JPH1191737A - 液体食品の製造法 - Google Patents

液体食品の製造法

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JPH1191737A
JPH1191737A JP9269185A JP26918597A JPH1191737A JP H1191737 A JPH1191737 A JP H1191737A JP 9269185 A JP9269185 A JP 9269185A JP 26918597 A JP26918597 A JP 26918597A JP H1191737 A JPH1191737 A JP H1191737A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 日配商品である液体食品を、生産直後の好ま
しい香味、新鮮さを保って消費者に提供する。 【解決手段】 加熱殺菌、脱気条件下、可撓性且つ酸素
非透過性の包材容器に充填し密封した液体食品を急速冷
凍条件下に冷凍保存後、チルド保存条件下に解凍する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液体食品の製造法に
関する。さらに詳細には、容器に充填され低温下に保存
することを前提とする液体だしに代表される種々の液体
食品を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、各処に存在するコンビニエンス・
ストアあるいはスーパー・ストアなどの大量販売店(量
販店)では、多様化一方の消費者の要望に対応するべ
く、極めて多種類の液体食品が販売されている。
【0003】これらの液体食品には、特に新鮮な風味、
作り立て直後の味わいを尊重する商品が多い。必然的
に、それらの商品の好ましい品質の保証期間、賞味期限
は短期間に限られるため、量販店の店頭における棚上期
間、シエルフ・ライフは一日以内に設定され、毎日、生
産者より量販店へ供給されることが条件となっている。
また、この種の、いわゆる日配品の種類も加速的に増加
の一途を辿っている。
【0004】液体食品商品についてシエルフ・ライフの
短縮傾向は、同商品の生産者に対しては毎日の同日極早
朝生産あるいは前日深夜生産という過酷な生産労働条件
を不可避なものとなっている。
【0005】上記の事情が存在する下で、その品質を低
下させることなく、シエルフ・ライフを現在よりも短時
間でも延長することが可能となれば、液体商品の生産
者、取扱いの量販店および消費者の三者、何れにとって
も利益となることは明らかである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明にあっては、液
体食品のシエルフ・ライフを現在の水準から約3倍程度
以上延長可能である実際的な製造方法を確立することを
課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、現行の液体食品、特に新鮮な風
味、作り立て直後の味わいを尊重する液体食品につい
て、その製造過程、包装過程、流通過程および量販店店
頭での販売状態の各々について、個別にあるいは総合的
に鋭意、分析し検討を行った結果、以下に示す(1)〜
(8)の知見を見いだし、あるいは確認した。
【0008】(1) 液体食品の鮮度、風味、作り立て
直後の味わいを可及的長期間保持しシエルフ・ライフの
長短を左右する要因として、第一に取り挙げるべきは、
液体食品中に溶存する酸素の濃度である。
【0009】(2) 液体食品中の溶存酸素濃度は、生
産直後より量販店店頭まで、さらに喫食直前まで、可及
的低水準に維持することが要望される。特に、加熱・殺
菌直後から容器に密封する直前に至る液体食品中の溶存
酸素濃度は、5ppm以下、好ましくは2ppm以下に
保持する必要がある。
【0010】(3) 液体食品の加熱・殺菌条件は、製
