JPH1192887A - 磁気特性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法 - Google Patents

磁気特性に優れたフェライト系ステンレス鋼板及びその製造方法

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JPH1192887A
JPH1192887A JP25705697A JP25705697A JPH1192887A JP H1192887 A JPH1192887 A JP H1192887A JP 25705697 A JP25705697 A JP 25705697A JP 25705697 A JP25705697 A JP 25705697A JP H1192887 A JPH1192887 A JP H1192887A
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JP
Japan
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stainless steel
ferritic stainless
magnetic properties
steel sheet
rolled
Prior art date
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Application number
JP25705697A
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English (en)
Inventor
Tomio Satsunoki
富美夫 札軒
Tadashi Komori
唯志 小森
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気特性及び加工特性に優れたステンレス鋼
板及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 重量%にて、C ≦0.01% 、Si:0.1〜0.6
%、Mn:0.1〜1.0%、S ≦0.004%、Cr:5〜13% 、Ti:0.05
〜0.5%、O ≦0.004%、N ≦0.015%を含有し、かつ、C+N
≦0.015%であって、残部がFe及び不可避的不純物からな
り、表層及び中心層における(111) 面強度の和が10以下
であり、最大比透磁率≧4000であることを特徴とする磁
気特性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレイ管サ
ポートフレーム用等の電気電子部品に用いられる、軟磁
性ステンレス鋼板及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】これまでディスプレイ管サポートフレー
ム用等の電気電子部品に用いられる、いわゆる軟磁性ス
テンレス鋼板としては、磁気特性、例えば最大比透磁率
を高めるため、例えば特開昭62−23962号公報で
はフェライト系ステンレス鋼板にSi,Alを添加する
例がある。しかしながら、Si,Alの過度の添加は、
材料の加工性、特に伸びを悪くし、ディスプレイ管サポ
ートフレーム用に曲げ等の加工を行うと割れが発生し問
題となっている。一方、別な手段で磁気特性を高めるた
めには、例えば特開平2−182834号公報では、フ
ェライト系ステンレス鋼板の最終焼鈍を2段階の温度範
囲で行うことにより、ゴス方位({110}<001
>)を強く集積させる集合組織を得、磁気特性を高める
例がある。しかしながら、2段階の温度範囲で最終焼鈍
を行うことは操業上困難であり、またコストアップにも
なり望ましくない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のことを
かんがみ、磁気特性及び加工性に優れたステンレス鋼板
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは以下の通りである。 (1) 重量%にて、 C ≦0.01%、 Si:0.1〜0.6%、 Mn:0.1〜1.0%、S ≦0.004%、 Cr:5〜13%、 Ti:0.05〜0.5%、 O ≦0.004%、 N ≦0.015% を含有し、かつ C+N≦0.015% であって、さらに必要に応じて、Ni,Mo,Cu,N
