JPH1197787A - 半導体レーザ制御装置 - Google Patents

半導体レーザ制御装置

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JPH1197787A
JPH1197787A JP25950197A JP25950197A JPH1197787A JP H1197787 A JPH1197787 A JP H1197787A JP 25950197 A JP25950197 A JP 25950197A JP 25950197 A JP25950197 A JP 25950197A JP H1197787 A JPH1197787 A JP H1197787A
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transistor
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potential
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Hidetoshi Ema
秀利 江間
Masaaki Ishida
雅章 石田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集積化された構成の下、電源投入時に電源電
圧が低い場合はもちろん高すぎる場合にも半導体レーザ
のオフ状態を確保して、電源電圧の変動に起因する集積
回路若しくは半導体レーザの保護・安全を図る。 【解決手段】 電源電圧が所望の電位範囲にある場合の
み動作開始を許容するスタートアップ部35を備えるこ
とで、電源投入時には電源電圧が所望の電位に達するま
でだけでなく、所望の電位範囲を越える場合にも半導体
レーザ1の光出力をオフさせ、電源電圧が所望の電位範
囲内にある場合のみ半導体レーザ1を稼働状態とするこ
とで、半導体レーザ1を劣化や破損から保護し、かつ、
半導体レーザ1が不用意に発光してしまうような不都合
を回避して安全性を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザプリンタ、
デジタル複写機、光ディスク装置、光通信装置等におけ
る光源として用いられる半導体レーザを駆動制御するた
めの半導体レーザ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザは極めて小型であって、か
つ、駆動電流により高速に直接変調を行うことができる
ので、近年、レーザプリンタ等の光源として広く使用さ
れている。
【0003】しかし、半導体レーザの駆動電流と光出力
との関係は、温度により著しく変化するので、半導体レ
ーザの光強度を所望の値に設定しようとする場合に問題
となる。この問題を解決して半導体レーザの利点を活か
すために、従来、様々なAPC(Automatic Power C
ontrol)回路が提案されている。
【0004】このAPC回路は以下の〜の3つの方
式に大別される。 半導体レーザの光出力を受光素子によりモニタし、
この受光素子に発生する半導体レーザの光出力に比例す
る受光電流に比例する信号と、発光レベル指令信号とが
等しくなるように、常時、半導体レーザの順方向電流を
制御する光・電気負帰還ループにより半導体レーザの光
出力を所望の値に制御する方式。 パワー設定期間内には半導体レーザの光出力を受光
素子によりモニタし、この受光素子に発生する受光電流
(半導体レーザの光出力に比例する)に比例する信号
と、発光レベル指令信号とが等しくなるように半導体レ
ーザの順方向電流を制御し、パワー設定期間外にはパワ
ー設定期間中に設定した半導体レーザの順方向の値を保
持することにより、半導体レーザの光出力を所望の値に
制御するとともに、パワー設定期間外にはパワー設定期
間中に設定した半導体レーザの順方向電流を情報に基づ
いて変調することにより半導体レーザの光出力に情報を
載せる方式。 半導体レーザの温度を測定し、その測定した温度信
号によって半導体レーザの順方向電流を制御したり、又
は、半導体レーザの温度を一定とするように制御するこ
とで、半導体レーザの光出力を所望の値に制御する方
式。
【0005】半導体レーザの光出力を所望の値とするた
めには、の方式が望ましい。しかし、受光素子の動作
速度や、光・電気負帰還ループを構成している増幅素子
の動作速度等の限界により制御速度に限界が生じる。例
えば、制御速度の目安として、光・電気負帰還ループの
開ループでの交叉周波数を考慮した場合、この交叉周波
数をf0 としたとき、半導体レーザの光出力のステップ
応答特性は、 Pout =P0{1−exp(−2πf0t)} Pout ;半導体レーザの光出力 P0 ;半導体レーザの設定された光強度 t ;時間 により近似される。
【0006】半導体レーザの多くの使用目的では、半導
体レーザの光出力を変化させた直後から、設定された時
間τ0 が経過するまでの全光量(光出力の積分値∫P
out・dt)が所定の値となることが必要とされ、 ∫Pout ・dt =P0・τ0{1−(1/2πf0τ0 )[1−exp(−2
πf0τ0 )]} のような式で表される。
【0007】仮に、τ0 =50ns、誤差の許容範囲を
0.4%とした場合、f0 >800MHzとしなければ
ならず、これは極めて困難である。
【0008】また、の方式では、の方式による上記
のような問題は発生せず、半導体レーザを高速に変調す
ることが可能であるので多用されている。しかし、この
の方式によると、半導体レーザの光出力を常時制御し
ている訳ではないので、外乱等により容易に半導体レー
ザの光量変動を生じてしまう。外乱としては、例えば、
半導体レーザのドゥループ特性があり、半導体レーザの
光量はこのドゥループ特性により容易に数%程度の誤差
を生じてしまう。半導体レーザのドゥループ特性を抑制
する試みとして、半導体レーザの熱時定数に半導体レー
ザ駆動電流の周波数特性を合わせて補償する方法などが
提案されているが、半導体レーザの熱時定数は各半導体
レーザ毎に個別にばらつきがあり、また、半導体レーザ
の周囲環境により異なる等の問題がある。
【0009】このような点を考慮した改良方式が、例え
ば、特開平2−205086号公報により提案されてい
る。同公報によれば、図17に示すように、半導体レー
ザ1の光出力を受光素子2によりモニタし、その出力と
発光レベル指令信号(DATA)とが等しくなるように、常
時、半導体レーザ1の順方向電流を制御する光・電気負
帰還ループ3と、発光レベル指令信号(DATA)を半導体
レーザ1の順方向電流に変換する電流駆動部4とを有
し、光・電気負帰還ループ3の制御電流と電流駆動部4
により生成された駆動電流の和(又は、差)の電流によ
って半導体レーザ1の光出力を制御する方式が開示され
ている。図示例では、前記光・電気負帰還ループ3は半
導体レーザ1と受光素子2とIDA1 なる定電流源5と反
転増幅器6とにより構成され、この反転増幅器6の出力
により、抵抗Re とともに半導体レーザ1に直列に接続
された駆動トランジスタ7を駆動制御するように構成さ
れている。また、電流駆動部4はIDA2 なる定電流源8
により構成されている。
【0010】これによれば、半導体レーザ1を電流駆動
部4により直接駆動する電流に相当する光出力をPS
した場合、半導体レーザ1の光出力のステップ応答特性
は、 Pout =P0 +(PS −P0 ){1−exp(−2πf0
)} で近似される。PS ≒P0 であれば、瞬時に半導体レー
ザの光出力がP0 に等しくなるので、f0 の値は光・電
気負帰還ループ3のみの場合に比べて小さくてよい。図
18(a)が光・電気負帰還ループ3のみによる場合の
光出力の変化の様子を示すのに対し、図18(b)は電
流駆動部4による定電流分IDA2 が付加された場合の光
出力の変化の様子を示す。現実的には、f0 =40MH
z程度であればよく、この程度の交叉周波数であれば容
易に実現できる。
【0011】次に、レーザプリンタを例に採り、1ドッ
ト多値化技術の経緯について説明する。レーザプリンタ
は、当初、ラインプリンタに代わるノンインパクトプリ
ンタとして開発されたが、レーザプリンタの高速高解像
性からイメージプリンタとしての適用が早くから検討さ
れ、ディザ法をベースとした様々な記録方法が実用化さ
れている。また、近年の半導体技術の急速な進展によ
り、処理可能な情報量が急速に増大し、レーザプリンタ
においては、1ドット多値化技術が実用化され、より確
実にイメージプリンタとしての地位を固めつつある。し
かしながら、現行の多値化レベルはハイエンド機におい
ては8ビット相当の出力レベルを備えているが、ローエ
ンド機では高々数値程度に抑えられている。これは、一
因としては情報量の多さもあるが、主として、1ドット
多値化出力を実現する半導体レーザ制御変調部の回路規
模が大きく高価であることによる。
【0012】現在、1ドット多値化出力を行う半導体レ
ーザ制御変調方式としては、 A.光強度変調方式 B.パルス幅変調方式 C.パルス幅強度混合変調方式 が提案されている。
【0013】A.光強度変調方式(PM=Power Modu
lation) 光出力自身を変化させて記録する方式であり、中間露光
領域を利用して中間調記録を実現するため、印字プロセ
スの安定化が重要な要件であり、印字プロセスに対する
要求が厳しくなる。しかしながら、半導体レーザの制御
変調は容易となる。
【0014】B.パルス幅変調方式(PWM=Pulse
Width Modulation) 光出力レベルとしては2値であるが、その発光時間(つ
まり、パルス幅)を変化させて記録する方式であるの
で、PM方式と比較すると、中間露光領域の利用度が少
なく、さらに、隣接ドットを結合させることにより中間
露光領域を一層低減させることが可能となる(印字プロ
セス安定性に対する要求が低減する)。しかし、パルス
幅設定を8ビット、かつ、隣接ドット結合を実現する場
合には半導体レーザ制御変調部の構成は複雑となる。
【0015】C.パルス幅強度混合変調方式(PWM+
PM方式) PM方式では印字プロセスの安定化への要求が厳しくな
り、PWM方式では半導体レーザ制御変調部が複雑とな
る問題を有することから、これらのPM方式とPWM方
式とを組み合わせた方式であり、例えば、特開平6−3
47852号公報中に開示されている。
【0016】この変調方式は、基本的には2値記録方式
であり、印字プロセスに対して安定であるPWM方式を
基調とし、そのパルス間の移り変わり部をPM方式によ
り補完する方式である。この変調方式は、同じ階調数を
実現する場合、各々単独の変調方式に比較して、必要と
なるパルス幅数、パワー値数が組み合わせることにより
少なくなるので、各々の方式分の構成を容易に達成で
き、印字プロセスに対して安定であると同時に集積化に
適しており、小型化・低コスト化を図ることができる。
【0017】このような変調方式を実現するため、半導
体レーザ制御装置には、基本的には図19に示すような
画像データと画素クロックとを入力とするパルス幅生成
部及びデータ変調部11が設けられ、このパルス幅生成
部及びデータ変調部11が図17に例示したような回路
