルタを提供するものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、複数の
誘電体層を積層して成る積層体基板の層間に、第1の帯
状内部電極と第2の帯状内部電極とを配置したラインフ
ィルタと、弾性表面波フィルタとから成る複合フィルタ
において、前記ラインフィルタに、底面が前記第1及び
第2の帯状内部電極を並設配置した誘電体層間よりも下
層に位置するキャビティー部を設けるとともに、該キャ
ビティー部内に弾性表面波フィルタを収容し、且つ前記
キャビティー部を金属製蓋体により密閉したことを特徴
とする複合フィルタである。
【0018】
【作用】本発明は、誘電体積層体基板に、各種の帯状内
部電極で構成されるラインフィルタに弾性表面波フィル
タが実装された複合フィルタである。これるより、無負
荷Q値が良好で、減衰特性に優れた複合フィルタが達成
できる。
【0019】さらに、積層体基板の平面形状において、
弾性表面波フィルタは、第1の帯状内部電極(例えばト
ラップ電極)と第1の帯状内部電極と隣接する第2の帯
状内部電極(例えばフィルタ回路を構成する共振電極)
との間隔領域を利用して配置されている。即ち、この間
隔領域にキャビティー部を形成し、このキャビティー部
内に弾性表面波フィルタを収容している。従って、複合
フィルタが平面的に大型化することがない。
【0020】また、積層体基板の厚み方向的な構造にい
て、弾性表面波フィルタを収容するキャビティー部が、
積層体基板内に形成した第1の帯状内部電極、第2の帯
状内部電極が形成された位置よりも、深く形成されてい
る。即ち、第1の帯状内部電極と第2の帯状内部電極
を、キャビティーの空間で仕切ることができる。これに
より、両者の相互干渉・相互の不要な電磁界結合を有効
に抑えることができ、安定した通過帯域特性を有する複
合フィルタが実現できる。
【0021】さらに、キャビティー部の開口を、平板状
金属製蓋体により封止するだけで、弾性表面波フィルタ
を完全に密閉することができるため、弾性表面波フィル
タの実装性、気密封止性が非常に向上し、且つフィルタ
全体の低背化が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の複合フィルタを図
面に基づいて詳説する。
【0023】図1は本発明の複合フィルタの外観斜視図
であり、図2(a)は図1のX−X線断面を、図2
(b)は図1のY−Y線断面を示す断面構造図であり、
図3は積層体基板の構成を説明する分解斜視図である。
【0024】図において、複合フィルタは、誘電体層1
a〜1cが積層されて構成され、且つキャビティー部5
を有する積層体基板1と、該キャビティー部5に収容さ
れた弾性表面波フィルタ6と、金属製蓋体7から構成さ
れている。
【0025】また、積層体基板1には、第1の帯状内部
電極であるトラップ電極2から成るトラップ回路、第2
の帯状内部電極である共振電極3と帯状内部電極である
共振電極4とからフィルタ回路を具備している。
【0026】また、積層体基板1の側面部、例えば、図
1上の左側側面部には入力端子電極8が、図1上の上側
側面部には出力端子電極9が形成されている。この入出
力端子電極8、9を除く積層体基板1の表面には、アー
ス導体膜10が被着形成されている。
【0027】図3において、積層体基板1を構成する上
層の誘電体層1aには、その中央部にキャビティー部5
を構成する開口5aが形成されている。また、中層の誘
電体層1bには、その中央部にキャビティー部5を構成
する開口5bが形成されている。また、誘電体層1bの
表面(誘電体層1aと誘電体層1bとの層間)には、ト
ラップ回路を構成する第1の帯状内部電極であるトラッ
プ電極2及びフィルタ回路の一部を構成する第2の帯状
内部電極である共振電極3、共振電極4が形成されてい
る。尚、第1の帯状内部電極であるトラップ電極2と第
2の帯状内部電極である共振電極3との間には、開口部
5bが形成されている。図に示す複合フィルタでは、開
口部5bに対して左側にトラップ電極2が、右側に共振
電極3、4が並設配置されている。
【0028】このトラップ電極2及び共振電極3、4
は、帯状の内部導体となっており、その一端部は開放端
となり、他端は図上の下側側面に導出し、アース導体膜
10に接続している。即ち、トラップ電極2及び共振電
極3、4の他端部は、短絡端となっている。
【0029】誘電体層1cの表面(誘電体層1bと誘電
体層1cとの層間)には、3つの伝送導体11〜13及
び弾性表面波フィルタ6の実装アース導体14が被着形
成されている。
【0030】例えば、第1の伝送導体11は、その一端
