JPH1197771A - レーザ刻印装置 - Google Patents

レーザ刻印装置

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JPH1197771A
JPH1197771A JP9252279A JP25227997A JPH1197771A JP H1197771 A JPH1197771 A JP H1197771A JP 9252279 A JP9252279 A JP 9252279A JP 25227997 A JP25227997 A JP 25227997A JP H1197771 A JPH1197771 A JP H1197771A
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JP
Japan
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flash lamp
laser
driving circuit
lamp driving
charging power
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JP9252279A
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English (en)
Inventor
Koji Kuwabara
皓二 桑原
Hiroharu Sasaki
弘治 佐々木
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パルスレーザ光のパルス幅を狭くせず、か
つ、フラッシュランプ2の電流を増大させずにレーザ刻
印時のすすの発生量を低減させるレーザ刻印装置を提供
する。 【解決手段】 固体レーザ媒体と、固体レーザ媒体を励
起してレーザ光を発生させるフラッシュランプ2と、フ
ラッシュランプ2を発光させるフラッシュランプ駆動回
路3と、パターンを表示したマスクとからなり、固体レ
ーザ媒体からのレーザ光をマスクを通してワークに照射
し、パターンをワーク上に転写刻印するレーザ刻印装置
において、フラッシュランプ駆動回路3は、フラッシュ
ランプの立ち上げを行う際に、所定時間にわたって小さ
い電流を供給し、フラッシュランプの立ち上げが終了す
る直前に、短時間に大きい電流を供給するように動作す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ刻印装置に
係わり、特に、パルスレーザ光を用いてワークへのレー
ザ刻印を行う場合、樹脂封止材からなるワークへのレー
ザ刻印時に発生するすすの量を低減させることを可能に
したレーザ刻印装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レーザ刻印装置は、レーザ媒体
から発生したレーザ光を、パターンを形成したマスクを
通してワークに照射させ、ワーク上にパターンを転写刻
印するものであって、代表的なレーザ刻印装置として
は、例えば、特公平4−16779号に開示の装置を挙
げることができる。
【0003】ところで、レーザ刻印装置は、パルスレー
ザ光を用い、ワークとして、集積回路(IC)に代表さ
れる半導体部品の樹脂封止材にレーザ刻印を行った場合
に、炭素微粒子を主成分とするすすが発生し、発生した
すすが半導体部品の樹脂封止材表面の刻印部分の近傍に
張り付き、半導体部品の樹脂封止材にすす汚れを生じる
ことが知られている。
【0004】このような半導体部品の樹脂封止材のすす
汚れの発生に対して、レーザ媒体から出力されるパルス
レーザ光のパルス幅を狭くし、この幅の狭いパルスレー
ザ光を用いて半導体部品の樹脂封止材にレーザ刻印を行
い、半導体部品の樹脂封止材のすす汚れの発生を低減す
るようにしたレーザ刻印装置が既に開発されており、そ
の一例として、特開平2−133185号に開示の装置
がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平2−133
185号に開示のレーザ刻印装置は、一応、半導体部品
の樹脂封止材にレーザ刻印を行った場合のすすの発生量
をこれまでの発生量に比べて低減し、半導体部品の樹脂
封止材のすす汚れの発生を少なくするものであるが、パ
