JPH1192488A - 蔗糖脂肪酸エステル組成物およびそれを含有する透明飲料水 - Google Patents

蔗糖脂肪酸エステル組成物およびそれを含有する透明飲料水

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JPH1192488A
JPH1192488A JP9274935A JP27493597A JPH1192488A JP H1192488 A JPH1192488 A JP H1192488A JP 9274935 A JP9274935 A JP 9274935A JP 27493597 A JP27493597 A JP 27493597A JP H1192488 A JPH1192488 A JP H1192488A
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Keita Kashiwa
啓太 柏
Yoshio Asahi
佳男 朝日
Mitsumasa Minafuji
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱しなくても冷水に速やかに溶解し、その水
溶液を長時間冷却保存しても濁りや沈殿を生ずることな
く安定に溶解する、水溶性に優れた蔗糖脂肪酸エステル
組成物及び該組成物を含有する透明飲料水を提供する。 【解決手段】(a)炭素数12〜22の飽和及び/又は
不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする、モノエステル含有量
が90重量%以上の蔗糖脂肪酸エステル95〜99重量
%、及び(b)脂肪酸乳酸エステル塩、ヒドロキシカル
ボン酸モノグリセリド及びレシチン系化合物から選ばれ
るイオン性界面活性剤5〜1重量%を含有することを特
徴とする蔗糖脂肪酸エステル組成物及び該組成物を50
ppm〜2重量%含有する透明飲料水。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷水でも速やかに
分散溶解し、溶解安定性に優れた蔗糖脂肪酸エステル組
成物およびそれを含有する透明飲料水に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】蔗糖脂肪酸エステルは優れた界面活性能
と良好な生分解性を兼ね備えた非イオン性界面活性剤で
あり、主に食品用乳化剤として広く使用されている。ま
たその高い安全性から化粧品、医薬品、香粧品・トイレ
タリ−分野において乳化剤、抗菌剤としての使用実績が
ある。
【0003】蔗糖脂肪酸エステルは蔗糖分子の水酸基に
エステル結合する脂肪酸の炭素鎖長と置換度を制御する
ことにより親水性から親油性まで幅広い物性(HLB1
〜20)を得ることができる。特にモノエステル含有量
の多い高HLBのものは高い親水性を有し、水に対し不
溶性又は難溶性の物質、例えば炭酸カルシウム粉末を水
中に分散・溶解させる能力に優れることが知られている
(特開昭63−173556号、特開平7−11187
9号公報参照)。
【0004】通常、水中へ速やかに溶解し、透明な溶解
状態を安定に保つことは、親水性界面活性剤としての基
本的要件の一つであり、特に脂溶性ビタミン等の生理活
性物質、香料、蛋白質の可溶化、また透明液体洗浄剤へ
の配合など、濁りのない透明性が要求される系での使用
においては必須な性能である。しかしながら市販品の中
で高HLB(HLB12〜20)タイプとされる蔗糖脂
肪酸エステル、例えばモノエステル含量80重量%相当
の蔗糖パルミチン酸エステル(リョ−ト−シュガ−エス
テルP−1670:三菱化学社製商品名)或いは蔗糖ス
テアリン酸エステル(リョ−ト−シュガ−エステルS−
1670:三菱化学社製商品名)でさえも、実際に水に
溶解させる際には、一旦60℃以上に加熱することを必
要としたり、水溶液を長時間冷却保存すると濁りや沈殿
を生ずることがあり、その改善が望まれていた。
【0005】更に、透明なポリエチレンテレフタレ−ト
(PET)ボトルやガラス瓶に充填された透明飲料水、
