JP3452458B2 - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

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JP3452458B2
JP3452458B2 JP06468097A JP6468097A JP3452458B2 JP 3452458 B2 JP3452458 B2 JP 3452458B2 JP 06468097 A JP06468097 A JP 06468097A JP 6468097 A JP6468097 A JP 6468097A JP 3452458 B2 JP3452458 B2 JP 3452458B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜形成装置に関す
る。特に本発明は、真空雰囲気中で電子銃から電子を蒸
着源に供給し、供給された電子により蒸着源から蒸発又
は昇華した蒸着粒子を基板表面に付着堆積し、基板表面
に薄膜を形成する薄膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は特開平4−163841号公報に
開示された真空蒸着装置の概念図である。この公開公報
に開示された真空蒸着装置は真空系(真空チャンバ)1
の側面に電子銃2を備える。真空系1内には蒸着源4を
保持し、かつ電子銃2側からプラズマを引き出す引出電
極として使用されるるつぼ3が配設される。真空系1内
においてるつぼ3に対向する位置には基板5が保持され
る。るつぼ3は、酸化アルミニウム(アルミナ)材料で
形成され、水冷式で形成される。
【0003】図8は前記電子銃2の断面図である。電子
銃2は電子ビームを放射する陰極電極2a、陰極電極2
aの周囲に配設されたヒータ2b、陰極電極2aの周囲
にヒータ2bを介在して配設された陽極電極2cを備え
構築される。陰極電極2aは例えば高融点金属材料で形
成される。
【0004】次に、前述の真空蒸着装置の成膜動作につ
いて説明する。まず、真空蒸着装置の真空系1内を真空
状態に維持し、図7に示すように電子銃2の陰極電極2
aから電子ビーム6が引き出される。この引き出された
電子ビーム6はるつぼ3に載置された蒸着源4に達し、
電子ビーム6が達した蒸着源4はエネルギの供給により
加熱され、蒸発又は昇華が生じ、蒸着源4から蒸着粒子
4aが発生する。蒸着粒子4aは真空系1内部に飛ばさ
れ、いくつかの蒸着粒子4aは周囲の残留分子と衝突せ
ずに基板5の表面に付着する。この蒸着粒子4aが連続
的に発生し、基板5の表面に連続的に蒸着粒子4aが付
着し堆積することにより、基板5の表面には薄膜が形成
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術に係る真空蒸着装置においては、下記の点の配慮がな
されていない。前述の真空蒸着装置において、電子銃2
の陰極電極2aは高融点金属材料、例えばタングステン
で形成されているので、電子ビーム6を引き出すには陰
極電極2aに1200℃を超える高温度を与える必要が
ある。ところが、このような高温度に陰極電極2aを加
熱した場合には陰極電極2a自体の消耗が著しく、陰極
電極2aの寿命が短いという問題があった。
【0006】さらに、前述の電子銃2においては、薄膜
を形成中(成膜中)に電子を連続的に蒸着源4に供給す
るために、ヒータ2bにより陰極電極2aが加熱され
る。しかしながら、前述のように陰極電極2aには高温
度の加熱が必要であり、このためヒータ2bには数KV
の高電圧が連続的に供給され、真空蒸着装置の電力消費
が非常に多いという問題があった。
【0007】このような技術的問題点は現在のところ解
決されておらず、従ってこの種の真空蒸着装置は、量産
製造ラインへの組み込みが難しく、所謂バッチ処理方式
において使用されるだけであった。
【0008】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものである。すなわち、本発明は、低温度において電
子銃から電子を供給することにより、電子銃の長寿命化
を図りつつ、電子銃の低電力消費化を実現できる薄膜形
成装置の提供を目的とする。
【0009】さらに、本発明は、蒸着源の大型化(大容
量化)又は薄膜を形成する基板の大型化が実現できる薄
膜形成装置の提供を目的とする。
【0010】さらに、本発明は、薄膜の形成に加えて、
