JPH1197708A - 半導体装置およびその作製方法 - Google Patents

半導体装置およびその作製方法

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JPH1197708A
JPH1197708A JP9278124A JP27812497A JPH1197708A JP H1197708 A JPH1197708 A JP H1197708A JP 9278124 A JP9278124 A JP 9278124A JP 27812497 A JP27812497 A JP 27812497A JP H1197708 A JPH1197708 A JP H1197708A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な製造工程によって、量産性が高く、且
つ、信頼性及び再現性の高い半導体装置を提供する。 【解決手段】結晶構造を有する半導体層で形成されたボ
トムゲイト型の半導体装置の構成において、ソース/ド
レイン領域を、第1の導電層(n+ 層)、それより高抵
抗な第2の導電層(n- 層)及び真性または実質的に真
性な半導体層(i層)からなる積層構造で構成する。こ
の時、n- 層はLDD領域として機能し、i層は膜厚方
向のオフセット領域として機能する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本願発明は結晶構造を有する
半導体薄膜を利用した半導体装置およびその作製方法に
関する。特に、逆スタガ構造の薄膜トランジスタ(以
下、TFTと略記する)の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アクティブマトリクス型液晶
表示装置(以下、AMLCDと略記する)のスイッチン
グ素子としてTFTが利用されている。現在では非晶質
珪素膜(アモルファスシリコン膜)を活性層として利用
したTFTで回路構成を行う製品が市場を占めている。
特に、TFT構造としては製造工程の簡単な逆スタガ構
造が多く採用されている。
【0003】しかし、年々AMLCDの高性能化が進
み、TFTに求められる動作性能(特に動作速度)は厳
しくなる傾向にある。そのため、非晶質珪素膜を用いた
TFTの動作速度では十分な性能を有する素子を得るこ
とが困難となった。
【0004】そこで、非晶質珪素膜に代わって多結晶珪
素膜(ポリシリコン膜)を利用したTFTが脚光を浴
び、多結晶珪素膜を活性層とするTFTの開発が著しい
勢いで進んできている。現在では、その一部で製品化も
行われている。
【0005】活性層として多結晶珪素膜を利用した逆ス
タガ型TFTの構造については既に多くの発表がなされ
ている。例えば、「Fabrication of Low-Temperature B
ottom-Gate Poly-Si TFTs on Large-Area Substrate by
Linear-Beam Excimer LaserCrystallization and Ion
Doping Method:H.Hayashi et.al.,IEDM95,PP829-832,1
995」などの報告がある。
【0006】同報告書では多結晶珪素膜を利用した逆ス
タガ構造の典型的な例(Fig.4 )を説明しているが、こ
の様な構造の逆スタガ構造(いわゆるチャネルストップ
型)では様々な問題も抱えている。
【0007】まず、活性層全体が50nm程度と極めて薄い
のでチャネル形成領域とドレイン領域との接合部におい
て衝突電離(Impact Ionization )が発生し、ホットキ
ャリア注入などの劣化現象が顕著に現れてしまう。その
ため、大きなLDD領域(Light Doped Drain region)
を形成する必要性が生じる。
【0008】そして、このLDD領域の制御性が最も重
大な問題となる。LDD領域は不純物濃度と領域の長さ
の制御が非常に微妙であり、特に長さ制御が問題とな
る。現状ではマスクパターンによってLDD領域の長さ
を規定する方式が採られているが、微細化が進めば僅か
なパターニング誤差が大きなTFT特性の差を生む。
【0009】活性層の膜厚のバラツキによるLDD領域
のシート抵抗のバラツキも深刻な問題となる。さらに、
ゲイト電極のテーパー角度等のバラツキもLDD領域の
効果のバラツキを招く要因となりうる。
【0010】また、LDD領域を形成するためにはパタ
ーニング工程が必要であり、それはそのまま製造工程の
増加、スループットの低下を招く。上記報告書に記載さ
れた逆スタガ構造では最低でもマスク6枚(ソース/ド
レイン電極形成まで)が必要であると予想される。
【0011】以上の様に、チャネルストップ型の逆スタ
ガ構造ではチャネル形成領の両側に横方向の平面内でL
DD領域を形成しなくてはならず、再現性のあるLDD
領域を形成することは非常に困難である。
【0012】
【本発明が解決しようとする課題】本願発明では、非常
に簡易な製造工程によって、量産性が高く、且つ、信頼
性及び再現性の高い半導体装置を作製する技術を提供す
ることを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本明細書で開示する発明
の構成は、結晶構造を有する半導体層で構成されたソー
ス領域、ドレイン領域及びチャネル形成領域を有するボ
トムゲイト型の半導体装置であって、前記半導体層は溶
融結晶化膜に特有の粒界分布を示し、前記ソース領域及
びドレイン領域は、ゲイト絶縁膜に向かって少なくとも
第1の導電層、当該第1の導電層よりも高抵抗な第2の
導電層及び前記チャネル形成領域と同一導電型の半導体
層からなる積層構造を有することを特徴とする。
【0014】また、他の発明の構成は、結晶構造を有す
る半導体層で構成されたソース領域、ドレイン領域及び
チャネル形成領域を有するボトムゲイト型の半導体装置
であって、前記半導体層は溶融結晶化膜に特有の粒界分
布を示し、前記ソース領域及びドレイン領域は、少なく
ともゲイト絶縁膜に向かって第1の導電層、当該第1の
導電層よりも高抵抗な第2の導電層及び前記チャネル形
成領域と同一導電型の半導体層からなる積層構造を有
し、前記第1の導電層から前記第2の導電層にかけて当
該第1及び第2の導電層を構成する不純物の濃度プロフ
ァイルが連続的に変化していることを特徴とする。
【0015】また、他の発明の構成は、結晶構造を有す
る半導体層で構成されたソース領域、ドレイン領域及び
チャネル形成領域を有するボトムゲイト型の半導体装置
であって、前記半導体層は溶融結晶化膜に特有の粒界分
布を示し、前記ソース領域及びドレイン領域は、少なく
ともゲイト絶縁膜に向かって第1の導電層、当該第1の
導電層よりも高抵抗な第2の導電層及び前記チャネル形
成領域と同一導電型の半導体層からなる積層構造を有
し、前記第2の導電層は 5×1017〜 1×1019atoms/cm3
の範囲内で連続的に変化する不純物によって形成されて
いることを特徴とする。
【0016】また、他の発明の構成は、結晶構造を有す
る半導体層で構成されたソース領域、ドレイン領域及び
チャネル形成領域を有するボトムゲイト型の半導体装置
であって、前記半導体層は溶融結晶化膜に特有の粒界分
布を示し、前記ソース領域及びドレイン領域は、少なく
ともゲイト絶縁膜に向かって第1の導電層、当該第1の
導電層よりも高抵抗な第2の導電層及び前記チャネル形
成領域と同一導電型の半導体層からなる積層構造を有
し、前記チャネル形成領域と前記第2の導電層との間に
は、膜厚の異なる二つのオフセット領域が存在すること
を特徴とする。
【0017】また、他の発明の構成は、結晶構造を有す
る半導体層で構成されたソース領域、ドレイン領域及び
チャネル形成領域を有するボトムゲイト型の半導体装置