b,Zr,Vのうち1種または2種以上を合計で0.0
5〜1.0%を含有し、さらに必要に応じて、 B :0.0003〜0.02% を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、表
層及び中心層における(111)面強度の和が10以下
であり、最大比透磁率≧4000であることを特徴とす
る磁気特性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。 (2) 結晶粒径が60〜300μmであることを特徴
とする前記(1)に記載の磁気特性に優れたフェライト
系ステンレス鋼板。 (3) 重量%にて、 C ≦0.01%、 Si:0.1〜0.6%、 Mn:0.1〜1.0%、 S ≦0.004%、 Cr:5〜13%、 Ti:0.05〜0.5
%、 O ≦0.004%、 N ≦0.015% を含有し、かつ、 C+N≦0.015% であって、さらに必要に応じて、Ni,Mo,Cu,N
b,Zr,Vのうち1種または2種以上を合計で0.0
5〜1.0%を含有し、さらに必要に応じて、 B :0.0003〜0.02% を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなるフェ
ライト系ステンレス鋼スラブを熱間圧延を行い熱延板と
し、続いてロール直径が200mm以上のワ−クロ−ルを
用いて1回あるいは中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延
を行い冷延板とし、続いて920〜1100℃の温度範
囲で焼鈍を行い、続いて製品形状に成形加工し、続いて
750〜1000℃の温度範囲で歪取り焼鈍を行うこと
を特徴とする磁気特性に優れたフェライト系ステンレス
鋼板の製造方法。 (4) 冷延板焼鈍を行って、結晶粒径を60〜300
μmに成長させることを特徴とする前記(3)記載の磁
気特性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方
法。 (5)重量%にて、P含有量が0.020%以下であ
り、最大比透磁率が5000以上であることを特徴とす
る(2)記載の磁気特性に優れたフェライト系ステンレ
ス鋼板。 (6) 重量%にて、P含有量を0.020%以下とす
ることを特徴とする前記(4)記載の磁気特性に優れた
フェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明合金の限定理由につ
いて詳細に説明する。Cは、含有量が多くなりすぎると
合金中に炭化物を形成し磁気特性を劣化させるため、
0.01%以下とした。さらに好ましくは、0.007
%以下が良い。
【0006】Siは、脱酸剤として有効であり、また磁
気特性を向上させる元素であるが、0.1%未満ではそ
の効果が少なく、一方、0.6%を超えた添加では加工
性、特に伸びを低下させる。従ってSiの範囲は、0.
10〜0.60%とした。さらに好ましくは、0.30
〜0.50%が良い。
【0007】Mnは、脱硫、脱酸剤として有効である
が、0.1%未満ではその効果が少なく、また1.0%
を超えると、耐食性が劣化する。従って、Mnの範囲
は、0.10〜1.0%とした。さらに好ましくは、
0.20〜0.50%が良い。
【0008】Sは、含有量が多くなりすぎると合金中に
硫化物を形成し磁気特性を劣化させるため、0.004
%以下とした。さらに好ましくは、0.003%以下が
良い。
【0009】Crは、ステンレス鋼の耐食性を付与する
基本的な元素であり、5.0%未満の含有ではその効果
が少なく、一方、13.0%を超える含有では、磁気特
性が劣化する。従ってCrの範囲は、5.0〜13.0
%とした。さらに好ましくは、10.0〜11.5%が
良い。
【0010】Tiは、耐食性及び磁気特性を向上させる
元素であるが、0.05%未満ではその効果が少なく、
また、0.5%を超える添加では、加工性、特に伸びを
低下させる。従って、Tiの範囲は0.05〜0.5%
とした。さらに好ましくは、0.1〜0.3%が良い。
【0011】Alは、含有量が多くなりすぎると合金中
にAl系介在物または窒化物を形成し磁気特性を劣化さ
せるため、0.10%以下とするのが望ましい。