スパッタリングが実施できる薄膜形成装置の提供を目的
とする。
【0011】さらに、本発明は、量産製造ラインへの組
み込みに好適な薄膜形成装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、真空雰囲気中で電子銃の
陰極から蒸着源に電子を供給し、この供給された電子に
より前記蒸着源を蒸発又は昇華させて熱的に蒸着粒子を
生成し、前記真空雰囲気中に配置された基板表面に前記
蒸着粒子を付着堆積し薄膜を形成する薄膜形成装置にお
いて、前記電子銃の陰極が、陰極電極材料に電子放出材
料を含浸させた含浸型電極で形成され、前記電子銃の陰
極から電子を供給する動作温度を低下させ、前記電子銃
は、前記含浸型電極と、プラズマ発生ガスを供給するガ
ス供給系と、前記プラズマ発生ガスによりホローカソー
ド放電を発生させる放電電極と、を備え、前記ガス供給
系から供給されるプラズマ発生ガスにより前記放電電極
でホローカソード放電を発生させ、電子銃から蒸着源に
連続して電子を供給し、前記ガス供給系から供給される
プラズマ発生ガスにより前記放電電極で発生させたプラ
ズマ中の電子を吸収するとともに、前記プラズマ中のガ
スイオン及びガス分子を基板表面側に通過させるグリッ
ド電極を備え、前記グリッド電極を通過したガスイオン
又はガス分子により基板表面をスパッタリングするもの
である。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の薄膜形成装置において、前記電子銃が同一構造におい
て複数配設されるものである。
【0014】請求項3に記載の発明は、真空雰囲気中で
電子銃の陰極から蒸着源に電子を供給し、この供給され
た電子により前記蒸着源を蒸発又は昇華させて熱的に蒸
着粒子を生成し、前記真空雰囲気中に配置された基板表
面に前記蒸着粒子を付着堆積し薄膜を形成する薄膜形成
装置において、前記電子銃の陰極が、陰極電極材料に電
子放出材料を含浸させた含浸型電極で形成され、前記電
子銃の陰極から電子を供給する動作温度を低下させ、前
記電子銃は、前記含浸型電極と、プラズマ発生ガスを供
給するガス供給系と、前記プラズマ発生ガスによりホロ
ーカソード放電を発生させる放電電極と、を備え、前記
ガス供給系から供給されるプラズマ発生ガスにより、前
記放電電極でホローカソード放電を発生させ、電子銃か
ら蒸着源に連続して電子を供給し、前記含浸型電極、プ
ラズマ発生ガスを供給するガス供給系、及び前記プラズ
マ発生ガスによりホローカソード放電を発生させる放電
電極を備えた電子銃を含み、前記ガス供給系から供給さ
れるプラズマ発生ガスにより前記放電電極でホローカソ
ード放電を発生させ、電子銃から蒸着源に連続して電子
を供給し、前記蒸着源から発生する蒸着粒子を基板表面
に付着堆積させる成膜処理ユニットと、前記含浸型電
極、ガス供給系、放電電極、及び前記ガス供給系から供
給されるプラズマ発生ガスにより前記放電電極で発生さ
せたプラズマ中の電子を吸収するとともに前記プラズマ
中のガスイオン及びガス分子を基板表面側に通過させる
グリッド電極を備えたイオン発生源を含み、前記グリッ
ド電極を通過したガスイオン又はガス分子により基板表
面をスパッタリングするスパッタリング処理ユニット
と、を備え、前記成膜処理ユニットにより基板表面に薄
膜を形成し、前記スパッタリング処理ユニットにより基
板表面のスパッタリングを行うものである。
【0015】請求項4に記載の発明は、請求項1から3
のいずれか1項に記載の薄膜形成装置において、前記電
子銃の含浸型電極を形成する電子放出材料には、硼化物
又は炭化物に比べて仕事関数が小さい酸化物材料を使用
するものである。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の薄膜形成装置において、前記電子銃の陰極電極材料に
はポーラスタングステンが使用され、前記電子銃の含浸
型電極を形成する電子放出材料には酸化バリウム、酸化
カルシウム、酸化アルミニウムのそれぞれを所定のモル
比で混合させた酸化物材料が使用されるものである。
【0017】
【0018】
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1 以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は本
発明の実施の形態1に係る薄膜形成装置の概念図であ
る。図1に示すように、薄膜形成装置は真空系(真空チ