造直後の好ましい風味を満足出来る程度に保持する目的
から、過度の高温加熱、長時間加熱は回避すべきであ
る。好ましい加熱・殺菌条件としては、70℃以上90
℃以下、8分以上12分以下、特に好ましくは80℃内
外で10分程度の加熱・殺菌条件が選択される。また、
比較的低温による間欠的加熱・殺菌法、いわゆるパスツ
−ル殺菌法を適用してもよい。
【0011】(4) 加熱・殺菌後の液体食品は、空気
の抱き込みを排除して、直に可撓性のある容器に充填
し、密封シールすべきである。
【0012】(5) 加熱処理以降、加熱・殺菌後の液
体食品中の溶存酸素濃度を可及的低水準に維持する目的
から、液体食品を充填する容器は酸素透過性のない可撓
性の材料から製造される容器を選択すべきである。さら
に容器内部の空間を不活性気体で置換する、あるいは容
器内部の空間(ヘッド・スペース)を作らず完全充填を
行うなどの処置は有効である。
【0013】(6) 液体食品を充填した容器は、直ち
に密封後、急速冷凍に付して保存されるべきである。密
封方法は特に限定されないが、内容物である液体食品が
冷凍され、また解凍されるという内圧の急激な変化、あ
るいは多数個の液体食品を充填した可撓性の容器が重積
することによって発生する外圧の負荷に耐え得るように
安全率をも考慮した密封方法が採用される。密封後の急
速冷凍は、液体食品が消費されるまで、生産直後の好ま
しい新鮮さ、好ましい風味を保持するために、特定の急
速冷凍条件が採用される。この特定の急速冷凍条件は、
液体食品の種類及びその冷凍処理直前の物性などにより
多少の変化があるが、高級品型の蕎麦つけ汁の場合、6
0分以内に品温が−1.8℃以下に到達する条件が選択
される。なお、この特定条件は、多数の試作例より帰納
的に見いだされたものであり、液体食品の種類及びその
物性などに従って、予め、個別に確認した方が良い。
【0014】(7) 急速冷凍された液体食品は、比較
的短時間、冷凍保存庫内に保管された後、チルド解凍条
件下に移管されるべきである。そして、チルド解凍処理
が進行している状態、あるいはチルド解凍処理が丁度完
了した状態で、例えば量販店店頭に設置されているチル
ド食品ケース内に移行される。チルド解凍条件も亦、液
体食品の種類及びその物性など、更に冷凍保存庫と量販
店を結ぶ交通事情などの流通条件によって多少の変化が
あるが、例えば0℃以上5℃程度、数時間程度である。
また、急速冷凍された液体食品は、冷凍保存庫から搬出
後、量販店に到達するまでの配送時間を利用して保冷車
内でチルド解凍され、液体食品は完全に解凍された状態
でチルド食品ケース内に並べられても良い。
【0015】(8) 上記に示した、急速冷凍された液
体食品を冷凍保存庫内に保管する時間、保冷車内等でチ
ルド解凍する時間およびそれらの配分を、充分に勘案し
た上で、液体食品を生産し、液体食品を流通し、量販店
店頭で販売するときは、生産者は深夜または極早朝の過
酷な生産労働形態から解放され、流通に要する時間も有
効に利用でき、また、消費者は、特に解凍調理などの煩
雑さに悩まされることなく、常時、生産直後の好ましい
新鮮さ、好ましい風味を保持した液体食品を賞味するこ
とが出来る。
【0016】本発明は上記の知見を総合しそれらを具体
化すべく、積み重ねられた多くの実験または試験に基づ
いて完成されたものである。
【0017】すなわち、本発明は、加熱殺菌条件および
脱気条件下に保持した液体食品を溶存酸素を排除する条
件下に可撓性且つ酸素非透過性の材料で構成した容器内
に充填して密封後急速冷凍し、その後チルド保存条件下
に保持することを特徴とする液体食品の製造法、であ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明において云う液体食品と
は、喫食する状態で液体状の食品を云う。その原料素
材、加工調理法、加工の程度、物性、利用形態などには
限定されず、広範囲の種類の液体食品が含まれる。ま