構成の半導体レーザ制御部及び半導体レーザ駆動部12
に対する発光レベル指令信号なるDATAを出力するように
構成されている。即ち、入力される画像データに従って
パルス幅生成部及びデータ変調部11によりPWM方式
を基調とし、その移り変わり部をPM方式により補完す
る。その半導体レーザの光出力波形の基本概念図を図2
0に示す。図20にはパルス幅3値、パワー6値の合計
18階調を出力する場合における半導体レーザの光出力
波形を模式的に示すものである。
【0018】この変調方式は、図示のように基本的には
PWM方式であるので、中間露光領域を利用する強度変
調部は最小パルス幅で出力する必要がある。このような
光出力を得るためには、例えば、図21に示すようにパ
ルス幅をPWMとすると、PWMOUT とPWMOUT+P
OUT(PMOUT は最小パルス幅)、又は、PWMOUT
PMOUT (PMOUT は最小パルス幅)との2パルスを生
成すればよい。PWMOUT のパルスにおいて全ビットを
Hレベルにし、PMOUT のパルスにおいてデータに従っ
て各ビットをオン・オフさせれば、図20や図21に示
すような光出力の波形を得ることができる。図20中、
上段が右寄せの右モード、下段が左寄せの左モードを示
す。
【0019】このような1ドット内でのパルス幅強度混
合変調方式をより具体的に実現するため、C‐MOSデ
バイスを用いたIC化によりパルス幅生成部を簡便に構
成し、バイポーラトランジスタを用いたIC化により光
・電気負帰還ループ部の設計を容易にする提案が、例え
ば特開平6−347852号公報等によりなされてい
る。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この特開平
6−347852号公報に示される方式によっても、光
・電気負帰還ループによる制御量を少なくする電流加算
方式と、1ドット内でのパルス内でのパルス幅強度混合
変調方式とを、より小型で省電力化を達成し得るように
集積度を高めた構成で実現し、より高速かつ高精度で安
全に機能させる上では、まだ、改良の余地がある。特
に、電源投入時等の電源電圧が不安定な状況下で半導体
レーザの保護・安全を図る点や、必要なイニシャル動作
の正確さと安全性とを確保する点で必ずしも十分ではな
い。例えば、電源電圧を考えた場合、電源電圧が所定の
電位に立上るまでの間に半導体レーザに過大な電流が流
れると半導体レーザが劣化や破損してしまうこともあ
る。また、元々、電源電圧はその変動要素が大きいもの
であり、一旦、所定の電位に立上った後でも他からの影
響或いは人体からの影響でパルス的に静電ノイズが載っ
て過大な電圧となることもある。さらには、プリンタ等
においてジャム処理等のために装置カバーを開放させた
ような場合には、半導体レーザが発光したままでそのレ
ーザ光が眼に入るような事態があっては困る。さらに、
別の観点によれば、パルス幅強度混合変調方式を利用す
る場合、パルス幅生成部及びデータ変調部11により生
成された信号が光・電気負帰還ループ3中に与えられて
半導体レーザ1の光出力制御に供されるが、パルス幅生
成部及びデータ変調部11が正常に動作していない状態
で制御がかかると必ずしも適正な制御とはならない。
【0021】そこで、本発明は、半導体レーザのパルス
幅強度混合変調方式を、より高速かつ高精度に機能させ
る上で、電源電圧の変動に伴う弊害を回避し、かつ、電
源投入時のイニシャル動作の正確性を確保することがで
き、半導体レーザの保護及び安全性の高い半導体レーザ
制御装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
入力データに基づいて、前記入力データに対してパルス
幅変調と強度変調とを同時に行う発光指令信号を生成す
るパルス幅変調・強度変調信号生成部と、半導体レーザ
と、前記半導体レーザの光出力をモニタする受光素子と
ともに光・電気負帰還ループを形成して前記受光素子か
ら得られる前記半導体レーザの光出力に比例した受光信
号と前記パルス幅変調・強度変調信号生成部から与えら
れる発光指令信号とが等しくなるように前記半導体レー
ザの順方向電流を制御する誤差増幅部と、前記光・電気
負帰還ループの制御電流との和又は差の電流により前記
半導体レーザの駆動を制御するように生成されて前記パ
ルス幅変調・強度変調信号生成部から与えられる発光指
令信号に応じた駆動電流を前記半導体レーザに順方向電
流として流す電流駆動部とを備え、これらのパルス幅変
調・強度変調信号生成部と誤差増幅部と電流駆動部とを
1チップの集積回路で形成するとともに、電源投入時に
電源電圧が所望の電位範囲にある場合のみ動作開始を許
容するスタートアップ部を備える。
【0023】従って、より小型で省電力化を達成する集
積化された構成の下に、電源投入時には電源電圧が所望
の電位に達するまでだけでなく、所望の電位範囲を越え
る場合にも半導体レーザの光出力をオフさせ、電源電圧
が所望の電位範囲内にある場合のみ半導体レーザを稼働
状態とすることが可能となるので、半導体レーザを劣化
や破損から保護し得るとともに、半導体レーザが不用意
に発光してしまう不都合を回避して安全性を高めること
ができ、さらには、イニシャル動作の正確性も確保でき
る。
【0024】請求項2記載の発明は、請求項1記載の半
導体レーザ制御装置のスタートアップ部は、電源電圧が
所望の電位範囲内にあることを監視するためのアルゴリ
ズムに基づく論理構成とされている。従って、請求項1
記載の発明のスタートアップ部の機能を簡単に実現し得
る上に、1チップの集積回路内への集積化も容易とな
る。
【0025】請求項3記載の発明は、請求項1記載の半
導体レーザ制御装置のスタートアップ部は、電源電圧の
電位に関係なく動作を停止させるリセット部を備える。
従って、半導体レーザの発光に関する安全性を高めるこ
とができる。
【0026】請求項4記載の発明は、入力データに基づ
いて、前記入力データに対してパルス幅変調と強度変調
とを同時に行う発光指令信号を生成するパルス幅変調・
強度変調信号生成部と、半導体レーザと、前記半導体レ
ーザの光出力をモニタする受光素子とともに光・電気負
帰還ループを形成して前記受光素子から得られる前記半
導体レーザの光出力に比例した受光信号と前記パルス幅
変調・強度変調信号生成部から与えられる発光指令信号
とが等しくなるように前記半導体レーザの順方向電流を
制御する誤差増幅部と、前記光・電気負帰還ループの制
御電流との和又は差の電流により前記半導体レーザの駆
動を制御するように生成されて前記パルス幅変調・強度
変調信号生成部から与えられる発光指令信号に応じた駆
動電流を前記半導体レーザに順方向電流として流す電流
駆動部とを備え、これらのパルス幅変調・強度変調信号
生成部と誤差増幅部と電流駆動部とを1チップの集積回
路で形成するとともに、電源投入時に前記パルス幅変調
・強度変調信号生成部が所定の動作状態となった時点で
動作開始を許容するスタートアップ部を備える。
【0027】従って、より小型で省電力化を達成する集
積化された構成の下に、発光指令信号を出力するパルス
幅変調・強度変調信号生成部が電源投入後に所定の動作
状態となった時点から動作開始を許容することで、半導
体レーザが現実に発光するまでのイニシャル動作を正確
かつ安全に行なわせることができる。
【0028】請求項5記載の発明は、請求項4記載の半
導体レーザ制御装置のスタートアップ部は、n段(n;
自然数)のトランジスタのベース・エミッタ間電圧に基
づきパルス幅変調・強度変調信号生成部が所定の動作状
態となった時点を検出する検出部を備える。従って、パ
ルス幅変調・強度変調信号生成部が動作状態となった後
にスタートアップ部によるスタートアップ可能な構成を
簡単に実現できる上に、温度等の影響も受けずに安定し
て動作させることができる。
【0029】請求項6記載の発明は、請求項4記載の半
導体レーザ制御装置のスタートアップ部は、電源投入時
にのみ集積回路内の基準電流に過渡的にバイアス電流を
流すバイアス電流生成部を備える。従って、集積回路内
の基準電圧が立上る前の電源電圧の低い状態からスター
トアップ部の動作が可能となり、半導体レーザに対して
適正な制御がかかるため、半導体レーザの保護及び安全
性が向上する。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態を図1
ないし図14に基づいて説明する。本発明の半導体レー
ザ制御装置は、例えば、レーザプリンタ等における光書
込用に用いられる半導体レーザの光出力を制御するため
の制御装置として適用されている。ここに、本実施の形
態にあっても基本的には前述したようなパルス幅強度混
合変調方式や、光・電気負帰還ループの負担を軽減させ
る光・電気負帰還ループ+加算電流値制御方式を踏襲し
ており、図17ないし図21で示した部分と同一部分は
同一符号を用いて示す。
【0031】即ち、本実施の形態における半導体レーザ
制御装置13は、概略的には、図19に示したように、
パルス幅生成部及びデータ変調部11と半導体レーザ制
御部及び半導体レーザ駆動部(以下、略して半導体レー
ザ制御部及び駆動部という)12とにより構成されてい
る。
【0032】図1に、本実施の形態における半導体レー
ザ制御装置13の、より詳細な構成例を示す。まず、本
実施の形態では、入力データをパルス幅変調データと強
度変調データとに変換した複数のパルスを生成するパル
ス幅生成部及びデータ変調部11と半導体レーザ制御部
及び駆動部12とが、その一部の構成要素を除く殆どの
要素に関して1チップの集積回路20として集積化され
て構成されている。より詳細には、一部の回路構成に関
して後述する如く、バイポーラトランジスタにより1チ
ップ化されている。ここに、パルス幅生成部及びデータ
変調部11に関しては、特に詳述しないが、例えば、タ
イミングの異なる複数のパルスを生成するPLL構成の
パルス生成手段と、入力された画像データをパルス幅変
調データと強度変調データとに変換する論理記述を含む
データ変換部と、このデータ変換部から得られるパルス
幅変調データに従ってパルス生成手段の出力中からパル
スを選択するパルス幅変調部等を備えて構成されるが、
これらの論理記述等を実行するバイポーラトランジスタ
による回路構成とされている。
【0033】以下では、半導体レーザ制御部及び駆動部
12側についての基本的な構成及び動作を説明する。ま
ず、光・電気負帰還ループ3は、パルス幅変調・強度変
調信号生成部を構成する発光指令信号設定部21及び発
光指令信号生成部22と、誤差増幅部23(反転増幅器
6に相当する)と、電流駆動部24と、半導体レーザ1
及び受光素子2と、により構成されている。前記発光指
令信号生成部22は発光指令信号生成部第1構成部(図
面上は「第1発光指令信号生成部」と表記する)22a
と発光指令信号生成部第2構成部(図面上は「第2発光
指令信号生成部」と表記する)22bとにより構成され
ている。動作としては、変調されたデータに従って発光
指令信号生成部第1構成部22aにて生成された電流
と、半導体レーザ1の光出力に比例して受光素子2より
出力されるモニタ電流とを比較し、その誤差分を誤差増
幅部23及び電流駆動部24を介して半導体レーザ1の
