JPH1195633A - クリーニングブレード - Google Patents

クリーニングブレード

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JPH1195633A
JPH1195633A JP25658497A JP25658497A JPH1195633A JP H1195633 A JPH1195633 A JP H1195633A JP 25658497 A JP25658497 A JP 25658497A JP 25658497 A JP25658497 A JP 25658497A JP H1195633 A JPH1195633 A JP H1195633A
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Tomoshi Suzuki
智志 鈴木
Yasuhito Suzuki
康仁 鈴木
Akihiro Maeda
晃宏 前田
Kazuhide Tsuda
一英 津田
Shiro Miyamori
史朗 宮森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐摩耗性に優れるとともに、低温クリーニング
性に優れたクリーニングブレードを提供する。 【解決手段】ジイソシアネートおよびポリオールを含有
するウレタン組成物の硬化体からなるクリーニングブレ
ード11であって、上記硬化体が、下記の要件(A)〜
(C)を満たしている。 (A)ジイソシアネート濃度が、1.10〜1.25ミ
リモル/g。 (B)ウレタン結合濃度が、1.70〜1.95ミリモ
ル/g。 (C)tanδピーク温度が、10℃以下。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機等
の感光体外周面に残留するトナーを除去するクリーニン
グブレードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機は、光導電体表面層付の
感光ドラムを備え、この感光ドラムの外周面を一様に帯
電させ、ついで被複写体の複写画像を介してその外周面
を露光することにより上記外周面上に静電潜像を形成
し、この静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成
し、これを複写紙等に転写することにより複写を行うも
のである。そして、上記複写後には、図2に示すよう
に、感光ドラム1の外周面上にトナー2が残留するた
め、このトナー2の除去を、クリーニングブレード3の
弾性を利用してその先端部を感光ドラム1の外周面に摺
接させることにより行っている。なお、図において、ク
リーニングブレード3は、板状保持具4に支持されてお
り、この板状保持具4の一端(クリーニングブレード3
を支持している端部と反対側の端部)が、樹脂ケース5
に取り付けられている。
【0003】上記クリーニングブレード3は、その寿命
が、摺接による摩耗や欠損といった物理的要因や、トナ
ーに対する耐汚染性といった化学的要因によって判断さ
れており、これらの要因に対して優れた性質を備えたウ
レタンゴムが賞用されている。しかしながら、上記ウレ
タンゴムでは、長期使用による経時的摩耗が顕在化し
て、複写画像にかぶり(イメージのないところにトナー
画像が形成されること)、白抜け等を発生させてしまう
という問題が生じる。そこで、耐摩耗性を向上させる試
みがなされており、例えばウレタンゴムの硬度を向上さ
せる方法(特開平2−208687号公報等)が開示さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法によって得られるクリーニングブレードは、耐摩耗性
に関してある程度の向上効果が得られるものの、硬度が
高すぎて感光ドラムを損傷させてしまうという問題があ
る。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、耐摩耗性に優れたクリーニングブレードの提供
をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のクリーニングブレードは、ジイソシアネー
トおよびポリオールを含有するウレタン組成物の硬化体
からなるクリーニングブレードであって、上記硬化体
が、下記の要件(A)〜(C)を満たしているという構
成をとる。 (A)ジイソシアネート濃度が、1.10〜1.25ミ
リモル/g。 (B)ウレタン結合濃度が、1.70〜1.95ミリモ
ル/g。 (C)tanδピーク温度が、10℃以下。
【0007】すなわち、本発明者らは、耐摩耗性に優れ
たクリーニングブレードを得るため、一連の研究を重ね
た。その過程で、クリーニングブレードの耐摩耗性は、
硬化体の分子構造に左右されるという知見を得た。すな
わち、硬化体の分子構造は、ウレタン直鎖と、アロハネ
ート結合等のウレタン分岐結合によって決定され、この
ウレタン分岐結合が多くなり硬化体の架橋密度が高くな
ると、耐摩耗性が良好になるが、架橋密度が高くなりす
ぎると、硬化体の硬度が高くなってしまい、実用に供し
えないことが判明した。そこで、本発明者らは、上記知
見に基づき、架橋密度を適正にすべく、研究を重ねた。
その結果、硬化体におけるジイソシアネート濃度、硬化