であって、前記半導体層は溶融結晶化膜に特有の粒界分
布を示し、前記ソース領域及びドレイン領域は、少なく
ともゲイト絶縁膜に向かって第1の導電層、当該第1の
導電層よりも高抵抗な第2の導電層及び前記チャネル形
成領域と同一導電型の半導体層からなる積層構造を有
し、前記チャネル形成領域と前記第2の導電層との間に
は、前記チャネル形成領域よりも膜厚の厚いオフセット
領域が存在することを特徴とする。
【0018】また、他の発明の構成は、絶縁表面を有す
る基板上に形成されたゲイト電極と、結晶構造を有する
半導体層で構成されたソース領域、ドレイン領域及びチ
ャネル形成領域と、前記ソース領域及びドレイン領域上
のそれぞれに形成されたソース電極及びドレイン電極
と、を有するボトムゲイト型の半導体装置であって、前
記半導体層は溶融結晶化膜に特有の粒界分布を示し、前
記ソース領域及びドレイン領域は、少なくともゲイト絶
縁膜に向かって第1の導電層、当該第1の導電層よりも
高抵抗な第2の導電層及び前記チャネル形成領域と同一
導電型の半導体層からなる積層構造を有し、前記ソース
電極及び/又はドレイン電極は前記ゲイト電極に、前記
チャネル形成領域上でオーバーラップしていることを特
徴とする。
【0019】また、他の発明の構成は、結晶構造を有す
る半導体層で構成されたソース領域、ドレイン領域及び
チャネル形成領域を有するボトムゲイト型の半導体装置
であって、前記半導体層は溶融結晶化膜に特有の粒界分
布を示し、前記ソース領域及びドレイン領域は、少なく
ともゲイト絶縁膜に向かって第1の導電層、当該第1の
導電層よりも高抵抗な第2の導電層及び前記チャネル形
成領域と同一導電型の半導体層からなる積層構造を有
し、前記チャネル形成領域と前記第1の導電層との間に
は、膜厚の異なる二つのオフセット領域と前記第2の導
電層からなるHRD構造が存在することを特徴とする。
【0020】なお、前記膜厚の異なる二つのオフセット
領域は、一方は前記チャネル形成領域と同一導電型かつ
同一膜厚の半導体層からなる膜面方向のオフセットであ
り、他方は前記チャネルと同一導電型かつ前記チャネル
形成領域よりも膜厚の厚い半導体層からなる膜厚方向の
オフセットであることを特徴とする。
【0021】また、作製方法に関する他の発明の構成
は、絶縁表面を有する基板上にゲイト電極、ゲイト絶縁
層、非晶質半導体膜を形成する工程と、前記非晶質半導
体膜に対してレーザー光またはそれと同等の強度を持つ
強光を照射することにより結晶化し、結晶構造を有する
半導体膜を得る工程と、前記結晶構造を有する半導体膜
に対してイオン注入法またはイオンドーピング法により
13族及び/又は15族から選ばれた不純物を添加し
て、当該不純物を含む第1及び第2の導電層を形成する
工程と、レーザー光またはそれと同等の強度を持つ強光
を照射することにより前記不純物を活性化させる工程
と、前記導電層上にソース電極及びドレイン電極を形成
する工程と、前記ソース電極及びドレイン電極をマスク
として前記結晶構造を有する半導体膜をエッチングする
ことでチャネル形成領域を形成する工程と、を有し、前
記不純物の濃度プロファイルでもって前記第1及び第2
の導電層の厚さを制御することを特徴とする。
【0022】また、他の発明の構成は、絶縁表面を有す
る基板上にゲイト電極、ゲイト絶縁層、非晶質半導体膜
を形成する工程と、前記非晶質半導体膜に対してレーザ
ー光またはそれと同等の強度を持つ強光を照射すること
により結晶化し、結晶構造を有する半導体膜を得る工程
と、前記結晶構造を有する半導体膜に対してイオン注入
法またはイオンドーピング法により13族及び/又は1
5族から選ばれた不純物を添加して、当該不純物を含む
第1及び第2の導電層を形成する工程と、レーザー光ま
たはそれと同等の強度を持つ強光を照射することにより
前記不純物を活性化させる工程と、前記導電層上にソー
ス電極及びドレイン電極を形成する工程と、前記ソース
電極及びドレイン電極をマスクとして前記結晶構造を有
する半導体膜をエッチングすることでチャネル形成領域
を形成する工程と、前記ソース電極及びドレイン電極を
マスクとしてしきい値電圧制御用の不純物を添加する工
程と、を有し、前記不純物の濃度プロファイルでもって
前記第1及び第2の導電層の厚さを制御することを特徴
とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以上の構成からなる本願発明の実
施の形態について、以下に記載する実施例でもって詳細
な説明を行うこととする。
【0024】
【実施例】
〔実施例1〕本願発明の代表的な実施例について、図1
〜3を用いて説明する。まず、図1を用いて本願発明の
半導体装置の作製方法を説明する。
【0025】まず、絶縁表面を有する基板の準備として
ガラス基板101上に珪素を主成分とする絶縁膜でなる
下地膜102を形成する。その上に導電性膜でなるゲイ
ト電極(第1配線)103を形成する。
【0026】ゲイト電極103の線幅は1〜10μm
(代表的には3〜5μm)とする。また、膜厚は 200〜
500 nm(代表的には 250〜300 nm)とする。本実施例で
は 250nm厚のアルミニウム膜(2wt% のスカンジウムを
含有)を用いて線幅3μmのゲイト電極を形成する。
【0027】なお、ゲイト電極103としてはアルミニ
ウム以外にも、タンタル、タングステン、チタン、クロ
ム、モリブデン、導電性シリコン、金属シリサイドまた
はそれらの積層膜等を用いることができる。ここで1回
目のパターニング工程(ゲイト電極形成)が行われる。
【0028】ここで、ゲイト電極103に対して陽極酸
化を行い、ゲイト電極を保護する陽極酸化膜104を50
〜200 nm(典型的には 100〜150 nm)形成する。本実施
例では3%の酒石酸を含むエチレングリコール溶液(ア
ンモニアで中性に中和する)中で印加電圧80V、化成電
流5〜6mAの条件で形成する。こうして100 nm程度の厚
さに形成することができる。
【0029】次に、窒化珪素膜105(膜厚は0〜200
nm、代表的には25〜100 nm、好ましくは50nm)、SiO
x Ny で示される酸化窒化珪素膜又は酸化珪素膜(膜厚
は 150〜300 nm、代表的には200 nm)106からなるゲ
イト絶縁層を形成する。
【0030】なお、本実施例の場合、ゲイト絶縁層には
陽極酸化膜104も含まれる。また、ゲイト絶縁層とし
て酸化珪素膜を用いることもできる。
【0031】ゲイト絶縁層を形成したら、その上に珪素
を主成分とする非晶質半導体膜107を形成する。本実
施例では非晶質珪素膜を例とするが他の化合物半導体膜
(ゲルマニウムを含有する非晶質珪素膜等)を用いても
良い。
【0032】また、本願発明はチャネルエッチ型のボト
ムゲイト構造であるので、非晶質珪素膜107の膜厚は
厚く形成しておく。膜厚範囲は 100〜600 nm(典型的に
は 200〜300 nm、好ましくは250 nm)とする。本実施例
では200 nmとする。また、後述するが、最適な膜厚は本
願発明のTFTにどの様なオフセット領域、LDD領域
を設けるかによって適宜決定する必要がある。
【0033】なお、本実施例では減圧熱CVD法により
非晶質珪素膜107を成膜するが、成膜の際に炭素、酸
素、窒素といった不純物の濃度を徹底的に管理すること
が望ましい。これらの不純物が多いと後に結晶性半導体
膜の結晶性の均一性を崩す恐れがある。
【0034】本実施例では成膜した非晶質珪素膜中にお
ける各不純物の濃度が、炭素及び窒素が 5×1018atoms/
cm3 未満(代表的には 5×1017atoms/cm3 以下)、酸素
が 1.5×1019atoms/cm3 未満(代表的には 1×1018atom
s/cm3 以下)となる様に制御する。この様な管理を行っ
ておけば最終的にTFTのチャネル形成領域中に含まれ