順方向電流に変換することにより光・電気負帰還ループ
3を構成する。ここで、一般に半導体レーザ1の微分量
子効率や受光素子2の光・電気変換受光感度には素子ば
らつきがあるので、各々の特性に合わせて、電流値を設
定する必要がある。このような素子ばらつきに関して
は、前記発光指令信号設定部21において、半導体レー
ザ1が所望の光出力となるように外部からの電流設定信
号により電流値IDA 1 、即ち、直流動作的には受光素子
2のモニタ電流値を設定することにより、個体差を吸収
して半導体レーザ1が常に所望の光出力となるように設
定することが可能となる。前記電流駆動部24は、例え
ば差動スイッチ構成で前記誤差増幅部23の出力を所望
の電位分瞬時に電圧シフトする高速電圧シフト部25と
して構成されている。この高速電圧シフト部25による
電圧シフトは、瞬時に半導体レーザ1の順方向電流とな
り、半導体レーザ1の光出力の高速変調が可能とされて
いる。特に、光・電気負帰還ループ3なる制御系内にこ
の電流駆動部24として機能する高速電圧シフト部25
を有して光・電気負帰還ループ3側と同一の出力部を持
たせることにより、集積回路20を構成する上で、素子
数の低減と消費電力の低減とを図れる。
【0034】また、半導体レーザ1の微分量子効率や発
振閾値電流に関しては、用いる半導体レーザ1の経時変
化や温度により大きく変動するため、使用する条件にお
ける各々の値を検出し、その検出値に応じて半導体レー
ザ1が所望の光量となる順方向電流で駆動することによ
り、図18(b)に示すような波形を得ることができ
る。半導体レーザ1の微分量子効率を検出し、電圧シフ
ト量を設定する機能を実現するためのブロックが、図1
中では、タイミング生成部31、微分量子効率検出部3
2、メモリ部33及び加算電流設定部34により構成さ
れている。これにより、概略的には、タイミング生成部
31において誤差増幅部23の制御速度より十分遅いタ
イミング信号を生成し、そのタイミングにおいて半導体
レーザ1の微分量子効率を微分量子効率検出部32によ
り検出し、その検出結果をメモリ部33に記録し、その
メモリ部33のデータに従い、加算電流設定部34の電
流値を設定する。この動作は電源投入時若しくはリセッ
ト時(半導体レーザ1の光出力オフ時)といった所定の
イニシャライズ時だけイニシャライズ動作として行わ
れ、通常動作時には、加算電流設定部34の電流値を保
持する。
【0035】また、電源投入時のような電源電圧等の過
渡時においても、レーザ光からの安全を確保したり、過
大電流が流れることにより発生する半導体レーザ1の破
壊や劣化から保護するためには、この半導体レーザ1の
光出力は制御されなければならない。この機能は図1中
に示すスタートアップ部35において実現する。その基
本的な動作としては、後述するように、電源電圧が所望
の電位範囲内にない場合には低くても高くても半導体レ
ーザ1の光出力を強制オフとし、電源電圧が所望の電位
範囲内にある場合のみ半導体レーザ1の光出力をイニシ
ャライズ設定が可能な状態とする。
【0036】つづいて、集積回路20中に含まれる各部
の構成及び動作について説明する。図2に誤差増幅部2
3及び高速電圧シフト部25のバイポーラトランジスタ
を用いた回路構成例を示す。まず、発光指令信号生成部
22(発光指令信号生成部第1構成部22a)にあるP
D端子において、この発光指令信号生成部22中の後述
するD/A変換部により入力されたデータを電流IDA1
に変換し、受光素子2より半導体レーザ1の光出力に比
例して流れるモニタ電流IPDと比較し、その結果を発光
指令信号生成部22中のトランジスタQ1 のベースにお
いて検出する。この結果をトランジスタQ2 ,Q3 等で
構成される差動アンプ41に入力し、その出力をLD端
子より半導体レーザ1の順方向電流とする光・電気負帰
還ループ3を構成している。ここに、差動アンプ41よ
りLD端子に至る間に、トランジスタQ4 ,Q5 ,抵抗
2 等で構成されて差動回路となる差動スイッチ42に
よりその出力を所望の電位分、瞬時に電圧シフトするよ
うに高速電圧シフト部25が構成されている。この電圧
シフトは、トランジスタQ6 ,Q7 等で構成されるエミ
ッタフォロワ43を介して瞬時に半導体レーザ1の順方
向電流となる。ここに、本実施の形態においては、前述
したように、最終的に半導体レーザ1を駆動する駆動ト
ランジスタ7と抵抗Re とを集積回路20に対して外付
けとしており、この駆動トランジスタ7と抵抗Re
は、半導体レーザ1を駆動するために数十〜数百mA程
度の電流を流す必要があるが、本実施の形態のような構
成の場合、半導体レーザ制御部及び駆動部12内部にお
ける電流は、駆動部(駆動トランジスタ7)につながる
出力部においてもせいぜい数mAで十分であるので、消
費電力が低減し、集積化(LSIの開発)が容易とな
る。図2に示す回路において、電流駆動部24の電圧シ
フト量を決定しているのが、抵抗R2 ,R3 、トランジ
スタQ9 等であるが、上述したように半導体レーザ1の
微分量子効率には素子ばらつきがあり、また、経時変化
による効率劣化があるため、半導体レーザ1の微分量子
効率を微分量子効率検出部32で検出し、この電圧シフ
ト量を設定する構成とすることにより、前述した図18
(b)に示したような光出力PS が重畳された理想的な
光出力を得ることができる。また、図2に示す回路にお
いて、トランジスタQ2 ,Q3 等で構成される差動アン
プ41は、抵抗R4 において電源電圧Vccよりの降下電
圧としてその出力を構成しているが、光・電気負帰還ル
ープ3は半導体レーザ1の光出力をリアルタイムで制御
しているので、電源電圧変動も同時に制御している。ま
た、受光素子2を経てPD端子(発光指令信号生成部第
1構成部22a中のトランジスタQ1 のベース電位)に
て検出した結果を、差動アンプ41に入力する過程で、
トランジスタQ10,Q11,抵抗R4 を介して帰還をかけ
ており、この差動アンプ41の電圧ゲインを抵抗R5
6 の抵抗値により決定し、ゲインを小さくすることで
この差動アンプ41の交叉周波数をより高くし制御速度
を向上させている。
【0037】また、前記集積回路20中にはタイミング
生成部31に接続されたスタートアップ部35とともに
電源部61が設けられている。
【0038】図3に電源部61のバイポーラトランジス
タを用いた回路構成例を示す。この電源部61において
は、Q51,Q52,R21,R22,R23等で構成される回路
においてバンドギャップリファレンスを形成し、 V=(Q53のエミッタ電位−Vbe) Vbe;トランジスタのベース・エミッタ間電圧 が温度によりなるべく変化しないようにトランジスタの
エミッタ面積や抵抗値を決定する。その結果、トランジ
スタQ54,Q55,Q56の各々のエミッタ電位が温度特性
を持たない安定電位となる。図3に示す回路構成の場
合、トランジスタQ54のエミッタに抵抗R24を接続する
ことにより流れる電流をカレントミラー回路63で折り
返すことにより集積回路20内で用いる基準電圧用の電
流源を生成する。つまり、集積回路20中、後述するス
タートアップ部35中等におけるVBBP端子をベース電位
とするPNPトランジスタを流れる電流は全て定電流源
となり、VBBN端子をベース電位とするNPNトランジス
タを流れる電流は全て定電流源となり、各々のトランジ
スタのエミッタに接続される抵抗によりその電流値が決
定される。
【0039】次に、スタートアップ部35について説明
する。このスタートアップ部35は、基本的には、電源
投入時に電源電圧Vccがまだ所望の電位に達するまでの
期間に、半導体レーザ1に過大電流が流れることにより
発生する半導体レーザ1の劣化や破損からの保護と、前
記タイミング生成部31において必要なイニシャライズ
開始信号の生成を行う役目を担う。このためには、例え
ば図4(b)に示すような参照電位生成のアルゴリズム
に従えばよいといえる。即ち、2つの参照電位3,4を
生成し、電源電圧Vccが0Vから所望の電位となるまで
は、 参照電位4>参照電位3 なる関係が成立するが、電源電圧Vccが所望の電位以上
になった場合には、 参照電位4<参照電位4 なる関係が成立するようにすれば、これらの参照電位
3,4をスイッチ回路に入力させ、そのスイッチ回路の
出力で半導体レーザ1の光出力を制御できればよいとい
える。ところが、電源電圧Vccが所望の電位を大幅に越
えて大きくなった場合には半導体レーザ1の光出力を制
御することができない不都合がある。電源電圧Vccが大
幅に大きくなる事象として、現実に他からの影響或いは
手が触れる等の人体からの影響でパルス的に静電ノイズ
が載って過大な電圧となることがある。
【0040】そこで、以下に説明する本実施の形態のス
タートアップ部35では、このような過大な電位に伴う
不都合をも回避し得る参照電位生成のアルゴリズムが導
入されている。即ち、図4(a)に示すように、2つの
参照電位1,2を生成するに当たり、電源投入後、電源
電圧Vccが0Vから所望の電位に達するまでは、 参照電位1>参照電位2 なる関係が成立し、電源電圧Vccが所望の電位範囲内に
ある場合には、 参照電位1<参照電位2 なる関係が成立し、さらに、電源電圧Vccが所望の電位
範囲を越える場合には、 参照電位1>参照電位2 なる関係が成立するようにすることで、電源電圧Vcc
所望の電位範囲内にない場合には半導体レーザ1の光出
力を0(オフ)にさせるものである。つまり、電源電圧
ccが所望の電位範囲内にある場合のみ、半導体レーザ
1の動作開始を許容することで稼働状隊にすることを可
能とする。これにより、半導体レーザ1の劣化や破損か
らの保護を図れるとともに、不用意に発光してしまうこ
とに対する安全も確保することができる。
【0041】そこで、本実施の形態におけるスタートア
ップ部35の構成例を図5に示す。本実施の形態では、
このスタートアップ部35は第1のスタートアップ部3
5aと第2のスタートアップ部35bとにより構成され
ている。なお、第2のスタートアップ部35bに関して
は、発光指令信号設定部21とともに後述する。第1の
スタートアップ部35aに関して、電源投入時におい
て、電源電圧Vccが所望の電位よりも低い場合と、所望
の電位範囲内の場合と、所望の電位範囲を越える場合と
に分けて説明する。
【0042】まず、電源電圧Vccが所望の電位よりも低
い場合を考える。一般に、集積回路20内における基準
電位生成部(電源部61が相当する)においては、電源
電圧Vccが所望の電位に比較して十分に小さい場合には
基準電位VBBN,VBBPも生成されない。しかし、このよう
に電源電圧Vccが所望の電位よりもかなり低い場合であ
っても半導体レーザ1の保護及び不用意な発光を防止す
るため、半導体レーザ1の光出力を制御するように、電
源電圧Vccに比例した電流を生成するための電流源65
を備える。この電流源65は電源電圧VccラインとGN
Dとの間に接続された抵抗R36、トランジスタQ66、抵
抗R35により構成されている。トランジスタQ66に流れ
る電流は、電源電圧Vccに対してトランジスタ1個と抵
抗とによる構成のため、電源電圧Vccがトランジスタ1
個分のベース・エミッタ間電位Vbe(約0.7V)以上