ャンバ)11の一側面に電子銃12を備える。真空系1
1内には蒸着源14を保持し、かつ電子銃12側からプ
ラズマを引き出す引出電極として使用されるるつぼ13
が配設される。真空系11内においてるつぼ13に対向
する位置には基板15が保持される。るつぼ13は、本
実施の形態において酸化アルミニウム材料で形成され、
水冷式で形成される。基板15には、Si基板、GaA
s基板等の半導体基板、ガラス基板、プリント配線基板
等の基板が使用される。
【0020】前記真空系11と電子銃12との間におい
て電子銃12から蒸着源14に供給される電子ビーム又
はプラズマ16の供給経路には磁気回路21が配設され
る。磁気回路21は、電子銃12で発生させた電子ビー
ム又はプラズマ16を集束させ、電子ビーム又はプラズ
マ16を蒸着源14に効率良く供給する。
【0021】さらに、前記真空系11には真空源22が
連接される。真空源22は真空系11内を真空雰囲気に
しこの真空雰囲気を維持する。
【0022】図2は前記電子銃12の断面図である。電
子銃12は含浸型電極12a、加熱ヒータ12b、放電
電極12cを備える。さらに、この電子銃12には、高
電圧絶縁体12dが配設され、プラズマ発生ガス供給管
23aが配管される。
【0023】前記電子銃12の含浸型電極12aは、陰
極電極材料(陰極電極基体)に電子放出材料を含浸させ
た陰極電極であり、電子を放出する動作温度を低下でき
る。前記電子放出材料には、硼化物の仕事関数(〜2e
V)又は炭化物の仕事関数(〜3eV)に比べて仕事関
数が小さい酸化物材料(仕事関数は〜1eV)が使用さ
れる。本実施の形態において、含浸型電極12aの陰極
電極材料にはポーラスタングステンが使用され、電子放
出材料には酸化バリウム(BaO)、酸化カルシウム
(CaO)、酸化アルミニウム(Al2 3 )のそれぞ
れを所定のモル比で混合した酸化物材料が使用される。
酸化バリウム:酸化カルシウム:酸化アルミニウムのそ
れぞれのモル比は例えば4:1:1に設定される。この
ように構成される含浸型電極12aにおいては動作温度
が1000−1200℃程度の低温度に設定できる。
【0024】前記含浸型電極12aは本実施の形態にお
いて中空パイプ形状で構成され、含浸型電極12aの外
周囲には加熱ヒータ12bが配設されるとともに、含浸
型電極12aの中空部分にはプラズマ発生ガス供給管2
3aが接続される。加熱ヒータ12bは電流発生源24
に接続される。この電流発生源24から供給される電流
は加熱ヒータ12bを加熱し含浸型電極12aを加熱す
る。前記プラズマ発生ガス供給管23aはガス供給源2
3に接続される。このガス供給源23は、プラズマ発生
ガス供給管23a、含浸型電極12aの中空部分のそれ
ぞれを通して、含浸型電極12aと放電電極12cとの
間にプラズマ発生ガスを供給する。プラズマ発生ガスに
はアルゴンガスの希ガスが使用される。また、プラズマ
発生ガスにはヘリウムガス等の所謂不活性ガスが使用で
きる。
【0025】前記電子銃12の放電電極12cは、含浸
型電極12aの電子放出側に配設され、含浸型電極12
aに高電圧絶縁体12dを介して取り付けられる。放電
電極12cは放電電源25に接続される。この放電電源
25は、放電電極12cに放電電圧を供給し、放電電極
12cと含浸型電極12aとの間にホローカソード放電
を発生させる。ホローカソード放電は前述のプラズマ発
生ガス供給管23a、含浸型電極12aの中空部分のそ
れぞれを通して供給されるプラズマ発生ガスをプラズマ
化する。
【0026】前記高電圧絶縁体12dは含浸型電極12
aと放電電極12cとの間を電気的に絶縁する。高電圧
絶縁体12dには本実施の形態において絶縁性セラミッ
クスが使用される。この絶縁性セラミックスは含浸型電
極12a、放電電極12cのそれぞれに例えばろう付け
により接合される。
【0027】次に、前述の薄膜形成装置の成膜動作につ
いて説明する。まず、図1に示す薄膜形成装置におい
て、真空源22を起動し、真空系11内を真空状態にす
るとともにこの真空状態を維持する。真空状態が維持さ
れると、ガス供給源23から図2に示すプラズマ発生ガ
ス供給管23a、含浸型電極12aの中空部分のそれぞ
れを通してプラズマ発生ガスが電子銃12の放電電極1
2c部分に供給され、この供給されたプラズマ発生ガス
はさらに磁気回路21を通して真空系11内に流れ込
む。
【0028】前記プラズマ発生ガスが流れだすと、図2
に示す電流発生源24から数Aの電流を加熱ヒータ12
