JPH1192921A - 成膜用ホロー陰極装置 - Google Patents

成膜用ホロー陰極装置

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JPH1192921A
JPH1192921A JP9254890A JP25489097A JPH1192921A JP H1192921 A JPH1192921 A JP H1192921A JP 9254890 A JP9254890 A JP 9254890A JP 25489097 A JP25489097 A JP 25489097A JP H1192921 A JPH1192921 A JP H1192921A
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hollow cathode
film
hearth
metal pipe
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JP9254890A
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Yukinobu Hibino
幸信 日比野
Munehito Hakomori
宗人 箱守
Toshiharu Kurauchi
倉内  利春
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Ulvac Inc
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(57)【要約】 【課題】メンテナンスを簡単且つ確実に行え、長時間安
定した放電を得られて高速で高品質の成膜を行えるホロ
ー陰極装置を提供すること 【解決手段】真空処理室1内に設けた不活性ガスが流通
する金属パイプ8の先端に筒形の高融点金属からなるホ
ロー陰極9を取り付け、該ホロー陰極と成膜材料を収め
たハース6とを直流電源13を介して接続し、該ホロー
陰極とハース間に放電を生じさせ、該ホロー陰極内から
の熱電子により該成膜材料7を蒸発させて基材に成膜を
施す装置に於いて、該ホロー陰極の先端部をカートリッ
ジ式の着脱自在の高融点金属パイプ15にて構成し、該
高融点金属パイプの内部にLaB6からなる筒形パイプ16
を設けた。高融点金属パイプの外周を電位的に浮遊させ
た炭素カバー18で覆い、該ホロー陰極の残部を絶縁物
17で覆う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材にホロー陰極
放電を利用してイオンプレーティング法により薄膜を成
膜するために使用されるホロー陰極装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、陽極と陰極を対向させたアーク放
電の1種としてホロー陰極を使用したホロー陰極放電が
知られており、成膜材料の蒸気をイオン化して基材に成
膜するイオンプレーティング法の成膜に使用されてい
る。その1例は図1に示す如くであり、真空処理室a内
に引き込んだ不活性ガスが流通する金属パイプbの先端
にL字形のTa、Mo、W等の高融点金属からなるホロー陰
極cを溶接により取り付け、該ホロー陰極cと金属等の
成膜材料dを収めた銅製ハースeとを直流電源fに接続
し、真空ポンプgを接続した真空排気管hを介して該真
空処理室a内を真空排気したのち不活性ガスを導入し、
直流電源fから該ホロー陰極c及びハースeに通電して
その間にホロー陰極放電を発生させる。該ハースe内の
成膜材料dはホロー陰極cの内部から放出される熱電子
により加熱蒸発され、ホロー陰極放電によりイオン化さ
れて支持台iに支持した上方の基材jに付着し、薄膜が
形成される。該ホロー陰極cの寸法は、外径20mm、
内径14mm、長さ200mm程度で、その内部には比
較的低温で多量に熱電子を放出するLaB6の円筒が装着さ
れる。
【0003】図示の例はハースe内に金属材料の成膜材
料dを用意して金属酸化物の薄膜を形成する装置を示
し、ガスノズルkから基材jに向けて酸素ガスを噴射
し、該基材j上で金属蒸気と酸素ガスを反応させて成膜
を行う。その反応効果を高めるため、該基材jをチムニ
ーlで覆い、反応温度を調整するための赤外線ヒーター
mが設けられる。図示の装置で形成される金属酸化物膜
の例として、MgO、TiO2、ZrO2、SiO2等の誘電体材料、I
n2O3-SiO2(通称ITO)の透明導電材料、Al2O3等の絶縁
材料がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】長時間に亘りアーク放
電を継続すると蒸発材料が基材以外の部分、特にホロー
陰極の外周面に厚く付着し、その付着形状が突起状にな
るとホロー陰極の先端ノズル部とハースの間で発生して
いた放電がその突起とハースとの間で発生するようにな
り、放電不安定になり、成膜速度も不安定になる。従来
は、一定時間の成膜時間が経過すると、成膜を止めホロ
ー陰極に付着した蒸着物を取り除くメンテナンスを行っ
ていたが、完全に除去するには時間が掛かるため運転効
率が低下し、付着物が残存すると短時間に放電不安定を
生じて高品質の膜を形成できない不都合があった。
【0005】本発明は、メンテナンスを簡単且つ確実に
行え、長時間安定した放電を得られて高速で高品質の成
膜を行えるホロー陰極装置を提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、真空処理室
内に設けた不活性ガスが流通する金属パイプの先端に筒
形の高融点金属からなるホロー陰極を取り付け、該ホロ
ー陰極と成膜材料を収めたハースとを直流電源を介して
接続し、該ホロー陰極とハース間に放電を生じさせ、該
ホロー陰極内からの熱電子により該成膜材料を蒸発させ
て基材に成膜を施す装置に於いて、該ホロー陰極の先端
部を着脱自在のカートリッジ式の高融点金属パイプにて
構成し、該高融点金属パイプの内部にLaB6からなる筒形