る不純物濃度は上記範囲内に収まる。
【0035】こうして図1(A)の状態が得られる。図
1(A)の状態が得られたら、レーザー光の照射により
非晶質珪素膜107の結晶化を行う。(図1(B))
【0036】レーザー光としては、励起ガスとしてKr
F(248 nm)、XeCl(308 nm)、ArF(193 nm)
等を用いたパルス発振型エキシマレーザーを用いれば良
い。また、Nd:YAGレーザーの高調波など他のあら
ゆるレーザー光を用いることができる。
【0037】なお、本実施例の様に結晶化しようとする
非晶質半導体膜の膜厚が厚い場合、波長の長いレーザー
光を用いた方が全体を均一に結晶化しやすい。また、レ
ーザー光を照射する際に、基板を50〜500 ℃程度の範囲
で補助的に加熱する方法も有効である。また、レーザー
光の波長周期を鑑みて光吸収効率が高まる様な膜厚に調
節しておくことも有効である。
【0038】本実施例ではパルス発振型のXeClエキ
シマレーザー光を光学系によって線状に加工した後、基
板の一端から他端に向かって走査することで非晶質珪素
膜全面に対してレーザーアニールを行う。
【0039】なお、発振周波数は30MHz、走査速度は
2.4mm/s 、レーザーエネルギーは 300〜400mJ/cm2
し、基板を裏面側から400 ℃に加熱して処理する。こう
して、結晶性半導体膜(本実施例では結晶性珪素膜)1
08を得る。
【0040】また、非晶質珪素膜とガラス基板とで熱吸
収率が異なるため、膜の上面側から照射すれば非晶質珪
素膜の温度を集中的に上げることが可能である。そのた
め、ガラス基板の耐熱温度(650 ℃付近)以上の温度で
非晶質珪素膜を加熱することが可能である。
【0041】ところで、本実施例の様にレーザー光の照
射により結晶化した半導体膜(本明細書中では溶融結晶
化膜と呼ぶ)はレーザー結晶化に特有の粒界分布(結晶
粒界の存在分布)を有する。セコエッチングと呼ばれる
公知の技術によって粒界を顕著化して観察すると、結晶
粒と粒界とが明確に判別でき、数十〜数百nmの粒径を持
つ結晶粒の集合体であることが判る。
【0042】一方、他の結晶化手段を用いた半導体膜は
溶融結晶化膜とは明らかに異なる粒界分布を示す。なぜ
ならばレーザー光(またはそれと同等の強度を持つ強
光)。を用いた結晶化では一旦半導体層が溶融するが、
他の手段は基本的に固相成長であり、結晶化機構が異な
るからである。
【0043】さて次に、15族から選ばれた元素(代表
的にはリン、砒素またはアンチモン)をイオン注入法
(質量分離あり)またはイオンドーピング法(質量分離
なし)により添加する。本実施例では結晶性珪素膜10
8の表面から深さ30〜100nm (代表的には30〜50nm)の
範囲において、リン濃度が 1×1019〜 1×1021atoms/cm
3 (代表的には 1×1020atoms/cm3 )となる様に調節す
る。
【0044】本実施例ではこの様にして形成された高濃
度のリンを含む領域109をn+ 層(または第1の導電
層)と呼ぶ。この層の厚さは30〜100nm (代表的には30
〜50nm)の範囲で決定する。この場合、n+ 層109は
後にソース/ドレイン電極の一部として機能する。本実
施例では30nm厚のn+ 層を形成する。
【0045】また、n+ 層109の下に形成される低濃
度にリンを含む領域110をn- 層(または第2の導電
層)と呼ぶ。この場合、n- 層110はn+ 層109よ
りも高抵抗となり、後に電界緩和のためのLDD領域と
して機能する。本実施例では30nm厚のn- 層を形成す
る。(図1(C))
【0046】また、この時、リンを添加する際の深さ方
向の濃度プロファイルが非常に重要である。この事につ
いて図4を用いて説明する。なお、図4に示す濃度プロ
ファイルは加速電圧を80keV 、RF電力を20Wとして
イオンドーピング法によりフォスフィン(PH3 )を添
加した場合の例である。
【0047】図4において、401は結晶性珪素膜、4
02は添加されたリンの濃度プロファイルを示してい
る。この濃度プロファイルはRF電力、添加イオン種、
加速電圧等の設定条件によって決定される。
【0048】この時、濃度プロファイル402のピーク
値はn+ 層403内部又は界面近傍にあり、結晶性珪素
膜401の深くにいく程(ゲイト絶縁膜に向かうほ
ど)、リン濃度は低下する。この時、リン濃度は膜内部
全域に渡って連続的に変化するためn+ 層403の下に
は必ずn- 層404が形成される。
【0049】そして、このn- 層404の内部において
もリン濃度は連続的に低下していく。本実施例では、リ
ン濃度が 1×1019atoms/cm3 を超える領域をn+ 層40
3として考え、 5×1017〜 1×1019atoms/cm3 の濃度範
囲にある領域をn- 層404として考えている。ただ
し、明確な境界は存在しないため、目安として考えてい
る程度である。
【0050】また、リン濃度が極端に低下した領域及び
そのさらに下層は真性または実質的に真性な領域(i
層)405となる。なお、真性な領域とは意図的に不純
物が添加されない領域を言う。また、実質的に真性な領
域とは、不純物濃度(ここではリン濃度)が珪素膜のス
ピン密度以下である領域又は不純物濃度が 1×1014〜 1
×1017atoms/cm3 の範囲で一導電性を示す領域を指す。
【0051】この様な真性または実質的に真性な領域は
- 層404の下に形成される。ただし、i層405は
基本的にチャネル形成領域と同一導電型の半導体層から
構成される。即ち、チャネル形成領域が弱いn型又はp
型を示す様な場合には、同様の導電型を示す。
【0052】この様に、n+ 層の形成にイオン注入法ま
たはイオンドーピング法を用いることによりn+ 層の下
にn- 層を形成することができる。従来の様にn+ 層を
成膜で設けた場合にはこの様な構成は実現できない。ま
た、イオン添加時の条件を適切に設定することでn+
とn- 層の厚さ制御を容易に行うことができる。
【0053】特に、n- 層110の厚さは後にLDD領
域の厚さとなるため、非常に精密な制御が必要である。
イオンドーピング法等では添加条件の設定によって深さ
方向の濃度プロファイルが精密に制御できるので、LD
D領域の厚さ制御が容易に行える。本願発明ではn-
110の厚さを30〜200 nm(代表的には50〜150 nm)の
範囲で調節すれば良い。
【0054】こうしてn+ 層109、n- 層110を形
成したら、再びレーザー光の照射を行い、添加した不純
物(リン)の活性化を行う。(図1(D))
【0055】なお、レーザーアニール以外にランプアニ
ール(強光の照射)、ファーネスアニール(電熱炉によ
る加熱)を行うこともできる。ただし、ファーネスアニ
ールの場合にはガラス基板の耐熱性を考慮して処理を行
う必要がある。
【0056】本実施例ではXeClエキシマレーザーを
用いてレーザーアニールを行う。処理条件は基本的に上
述の結晶化工程と同一で良いが、レーザーエネルギーは
200〜350mJ/cm2 (代表的には 250〜300mJ/cm2 )で良
い。また、基板は裏面側から300℃に加熱して活性化率
の向上を図る。
【0057】また、このレーザー活性化工程では結晶性
珪素膜108がリンの添加工程に受けたダメージを回復
することができる。そして、添加時のイオン衝突により
非晶質化した領域を再結晶化することができる。
【0058】こうしてリンの活性化工程が終了したら、
結晶性珪素膜のパターニングを行い、島状半導体層11
1を形成する。この時、最終的にTFTが完成した時に
キャリアの移動方向に対して垂直な方向の長さ(チャネ
ル幅(W))が1〜30μm(代表的には10〜20μm)と
なる様に調節する。ここで2回目のパターニング工程が
行われる。(図2(A))
【0059】ここで図面上には図示されないが、露出し