例えばラムネ、コ−ラ、コ−ヒ−、ぶどうジュ−ス、り
んごジュース、日本茶、紅茶等において抗菌剤としてモ
ノエステル含量が80重量%前後の蔗糖脂肪酸エステル
を配合し、これを冷蔵庫で2〜5℃の温度で保管すると
蔗糖脂肪酸エステルが沈殿したり、飲料水に濁りを発生
する原因となることが見い出された。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の一つは、上記
実情に鑑みなされたものであり、加熱なしでも冷水に速
やかに溶解し、且つ水溶液を長時間冷却保存しても、濁
りや沈殿を生ずることなく安定に溶解する、水溶性に優
れた蔗糖脂肪酸エステル組成物を提供することにある。
本発明のもう一つは、該蔗糖脂肪酸エステル組成物を含
有する透明飲料水を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく種々検討を重ねた結果、モノエステル含量
を一定以上に高めた蔗糖脂肪酸エステルに対し、特定の
アニオン性界面活性剤をある一定の比率で組み合わせる
ことにより、冷水への溶解速度及び溶解安定性が著しく
向上するとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明の一つは、(a)炭素数が1
2〜22の飽和及び/又は不飽和脂肪酸を構成脂肪酸と
する、モノエステル含有量が90重量%以上の蔗糖脂肪
酸エステル95〜99重量%、及び(b)脂肪酸乳酸エ
ステル塩、ヒドロキシカルボン酸のモノグリセリド及び
レシチン系化合物から選ばれるイオン性界面活性剤1〜
5重量%を含有する蔗糖脂肪酸エステル組成物を提供す
るものである。また、本発明のもう一つは、前記蔗糖脂
肪酸エステル組成物を50ppm〜2重量%含有する透
明飲料水を提供するものである。以下、本発明を詳細に
説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】(a)蔗糖脂肪酸エステル: (a)成分の蔗糖脂肪酸エ
ステルは炭素数が12〜22、好ましくは14〜18の
飽和及び/又は不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするモノエ
ステル含有量が90重量%以上、好ましくは95〜10
0重量%の蔗糖脂肪酸エステルである。蔗糖脂肪酸エス
テルの構成原料の脂肪酸の具体例としては、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸等が挙げられる。炭素数が12未満の場合は水溶
性には優れるが、食品に添加した場合、風味に悪影響を
与えることが多く、食品乳化剤としての商品価値に乏し
い。一方、炭素数が22を越えると、蔗糖脂肪酸エステ
ル自体の親油性が増加するため本発明の目的を達成する
には不適当となる。
【0010】本発明に用いる蔗糖脂肪酸エステルのモノ
エステル含量は90重量%以上、好ましくは95重量%
以上である。即ち、置換度2以上のエステル体が10重
量%以下であり、また置換度3以上のエステル体は2重
量%以下であることが好ましい。モノエステル含量が9
0重量%未満の場合は蔗糖脂肪酸エステル自体の水溶性
が不十分であり、水に完全に溶解させるには60℃以上
での加熱を必要とする上、水溶液として長時間経過した
場合に濁りや沈殿を生じるため、本発明の目的を達成す
ることが出来ない。
【0011】上記の蔗糖脂肪酸エステルを得る方法は特
に限定されない。一般的な方法としては、アルカリ触媒
存在下、ジメチルスルホキシド溶媒中で大過剰の蔗糖に
対し、脂肪酸又はその低級アルキルエステルをエステル
交換反応させる方法が挙げられる。この場合、モノエス
テル含量が90重量%以上の蔗糖脂肪酸エステルを得る
ためには、蔗糖と脂肪酸又はその低級アルキルエステル
の仕込モル比を少なくとも8:1以上にする必要があ
る。その他、モノエステル、ジエステル、トリエステル
からなる通常の蔗糖脂肪酸エステルから、液液抽出、晶
析、カラムクロマトグラフィ−等の方法を用い、モノエ
ステルを分離精製してもよい。液液抽出条件としては、