になれば流れ始める。一般に、半導体レーザ1約1.5
〜2V程度の電圧がかからないと発光しないため、この
ような電流源65で、半導体レーザ1制御系の以降の論
理状態を半導体レーザ1がオフになるように設定すれば
よい。この電流源65で決まる電流は、一対のトランジ
スタQ61,Q62による差動スイッチ66に入力される。
ここで、一方のトランジスタQ62のベース電位は、電源
電圧Vccが所望の電位に比較して十分小さい場合には基
準電位VBBNがまだ生成されていないので、電源電圧Vcc
に等しくなる。他方のトランジスタQ61のベース電位
は、同じく基準電位VBBPが生成されていないため、GN
D電位に等しくなる。この結果、一対のトランジスタQ
57,Q58により構成される差動スイッチ67において
は、トランジスタQ57のベースがHレベル、トランジス
タQ58のベース電位がLレベルとなる論理状態となる。
この論理状態では、半導体レーザ1の光出力は強制オフ
状態となる。
【0043】つぎに、電源電圧Vccが所望の電位範囲内
にある場合を考える。この所望の電位範囲としては、例
えば、電源電圧Vccの設定された標準電位を5.0Vと
した場合、4.75〜5.25Vといった電位範囲が相
当する。このような電位状況では、電源部61によって
基準電位VBBN,VBBPが既に生成されているものとする。
このとき、差動スイッチ67におけるトランジスタQ58
のベース電位トランジスタQ59のコレクタ電位をエミッ
タフォロワ68を介して電圧シフトしているだけであ
り、結果として、トランジスタQ58のベース電位はトラ
ンジスタQ59のコレクタ電位により決定される。同様
に、トランジスタQ57のベース電位はトランジスタQ60
がオフしている限り、トランジタQ61のコレクタ電位に
より決定される。
【0044】ここに、トランジスタQ59のコレクタ電位
は、トランジスタQ64と抵抗R33とによる電流源69の
電流I1 と、電源電圧Vccとにより決定される。即ち、
トランジスタQ59のコレクタ電位VQ59cは、 VQ59c=Vcc−I1 ・R31 となる。この場合、電流I1 は基準電位VBBNをベース電
位とする定電流であるので、I1 ・R31は一定電位であ
る。従って、コレクタ電位VQ59cは電源電圧Vccの変動
に従い変化する電位を示す。
【0045】一方、トランジスタQ61のコレクタ電位V
Q61cは、上述の場合と同様であり、トランジスタQ65
抵抗R34とによる電流源70の電流をI2 とすると、 VQ61c=Vcc−I2 ・R32 となる。この際、抵抗R34,R35が抵抗値の等しいもの
であるとして、抵抗R36を流れる電流を考えると、 Vcc=(I2 +I3 )・R36+Vbe+I2 ・R35 なる関係が成立する。式中、I3 はトランジスタQ67
抵抗R37とにより構成される電流源(定電流源)を流れ
る電流値であり、VbeはトランジスタQ66のベース・エ
ミッタ間電位である。
【0046】この式によれば、 VQ61c=I3・R36+Vbe+I2・(R36+R35−R32) なる式に置き換えられる。式中、I3・R36は定電流に
よるため一定電位となり、Vbeもほぼ一定電位と見做し
得るので、R36+R35=R32なる関係に抵抗値が設定さ
れていれば、トランジスタQ61のコレクタ電位VQ61c
電源電圧Vccに依存しない一定電位となる。
【0047】つまり、トランジスタQ61のコレクタ電位
Q61cは一定電位であり、トランジスタQ59のコレクタ
電位VQ59cは電源電圧Vccに従い変化するので、双方の
電位を参照電位1,2の場合のように、適当に設定する
ことにより、電源投入時に電源電圧Vccの変化に応じて
トランジスタQ57,Q58による差動スイッチ67を適当
なタイミングでスイッチングさせることができる。
【0048】また、電源電圧Vccが所望の電位範囲を越
えるような場合を考える。電源電圧Vccが所望の電位範
囲内にある場合においては、トランジスタQ61のベース
電位はトランジスタQ62のベース電位より常に大きいこ
とを前提にしている。ところが、電源電圧Vccがさらに
大きくった場合には、トランジスタQ61のベース電位が
一定であるのに対して、トランジスタQ62のベース電位
は電源電圧Vccに従い変化するので、トランジスタ
61,Q62により構成される差動スイッチ66、トラン
ジスタQ59,Q60により構成される差動スイッチ71に
おいては、トランジスタQ62,Q60がオンする。この結
果、トランジスタQ57のベース電位はHレベル、トラン
ジスタQ58のベース電位はLレベルとなり、差動スイッ
チ67は電源電圧Vccが所望の電位範囲の状態から反転
して、半導体レーザ1の光出力を強制オフにさせること
ができる。
【0049】このようにして、電源電圧Vccが所望の電
位範囲内にないとき、つまり、トランジスタQ58がオン
している状態(ベース電位がLレベルなる論理状態)で
は、このトランジスタQ58を流れるコレクタ電流はカレ
ントミラー回路72により反転され、トランジスタ
68,Q69がオンとなり、TDSTART端子 とPD端子との電
位を強制的にほぼVccと同電位にする。具体的制御とし
ては、受光素子2のPD端子の電位を強制的にHレベル
とすることにより誤差増幅部23の出力が強制的なLレ
ベルとされ、半導体レーザ1の順方向電流が流れないよ
うに抑制することで半導体レーザ1の保護を行う。ま
た、同時に、後述するように、TDSTART端子 の電位を強
制的にHレベルとすることで、タイミング生成部31に
おける発振回路を強制的に発振しないように抑制する。
そして、電源電圧Vccが所望の電位範囲内になる、つま
り、トランジスタQ57がオン状態(ベース電位がLレベ
ルなる論理状態)に変化すると、半導体レーザ1の保護
を解除して通常動作状態とし、かつ、前記タイミング生
成部31における発振回路の発振抑制を解除することに
より発振開始信号とする。同時に、前記タイミング生成
部31の電流源を生成するVPTDSTART端子電位 を出力す
る。
【0050】また、本実施の形態のスタートアップ部3
5aにあっては、リセット部73を備えている。このリ
セット部73は差動スイッチ67のトランジスタQ57
ベース側と電源電圧Vccラインとの間に接続されて外部
からのリセット信号RESET (Lレベル)によりオンする
トランジスタQ63により構成されている。これにより、
集積回路20に対してリセット信号RESET (Lレベル)
が入力されてトランジスタQ63がオンすると、トランジ
スタQ57のベース電位が強制Hレベル状態となるので、
前述した論理状態に従い、半導体レーザ1の光出力を強
制オフさせる制御状態となる。即ち、電源電圧Vccの状
態(電位)に関係なく強制的にリセット状態とすること
ができる。この結果、例えば本実施の形態が適用される
レーザプリンタ等において、ジャム等が発生して装置カ
バーを開放させるような場合、その検知信号(ドアオー
プン)等に基づきリセット信号RESET (Lレベル)を入
力させることで半導体レーザ1の光出力を強制的にオフ
させるリセット状態とすることにより、半導体レーザ1
が発光したままでそのレーザ光が眼に入ってしまうよう
な不都合を回避して安全性を高めることができる。
【0051】前記タイミング生成部31は、例えば、遅
延回路を用いて構成することも可能であるが、本実施の
形態では、発振回路とバイアス回路とラッチ回路とによ
り構成されている。概略的には、発振回路において生成
された発振信号をラッチ回路にてラッチし、ラッチした
データを次段に順次伝達することにより、例えば、T0
〜T5なる6個のタイミング信号を生成し、最終タイミ
ングと同時に前記発振回路を強制的に発振しないように
抑制する構成とされている。前記微分量子効率検出部3
2は、例えば、前記誤差増幅器23の誤差出力中のピー
ク値を検出するサンプルホールド回路38と、このサン
プルホールド回路38の出力値を所定値と比較する比較
器39とにより構成されている(図10参照)。前記メ
モリ部33は、前記比較器39の比較結果を前記タイミ
ング生成部31により生成されるタイミングT1〜T5
に同期して保持する機能を有する。前記加算電流設定部
34は、例えば、5ビットのD/A変換器により構成さ
れている。これらのタイミング生成部31、微分量子効
率検出部32、メモリ部33及び加算電流設定部34も
各々バイポーラトランジスタにより集積化されて構成さ
れている。
【0052】そこで、まず、前記タイミング生成部31
における発振回路36のバイポーラトランジスタによる
回路構成例を図6に示す。また、イニシャライズ時の概
略動作を図9に示す。トランジスタQ22のコレクタ電位
Q22cが図9中の発振動作として表され、このトランジ
スタQ22のコレクタ電流が、トランジスタQ24,Q25
構成される差動スイッチ46によりオン、オフし、トラ
ンジスタQ22のコレクタ電流がオンの時にトランジスタ
21のコレクタ電流よりも大きい場合には、トランジス
タQ22のコレクタ電位VQ22cは、各々の電流がコンデン
サC1 へのチャージ、ディスチャージを繰り返すことに
より発振する。
【0053】まず、図9中に示すタイミング0、即ち、
電源投入時より、前記スタートアップ部35から発振開
始タイミング信号TSが送られてくるまでの間は、TDST
ART端子の電位は強制的にHレベル(殆どVccと同電
位)であり、また、VPTDSTART端子は0Vであるので、V
PTDSTART 端子より生成されるトランジスタQ23のコレ
クタ電流は0であり、差動スイッチ46もトランジスタ
25がLレベルであるが、トランジスタQ23のコレクタ
電流が0であるので、トランジスタQ22のコレクタ電流
も0となっている。
【0054】ここに、ラッチ回路37の最終段の構成を
示す図8を参照すると、VPTDSTART端子の電位は0V、
トランジスタQ31のコレクタ電流は0Aである。この結
果、トランジスタQ23のベース電位はVccであり、トラ
ンジスタQ23のコレクタ電流は0Aとなる。また、差動
スイッチ46において、トランジスタQ23のコレクタ電
流が0Aであり、トランジスタQ25のベース電位がLレ
ベルであるので、トランジスタQ22のコレクタ電流は0
Aとなる。
【0055】その後、発振開始タイミング信号TSを過
ぎると、トランジスタQ22のコレクタ電流が流れ始め、
差動スイッチ46においてトランジスタQ25がLレベル
であるので、トランジスタQ23のコレクタ電流がトラン
ジスタQ22,Q26によるカレントミラー回路47により
折り返され、トランジスタQ22のコレクタ電流となる。
このタイミングTSでは、電源部61の電流は0である
ので、トランジスタQ22のコレクタ電流がトランジスタ
21のコレクタ電流より大きい場合にはトランジスタQ
22のコレクタ電位VQ22c、即ち、TDSTART端子電位 は、
徐々に低下する。そして、トランジスタQ24のベース電
位がトランジスタQ25のべース電位と同電位若しくはよ
り低下する瞬間に、差動スイッチ46が動作し、トラン
ジスタQ24がオンとなりトランジスタQ26のコレクタ電
流、従って、トランジスタQ22のコレクタ電流がオフと
なり、トランジスタQ25のベース電位はトランジスタQ