ルスレーザ光のパルス幅を狭くした場合、パルス幅が狭
くなった分だけ、パルスレーザ光の実質的出力が低下
し、1個のパルスレーザ光によって刻印できるワーク上
の刻印面積が狭くなるという問題があり、また、このワ
ーク上の刻印面積の狭小化を、パルスレーザの実質的出
力を増加させることによってカバーしようとしたとき、
フラッシュランプによって励起される通常の固体YAG
レーザを使用したとすると、フラッシュランプの電流を
増大させる必要があり、フラッシュランプの電流を増大
させるに伴いフラッシュランプの寿命が短くなるという
問題がある。
【0006】本発明は、これらの問題点を解決するもの
で、その目的は、パルスレーザ光のパルス幅を狭くせず
に、また、フラッシュランプの電流を増大させずにレー
ザ刻印時のすすの発生量を低減させるレーザ刻印装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によるレーザ刻印装置は、フラッシュランプ
を駆動するフラッシュランプ駆動回路の構成を、フラッ
シュランプの立ち上げを行う際に所定時間にわたって小
さい電流を供給するようにし、フラッシュランプの立ち
上げが終了する直前に短時間に大きい電流を供給するよ
うにした手段を具備する。
【0008】前記手段によれば、フラッシュランプ駆動
回路から発生するフラッシュランプ駆動電流を、フラッ
シュランプの立ち上げを行う比較的長時間にわたって低
電流を出力する第1フラッシュランプ駆動電流と、フラ
ッシュランプの立ち上げが終了する直前に刻印を行う短
時間内に高電流を出力する第2フラッシュランプ駆動電
流とに分け、第1フラッシュランプ駆動電流により幅広
の低レベルレーザ光を発生させ、その幅広の低レベルレ
ーザ光の照射によってワークを加熱するようにし、ま
た、第2のフラッシュランプ駆動電流により発生する幅
狭の高レベルレーザ光を発生させ、その幅狭の高レベル
レーザ光の照射によってワークにレーザ刻印を行うとと
もに、高レベルレーザ光の照射でワーク表面を高温度に
し、レーザ刻印の際に発生したすすを燃焼するようにし
ているので、ワークに付着するすすの量を少なくするこ
とができ、ワークのすす汚れを少なくすることができ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態において、レ
ーザ刻印装置は、固体レーザ媒体と、固体レーザ媒体を
励起してレーザ光を発生させるフラッシュランプと、フ
ラッシュランプを発光させるフラッシュランプ駆動回路
と、パターンを表示したマスクとからなり、固体レーザ
媒体からのレーザ光をマスクを通してワークに照射し、
パターンをワーク上に転写刻印するものであって、フラ
ッシュランプ駆動回路は、フラッシュランプの立ち上げ
を行う際に、所定時間にわたって小さい電流を供給し、
フラッシュランプの立ち上げが終了する直前に、短時間
に大きい電流を供給するものである。
【0010】本発明の実施の形態の好適例において、レ
ーザ刻印装置は、フラッシュランプ駆動回路を、フラッ
シュランプに並列接続された第1フラッシュランプ駆動
回路と第2フラッシュランプ駆動回路とによって構成
し、第1フラッシュランプ駆動回路は、フラッシュラン
プに所定時間にわたって小さい電流を供給し、第2フラ
ッシュランプ駆動回路がフラッシュランプに短時間に大
きい電流を供給するものである。
【0011】本発明の実施の形態の具体例において、レ
ーザ刻印装置は、第1フラッシュランプ駆動回路が第1
充電電源と第1充電電源に並列接続された容量値C1の
第1コンデンサと第1充電電源及びフラッシュランプ間
に直列接続されたインダクタンス値L1の第1インダク
タと第1スイッチ素子とからなり、第2フラッシュラン
プ駆動回路が第2充電電源と第2充電電源に並列接続さ
れた容量値C2の第2コンデンサと第2充電電源及びフ
ラッシュランプ間に直列接続されたインダクタンス値L
2の第2インダクタと第2スイッチ素子とからなり、各
容量値C1、C2及び各インダクタンス値L1、L2の
間において、(L1/C1)>(L2/C2)、かつ、
C1>C2を満たすように設定されているものである。
【0012】本発明の他の実施の形態において、レーザ
刻印装置は、第1充電電源と第2充電電源が共用される
ように第1フラッシュランプ駆動回路及び第2フラッシ
ュランプ駆動回路に接続されているものである。