た、この場合、食品としては、可能な限りの広範囲な可
食性の物品を指す。
【0019】従って、液体食品としては種々の態様で利
用される調味料、飲料水あるいは粘性食品が含まれる。
それらを利用態様別に例示すれば、次の通りである。 (イ)麺つゆ類:麺類、蕎麦類の喫食時に、茹でた麺又
は茹でた蕎麦を浸し、あるいは麺または蕎麦の上に掛け
て喫食する。喫食時に希釈することなく直ちに喫食する
ストレート型麺つゆ、および冷水あるいは温水を加え希
釈して喫食する濃縮型つゆの何れの型の麺つゆをも含
む。
【0020】(ロ)お惣菜・煮物用だし:野菜、乾燥野
菜、茸類、魚、魚干物を煮烹、調理する際に利用する、
予め混合、調味してある液体だし。
【0021】(ハ)鍋物用つけたれ:シャブシャブ、す
き焼き、種々の魚貝鍋物、湯豆腐など鍋物の際に、加熱
した食品に付けて喫食するたれ、調味料。例えば味噌だ
れ、胡麻だれ、ポン酢、土佐酢、カポス汁、生姜たれ、
大根おろしたれ、磨砕大蒜たれ。
【0022】(ニ)果汁ジュース:生ジュース形果汁、
還元形果汁ジュース。
【0023】(ホ)各種スープ、スープ・ベース類:コ
ンソメ形スープ、ポタージュ形スープ、お清汁、鰹節だ
し、清湯、白湯、ラーメン・スープ。
【0024】本発明の方法において、液体食品は加熱殺
菌条件下に処理される。該処理は、液体食品に直接に施
してもよく、また、後続するあるいは同時進行する脱気
処理および溶存酸素を排除、除去する処理を考慮して、
液体食品を予め、可撓性の材料から構成された容器に収
容した上で、加熱殺菌しても良い。
【0025】加熱殺菌の条件は、液体食品の種類、その
物性などに従って決定される。そのため予め試行した上
で、実施する具体的な加熱殺菌条件を決定するとよい。
何れの場合にあっても、液体食品は製造直後の好ましい
風味を、喫食直前まで満足出来る程度に保持する必要が
あり、過度の高温加熱、長時間加熱は回避すべきであ
る。
【0026】好ましい加熱・殺菌条件の一例としては、
70℃以上90℃以下、8分以上12分以下、特に好ま
しくは、80℃内外で10分程度の加熱・殺菌条件が選
択される。また、比較的低温による間欠的加熱・殺菌
法、いわゆるパスツ−ル殺菌法を適用してもよい。
【0027】本発明の方法において、液体食品は脱気処
理および溶存酸素を排除、除去する処理が施される。こ
れらの処理は、加熱殺菌後に行っても良く、また、加熱
殺菌の処理と同時進行的に実施しても良い。本発明の方
法で製造される液体食品は、その溶存酸素含量を生産直
後より量販店店頭まで、さらに消費直前まで、可及的低
水準に維持することが要望される。特に、加熱・殺菌直
後から容器に密封する直前に至る液体食品中の溶存酸素
濃度は、5ppm以下、好ましくは2ppm以下に保持
する必要がある。
【0028】そのために、具体的な方法としては加熱・
殺菌後の液体食品は、空気の抱き込みを可能な限り排除
するように、発泡を回避しつつ、直に可撓性のある容器
に充填し、密封シールする方法が採用される。
【0029】本発明の方法において液体食品を充填する
容器としては、可撓性且つ酸素非透過性の材料で構成し
た容器が使用される。可撓性であることにより、液体食
品の充填作業時あるいはその後の種々の処理時あるいは
取扱時における既充填物の破損などの事故を予防可能で
ある。なお、可撓性の包材としては非常に多くの種類の
ものが供給されているので、充填すべき液体食品の種類
に応じてあるいは充填した液体食品の処理の如何に応じ
て、最適な包材を自由に選択することが可能である。さ
らに可撓性の包材は一般に軽量であり、瓶、缶などの可
撓性の無い包材に比較して取扱いが容易であると云う利
点もある。さらに可撓性の包材を使用し包材容器の開口
部を封止する場合、内部空間(ヘッド・スペース)を容
易に排除可能であると云う処理上の利点もある。
【0030】本発明の方法において容器の開口部の封止
には気体、液体を通過させないように密封することが必