例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等の炭素数4〜7の脂肪族ケトン類や酢酸メチル、酢酸
エチル等の酢酸低級アルキルエステル類から選ばれる有
機溶媒と水を抽剤として液液抽出を行い、モノエステル
を水相側へ選択的に分配させて分離精製する方法が挙げ
られる。
【0012】(b)イオン性界面活性剤:本発明に用い
るイオン性界面活性剤は、可食性のもので人身に対し、
毒性を示さないものが使用される。具体的には、脂肪酸
乳酸エステル塩、ヒドロキシカルボン酸もしくはその誘
導体のモノグリセリド等のアニオン性界面活性剤、レシ
チン系化合物等の両イオン性界面活性剤から1種以上選
ばれるものを用いる。好ましくは、脂肪酸乳酸エステル
塩、コハク酸モノグリセリド、リゾレシチンであり、特
に脂肪酸乳酸エステル塩が好適である。
【0013】脂肪酸乳酸エステル塩の構成脂肪酸として
は炭素数12〜22、好ましくは14〜18の飽和又は
不飽和脂肪酸が用いられる。これらの脂肪酸の具体例と
しては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
オレイン酸等が挙げられる。脂肪酸鎖長がこの範囲より
短いと蔗糖脂肪酸エステルの水溶性を向上させる効果に
乏しく、逆に長過ぎる場合は脂肪酸乳酸エステル塩自体
の水溶性が低下し不適となる。
【0014】アニオン性界面活性剤の対カチオンとして
はアルカリ金属が挙げられる。中でもナトリウム又はカ
リウムが好ましい。脂肪酸乳酸エステルの分子内カルボ
ン酸に対するアルカリ金属の結合モル比(中和度)は、
好ましくは70〜130モル%、より好ましくは90〜
110モル%である。中和度をこの範囲に保つことによ
り、脂肪酸乳酸エステル塩は良好な界面活性能を示し、
蔗糖脂肪酸エステルの水溶性向上に寄与する効果がより
一層顕著となる。中和度が高過ぎると、脂肪酸乳酸エス
テル塩の水中での経時安定性が低下するため、本発明の
効果は低減する。この原因としては、塩基性物質の増加
により脂肪酸乳酸エステル塩及び蔗糖脂肪酸エステルの
加水分解が同時に促進され、石鹸が副生し易い傾向にな
るためと考えられる。又逆に低過ぎる場合は、脂肪酸乳
酸エステル塩自体の界面活性能が低減し、蔗糖脂肪酸エ
ステルの水溶性向上に寄与する効果が低下する。
【0015】上記の脂肪酸乳酸エステル塩の製造方法は
特に限定されない。例えば、アルカリ触媒存在下で乳酸
と脂肪酸を加熱反応させる等の公知の製造方法により得
られる反応混合物を、液液抽出、晶析、カラムクロマト
グラフィ−等の方法により精製して用いられる。ヒドロ
キシカルボン酸もしくはその誘導体のモノグリセリドと
しては、安全性の観点から食品添加物として使用される
有機酸モノグリセリド、例えば、コハク酸モノグリセリ
ド、クエン酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モノグ
リセリド等が挙げられる。中でもコハク酸モノグリセリ
ドが好ましく、その構成脂肪酸は炭素数12〜18、よ
り好ましいのは14〜18の飽和又は不飽和脂肪酸であ
り、カルボン酸の中和度は好ましくは70〜130モル
%、より好ましくは90〜110モル%である。レシチ
ン系化合物としては、酵素処理レシチン、酵素分解レシ
チンが挙げられるが、中でもリゾレシチンが好ましい。
【0016】組成物:本発明の蔗糖脂肪酸エステル組成
物中の(a)成分の蔗糖脂肪酸エステルと(b)成分の
イオン性界面活性剤の配合割合は、(a)成分が95〜
99重量%、好ましくは95〜98.5重量%で、
(b)成分は1〜5重量%、好ましくは1.5〜5重量
%である。本発明の蔗糖脂肪酸エステル組成物の製造方
法としては、(a)成分と(b)成分を別々に添加して
配合しても良いし、組成物として直接合成出来るもので
あれば、直接合成しても構わない(特願平8−7981
3号明細書参照)。また両成分の構成脂肪酸鎖長は同じ
でも、また異なっていても良い。
【0017】例えば、イオン性界面活性剤が脂肪酸エス
テル塩であれば、アルカリ触媒存在下、ジメチルスルホ