【0012】Oは、含有量が多くなりすぎると合金中に
酸化物を形成し磁気特性を劣化させるため、0.004
%以下とした。さらに好ましくは、0.003%以下が
良い。
【0013】Nは、含有量が多くなりすぎると合金中に
窒化物を形成し磁気特性を劣化させるため、0.015
%以下とした。さらに好ましくは、0.01%以下が良
い。
【0014】C及びNは、共存した状態で磁気特性を劣
化させる性質があるため、C+N≦0.015%とし
た。さらに好ましくは、C+Nは0.010%以下が良
い。
【0015】Ni,Mo,Cu,Nb,Zr,Vは、耐
食性を改善させる元素であり、必要に応じて1種または
2種以上を添加する。これらの元素の添加量が、合計で
0.05%未満ではその効果が少なく、また、1.0%
を超えると磁気特性を損なうので、Ni,Mo,Cu,
Nb,Zr,Vのうち1種または2種以上を含有する範
囲を0.05〜1.0%とした。さらに好ましくは、
0.1〜0.7%が良い。また、1種単独で含有する場
合には、0.1〜0.5%が良い。
【0016】Bは、磁気特性を向上させる元素であり、
必要に応じて添加するが、0.0003%未満ではその
効果が少なく、また、0.02%を超えると、熱間及び
冷間での加工性を劣化させる。従って、Bを添加する量
の範囲は0.0003〜0.02%とした。さらに好ま
しくは、0.0005〜0.01%が良い。
【0017】次に製造方法を規定した理由を述べる。所
定の化学成分のスラブを、熱間圧延を行い熱延板とし、
続いてロール直径が200mm以上のワークロールを用い
て1回あるいは中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延を行
い冷延板とし、続いて焼鈍を920〜1100℃の温度
範囲で行い、続いて製品形状に成形加工し、続いて75
0〜1000℃の温度範囲で歪取り焼鈍を行い、表層及
び中心層における(111)面強度の和を10以下にさ
せる。
【0018】重量%にて、C:0.003%、Si:
0.42%、Mn:0.35%、P:0.025%、
S:0.0010%、Cr:11.1%、Ti:0.1
5%、O:0.0028%、N:0.0065%、C+
N=0.0095%とし、残部がFe及び不可避的不純
物からなる鋼組成を用いて、転炉で溶製し、連続鋳造法
によりスラブとした。その後1250℃×2時間加熱後
熱間圧延を行い、板厚3.2mmの熱延板を得た。その
後、熱延板をショットブラストと硫酸によりデスケール
処理を行い、ワークロ−ル直径を60〜500mmに種々
変化させて冷間圧延を行い板厚1.2mmの冷延薄板を
得、焼鈍を950℃×1分、大気中にて行った後、ソル
ト・電解硝酸により酸洗処理を行った。得られた最終焼
鈍板から、30mm幅×300mm長の試験片を切り出し、
歪取り焼鈍を800℃×10分、大気中にて行った。
(111)面強度は、Mo管球を線源とするX線回折装
置により印加電圧40kV,印加電流200mAの条件
で(111)面のピーク強度を測定した。磁気特性測定
は、JIS C 2550に準じ、25cmエプスタイ
ン法により試験片を8枚積層させ、最大比透磁率μmを
測定した。
【0019】(111)面強度の和と磁気特性の関係に
ついて図1に示す。磁気特性としては、最大比透磁率が
4000以上の高い値である事が望まれており、そのた
めには表層及び中心層における(111)面強度の和を
10以下が必要であることが分かる。表層及び中心層に
おける(111)面強度の和が10以下になると磁気特
性が向上する機構の詳細は未だ明確でないが、(11
1)方位の結晶構造が磁化困難方位であるので、(11
1)面強度の和が10を超えると、磁化過程において、
磁壁の移動障害となるためと考えられる。
【0020】冷間圧延におけるワークロールの直径が2
00mm未満の場合には、表層と中心層への冷間圧延によ
る歪導入が不均一に起こるため、冷間圧延後の再結晶焼
鈍を行い、更に続いて製品形状加工後の歪取り焼鈍を行
っても表層及び中心層における(111)面強度の和が
10以下にならない。従って、冷間圧延におけるワーク
ロール直径を200mm以上とした。
【0021】冷延板焼鈍において焼鈍温度が920℃未
満の場合には、結晶粒径が60μm未満と小さくなり、
結晶粒界が磁壁移動になると考えられるため、磁気特性
が向上しない。一方、焼鈍温度が1100℃を超えた場