【0013】本発明のさらに他の実施の形態において、
レーザ刻印装置は、第1充電電源が調整可能な出力電圧
を発生するものであり、第2充電電源は固定された出力
電圧を発生するものである。
【0014】これらの本発明の実施の形態によれば、フ
ラッシュランプ駆動電流によってフラッシュランプを駆
動するフラッシュランプ駆動回路を、フラッシュランプ
の立ち上げを行う比較的長時間にわたって低電流を出力
する第1フラッシュランプ駆動電流と、フラッシュラン
プの立ち上げが終了する直前に刻印を行う短時間内に高
電流を出力する第2フラッシュランプ駆動電流とが得ら
れるような構成にし、第1フラッシュランプ駆動電流を
フラッシュランプに供給し、レーザ発振器から幅の広い
低レベルのレーザ光を発生させ、この幅の広い低レベル
のレーザ光をワークに照射してワークを加熱するように
し、また、第2のフラッシュランプ駆動電流をフラッシ
ュランプに供給し、レーザ発振器から幅の狭い高レベル
のレーザ光を発生させ、この幅の狭い高レベルのレーザ
光をワークに照射してワーク上にレーザ刻印を行うとと
もに、幅の狭い高レベルのレーザ光の照射でワーク表面
を高温度にし、レーザ刻印の際に発生したすすを燃焼す
るようにしているので、レーザ刻印時に付着するすすの
量を少なくすることができ、ワークのすす汚れを少なく
することが可能になる。
【0015】この一連の動作時において、本発明者等
は、超高速度カメラを使用して、レーザ刻印が行われる
際の状態を観察した結果、ワークへ照射されたレーザ出
力によってワークの表面にレーザ刻印が行われた際に、
レーザ刻印部分に発生したすすは、ワーク表面から一旦
空間に飛散するが、ワーク表面近傍が負圧になるために
引き戻され、てワーク表面に再付着するようになる。こ
のとき、本発明の実施の形態のように、幅の狭い高レベ
ルのレーザ出力をワークに照射し、ワーク表面の温度を
すすを燃焼させるのに十分な高い温度にしていれば、す
すが完全燃焼し、その残渣が残らない状態、即ち、ワー
ク表面にすす汚れを生じない状態になるが、既知のもの
のように、幅の広い比較的低レベルのレーザ出力をワー
クに照射しただけでは、ワーク表面の温度が温度がすす
を燃焼させるのに十分な高い温度にならないため、すす
が完全燃焼させることができず、その残渣が残る状態、
即ち、ワーク表面にすす汚れを生じる状態になることが
判明した。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0017】図1は、本発明によるレーザ刻印装置の一
実施例の概略構成を示す原理図である。
【0018】図1において、1はパルスレーザ発振器、
1aは固体YAGレーザ媒体、2はフラッシュランプ、
3はフラッシュランプ駆動回路、3(1)は第1フラッ
シュランプ駆動回路、3(2)は第2フラッシュランプ
駆動回路、4は拡大光学系、5はパターン5aを表した
マスク、6は結像レンズ、7は集積回路(IC)に代表
される半導体部品の樹脂封止材からなっているワークで
ある。
【0019】そして、パルスレーザ発振器1は、固体Y
AGレーザ媒体1aとフラッシュランプ2を含み、フラ
ッシュランプ駆動回路3は、フラッシュランプ2に対し
て並列接続された第1フラッシュランプ駆動回路3
(1)と第2フラッシュランプ駆動回路3(2)とから
なっている。パルスレーザ発振器1の出力端側には拡大
光学系4が配置され、拡大光学系4の後側にはパターン
5aを形成したマスク5が配置され、マスク5の後側に
は結像レンズ6が配置され、結像レンズ6の後側にはワ
ーク7が配置される。
【0020】前記構成において、第1フラッシュランプ
駆動回路3(1)と第2フラッシュランプ駆動回路3
(2)とからなるフラッシュランプ駆動回路3から出力
されるフラッシュランプ駆動電流により、フラッシュラ
ンプ2が駆動されると、フラッシュランプ2が発光し、
その発光によってパルスレーザ発振器1内の固体YAG
レーザ媒体1aが励起され、固体YAGレーザ媒体1a
からパルスレーザ光が出力される。出力されたレーザ光
は、拡大光学系3によってレーザ光の幅が拡大され、幅
が拡大されたレーザ光はパターン5aが形成されている
マスク5に照射され、パターン5aが形成された部分の
レーザ光がマスク5を透過する。マスク5を透過したレ
ーザ光は、結像レンズ6によってワーク7表面に結像さ
れるようになり、ワーク7表面にパターン5aの形状を