パイプを設けることにより、上記の目的を達成するよう
にした。該ホロー陰極を構成する該高融点金属パイプの
外周を電位的に浮遊させた炭素カバーで覆い、該ホロー
陰極の残部を絶縁物で覆うことが好ましく、該ホロー陰
極及び高融点金属パイプをTaにて形成すると共に該炭素
カバーをアルミナの碍子を介して該高融点金属パイプの
外周に固定し、該ホロー陰極の残部の部分をアルミナで
覆うことが有利である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
き説明すると、図3は金属酸化膜を成膜する装置に適用
した例を示し、同図に於いて符号1は真空ポンプ2に接
続された真空排気管3を設けた真空処理室、4は該真空
処理室1の上方に支持台5に支持して設けた成膜を施さ
れる基材、6は該基材4の下方にこれと対向して設けた
銅製のハースを示す。該ハース6の内部には金属等の成
膜材料7が収められ、該真空処理室1を内外に伸びて内
部にArガスが流通する金属パイプ8に、該成膜材料7
に熱電子を照射してこれを加熱蒸発させるホロー陰極9
が取り付けられる。10はチムニー11で囲まれた基材
4に向けて酸素ガスを吹き出すガスノズルで、酸素ガス
は赤外線ヒーター12で温度調節された該基材4の表面
でハース6から蒸発する金属蒸気と反応して金属酸化物
の膜を形成する。該ホロー陰極9及びハース6には直流
電源13を接続し、該ホロー陰極9とハース6の間にア
ーク放電を発生させると、ホロー陰極9内に設けたLaB6
から熱電子がハース6内の成膜材料7に向けて放射さ
れ、該成膜材料7が蒸発し、基材4が成膜される。
【0008】該ホロー陰極9はTa、Mo、W等の高融点金
属で形成されるが、該ホロー陰極9の先端部に、図4に
見られるようにネジ14を形成してこれにTa等の高融点
金属のパイプ15をカートリッジ式の着脱自在に螺着
し、該パイプ15の内部にLaB6の円筒パイプ16を設
け、メンテナンスに際しては該ネジ14を回して蒸発金
属が付着した該高融点金属パイプ15及びスパッタによ
り消耗した円筒パイプ16を取り外し、別個に用意した
新たな高融点金属パイプ15及び円筒パイプ16と交換
して簡単にメンテナンスを終了できる。
【0009】ホロー陰極本体9aの外周を、図5のよう
に、アルミナ等の絶縁物17で覆うことで、金属蒸発物
がホロー陰極本体9aの外周に付着することが防止で
き、該絶縁物17に付着しても付着箇所とハース6との
インピーダンスが∞であるため、付着箇所とハース間で
放電は生じることがなく、ホロー陰極9の先端とハース
6との間で放電を安定に発生させることができる。ま
た、放電中は高融点金属パイプ15とその内部の円筒パ
イプ16が1500℃に達するもので、この環境では該
高融点金属パイプ15をアルミナの絶縁物17で覆うと
Taの高融点金属パイプ15と絶縁物17とが反応を生じ
て好ましくない。そのため、高融点金属パイプ15にア
ルミナの碍子19を介して電位的に浮遊させた着脱自在
のグラファイトの炭素カバー18で覆うようにした。該
炭素カバー18は導電体であるが、碍子19で高融点金
属パイプ15を電気的に絶縁して浮遊状態にされている
ので、該炭素カバー18に金属蒸発物が付着してもその
付着箇所とハース6との間で異常放電が生じることがな
く、ホロー陰極9の先端とハース間で安定に放電を継続
できる。尚、ホロー陰極9は、その作動中、先端部分は
1500℃以上になるが、その後方部分は1000℃以
下であるから後方部分をアルミナの絶縁物で覆っても高
融点金属パイプ15との反応を生じる不都合はない。
【0010】図4及び図5のホロー陰極を使用した実施
例に於いて、例えばハース6内にMgの成膜材料7を収
容し、該ハースから400mm離れた基材4にMgOの
膜を形成する場合、該真空処理室1内を2×10-6Torr
に排気し、ホロー陰極9を介してArガスを分圧で5×1
-4Torrになるように導入すると共にガスノズル10か
ら酸素ガスを分圧で5×10-5Torrになるように導入す
る。そして赤外線ヒーター12により150℃に基材4
を加熱し、ホロー陰極9及びハース6に直流電源13か
ら24V×400Aの電力を投入する。図4、図5のい
ずれのホロー陰極であっても基材4の表面には400Å
/secの析出速度でMgOを成膜できた。また、この成膜条
件では従来のものは成膜時間が20時間になると放電不
安定になったが、図4の実施例では成膜時間が300時
間を超えても放電が不安定になることがなく、図5のも
のでは成膜時間が1000時間を超えても放電不安定を
生じなかった。これらの実施例ではメンテナンスの際に
は炭素カバー18と高融点金属パイプ15を取り外して
別個に用意したこれと同形同構造のものと交換され、そ
の作業時間は従来のメンテナンス時間よりも1/3に短
縮できた。
【0011】
【発明の効果】以上のように本発明によるときは、ホロ
ー陰極の先端部を着脱自在の高融点金属パイプにて構成
し、該高融点金属パイプの内部にLaB6からなる円筒パイ
プを設けたので、該高融点金属パイプの周囲に付着物が
多くなったときや内部のLaB6の円筒パイプが消耗したと
きに簡単に交換でき、該ホロー陰極を構成する該高融点
金属パイプの外周を電位的に浮遊させた炭素カバーで覆
い、該ホロー陰極の残部を絶縁物で覆ったので、付着物
が多くなっても放電不安定が生じにくく、高品質の成膜
をでき長時間に亘り成膜を行え、メンテナンスも容易で
生産性が向上する等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の成膜装置の截断側面図
【図2】図1のホロー陰極の拡大断面図
【図3】本発明の実施例の截断側面図
【図4】図3の要部の拡大断面図
【図5】図3のホロー陰極の他の実施の形態を示す截断
側面図
【符号の説明】
1 真空処理室、4 基材、6 ハース、7 成膜材
料、8 金属パイプ、9ホロー陰極、10 ガスノズ
ル、13 直流電源、15 高融点金属パイプ、16
LaB6の円筒パイプ、17 絶縁物、18 炭素カバー、
19 碍子、

