JPH1192537A - 光硬化性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物およびその製造方法

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JPH1192537A
JPH1192537A JP9252244A JP25224497A JPH1192537A JP H1192537 A JPH1192537 A JP H1192537A JP 9252244 A JP9252244 A JP 9252244A JP 25224497 A JP25224497 A JP 25224497A JP H1192537 A JPH1192537 A JP H1192537A
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JP
Japan
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meth
acrylate
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urethane
weight
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Application number
JP9252244A
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English (en)
Inventor
Hisaya Yamazaki
久弥 山崎
Mitsuhiro Nishimura
光弘 西村
Setsu Kamimura
節 上村
Akira Yamamoto
昭 山本
Shohei Kosakai
正平 小堺
Masatoshi Asano
雅俊 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 UV樹脂を長期間保存しても、低紫外線照射
量での優れた速硬化性および高速被覆性を維持できる光
硬化性樹脂組成物を得る。 【解決手段】 (A)ウレタン(メタ)アクリレートオ
リゴマー、(B)エチレン性不飽和化合物、(C)下記式
(i)で表されるアシルホスフィンオキシド系光重合開
始剤、および(D)錫化合物を含む光ファイバー被覆用
組成物において、錫化合物の含有量を、成分(A)に対
して、ウレタン化反応における有効量以上であって0.01
5重量%以下とし、成分(C)の加水分解を抑制する。成
分(C)と成分(D)の割合は、前者/後者=100/0.01〜
100/1.7(重量比)である。 【化1】 (式中、R1 は、C1-12アルキル基、シクロアルキル
基、C1-12アルキル基又はハロゲン原子が置換していて
もよいアリール基、R2 及びR3 は、C1-12アルキル基
又はアルコキシ基、R4 はH又はC1-12アルキル基、R
5 はH又はメチル基、nは1又は2の整数を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長期間保存後で
も、低紫外線照射量で優れた硬化性を維持し、プラスチ
ック、木、陶磁器、ガラス、紙などのコーティング材、
あるいは、光形成材料、三次元立体成形材料、印刷版材
料として有用な光硬化性樹脂組成物、特に光ファイバ被
覆用材料として好適な液状光硬化性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光ファイバに用いられるガラスファイバ
は、非常に脆く傷つき易いだけでなく、汚染によって光
伝送損失が大きくなる。このため、ガラスファイバを保
護および補強するため、ガラスファイバの線引き直後
に、その表面に柔らかく、ヤング率の低い温度依存性の
小さなウレタン(メタ)アクリレート系紫外線硬化性樹
脂組成物(以下、単にUV樹脂と称する場合がある)で
1次被覆した後、高いヤング率を有する紫外線硬化性樹
脂で2次被覆している。さらに光ファイバを識別するた
め、カラー材で3次被覆する場合がある。この3次被覆
を含めてコーティングした1本のファイバをファイバ素
線という。さらに、数本のファイバ素線を束ねて、テー
プ化材によりテープ状にしたものをテープ心線といい、
そのテープ化材としてもUV樹脂が使用されている。さ
らに、このテープ心線を複数収納して光ケーブルとして
使用される。また、一般家庭などに引き込むための光フ
ァイバをドロップワイヤ、引き落とし線などと称してお
り、このドロップワイヤにも、1本又は2〜3本のファ
イバ素線をヤング率の高いUV樹脂で肉厚に被覆したワ
イヤが使用されている。
【0003】これら被覆材用のUV樹脂に共通して要求
される性質は、長期間保存した後でも、低紫外線照射量
で安定した硬化性を示し、かつ被覆ガラスファイバの長
期信頼性が優れていることである。特に、近年光ファイ
バの生産性向上を図るため、溶融したガラスファイバ母
材からの線引き速度を速めると、それに引き続いて行わ
れるUV樹脂による被覆工程において、紫外線照射量が
少なくなり、硬化物のヤング率が低下する。そのため、
光開始剤として、活性が高く、速硬化性のアシルホスフ
ィンオキシド系光重合開始剤(特公平6−70113号
公報、特開平6−298818号公報)が提案されてい
る。一方、UV樹脂を製造する際、ウレタン化触媒とし
て、錫系触媒が一般に使用されている。例えば、特開平
8−259642号公報には、エチレン性不飽和基を有
するポリマー(ウレタンアクリレートポリマーなど),
エチレン系不飽和結合を有するモノマー,およびアシル
ホスフィンオキサイド類で構成された光硬化性樹脂組成
物が開示されているとともに、反応成分(ポリイソシア
ネートおよびヒドロキシル基含有化合物)に対して約
0.08重量%の錫系触媒を用いてウレタンアクリレー
トポリマーを調製した例が記載されている。
【0004】しかし、錫系触媒を使用すると、長期保存
中にUV樹脂の粘度が著しく増加し、高速被覆性を低下
させるだけでなく、少量の水分の存在下で光重合性開始
剤であるアシルホスフィンオキシドが加水分解して、活
性を失わせ、樹脂の硬化性を著しく低下させ、被覆材と
しての用を全くなさなくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、UV樹脂を長期間保存しても光重合開始剤であるア
シルホスフィンオキシドの加水分解を抑制でき、低紫外
線照射量でも優れた速硬化性および高速被覆性を維持で
きる光硬化性樹脂組成物(特に光ファイバ被覆用光硬化
性樹脂組成物)及びその製造方法を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、ウレタン化反応によるウレタ
ン(メタ)アクリレートオリゴマーの生成効率を損なう
ことなく、錫成分が共存していてもアシルホスフィンオ
キシド系光重合開始剤の活性を光重合に有効に利用でき
る光硬化性樹脂組成物(特に光ファイバ被覆用光硬化性
樹脂組成物)及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、水分が存在していてもアシルホス
フィンオキシドの安定化方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、ウレタン化触媒として
の錫系触媒の使用量を特定量以下にコントロールする
と、長期間に亘ってアシルホスフィンオキシド系光重合
開始剤の失活がなく、光硬化性樹脂組成物(特に光ファ
イバ被覆用硬化性樹脂組成物)の速硬化性を維持できる
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明の光硬化性樹脂組成物は、(A)ウレタン
(メタ)アクリレートオリゴマー、(B)エチレン性不
飽和化合物、(C)下記式(i)
【0007】
【化2】 (式中、R1 は、炭素数1〜12のアルキル基、シクロ
アルキル基、非置換のアリール基、炭素数1〜12のア
ルキル基及びハロゲン原子のうち少なくとも一種の置換
基で置換されたアリール基、R2 およびR3 は、それぞ
れ独立して、炭素数1〜12のアルキル基又はアルコキ
シ基、R4 は水素原子又は炭素数1〜12のアルキル
基、R5 は水素原子又はメチル基、nは1又は2の整数
を示す)で表されるアシルホスフィンオキシド系光重合
開始剤、および(D)錫化合物を含む組成物であって、
錫化合物の含有量は、ウレタン(メタ)アクリレートオ
リゴマーに対して、ウレタン化反応における有効量以上
であって0.015重量%以下である。本発明には、前
記(A)〜(D)成分を含み、アシルホスフィンオキシド
系光重合開始剤と錫化合物との割合が、前者/後者=1
00/0.01〜100/1.7(重量比)程度である
光重合性組成物も含まれる。本発明の方法では、(A)