たゲイト絶縁層の一部をエッチングし、ゲイト電極(第
1配線)と次に形成する電極(第2配線)との電気的接
続をとるためのコンタクトホール(図2(C)の118
で示される領域)を開口する。ここで3回目のパターニ
ング工程が行われる。
【0060】次に、導電性を有する金属膜(図示せず)
を成膜し、パターニングによりソース電極112、ドレ
イン電極113を形成する。本実施例ではTi(50nm)
/Al( 200〜300 nm)/Ti(50nm)の3層構造から
なる積層膜を用いる。また、上述の様にゲイト電極と電
気的に接続するための配線も同時に形成されている。こ
こで4回目のパターニング工程が行われる。(図2
(B))
【0061】また、後述するが、ゲイト電極103の真
上の領域、即ちソース電極112とドレイン電極113
とで挟まれた領域(以下、チャネルエッチ領域と呼ぶ)
114の長さ(C1 で示される)が後にチャネル形成領
域とオフセット領域の長さを決定する。C1 は2〜20μ
m(代表的には5〜10μm)の範囲から選べるが、本実
施例ではC1 =4μmとする。
【0062】次に、ソース電極112及びドレイン電極
113をマスクとしてドライエッチングを行い、自己整
合的に島状半導体層111をエッチングする。そのた
め、チャネルエッチ領域114のみでエッチングが進行
する。(図2(C))
【0063】この時、n+ 層109は完全にエッチング
され、真性または実質的に真性な領域(i層)のみが残
された形でエッチングを止める。本願発明では最終的に
10〜100 nm(代表的には10〜75nm、好ましくは15〜45n
m)の半導体層のみを残す。本実施例では30nm厚の半導
体層を残すことにする。
【0064】こうして島状半導体層111のエッチング
(チャネルエッチ工程)が終了したら、保護膜115と
して酸化珪素膜また窒化珪素膜を形成して、図2(C)
に示す様な構造の逆スタガ型TFTを得る。
【0065】この状態において、チャネルエッチされた
島状半導体層111のうち、ゲイト電極112の真上に
位置する領域はチャネル形成領域116となる。本実施
例の構成ではゲイト電極幅がチャネル形成領域の長さに
対応し、L1 で示される長さをチャネル長と呼ぶ。ま
た、ゲイト電極113の端部よりも外側に位置する領域
117は、ゲイト電極103からの電界が及ばず、オフ
セット領域となる。この長さはX1 で示される。
【0066】本実施例の場合、ゲイト電極103の線幅
(L1 に相当する)が100 nm厚の陽極酸化膜分の減りを
考慮すると約 2.8μmであり、チャネルエッチ領域11
4の長さ(C1 )が4μmであるので、オフセット領域
の長さ(X1 )は約 0.6μmとなる。
【0067】ここで、ドレイン領域(ドレイン電極11
3と接する半導体層)を拡大したものを図3に示す。図
3において、103はゲイト電極、301はチャネル形
成領域、302はn+ 層(ソースまたはドレイン電
極)、303、304は膜厚の異なるオフセット領域、
305はn- 層(LDD領域)である。
【0068】なお、ここでは説明しないがソース領域
(ソース電極112と接する半導体層)も同様の構造を
有している。
【0069】また、図3に示す構造は模式的に記されて
いるが、各領域の膜厚関係には注意が必要である。本願
発明を構成するにあたって最も好ましい構成は、膜厚の
厚さがn+ 層302<n- 層305<オフセット領域
(i層)304の関係にある場合である。
【0070】なぜならばn+ 層302は電極として機能
するだけなので薄くで十分である。一方、n- 層305
及びオフセット領域304は電界緩和を効果的に行うた
めに適切な厚さが必要である。
【0071】本実施例の構成では、チャネル形成領域3
01からn+ 領域302に至るまでに膜厚の異なる二つ
のオフセット領域303、304及びLDD領域305
が存在する。なお、303はマスク合わせにより形成さ
れる膜面方向のオフセット領域であり、マスクオフセッ
ト領域と呼ぶ。
【0072】また、304はi層の膜厚分に相当する膜
厚方向のオフセット領域であり、厚さオフセット領域と
呼ぶ。厚さオフセット領域304の厚さは100 〜300 nm
(代表的には 150〜200nm )の範囲で決定すれば良い。
ただし、チャネル形成領域の膜厚よりも膜厚をが厚くす
る必要がある。チャネル形成領域よりも膜厚が薄いと良
好なオフセット効果を望めない。
【0073】この様なオフセット+LDDからなる構造
を本発明者らはHRD(High Resistance Drain )構造
と呼び、通常のLDD構造とは区別して考えている。本
実施例の場合、HRD構造はマスクオフセット+厚さオ
フセット+LDDの3段構造で構成されることになる。
【0074】この時、LDD領域303はLDD領域の
膜厚及び不純物濃度によって制御されるため、非常に再
現性が高く、特性バラツキが小さいという利点を有す
る。パターニングによって形成されたLDD領域ではパ
ターニング誤差による特性バラツキが問題となることは
従来例で述べた通りである。
【0075】なお、マスクオフセット領域303の長さ
(X1 )はパターニングによって制御されるため、パタ
ーニングやガラスの縮み等による誤差の影響を受ける。
しかしながら、その後に厚さオフセット領域304とL
DD領域305とが存在するので誤差による影響は緩和
され、特性バラツキを小さくすることができる。
【0076】なお、マスクオフセットの長さ(X1 )は
チャネル長(L1 )とチャネルエッチ領域の長さ(C
1 )を用いて(C1 −L1 )/2で表される。従って、
ソース/ドレイン電極形成時のパターニング工程によっ
て所望のオフセット長(X1 )を設定することが可能で
ある。本実施例の構成ではオフセット長(X1 )は 0.3
〜3μm(代表的には1〜2μm)とすることができ
る。
【0077】なお、図2(C)に示す様な構造の逆スタ
ガ型TFTは、従来の非晶質珪素膜を活性層(島状半導
体層)として利用したTFTでは実現できない。なぜな
らば、非晶質珪素膜を用いる場合、ソース/ドレイン電
極とゲイト電極とがオーバーラップする様な構造にしな
いとキャリア(電子または正孔)の移動度が極めて遅く
なってしまうからである。
【0078】ソース/ドレイン電極とゲイト電極とがオ
ーバーラップする様な構造にしたとしても非晶質珪素膜
を用いたTFTのモビリティ(電界効果移動度)はせい
ぜい1〜10cm2/Vs程度である。それに対して本実施例の
様な構造を採用してしまってはモビリティが低すぎてス
イッチング素子として機能しない。
【0079】ところが、本願発明では活性層として結晶
性珪素膜を利用しているのでキャリア移動度が十分に速
い。従って、本実施例の様な構造としても十分なモビリ
ティを得ることが可能である。即ち、本実施例の構造は
半導体層として結晶構造を有する半導体膜を用いたから
こそ実現できるのである。
【0080】また、本実施例の逆スタガ型TFTは、H
RD構造を有しているので衝突電離によるホットキャリ
ア注入などの劣化現象に対して非常に強く、高い信頼性
を有している。しかも、LDD領域の効果が支配的な
上、そのLDD領域が非常に制御性よく形成されている
ので特性バラツキが非常に小さい。
【0081】そのため、本実施例の様な構造は高耐圧を
必要とし、高い動作速度はそれほど必要としない様な回
路を構成するTFTに好適である。
【0082】また、本実施例の作製工程に示した様に、
図2(C)に示した構造の逆スタガ型TFTを得るのに
4枚のマスクしか必要としていない。これは従来のチャ
ネルストップ型TFTが6枚マスクを必要としていた事
を考えると、スループット及び歩留りが飛躍的に向上す
ることを意味している。
【0083】以上の様に、本実施例の構成によれば量産