体におけるウレタン結合濃度、tanδピーク温度をそ
れぞれ特定の範囲に設定することにより、所期の目的を
達成できることを見いだし、本発明に到達した。
【0008】特に、上記tanδピーク温度としては、
1〜10℃の範囲に設定されていることがクリーニング
ブレードの特性(特に低温クリーニング性)に好ましい
ことを突き止めた。
【0009】また、上記ジイソシアネートとともに用い
られるポリオールとしては、ポリエステルジオールを用
いることがクリーニングブレードの形成材料として特に
好ましいことを突き止めた。
【0010】なお、本発明において、「ジイソシアネー
ト濃度」とは、硬化体におけるジイソシアネートのモル
数を硬化体の重量で割った値のことである。また、「ウ
レタン結合濃度」とは、硬化体において、イソシアネー
ト基と水酸基の一次反応によって生成したウレタン結合
のモル数を硬化体の重量で割った値のことである。そし
て、「tanδピーク温度」とは、動的粘弾性特性の一
つであって、動的粘弾性測定機によって測定される値の
ことである。
【0011】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0012】本発明のクリーニングブレードは、例え
ば、図1に示すように、板状保持具4に支持されて形成
される。
【0013】上記クリーニングブレード11の形成材料
としては、ジイソシアネートおよびポリオールを含有す
るウレタン組成物が用いられる。
【0014】上記ジイソシアネートとしては、特に限定
するものではなく、例えば、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイ
ソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジ
イソシアネート(2,6−TDI)、3,3′−ビトリ
レン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチ
ルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、
2,4−トリレンジイソシアネートウレチジンジオン
(2,4−TDIの二量体)、1,5−ナフチレンジイ
ソシアネート、メタフェニレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート(水添MDI)、カルボジイミド変性MDI、オル
トトルイジンジイソシアネート、キシレンジイソシアネ
ート、パラフェニレンジイソシアネート、リジンジイソ
シアネートメチルエステル等があげられる。これらは単
独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。
【0015】上記ポリイソシアネートとともに用いられ
るポリオールとしては、ポリエステルジオール、ポリエ
ステルトリオール等のポリエステルポリオールや、ポリ
カプロラクトンや、ポリオキシテトラメチレングリコー
ル、ポリオキシプロピレングリコール等のポリエーテル
ポリオール等があげられる。これらは単独で用いてもよ
いし、二種以上併用してもよい。そして、このポリオー
ルの数平均分子量(Mn、以下単に「分子量」という)
は、1500〜3000の範囲に設定されていることが
好ましい。より好ましくは、1500〜2500の範囲
である。すなわち、上記分子量が1500未満である
と、得られるクリーニングブレード11の物性が低下す
る傾向がみられ、逆に上記分子量が3000を超える
と、作業性が悪くなる傾向がみられるからである。な
お、この分子量は、ポリオールの水酸基価(mgKOH
/g)に基づいて下記の数式(1)により算出されたも
のである。
【0016】
【数1】
【0017】上記ポリエステルポリオールとしては、多
塩基性有機酸とポリオールとから製造され、水酸基を末
端基とする、ヒドロキシルポリエステルポリオールが好
ましい。
【0018】上記多塩基性有機酸としては、特に限定す
るものではなく、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、イソセバシン酸等の飽和脂肪酸や、マレイン
酸、フマル酸等の不飽和脂肪酸や、フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸等の芳香族酸等のジカルボン酸があ
げられる。また、無水マレイン酸、無水フタル酸等の酸
無水物や、テレフタル酸ジメチル等のジアルキルエステ
ル等を用いることもできる。さらに、不飽和脂肪酸の二
量化によって得られる、ダイマー酸を用いることもでき
る。これらは単独で用いてもよいし、二種以上併用して
もよい。
【0019】上記多塩基性有機酸とともに用いるポリオ
ールとしては、特に限定するものではなく、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
1,6−ヘキシレングリコール等のジオールや、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサント
リオール、グリセリン等のトリオールや、ソルビトール
等のヘキサオール等があげられる。これらは単独で用い
てもよいし、二種以上併用してもよい。