bに供給し加熱ヒータ12bを加熱状態にする。この加
熱ヒータ12bが加熱状態になることにより、含浸型電
極12aは1000−1200℃に加熱される。含浸型
電極12aが加熱されることにより、含浸型電極12a
から電子が放出される。
【0029】前記含浸型電極12aの加熱状態を維持し
ながら、引き続き放電電源25から放電電極12cに数
KV以上の放電電圧を供給する。数分後、放電電極12
cと含浸型電極12aとの間にホローカソード放電が発
生する。
【0030】一旦、前記ホローカソード放電の発生が開
始されると、放電電源25から放電電極12cに供給さ
れる放電電圧が数百V以下においてホローカソード放電
を維持できる。前記ホローカソード放電が発生すると既
に供給されているプラズマ発生ガスによりプラズマが発
生する。このプラズマにより含浸型電極12aの電子の
放出に充分な加熱がなされるので、電流発生源24から
加熱ヒータ12bへの電流の供給を停止し、加熱ヒータ
12bによる含浸型電極12aの加熱を停止する。
【0031】そして、図1に示するつぼ13に図示しな
い電圧発生源により電圧を印加し、るつぼ13を引出電
極として電子銃1の含浸型電極12aから電子ビーム1
6を引き出す。電子ビーム16の引き出しに際しては磁
気回路21により電子ビーム16が集束される。引き出
された電子ビーム16はるつぼ13に載置された蒸着源
14に達し、電子ビーム16が達した蒸着源14はエネ
ルギーの供給により加熱され、蒸発又は昇華が生じ、蒸
発源14から蒸着粒子14aが発生する。蒸着粒子14
aは真空系11内部に飛ばされ、いくつかの蒸着粒子1
4aは周囲の残留分子と衝突せずに基板15の表面に付
着する。この蒸着粒子14aが連続的に発生し、基板1
5の表面に連続的に蒸着粒子14aが付着し堆積するこ
とにより、基板15の表面には薄膜が形成される。
【0032】このように構成される薄膜形成装置におい
ては、含浸型電極12aの陰極電極材料に電子放出材料
(含浸材料)の原子が含浸することにより、含浸させた
原子が分極し、陰極電極材料表面の仕事関数を低下させ
るので、含浸型電極12aの動作温度が下げられる。さ
らに、含浸型電極12aは真空系11内に連接され真空
雰囲気に維持されるので、含浸型電極12aは大気に触
れることなく酸化による損傷を生じない。従って、電子
銃12の動作温度が低温度になり、かつ大気に触れない
ので、電子銃12の長寿命化が図れる。この電子銃12
の長寿命化により電子銃12の含浸型電極12aの交換
回数が減少できるので、量産製造ラインの停止回数が減
少できる薄膜形成装置が提供できる。
【0033】さらに、電子銃12の含浸型電極12aか
ら電子を放出できる動作温度が低下するので、加熱ヒー
タ12bに供給する電力が減少できる。従って、薄膜形
成装置の電力消費が減少できる。
【0034】さらに、薄膜形成装置は、プラズマ発生ガ
スを供給するガス供給系(プラズマ発生ガス供給管23
a及びガス供給源23)、ホローカソード放電を発生さ
せる放電電極12c及び放電電源25を備え、ホローカ
ソード放電により発生したプラズマで電子銃12の含浸
型電極12aを加熱する。このプラズマによる含浸型電
極12aの加熱により加熱ヒータ12bによる加熱量が
減少できるので、薄膜形成装置の電力消費が減少でき
る。
【0035】実施の形態2 本実施の形態は、前述の実施の形態1に係る薄膜形成装
置において、電子銃12を複数個配設した場合について
説明する。図3は本発明の実施の形態2に係る薄膜形成
装置の概念図である。図3に示すように、薄膜形成装置
は、真空系11の一側面、対向する他の一側面にそれぞ
れ合計2個の電子銃12を配設する。それぞれの電子銃
12の詳細な構成は前述の実施の形態1に係る薄膜形成
装置の電子銃12と同様である。
【0036】このように構成される薄膜形成装置におい
ては、複数個の電子銃12を同時に動作させることによ
り、蒸着源14からの蒸着粒子14aの生成量が増加で
きるので、るつぼ13の大容量化(大型化)、基板15
の大面積化がいずれも実現できる。るつぼ13の大容量
化は、蒸着源14の補給回数が減少できるので、量産製
造ラインの停止回数が減少できる薄膜形成装置が提供で
きる。基板15の大面積化は、例えば液晶用基板の大型
化により大画面の液晶表示装置が実現できる。また、半
導体基板の大型化により大規模集積回路装置が実現で
き、或いは1枚の半導体基板(ウエーハ)から取得でき