要であるが、可撓性の包材の多くは、熱シールを行い得
る材料を使用しているので、この点からも可撓性の包材
を使用することは好都合である。使用する包材として、
酸素非透過性の材料から構成された容器を使用するの
は、充填後の液体食品の品質を安定に保存するために、
外気中の酸素の侵入を完全に防止する必要が有るためで
ある。
【0031】可撓性且つ酸素非透過性の材料を具体的に
例示すれば、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着高分子
物質フィルム、ガラス蒸着高分子物質フィルム、二軸延
伸ナイロン・フィルム[一例を挙げれば「スーパーニー
ル」、三菱化学(株)製品]およびそれらのフィルム類
より構成される複合シート類である。
【0032】また、それらの材料から構成される包装容
器を具体的に例示すれば、中間層に上記のアルミニウム
箔等を、その上下層にポリプロピレン・フィルムを貼着
した複合シートを加工成型した平型のあるいは自立形の
袋状容器、すなわち、パウチあるいはスタンディング・
パウチなどである。
【0033】本発明の方法において容器に充填、密封、
殺菌した液体食品は、直ちに急速冷凍処理に付せられ
る。急速冷凍の条件としては、60分以内に品温が−
1.8℃以下に達する条件が採用される。通常は−20
℃程度に保持してある冷凍庫に保存する。冷凍処理時に
必要温度に到達するまでに60分以上を要すると、香
気、風味の劣化による品質の劣化が発生するばかりか、
液体食品内に粗大な氷晶の生成をみることがあり、この
粗大な氷晶が容器、包材を破損する危惧があるため、上
記の急速冷凍の条件は守らるべきである。
【0034】急速冷凍した容器に充填した液体食品は、
冷凍庫内に冷凍凍結状態で必要時間保存される。この保
存時間は、液体食品の風味を変化させず安定に保持可能
な時間内であることは当然であるが、続行するチルド保
存条件、特にチルド保存時間およびチルド保存処理を経
過して、工場出荷後、量販店店頭に到達する迄に要する
流通・輸送時間をも勘案して決定される。
【0035】急速冷凍した液体食品は、次にその食品の
氷点温度前後の温度より10℃程度の温度範囲のチルド
保存条件下に一定時間保持する。
【0036】この保持処理により、冷凍状態にある液体
食品は好ましい状態を保ちつつ適時に解凍が完了する。
また、このチルド保存に要する時間を活用して、生産過
程および流通・移送過程の時間配分、調整に充当するこ
とも可能である。すなわち、冷凍庫から出庫直後の冷凍
状態にある液体食品あるいは、一定時間、生産工場内の
チルド保存設備内に保管した半解凍状態にある液体食品
を、輸送に要する時間を予想、設定した上で、保冷車に
積載し工場から出荷し量販店店頭に到着する時点に解凍
を完了する方法である。
【0037】冷凍状態にある液体食品を自然解凍に付
し、あるいは加熱解凍に付した場合には、生産直後の新
鮮で好ましい風味は微妙に変化するので、解凍はチルド
保存条件下、予め設定した一定時間内に完了すべきであ
る。また、このチルド保存処理により、消費者は自ら解
凍する煩雑さに煩わされることなく、最も好ましい状態
で直ちに喫食できる液体食品を利用できる利点を享受可
能となった。
【0038】以下、実施例により本発明を具体的に説明
する。なお、実施例は本発明の技術的範囲を限定するも
のではない。
【0039】
【実施例】
実施例1=ストレート型蕎麦用つけ汁の製造および評価
= (かえしの製造)表1に示す原料を使用し、仕上がり量
1リットル分の規定量を計量し、水を加えて85℃で約
10分間加熱、溶解した。
【0040】
【表1】 ───────────────────────── 原料名 重量 組成(%) ───────────────────────── 濃口醤油 10.0 淡口醤油 4.0 「味液」*1 4.0 砂糖 4.0 本味醂 3.5 「TA−50」*2 2.0 「IN」*3 0.02 水 72.48 ───────────────────────── *1:植物蛋白加水分解物調味料。味の素(株)製品 *2:還元麦芽糖水飴。味の素(株)製品 *3:イノシン酸ナトリウムを主成分とする調味料。 味の素(株)製品