24のコレクタ電流と抵抗R11とで決まる電位分上昇す
る。この瞬間が、タイミングT0である。
【0056】タイミングT0を過ぎると、トランジスタ
22のコレクタ電流がオフとなるので、トランジスタQ
22のコレクタ電位VQ22c、即ち、TDSTART端子電位 は、
徐々に上昇する。そして、トランジスタQ24のベース電
位がトランジスタQ25のベース電位と同電位若しくはよ
り上昇する瞬間に、差動スイッチ46が反転し、トラン
ジスタQ22のコレクタ電流がオンとなる発振動作を繰り
返す。この発振の振幅は、トランジスタQ24のコレクタ
電流と抵抗R11とで決まる電位で決定され、周期はトラ
ンジスタQ21のコレクタ電流、トランジスタQ22のコレ
クタ電流、コンデンサC1 の容量により決定され、これ
らの値を適正に決定することにより所望のタイミング信
号を得ることができる。
【0057】このような動作において、トランジスタQ
22のコレクタ電流がトランジスタQ21のコレクタ電流の
丁度2倍の時、トランジスタQ21のコレクタ電流と、
(トランジスタQ22のコレクタ電流)−(トランジスタ
21のコレクタ電流)なる電流とが等しくなり、コンデ
ンサC1 にチャージ、ディスチャージされる単位時間当
たりの電荷量が等しくなるので、図9中に示すような、
立上り時間と立下り時間とが等しい三角波となる。
【0058】このような発振回路36の発振出力として
トランジスタQ25のベースに方形波が得られ、電圧シフ
ト、スイング量調整、反転なる処理がなされた後、図9
中に示すトランジスタQX のエミッタ電位VQXE の出力
波形が得られる。
【0059】次に、前記ラッチ回路37の1構成単位と
なるラッチ回路48の回路構成例を図7に示す。前記ラ
ッチ回路37は、本実施の形態においては、タイミング
信号T0〜T5を生成するため、ラッチ回路48が6段
に接続されて構成されるが、図7にその1構成単位とな
りタイミング信号T0生成用のラッチ回路48を示す。
図示例にあっては、複数のトランジスタ、抵抗を構成要
素として構成されており、この内、トランジスタQ31
33で1つのスイッチ49aを形成し、また、トランジ
スタQ34〜Q36で1つのスイッチ49bを形成してい
る。前記スイッチ49aにおいては、前記トランジスタ
33のコレクタ電流がオンの時、トランジスタQ31のベ
ース電位、即ち、データをトランジスタQ37のベース電
位及びエミッタ電位に反転して出力する。また、スイッ
チ49bにおいては、トランジスタQ36のコレクタ電流
がオンの時、トランジスタQ34のベースがトランジスタ
37のエミッタに接続されるので、出力をそのまま保持
する動作となる。
【0060】トランジスタQ33のベースをCLK 、トラン
ジスタQ36のベースを/CLK (信号に関して、“/”は
反転を示す)、トランジスタQ31のベースをDATA0 、ト
ランジスタQ37のエミッタを出力Qとして、これらの関
係を論理式で表すと、 Q=CLK・DATA0 +/CLK・Q となる。
【0061】ここで、前述したようにトランジスタQX
(図9参照)のエミッタ電位VQXE、つまり、トランジ
スタQ36のベース/CLK は、タイミングTSよりタイミ
ングT0までHレベルで出力保持状態にあり、また、ト
ランジスタQ38,Q39等で構成される電流源50は、ス
タートアップ部35からのVPTDSTART をベース電位とす
ることにより、タイミングTSまでは電流が0でタイミ
ングTSとなる瞬間より電流が流れるので、出力Qはタ
イミングT0までHレベルとなっている。タイミングT
0となると、出力Qが初めてLレベルとなり、タイミン
グT0以降、トランジスタQ31のベース(入力データ)
がLレベルであるので、出力QはLレベルの状態を保持
する。この状態を、図9中のトランジスタQ37のエミッ
タ電位VQ3 7E(タイミング信号T0)の波形として示
す。
【0062】図示しない次段では、CLK を反転入力し、
トランジスタQ37のエミッタ電位VQ37EをDATA1 とする
と、 Q′=/CLK・DATA1 +CLK・Q′ とすることで、図9中にVQ37(1)Eで示すタイミング信
号T1を得ることができる。
【0063】以下、同様にタイミング信号T2〜T5を
得ることができる。図9中のVQ37 (n)E における“n”
は段数1〜5を示す。
【0064】さらに、図8に示すように、タイミング信
号T5を生成する最終段のラッチ回路48L において、
トランジスタQ31のコレクタ電流は発振回路36中のト
ランジスタQ23のベースに与えられており、発振回路3
6を駆動させる電圧とされている。従って、トランジス
タQ23のベース電位はタイミングTSからタイミングT
5までの間、供給される。しかし、トランジスタQ23
ベース電位は、タイミングT5となる瞬間にトランジス
タQ23のコレクタ電流をオフさせると供給されない。
【0065】つまり、必要なタイミング信号を生成する
間のみ発振し、所望のタイミング信号を生成し終わると
同時に発振を停止することで、発振回路36の発振動作
が他の回路に雑音や電流変動等の悪影響を及ぼさない回
路構成とされている。
【0066】次に、これらのタイミング信号により制御
されるイニシャライズ時の概略動作を図9のタイムチャ
ート、図10に示す微分量子効率検出部32の回路構成
例を参照して説明する。まず、半導体レーザ1の光出力
を、タイミングTSに強制的なオフ状態より所望の最大
発光状態とする。この最大発光値は、発光指令電流生成
部22において既に設定されているものとする。そし
て、タイミングT0に入力データを全て0としてオフセ
ット発光状態とし、この状態をタイミングT5まで維持
した後、タイミングT5以降を本来の入力データを受け
付ける通常動作状態とする。光・電気負帰還ループ3を
動作させるためには、半導体レーザ1の光出力を完全に
オフにはさせず、わずかに光らせるオフセット発光が必
要であり、実際には、半導体レーザ1の光出力は、設定
した最大発光とオフセット発光との間で光・電気負帰還
ループ3により制御される。
【0067】半導体レーザ1の光出力は、イニシャライ
ズ時、即ち、電源投入時やリセット解除時において、必
ず、図9に示すようなシーケンス動作を実行することに
より微分量子効率をその度に検出し、適切な加算電流値
を設定する。
【0068】図9中に示すような最大発光とオフセット
発光との差分、即ち、動作電流Iop−発振閾値電流Ith
が微分量子効率であるので、微分量子効率検出部32中
のサンプルホールド回路38においてこの差分を検出す
る。概略的には、この差分は、最大発光時とオフセット
発光時との間における、抵抗Re (図2参照)の端子間
電位の差に相当する。電流駆動部24なる電圧シフト部
25が動作していない状態においては、この差分は、電
流駆動部24のトランジスタQ9 (図1参照)の2つの
ケースにおけるエミッタ電位の差に依存する。そこで、
最大発光時のこのトランジスタQ9 のエミッタ電位をサ
ンプルホールドし、タイミングT0においては0であっ
た電圧シフト部25の電位シフト量を加算電流設定部3
4により徐々に変化させて、前記差分を、電圧シフト部
25における抵抗Re の電位変化とすることにより微分
量子効率を検出する。
【0069】詳細には、図10に示すようにトランジス
タQ9 のエミッタ電位、即ち、VCOMP 端子はトランジス
タQ42のエミッタフォロワ51を介してトランジスタQ
43のベース電位となる。このトランジスタQ43のベース
電位はトランジスタQ45等で構成される電流源52の電
流が流れている間は、トランジスタQ41,Q46,Q47
48等で構成されるボルテージフォロワ53によりトラ
ンジスタQ44のベース電位と同電位となる。タイミング
T0で電流源52の電流をオフさせると、トランジスタ
43のベース電位の変化はVCOMP 端子の電位変化をその
まま示すが、トランジスタQ44のベース電位はコンデン
サC2 の容量が大きいほど変化せず、タイミングT0に
おけるトランジスタQ43のベース電位、つまり、最大発
光時のトランジスタQ9 (図1参照)のエミッタ電位を
サンプルホールドすることが可能となる。図9中の下部
にこれらのトランジスタQ43,Q44によりサンプルホー
ルドされる概略波形を示す。
【0070】サンプルホールドされたこれらのトランジ
スタQ43,Q44のベース電位をトランジスタQ49,Q50
等による比較器39に入力してその大小を比較し、比較
結果をタイミング信号T1〜T5に同期してメモリ部3
3にて保持する。従って、このメモリ部33は、特に構
成例を図示しないが、比較器39の比較出力をタイミン
グ信号T1〜T5に同期して保持し得る機能を有してい
ればよく、例えば、タイミング生成部31で用いたよう
な5段のラッチ回路で構成し、比較器39の比較におい
てトランジスタQ43側のベース電位がトランジスタQ44
側のベース電位よりも高い場合にLレベルを出力するよ
うに構成すればよい。
【0071】加算電流設定部34は、2段の差動スイッ
チで構成される5個のスイッチと、これらのスイッチ部
の電流源に電流を供給するカレントミラー回路と、各ス
イッチ部の出力を加算して電流駆動部24(高速電圧シ
フト部25)の出力とするカレントミラー回路とにより
構成されている。ここに、5個のスイッチ部により基本
的に5ビットのD/A変換器が構成され、これらのスイ
ッチ部の電流源は、最小ビット電流をI1 とすると、次
のビットのスイッチ部では2*I1 、さらに上位ビット
のスイッチ部毎に4*I1 ,8*I1 ,16*I1 とな
るように設定されている。これにより、スイッチ部全体
の出力電流としては最大31*I1 となり、この時に、
電流駆動部24(電圧シフト部25)において設定され
る最大電流(最大電圧)が、前述した(動作電流Iop)
−(発振閾値電流Ith)の最大値よりも大きくなるよう
に設定する。
【0072】ここで、タイミングT0に、図9に示すよ
うに半導体レーザ1の光出力を最大発光状態よりオフセ
ット発光状態とすると同時にスイッチ部の最上位ビット
の電流を強制的に出力する。この状態では、最大発光状
態からオフセット状態となって最上位ビットのスイッチ
部の電流を強制的に出力することにより電圧シフト部の
端子間電位にも電位変化を生ずるので、光・電気負帰還
ループ3なる制御系により半導体レーザ1の光出力がオ
フセット発光状態となるように制御が働くので、これら
の電位変化の差分を補うように変化する。このような変
化分を微分量子効率検出部32において検出しその出力
を最大発光状態と比較し、その比較結果をメモリ部33
に格納する。メモリ部33ではこの結果をタイミングT
1においてラッチし、加算電流設定部34の最上位ビッ
トのスイッチ部を再設定し、最大発光状態の電位より大
きい場合にはオフ、小さい場合にはオンとする。ここ
で、タイミングT1−T0は、この間に光・電気負帰還
ループ3なる制御系が十分収束する時間に設定する必要
がある。
【0073】タイミングT1においてもタイミングT0
の場合と同様に、上位2ビット目を強制的に出力させ、
タイミングT2にてその結果を再設定する。本実施の形
態では、微分量子効率を5ビット分のD/Aの精度で検
出しているので、5ビット分、同様に繰り返して行う。