【0020】また、前記ポリエーテルポリオールとして
は、環状エーテルの開環重合または共重合によって製造
されるものが好ましい。
【0021】上記環状エーテルとしては、特に限定する
ものではなく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、トリメチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、
α−メチルトリメチレンオキサイド、3,3′−ジメチ
ルトリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、ジオキサミン等があげられる。
【0022】そして、本発明において、上記ジイソシア
ネートとともに用いられるポリオールとしては、上記一
連のもののなかでも、ジカルボン酸とジオールとから得
られる、ポリエステルジオールが好適に用いられる。特
に、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート
(PBA)、ポリヘキシレンアジペート、エチレンアジ
ペートとブチレンアジペートとの共重合体等が好まし
い。最適には、耐加水分解性に優れる、ポリブチレンア
ジペート(PBA)である。
【0023】本発明で用いるウレタン組成物には、上記
ジイソシアネートおよびポリオール以外に、鎖延長剤
や、触媒等を含有させてもよい。
【0024】上記鎖延長剤としては、従来公知のもので
あれば特に限定されるものではなく、例えば、1,4−
ブタンジオール(1,4−BD)、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ヘキサンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール、キシレングリコール、トリエチレングリコー
ル、トリメチロールプロパン(TMP)、グリセリン、
ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,6−ヘ
キサントリオール等の、分子量300以下のポリオール
があげられる。これらは単独で用いてもよいし、二種以
上併用してもよい。
【0025】上記触媒としては、三級アミン等のアミン
系化合物、有機錫化合物等の有機金属化合物等があげら
れる。なかでも、アミン系化合物が好ましい。
【0026】上記三級アミンとしては、トリエチルアミ
ン等のトリアルキルアミンや、N,N,N′,N′−テ
トラメチル−1,3−ブタンジアミン等のテトラアルキ
ルジアミンや、ジメチルエタノールアミン等のアミノア
ルコールや、エトキシル化アミンや、エトキシル化ジア
ミンや、ビス(ジエチルエタノールアミン)アジペート
等のエステルアミンや、トリエチレンジアミンや、N,
N−ジメチルシクロヘキシルアミン等のシクロヘキシル
アミン誘導体や、N−メチルモルホリン、N−(2−ヒ
ドロキシプロピル)−ジメチルモルホリン等のモルホリ
ン誘導体や、N,N′−ジエチル−2−メチルピペラジ
ン、N,N′−ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−2
−メチルピペラジン等のピペラジン誘導体等があげられ
る。
【0027】上記有機錫化合物としては、ジブチル錫ジ
ラウレート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキソエート)
等のジアルキル錫化合物があげられる。また、2−エチ
ルカプロン酸第1錫、オレイン酸第1錫等があげられ
る。
【0028】本発明のクリーニングブレード11は、上
記各材料を用い、常法に準じて製造することができる。
具体的には、プレポリマー法、セミワンショット法、ワ
ンショット法に準じて製造できる。なかでも、加工性に
優れるという観点から、セミワンショット法が好適に用
いられる。
【0029】上記セミワンショット法に準じて、本発明
のクリーニングブレード11は、例えばつぎのようにし
て製造される。すなわち、まず、上記ジイソシアネート
およびポリオールを準備し、両者を適宜の配合割合で配
合し、適宜の反応条件で反応させてウレタンプレポリマ
ーを調製する。一方、上記ポリオールと、鎖延長剤と、
触媒とを準備し、これらを適宜の配合割合で配合し、適
宜の混合条件で混合して硬化剤液を調製する。つぎに、
上記ウレタンプレポリマーおよび硬化剤液を適宜の配合
割合で配合して混合し、この混合液を、板状保持具4が
保持されたクリーニングブレード成形用金型内に注入し
て、反応硬化させる。そして、得られた硬化体を成形型
から取り出し、所定の形状に加工する。このようにし
て、図1に示すような、板状保持具4と一体成形された
クリーニングブレード11を得ることができる。
【0030】このようにして得られる本発明のクリーニ
ングブレード11において、上記硬化体におけるジイソ
シアネート濃度は、1.10〜1.25ミリモル/gの
範囲に設定されていなければならない。より好ましく
は、1.13〜1.20ミリモル/gの範囲である。す
なわち、上記ジイソシアネート濃度が1.10ミリモル
/g未満であると、耐摩耗性の向上効果が得られないか
らであり、逆に1.25ミリモル/gを超えると、硬度
が高すぎたり、低温時でのクリーニング性が悪化したり
するからである。