したレーザ刻印が行われる。
【0021】次に、図2は、図1に図示されたレーザ刻
印装置に用いられる第1実施例のフラッシュランプ駆動
回路であって、その具体的構成を示す回路図である。
【0022】図2において、8は第1充電電源、9は第
2充電電源、10は第1コンデンサ、11は第2コンデ
ンサ、12は第1インダクタ、13は第2インダクタ、
14は第1スイッチング素子、例えばSCR、15は第
2スイッチング素子、例えばSCR、16は第1抵抗、
17は第2抵抗、18、19は駆動回路出力端子であっ
て、その他、図1に示された構成要素と同じ構成要素に
ついては同じ符号を付けている。
【0023】そして、第1フラッシュランプ駆動回路3
(1)は、負電圧出力端子が基準電位点(接地電位点)
に接続され、正電圧出力端子に正電圧を発生する第1充
電電源8と、第1充電電源8の正負電圧出力端子間に接
続された第1コンデンサ10と、第1充電電源8の正電
圧出力端子と駆動回路出力端子18との間に直列接続さ
れた第1インダクタ12、第1抵抗16、第1スイッチ
ング素子14とからなり、駆動回路出力端子18がフラ
ッシュランプ2の一方電極に接続される。第2フラッシ
ュランプ駆動回路3(2)は、負電圧出力端子が基準電
位点(接地電位点)に接続され、正電圧出力端子に正電
圧を発生する第2充電電源9と、第2充電電源9の正負
電圧出力端子間に接続された第2コンデンサ11と、第
2充電電源9の正電圧出力端子と駆動回路出力端子19
との間に直列接続された第2インダクタ13、第2抵抗
17、第2スイッチング素子15とからなり、駆動回路
出力端子18がフラッシュランプ2の一方電極に接続さ
れる。フラッシュランプ2の他方電極は、基準電位点
(接地電位点)に接続されている。
【0024】この場合、第1コンデンサ10の容量値を
C1、第2コンデンサ11の容量値をC2とし、第1イ
ンダクタ12のインダクタンス値をL1、第2インダク
タ13のインダクタンス値をL2としたとき、2つの容
量値C1、C2及び2つのインダクタンス値L1、L2
との間で、(L1/C1)>(L2/C2)であって、
かつ、C1>C2を満たすように、第1コンデンサ10
と第2コンデンサ11の各容量値C1、C2及び第1イ
ンダクタ12と第2インダクタ13の各インダクタンス
値L1、L2を選定する。また、第1充電電源8の出力
電圧をV1、第2充電電源9の出力電圧をV2としたと
き、2つの出力電圧V1、V2の間で、V1≦V2を満
たすように、第1充電電源8及び第2充電電源9の各出
力電圧V1、V2を選定する。
【0025】ここで、図3(a)乃至(c)は、図2に
図示された第1実施例のフラッシュランプ駆動回路3の
出力電流状態を示す特性図及びそのフラッシュランプ駆
動回路3を用いた際にパルスレーザ発振器から出力され
るレーザ光の状態を示す特性図であって、(a)は第1
フラッシュランプ駆動回路3(1)の出力電流状態、
(b)は第2フラッシュランプ駆動回路3(2)の出力
電流状態であり、(c)はパルスレーザ発振器から出力
されるレーザ光の状態である。
【0026】図3(a)、(b)において、横軸は時間
で、縦軸は電流値であり、図3(c)において、横軸は
時間で、縦軸はレーザ光出力レベルである。
【0027】図2及び図3(a)乃至(c)を用い、第
1実施例のフラッシュランプ駆動回路3の動作について
説明する。
【0028】第1フラッシュランプ駆動回路3(1)
は、第1スイッチング素子14がオフ状態に設定されて
いる場合、即ち、第1フラッシュランプ駆動回路3
(1)の駆動回路出力端子18から電流が出力されない
場合、第1コンデンサ10が第1充電電源8の出力電圧
により完全充電され、第2フラッシュランプ駆動回路3
(2)は、第2スイッチング素子15がオフ状態に設定
されている場合、即ち、第2フラッシュランプ駆動回路
3(2)の駆動回路出力端子19から電流が出力されな
い場合、第2コンデンサ11が第2充電電源9の出力電
圧により完全充電されている。
【0029】この状態のとき、図3に図示された時間T
1に、第1フラッシュランプ駆動回路3(1)側の第1
スイッチング素子14が外部からのトリガの供給によっ
てオン状態にスイッチングされると、第1コンデンサ1
0に充電されていた電気エネルギは、第1インダクタ1
2、第1抵抗16、オン状態の第1スイッチング素子1