この時のベース電位の変化の様子を図示すると、図9中
の下部に示すトランジスタQ44のベース電位の場合と同
様になる。この場合の図示例は、下位ビットより順に 1,1,1,0,1 となった場合の波形を示している。
【0074】本実施の形態では、微分量子効率検出部3
2及び加算電流設定部34の検出精度を5ビットとして
いるが、さらにビット数を増やして検出精度を上げれ
ば、図17(b)に示す光出力波形において、PS 分の
光出力分が所望の光出力となり、光・電気負帰還ループ
3なる制御系による光出力の制御分が少なくなり、光出
力波形がより理想的な方形波に近付く。
【0075】次いで、パルス幅変調・強度変調信号生成
部を構成する発光指令信号設定部21及び発光指令信号
生成部22のバイポーラトランジスタを用いた回路構成
例を図11ないし図13に示す。図11が発光指令信号
設定部21、図12が発光指令信号生成部第1構成部2
2a、図13が発光指令信号生成部第2構成部22bを
示す。
【0076】まず、発光指令信号設定部21の構成とし
ては、発光指令信号生成部22の電流設定、加算電流設
定部34の電流設定、発光指令信号生成部22の電流の
ベース電流補償部、及び、発光指令信号生成部22の電
流と加算電流設定部34の電流とを連動させて外部信号
より調整する部分により構成されており、各々の部分を
図11に示す回路例により説明する。
【0077】発光指令信号生成部22の電流設定は、ト
ランジスタQ71のエミッタ電位と抵抗R41とにより行わ
れる。ここに、前記発光指令信号生成部22の電流は、
直流的には受光素子2のモニタ電流であるので、集積回
路20(LSI)内部の温度変化の影響を受けない電流
とする必要がある。つまり、トランジスタQ71のエミッ
タ電位は安定な電位、抵抗R41は絶対精度の要求される
抵抗である必要がある。このため、トランジスタQ71
エミッタ電位は電源部61において生成した安定電位で
あるVREF11端子電位をトランジスタQ72〜Q75等で構成
されるボルテージフォロワ71を介して生成し、この端
子を外部端子として、抵抗R41を絶対精度、温度特性の
良好な外付け抵抗若しくは可変抵抗とする。この抵抗R
41の抵抗値を変化させることにより半導体レーザ1及び
受光素子2の特性に合わせて所望の光出力を得るための
調整が可能となる。
【0078】加算電流設定部34の電流設定はトランジ
スタQ71のエミッタ電位を基準にトランジスタQ71,Q
76,Q77を介してトランジスタQ71のエミッタ電位とほ
ぼ同電位となるトランジスタQ78のエミッタ電位と抵抗
42とにより決定し、IDA2SET 端子より加算電流設定部
34へ出力する。
【0079】発光指令信号生成部22の電流のベース電
流補償部は、トランジスタQ77のベース電流により行
う。発光指令信号生成部22の電流は、上述したように
外部の受光素子2により決定される絶対電流である必要
があるが、例えば、図11に示す回路構成例の場合、ト
ランジスタQ71のエミッタ電位と抵抗R41とで決定され
る基準電流は絶対電流であるがその電流がカレントミラ
ー回路72で反転された後、例えば、最下位ビットを流
れる発光指令信号生成部22での電流は、スイッチトラ
ンジスタQ81〜Q83を経由してPD端子より電流を引く
ので、これらのスイッチトランジスタを3個経由してい
ることによる各々のトランジスタのベース電流誤差が発
生している。最下位ビットだけでなく、他のビットに関
しても同様である。このようなベース電流誤差を補償す
るためにトランジスタQ77のベース電流量を調整する。
即ち、基準となる電流に対してその基準電流のベース電
流を経由するスイッチトランジスタの数だけ加算するこ
とにより、ベース電流による誤差電流の発生や特性変化
を抑制することが可能となり、容易にベース電流補償を
行える。
【0080】次に、発光指令信号生成部22の電流と加
算電流設定部34の電流とを連動して外部信号より調整
する部分について説明する。前述したように、発光指令
信号生成部22の電流設定と加算電流設定部34の電流
設定とはトランジスタQ71のエミッタ電位と抵抗R41
により決定され、また、上述したようにトランジスタQ
71のエミッタ電位はVREF11端子電位を入力とし、トラン
ジスタQ72〜Q75等で構成されるボルテージフォロワ7
1の出力となっているが、VREF11端子と並列に抵抗
43,R44、トランジスタQ79を介してVCONT 端子より
制御電圧を入力させる構成とすることにより、この制御
電圧によってトランジスタQ71のエミッタ電位を変化さ
せる。つまり、発光指令信号生成部22の電流と加算電
流設定部34の電流とを連動させて増減させることが可
能となる。
【0081】例えば、抵抗R44,R45の抵抗値が等しい
場合には、VREF11端子の電位VVREF 11とVCONT 端子の電
位VVCONT とは等価となり、トランジスタQ71のエミッ
タ電位Vq71eは、 Vq71e=(VVREF11+VVCONT )/2 となる。例えば、電位VVREF11を1〔V〕とし、電位V
VCONT を0〜2〔V〕動かすとトランジスタQ71のエミ
ッタ電位Vq71eは0.5〔V〕〜1.5〔V〕動かすこ
とが可能となる。
【0082】この場合の概略波形を図14に示す。一般
に、レーザプリンタ等において、半導体レーザ1の光出
力をポリゴンミラー等を介して感光体等にスキャニング
露光する場合に、感光体までの距離や収束しているビー
ムの形状の変化などの影響により、所謂光学系における
シェーディングを生じ、その補正等をするために半導体
レーザ1の光出力をダイナミックに微調整し、若しく
は、光量設定時に微調整する等のニーズがある。図14
(a)は初期状態の光出力波形を示し、図14(b)
(c)に動作時において発光指令信号生成部21の電流
を変化させた場合の光出力波形を示し、何れにしても定
常出力としては制御系(光・電気負帰還ループ3)によ
る制御により所望の光出力が得られるが、立上り時に
は、発光指令信号生成部22の電流を大きくしただけの
場合には図14(b)に示すように鈍った波形となる
(発光指令信号生成部22の電流を小さくしただけの場
合にはオーバシュート波形となってしまう)。この点、
上記のように発光指令信号生成部22の電流と加算電流
設定部34の電流とを連動させて増減させた場合には、
図14(c)に示すようになる。即ち、その加算電流設
定部34における電流設定値が連動して変化するので、
上述したシェーディング補正や半導体レーザ1の光出力
の微調整時にも、どのようにVCONT 端子を動かしても常
に図14(c)に示すような制御系の制御量が小さくな
り、理想的な方形波を得ることができる。
【0083】ところで、発光指令信号生成部21との関
連で前記第2のスタートアップ部35aについて説明す
る。前述したようにトランジスタQ71のエミッタ電位V
q71eはボルテージフォロワ71の出力であり、その制御
速度や安定性をコンデンサC3 (図11参照)により制
御しているが、電源投入時、電源がこのボルテージフォ
ロワ55より高速に立上るとすると、トランジスタQ71
のエミッタ電位が所望の値となる以前に加算電流設定部
34の設定等が行われることになり、半導体レーザ1の
光出力が所望の値や光出力とならなくなってしまう可能
性がある。この第2のスタートアップ部35aはこの課
題を解決するためのものであり、トランジスタQ71のエ
ミッタ電位、即ち、VR端子の電位が或る設定電位を超え
る(ボルテージフォロワ55が動作状態となる)まで、
第1のスタートアップ部35aと同様にタイミング生成
部31を起動せず、トランジスタQ71のエミッタ電位VR
が或る設定電位に達して初めてタイミング生成部31を
起動させるように構成されている。なお、図5に示すス
タートアップ部35においては、第1のスタートアップ
部35aと第2のスタートアップ部35bとが論理積
(AND)接続されており、電源電圧Vccと発光指令信
号生成部21の電流との両方がともに所望の状態となっ
て初めてイニシャライズ及び全回路動作を開始させる構
成とされている。
【0084】次いで、発光指令信号生成部22について
説明する。この発光指令信号生成部22は5ビット(b
0,b1,b2,b3,b4)のD/A変換器と電流加
算駆動部とを含み、さらに発光指令信号生成部22用の
電流補償部、オフセット電流生成部を含んで構成されて
いる。発光指令信号生成部22は、2つの5ビットD/
A構成を並列に持ち、前述したような発光指令信号生成
部第1構成部22aと発光指令信号生成部第2構成部2
2bとにより構成されている。
【0085】もっとも、発光指令信号生成部第1構成部
22aに関して、より高精度に光出力を設定したい場合
であれば、D/A変換器のビット数を増やしてもよい。
或いは、パルス幅変調を主体とする場合であれば、D/
A変換器のビット数を減らしてもよい。さらには、その
電流生成法に関しても、図示例のようにカレントミラー
回路による電流の反転と抵抗ラダー型D/Aを組合せて
もよい。
【0086】電流加算駆動部は、電流IDA1 とその反転
電流とを各々トランジスタQ91,Q92のエミッタ電位で
検出し、エミッタフォロワQ93,Q94を介した後、誤差
増幅器23及び電流駆動部24中の差動スイッチ42を
構成するトランジスタQ4 ,Q5 のベースに入力する。
トランジスタQ91,Q92のエミッタ電位は、IDA1 の電
流値をそのまま反映した電位となるので、トランジスタ
4 ,Q5 で構成される差動スイッチ42においてもオ
ン・オフの2値出力ではなく、D/Aを5ビットで構成
した場合には5ビットの電流駆動出力を高速に得ること
ができる。
【0087】また、発光指令信号生成部第2構成部22
bは、発光指令信号生成部第1構成部22aと同じ5ビ
ットD/A構成であり、その電流源を決定する最低電位
をDA1GND端子として外部に出力している。これは、通常
はD/Aは発光指令信号生成部第1構成部22aのみの
1個で十分であるので、DA1GND端子をオープン(開放)
として5ビット構成の発光指令信号生成部第2構成部2
2bを動作させない。若しくは、最初からこの発光指令
信号生成部第2構成部22bはなくてもよいが、受光素
子2のモニタ電流のばらつき範囲が大きい、若しくは、
いろいろな受光素子2(或いは、半導体レーザ1)にも
利用したく発光指令信号生成部22で設定する電流範囲
が大きい場合には、あまり大きな電流変化を1つのD/
Aで行うと、D/Aのリニアリティが悪くなったり、誤
差電流が発生する不都合がある。このため、5ビットの
発光指令信号生成部第2構成部22bが付加されてい
る。さらに、より一層のダイナミックレンジが要求され
る場合には、3個以上のD/A構成を並列接続して設け
るようにしてもよい。
【0088】次に、発光指令信号生成部22における電
流補償部について説明する。この電流補償部は発光指令
信号設定部21中の電流補償部(電流IDA1 から差し引
かれる電流を補償する)とは異なり、電流IDA1 に加算
される電流を補償する。即ち、トランジスタQ1 ,Q83
のベース電流補償である。トランジスタQ1 を例に採れ
ば、トランジスタQ1 のエミッタ電位はその下の電流源