【0031】また、上記硬化体におけるウレタン結合濃
度は、1.70〜1.95ミリモル/gの範囲に設定さ
れていなければならない。より好ましくは、1.75〜
1.92ミリモル/gの範囲である。すなわち、上記ウ
レタン結合濃度が、1.70ミリモル/g未満である
と、硬度が高すぎたり、低温時でのクリーニング性が悪
化したりするからであり、逆に1.95ミリモル/gを
超えると、耐摩耗性の向上効果が得られないからであ
る。
【0032】さらに、上記硬化体におけるtanδピー
ク温度は、10℃以下に設定されていなければならな
い。より好ましくは、1〜10℃の範囲である。さらに
好適には、3〜8℃の範囲である。すなわち、上記ta
nδピーク温度が、上記範囲内でないと、低温時でのク
リーニング性の悪化が顕著に見られるからである。
【0033】このように、本発明のクリーニングブレー
ド11は、ジイソシアネート濃度、ウレタン結合濃度、
tanδピーク温度がそれぞれ特定の範囲に設定されて
いるため、耐摩耗性に優れ、良好な低温クリーニング性
を備えたものとなる。
【0034】なお、上記硬化体のウォーレス硬度(IR
HD)は60〜80の範囲に設定されていることが好ま
しい。すなわち、得られるクリーニングブレード11
が、上記硬度の範囲内で特に優れたクリーニング効果を
発揮するからである。
【0035】また、本発明のクリーニングブレード11
は、必ずしも板状保持具4と一体成形されている必要は
なく、例えば板状保持具4の表面に、あとから接着され
たものであってもよい。
【0036】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0037】まず、実施例および比較例に先立って、ウ
レタンプレポリマー(主剤液)と、硬化剤液を作製し
た。
【0038】〔主剤液〕下記の表1〜表3に示す主剤液
用の各材料を用い、同表に示す配合割合で配合した後、
窒素雰囲気下で、80℃×3時間の条件で反応させて、
主剤液を調製した。
【0039】〔硬化剤液〕下記の表1〜表3に示す硬化
剤液用の各材料を用い、同表に示す配合割合で配合した
後、窒素雰囲気下で、80℃×1時間の条件で混合し
て、硬化剤液を調製した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【実施例1〜9、比較例1〜6】上記各主剤液および硬
化剤液(ともに液温70℃)を、上記表1〜表3に示す
配合割合で配合し、真空脱泡しながら攪拌羽根で30秒
混合した後、板状保持金具が配置されたクリーニングブ
レード用成形型(140℃)内に注入して硬化させた。
そして、得られた硬化体付板状保持金具を脱型したのち
所定の形状に成形してクリーニングブレードを得た。
【0044】このようにして得られたクリーニングブレ
ードについて、ジイソシアネート濃度、ウレタン結合濃
度、tanδピーク温度、ウォーレス硬度(IRHD)
を下記の方法に従って測定・評価し、その結果を後記の
表4〜表6に示した。また、得られたクリーニングブレ
ードを市販のレーザープリンター(LBP)に組み込
み、常温常湿環境下にて、A4サイズで三万枚画出しし
たのち、クリーニングブレードの摩耗量を下記の方法に
て算出するとともに、得られた複写画像について下記の
方法により評価し、それらの結果を同表に併せて示し
た。さらに、得られたクリーニングブレードを上記LB
Pに組み込み、低温低湿環境下(5℃×15%RH)に
て、A4サイズで三万枚画出しを行い、上記と同様、下
記の方法により、画像評価を行った。
【0045】〔ジイソシアネート濃度〕硬化体における
ジイソシアネート濃度を、つぎのようにして算出した。
すなわち、まず得られた硬化体の重量を測定した。つい
で、この硬化体とテトラメチルアンモニウムヒドロキサ
イド(TMAH)を混合し、280℃にて熱分解した
後、ガスクロマトグラフィーにて分析を行う化学熱分解
GC法によって、ジイソシアネート、ポリオールおよび
鎖延長剤の定量を行った。そして、これら測定値を用
い、下記の数式(2)に従って、ジイソシアネート濃度
(ミリモル/g)を算出した。
【0046】
【数2】
【0047】〔ウレタン結合濃度〕上記主剤液および硬
化剤液の混合液において、水酸基(モル数)に対するイ
ソシアネート基(モル数)の比率(〔NCO〕/〔O
H〕)が1以上の場合、硬化体におけるウレタン結合の
数は、全水酸基の数に等しい。したがって、ウレタン結
合濃度(ミリモル/g)は、水酸基を有する化合物の重
量および水酸基価(mgKOH/g)を用い、下記の数
式(3)に従って算出した。なお、上記水酸基を有する
化合物の重量は、上記ジイソシアネートの重量の測定と
同様にして測定した。
【0048】
【数3】
【0049】〔tanδピーク温度〕tanδピーク温
度を、レオロジ社製のDVEレオスペクトラーを用い
て、つぎのようにして測定した。すなわち、まず短冊状
の試験片(1.6mm×1.6mm×30.0mm)を
準備した。つぎに、この試験片を測定長さが20.0m
mとなるように固定した後、この試験片に振幅±10μ
m、周波数10Hzで歪みをかけ、昇温スピード3℃/
minにて1℃毎にtanδ(損失正接)を測定した。
そして、このtanδの値が最大となる温度をtanδ
ピーク温度とした。
【0050】〔ウォーレス硬度〕ウォーレス(H.W.
