JPH1192902A - 溶融金属めっき装置 - Google Patents

溶融金属めっき装置

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JPH1192902A
JPH1192902A JP24847797A JP24847797A JPH1192902A JP H1192902 A JPH1192902 A JP H1192902A JP 24847797 A JP24847797 A JP 24847797A JP 24847797 A JP24847797 A JP 24847797A JP H1192902 A JPH1192902 A JP H1192902A
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Chiaki Kato
千昭 加藤
Masahiko Tada
雅彦 多田
Toshitane Matsukawa
敏胤 松川
Yoshikazu Morita
芳和 守田
Takuya Hashida
拓弥 橋田
Yasuo Fukada
保男 深田
Ichiro Yamashita
一郎 山下
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定して溶融金属めっき浴を保持でき、かつ
表面外観特性に優れた溶融金属めっき金属帯を製造で
き、合金化加熱処理を軽減できる空中ポット方式の溶融
金属めっき装置を提案する。 【解決手段】 上下に開口部を有する溶融金属めっき浴
の保持容器と、該金属帯の板厚方向に貫く交番磁界を発
生させ溶融金属めっき浴を保持する磁場発生装置と、あ
るいはさらに、めっき付着量制御装置とを有し、さら
に、保持容器内の溶融金属めっき浴に下端部を浸漬し金
属帯幅端部にそれぞれ対向しかつ金属帯端部と離間し、
溶融金属めっき浴の浴面より上方で金属帯端部それぞれ
と電気的接点を介し電気的接続を有する一対の導体を設
け、金属帯を加熱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属帯の表面に溶
融金属めっきを施す溶融金属めっき装置に係り、とく
に、溶融金属を電磁力で空中に保持しつつめっきを施す
溶融金属めっき装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属帯の溶融金属めっきは、溶融
金属めっき浴中に、めっき浴上方から金属帯を連続的に
浸漬し、さらに溶融金属めっき浴内に設けられたシンク
ロールにより上向きに方向転換し上方に引き上げて、一
対のガスワイピングノズルにより、表面に付着した溶融
金属めっき層の厚さを調整するシンクロール方式の溶融
金属めっき装置により行われていた。
【0003】しかしながら、上記した溶融金属めっき装
置では、めっき浴が大容量のため、浴成分の切替えを
頻度良く行うことが困難である、めっき浴中に浸漬さ
れたシンクロールの保守が煩雑である、金属帯とシン
クロールとの接触により擦り傷が発生する、溶融金属
めっき浴中に浮遊するドロスを金属帯とシンクロール間
に噛込み、表面品質不良など製品品質が劣化する、など
の問題があった。
【0004】このような問題に対し、シンクロール等の
浴中で金属帯と接触する機器を必要としないめっき装置
として、溶融金属めっき浴を空中に保持する、いわゆる
空中ポット方式の溶融金属めっき装置を用いた溶融金属
めっき方法が提案されている。例えば、特開平5-86446
号公報には、上方に向かって移動する金属ストリップを
間にはさんで、移動磁場印加装置を設け、移動磁場印加
装置の直下の通路を通って供給された溶融金属を移動磁
場印加装置の電磁力によって上方に向けて流し、通路の
直下の金属ストリップを間に挟んで設けられた高周波磁
場印加装置の電磁力によって溶融金属の流出を防止する
金属ストリップに対する溶融金属めっき方法が開示され
ている。
【0005】このような空中ポット方式の溶融金属めっ
き装置を採用することにより、めっき浴を小容量化する
ことができ、短時間での浴成分の切替えが可能となるほ
か、浴中機器が無くなることにより保守が軽減され、さ
らに金属帯表面の品質不良が減少することなどが期待で
きる。空中ポット方式の溶融金属めっき装置に用いる溶
融金属保持装置に関しては、例えば、特開昭63-109149
号公報、特開平5-86449 号公報、特開平5-86450 号公報
に開示があるが、これら従来の溶融金属保持装置の例
を、模式的に図3に示す。
【0006】鉄心1に巻回したコイル2に交流電源3か
ら交番電流を供給して、磁極1a、1b間に図の左右方向
(X軸方向)に交番磁束10を生じさせる。耐熱性絶縁物