合には結晶粒径が300μmを超えて製品形状に曲げ加
工等を行うと、加工肌荒れが発生するため望ましくな
い。よって焼鈍温度範囲を920〜1100℃とした。
さらに好ましくは930〜1050℃が良い。尚、焼鈍
の保定時間は、30秒〜10分が好ましい。また、粒径
の範囲は60〜300μmとした。さらに、好ましくは
60〜220μmが良い。
【0022】その後に調質圧延を行うと、表層と中心層
への歪導入が不均一に起こるため、更に続いて製品形状
加工後の歪取り焼鈍を行っても表層及び中心層における
(111)面強度の和が10以下にならない。従って、
調質圧延は行わない方が良い。尚、割れ等を起こさずに
加工成型を行うためには、伸びが34%以上の値である
事が望まれている。
【0023】その後、750〜1000℃の温度範囲で
歪取り焼鈍を行う。750℃未満では、加工後の歪が残
存するために高い磁気特性が得られない。また、100
0℃を超えた場合には、歪除去の効果が飽和され、また
工程にも負荷が加わるため望ましくない。よって、歪取
り焼鈍温度範囲を、750〜1000℃とした。さら
に、好ましくは、800〜900℃が良い。尚、歪取り
焼鈍の保定時間は、30秒〜30分が好ましい。
【0024】本発明者等は、磁気特性に及ぼすP含有量
の影響を検討した結果、結晶粒径が60μm以上では、
P含有量が0.020%以下になると最大比透磁率が急
激に向上し5000以上になることを見出した。
【0025】重量%にて、C:0.003%、Si:
0.42%、Mn:0.35%、S:0.0010%、
Cr:11.1%、Ti:0.15%、O:0.002
8%、N:0.0065%、C+N=0.0095%を
ベースとして、P含有量を0.005から0.045%
まで変化させ、残部がFe及び不可避的不純物からなる
鋼組成を用いて、真空溶解炉で溶製し、インゴットとし
た。その後1250℃×2時間加熱後熱間圧延を行い、
板厚3.2mmの熱延板を得た。その後、熱延板をショッ
トブラストと硫酸によりデスケール処理を行い、直径が
500mmのワークロールにより冷間圧延を行い板厚1.
2mmの冷延薄板を得、焼鈍を950℃×1分、大気中に
て行った後、ソルト・電解硝酸により酸洗処理を行っ
た。得られた最終焼鈍板から、30mm幅×300mm長の
試験片を切り出し、歪取り焼鈍を800℃×10分、大
気中にて行った。(111)面強度は、Mo管球を線源
とするX線回折装置により印加電圧40kV,印加電流
200mAの条件で(111)面のピーク強度を測定し
た。磁気特性測定は、JIS C 2550に準じ、2
5cmエプスタイン法により試験片を8枚積層させ、最
大比透磁率μmを測定した。
【0026】P含有量と磁気特性の関係について図2に
示す。磁気特性としては、結晶粒径が60μm以上にお
いて、P含有量が0.020%以下になると最大比透磁
率が急激に向上し5000以上の値が得られる。この磁
気特性が向上する機構の詳細は未だ明確でないが、鋼中
の燐化物の析出を抑制することにより磁化過程における
磁壁の移動障害をなくすためと考えられる。
【0027】
【実施例】次に,本発明の優位性を実施例と比較例を用
いて,具体的に説明する。表1及び表2に、本発明例と
比較例の化学成分および焼鈍条件、結晶粒径、磁気特性
等を示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
【表8】
【0036】表1及び表2に示すような本発明鋼組成と
比較鋼組成を、転炉で溶製し、連続鋳造法によりスラブ
とした。その後1200℃×2時間加熱後熱間圧延を行
い、板厚3.2mmの熱延板を得た。その後、熱延板をシ
ョットブラストと硫酸によりデスケール処理を行い、1
回または2回の冷間圧延にて所定板厚の冷延薄板を得、
焼鈍を910〜1120℃×1分、大気中にて行った
後、ソルト・電界硝酸により酸洗処理を行った。得られ
た焼鈍板から、JIS13B号試験片を採取し引張試験
機により伸びを測定した。また、焼鈍板のL方向断面組
織から、光学顕微鏡により比較法にて結晶粒径を測定し
た。続いて、調質圧延を省略したものと、調質圧延を実
施したものから、30mm幅×300mm長の試験片を切り
出し、歪取り焼鈍を740〜1030℃×6分、大気中
にて行った。(111)面強度はX線回折装置により測
定した。磁気特性測定は、最大比透磁率μmを測定し