WALLACE)社製ウォーレス測微硬度計を用い、J
IS K 6253に基づいて測定した。
【0051】〔摩耗量〕走査型電子顕微鏡にてクリーニ
ングブレードの先端部の摩耗量を観察し、摩耗した部分
の断面積(Uμm2 )と、先端部の単位長さ(Vμm)
を測定し、下記の数式(4)により、摩耗量(Wμ
3 )を算出した。なお、この摩耗量が小さいほど、耐
摩耗性に優れているといえる。
【0052】
【数4】W=U×V …(4)
【0053】〔画像評価〕初期および三万枚複写後にお
ける複写画像の画質を目視評価した。すなわち、文字を
複写し、複写画像に問題がなく、細線が鮮明に複写され
たものを○、かぶり、白抜け等が多量に発生して複写画
像に不具合が見られるものを×としてそれぞれ表示し
た。
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】上記結果から、実施例品はいずれも摩耗量
が少なく、優れた耐摩耗性を備えるクリーニングブレー
ドとなっている。また、低温環境下におけるクリーニン
グ性が良好である。しかも、このクリーニングブレード
を電子写真複写機に組み込んで使用すると、良好な複写
画像を長期に渡り、広い温度域において維持できるとい
う利点を有する。これに対して、比較例品は、耐摩耗性
が悪いか、あるいは低温クリーニング性が悪くなってい
る。このため、たとえ良好な複写画像を得ることができ
たとしても、長期に渡り、広い温度域において維持でき
ないという不具合を生ずる。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明のクリーニングブ
レードは、ジイソシアネート濃度、ウレタン濃度、ta
nδピーク温度がそれぞれ特定の範囲に設定された硬化
体からなっている。このため、硬化体における架橋密度
が適正となり、また低温時における弾性の低下を抑制で
きるようになって、耐摩耗性に優れ、低温性が良好にな
る。したがって、高画質な複写画像を長期に渡り、広い
温度域において維持できるという利点を有する。
【0059】特に、上記tanδピーク温度としては、
1〜10℃の範囲に設定されていることが、低温時にク
リーニング機能が低下しないという観点から好ましい。
【0060】また、上記ジイソシアネートとともに用い
られるポリオールとしては、ポリエステルジオールを用
いることが、反応性の観点から、特に好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクリーニングブレードの説明図であ
る。
【図2】電子写真複写機のクリーニング装置の一例を示
す説明図である。
【符号の説明】
11 クリーニングブレード
フロントページの続き (72)発明者 津田 一英 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 宮森 史朗 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジイソシアネートおよびポリオールを含
    有するウレタン組成物の硬化体からなるクリーニングブ
    レードであって、上記硬化体が、下記の要件(A)〜
    (C)を満たしていることを特徴とするクリーニングブ
    レード。 (A)ジイソシアネート濃度が、1.10〜1.25ミ
    リモル/g。 (B)ウレタン結合濃度が、1.70〜1.95ミリモ
    ル/g。 (C)tanδピーク温度が、10℃以下。
  2. 【請求項2】 上記tanδピーク温度が、1〜10℃
    である請求項1記載のクリーニングブレード。
  3. 【請求項3】 上記ポリオールが、ポリエステルジオー
    ルである請求項1または2記載のクリーニングブレー
    ド。
JP25658497A 1997-09-22 1997-09-22 クリーニングブレード Expired - Lifetime JP3598759B2 (ja)

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JP2005345651A (ja) * 2004-06-01 2005-12-15 Toyo Tire & Rubber Co Ltd クリーニングブレード及びその製造方法並びに画像形成装置のクリーニング方法
KR100946077B1 (ko) * 2007-04-18 2010-03-10 캐논 가세이 가부시끼가이샤 클리닝 블레이드

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