で作られた上下に開口を有する保持容器6は、その下部
の位置が磁極1a、1b間に生じる交番磁束10の中に入るよ
うに設置されている。保持容器6は、金属帯に溶融金属
めっきを施す溶融金属8が入れられる。保持容器6に収
納された溶融金属8に、交番磁束10により図の前後方向
(Y軸方向)に誘導電流12が生ずる。交番磁束10と誘導
電流12との相互作用で図の上向き(Z軸正の向き)に電
磁力11が生じ、溶融金属8を押上げる。これにより、溶
融金属8は保持容器6内に保持される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図3の保持容
器6のY軸方向両端部における溶融金属8では、誘導電
流12が前後方向(Y軸方向)から上向き(Z軸方向正の
向き)に流れの向きを変えるため、発生する電磁力11の
向きも図の上向き(Z軸方向正方向)から図の前後向き
(Y軸方向)に変化する。このため、溶融金属8を押上
げる力が不足する。また、交番磁束10により生じる誘導
電流12は、溶融金属8内で増減することなく回流する
が、溶融金属8の上部では、誘導電流12の流れの向き
は、溶融金属8の下部における向きと逆向きとなるた
め、図の下向き(Z軸負の向き)に電磁力11a が生じ
る。ただし、溶融金属8の上部では、交番磁束10の磁束
密度が低くなり、発生する電磁力11a は小さくなるが、
この電磁力11a の作用で溶融金属8を押下げるため、溶
融金属めっき浴の保持に悪影響を及ぼしていた。
【0008】このような問題に対し、例えば、特開平7-
48660 号公報には、溶融金属より電気伝導度の大きい良
導体枠を、溶融金属の液面より上方において上部を電気
的に接続し、さらに交番磁束の両側方で溶融金属に接触
させて設置し、発生する誘導電流の上向き流れを吸収し
上部における反対方向の電流を溶融金属外で通電させ
て、溶融金属に作用する押下げ力を小さくするという技
術が開示されている。
【0009】しかしながら、上記した技術によってもな
お、溶融金属めっき浴を安定して保持するためには、交
流電源を大きくし投入電力を大きくし、交番磁束の密度
を増加させ、多量の誘導電流を発生させることが必要で
あった。投入電力の増加は、設備への投資を増加させ、
製造コストの増大を招く。一方、耐食性、プレス成形
性、溶接性を要求される溶融亜鉛めっき鋼板では、鋼板
表面にめっき層を付着させ、めっき付着量を調整したの
ち、加熱しめっき層を合金化する場合がある。この場
合、めっき層の合金化のため溶融金属めっき装置の出側
に合金化炉が設置されるのが普通である。また、表面外
観の均一性が要求される溶融亜鉛めっき鋼板では、めっ
き後、加熱しめっき層を再溶解し表面張力により表面外
観を均一化することが行われている。
【0010】しかし、めっき付着量調整後に加熱して、
適正な合金化めっき層とするためには、加熱条件を適正
に管理する必要があり、合金化炉の炉長を短縮すること
は簡単ではなく、依然として設備建設あるいは移設のた
めに多大の費用を必要とした。さらに、空中ポット方式
の溶融金属めっき装置を用いて製造された溶融金属めっ
き鋼板は、従来のシンクロール方式の溶融金属めっき装
置を用いて得られた鋼板と比較して、鋼板が溶融金属め
っき浴と接する時間が極端に短いため、特に高速度でめ
っきする場合、めっき密着性が不安定で、プレス成形時
にめっきが粉状に剥離するという耐パウダリング性の問
題があった。
【0011】また、非合金材の表面外観の均一化のため
の加熱は、工程を複雑にし生産性の劣化を招くという問
題もあり、空中ポット方式の溶融金属めっき装置を用い
て製造された溶融金属めっき鋼板の製造コストは高いと
いう問題があった。本発明は、上記した問題を有利に解
決し、安定して溶融金属めっき浴を保持しつつ溶融金属
めっき処理を施すことができ、かつ表面外観特性に優れ
た溶融金属めっき金属帯を製造でき、あるいは合金化加
熱処理を軽減できるめっき密着性の良好な合金化溶融金
属めっき金属帯が高速で製造できる空中ポット方式の溶
融金属めっき装置を提案することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、めっき層
の合金化処理を簡素化し、めっき密着性を向上させるた
めあるいはめっき層の外観均一性を向上させるため、鋭
意検討した結果、溶融金属めっき浴を保持するために導
入する交番磁束により発生する誘導電流を有効利用する
ことにより上記課題を有利に解決できるできることに思
い到った。本発明は、このような知見をさらに検討し構
成されたものである。
【0013】本発明は、上方に移動する金属帯を下方か
ら浸入させ該金属帯に溶融金属めっきを施す溶融金属め