るチップ(半導体デバイス)数が増加できる。
【0037】なお、本実施の形態においては電子銃12
が2個配設されているが、本発明はこの個数に限定され
ず、例えば4個の電子銃12が配設できる。
【0038】実施の形態3 本実施の形態は、前述の実施の形態1に係る薄膜形成装
置にスパッタリング機能を備えた場合、又は薄膜形成装
置をスパッタリング装置そのものとして使用する場合に
ついて説明する。図4は本発明の実施の形態4に係る薄
膜形成装置(スパッタリング装置)の概念図である。図
4に示す薄膜形成装置は真空系11内において電子銃1
2に対向する位置に基板15が配置される。
【0039】前記電子銃12の詳細な構成は前述の実施
の形態1に係る薄膜形成装置の電子銃12と同様であ
る。電子銃12の電子放出側であって磁気回路21と真
空系11との間にはグリッド電極26が配設される。グ
リッド電極26は、前述の図1に示すガス供給源23か
らプラズマ発生ガス供給管23aを通して供給されるプ
ラズマ発生ガスにより前記放電電極12c(図2参照)
で発生させたプラズマ中の電子を吸収するとともに、前
記プラズマ中のガスイオン及びガス分子23bを基板1
5の表面側に通過させる。このグリッド電極26を通過
したガスイオン又はガス分子23bは、基板15の表面
を叩き、スパッタリングを行う。スパッタリングは周知
のように基板15の表面のエッチング、清浄化等を行
う。また、前記グリッド電極26においては、磁気回路
21で集束されるプラズマ中の電子が吸収される。
【0040】前記電子銃12、磁気回路21、グリッド
電極26及びガス供給系はスパッタリングを行うガスイ
オン及びガス分子23bを供給するイオン供給源27を
構築する。
【0041】このように構成される薄膜形成装置におい
ては、電子銃12と基板15との間にグリッド電極26
を含むイオン供給源27を備えることにより、プラズマ
中の電子がグリッド電極26により吸収され、プラズマ
中のガスイオン及びガス分子23bがグリッド電極26
を通過して基板15の表面に到達するので、スパッタリ
ング機能を備えることができる。しかも、グリッド電極
26を備え、かつ基板15の配置位置を電子銃12に対
向する位置に代えるだけで、簡易にスパッタリング機能
が備えられる。この薄膜形成装置は、前述の実施の形態
1に係る薄膜形成装置と同様に、蒸着源14を配設しか
つ基板15の配置位置を代えることにより、薄膜を形成
できる。なお、本発明においては、薄膜形成装置には使
用せずに単にスパッタリング装置として使用してもよ
い。
【0042】実施の形態4 本実施の形態は、前述の実施の形態3に係る薄膜形成装
置(スパッタリング装置)のイオン発生源を複数台配設
した場合について説明する。図5は本発明の実施の形態
5に係る薄膜形成装置(スパッタリング装置)の概念図
である。図5に示す薄膜形成装置は、真空系11の一側
面に2個のイオン供給源27を並べて配設し、この2個
のイオン供給源27に対向する位置に基板15が配置さ
れる。
【0043】このように構成される薄膜形成装置におい
ては、2個のイオン供給源27を同時に動作させること
により、大面積の基板15の表面がスパッタリングでき
る。
【0044】実施の形態5 本実施の形態は、前述の実施の形態1に係る成膜装置と
しての薄膜形成装置と前述の実施の形態3に係るスパッ
タリング装置とを組み合わせた場合について説明する。
図6は本発明の実施の形態5に係る薄膜形成装置の概念
図である。図6に示すように、薄膜形成装置は、基板1
5の表面をスパッタリングし清浄化するスパッタリング
処理ユニット30、搬送ユニット32、基板15の表面
に薄膜を形成する成膜処理ユニット31を備える。スパ
ッタリング処理ユニット30は前述の実施の形態3に係
る薄膜形成装置と同様に構成され、成膜処理ユニット3
1は前述の実施の形態1に係る薄膜形成装置と同様に構
成される。搬送ユニット32は、例えばスパッタリング
処理ユニット30と成膜処理ユニット31との間で基板
15を搬送するロボットアームと、このロボットアーム
の駆動及び制御を行う駆動制御装置と、スパッタリング
処理ユニット30、成膜処理ユニット31のそれぞれの
真空系11を開閉する開閉シャッタとを少なくとも備え
る。
【0045】このように構成される薄膜形成装置におい
ては、スパッタリング処理ユニット30で基板15の表
面を清浄化した後に、大気解放することなく引き続き成
膜処理ユニット31で基板15の表面に薄膜が形成でき