が入力端子電極8に接続されている。また、伝送導体1
1は、トラップ電極2の一端部の下部を通過して、その
他端が共振電極3の下部に延びている。また、第2の伝
送導体12は、その一端が共振電極4の下部に位置し、
他端がキャビティー部5の底面領域に延出している。
【0031】尚、第2の伝送導体12の他端は弾性表面
波フィルタ6の入力パッド(図示せず)に接続される。
さらに、第3の伝送導体13は、その一端がキャビティ
ー部5の底面領域から延び、その他端が出力端子電極9
に接続されている。尚、第1の伝送導体11及び第2の
伝送導体12において、トラップ電極2や共振電極3、
4に対向する部位は、その間で発生する容量成分を制御
するために、伝送導体11、12の導体幅に比較して広
くなったり、狭くなったりしている。図では、導体幅が
広くなっている。
【0032】また、実装アース導体14は、キャビティ
ー部5の底面領域から、積層体基板1の図面上側の側面
に延出し、アース導体膜10と接続されている。
【0033】このような誘電体層1a〜1cは、例え
ば、BaO−TiO2 系、Ca−TiO2 系、MgO−
TiO2 系等が用いられ、低温焼結可能とするために酸
化物としてBiVO4 、CuO、Li2 O、B2 3
が含有されている。また、一層の当たりの層厚みは約5
0〜300μmである。また、トラップ電極2、共振電
極3、4、入出力端子電極8、9、アース導体10、各
伝送導体11〜13、及び実装アース導体14は、Ag
やCuを主成分となる導体材料からなる。
【0034】また、弾性表面波フィルタ6は、ニオブ酸
リチウム、タンタル酸リチウム、四硼酸リチウム、水晶
などの圧電単結晶基板や圧電セラミック基板の表面に、
アルミニウムなどを薄膜技法によって複数のインターデ
ジタル電極が被着形成されている。具体的には、インタ
ーデジタル電極により構成される複数の直列共振部と複
数の並列共振部が形成され、さらに入力パッド、出力パ
ッド及びアースパッドを有している。そして、直列共振
部と並列共振部とがラダー状に接続されている。
【0035】このように弾性表面波フィルタ6は、キャ
ビティー部5の底面に露出する第2の伝送導体12、第
3の伝送導体13及び実装アース導体14に、バンプや
導電性接着剤などを接続されるように、圧電基板の表面
をキャビティー部5の底面側に対向するように収容され
る。
【0036】そして、弾性表面波フィルタ6が収容され
たキャビティー部5は、その開口が金属製蓋体7によっ
て封止される。例えば、金属製蓋体7は平板状となって
おり、積層体基板1の開口周囲のアース導体10と半田
や溶接などによって被覆封止される。尚、溶接を行う場
合、キャビティー部5の開口周囲の導体の厚みを若干厚
くしたり、また、その周囲にシームリングを配置しても
構わない。また、弾性表面波フィルタ6の特性の安定化
のために、キャビティー部5の内部雰囲気を所定ガスで
充満させても構わない。
【0037】このようなラインフィルタを有する積層体
基板1と弾性表面波フィルタ6とからなる複合フィルタ
は、フィルタ前段部のトラップ電極2とから成るトラッ
プ回路部と、フィルタ中段部であり共振電極3、4とか
ら成るフィルタ回路部の一部と、フィルタ後段部の弾性
表面波フィルタ6とでフィルタが構成されることにな
る。
【0038】具体的には、トラップ回路は、第1の伝送
導体11とトラップ電極2との間の結合容量成分とトラ
ップ電極2とで構成される。そして、反共振周波数より
低周波側ではインダクタとして機能するため、該結合容
量と共に直列共振回路が伝送導体11とグランド電位の
間に構成されることになる。
【0039】フィルタ回路は、例えば2つの帯状の共振
電極3、4が所定の間隔をあけて形成されており、ま
た、帯状の共振電極3、4の開放端部側が、誘電体層1
bを介して伝送導体11、12に対向している。また、
共振電極3、4の他端部側は夫々積層体基板1の側面に
形成されたアース導体膜10に接続されている。これに
より2つの帯状の共振電極3、4は、各々1/4波長型
共振手段を構成することになり、各共振電極3、4を誘
導結合させることによりフィルタを構成される。
【0040】これより、所定通過帯域特性のフィルタを
構成する。
【0041】このような構造の複合フィルタは、図4に
示すような等価回路となる。例えば、複合フィルタの入
力端子電極8と出力端子電極9との間に、積層体基板1
に形成されたトラップ電極2を中心とするフィルタ前段
部であるトラップ回路、共振電極3、4を中心とするフ
ィルタ中段部であるフィルタ回路、積層体基板1のキャ
ビティー部5内に収容されたフィルタ後段部である弾性