をなすトランジスタQ85のコレクタ電流であるので、ト
ランジスタQ1 のベース電流はトランジスタQ85のベー
ス電流とほぼ同じであり、このトランジスタQ85のベー
ス電流を、トランジスタQ86,Q87等で構成されるカレ
ントミラー回路81により反転してPD端子に流し込
む。
【0089】これらの関係を式を用いて表現すると、N
PNトランジスタの電流増幅率をhfen 、PNPトラン
ジスタの電流増幅率をhfep 、トランジスタQ1 のベー
ス電流をib 、トランジスタQ87のコレクタ電流をIと
すれば、まず、トランジスタQ1 のエミッタ電流i1
は、 i1 =(1+hfen )・ib であり、トランジスタQ85のベース電流i2 は、 i2 =(1+hfen)・ib /hfen となる。この電流がトランジスタQ86,Q87等で構成さ
れるカレントミラー回路81を経ることにより、トラン
ジスタQ87のコレクタ電流は I=ib /{1+(2/hfep) となる。例えば、電流増幅率hfep が100であれば、
I≒0.98ib となるので、補償回路がない場合のI
DA1 の電流誤差がib であることを考慮すれば、誤差が
1/50となることが分かる。トランジスタQ83のベー
ス電流についても同様の回路構成で補償できる。
【0090】さらに、補償の精度を上げたい場合であれ
ば、ベース電流補償型カレントミラー回路を用いれば、 I=ib /{1+(2/hfep 2) となるので、誤差をさらに1/50(hfep が100の
場合)に減らすことが可能となる。
【0091】さらに、オフセット電流生成部について説
明する。前述したように、光・電気負帰還ループ3にお
いてリアルタイムで半導体レーザ1の光出力を制御する
ためにはこの半導体レーザ1の光出力を完全に0にする
ことはできず、このため、半導体レーザ1の光出力の最
小値を設定する必要がある。この最小値の設定を行うの
がオフセット電流生成部であり、図3に示した電源部6
1中、図13に示した発光指令信号生成部第2構成部2
2b中に、オフセット電流を設定するオフセット電流生
成部82,83が各々設けられている。これらのオフセ
ット電流生成部82,83により生成されたオフセット
電流は、PD端子において受光素子2のモニタ電流と比
較され、誤差増幅器23により半導体レーザ1の順方向
電流となり、その電流値で半導体レーザ1のオフセット
発光量を設定することができる。
【0092】まず、図3に示す電源部61におけるオフ
セット電流生成部82は、トランジスタQ56と抵抗R25
とにより構成されており、トランジスタQ56のエミッタ
電位は電源部61において説明したように集積回路20
(LSI)内における安定電位であり、抵抗R25を外付
け抵抗若しくは可変抵抗とすることにより、所望の電流
を外部より設定することができる。
【0093】また、発光指令信号生成部第2構成部22
b中のオフセット電流生成部83は、トランジスタQ88
と抵抗R51とで構成されており、抵抗R51を外付け抵抗
若しくは可変抵抗とすることにより、所望の電流を外部
より設定することができる。トランジスタQ88のベース
電位は、発光指令信号生成部22中の電流設定部により
受光素子2のモニタ電流特性等に合わせて予め設定され
た電位であるので、モニタ電流の大きい受光素子の場合
にはこのオフセット電流生成部83で生成されるオフセ
ット電流も大きくなり、モニタ電流の小さい受光素子の
場合にはこのオフセット電流生成部83で生成されるオ
フセット電流も小さくなるように、発光指令信号生成部
22中の電流設定部と連動してオフセット電流を設定す
ることができる。
【0094】このように、2つのオフセット電流生成部
82,83で生成される電流を加算した電流がオフセッ
ト電流となるので、各々の外付け抵抗R25,R51を予め
適当な抵抗値に設定することにより、受光素子2のモニ
タ電流特性に合わせてその都度オフセット電流を設定し
なくても、所望の半導体レーザのオフセット発光を得る
ことができ、よって、調整工程を自動化することができ
る。
【0095】なお、本実施の形態では、5ビットD/A
構成を発光指令信号生成部第1構成部22aと発光指令
信号生成部第2構成部22bとして2つ別個に設けて発
光指令信号生成部22を構成したが、これらのD/A構
成を共通化させて1つの回路として発光指令信号生成部
として構成するようにしてもよい。
【0096】本発明の第二の実施の形態を図15に基づ
いて説明する。前記実施の形態で示した部分と同一部分
は同一符号を用いて示し、説明も省略する(以下の実施
の形態でも同様とする)。前述した図1に基づき、再
度、半導体レーザ1の制御の概要を説明する。画像デー
タは発光指令信号生成部22に入力されて発光指令信号
電流となる。この発光指令信号電流と、半導体レーザ1
の光出力を検知する受光素子2から得られる半導体レー
ザ1の光出力に比例したモニタ電流とが等しくなるよう
に誤差増幅部23は半導体レーザ1の光出力を制御す
る。このような構成の場合、少なくとも発光指令信号生
成部22が所定の動作状態になるまでは半導体レーザ1
の光出力を強制的にオフさせ、その後に動作開始を許容
する必要がある。本実施の形態では、このためのスター
トアップ部35Aが設けられている。図15に示すスタ
ートアップ部35Aは、図5に示したスタートアップ部
35中の差動スイッチ67を構成するトランジスタ
57,Q58の前段部分の構成を変更したものである。ス
タートアップ動作は差動スイッチ101を構成するトラ
ンジスタQ103 のコレクタ電位とトランジスタQ104
コレクタ電位とにより決定され、トランジスタQ109
110 によるエミッタフォロワ68を介して各々トラン
ジスタQ57,Q58のベースに入力される。ここに、スタ
ートアップ部35Aでは、集積回路20の基準電位とな
るVBBN2 ,VBBP2 は図5中に示したトランジスタQ66
よる電流源65のような回路によって、基準電位が立上
る前であっても基準電流以下の電流を流す構成とする。
【0097】このような構成による場合、トランジスタ
103 ,Q104 ,Q105 により構成される差動スイッチ
101は電源電圧Vccが低い場合にも動作状態となる。
ここで、トランジスタQ103 ,Q104 の各々のコレクタ
に接続されたトランジスタQ102 ,Q101 のベース電位
を考える。トランジスタQ102 のベース電位V
Q102bは、 VQ102b =3・Vbe+I4・R101 となり、主に3・Vbeの値がトランジスタQ102 のベー
ス電位VQ102b を決定する。ここに、3・Vbeの値は、
検出部102を構成する3段のトランジスタQ10 6 ,Q
107 ,Q108 の3段分のベース・エミッタ電位である。
一方、トランジスタQ101 のベース電位VQ101b は、 VQ101b =Vcc−I5・R102 となる。即ち、トランジスタQ101 のベース電位V
Q101b は電源電圧Vccに追従して上昇する。
【0098】よって、電源電圧Vccが低い場合には、主
に3・Vbeの値により決定されるトランジスタQ102
ベース電位VQ102b が高くなるので、トランジスタQ
104 のコレクタ電位がトランジスタQ103 のコレクタ電
位に比較して低くなり、図5で説明した場合と同様に、
半導体レーザ1を強制オフとさせる。電源電圧Vccが所
望の電位に達して発光指令信号生成部22等が動作可能
な状態になると。
【0099】VQ101b >VQ102b なる電位関係になるため、トランジスタQ104 のコレク
タ電位がトランジスタQ103 のコレクタ電位に比較して
高くなり、図5で説明した場合と同様に、半導体レーザ
1の光出力動作及び集積回路20の動作が可能な状態と
なる。
【0100】ここに、発光指令信号生成部第1構成部2
2aとの関係について図12を参照して説明する。図示
の如く、発光指令信号電流と受光素子2から得られるモ
ニタ電流とを比較するPD端子が、GNDから見てトラン
ジスタQ95,Q96(ビットb0〜b4)、及び、トラン
ジスタQ91の3段のトランジスタで構成されているもの
とすると、図15に示すスタートアップ部35Aでは少
なくとも検出部102において3・Vbe以上の電源電圧
ccがナイトスタートアップ動作をしないので、発光指
令信号生成部第1構成部22aにおけるトランジスタQ
95,Q96,Q91は何れも飽和することなく動作可能とな
る。特に、トランジスタのベース・エミッタ間電位Vbe
は比較的安定しており、一般的に、0.7V程度として
扱われているが、現実には温度等の影響を受けて変動
し、0.6〜0.9V程度の値を示すものであり、トラ
ンジスタQ95,Q96,Q91のように3段の場合にはこの
値の変動も1.8〜2.7Vの如く拡大されるが、スタ
ートアップ部35Aにおいては同一段数のトランジスタ
106 ,Q107 ,Q108 により検出部102が構成され
ているので、安定した動作が確保できる。
【0101】ちなみに、図12に示す発光指令信号生成
部第1構成部22aにおいて、PD端子までのトランジス
タがn段、例えば4段構成の場合であれば、スタートア
ップ部35Aにおける検出部102のトランジスタもn
段、例えば4段構成とすれば、発光指令信号生成部第1
構成部22aが動作状態になった後でスタートアップさ
せることができる。
【0102】本発明の第三の実施の形態を図16に基づ
いて説明する。本実施の形態では、図15に示したスタ
ートアップ部35Aにおいて、トランジスタQ103 ,Q
104による差動スイッチ101のエミッタ側に接続され
て基準電位VBBNにより動作するトランジスタQ111 と抵
抗R103 とによる定電流源103に対して、バイアス電
流生成部104が並列的に付加されている。このバイア
ス電流生成部104はトランジスタQ111 のコレクタ・
エミッタ間にコレクタ・エミッタが並列に接続されたト
ランジスタQ112 と、電源電圧Vcc・GND間に接続さ
れた抵抗104 とダイオードDとよりなり、抵抗104 とダ
イオードDとの接続中点がトランジスタQ112 のベース
に接続されている。
【0103】このような構成において、定電流源103
だけの場合には、電源電圧Vccが低くて集積回路20内
の基準電位VBBN等が立上る前には定電流源103が動作
しないため差動スイッチ101も動作しない。この点、
バイアス電流生成部104が付加されているので、電源
投入後、電源電圧Vccが低くてもトランジスタQ112
ベース・エミッタ間電位Vbe(通常は、0.7V程度)
を越えると、このトランジスタQ112 に電流が流れ始め
る。即ち、差動スイッチ101のエミッタ側に電流(バ
イアス電流)が流れて動作状態となる。その後、トラン
ジスタQ112 の電流は電源電圧Vccの上昇とともに増加
していくが、集積回路20内の基準電位VBBNも立上る。
このとき、基準電位VBBNがトランジスタQ112 のベース
電位よりも高くなるように設定しておけば、基準電位VB
BNが立上ってトランジスタQ111がオンする段階ではト
ランジスタQ112 はオフとなる。これにより、基準電位
VBBNが立上った以降は、定電流源103によって一定な
る基準電流が差動スイッチ101のエミッタ側に流れ
る。つまり、バイアス電流生成部104によるバイアス