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、(B)エチ
レン性不飽和化合物、(C)アシルホスフィンオキシド
系光重合開始剤とを混合して樹脂組成物を調製する方法
であって、ウレタン化反応における有効量以上であって
0.015重量%以下の(D)錫化合物を含むウレタン
(メタ)アクリレートオリゴマーを用いる。
【0008】
【発明の実施の形態】光ファイバの被覆に好適に用いら
れる本発明の液状光硬化性樹脂組成物は、(A)ウレタ
ン(メタ)アクリレートオリゴマー、(B)エチレン性
不飽和化合物、(C)前記式(i)で表されるアシルホス
フィンオキシド系光重合開始剤で構成されており、極少
量の(D)錫化合物を含んでいる。
【0009】[(A)ウレタン(メタ)アクリレートオ
リゴマー]ポリウレタン(メタ)アクリレートオリゴマ
ーは、ポリイソシアネート、ポリオール成分、およびヒ
ドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを、触媒
(特に錫化合物)の存在下でウレタン化反応することに
より得られる。ポリウレタン(メタ)アクリレートオリ
ゴマーの数平均分子量は、例えば、400〜2000
0、好ましくは500〜10000程度の範囲から選択
できる。
【0010】ポリイソシアネート ポリイソシアネートには、芳香族ポリイソシアネート、
芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネ
ート、脂肪族ポリイソシアネートなどが含まれる。ポリ
イソシアネートとしては、ジイソシアネートが広く用い
られる。芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、
m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイ
ソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−又は2,
6−トリレンジイソシアネート、4,4′−トルイジン
ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイ
ソシアネートなどのジイソシアネート;トリフェニルメ
タン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,
5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイ
ソシアネートトルエン、4,4′−ジフェニルメタン−
2,2′,5,5′−テトライソシアネートなどのポリ
イソシアネートが例示できる。
【0011】芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、
例えば、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネ
ート若しくはその混合物、1,3−又は1,4−ビス
(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン若
しくはその混合物などのジイソシアネート;1,3,5
−トリイソシアネートメチルベンゼンなどのポリイソシ
アネートが例示できる。
【0012】脂環族ジイソシアネートとしては、例え
ば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4
−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘ
キサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−
3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネー
ト、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシア
ネート)、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシア
ネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネ
ート、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘ
キサンなどのジイソシアネート;1,3,5−トリイソ
シアネートシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイ
ソシアネートシクロヘキサン、2−(3−イソシアネー
トプロピル)−2,5−ジ(イソシアネートメチル)−
ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2−(3−イソシア
ネートプロピル)−2,6−ジ(イソシアネートメチ
ル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イ
ソシアネートプロピル)−2,5−ジ(イソシアネート
メチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2
−イソシアネートエチル)−2−イソシアネートメチル
−3−(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ
(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアネートエ
チル)−2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシ
アネートプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタ
ン、5−(2−イソシアネートエチル)−2−イソシア
ネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−
ビシクロ(2.2.1)−ヘプタン、6−(2−イソシ
アネートエチル)−2−イソシアネートメチル−2−
(3−イソシアネートプロピル)−ビシクロ(2.2.
1)ヘプタンなどのポリイソシアネートを挙げることが
できる。
【0013】脂肪族ポリイソシアネートとしては、例え
ば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペ
ンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジ
イソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、
2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレン
ジイソシアネート、2,4,4−又は2,2,4−トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイ
ソシアネートメチルカプトロエートなどのジイソシアネ
ート;リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8
−トリイソシアネートオクタン、1,6,11−トリイ
ソシアネートウンデカン、1,8−ジイソシアネート−
4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−トリ
イソシアネートヘキサン、2,5,7−トリメチル−
1,8−ジイソシアネート−5−イソシアネートメチル
オクタンなどのポリイソシアネートを挙げることができ
る。
【0014】さらに、イソシアネート化合物からの誘導
体も利用できる。イソシアネート化合物の誘導体として
は、例えば、ダイマー、トリマー、ビュレット、アロフ
ァネート、カルボジイミド、ポリメチレンポリフェニル
ポリイソシアネート(クルードMDI,c−MDI、ポ
リメリックMDIなど)、クルードTDI、及びイソシ
アネート化合物と低分子量ポリオールとの付加体などが
挙げられる。
【0015】これらポリイソシアネートのうち、ジイソ
シアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族
ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの
脂環族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ートなどの脂肪族ジイソシアネートなど)を用いる場合
が多い。
【0016】ポリオール成分 ポリオール成分としては、ポリエーテルポリオール、ポ
リエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールな
どのポリオールが挙げられる。ポリエーテルポリオール
としては、例えば、アルキレンオキシド(例えば、エチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシ
ド、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラ
ンなどのC2-5 アルキレンオキシド)の単独重合体又は
共重合体、脂肪族C14-40 ポリオール(例えば、12−
ヒドロキシステアリルアルコール、水添ダイマージオー
ルなど)を開始剤とした上記アルキレンオキシド単独重
合体または共重合体、ビスフェノールA又は水添ビスフ
ェノールAの上記アルキレンオキシド付加体などが挙げ
られる。これらのポリエーテルポリオールは単独で又は
二種以上組み合わせて使用できる。好ましいポリエーテ
ルポリオールには、C2-4 アルキレンオキシド、特にC
3- 4 アルキレンオキシド(プロピレンオキシドやテトラ
ヒドロフラン)の単独又は共重合体、C14-40 ポリオー
ルを開始剤としたC2-4 アルキレンオキシド単独重合体
または共重合体などが含まれる。ポリエーテルポリオー
ルの数平均分子量は、例えば、200〜10000程度
である。
【0017】ポリエステルポリオールとしては、例え
ば、ジオール成分(例えば、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペン
タンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオー
ル、12−ヒドロキシステアリルアルコール、水添ダイ
マージオールなどのC2-40の脂肪族低分子ジオール、ビ
スフェノールAのアルキレンオキサイド付加物など)
と、ラクトン(例えば、ε−カプロラクトン、δ−バレ
ロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンなど)と
の付加反応物;上記ジオール成分と、ジカルボン酸成分
(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸、ヘキサヒドロ
フタル酸、テトラヒドロフタル酸などの脂環族ジカルボ
ン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳
香族ジカルボン酸など)との反応生成物;上記ジオール
成分と上記ジカルボン酸成分とラクトンとの三成分の付
加反応生成物などが挙げられる。
【0018】ポリカーボネートポリオールとしては、例
えば、上記ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリ
オールやジオール成分(2−メチルプロパンジオール、
ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−オク
タンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シク
ロヘキサンなど)と短鎖ジアルキルカーボネート(例え
ば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど
のC1-4 アルキルカーボネートなど)との反応により得
られるポリカーボネートジオールが挙げられる。さら
に、前記ポリカーボネートポリオールに対して、アルキ
レンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシ
ド、ブチレンオキシドなど)、ラクトン(ε−カプロラ
クトン,β−メチル−δ−バレロラクトンなど)が付加
した反応生成物であるポリエーテルジオールやポリエス
テルジオールなども使用できる。ポリカーボネートジオ
ールの市販品としては、例えば、「デスモフェン202
0E」(住友バイエル(株)製)、「DN−980」、
「DN−982」および「DN−983」(日本ポリウ
レタン(株)製)などが挙げられる。
【0019】また、必要により低分子量ポリオールを使
用することができる。低分子量ポリオールとしては、例
えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−または1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナ
ンジオール、1,10−デカンジオール、高級脂肪酸ポ
リオールおよび高級炭化水素ポリオール[例えば、ヒマ
シ油、ヤシ油、モノミリスチン(1−ミリスチン、2−
モノミリスチン)、モノパルミチン(1−モノパルミチ
ン、2−モノパルミチン)、モノステアリン(1−モノ
ステアリン、2−モノステアリン)、モノオレイン(1
−モノオレイン、2−モノオレイン)、9,10−ジオ
キシステアリン酸、12−ヒドロキシリシノレイルアル
コール、12−ヒドロキシステアリルアルコール、1,
16−ヘキサデカンジオール(ジュニペリン酸またはタ
プシア酸の還元)、1,21−ヘニコサンジオール(日
本酸の還元)、キミルアルコール、バチルアルコール、
セラキルアルコール、ダイマー酸ジオールなどを挙げる
ことができる。これらポリオール以外に、シリコンポリ
オール、フッ素ポリオール、ポリオレフィンポリオール
などを必要に応じて使用することができる。
【0020】水素発生量を抑制し、光ファイバの伝送損
失を低減するためには、ウレタン(メタ)アクリレート
オリゴマーがポリオール成分として炭素数14〜40の
ポリオール(すなわち、脂肪族C14-40 ポリオール、特
に脂肪族C14-40 ジオール)を含むのが有利である。ウ
レタン(メタ)アクリレートオリゴマーは、特に、脂肪
族C16-38 ジオール又は脂肪族C16-38 ジオール単位を
有するジオールを用いるのが有利である。
【0021】脂肪族C14-40 ポリオールは、ポリエーテ
ルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネ
ートポリオールや、比較的低分子のポリオールなどと組
み合わせて使用できる。前記脂肪族C14-40 ポリオール
単位を含むポリウレタン(メタ)アクリレートオリゴマ
ーは、下記の3つの態様に大別できる。 (A1)ポリオール成分が脂肪族C14-40 ポリオール(a
1)で構成されているポリウレタン(メタ)アクリレー
トオリゴマー (A2)ポリオール成分が脂肪族C14-40 ポリオール(a
1)と他のポリオール(a2)との混合物で構成されるポ
リウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー (A3)ポリオール成分が脂肪族C14-40 ポリオール(a
1)で構成されている前記ポリウレタン(メタ)アクリ
レートオリゴマー(A1)と、ポリオール成分が脂肪族C
14-40 ポリオール(a1)以外の他のポリオール(a2)で
構成されているポリウレタン(メタ)アクリレートオリ
ゴマーとの混合物。
【0022】脂肪族C14-40 ポリオールは、(a1)脂肪
族C14-40 ポリオール単独で使用してもよく、脂肪族C
14-40 ポリオール単位を有するポリオール、特に、脂肪
族C 14-40 ポリオールのアルキレンオキサイド付加体、
カーボネート付加体としても使用してもよい。さらに、
(a2)上記脂肪族C14-40 ポリオール(a1)と前記例示
の他のポリオールとの混合物としても使用できる。脂肪
族C14-40 ポリオールとしては、ポリブタジエンジオー
ル又はその水素添加物なども使用できるが、通常、高級
脂肪酸から誘導された脂肪族ジオール、例えば、水添ダ
イマージオール、モノステアリン、12−ヒドロキシス
テアリルアルコールなどが使用できる。水添ダイマージ
オールは二量化した脂肪酸を水素添加した末端ジオール
(特に炭素数36の高純度ダイマー酸を水素添加した末
端ジオール)であり、その主たる成分の構造は、下式
(ii),(iii)で表すことができる。
【0023】
【化3】 水添ダイマージオールの組成割合は特に制限されず、例
えば、前記式(ii)で表されるジオールと前記式(ii
i)で表されるジオールの代表的な割合は、例えば、(i
i)/(iii)=約3/1(重量比)程度であってもよ
い。水添ダイマージオールの市販品としては、例えば、
「ダイマージオールKX−501」(荒川化学工業
(株))、「ペスポールHP−1000」(東亜合成
(株))などが挙げられる。12−ヒドロキシステアリ
ルアルコールの市販品としては、「ロクサノール」(ヘ
ンケル白水(株))が挙げられる。なお、高級脂肪酸か
ら誘導されるポリオール(特にジオール)は単離された
純粋化合物である必要はなく、ポリオールを主成分(例
えば、60〜100重量%、好ましくは75〜100重
量%)として含むポリオール組成物として使用してもよ
い。