表面波フィルタ6とが配置されている。尚、図4におけ
る容量C1は、トラップ電極2と伝送導体11との間で
発生する結合容量であり、容量C2は共振電極3と伝送
導体11との間で発生する結合容量であり、容量C3は
共振電極4と伝送導体12との間で発生する結合容量で
ある。そして、フィルタの中段部を構成するフィルタ回
路の共振電極3、4は、互いに誘導結合Mによって結合
されている。さらに、点線で示す弾性表面波フィルタ6
は、3つの直列共振部と2つの並列共振部とが夫々ラダ
ー回路状に接続されて構成されている。
【0042】本発明においては、第1の帯状内部電極で
あるトラップ電極2と第1の帯状内部電極である共振電
極3との間は、キャビティー部5が配置され、しかも、
このキャビティー部5の底面が、トラップ電極2、共振
電極3、4が並設された誘電体層1bの表面よりも下層
の誘電体層1cの表面となっている。
【0043】従って、積層体基板1の厚み方向に着目す
ると、互いに電磁界結合しあってはならないトラップ電
極2と共振電極3とをキャビティー部5の空間で分断す
るようになっている。キャビティー部5の形状が、弾性
表面波フィルタ6の小型化するに従って小さくなって
も、トラップ電極2と共振電極3との間をキャビティー
部5の空間で分断するため、両者の電磁界結合を有効に
抑えることができる。
【0044】尚、一般に誘電体基板上に、トラップ電極
2と共振電極3とを並設する場合、2.0mm以上離す
ことが要求されているが、本発明のように、両者間をキ
ャビティー部5の空間で分断することにより、両者間の
電磁界結合しあうことを有効に防止することができる。
これにより、キャビティー部5の形状が、2mm角以下
となっても特性を劣化させることがなく、小型化に充分
に対応させることができる。
【0045】また、本発明では、積層体基板1内に、ト
ラップ電極2、共振電極3、4が配置されており、積層
体基板1の表面が実質的にアース電位の導体によって被
覆されているため、トラップ電極2、共振電極3、4を
外部から完全に遮断でき、外周のアース導体と共振電極
3、4との間にで完全に遮断でき、また、共振電極3、
4とアース導体10との間に共振回路を構成する容量成
分を安定して得ることができる。
【0046】さらに、弾性表面波フィルタ6を収容した
キャビティー部5の開口を、平板状金属製蓋体7により
封止できるため、弾性表面波フィルタ6の動作を安定化
させることができる。また、弾性表面波フィルタの実装
性、気密封止信頼性が非常に向上し、且つフィルタ全体
の低背化が可能となる。
【0047】上述の実施例では、移動体通信機器のアン
テナ受信フィルタに適用した場合では、第1の帯状内部
電極をトラップ電極2、第2の帯状内部電極を共振電極
3として説明した。
【0048】しかし、本発明は、移動体通信機器の受信
側フィルタだけでなく、送受信フィルタを兼ね備えたア
ンテナフィルタに用いても構わない。
【0049】このアンテナフィルタの一例を図5に示
す。誘電体層1b上に、送信側フィルタ回路を構成する
3つの帯状共振電極21、22、23が並設されてい
る。また、受信側フィルタ回路を構成する2つの帯状共
振電極3、4が並設されている。
【0050】ここで、本発明でいう第1の帯状内部電極
は、送信側フィルタ回路を構成する共振電極23であ
り、第2の帯状内部電極は、受信側フィルタ回路を構成
する共振電極3である。
【0051】このように、送信側フィルタ回路と受信側
フィルタ回路との間に、キャビティー部5が形成されて
いる。
【0052】このような構成によれば、キャビティー部
5によって、送信側フィルタ回路の共振電極23と受信
側フィルタ回路の共振電極3とが互いに相互干渉するこ
とがないため、両フィルタ回路の通過帯域特性が変動す
ることが一切ない。
【0053】図5において、誘電体層1c上には、伝送
導体27、28、12、13及び実装アース導体14が
形成されている。そして、伝送路27は、一端が受信端
子電極24に接続し、他端が送信側フィルタ回路を構成
する共振電極21の一端に対向するように配置されてい
る。伝送導体28は、その一部がアンテナ端子25に接
続するとともに、その一端が送信側フィルタ回路を構成
する共振電極23の一端部に対向し、他端が受信側フィ
ルタ回路を構成する共振電極3の一端に対向するように
配置されている。伝送導体12、14は実質的に図3と
同一の構造である。
【0054】以上、本発明は、図1〜図4に示すように
トラップ回路を有する受信フィルタに、また、図5に示
すように、受信側フィルタ回路と送信側フィルタ回路と
を具備するアンテナフィルタなどのように用いることが