キシド溶媒中にて特定割合で混合した蔗糖と乳酸塩に対
し、脂肪酸又はその低級アルキルエステルを競争的にエ
ステル化反応させることにより合成できる。この
(a)、(b)成分の他にも、本発明の蔗糖脂肪酸エス
テル組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲であ
れば、HLBが8以上、好ましくはHLB10以上の親
水性非イオン性界面活性剤の中から任意に選択して併用
しても良い。この様な添加成分としては、例えばポリグ
リセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げ
られる。
【0018】本発明の蔗糖脂肪酸エステル組成物は優れ
た界面活性能を有し、乳化、分散、可溶化、抗菌剤等に
幅広く用いられる。特に高い水溶性を生かし、濁りのな
い透明感が長時間要求される系、例えば、食品分野で言
えば、PETボトル入りの透明飲料水における脂溶性物
質や香料の可溶化や耐熱性芽胞菌に対する静菌効果を有
する食品添加剤或いは水溶性乳化剤として利用される。
【0019】透明飲料水としては、ラムネ、コ−ラ、日
本茶、ウ−ロン茶、紅茶、コ−ヒ−、りんごジュ−ス、
梅ジュ−ス、ぶどうジュ−ス、日本酒、ウィスキ−、ミ
ネラルウォ−タ−等が挙げられ、本発明の蔗糖脂肪酸エ
ステル組成物は、透明飲料水中、50ppm〜2重量
%、好ましくは100ppm〜0.5重量%含有され
る。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、この実施例
に限定されるものではない。蔗糖脂肪酸エステル及び脂
肪酸乳酸エステル塩は各々以下に説明する方法で製造
し、両者を本発明の範囲内で配合して、表1に示す組成
物とした。
【0021】蔗糖脂肪酸エステルの製造例 蔗糖パルミテ−トの製造方法を例示するが、異種脂肪酸
を構成脂肪酸とする場合でも、蔗糖に対する脂肪酸メチ
ルの反応仕込モル比を一定として同様の方法で製造でき
る。加熱ジャケット付きの攪拌型反応槽に蔗糖100
部、及び溶媒としてジメチルスルホキシド(以下、DM
SOと略記)295部を仕込み、80℃、15mmHg
の条件下でDMSOを15分間還流した後、DMSO5
0部を留出させて反応系内の水分を除去した。この時点
で系内の水分は0.05重量%であった。次に炭酸カリ
ウム0.26部とパルミチン酸メチル(純度80%)
5.75部(対蔗糖7.15モル%)を加え、90℃、
20mmHgの条件下、DMSOを還流させながら3時
間反応を行った結果、パルミチン酸メチルの最終転化率
は99.5%であった。
【0022】この反応混合物に50%乳酸水溶液を0.
68部(対カリウム1倍当量)添加して触媒を中和失活
させた後、90℃、20mmHgの条件下、蒸留により
DMSO200部を留去した。得られた反応濃縮物はイ
ソブタノ−ル280部に溶解し、乳酸カリウム1800
ppmを含む純水280部を加えてミキサ−セトラ−型
の抽出装置で60℃、常圧下にて抽出処理し、蔗糖脂肪
酸エステルを油相側、未反応蔗糖を水相側へ各々分配さ
せた。
【0023】次に、ミキサ−セトラ−から回収されたイ
ソブタノ−ル溶液を回転円盤型抽出塔の下部より送液
し、同時に上部から1800ppmの乳酸カリウムを含
む純水を供給して60℃、常圧下にて交流多段抽出を行
った。塔への供給比率は水100部に対し、イソブタノ
−ル溶液100〜150部とした。塔上部より回収した
イソブタノ−ル溶液から溶媒を留去して蔗糖脂肪酸エス
テル12部を得た。得られた蔗糖脂肪酸エステルのモノ
エステル含量は95重量%、HLBは17であった。
【0024】脂肪酸乳酸エステル塩の製造例 パルミチン酸乳酸エステル塩の製造方法を例示するが、
異種脂肪酸を構成脂肪酸とする場合でも、乳酸に対する
脂肪酸の反応仕込モル比を一定とし同様の方法で製造出
来る。乳酸(純度90%)100部、パルミチン酸(純
度80%)218部(対乳酸83.3モル%)、炭酸カ
リウム34.5部を窒素雰囲気下、200℃で5時間反
応させた。得られた反応混合物に1規定塩酸850ml