【0024】前記(a1)脂肪族C14-40 ポリオール(特
にジオール)のアルキレンオキサイド付加体には、エチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシ
ド、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラ
ンなどのC2-5 アルキレンオキサイドとの付加体、カー
ボネート付加体には、エチレンカーボネートとの付加体
が例示できる。特に、脂肪族C14-40 ポリオール(特に
ジオール)とアルキレンオキシドとの付加体が好まし
い。好ましいアルキレンオキサイドには、例えば、プロ
ピレンオキシド,ブチレンオキシド,テトラヒドロフラ
ンが含まれ、低吸水性で水素ガス発生量が少なく、高ヤ
ング率の被覆材を形成するためには、少なくともプロピ
レンオキシドを含むのが好ましい。アルキレンオキサイ
ド付加体において、脂肪族C14-40 ポリオール残基の含
有量は、例えば、5〜90重量%、好ましくは10〜8
0重量%、さらに好ましくは15〜70重量%程度であ
る。(a1)脂肪族C14-40 ポリオール単位を含むポリオ
ールの平均分子量は、例えば、約230〜10000、
好ましくは286〜5000程度である。脂肪族C
14-40 ポリオールの割合は、例えば、ポリウレタン(メ
タ)アクリレート全体の1〜50重量%、好ましくは2
〜40重量%、さらに好ましくは3〜30重量%程度の
範囲から選択できる。例えば、水添ダイマージオールで
は、ポリウレタン(メタ)アクリレート全体の3〜30
重量%、好ましくは5〜25重量%程度であり、12−
ヒドロキシステアリルアルコールでは、ポリウレタン
(メタ)アクリレート全体の1〜14重量%、好ましく
は2〜10重量%程度である。
【0025】ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレ
ート ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとして
は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、ペンタンジオールモ
ノ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールモノ(メ
タ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メ
タ)アクリレートなどのヒドロキシ−C2-10アルキル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニル
オキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒ
ドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ネオペ
ンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、さ
らにアルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル、グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシ
ジル基含有化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応に
より生成する化合物も挙げられる。これらのヒドロキシ
ル基含有(メタ)アクリレートは単独で又は二種以上組
合わせて使用できる。なお、ポリウレタン(メタ)アク
リレートオリゴマーは前記成分を反応させることにより
調製することができ、ポリウレタン(メタ)アクリレー
トオリゴマーを構成する各成分の割合は、例えば、ポリ
イソシアネートのイソシアネート基(NCO基)1モル
に対してポリオール成分のヒドロキシル基(OH基)
0.1〜0.8モル、好ましくは0.2〜0.7モル、
特に0.2〜0.5モル程度、ヒドロキシル基含有(メ
タ)アクリレート0.2〜0.9モル、好ましくは0.
3〜0.8モル、特に0.5〜0.8モル程度である。
また、前記成分の反応方法は特に制限されず、各成分を
一括混合して反応させてもよく、ポリイソシアネートと
ポリオール成分およびヒドロキシル基含有(メタ)アク
リレートのうちいずれか一方の成分とを反応させた後、
他方の成分をさらに反応させてもよい。
【0026】[ウレタン化触媒(錫化合物)]ウレタン
化触媒としては、含有量が極めて少量であれば、錫化合
物(錫系触媒)が使用でき、アミン触媒(特に第3級ア
ミン触媒)も単独で又は前記錫系触媒と組合わせて使用
してもよい。なお、アミン触媒を用いると、アシルホス
フィンオキシドの失活を抑制でき有用である(特願平8
−341674号)。しかし、UV樹脂の用途によって
は、アミン触媒の使用が好ましくない場合がある。例え
ば、光ファイバ被覆用UV樹脂やコーティング用UV樹
脂においては、ガラスファイバや基材との密着性を改善
するため、シランカップリング剤を添加する場合があ
る。このような場合、アミン触媒の触媒作用により、シ
ランカップリング剤と樹脂中の水分との反応が促進さ
れ、ポリシロキサンが白濁沈殿物として生成する場合が
ある。また、第3級アミン触媒は、例えば、芳香族イソ
シアネート(トリレンジイソシアネートなど)を用いて
ポリウレタンアクリレートを得るためには有効である
が、脂肪族又は脂環族イソシアネート(イソホロンジイ
ソシアネート)を使用する場合には、触媒作用が少なく
反応が遅くなる。従って、芳香族および脂肪族又は脂環
族イソシアネートの双方に対して有効な錫系触媒を用い
るのが有利であるが、前記のように、錫系触媒とアシル
ホスフィンオキシド系光重合開始剤とを組み合わせる
と、光重合開始剤が失活するという問題がある。
【0027】本発明においてウレタン化触媒として錫系
触媒(錫化合物)を用いる場合、錫系触媒としては、有
機錫化合物、例えば、スタナスオクトエート(SO)、
ジアルキル錫ジカルボン酸塩[ジ−n−ブチル錫ジアセ
テート(DBTA)、ジ−n−ブチル錫ジラウレート
(DBTDL)など]、ジアルキル錫メルカプタイド
[ジ−n−ブチル錫メルカプタイド、ジオクチル錫メル
カプタイドなど]、ジアルキル錫チオカルボキシレート
[ジブチル錫チオカルボキシレート、ジオクチル錫チオ
カルボキシレートなど]、ジアルキル錫ジマレエート
[ジブチル錫ジマレエートなど]などが例示できる。こ
れらの錫化合物は単独で又は二種以上使用できる。
【0028】錫系触媒の使用量は、ウレタン(メタ)ア
クリレートオリゴマーに対して、ウレタン化反応におけ
る有効量以上であって0.015重量%以下の範囲から
選択できる。このような量的範囲で錫化合物を使用する
と、ウレタン化反応が円滑に進行するとともに、光重合
開始剤が加水分解して失活するのを顕著に抑制できる。
錫系触媒の使用量は、例えば、ウレタン(メタ)アクリ
レートオリゴマーに対して、0.001〜0.015重
量%(例えば、0.001〜0.012重量%)、好ま
しくは0.001〜0.01重量%(例えば、0.00
1〜0.008重量%)、さらに好ましくは0.001
〜0.005重量%程度である。錫化合物の含有量が
0.001重量%未満では、ウレタン化反応に長時間を
要し、0.015重量%を越えると光重合開始剤の失活
が顕著となり、硬化性の低下とともに硬化膜のヤング率
が低下する。 [(B)エチレン性不飽和化合物]エチレン性不飽和化
合物としては、反応性希釈剤として機能し、室温(15
〜30℃程度)で液体または固体の重合性化合物が使用
できる。エチレン性不飽和化合物には、単官能性化合
物、二官能性化合物および多官能性化合物が含まれる。
【0029】単官能性化合物(単官能重合性希釈剤)に
は、例えば、複素環式エチレン性不飽和化合物[例え
ば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−
ビニルカプロラクタムなどのN−ビニル複素環化合物、
モルホリン(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフ
リル(メタ)アクリレートなどの複素環式(メタ)アク
リレートなど]、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル
フォルムアミド、ジアルキルアミノエチル(メタ)アク
リレート[例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート
など]、N,N′−ジメチルアクリルアミド、アルコキ
シ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート
[例えば、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アク
リレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレートなど]、アルキルフェノキシエチル(メタ)
アクリレート[例えば、ノニルフェノキシエチル(メ
タ)アクリレートなど]、フェノキシ(ポリ)アルキレ
ングリコール(メタ)アクリレート[例えば、フェノキ
シエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレートなど]、クミルフェ
ノール(ポリ)アルキレン(メタ)アクリレート、アル
キル(メタ)アクリレート[例えば、ブチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート
など]、シクロアルキル(メタ)アクリレート[例え
ば、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなど]、アラ
ルキル(メタ)アクリレート[例えば、ベンジル(メ
タ)アクリレートなど]、架橋脂環式炭化水素基を有す
るジ(メタ)アクリレート[例えば、イソボルニル(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンタジエン(メタ)アク
リレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、
トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペ
ンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレート、トリシ
クロデカニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソ
ボルニルオキシエチル(メタ)アクリレートなど]、ヒ
ドロキシル基含有(メタ)アクリレート[例えば、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ
−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒ
ドロキシエチルフタル酸、3−アクリロイルオキシグリ
セリン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1−(メタ)
アクリロイルオキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシ
プロパン、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レートなど]、ポリε−カプロラクトンモノ(メタ)ア
クリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、モノ
[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]アシッドフ
ォスフェートなど、ハロゲン含有(メタ)アクリレート
[例えば、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、
2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アク
リレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブ
チル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチ
ル(メタ)アクリレートなど]などが含まれる。
【0030】二官能性化合物(2官能重合性希釈剤)に
は、例えば、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピ
ル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート
のジ(メタ)アクリレート、(ポリオキシ)アルキレン
グリコールジ(メタ)アクリレート[例えば、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
ペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなど]、グリ
セリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ
(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペン
チルグリコール(メタ)アクリレート、ビスフェノール
Aのアルキレンオキサイド(エチレンオキシド、プロピ
レンオキシド、ブチレンオキシドなど)付加物のジ(メ
タ)アクリレート[例えば、2,2−ビス(2−ヒドロ
キシエトキシフェニル)プロパンのジ(メタ)アクリレ
ートなど]、架橋脂環式炭化水素基を有するジ(メタ)
アクリレート[例えば、トリシクロデカンジメタノール
ジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジ(メ
タ)アクリレートなど]、2官能エポキシ樹脂の(メ
タ)アクリル酸付加物[例えば、2,2−ビス(グリシ
ジルオキシフェニル)プロパンの(メタ)アクリル酸付
加物など]などが含まれる。
【0031】多官能性化合物(多官能重合性希釈剤)と
しては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ
(メタ)アクリレート、トリス(アクリロイルオキシ)
イソシアヌレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート、トリス
(ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートのトリ(メ
タ)アクリレート、トリアリルトリメリット酸、トリア
リルイソシアヌレートなどが例示できる。
【0032】これらのエチレン性不飽和化合物は、単独
で又は二種以上組合わせて使用できる。エチレン性不飽
和化合物は、基材や光ファイバの被覆形態などに応じて
選択でき、例えば、光ファイバの一次被覆,二次被覆や
テープ材、ドロップワイヤなどに用いる場合、エチレン
性不飽和化合物として、N−ビニル−窒素含有複素環化
合物[例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプ
ロラクタムなど]、架橋脂環式炭化水素基を有するアク
リレート[例えば、イソボルニルアクリレート、ジシク
ロペンタジエンアクリレート、イソボルニルオキシエチ
ルアクリレート、トリシクロデカンジメタノールアクリ
レートなど]などの単官能性化合物を用いる場合が多
く、硬質の皮膜を形成する場合には、さらに必要に応じ
て、二官能性化合物[例えば、(ポリオキシ)アルキレ
ングリコールジ(メタ)アクリレートやビスフェノール
Aのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレー
トなど]や多官能性化合物[トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレートなど]などを併用する場合が多
い。
【0033】エチレン性不飽和化合物の使用量は、ポリ
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーやエチレン性
不飽和化合物の種類、樹脂組成物の所望する粘度などに
応じて、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴ
マー100重量部に対して、10〜200重量部、好ま
しくは20〜150重量部、さらに好ましくは30〜1
00重量部程度の範囲から選択できる。
【0034】[(C)式(i)の光重合開始剤]本発明で
は、光重合開始剤として、下記式(i)で表されるアシ
ルホスフィンオキシド化合物(モノ又はビスアシルホス
フィンオキシド、特にビスアシルホスフィンオキシド)
を用いる。
【0035】
【化4】 (式中、R1 は直鎖状又は分枝鎖状C1-12アルキル基、
シクロアルキル基、直鎖状又は分枝鎖状C1-12アルキル
基又はハロゲン原子が置換していてもよいアリール基を
示し、R2 およびR3 は同一又は異なって水素原子、直
鎖状又は分枝鎖状C1-12アルキル基または直鎖状又は分
枝鎖状C1-12アルコキシ基を示し、R4 およびR5 は同
一又は異なって水素原子または直鎖状又は分枝鎖状C
1-12アルキル基を示す) 前記直鎖状又は分枝鎖状C1-12アルキル基には、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブ
チル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、2,4,
4−トリメチルペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、
2,4,4−トリメチルヘキシル、オクチル、デシル、
ドデシル基などが例示できる。好ましいR1は分枝鎖状
6-12アルキル基、特に分枝鎖状C6-10アルキル基であ
る。シクロアルキル基としては、シクロペンチル、シク
ロヘキシル、シクロオクチル基などのC3-10シクロアル
キル基、特にC5-10シクロアルキル基が例示できる。ア
リール基には、フェニル、ナフチル基が含まれ、アリー
ル基には直鎖状又は分枝鎖状C1-12アルキル基又はハロ
ゲン原子が置換していてもよい。C1-12アルキル基に
は、前記と同様のアルキル基が含まれ、直鎖状又は分枝
鎖状C1-4 アルキル基(メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、t−ブチル基など)であるのが好
ましい。ハロゲン原子には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素原子が含まれる。
【0036】直鎖状又は分枝鎖状C1-12アルコキシ基に
は、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプ
ロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t
−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチ
ルオキシ、基などが例示できる。好ましいアルコキシ基
は直鎖状又は分枝鎖状C1-4 アルコキシ基である。
【0037】好ましい置換基の組み合わせは次の通りで
ある。 R1 :C1-12アルキル基、特に分岐鎖状C
6-12アルキル基 R2 およびR3 :C1-4 アルキル基(特にC1-2 アルキ
ル基)又はC1-4 アルコキシ基(特にC1-2 アルコキシ
基) R4 およびR5 :水素原子又はC1-4 アルキル基(特に
メチル基) アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤としては、例
えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホ
スフィンオキシド(例えば、BASF社製,ルシリンTP
O)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,
4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド(BA
PO)などのビス(2,6−ジC1-2 アルコキシベンゾ
イル)−分枝鎖状C6-12アルキルホスフィンオキシド、
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)メチルホス
フィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾ
イル)エチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−
トリメチルベンゾイル)n−ブチルホスフィンオキシド
などのビス(2,4,6−トリC1-2 アルキルベンゾイ
ル)C1-6 アルキルホスフィンオキシドなどが挙げられ
る。これらのアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤
は、単独又は二種以上組合わせて使用できる。
【0038】これらアシルホスフィンオキシド系光重合
性開始剤に加えて、他の光重合開始剤、例えば、アセト
フェノン系又はプロピオフェノン系、ベンゾイン系、ベ
ンゾフェノン系、チオキサントン系光重合開始剤などを
併用することもできる。アセトフェノン系又はプロピオ
フェノン系光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシ
アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン(例えば、チバガイギー社
製,ダロキュアー1173)、ベンジルジメチルケター
ル(例えば、チバガイギー社製,イルガキュアー65
1、BASF社製,ルシリンBDKなど)、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン(例えばチバガイギ
社製,イルガキュアー184)、2−メチル−2−モル
ホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン
(例えばチバガイギ社製,イルガキュアー907)、2
−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリ
ノフェニル)−ブタノン(例えば、チバガイギー社製、
イルガキュアー369)、2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノ
ンのオリゴマー(例えば、ランベルチ社製,エサキュア
ー−KIP)などが挙げられる。
【0039】ベンゾインエーテル系光重合開始剤として
は、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエ
ーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられ
る。ベンゾフェノン系光重合開始剤には、例えば、ベン
ゾゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フ
ェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル
ジフェニルサルファイド、2,4,6−トリメチルベン
ゾフェノン、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルア
ンモニウムクロリドなどが挙げられる。チオキサントン
系光重合開始剤としては、例えば、2−又は4−イソプ
ロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサント
ン、2,4−ジクロロチオキサントンなどが挙げられ
る。さらに他の光重合開始剤として、メチルフェニルグ
リオキシエステル(AKZO社製、バイキュアー55)、
3,6−ビス(2−モルホリノイソブチル)−9−ブチ
ルカルバゾール(旭電化(株)製、A-Cure3)、チタノ
セン化合物なども例示できる。
【0040】アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤
は他の光重合開始剤とを組み合わせても使用でき、その
具体例としては、市販品として「イルガキュアー170
0」[ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,
4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド/2−
ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパン−1−オン=
25/75(重量%)]、「イルガキュアー1800」
[ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4
−トリメチルペンチルホスフィンオキシド/1−ヒドロ
キシシクロヘキシル−フェニルケトン=25/75(重
量%)](いずれもチバガイギー(株)製)などを挙げ
ることができる。
【0041】光重合開始剤の使用量は、(A)ウレタン
(メタ)アクリレートオリゴマーおよび(B)エチレン
性不飽和化合物の総量100重量部に対して、0.1〜
10重量部、好ましくは0.5〜5重量部(特に、1〜
5重量部)程度の範囲から選択する場合が多い。アシル
ホスフィンオキシド系光重合開始剤の使用量は、上記と
同様の範囲から選択でき、通常、光重合開始剤の総量の
10〜100重量%、好ましくは20〜100重量%程
度であってもよい。
【0042】[錫化合物の割合]錫化合物をウレタン化
触媒として使用する場合、錫系触媒の使用量は前記の通
りである。また、成分(A)〜(D)で構成された本発明
の組成物において、アシルホスフィンオキシド系光重合
開始剤と錫化合物との割合は、アシルホスフィンオキシ
ド化合物の失活を抑制できる範囲、例えば、前者/後者
=100/0.01〜100/1.7(重量比)、好ま
しくは100/0.02〜100/1.5(重量比)、
さらに好ましくは100/0.05〜100/1.2
(重量比)(例えば、100/0.05〜100/1.