できる。即ち、異なる機能の隣接しあう第1及び第2の
帯状内部電極間に、弾性表面波フィルタ6が収容された
キャビティー部5によって空間的に仕切られる。このた
め、両内部電極の動作が非常に安定する。
【0055】尚、上記実施例では、伝送路を1つの誘電
体層、例えば誘電体層1bと誘電体層1cとの層間に形
成しているが、共振電極との不要な結合を防止し、ま
た、伝送路の引回し形状を容易にするために、別の誘電
体層をさらに積層一体化し、その誘電体層上に形成して
も構わない。
【0056】また、上述の実施例では、第1の帯状内部
電極と第2の帯状内部電極とが同一平面上に形成されて
いるが、夫々異なる誘電体層に形成しても構わない。こ
の場合、キャビティー部5の底面を、下層に位置する帯
状内部電極よりも更に下層に位置する誘電体層表面とす
ればよい。
【0057】上述の実施例では、各誘電体層の厚みを貫
くビアホール導体を有していないが、各伝送導体の接続
や共振電極、トラップ電極の他端部の短絡部分に、ビア
ホール導体を用いても構わない。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明の複合フィルタによ
れば、積層体基板の内部に第1の帯状内部電極と第2の
帯状内部電極との間に、弾性表面波フィルタが収容され
たキャビティー部が形成されている。そして、キャビテ
ィー部の底面は、第1及び第2の帯状内部電極よりも下
面となる位置となっている。
【0059】即ち、ストリップラインフィルタと弾性表
面波フィルタとの組み合わせにより、無負荷Q値が良好
で、減衰特性に優れられ、且つ小型化が可能となる。
【0060】また、隣接しあう第1の帯状内部電極と第
2の帯状内部電極との間の不要な結合を抑制することが
でき、安定したフィルタ特性が得られる。
【0061】さらに、弾性表面波フィルタを収容したキ
ャビティー部の開口を、平板状金属製蓋体により封止し
ているので、密閉封止が容易となり、弾性表面波フィル
タの実装性が非常に向上し、且つフィルタの低背化が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合フィルタの外観斜視図である。
【図2】本発明の複合フィルタの断面構造図であり、
(a)は図1中X−X線の断面、(b)は図1中Y−Y
線の断面を示す。
【図3】本発明の複合フィルタに用いる積層体基板の分
解斜視図である。
【図4】本発明の複合フィルタの等価回路図である。
【図5】本発明の他の複合フィルタの分解斜視図であ
る。
【図6】従来のストリップラインフィルタの外観斜視図
である。
【符号の説明】 1・・・・積層体基板 1a、1b、1c・・・・誘電体層 2、23・・・第1の帯状内部電極(トラップ電極) 3・・・第2の帯状内部電極(共振電極) 4、21、22・・共振電極 5・・・キャビティー部 6・・・弾性表面波フィルタ 7・・・金属製蓋体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J006 HB05 JA01 JA06 JA09 JA10 JA12 KA03 KA21 LA03 LA13 LA19 LA21 NA04 NC03 PA01 PA06 PA10 PB03 5J097 AA13 AA30 BB15 JJ01 KK10 LL01 LL08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体層を積層して成る積層体基
    板の層間に、第1の帯状内部電極と第2の帯状内部電極
    とを配置したラインフィルタと、弾性表面波フィルタと
    から成る複合フィルタにおいて、 前記ラインフィルタに、底面が前記第1及び第2の帯状
    内部電極を並設配置した誘電体層間よりも下層に位置す
    るキャビティー部を設けるとともに、該キャビティー部
    内に弾性表面波フィルタを収容し、且つ前記キャビティ
    ー部を金属製蓋体により密閉したことを特徴とする複合
    フィルタ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6424080B2 (en) * 2000-02-01 2002-07-23 Murata Manufacturing Co., Ltd. Piezoelectric element and method of producing the same

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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