4を通して駆動回路出力端子18からフラッシュランプ
2の一方電極に向かう電流i1になる。この駆動回路出
力端子18を流れる電流i1は、図3(a)に図示され
るような時間対電流値を示すもので、その最大値は、低
い電圧を発生する第1充電電源8の出力電圧V1によっ
て決まる小さい電流値になり、その立ち上がり及び立ち
下がりの傾斜は、第1コンデンサ10の大きな容量値C
1と第1インダクタ12の大きなインダクタンス値L1
等によって決まる比較的緩やかな形状になる。この場
合、第1スイッチング素子14は、図3に図示された時
間T1から時間T3の間オン状態が持続され、駆動回路
出力端子18には、時間T1乃至T3間の比較的長期間
(t1 +t2 )にわたって低い電流値のパルス電流i
が流れる。
【0030】次に、図3に図示された時間T1乃至T3
の間の時間T3に近い時間T2に、第2フラッシュラン
プ駆動回路3(2)側の第2スイッチング素子15が外
部からのトリガの供給によってオン状態にスイッチング
されると、第2コンデンサ11に充電されていた電気エ
ネルギは、第2インダクタ13、第2抵抗17、オン状
態の第2スイッチング素子15を通して駆動回路出力端
子19からフラッシュランプ2の一方電極に向かう電流
になる。このとき、駆動回路出力端子19を流れ
る電流i2は、図3(b)に図示されるような時間対電
流値を示すもので、その最大値は、高い電圧を発生する
第2充電電源9の出力電圧V2によって決まる比較的大
きい値になり、その立ち上がり及び立ち下がりの傾斜
は、第2コンデンサ11の小さな容量値C2と第2イン
ダクタ13の小さなインダクタンス値L2等によって決
まる比較的急峻な形状になる。この場合、第2スイッチ
ング素子15は、図3に図示された時間T2から時間T
3の間オン状態が持続され、駆動回路出力端子1には、
時間T2乃至T3間の短期間t2 に高い電流値のパルス
電流i2 が流れる。
【0031】次いで、第1フラッシュランプ駆動回路3
(1)から出力されたパルス電流i1 と第2フラッシュ
ランプ駆動回路3(2)から出力されたパルス電流i2
は、加算された状態でフラッシュランプ2に供給され、
フラッシュランプ2を発光させる。
【0032】この場合、図3(c)に図示されるよう
に、時間T1から時間T2までの期間t1 は、ワーク7
のレーザ刻印面を加熱する期間であって、第1フラッシ
ュランプ駆動回路3(1)から出力されたパルス電流i
1 だけがフラッシュランプ2に供給される。パルス電流
1 が供給される時、フラッシュランプ2の発光輝度は
比較的低く、フラッシュランプ2によって励起される固
体YAGレーザ媒体1aのレーザ光の出力レベルも比較
的小さいレベルP1のものになる。このため、この比較
的小さいレベルP1のレーザ光がワーク7に供給されて
も、ワーク7をレーザ刻印するまでには至らず、ワーク
7のレーザ刻印が行われる表面を加熱するだけである。
【0033】また、図3(c)に図示されるように、時
間T2から時間T3までの期間t2は、ワーク7の表面
にレーザ刻印を行う期間であって、第1フラッシュラン
プ駆動回路3(1)から出力されたパルス電流i1 と第
2フラッシュランプ駆動回路3(2)から出力されたパ
ルス電流i2 とが加算され、フラッシュランプ2に供給
される時、フラッシュランプ2の発光輝度は高くなり、
フラッシュランプ2によって励起される固体YAGレー
ザ媒体1aのレーザ光の出力レベルも比較的大きいレベ
ルP2のものになる。このため、この比較的大きレベル
P2のレーザ光がマーク5を通してワーク7に供給され
ると、ワーク7がレーザ刻印されるようになって、ワー
ク7の表面にマーク5に形成されているパターン5aが
レーザ刻印される。
【0034】そして、比較的大きレベルP2のレーザ光
によるワーク7へのレーザ刻印時に、発生したすすがワ
ーク7の表面に再付着したとしても、ワーク7のレーザ
刻印が行われる表面は、前以て行われる小さいレベルP
1のレーザ光の照射による加熱に続いて、ワーク7にレ
ーザ刻印を行う大きいレベルP2のレーザ光の照射によ
り、すすを完全燃焼させるのに十分な温度に保持される
ようになっているので、すすの大部分が燃焼さされ、そ
の残渣を殆んど生じない。特に、本発明者等が実験した
結果に基づけば、時間T1から時間T2の間の期間t1
を0.2乃至0.4msの間に選び、かつ、t2 ≦0.