を加えてpH3以下まで中和し、これにn−ヘキサン8
50mlを加えて十分振とうした後、n−ヘキサン相と
水相に分液させ、各相を分離した。n−ヘキサン相を2
倍希釈した後、室温に一夜静置して結晶を析出させた。
得られた結晶は濾過し、更に再度n−ヘキサン中で同様
の条件で結晶を析出させて精製されたパルミチン酸乳酸
エステル115部を得た。このものの分子内カルボン酸
は遊離状態であったが、当量の水酸化カリウムで中和し
て中和度を100%とした。
【0025】実施例1〜5、比較例1〜2 表1に示す蔗糖脂肪酸エステル(a)と、アニオン性界
面活性剤(b)を同表に示す割合で混合して得た組成物
を試料とした。この蔗糖脂肪酸エステル組成物(試料)
の溶解速度と溶解安定性は次の方法により評価した。
【0026】(i)溶解速度評価 5℃及び25℃の水に対する溶解速度を比較評価するた
め、所定温度の水を循環させたジャケット付き500m
lガラス性攪拌槽に試料1gと5℃または25℃の蒸留
水99gを投入し、300rpmで30分間攪拌した
後、静置して水溶液の外観を観察した。評価は溶液の透
明感や不溶物の残存量により次の4段階とした。 ◎:透明に溶解。 ○:僅かに曇りが見られるが、ほぼ透明に溶解。 △:少量の不溶物が残る。 ×:不溶物が多く、溶解が不十分である。
【0027】(ii)溶解安定性評価 蒸留水及び市販の缶入りブレンド茶(登録商標:爽健美
茶、日本コカ・コ−ラ社製)に蔗糖脂肪酸エステル組成
物(試料)を60℃にて加温溶解し、試料濃度300p
pmの溶液を調製した。これを5℃及び25℃の恒温槽
にて保存試験に供し、1ヶ月後の溶解状態を目視観察し
た。評価は溶液の透明性や沈殿の発生量により次の4段
階とした。 ◎:透明に溶解。 ○:僅かに曇りが見られるが、ほぼ透明に溶解。 △:濁りが発生するが、沈殿なし。 ×:沈殿が発生。 結果を表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明の蔗糖脂肪酸エステル組成物は、
加熱なしでも冷水に速やかに溶解し、且つ、水溶液とし
て長時間冷却保存しても、濁りや沈殿を生ずることなく
安定に溶解する。これにより使用時の取扱が非常に容易
である上、特に濁りのない透明感が長時間要求される系
での使用に好適に用いることが可能となる。また、その
高い親水性により大変優れた界面活性能を有するので、
食品、化粧品、医薬、香粧品・トイレタリ−分野におけ
る乳化、分散、可溶化剤としても大変有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)炭素数が12〜22の飽和及び/又
    は不飽和脂肪酸を構成脂肪酸とする、モノエステル含有
    量が90重量%以上の蔗糖脂肪酸エステル95〜99重
    量%、及び(b)脂肪酸乳酸エステル塩、ヒドロキシカ
    ルボン酸のモノグリセリド及びレシチン系化合物から選
    ばれるイオン性界面活性剤5〜1重量%、を含有する蔗
    糖脂肪酸エステル組成物。
  2. 【請求項2】 (b)成分の脂肪酸乳酸エステル塩およ
    びヒドロキシカルボン酸のモノグリセリドの対カチオン
    がアルカリ金属カチオンであり、カルボン酸に対する中
    和度が70〜130モル%である請求項1に記載の蔗糖
    脂肪酸エステル組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の蔗糖脂肪酸エステル組成
    物を50ppm〜2重量%含有する透明飲料水。
JP9274935A 1997-09-24 1997-09-24 蔗糖脂肪酸エステル組成物およびそれを含有する透明飲料水 Pending JPH1192488A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015122428A1 (ja) * 2014-02-14 2015-08-20 マイクロ波化学株式会社 有機化合物の製造方法、及びエステルの製造方法

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