性の高い作製工程によって、高い信頼性と再現性を有す
るボトムゲイト型TFTを作製することが可能である。
【0084】なお、本実施例の作製工程に従って作製し
たボトムゲイト型TFT(Nチャネル型TFT)のモビ
リティは10〜150cm2/Vs (代表的には60〜120cm2/Vs
)、しきい値電圧は1〜4Vを実現しうる。
【0085】〔実施例2〕本実施例では本願発明の構成
において、実施例1とは異なる構成例を示す。TFTの
作製工程は基本的には実施例1に従えば良いので、本実
施例では必要な部分のみを説明することにする。
【0086】まず、実施例1の作製工程に従って図5
(A)の状態を得る。ここで実施例1と異なる点は、ソ
ース電極501、ドレイン電極502を形成する際にチ
ャネルエッチ領域500の長さをC2 とする点にある。
この時、C2 はゲイト電極幅よりも狭く、2〜9μm
(代表的には2〜4μm)の範囲で選ばれる。即ち、ゲ
イト電極とソース/ドレイン電極とがオーバーラップす
る様に設けることが本実施例の特徴となる。
【0087】この状態で実施例1に示した様にチャネル
エッチ工程を行い、保護膜を設けると図5(B)の状態
を得る。この時、503で示される領域がチャネル形成
領域となり、そのチャネル長はL2 (=C2 )で表され
る。また、マスク設計によりオーバーラップさせた領域
(マスクオーバーラップ領域と呼ぶ)504の長さ(Y
2 )はゲイト電極幅をEとすると、(E−L2 )/2で
表される。
【0088】図5(C)はドレイン領域の拡大図である
が、TFT動作時のキャリアは、チャネル形成領域50
3(厚さ50nm)、マスクオーバーラップ領域504(厚
さ160 nm)、LDD領域505(厚さ50nm)を通ってn
+ 層506(厚さ40nm)、ドレイン電極502へと到達
する。
【0089】なお、この場合、マスクオーバーラップ領
域504にもゲイト電極からの電界が形成されるが、L
DD領域505に近づくにつれて電界は弱まるので、そ
の様な領域は実質的にLDD領域と同様の機能を持つ。
勿論、さらにLDD領域505に近づけば完全に電界が
形成されなくなり、オフセット(厚さオフセット)領域
としても機能しうる。
【0090】この様に本実施例の構造ではHRD構造
が、オーバーラップによる実質的なLDD+厚さオフセ
ット+低濃度不純物によるLDDで構成される。また、
オーバーラップ領域504の膜厚が薄い場合には、オー
バーラップによる実質的なLDD+低濃度不純物による
LDDのみからなるLDD構造もとりうる。
【0091】本実施例の構成においても、オーバーラッ
プ領域504、LDD領域505がそれぞれの膜厚で制
御されるので非常に特性バラツキが小さい。また、オー
バーラップ領域の長さ(Y2 )はパターニング等による
誤差を含むが、オーバーラップによるLDD、厚さ方向
のオフセット及び低濃度不純物によるLDDはその様な
誤差の影響を受けないのでY2 の誤差による特性バラツ
キは緩和される。
【0092】なお、本実施例の様な構造はオフセット成
分が少なく、高い動作速度を必要とする様な回路を構成
するTFTに好適である。
【0093】また、本実施例の構造では衝突電離によっ
てチャネル形成領域内に蓄積した少数キャリアが速やか
にソース電極へと引き抜かれるので基板浮遊効果を起こ
しにくいという利点を有する。そのため、動作速度が速
い上に非常に耐圧特性の高いTFTを実現することが可
能である。
【0094】〔実施例3〕本実施例では本願発明の構成
において、実施例1、2とは異なる構成例を示す。TF
Tの作製工程は基本的には実施例1に従えば良いので、
本実施例では必要な部分のみを説明することにする。
【0095】まず、実施例1の作製工程に従って図6
(A)の状態を得る。ここで実施例1と異なる点は、ソ
ース電極601、ドレイン電極602を形成する際にチ
ャネルエッチ領域600の長さをC3 とする点にある。
この時、C3 はゲイト電極幅と一致させるため、1〜10
μm(代表的には3〜5μm)となる。
【0096】この状態で実施例1に示した様にチャネル
エッチ工程を行い、保護膜を設けると図6(B)の状態
を得る。この時、603で示される領域がチャネル形成
領域となり、そのチャネル長はL3 (=C3 )で表され
る。
【0097】図6(C)はドレイン領域の拡大図である
が、TFT動作時のキャリアは、チャネル形成領域60
3(厚さ100 nm)、厚さオフセット領域604(厚さ15
0 nm)、LDD領域605(厚さ100 nm)を通ってn+
層606(厚さ50nm)、ドレイン電極602へと到達す
る。即ち、本実施例の構造ではHRD構造が厚さオフセ
ット+LDDの2段構造で構成される。
【0098】本実施例の構成においても、厚さオフセッ
ト領域604、LDD領域605がそれぞれの膜厚で制
御されるので非常に特性バラツキが小さい。また、十分
な耐圧特性を得ることが可能である。
【0099】〔実施例4〕本実施例では本願発明の構成
において、実施例1〜3とは異なる構成例を示す。TF
Tの作製工程は基本的には実施例1に従えば良いので、
本実施例では必要な部分のみを説明することにする。
【0100】まず、実施例1の作製工程に従って図7
(A)の状態を得る。ここで実施例1と異なる点は、ソ
ース電極701、ドレイン電極702を形成する際にソ
ース電極またはドレイン電極のいずれか一方をゲイト電
極にオーバーラップさせ、他方はオーバーラップさせな
い構成とする点にある。
【0101】なお、本実施例ではチャネルエッチ領域7
00の長さをC4 とする。この時、C4 は1〜10μm
(代表的には3〜6μm)の範囲で選ばれる。
【0102】この状態で実施例1に示した様にチャネル
エッチ工程を行い、保護膜を設けると図7(B)の状態
を得る。この時、703で示される領域がチャネル形成
領域となり、そのチャネル長はL4 (=C4 −X4 )で
表される。
【0103】ここで、X4 はマスクオフセット領域70
4の長さである。X4 の数値範囲については実施例1を
参考にすれば良い。また、マスクオーバーラップ領域7
05の長さの数値範囲は実施例2を参考にすれば良い。
【0104】本実施例は、実施例1で説明したHRD構
造と実施例2で説明したHRD構造(またはLDD構
造)とを組み合わせた構成である。構造的な説明は実施
例1及び実施例2で既に説明したのでここでの説明は省
略する。
【0105】本実施例の様な構造を採用する場合、特に
ソース領域に実施例2に示したHRD構造(またはLD
D構造)を用い、ドレイン領域に実施例1で説明したH
RD構造を用いることが好ましい。
【0106】例えば、ドレイン領域側のチャネル端部
(接合部)では特に電界集中が激しく、実施例1に示し
た様な抵抗成分の多いHRD構造が望ましい。逆に、ソ
ース側ではそこまでの高耐圧対策は必要ないので、実施
例2に示した様な抵抗成分の少ないHRD(またはLD
D)構造が適している。
【0107】なお、本実施例において、ソース/ドレイ
ン領域側のいずれか一方に実施例2の構成を組み合わせ
ることも可能である。この様に、実施例1〜3に示した
HRD構造またはLDD構造を実施者が適宜選択してソ
ース/ドレイン領域に採用し、回路設計を鑑みて最適な
構造を設計すれば良い。この場合、32 =9通りの組み
合わせパターンが可能である。
【0108】〔実施例5〕本実施例では実施例1〜4に
示した構成のボトムゲイト型TFTを用いてCMOS回
路(インバータ回路)を構成する場合の例について図8
を用いて説明する。なお、CMOS回路は同一基板上に
形成されたNチャネル型TFTとPチャネル型TFTと
を相補的に組み合わせて構成する。
【0109】図8は実施例4に示した構成を利用したC
MOS回路であり、801はPチャネル型TFTのソー
ス電極、802はNチャネル型TFTのソース電極、8