た。また、耐食性は、塩水噴霧試験(JIS Z 23
71)後の発銹状況により、良好な順番にA>B>C>
D>Eの5ランクに評価した発銹試験から判断した。こ
の際、耐銹性の優劣の判断基準として、Cランク以上の
材料を耐食性良好と判断した。
【0037】No.1〜40は本発明例、No.41〜
81は比較例である。比較例No.41〜42、44、
46、48〜49、51〜53、58〜75、77およ
び79〜80は、ワークロール直径が200mm未満と本
発明範囲から外れており、表層および中心層における
(111)面強度の和が10を超えて大きくなり、磁気
特性が劣化している。
【0038】比較例No.41は、C量が本発明範囲を
超えるものであり、この場合においては、結晶粒径が小
さくなり磁気特性が低下している。比較例No.42
は、Si量が本発明範囲より低く、結晶粒径が小さくな
り磁気特性が著しく低下している。比較例No.43
は、Si量が本発明範囲より高く、磁気特性は高いが、
伸びが低い。比較例No.44は、Mn量が本発明範囲
より低く、粒径が小さくなり磁気特性が著しく低下して
いる。比較例No.45は、Mn量が本発明範囲より高
く、耐食性が劣化している。比較例No.46は、S量
が本発明範囲より高く、結晶粒径が小さくなり磁気特性
が低下している。比較例No.47は、Cr量が本発明
範囲より低く、磁気特性は高いが、耐食性が劣化してい
る。比較例No.48は、Cr量が本発明範囲より高
く、磁気特性が著しく低下している。比較例No.49
は、Ti量が本発明範囲より低く、結晶粒径が小さくな
り、磁気特性が著しく低下している。比較例No.50
は、Ti量が本発明範囲より高く、磁気特性は高いが、
伸びが低い。比較例No.51は、O量が本発明範囲よ
り高く、結晶粒径が小さくなり、磁気特性が著しく低下
している。比較例No.52は、N量が本発明範囲より
高く、粒径が小となり、磁気特性が著しく低下してい
る。比較例No.53は、C,N量単独では本発明範囲
内ではあるが、C+N量が本発明範囲より高く、結晶粒
径が小さくなり磁気特性が著しく低下している。
【0039】比較例No.54は、Alがやや高いが、
焼鈍温度が本発明範囲より低く、結晶粒径が小さくなり
磁気特性が著しく低下している。比較例No.55は、
化学成分範囲は本発明範囲内であるが、焼鈍温度が本発
明範囲より高く、結晶粒径が大きくなり磁気特性は高い
が、成品形状に成形加工した時に肌荒れが生じた。比較
例No.56は、化学成分範囲は本発明範囲内である
が、歪取り焼鈍温度が本発明範囲より低く、加工後の歪
みが残存しているために磁気特性が低い。比較例No.
57は、化学成分範囲は本発明範囲内であるが、歪取り
焼鈍温度が本発明範囲より高く、加工後の歪みは除去さ
れているが、その効果は飽和し、また工程にも負荷が大
と考えられるため望ましくない。
【0040】比較例No.58及びNo.64はNi量
が、比較例No.59,No.65及びNo.77はM
o量が、比較例No.60,No.72及びNo.79
はCu量が、比較例No.61、No.66及びNo.
68はNb量が、比較例No.62及びNo.70はZ
r量が、比較例No.63はV量が、比較例No.71
はZr及びV量が、比較例No.74はCu,Nb及び
Zr量が、本発明範囲を超えるものであり、この場合に
おいては、磁気特性が低下している。また、比較例N
o.67はNi,V単独では本発明範囲内ではあるが、
Ni+Vの合計量が本発明範囲を超えており、磁気特性
が低下している。比較例No.69はNi,Mo,Cu
単独では本発明範囲内ではあるが、Ni+Mo+Cuの
合計量が本発明範囲を超えており、磁気特性が低下して
いる。比較例No.73はNi,Mo,Cu,Nb,V
単独では本発明範囲内ではあるが、Ni+Mo+Cu+
Nb+Vの合計量が本発明範囲を超えており、磁気特性
が低下している。比較例No.75は、Ni,Mo,C
u,Nb,Zr,V単独では本発明範囲内ではあるが、
Ni+Mo+Cu+Nb+Zr+Vの合計量が本発明範
囲を超えており、磁気特性が低下している。
【0041】比較例No.76及びNo.78はB量が
本発明範囲を超えるものであり、この場合においては、
伸びが低く、冷間での加工を劣化させている。比較例N
o.80はNi,Nb及びB量が本発明範囲を超えるも
のであり、磁気特性が低く、伸びが低い。比較例No.