っき浴の保持容器と、該保持容器の下端部に配設され該
金属帯の板厚方向に貫く交番磁界を発生させ該溶融金属
めっき浴を保持する磁場発生装置とを有する溶融金属め
っき装置において、前記保持容器内の溶融金属めっき浴
に下端部を浸漬し上端部を該溶融金属めっき浴の浴面よ
り高い位置として、前記金属帯幅端部にそれぞれ対向し
かつ該金属帯端部と離間し、前記溶融金属めっき浴の浴
面より上方で該金属帯端部それぞれと電気的接点を介し
電気的接続を有する一対の導体を設けることを特徴とす
る溶融金属めっき装置であり、前記一対の導体は、前記
溶融金属めっき浴の溶融金属より電気伝導度の大きい材
料で構成されるのが好ましい。
【0014】また、本発明は、上方に移動する金属帯を
下方から浸入させ該金属帯に溶融金属めっきを施す溶融
金属めっき浴の保持容器と、該保持容器の下端部に配設
され該金属帯の板厚方向に貫く交番磁界を発生させ該溶
融金属めっき浴を保持する磁場発生装置と、前記保持容
器の上方に配設され前記金属帯のめっき付着量を制御す
るめっき付着量制御装置とを有する溶融金属めっき装置
において、前記保持容器内の溶融金属めっき浴に下端部
を浸漬し上端部を該溶融金属めっき浴の浴面より高い位
置として、前記金属帯幅端部にそれぞれ対向しかつ該金
属帯端部と離間し、前記溶融金属めっき浴の浴面より上
方で該金属帯端部それぞれと電気的接点を介し電気的接
続を有する一対の導体を設けることを特徴とする溶融金
属めっき装置であり、前記一対の導体は、前記溶融金属
めっき浴の溶融金属より電気伝導度の大きい材料で構成
されるのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の金属帯の溶融金属めっき
装置は、溶融金属8を入れ溶融金属めっき浴を収容する
保持容器6と、該溶融金属めっき浴を保持するために、
該保持容器6の下端部に配設され金属帯21の板厚方向に
貫く交番磁界を発生させる磁場発生装置15とを有する。
また、図1に示すように、本発明の溶融金属めっき装置
は、さらに、保持容器6の上方に配設され金属帯21を挟
んで金属帯のめっき付着量を制御するめっき付着量制御
装置9を有してもよい。金属帯21は、前工程で洗浄さ
れ、ついで焼鈍工程を経て、デフレクタロール14により
鉛直方向に方向転換され、溶融金属めっき装置に下方か
ら導かれ、溶融金属めっきを施される。めっきに供する
溶融金属8は、配管等を利用して外部のサブポットから
供給したり、サブポットを利用して保持容器6の間で循
環することも可能である。
【0016】保持容器6は、金属帯21を下方から浸入可
能に設置された、上下に開口部を有し、好ましくは水平
断面が長方形状で角筒状の容器であり、溶融金属8を収
容し金属帯21に溶融金属めっきを施す。保持容器6は、
その下端部が磁場発生装置15による交番磁束10が通る位
置に設置されている。なお、保持容器は、耐熱性絶縁物
で構成するのが好ましい。
【0017】磁場発生装置15は、鉄心1と、鉄心1に巻
回されたコイル2と、コイル2に交流電流を供給する交
流電源3とから構成され、磁極1a、1bとの間に強力な交
番磁束が生成される。供給される交流電源の周波数は、
1〜3kHz とするのが好ましい。磁場発生装置15により
金属帯21の板厚方向に貫く交番磁界10を印加することに
より、溶融金属めっき浴下面に金属帯幅方向に周回する
誘導電流12が発生する。この誘導電流と交番磁束との作
用により溶融金属めっき浴下部に上向きの電磁力11が発
生し、溶融金属8が保持容器6から漏洩するのを防止し
ている。
【0018】本発明では、一対の導体7を保持容器6内
に立設する。導体7は、その下端部を溶融金属めっき浴
8に浸漬して、金属帯21の幅方向端部に対向しかつ金属
帯端部と離間して立設される。また、導体7は、その上
端部が溶融金属めっき浴8の浴面より高い位置となるよ
う長さを調節される。さらに、一対の導体7は、溶融金
属めっき浴8の浴面より上方で金属帯21の端部それぞれ
と電気的接点7aを介し電気的に接続される。この場合、
電気的接点7aは、めっき付着量制御装置9の上方に設置
されるのが好ましいが、下方に設置してもよい。
【0019】導体の形状はとくに限定する必要はなく、
棒状、角状、板状いずれも好適である。また、導体を構
成する材料は、とくに限定されないが、溶融金属より高
い電気伝導度を有する材料が好ましい。溶融金属がZn、
AlおよびZn合金、Al合金の場合には、導体の材料として
は、Cu、Moが好適である。電気的接点7aは、電気良導性
を有する材料で構成されるのが好ましい。使用する材料
としては、カーボン、Cu、Mo等が好適である。電気的接
点7aは、上方に走行する金属帯21と導体7とが円滑に電