1msを満たすようにすれば、すすの残渣を殆んど発生
させずに、レーザ刻印を行うことができた。
【0035】続く、図4は、図1に図示のレーザ刻印装
置に用いられる第2実施例のフラッシュランプ駆動回路
の具体的構成を示す回路図である。
【0036】図4に示されるように、この第2実施例の
フラッシュランプ駆動回路3は、第1フラッシュランプ
駆動回路3(1)側の第1充電電源8と第2フラッシュ
ランプ駆動回路3(2)側の第2充電電源9とを共用さ
せるようにしたもので、第2フラッシュランプ駆動回路
3(2)の第2充電電源9に第1充電電源8を利用して
いうものである。
【0037】図4において、図1に示された構成要素と
同じ構成要素については同じ符号を付けている。
【0038】第2実施例のフラッシュランプ駆動回路3
の動作は、既に述べた第1実施例のフラッシュランプ駆
動回路3の動作と殆んど同じであるので、その詳しい動
作についての説明は省略するが、第2実施例のフラッシ
ュランプ駆動回路3は、第1実施例のフラッシュランプ
駆動回路3に比べて、充電電源8が1個あれば足りると
いう利点がある。
【0039】続いて、図5は、図1に図示のレーザ刻印
装置に用いられる第3実施例のフラッシュランプ駆動回
路の具体的構成を示す回路図である。
【0040】図5に示されるように、第1フラッシュラ
ンプ駆動回路3(1)側の第1充電電源8は、第1実施
例や第2実施例の第1充電電源8と同様に、ワーク7の
レーザ刻印面積やワーク7の構成材質等に対応して出力
電圧V1が適宜変化させることができるように構成され
ているのに対して、第2フラッシュランプ駆動回路3
(2)側の第2充電電源9’は、出力電圧V2を変化さ
せることができないように構成されているものである。
【0041】図5において、図1に示された構成要素と
同じ構成要素については同じ符号を付けている。
【0042】第3実施例のフラッシュランプ駆動回路3
の動作も、既に述べた第1実施例のフラッシュランプ駆
動回路3の動作と殆んど同じであるので、その詳しい動
作についての説明は省略するが、第3実施例のフラッシ
ュランプ駆動回路3は、第1実施例や第2実施例のフラ
ッシュランプ駆動回路3に比べて、ワーク7のレーザ刻
印面積やワーク7の構成材質等が変化しても、レーザ刻
印時の条件の設定を行うだけで済むので、レーザ刻印時
の作業管理が簡単になるという利点がある。
【0043】このように、第1実施例乃至第3実施例の
フラッシュランプ駆動回路3によれば、ワーク7を構成
する半導体部品の樹脂封止材にレーザ刻印を行った際に
発生するすすを、レーザ刻印を行う表面に対する低レベ
ルレーザ光の照射による加熱に続いて、高レベルレーザ
光の照射によるレーザ刻印時にほぼ完全に燃焼させるこ
とができるので、すすの残渣がワーク7の表面に残るこ
とがなく、ワーク7表面のすす汚れが生じることが少な
くなる。
【0044】なお、フラッシュランプを励起するための
駆動電源として、本発明による駆動電流に類似の波形を
用いているものとして、特開平3−255683号に開
示の手段が知られているが、た励起用電源に関し、によ
りパルス波形を制御する構成が示されているが、特開平
3−255683号に開示の手段は、金属の溶接加工を
対象としているものである他に、立ち上がり時に高いピ
ーク値を有するレーザ光を照射することにより、金属の
吸収率の増大を図ったものであって、本発明のように、
立ち下がり直前に高いピーク値を有するレーザ光を照射
し、すすを完全燃焼させるようにしているものとは、目
的や作用効果が全く異なっている。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、フラッ
シュランプ駆動回路から発生するフラッシュランプ駆動
電流を、フラッシュランプの立ち上げを行う比較的長時
間にわたって低電流を出力する第1フラッシュランプ駆
動電流と、フラッシュランプの立ち上げが終了する直前
に刻印を行う短時間内に高電流を出力する第2フラッシ
ュランプ駆動電流とに分け、第1フラッシュランプ駆動
電流により幅の広い低レベルレーザ光を発生させ、その
幅の広い低レベルレーザ光の照射によってワークを加熱
するようにし、また、第2のフラッシュランプ駆動電流
により発生する幅の狭い高レベルレーザ光を発生させ、
その幅の狭いレベルレーザ光の照射によってワークにレ
ーザ刻印を行うとともに、高レベルレーザ光の照射でワ
ーク表面を高温度にし、レーザ刻印の際に発生したすす
を燃焼するようにしているので、ワークに付着するすす
の量を少なくして、ワークのすす汚れを少なくすること
ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレーザ刻印装置の一実施例の概略