03はN/P共通のドレイン電極である。
【0110】また、Nチャネル型TFTは実施例1で説
明した作製工程によってn+ 層804、805、n-
806、807が形成されている。一方、Pチャネル型
TFTの方にはp++層808、809、p- 層810、
811が形成されている。
【0111】なお、同一基板上にCMOS回路を作製す
ることは非常に容易である。本願発明の場合、まず、実
施例1の工程に従って図2(A)の状態を得る。
【0112】この状態ではN型/P型関係なく15族か
ら選ばれた元素が全面に添加されているが、Pチャネル
型TFTを作製する場合にはNチャネル型TFTとする
領域をレジストマスク等で隠して13族から選ばれた元
素(代表的にはボロン、インジウムまたはガリウム)を
添加すれば良い。
【0113】本実施例ではボロンを例にとるが、この
時、ボロンはリンの濃度以上に添加して導電性を反転さ
せなければならない。また、n+ 層及びn- 層全てを完
全にp++層及びp- 層に反転させるためには、ボロン添
加時の濃度プロファイルを調節してリンの添加深さより
も深く添加することが重要である。
【0114】従って、ボロンの膜中における濃度プロフ
ァイルは図9の様になる。図9において、900は半導
体層、901はボロン添加前のリンの濃度プロファイ
ル、902はボロン添加後のボロンの濃度プロファイ
ル、903はp++層、904はp- 層、905はi層で
ある。
【0115】この時、p++層903の厚さは10〜150 nm
(代表的には50〜100 nm)とし、P- 層904の厚さは
30〜300 nm(代表的には 100〜200 nm)とする。ただ
し、Pチャネル型TFTは元来劣化に強いのでp- 層を
LDD領域として利用する必要性は必ずしもない。わざ
わざp- 層904の膜厚について言及したのは、イオン
注入法等の添加手段を用いる限り、連続的に変化する濃
度勾配によって必ずp-層が形成されるからである。
【0116】ところで、本実施例ではNチャネル型TF
TとPチャネル型TFTのどちらもソース領域側には実
施例2に示した構成のHRD構造(オーバーラップ領域
を利用したタイプ)を用い、ドレイン領域側には実施例
1に示した構成のHRD構造(マスクオフセットを利用
したタイプ)を設けている。
【0117】そのため、上面図で明らかな様にPチャネ
ル型TFTのソース領域側にはYiの長さを持つオーバ
ーラップ領域を有し、ドレイン領域側にはXiの長さを
持つマスクオフセット領域を有している。また、Nチャ
ネル型TFTのソース領域側にはYj の長さを持つオー
バーラップ領域を有し、ドレイン領域側にはXj の長さ
を持つマスクオフセット領域を有している。
【0118】この時、XiとXj 、YiとYj の長さは
それぞれマスク設計によって自由に調節できる。従っ
て、それぞれの長さは回路構成の必要に応じて適宜決定
すれば良く、Nチャネル型とPチャネル型とで揃える必
要はない。
【0119】また、この様な構造ではCMOS回路の共
通ドレインとなる領域の耐圧特性を高くすることができ
るので、動作電圧の高い回路を構成する場合において、
非常に有効な構成である。
【0120】なお、実施例1〜4に示した構成のTFT
を用いたCMOS回路の構成を図8に示したが、これ以
外の全ての組み合わせも可能であることは言うまでもな
い。可能な構成パターンとしては、一つのTFTについ
て9通りあるので、CMOS回路では92 =81通りが
ある。これらの複数の組み合わせの中から、回路が必要
する性能に応じて最適な組み合わせを採用していけば良
い。
【0121】また、本実施例に示した様に本願発明はP
チャネル型TFTにも容易に適用することができる。そ
の場合、本願発明のボトムゲイト型TFT(Pチャネル
型TFT)のモビリティは10〜100cm2/Vs (代表的には
50〜100cm2/Vs )、しきい値電圧は-1.5〜-5Vを実現し
うる。
【0122】〔実施例6〕本実施例では、本願発明のT
FTに対してしきい値電圧を制御するための工夫を施し
た場合の例について説明する。
【0123】しきい値電圧を制御するために13族(代
表的にはボロン、インジウム、ガリウム)または15族
(代表的にはリン、砒素、アンチモン)から選ばれた元
素をチャネル形成領域に対して添加する技術はチャネル
ドープと呼ばれている。
【0124】本願発明に対してチャネルドープを行うこ
とは有効であり、以下に示す2通りの方法が簡易で良
い。
【0125】まず、非晶質珪素膜を成膜する時点におい
て成膜ガスにしきい値電圧を制御するための不純物を含
むガス(例えばジボラン、フォスフィン等)を混在さ
せ、成膜と同時に所定量を含有させる方式がある。この
場合、工程数を全く増やす必要がないが、N型及びP型
の両TFTに対して同濃度が添加されるため、両者で濃
度を異ならせるといった要求には対応できない。
【0126】次に、図2(C)で説明した様なチャネル
エッチ工程(チャネル形成領域の形成工程)が終了した
後で、ソース/ドレイン電極をマスクとしてチャネル形
成領域(またはチャネル形成領域とマスクオフセット領
域)に対して選択的に不純物添加を行う方式がある。
【0127】添加方法はイオン注入法、イオンドーピン
グ法、プラズマ処理法、気相法(雰囲気からの拡散)、
固相法(膜中からの拡散)など様々な方法を用いること
ができるが、チャネル形成領域が薄いので、気相法や固
相法等の様にダメージをあたえない方法が好ましい。
【0128】なお、イオン注入法等を用いる場合には、
TFT全体を覆う保護膜を設けてから行えばチャネル形
成領域のダメージを減らすことができる。
【0129】また、不純物を添加した後はレーザーアニ
ール、ランプアニール、ファーネスアニールまたはそれ
らを組み合わせて不純物の活性化工程を行う。この時、
チャネル形成領域が受けたダメージも殆ど回復する。
【0130】本実施例を実施する場合、チャネル形成領
域には 1×1015〜 5×1018atoms/cm3 (代表的には 1×
1015〜 5×1017atoms/cm3 )の濃度でしきい値電圧を制
御するための不純物を添加すれば良い。
【0131】そして、本実施例を本願発明のTFTに実
施した場合、Nチャネル型TFTのしきい値電圧を 1.5
〜3.5 Vの範囲に収めることができる。また、Pチャネ
ル型TFTに適用した場合にはしきい値電圧を-1.5〜-
3.5Vの範囲に収めることが可能である。
【0132】なお、本実施例の構成は実施例1〜5のい
ずれの構成との組み合わせも可能である。また、実施例
5のCMOS回路に適用する場合、N型TFTとP型T
FTとで添加濃度や添加する不純物の種類を異なるもの
とすることもできる。
【0133】〔実施例7〕図2(C)に示した構造で
は、島状半導体層を完全に囲む様にしてソース電極11
2とドレイン電極113とが形成されている。本実施例
ではこれとは別の構成について説明する。
【0134】図10(A)に示す構造は、基本的には図
2(C)と似ているが、ソース電極11及びドレイン電
極12の形状が異なる点に特徴がある。即ち、一部にお
いて島状半導体層(厳密にはソース/ドレイン領域)よ
りもaで示される距離だけ内側にソース電極11及びド
レイン電極12が形成されている。
【0135】また、13で示される領域は、チャネル形
成領域14と同じ膜厚を有する領域であり、距離aの幅
を持つ。図面上では模式的に表しているが、距離aは1
〜300 μm(代表的には10〜200 μm)である。
【0136】ここで作製工程と照らし合わせて本実施例
の特徴を説明する。本実施例では図10(B)に示す様
にソース電極11及びドレイン電極12を形成する。こ
こで15は島状半導体層であり、端部16が露出する。
【0137】この状態でチャネルエッチ工程を行うと、
ソース電極11及びドレイン電極12がマスクとなって