81は、Cu及びB量が本発明範囲を超えるものであ
り、磁気特性が低く、伸びが低い。
【0042】本発明例No.4、6、8、11、13は
P含有量が0.020%以下であり、最大比透磁率が5
000以上に向上している。
【0043】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
によれば、磁気特性および加工性に優れたステンレス鋼
板を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表層および中心層の(111)面強度の和と最
大比透磁率の関係を示す図である。
【図2】P含有量と最大比透磁率の関係を示す図であ
る。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%にて、 C ≦0.01%、 Si:0.1〜0.6%、 Mn:0.1〜1.0%、 S ≦0.004%、 Cr:5〜13%、 Ti:0.05〜0.5%、 O ≦0.004%、 N≦0.015% を含有し、かつ、 C+N≦0.015% であって、残部がFe及び不可避的不純物からなり、表
    層及び中心層における(111)面強度の和が10以下
    であり、最大比透磁率≧4000であることを特徴とす
    る磁気特性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。
  2. 【請求項2】 重量%にて、 C ≦0.01%、 Si:0.1〜0.6%、 Mn:0.1〜1.0%、 S ≦0.004%、 Cr:5〜13%、 Ti:0.05〜0.5%、 O ≦0.004%、 N ≦0.015% を含有し、かつ C+N≦0.015% であって、さらに、 Ni,Mo,Cu,Nb,Zr,Vのうち1種または2
    種以上を合計で0.05〜1.0%を含有し、残部がF
    e及び不可避的不純物からなり、表層及び中心層におけ
    る(111)面強度の和が10以下であり、最大比透磁
    率≧4000であることを特徴とする磁気特性に優れた
    フェライト系ステンレス鋼板。
  3. 【請求項3】 重量%にて、 C ≦0.01%、 Si:0.1〜0.6%、 Mn:0.1〜1.0%、 S ≦0.004%、 Cr:5〜13%、 Ti:0.05〜0.5%、 O ≦0.004%、 N ≦0.015% を含有し、かつ C+N≦0.015% であって、さらに、 B :0.0003〜0.02% を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、表
    層及び中心層における(111)面強度の和が10以下
    であり、最大比透磁率≧4000であることを特徴とす
    る磁気特性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。
  4. 【請求項4】 重量%にて、 C ≦0.01%、 Si:0.1〜0.6%、 Mn:0.1〜1.0%、 S ≦0.004%、 Cr:5〜13%、 Ti:0.05〜0.5%、 O ≦0.004%、 N ≦0.015% を含有し、かつ C+N≦0.015% であって、さらに、 Ni,Mo,Cu,Nb,Zr,Vのうち1種または2
    種以上を合計で0.05〜1.0%を含有し、さらに、 B :0.0003〜0.02% を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなり、表
    層及び中心層における(111)面強度の和が10以下
    であり、最大比透磁率≧4000であることを特徴とす
    る磁気特性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。
  5. 【請求項5】 結晶粒径が60〜300μmであること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の磁気
    特性に優れたフェライト系ステンレス鋼板。
  6. 【請求項6】 重量%にて、 C ≦0.01%、 Si:0.1〜0.6%、 Mn:0.1〜1.0%、 S ≦0.004%、 Cr:5〜13%、 Ti:0.05〜0.5%、 O ≦0.004%、 N ≦0.015% を含有し、かつ、 C+N≦0.015% であって、残部がFe及び不可避的不純物からなフェラ
    イト系ステンレス鋼スラブを熱間圧延を行い熱延板と
    し、続いてロール直径が200mm以上のワ−クロ−ルを
    用いて1回あるいは中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延
    を行い冷延板とし、続いて920〜1100℃の温度範
    囲で焼鈍を行い、続いて製品形状に成形加工し、続いて
    750〜1000℃の温度範囲で歪取り焼鈍を行うこと
    を特徴とする磁気特性に優れたフェライト系ステンレス