0(重量比))程度の範囲から選択できる。
【0043】[光重合促進剤]本発明の樹脂組成物に
は、必要に応じて、光開始剤による光重合反応を促進す
るため、種々の光重合促進剤、例えば、ジアルキルアミ
ノ安息香酸又はその誘導体(例えば、4−ジメチルアミ
ノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エステルな
ど)、ホスフィン系光重合促進剤(トリフェニルホスフ
ィンなどのアリールホスフィン、トリアルキルホスフィ
ンなどのホスフィン系化合物)などを添加してもよい。
これらの重合促進剤の添加量は、例えば、(A)ウレタ
ン(メタ)アクリレートオリゴマーおよび(B)エチレ
ン性不飽和化合物の総量100重量部に対して0.01
〜10重量部程度の範囲から選択できる。
【0044】[安定剤、酸化防止剤]本発明の組成物に
は、安定剤を少量添加することもできる。安定剤として
は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードア
ミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などが使用でき
る。ヒンダードフェノール系安定剤としては、t−ブチ
ル基が置換したヒドロキシフェニル基を有する化合物、
例えば、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、
2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコー
ル−ビス[(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジ
オール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]、ペンタエリスリ
トール−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−
ビス[(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)]−1,3,5−ト
リアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,
2′−チオビス(4−メチル−6−t−ブチル)フェノ
ール、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチ
ル)フェノール、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマ
ミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベ
ンジルフォスフォネート−ジエチルエステルなどが挙げ
られる。
【0045】ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、
例えば、ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジニル−4−セバケート)、コハク酸ジメチル−1−
(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジル重縮合物などが挙げら
れる。硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル
−3,3′−ジチオプロピオネート、ジミリスチル−
3,3′−ジチオプロピオネート、ジステアリル−3,
3′−ジチオプロピオネート、ペンタエリスリトール−
テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネート)、
ジトリデシル−3,3′−ジチオプロピオネート、2−
メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
【0046】これら酸化防止剤の添加量は、通常、樹脂
組成物全体に対して2.0重量%以下であり、水素ガス
発生量、硬化速度の兼ね合いから、0.1〜1.0重量
%程度が好ましい。
【0047】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて前
記成分の他に、例えば、前記以外の酸化防止剤や紫外線
吸収剤などの安定剤、可塑剤、有機溶剤、シランカップ
リング剤、界面活性剤、着色顔料、有機または無機微粒
子などの種々の添加剤を添加してもよい。 [製造方法]本発明の光硬化性樹脂組成物は、(A)ウ
レタン(メタ)アクリレートオリゴマー、(B)エチレ
ン性不飽和化合物、(C)アシルホスフィンオキシド系
光重合開始剤を混合することにより調製でき、(D)錫
化合物は、上記成分に対する付加的な添加に起因しても
よく、(A)成分の調製に際して使用される錫系触媒に
起因してもよい。好ましい方法では、(D)少なくとも
錫系触媒(錫化合物)の存在下で調製した(A)ウレタ
ン(メタ)アクリレートオリゴマー(すなわち、ウレタ
ン化反応における有効量以上であって0.015重量%
以下の(D)錫化合物を含むウレタン(メタ)アクリレ
ートオリゴマー)、(B)エチレン性不飽和化合物、お
よび(C)光重合開始剤を混合することにより光硬化性
樹脂組成物が得られる。なお、(D)錫系触媒の存在
下、ウレタン化反応により(A)成分を調製した後、組
成物中の錫化合物の含有量は、(A)成分,(B)成分、
必要であればさらに(D)成分の添加により調整しても
よい。
【0048】本発明の方法では、錫成分が共存していて
も(C)アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤を安
定化できる。特に、水分の存在下であっても、前記
(C)光重合開始剤の失活を防止でき、長期間に亘って
安定化できる。そのため、本発明の光硬化性樹脂組成物
は、長期間保存しても、光開始剤であるアシルホスフィ
ンオキシド系光重合開始剤の加水分解による失活がな
く、高速での被覆性が高く、低紫外線照射量でも高い硬
化性を示す。従って、本発明の樹脂組成物を用いる方法
は、プラスチック、木、陶磁器、紙、ガラスなどの基材
に対するコーティング材、光形成材料、三次元立体成形
材料、印刷版材料などとして有用である。特に、光ファ
イバ被覆用として有用である。
【0049】光ファイバ被覆用光硬化性樹脂組成物は、
ガラスファイバを直接的又は間接的に硬化膜で被覆する
のに有用である。本発明の樹脂組成物は、硬化樹脂の特
性(ヤング率など)に応じて、ガラスファイバを1次
被覆層(プライマリ層)で直接的に被覆する光硬化性被
覆材、少なくとも1次被覆層(プライマリ層)を介し
て、光ファイバを間接的に被覆する紫外線硬化型被覆材
として好適であり、光ファイバを間接的に被覆する被覆
材には、光ファイバの2次被覆層(セカンダリ層)、3
次被覆層(着色材層)などのファイバ素線用の材料(被
覆材)、複数のファイバ心線で構成されたテープ心線を
テープ化するためのテープ化材、ドロップワイヤ用コー
ティング材、防水ファイバケーブル用被覆材、光海底ケ
ーブル用緩衝材などが含まれる。このような樹脂組成物
の硬化膜で被覆された光ファイバは、前記樹脂組成物で
ガラスファイバを直接的に被覆し、又は光ファイバを間
接的に被覆し、光照射(特に紫外線照射)により前記樹
脂組成物を硬化させることにより得ることができる。
【0050】
【発明の効果】本発明の光硬化性樹脂組成物は、特定量
の錫化合物とアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤
とを組合わせているため、UV樹脂を長期間保存しても
光重合開始剤であるアシルホスフィンオキシド系光重合
開始剤の加水分解を抑制でき、低紫外線照射量でも優れ
た速硬化性および高速被覆性を高いレベルに維持でき
る。また、水分が存在していてもアシルホスフィンオキ
シド系光重合開始剤を安定化できる。そのため、光硬化
性樹脂組成物による安定した特性を長期間に亘り保持で
き、光ファイバの信頼性を高めることができる。従っ
て、本発明の光硬化性樹脂組成物は、光ファイバ被覆材
として極めて有用である。
【0051】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明をこれらの実施例に限定されるも
のではない。 (1)ポリウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーの
合成 [合成例1]2,4−トリレンジイソシアネート66
2.0g、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数
平均分子量3000)474.0g、ポリオキシプロピ
レングリコール(数平均分子量1000)220.0
g、トリプロピレングリコール96.4g、ロクサノー
ル(12−ヒドロキシステアリルアルコール含有量約8
0重量%、ヘンケル白水(株)製、OH価357mg/
KOH)37.7gの混合液を、窒素雰囲気下、70℃
〜80℃の温度で3時間反応させた。次いで、反応混合
物を40℃迄冷却した後、反応容器内を乾燥空気で置換
し、2.6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(BH
T)0.64g、2−ヒドロキシエチルアクリレート6
49.6gを仕込み、徐々に昇温させ60〜70℃で2
時間反応させた。次いで、テトラ−n−ブチル−1,3
−ジアセトキシジスタノキサン(TK−1)0.107
gを仕込みさらに4時間反応させ、赤外線吸収スペクト
ル(IR−スペクトル)でイソシアネート基(NCO)
に起因する吸収がないことを確認し、ポリウレタンアク
リレートオリゴマー(以下、単に「オリゴマーA」と称
する)を得た。TK−1の含有量はオリゴマーA中0.