自己整合的に島状半導体層15がエッチングされる。こ
の場合、端部16も同時にエッチングされる。
【0138】この様にして図10(A)の様な構造が得
られる。従って、端部16がチャネル形成領域14と同
じ膜厚を有することは明らかである。
【0139】この島状半導体層の突出部13を形成する
理由は以下の2つがある。 (1)チャネルエッチ工程におけるエッチングモニタと
して利用する。 (2)後工程で保護膜や層間絶縁膜を形成する際に、島
状半導体層の段差によるカバレッジ不良を低減する。
【0140】エッチングモニタとしては、製造過程にお
ける抜き取り検査によってチャネル形成領域が適切な膜
厚となっているかどうかを検査する場合に用いる。
【0141】なお、本実施例の構成は実施例1〜6のい
ずれの構成とも組み合わせることが可能である。
【0142】〔実施例8〕本実施例では実施例5に示し
たCMOS回路(インバータ回路)の回路構成の例につ
いて図11を用いて説明する。
【0143】図11(A)に示すのは、図8に示したも
のと同一構造のCMOS回路である。この場合、回路構
成はクロム膜からなるゲイト電極20、N型TFTの半
導体層21、P型TFTの半導体層22、N型TFTの
ソース電極23、P型TFTのソース電極24、共通ド
レイン電極25から構成される。
【0144】なお、各端子部a、b、c、dはそれぞれ
図11(C)に示したインバータ回路の端子部a、b、
c、dに対応している。
【0145】次に、図11(B)に示すのは、N型TF
TとP型TFTとでドレイン領域となる半導体層を共通
化した場合の例である。各符号は図11(A)で説明し
た符号に対応している。
【0146】図11(B)の構造ではTFT同士を非常
に高い密度で形成することができるため、回路を高集積
化する場合などに非常に有効である。共通化した半導体
層はPN接合を形成するが問題とはならない。
【0147】〔実施例9〕実施例1で説明した作製工程
では、非晶質半導体膜の結晶化工程においてレーザー光
を使用しているが、レーザー光と同等の強度を持つ強光
を用いて結晶化することも可能である。この場合も半導
体層は一旦溶融してから再結晶化するので溶融結晶化膜
に特有の粒界分布を示す。
【0148】その様な強光としては、赤外線ランプまた
は紫外線ランプから発する強光を用いることができる。
赤外線ランプを用いたRTA(Rapid Thermal Anneal)
技術は数秒から数十秒の加熱処理で結晶化が可能である
ため、大幅にスループットを向上することが可能であ
る。
【0149】なお、本実施例の構成は不純物の活性化工
程において利用することも可能である。また、本実施例
に示したランプアニール技術とレーザー光照射とを組み
合わせて相乗効果を図ることも有効である。また、本実
施例の構成は、他の全ての実施例の構成と組み合わせる
ことが可能である。
【0150】
【発明の効果】本願発明を実施することで、非常に少な
いマスク数(典型的には4枚)で量産性の高い半導体装
置を作製することができる。
【0151】また、チャネル形成領域とソース/ドレイ
ン電極間に、特性バラツキの小さい電界緩和層(LDD
領域、マスクオフセット領域、厚さオフセット領域等)
が形成できるので、信頼性が高く且つ再現性の高い半導
体装置を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 薄膜トランジスタの作製工程を示す図。
【図2】 薄膜トランジスタの作製工程を示す図。
【図3】 薄膜トランジスタの構成を示す拡大図。
【図4】 膜中の濃度プロファイルを示す図。
【図5】 薄膜トランジスタの構成を示す図。
【図6】 薄膜トランジスタの構成を示す図。
【図7】 薄膜トランジスタの構成を示す図。
【図8】 CMOS回路の構成を示す図。
【図9】 膜中の濃度プロファイルを示す図。
【図10】 薄膜トランジスタの構成を示す図。
【図11】 CMOS回路の構成を示す図。
【符号の説明】
101 基板 102 下地膜 103 ゲイト電極 104 陽極酸化膜 105 窒化珪素膜 106 酸化窒化珪素膜 107 非晶質半導体膜 108 結晶性半導体膜 109 n+ 層(第1導電層) 110 n- 層(第2導電層) 111 島状半導体層 112 ソース電極 113 ドレイン電極 114 チャネルエッチ領域 115 保護膜 116 チャネル形成領域 117 マスクオフセット領域 118 コンタクトホール
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 29/78 618F 618A 627G

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶構造を有する半導体層で構成されたソ
    ース領域、ドレイン領域及びチャネル形成領域を有する
    ボトムゲイト型の半導体装置であって、 前記半導体層は溶融結晶化膜に特有の粒界分布を示し、 前記ソース領域及びドレイン領域は、ゲイト絶縁膜に向
    かって少なくとも第1の導電層、当該第1の導電層より
    も高抵抗な第2の導電層及び前記チャネル形成領域と同
    一導電型の半導体層からなる積層構造を有することを特
    徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】結晶構造を有する半導体層で構成されたソ
    ース領域、ドレイン領域及びチャネル形成領域を有する
    ボトムゲイト型の半導体装置であって、 前記半導体層は溶融結晶化膜に特有の粒界分布を示し、 前記ソース領域及びドレイン領域は、少なくともゲイト
    絶縁膜に向かって第1の導電層、当該第1の導電層より
    も高抵抗な第2の導電層及び前記チャネル形成領域と同
    一導電型の半導体層からなる積層構造を有し、 前記第1の導電層から前記第2の導電層にかけて当該第
    1及び第2の導電層を構成する不純物の濃度プロファイ
    ルが連続的に変化していることを特徴とする半導体装
    置。
  3. 【請求項3】結晶構造を有する半導体層で構成されたソ
    ース領域、ドレイン領域及びチャネル形成領域を有する
    ボトムゲイト型の半導体装置であって、 前記半導体層は溶融結晶化膜に特有の粒界分布を示し、 前記ソース領域及びドレイン領域は、少なくともゲイト
    絶縁膜に向かって第1の導電層、当該第1の導電層より
    も高抵抗な第2の導電層及び前記チャネル形成領域と同
    一導電型の半導体層からなる積層構造を有し、 前記第2の導電層は 5×1017〜 1×1019atoms/cm3 の範
    囲内で連続的に変化する不純物によって形成されている
    ことを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】結晶構造を有する半導体層で構成されたソ
    ース領域、ドレイン領域及びチャネル形成領域を有する
    ボトムゲイト型の半導体装置であって、 前記半導体層は溶融結晶化膜に特有の粒界分布を示し、 前記ソース領域及びドレイン領域は、少なくともゲイト
    絶縁膜に向かって第1の導電層、当該第1の導電層より
    も高抵抗な第2の導電層及び前記チャネル形成領域と同
    一導電型の半導体層からなる積層構造を有し、 前記チャネル形成領域と前記第2の導電層との間には、
    膜厚の異なる二つのオフセット領域が存在することを特
    徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】結晶構造を有する半導体層で構成されたソ
    ース領域、ドレイン領域及びチャネ ル形成領域を有するボトムゲイト型の半導体装置であっ
    て、 前記半導体層は溶融結晶化膜に特有の粒界分布を示し、 前記ソース領域及びドレイン領域は、少なくともゲイト