    鋼板の製造方法。
  7. 【請求項7】 重量%にて、 C ≦0.01%、 Si:0.1〜0.6%、 Mn:0.1〜1.0%、 S ≦0.004%、 Cr:5〜13%、 Ti:0.05〜0.5%、 O ≦0.004%、 N ≦0.015% を含有し、かつ、 C+N≦0.015% を含有し、さらに、 Ni,Mo,Cu,Nb,Zr,Vのうち1種または2
    種以上を合計で0.05〜1.0%を含有し、残部がF
    e及び不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス
    鋼スラブを熱間圧延を行い熱延板とし、続いてロール直
    径が200mm以上のワ−クロ−ルを用いて1回あるいは
    中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延を行い冷延板とし、
    続いて920〜1100℃の温度範囲で焼鈍を行い、続
    いて製品形状に成形加工し、続いて750〜1000℃
    の温度範囲で歪取り焼鈍を行うことを特徴とする磁気特
    性に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
  8. 【請求項8】 重量%にて、 C ≦0.01%、 Si:0.1〜0.6%、 Mn:0.1〜1.0%、 S ≦0.004%、 Cr:5〜13%、 Ti:0.05〜0.5%、 O ≦0.004%、 N ≦0.015% を含有し、かつ、 C+N≦0.015% を含有し、さらに、 B :0.0003〜0.02% を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなるフェ
    ライト系ステンレス鋼スラブを熱間圧延を行い熱延板と
    し、続いてロール直径が200mm以上のワ−クロ−ルを
    用いて1回あるいは中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延
    を行い冷延板とし、続いて920〜1100℃の温度範
    囲で焼鈍を行い、続いて製品形状に成形加工し、続いて
    750〜1000℃の温度範囲で歪取り焼鈍を行うこと
    を特徴とする磁気特性に優れたフェライト系ステンレス
    鋼板の製造方法。
  9. 【請求項9】 重量%にて、 C ≦0.01%、 Si:0.1〜0.6%、 Mn:0.1〜1.0%、 S ≦0.004%、 Cr:5〜13%、 Ti:0.05〜0.5%、 O ≦0.004%、 N ≦0.015% を含有し、かつ、 C+N≦0.015% であって、さらに、 Ni,Mo,Cu,Nb,Zr,Vのうち1種または2
    種以上を合計で0.05〜1.0%を含有し、さらに、 B :0.0003〜0.02% を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなるフェ
    ライト系ステンレス鋼スラブを熱間圧延を行い熱延板と
    し、続いてロール直径が200mm以上のワ−クロ−ルを
    用いて1回あるいは中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延
    を行い冷延板とし、続いて920〜1100℃の温度範
    囲で焼鈍を行い、続いて製品形状に成形加工し、続いて
    750〜1000℃の温度範囲で歪取り焼鈍を行うこと
    を特徴とする磁気特性に優れたフェライト系ステンレス
    鋼板の製造方法。
  10. 【請求項10】 冷延板焼鈍を行って、結晶粒径を60
    〜300μmに成長させることを特徴とする請求項6〜
    9のいずれか1項記載の磁気特性に優れたフェライト系
    ステンレス鋼板の製造方法。
  11. 【請求項11】 重量%にて、P含有量が0.020%
    以下であり、最大比透磁率が5000以上であることを
    特徴とする請求項5記載の磁気特性に優れたフェライト
    系ステンレス鋼板。
  12. 【請求項12】 重量%にて、P含有量を0.020%
    以下とすることを特徴とする請求項10記載の磁気特性
    に優れたフェライト系ステンレス鋼板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020063473A (ja) * 2018-10-16 2020-04-23 日鉄ステンレス株式会社 磁気特性に優れたフェライト系ステンレス鋼板
JP2023503079A (ja) * 2019-11-19 2023-01-26 ポスコホールディングス インコーポレーティッド 高透磁率フェライト系ステンレス鋼

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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