005重量%である。
【0052】[合成例2]合成例1と同様にして、2,
4−トリレンジイソシアネート696.3g、ポリテト
ラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量650)
552.5g、ポリオキシプロピレングリコール(数平
均分子量3000)450.0gを反応させ、得られた
反応生成物に、BHT 0.72g、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート696.0g、スタナスオクトエート
(以下、単にSOと略す)0.24gを加え、合成例1
と同様にして、ポリウレタンアクリレートオリゴマー
(以下、単に「オリゴマーB」と称する)を得た。SO
の含有量は、オリゴマーB中、0.01重量%である。
【0053】[合成例3]合成例1のウレタン化触媒T
K−1の使用量0.107gを0.642gに増量し
て、合成例1と全く同様にしてポリウレタンアクリレー
トオリゴマー(以下、単に「オリゴマーC」と称する)
を得た。TK−1の含有量は、オリゴマーB中、0.0
3重量%である。
【0054】[合成例4]合成例2のウレタン化触媒S
Oに代えて、ジブチル錫ジラウレート(以下、DBTD
Lと略す)0.48gを使用する以外、合成例2と同様
にしてポリウレタンアクリレートオリゴマー(以下、単
にオリゴマーDと称する)を得た。DBTDLの含有量
は、オリゴマーD中、0.02重量%である。
【0055】(2)紫外線硬化性樹脂組成物の調製 実施例1〜2および比較例1〜2 合成例1〜4で得られた「オリゴマーA」〜「オリゴマ
ーD」、エチレン性不飽和化合物[イソボルニルアクリ
レート(IBXA)、N−ビニルピロリドン(NV
P)、光重合開始剤[イルガキュアー1700:ビス−
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
メチルペンチルホスフィンオキシド/2−ヒドロキシ−
2−メチルフェニルプロパン−1−オン=25/75
(重量%)混合物、チバガイギー(株)製]を用い、さ
らに樹脂組成物の水分量が0.3重量%となるように水
を添加して、表1に示す紫外線硬化性樹脂組成物を調製
した。なお、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤
(C)と錫系触媒(D)との割合を表中に示す。
【0056】
【表1】 次いで、これら樹脂組成物の特性を次のようにして評価
した。 (3)評価方法 (a)硬化被膜の作製 表1の樹脂組成物を40℃で一定期間(0,7,14,
30日間)放置した後、ガラス板上に約200μmの膜
厚に塗布し、窒素雰囲気中、紫外線(メタハライドラン
プ)を照射量25mJ/cm2 、100mJ/cm2
よび500mJ/cm2 (波長350nm)で照射し、
硬化被膜を得た。 (b)ヤング率の測定と硬化性および変化率の評価 (a)で得られた硬化フィルムを、23℃、50%RH
の雰囲気下、24時間以上放置した後、標線間25m
m、引張速度1mm/分の条件で、2.5%引張弾性率
(ヤング率)を測定した。硬化性およびヤング率の変化
率は下記式により算出した。 硬化性=(Er25/Er500)×100% (式中、Er25は照射量25mJ/cm2 での硬化被膜
のヤング率、Er500は照射量500mJ/cm2 での硬
化被膜のヤング率を示す) 変化率=[(Ed30−Ed0)/Ed0]×100% (式中、Ed30は30日保存後の組成物から得られた硬
化被膜のヤング率、Ed0は当初の組成物から得られた硬
化被膜のヤング率を示す) 結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
フロントページの続き (72)発明者 西村 光弘 大阪府大阪市淀川区十三本町2丁目17番85 号 武田薬品工業株式会社化学品カンパニ ー内 (72)発明者 上村 節 大阪府大阪市淀川区十三本町2丁目17番85 号 武田薬品工業株式会社化学品カンパニ ー内 (72)発明者 山本 昭 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 小堺 正平 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 浅野 雅俊 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ウレタン(メタ)アクリレートオ
    リゴマー、(B)エチレン性不飽和化合物、(C)下記式
    (i) 【化1】 (式中、R1 は、炭素数1〜12のアルキル基、シクロ
    アルキル基、非置換のアリール基、炭素数1〜12のア
    ルキル基及びハロゲン原子のうち少なくとも一種の置換
    基で置換されたアリール基、R2 およびR3 は、それぞ
    れ独立して、炭素数1〜12のアルキル基又はアルコキ
    シ基、R4 は水素原子又は炭素数1〜12のアルキル
    基、R5 は水素原子又はメチル基、nは1又は2の整数
    を示す)で表されるアシルホスフィンオキシド系光重合
    開始剤、および(D)錫化合物を含み、錫化合物の含有
    量が、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーに対し
    て、ウレタン化反応における有効量以上であって0.0
    15重量%以下である光硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ウレタン(メタ)アクリレートオ
    リゴマー、(B)エチレン性不飽和化合物、請求項1記
    載の(C)アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、
    および(D)錫化合物を含み、アシルホスフィンオキシ
    ド系光重合開始剤と錫化合物との割合が、前者/後者=
    100/0.01〜100/1.7(重量比)である光
    硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 光ファイバー被覆用である請求項1記載
    の光硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)ウレタン(メタ)アクリレートオ
    リゴマー、(B)エチレン性不飽和化合物、請求項1記
    載の(C)アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤と
    を混合して樹脂組成物を調製する方法であって、ウレタ
    ン化反応における有効量以上であって0.015重量%
    以下の(D)錫化合物を含むウレタン(メタ)アクリレ
    ートオリゴマーを用いる光硬化性樹脂組成物の製造方
    法。
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