    絶縁膜に向かって第1の導電層、当該第1の導電層より
    も高抵抗な第2の導電層及び前記チャネル形成領域と同
    一導電型の半導体層からなる積層構造を有し、 前記チャネル形成領域と前記第2の導電層との間には、
    前記チャネル形成領域よりも膜厚の厚いオフセット領域
    が存在することを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】絶縁表面を有する基板上に形成されたゲイ
    ト電極と、 結晶構造を有する半導体層で構成されたソース領域、ド
    レイン領域及びチャネル形成領域と、 前記ソース領域及びドレイン領域上のそれぞれに形成さ
    れたソース電極及びドレイン電極と、 を有するボトムゲイト型の半導体装置であって、 前記半導体層は溶融結晶化膜に特有の粒界分布を示し、 前記ソース領域及びドレイン領域は、少なくともゲイト
    絶縁膜に向かって第1の導電層、当該第1の導電層より
    も高抵抗な第2の導電層及び前記チャネル形成領域と同
    一導電型の半導体層からなる積層構造を有し、 前記ソース電極及び/又はドレイン電極は前記ゲイト電
    極に、前記チャネル形成領域上でオーバーラップしてい
    ることを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】結晶構造を有する半導体層で構成されたソ
    ース領域、ドレイン領域及びチャネル形成領域を有する
    ボトムゲイト型の半導体装置であって、 前記半導体層は溶融結晶化膜に特有の粒界分布を示し、 前記ソース領域及びドレイン領域は、少なくともゲイト
    絶縁膜に向かって第1の導電層、当該第1の導電層より
    も高抵抗な第2の導電層及び前記チャネル形成領域と同
    一導電型の半導体層からなる積層構造を有し、 前記チャネル形成領域と前記第1の導電層との間には、
    膜厚の異なる二つのオフセット領域と前記第2の導電層
    からなるHRD構造が存在することを特徴とする半導体
    装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記膜厚の異なる二つ
    のオフセット領域は、一方は前記チャネル形成領域と同
    一導電型かつ同一膜厚の半導体層からなる膜面方向のオ
    フセットであり、他方は前記チャネル形成領域と同一導
    電型かつ前記チャネル形成領域よりも膜厚の厚い半導体
    層からなる膜厚方向のオフセットであることを特徴とす
    る半導体装置。
  9. 【請求項9】請求項1乃至請求項7において、前記第1
    の導電層の膜厚は30〜100nm であり、前記第2の導電層
    の膜厚は30〜200 nmであり、前記チャネル形成領域と同
    一導電型の半導体層の膜厚は100 〜300 nmであり、前記
    チャネル形成領域の膜厚は10〜100 nmであることを特徴
    とする半導体装置。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記第1の導電層、
    前記第2の導電層、前記チャネル形成領域と同一導電型
    の半導体層の順に膜厚が厚くなっていることを特徴とす
    る半導体装置。
  11. 【請求項11】請求項1乃至請求項7において、前記チ
    ャネル形成領域と同一導電型の半導体層は、前記第2の
    導電層の下に存在する真性または実質的に真性な半導体
    層(i層)であり、前記チャネル形成領域よりも膜厚が
    厚いことを特徴とする半導体装置。
  12. 【請求項12】請求項1乃至請求項7において、前記第
    1の導電層及び前記第2の導電層は13族及び/又は1
    5族から選ばれた元素によって導電性を与えられた半導
    体層であることを特徴とする半導体装置。
  13. 【請求項13】請求項1乃至請求項7において、少なく
    とも前記チャネル形成領域にはしきい値電圧制御用の不
    純物が 1×1015〜 5×1017atoms/cm3 の濃度で添加され
    ていることを特徴とする半導体装置。
  14. 【請求項14】請求項1乃至請求項7において、前記チ
    ャネル形成領域及び当該チャネル形成領域と同一導電型
    の半導体層にしきい値電圧制御用の不純物が 1×1015
    5×1017atoms/cm3 の濃度で添加されていることを特徴
    とする半導体装置。
  15. 【請求項15】請求項13または請求項14において、
    前記しきい値電圧制御用の不純物とはボロン、インジウ
    ムまたはガリウムであることを特徴とする半導体装置。
  16. 【請求項16】絶縁表面を有する基板上にゲイト電極、
    ゲイト絶縁層、非晶質半導体膜を形成する工程と、 前記非晶質半導体膜に対してレーザー光またはそれと同
    等の強度を持つ強光を照射することにより結晶化し、結
    晶構造を有する半導体膜を得る工程と、 前記結晶構造を有する半導体膜に対してイオン注入法ま
    たはイオンドーピング法により13族及び/又は15族
    から選ばれた不純物を添加して、当該不純物を含む第1
    及び第2の導電層を形成する工程と、 レーザー光またはそれと同等の強度を持つ強光を照射す
    ることにより前記不純物を活性化させる工程と、 前記導電層上にソース電極及びドレイン電極を形成する
    工程と、 前記ソース電極及びドレイン電極をマスクとして前記結
    晶構造を有する半導体膜をエッチングすることでチャネ
    ル形成領域を形成する工程と、 を有し、 前記不純物の濃度プロファイルでもって前記第1及び第
    2の導電層の厚さを制御することを特徴とする半導体装
    置の作製方法。
  17. 【請求項17】絶縁表面を有する基板上にゲイト電極、
    ゲイト絶縁層、非晶質半導体膜を形成する工程と、 前記非晶質半導体膜に対してレーザー光またはそれと同
    等の強度を持つ強光を照射することにより結晶化し、結
    晶構造を有する半導体膜を得る工程と、 前記結晶構造を有する半導体膜に対してイオン注入法ま
    たはイオンドーピング法により13族及び/又は15族
    から選ばれた不純物を添加して、当該不純物を含む第1
    及び第2の導電層を形成する工程と、 レーザー光またはそれと同等の強度を持つ強光を照射す
    ることにより前記不純物を活性化させる工程と、 前記導電層上にソース電極及びドレイン電極を形成する
    工程と、 前記ソース電極及びドレイン電極をマスクとして前記結
    晶構造を有する半導体膜をエッチングすることでチャネ
    ル形成領域を形成する工程と、 前記ソース電極及びドレイン電極をマスクとしてしきい
    値電圧制御用の不純物を添加する工程と、 を有し、 前記不純物の濃度プロファイルでもって前記第1及び第
    2の導電層の厚さを制御することを特徴とする半導体装
    置の作製方法。
  18. 【請求項18】請求項16または請求項17において、
    前記13族から選ばれた不純物とはボロン、インジウム
    またはガリウムであり、前記15族から選ばれた不純物
    とはリン、砒素またはアンチモンであることを特徴とす
    る半導体装置の作製方法。
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CN111223877A (zh) * 2019-11-28 2020-06-02 云谷(固安)科技有限公司 阵列基板、阵列基板的制作方法和显示面板

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