構成を示す原理図である。
【図2】図1に図示のレーザ刻印装置に用いられる第1
実施例のフラッシュランプ駆動回路の具体的構成を示す
回路図である。
【図3】図2に図示された第1実施例のフラッシュラン
プ駆動回路の出力電流状態及びフラッシュランプ駆動回
路を用いたパルスレーザ発振器から出力されるレーザ光
の状態を示す特性図である。
【図4】図1に図示のレーザ刻印装置に用いられる第2
実施例のフラッシュランプ駆動回路の具体的構成を示す
回路図である。
【図5】図1に図示のレーザ刻印装置に用いられる第3
実施例のフラッシュランプ駆動回路の具体的構成を示す
回路図である。
【符号の説明】
1 パルスレーザ発振器 2 フラッシュランプ 3 フラッシュランプ駆動回路 3(1) 第1フラッシュランプ駆動回路 3(2) 第2フラッシュランプ駆動回路 4 拡大光学系 5 マスク 5a パターン 6 結像レンズ 7 ワーク(半導体部品の樹脂封止材) 8 第1充電電源 9、9’ 第2充電電源 10 第1コンデンサ 11 第2コンデンサ 12 第1スイッチング素子 13 第2スイッチング素子 14 第1インダクタ 15 第2インダクタ 16 第1抵抗 17 第2抵抗

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体レーザ媒体と、前記固体レーザ媒体
    を励起してレーザ光を発生させるフラッシュランプと、
    前記フラッシュランプを発光させるフラッシュランプ駆
    動回路と、パターンを表示したマスクとからなり、前記
    固体レーザ媒体からのレーザ光を前記マスクを通してワ
    ークに照射し、前記パターンを前記ワーク上に転写刻印
    するレーザ刻印装置において、前記フラッシュランプ駆
    動回路は、前記フラッシュランプの立ち上げを行う際
    に、所定時間にわたって小さい電流を供給し、前記フラ
    ッシュランプの立ち上げが終了する直前に、短時間に大
    きい電流を供給するものであることを特徴とするレーザ
    刻印装置。
  2. 【請求項2】 前記フラッシュランプ駆動回路は、前記
    フラッシュランプに並列接続された第1フラッシュラン
    プ駆動回路と第2フラッシュランプ駆動回路とからな
    り、前記第1フラッシュランプ駆動回路が前記フラッシ
    ュランプに前記所定時間にわたって小さい電流を供給
    し、前記第2フラッシュランプ駆動回路が前記フラッシ
    ュランプに前記短時間に大きい電流を供給するものであ
    ることを特徴とする請求項1に記載のレーザ刻印装置。
  3. 【請求項3】 前記第1フラッシュランプ駆動回路は、
    第1充電電源と、前記第1充電電源に並列接続された容
    量値C1の第1コンデンサと、前記第1充電電源及び前
    記フラッシュランプ間に直列接続されたインダクタンス
    値L1の第1インダクタと第1スイッチ素子とからな
    り、前記第2フラッシュランプ駆動回路は、第2充電電
    源と、前記第2充電電源に並列接続された容量値C2の
    第2コンデンサと、前記第2充電電源及び前記フラッシ
    ュランプ間に直列接続されたインダクタンス値L2の第
    2インダクタと第2スイッチ素子とからなり、前記各容
    量値C1、C2及び前記各インダクタンス値L1、L2
    の間において、(L1/C1)>(L2/C2)、か
    つ、C1>C2を満たすように設定されていることを特
    徴とする請求項2に記載のレーザ刻印装置。
  4. 【請求項4】 前記第1充電電源と前記第2充電電源
    は、共用されるように前記第1フラッシュランプ駆動回
    路及び前記第2フラッシュランプ駆動回路に接続されて
    いることを特徴とする請求項3に記載のレーザ刻印装
    置。
  5. 【請求項5】 前記第1充電電源は調整可能な出力電圧
    を発生するものであり、前記第2充電電源は固定された
    出力電圧を発生するものであることを特徴とする請求項
    2または3に記載のレーザ刻印装置。
JP9252279A 1997-09-17 1997-09-17 レーザ刻印装置 Pending JPH1197771A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7115843B2 (en) 2004-09-07 2006-10-03 Kyong In Special Metal Co., Ltd. High-frequency pulse oscillator

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