るので、薄膜の膜質が向上できる等の効果が得られる。
【0046】なお、本実施の形態に係る薄膜形成装置
は、前述の実施の形態2に係る薄膜形成装置と前述の実
施の形態4に係るスパッタリング装置とを組み合わせ
て、スパッタリング処理ユニット30には複数台のイオ
ン供給源27を、成膜処理ユニット31には複数個の電
子銃12をぞれぞれ配設してもよい。
【0047】さらに、本実施の形態に係る薄膜形成装置
は、スパッタリング処理ユニット30のイオン供給源2
7が成膜処理ユニット31に、成膜処理ユニット31の
電子銃12がスパッタリング処理ユニット30に、それ
ぞれ交互に移動するように構成してもよい。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電子銃の陰極を陰極電極材料に電子放出材料を含浸させ
た含浸型電極により構成したことにより、陰極電極材料
の表面において電子放出材料が分極して界面での仕事関
数が低下する。つまり、低温度で陰極から電子が放出さ
れるようになるので、電子銃の長寿命化が図られる効果
が得られるとともに、電子銃において陰極を加熱するた
めの電力を低減でき、低電力消費の薄膜形成装置を実現
できるという効果が得られる。
【0049】また、本発明によれば、上記電子放出材料
として硼化物又は炭化物に比べて仕事関数の小さい酸化
物材料が用いられることにより、上記、陰極を低温度で
動作させることよる電子銃の長寿命化及び低電力化が好
適に達成されるという効果がある。
【0050】また本発明によれば、陰極電極材料にポー
ラスタングステン、電子放出材料に酸化バリウム、酸化
カルシウム、酸化アルミニウムそれぞれを所定のモル比
で混合させた酸化物材料を用いることにより、特に電子
銃の長寿命化及び低電力化の効果が高くなる。
【0051】さらに、本発明によれば、陰極周囲でホロ
ーカソード放電を発生させることにより、加熱ヒータに
よる陰極への加熱量を低減することができ、薄膜形成装
置の電力消費がより低減される効果が得られる。
【0052】本発明によれば、電子銃が複数配設される
ことにより、蒸着源の大型化(大容量化)又は薄膜を形
成する基板の大型化が実現できる薄膜形成装置が提供で
きるという効果が得られる。
【0053】さらに、本発明によれば、電子銃出力部分
にグリッド電極を備えたことにより、プラズマ中の電子
は吸収され、ガスイオン及びガス分子は通過して基板表
面に到達する。これにより薄膜の形成に加えて、スパッ
タリングが実施できる薄膜形成装置が提供できるという
効果が得られる。
【0054】さらに、本発明によれば、成膜処理ユニッ
トとスパッタリング処理ユニットとを備えたことによ
り、量産製造ラインへの組み込みに好適な薄膜形成装置
が提供されるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る薄膜形成装置の
概念図である。
【図2】 前記薄膜形成装置の電子銃の断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態2に係る薄膜形成装置の
概念図である。
【図4】 本発明の実施の形態3に係る薄膜形成装置の
概念図である。
【図5】 本発明の実施の形態4に係る薄膜形成装置の
概念図である。
【図6】 本発明の実施の形態5に係る薄膜形成装置の
概念図である。
【図7】 従来技術に係る真空蒸着装置の概念図であ
る。
【図8】 従来技術に係る真空蒸着装置の電子銃の断面
図である。
【符号の説明】
11 真空系、12 電子銃、12a 含浸型電極、1
2b 加熱ヒータ、12c 放電電極、12d 高電圧
絶縁体、13 るつぼ、14 蒸着源、14a蒸着粒
子、15 基板、16 電子ビーム又はプラズマ、21
磁気回路、22 真空源、23、ガス供給源、23a
プラズマ発生ガス供給管、23b ガスイオン及びガ
ス分子、24 電流発生源、25 放電電源、26 グ
リッド電極、27 イオン供給源、30 スパッタリン
グ処理ユニット、31 成膜処理ユニット、32 搬送
ユニット。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 C23F 1/00 - 4/04 H01J 1/00 - 65/08 H01L 21/3065

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空雰囲気中において電子銃の陰極から
    蒸着源に電子を供給し、この供給された電子により前記