電流は基準電位VBBNが立上るまでの間、過渡的に流れる
だけである。
【0104】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、入力デー
タに基づいて、前記入力データに対してパルス幅変調と
強度変調とを同時に行う発光指令信号を生成するパルス
幅変調・強度変調信号生成部と、半導体レーザと、前記
半導体レーザの光出力をモニタする受光素子とともに光
・電気負帰還ループを形成して前記受光素子から得られ
る前記半導体レーザの光出力に比例した受光信号と前記
パルス幅変調・強度変調信号生成部から与えられる発光
指令信号とが等しくなるように前記半導体レーザの順方
向電流を制御する誤差増幅部と、前記光・電気負帰還ル
ープの制御電流との和又は差の電流により前記半導体レ
ーザの駆動を制御するように生成されて前記パルス幅変
調・強度変調信号生成部から与えられる発光指令信号に
応じた駆動電流を前記半導体レーザに順方向電流として
流す電流駆動部とを備え、これらのパルス幅変調・強度
変調信号生成部と誤差増幅部と電流駆動部とを1チップ
の集積回路で形成することで、より小型で省電力化を達
成する集積化された構成の下に、電源投入時に電源電圧
が所望の電位範囲にある場合のみ動作開始を許容するス
タートアップ部を備えるので、電源投入時には電源電圧
が所望の電位に達するまでだけでなく、所望の電位範囲
を越える場合にも半導体レーザの光出力をオフさせ、電
源電圧が所望の電位範囲内にある場合のみ半導体レーザ
を稼働状態とすることができ、半導体レーザを劣化や破
損から保護することができるとともに、半導体レーザが
不用意に発光してしまう不都合を回避して安全性を高め
ることができ、さらには、イニシャル動作の正確性も確
保することができる。
【0105】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の半導体レーザ制御装置のスタートアップ部は、電源
電圧が所望の電位範囲内にあることを監視するためのア
ルゴリズムに基づく論理構成とされているので、請求項
1記載の発明のスタートアップ部の機能を簡単に実現し
得る上に、1チップの集積回路内への集積化も容易とな
る。
【0106】請求項3記載の発明によれば、請求項1記
載の半導体レーザ制御装置のスタートアップ部は、電源
電圧の電位に関係なく動作を停止させるリセット部を備
えるので、半導体レーザの発光に関する安全性を高める
ことができる。
【0107】請求項4記載の発明によれば、入力データ
に基づいて、前記入力データに対してパルス幅変調と強
度変調とを同時に行う発光指令信号を生成するパルス幅
変調・強度変調信号生成部と、半導体レーザと、前記半
導体レーザの光出力をモニタする受光素子とともに光・
電気負帰還ループを形成して前記受光素子から得られる
前記半導体レーザの光出力に比例した受光信号と前記パ
ルス幅変調・強度変調信号生成部から与えられる発光指
令信号とが等しくなるように前記半導体レーザの順方向
電流を制御する誤差増幅部と、前記光・電気負帰還ルー
プの制御電流との和又は差の電流により前記半導体レー
ザの駆動を制御するように生成されて前記パルス幅変調
・強度変調信号生成部から与えられる発光指令信号に応
じた駆動電流を前記半導体レーザに順方向電流として流
す電流駆動部とを備え、これらのパルス幅変調・強度変
調信号生成部と誤差増幅部と電流駆動部とを1チップの
集積回路で形成することで、より小型で省電力化を達成
する集積化された構成の下に、電源投入時に前記パルス
幅変調・強度変調信号生成部が所定の動作状態となった
時点で動作開始を許容するスタートアップ部を備え、発
光指令信号を出力するパルス幅変調・強度変調信号生成
部が電源投入後に所定の動作状態となった時点から動作
開始を許容するようにしたので、半導体レーザが現実に
発光するまでのイニシャル動作を正確かつ安全に行なわ
せることができる。
【0108】請求項5記載の発明によれば、請求項4記
載の半導体レーザ制御装置のスタートアップ部は、n段
(n;自然数)のトランジスタのベース・エミッタ間電
圧に基づきパルス幅変調・強度変調信号生成部が所定の
動作状態となった時点を検出する検出部を備えるので、
パルス幅変調・強度変調信号生成部が動作状態となった
後にスタートアップ部によるスタートアップ可能な構成
を簡単に実現できる上に、温度等の影響も受けずに安定
して動作させることができる。
【0109】請求項6記載の発明によれば、請求項4記
載の半導体レーザ制御装置のスタートアップ部は、電源
投入時にのみ集積回路内の基準電流に過渡的にバイアス
電流を流すバイアス電流生成部を備えるので、集積回路
内の基準電圧が立上る前の電源電圧の低い状態からスタ
ートアップ部の動作が可能となり、半導体レーザに対し
て適正な制御がかかるため、半導体レーザの保護及び安
全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の全体構成を示す概
略ブロック図である。
【図2】誤差増幅部及び電圧シフト部の構成例を示す回
路図である。
【図3】電源部の構成例を示す回路図である。
【図4】参照電位生成のアルゴリズムを示し、(a)は
本発明方式、(b)は参考例を示す説明図である。
【図5】スタートアップ部の構成例を示す回路図であ
る。
【図6】発振回路の構成例を示す回路図である。
【図7】ラッチ回路の構成例を示す回路図である。
【図8】最終段のラッチ回路の構成例を示す回路図であ
る。
【図9】各部の波形を示すタイムチャートである。
【図10】微分量子効率検出部の構成例を示す回路図で
ある。
【図11】発光指令信号設定部の構成例を示す回路図で
ある。
【図12】第1の発光指令信号生成部の構成例を示す回
路図である。
【図13】第2の発光指令信号生成部の構成例を示す回
路図である。
【図14】連動の有無による光出力制御例を示す特性図
である。
【図15】本発明の第二の実施の形態の誤差増幅部及び
電圧シフト部の構成例を示す回路図である。
【図16】本発明の第三の実施の形態の誤差増幅部及び
電圧シフト部の構成例を示す回路図である。
【図17】従来の電流駆動部によるIDA2 加算方式を示
す回路図である。
【図18】IDA2 に伴うPS の有無による光出力制御例
を示す特性図である。
【図19】パルス幅強度混合方式用の構成例を示すブロ
ック図である。
【図20】パルス幅強度混合方式の光出力とドットイメ
ージとの関係を示す模式図である。
【図21】その波形生成法を示すタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
1 半導体レーザ 2 受光素子 3 光・電気負帰還ループ 20 集積回路 21,22 パルス幅変調・強度変調信号生成部 23 誤差増幅部 24 電流駆動部 35a スタートアップ部 35A スタートアップ部 73 リセット部 102 検出部 104 バイアス電流付加部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力データに基づいて、前記入力データ
    に対してパルス幅変調と強度変調とを同時に行う発光指
    令信号を生成するパルス幅変調・強度変調信号生成部
    と、 半導体レーザと、前記半導体レーザの光出力をモニタす
    る受光素子とともに光・電気負帰還ループを形成して前
    記受光素子から得られる前記半導体レーザの光出力に比
    例した受光信号と前記パルス幅変調・強度変調信号生成
    部から与えられる発光指令信号とが等しくなるように前
    記半導体レーザの順方向電流を制御する誤差増幅部と、 前記光・電気負帰還ループの制御電流との和又は差の電
    流により前記半導体レーザの駆動を制御するように生成
    されて前記パルス幅変調・強度変調信号生成部から与え
    られる発光指令信号に応じた駆動電流を前記半導体レー
    ザに順方向電流として流す電流駆動部とを備え、 これらのパルス幅変調・強度変調信号生成部と誤差増幅
    部と電流駆動部とを1チップの集積回路で形成するとと
    もに、 電源投入時に電源電圧が所望の電位範囲にある場合のみ
    動作開始を許容するスタートアップ部を備えることを特
    徴とする半導体レーザ制御装置。
  2. 【請求項2】 スタートアップ部は、電源電圧が所望の
    電位範囲内にあることを監視するためのアルゴリズムに
    基づく論理構成とされていることを特徴とする請求項1
    記載の半導体レーザ制御装置。
  3. 【請求項3】 スタートアップ部は、電源電圧の電位に
    関係なく動作を停止させるリセット部を備えることを特
    徴とする請求項1記載の半導体レーザ制御装置。
  4. 【請求項4】 入力データに基づいて、前記入力データ
    に対してパルス幅変調と強度変調とを同時に行う発光指
    令信号を生成するパルス幅変調・強度変調信号生成部
    と、 半導体レーザと、前記半導体レーザの光出力をモニタす
    る受光素子とともに光・電気負帰還ループを形成して前
    記受光素子から得られる前記半導体レーザの光出力に比
    例した受光信号と前記パルス幅変調・強度変調信号生成
    部から与えられる発光指令信号とが等しくなるように前
    記半導体レーザの順方向電流を制御する誤差増幅部と、 前記光・電気負帰還ループの制御電流との和又は差の電
    流により前記半導体レーザの駆動を制御するように生成
    されて前記パルス幅変調・強度変調信号生成部から与え
    られる発光指令信号に応じた駆動電流を前記半導体レー
    ザに順方向電流として流す電流駆動部とを備え、 これらのパルス幅変調・強度変調信号生成部と誤差増幅
    部と電流駆動部とを1チップの集積回路で形成するとと
    もに、 電源投入時に前記パルス幅変調・強度変調信号生成部が
    所定の動作状態となった時点で動作開始を許容するスタ
    ートアップ部を備えることを特徴とする半導体レーザ制
    御装置。
  5. 【請求項5】 スタートアップ部は、n段(n;自然
    数)のトランジスタのベース・エミッタ間電圧に基づき
    パルス幅変調・強度変調信号生成部が所定の動作状態と
    なった時点を検出する検出部を備えることを特徴とする
    請求項4記載の半導体レーザ制御装置。
  6. 【請求項6】 スタートアップ部は、電源投入時にのみ
    電源電圧に基づき集積回路内の基準電流に過渡的にバイ
    アス電流を流すバイアス電流生成部を備えることを特徴
    とする請求項4記載の半導体レーザ制御装置。
JP25950197A 1997-09-25 1997-09-25 半導体レーザ制御装置 Pending JPH1197787A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108181621A (zh) * 2016-12-08 2018-06-19 北京万集科技股份有限公司 一种双激光驱动电路和扫描式激光雷达测距设备及方法

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