気的接続を可能となる構造を有すればよく、ロール形状
あるいはブラシ形状とするのが好ましい。
【0020】上記したように、金属帯の幅端部に離間し
て対向し、下端部を溶融金属めっき浴に浸漬して立設さ
れ、めっき付着量制御装置9の出側で電気的接続を有す
る一対の導体7を導入することにより、図1のB−B矢
視である図2に示すように、交番磁束10により溶融金属
めっき浴8下部で発生した誘導電流12は、導体7を通り
溶融金属めっき浴8から離れ、導体7と電気的接点7aを
介し金属帯21端部に達し、金属帯21を流れ、他の電気的
接点7aと他の導体7とを通り、溶融金属めっき浴8に戻
るという回流を形成する。
【0021】この誘導電流の回流により、溶融金属めっ
き浴上部に流れる誘導電流が減少し、したがって、溶融
金属めっき浴を押下げる力が減少し、安定して溶融金属
めっき浴の保持が可能となる。さらに、この金属帯21を
流れた誘導電流12により、金属帯は発熱し加熱される。
これにより、溶融金属めっき層の合金化処理、あるいは
溶融金属めっき層の再溶解による表面外観の均一化処理
が可能となる。さらに、理由は明確でないが、この誘導
電流による誘導加熱によって合金化溶融めっきのめっき
密着性(耐パウダリング性)の改善が可能となる。な
お、表面の均一化処理を行う場合には、めっき付着量制
御後に加熱する必要があるため、電気的接点7aはめっき
付着量制御装置9の上方に設置するのが好ましい。
【0022】さらに、必要に応じ、誘導電流による金属
帯の加熱とガス加熱装置、電気加熱装置、誘導加熱装置
を併用して、めっき層の合金化処理や、めっき層表面外
観の均一化処理を行うことができるのはいうまでもな
い。めっき付着量制御装置9は、金属帯21を挟んで金属
帯のめっき付着量を制御するため、保持容器6の上方に
配設される。めっき付着量制御装置9は、1対のノズル
からガスを噴射することにより溶融金属めっき層の厚さ
を制御するガスワイピング装置が好適であるが、メカニ
カルに付着量を制御するロール絞りでもよく、また、電
磁力により付着量を制御する電磁絞りとしてもよい。
【0023】
【実施例】図1に示す空中ポット方式の溶融金属めっき
装置を用いて、焼鈍工程を経た板厚0.7mm ×板幅350mm
の金属帯21(極低炭素鋼帯)に搬送速度30および60 mpm
で溶融金属めっきを施した。磁場発生装置15には、交流
電源3から周波数2kHz の交流電流を供給し、X軸方向
の磁束密度0.4 Tの交番磁束10を生成した。保持容器6
の寸法は鋼帯幅方向550mm 、鋼帯厚さ方向50mm、高さ方
向300mm である。
【0024】この交番磁束10で保持容器6内の溶融金属
めっき浴の流下を防止しつつ、溶融金属めっき浴中で鋼
帯に溶融亜鉛めっきを施し、ついで、保持容器6の上方
に配設されためっき付着量制御装置9(窒素ガスワイピ
ング装置)で鋼帯表面に付着した溶融亜鉛めっき付着量
を30および60g/m2に制御した。保持容器6内の溶融金属
は、予め組成を調整し所定の温度で保持された補助めっ
き浴槽からポンプにより溶融金属供給通路を介し溶融金
属めっき浴に供給された。使用しためっき条件は次の通
りである。
【0025】溶融金属組成:Zn+0.2wt %Al 溶融金属温度:475 ℃ 保持容器侵入直前の鋼帯温度:480 ℃ 使用した保持容器6の寸法は次の通りである。 鋼帯幅方向:550mm 鋼帯厚さ方向:50mm 高さ方向:300mm なお、下部開口部の寸法は、鋼帯幅方向:500mm 、鋼帯
厚さ方向:25mmとした。
【0026】導体7は、Mo製とし、棒状に加工したもの
を用いた。また、電気的接点はカーボン製の接触ロール
とした。上記した条件で、溶融亜鉛めっきを施され、め
っき付着量を制御された極低炭素鋼帯は、めっき付着量
制御装置9の出側で回流する誘導電流12により加熱さ
れ、めっき層表面を再溶解された。その後、一部は、合
金化炉でめっき層の合金化処理を施され、他は溶融亜鉛
めっきのままとされ、本発明例とした。本発明例では、
溶融金属の漏れもなく安定しためっき操業が遂行でき
た。
【0027】なお、導体7および電気的接点7aを設置し
ない溶融亜鉛めっき装置を用い、溶融亜鉛めっきを施し
た場合を比較例とした。これら本発明例と比較例につい
て、表面外観あるいは合金化に必要な誘導加熱炉出力を
比較した。なお、合金化に必要な誘導加熱炉出力は、搬
送速度が30mpm、溶融亜鉛めっき付着量が60g/m2、めっ
き層中合金化量がFe含有率で10%となる場合の出力とし
た。また、搬送速度30mpm 、めっき付着量60g/m2とし、
合金化炉で合金化量としてめっき層中のFe含有率が10%
となるように合金化した鋼帯について、めっき密着性を