    蒸着源を蒸発又は昇華させて熱的に蒸着粒子を生成し、
    前記真空雰囲気中に配置された基板表面に前記蒸着粒子
    を付着堆積し薄膜を形成する薄膜形成装置において、 前記電子銃の陰極が、陰極電極材料に電子放出材料を含
    浸させた含浸型電極で形成され、前記電子銃の陰極から
    電子を供給する動作温度を低下させ、 前記電子銃は、前記含浸型電極と、プラズマ発生ガスを
    供給するガス供給系と、前記プラズマ発生ガスによりホ
    ローカソード放電を発生させる放電電極と、を備え、 前記ガス供給系から供給されるプラズマ発生ガスにより
    前記放電電極でホローカソード放電を発生させ、電子銃
    から蒸着源に連続して電子を供給し、 前記ガス供給系から供給されるプラズマ発生ガスにより
    前記放電電極で発生させたプラズマ中の電子を吸収する
    とともに、前記プラズマ中のガスイオン及びガス分子を
    基板表面側に通過させるグリッド電極を備え、 前記グリッド電極を通過したガスイオン又はガス分子に
    より基板表面をスパッタリングすることを特徴とする薄
    膜形成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の薄膜形成装置におい
    て、 前記電子銃が同一構造において複数配設されることを特
    徴とする薄膜形成装置。
  3. 【請求項3】 真空雰囲気中において電子銃の陰極から
    蒸着源に電子を供給し、この供給された電子により前記
    蒸着源を蒸発又は昇華させて熱的に蒸着粒子を生成し、
    前記真空雰囲気中に配置された基板表面に前記蒸着粒子
    を付着堆積し薄膜を形成する薄膜形成装置において、 前記電子銃の陰極が、陰極電極材料に電子放出材料を含
    浸させた含浸型電極で形成され、前記電子銃の陰極から
    電子を供給する動作温度を低下させ、 前記電子銃は、前記含浸型電極と、プラズマ発生ガスを
    供給するガス供給系と、前記プラズマ発生ガスによりホ
    ローカソード放電を発生させる放電電極と、を備え、 前記ガス供給系から供給されるプラズマ発生ガスによ
    り、前記放電電極でホローカソード放電を発生させ、電
    子銃から蒸着源に連続して電子を供給し、 前記含浸型電極、プラズマ発生ガスを供給するガス供給
    系、及び前記プラズマ発生ガスによりホローカソード放
    電を発生させる放電電極を備えた電子銃を含み、前記ガ
    ス供給系から供給されるプラズマ発生ガスにより前記放
    電電極でホローカソード放電を発生させ、電子銃から蒸
    着源に連続して電子を供給し、前記蒸着源から発生する
    蒸着粒子を基板表面に付着堆積させる成膜処理ユニット
    と、 前記含浸型電極、ガス供給系、放電電極、及び前記ガス
    供給系から供給されるプラズマ発生ガスにより前記放電
    電極で発生させたプラズマ中の電子を吸収するとともに
    前記プラズマ中のガスイオン及びガス分子を基板表面側
    に通過させるグリッド電極を備えたイオン発生源を含
    み、前記グリッド電極を通過したガスイオン又はガス分
    子により基板表面をスパッタリングするスパッタリング
    処理ユニットと、を備え、 前記成膜処理ユニットにより基板表面に薄膜を形成し、
    前記スパッタリング処理ユニットにより基板表面のスパ
    ッタリングを行うことを特徴とする薄膜形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    薄膜形成装置において、 前記電子銃の含浸型電極を形成する電子放出材料は、硼
    化物又は炭化物に比べて仕事関数が小さい酸化物材料で
    あることを特徴とする薄膜形成装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の薄膜形成装置におい
    て、 前記電子銃の陰極電極材料は、ポーラスタングステンで
    あり、 前記電子銃の含浸型電極を形成する電子放出材料は、酸
    化バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウムのそれ
    ぞれを所定のモル比で混合させた酸化物材料であること
    を特徴とする薄膜形成装置。
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