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空処理室内に設けた不活性ガスが流通す
    る金属パイプの先端に筒形の高融点金属からなるホロー
    陰極を取り付け、該ホロー陰極と成膜材料を収めたハー
    スとを直流電源を介して接続し、該ホロー陰極とハース
    間に放電を生じさせ、該ホロー陰極内からの熱電子によ
    り該成膜材料を蒸発させて基材に成膜を施す装置に於い
    て、該ホロー陰極の先端部を着脱自在の高融点金属パイ
    プにて構成し、該高融点金属パイプの内部にLaB6からな
    る筒形パイプを設けたことを特徴とする成膜用ホロー陰
    極装置。
  2. 【請求項2】上記ホロー陰極を構成する上記高融点金属
    パイプの外周を電位的に浮遊させた炭素カバーで覆い、
    該ホロー陰極の残部を絶縁物で覆ったことを特徴とする
    請求項1に記載の成膜用ホロー陰極装置。
  3. 【請求項3】上記ホロー陰極及び高融点金属パイプをTa
    にて形成すると共に上記炭素カバーをアルミナの碍子を
    介して該高融点金属パイプの外周に固定し、該ホロー陰
    極の残部の部分をアルミナで覆ったことを特徴とする請
    求項2に記載の成膜用ホロー陰極装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112696328A (zh) * 2020-12-11 2021-04-23 中国电子科技集团公司第十二研究所 一种高可靠性电推进用空心阴极结构

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112696328A (zh) * 2020-12-11 2021-04-23 中国电子科技集团公司第十二研究所 一种高可靠性电推进用空心阴极结构

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