評価した。めっき密着性は90度曲げ、曲げ戻し後、セロ
ハンテープでめっき剥離量を求めるめっき剥離試験で評
価した。テープに付着した剥離亜鉛量を蛍光X線分析で
測定し、めっき剥離量とした。その結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1から、本発明の装置を用いて溶融亜鉛
めっきを施した本発明例は、表面外観が向上し、合金化
処理に必要な電力が低減でき、さらに、めっき密着性に
優れていることがわかる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、安定して溶融金属めっ
き浴を保持しつつ溶融金属めっき処理を施すことがで
き、生産性が向上し経済的に有利に溶融金属めっき金属
帯の製造を可能とする。さらに、表面外観特性に優れた
溶融金属めっき金属帯を簡便な方法で製造でき、また合
金化加熱処理の投入熱量を軽減できるという産業上格段
の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶融金属めっき装置の1実施例を示す
概略説明図である。
【図2】図1のB−B矢視図である概略説明図である。
【図3】従来の溶融金属めっき装置の例を示す概略説明
図である。
【符号の説明】
1 鉄心 1a、1b 磁極 2 コイル 3 交流電源 6 保持容器 8 溶融金属めっき浴(溶融金属) 7 導体 7a 電気的接点 9 めっき付着量制御装置 10 交番磁束 11、11a 電磁力 12 誘導電流 14 デフレクタロール 15 磁場発生装置 21 金属帯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 千昭 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 多田 雅彦 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 松川 敏胤 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 守田 芳和 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社技術研究所内 (72)発明者 橋田 拓弥 愛媛県東予市北条962番地14号 日新製鋼 株式会社東予建設本部内 (72)発明者 深田 保男 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 山下 一郎 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方に移動する金属帯を下方から浸入さ
    せ該金属帯に溶融金属めっきを施す溶融金属めっき浴の
    保持容器と、該保持容器の下端部に配設され該金属帯の
    板厚方向に貫く交番磁界を発生させ該溶融金属めっき浴
    を保持する磁場発生装置とを有する溶融金属めっき装置
    において、前記保持容器内の溶融金属めっき浴に下端部
    を浸漬し上端部を該溶融金属めっき浴の浴面より高い位
    置として、前記金属帯幅端部にそれぞれ対向しかつ該金
    属帯端部と離間し、前記溶融金属めっき浴の浴面より上
    方で該金属帯端部それぞれと電気的接点を介し電気的接
    続を有する一対の導体を設けることを特徴とする溶融金
    属めっき装置。
  2. 【請求項2】 上方に移動する金属帯を下方から浸入さ
    せ該金属帯に溶融金属めっきを施す溶融金属めっき浴の
    保持容器と、該保持容器の下端部に配設され該金属帯の
    板厚方向に貫く交番磁界を発生させ該溶融金属めっき浴
    を保持する磁場発生装置と、前記保持容器の上方に配設
    され前記金属帯のめっき付着量を制御するめっき付着量
    制御装置とを有する溶融金属めっき装置において、前記
    保持容器内の溶融金属めっき浴に下端部を浸漬し上端部
    を該溶融金属めっき浴の浴面より高い位置として、前記
    金属帯幅端部にそれぞれ対向しかつ該金属帯端部と離間
    し、前記溶融金属めっき浴の浴面より上方で該金属帯端
    部それぞれと電気的接点を介し電気的接続を有する一対
    の導体を設けることを特徴とする溶融金属めっき装置。
  3. 【請求項3】 前記一対の導体は、前記溶融金属めっき
    浴の溶融金属より電気伝導度の大きい材料で構成される
    ことを特徴とする請求項1または2記載の溶融金属めっ
    き装置。
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