【0041】(だしの製造)0.5mm程度の厚さに削
った混合節(本枯れ節、宗太節、鯖節)を250g取
り、85℃に加熱した水5000gに投入し、同温度を
保ちながら50分間抽出した。途中で浮いたアクを取り
除き、濾し布で濾過してだし汁を取得した。
【0042】(つけ汁の製造)上記のだし汁3リットル
に、かえし1リットルを加えて混合し、80℃に加温し
た。
【0043】(つけ汁の脱溶存酸素および容器への充
填)中層にアルミニウム箔を挟み上下をポリエチレン系
高分子材料のフィルムで構成された複合シートを過酸化
水素溶液で洗浄後、水洗、乾燥を行いつつ、パウチに製
袋、加工した。製袋に連続して、約85℃に加温し溶存
酸素濃度を5ppm以下に保ってある上記のつけ汁を、
80g/袋宛、自動計量充填した。充填直後に、自動加
熱溶融式シーラーを使用して液中シールを行った。これ
らの包材の洗浄、製袋、つけ汁の充填、液中シールに至
る一連の作業は遅滞すること無く迅速に行った。
【0044】また、上記の方法に準じ、約85℃に加温
し溶存酸素濃度を2ppm以下に保ってあるつけ汁を、
窒素ガスおよび炭酸ガスより成る混合雰囲気中で、上記
と同様の方法で、パウチに充填後、熱シールした。
【0045】なお、上記の液中シールしたパウチおよび
熱シールしたパウチは、何れもシール直後に、遅滞無く
水道水の流水中で冷却した。
【0046】(パウチに充填したつけ汁の冷凍処理)流
水で冷却したパウチの外側に付着した水を払拭後、バラ
状でまたは中包装用耐水性袋に収容し、−20℃に調整
してある冷凍庫に保管した。この時、内容物の品温が6
0分以内に−1.8℃以下に低下し、同温度に保持され
ていることを確認した。
【0047】(パウチに充填したつけ汁のチルド解凍処
理)冷凍庫に保管したパウチ入りつけ汁を取り出し、5
℃〜15℃に保持してあるチルド解凍室に移し、4時間
保管した。その後、15℃に調整してある作業場で仕訳
を行った。仕訳直後の内容物は完全解凍または約80%
解凍の状態にあり、また、品温は10℃以下であること
を確認した。仕訳後のパウチ入りつけ汁に規定の包装、
商品表示をおこない、直ちに10℃に温度管理された配
送車に積載し、指定の量販店店舗に輸送した。店舗に到
達後、直ちに解装して、売場のチルドケース内に並べ
た。
【0048】(パウチに充填したつけ汁の店頭における
状態)前記の量販店の閉店時刻、21時経過直後にチル
ド・ケース内に残ったパウチ充填つけ汁8本を開封し、
つけ汁の温度を測定した。つけ汁の温度は10℃であっ
た。
【0049】(パウチに充填したつけ汁の店頭における
評価)生産者から派遣した試験員2名、同量販店の店長
を含む量販店食品担当販売担当者5名および予め依頼・
指名してあった同量販店の食品部を常時利用している顧
客(主婦)3名よりなる合計10名のパネラーによる評
価を、口頭による質問形式により徴した。
【0050】つけ汁自体の評価および蕎麦とともに食し
た場合の評価は、発言の多い順に、 イ)鰹節だしの香りが良く残っている。 ロ)香りおよび味の切れが良い。 ハ)香りおよび味が本格的である。 ニ)冷たくて口当たりが良い。 と、概ね、好評であった。なお、液中シール分および不
活性雰囲気中熱シール分との間には、特に注目すべき相
違は認められなかった。
【0051】実施例2=濃縮型おでんつゆの製造および
評価= (濃縮型おでんつゆの製造)表2に示す原料を使用し、
仕上がり量1リットル分の規定量を計量し、水を加えて
85℃で約10分間加熱、溶解した。
【0052】
【表2】 ───────────────────────── 原料名 重量 組成(%) ───────────────────────── 淡口醤油 8.0 「味液」*1 7.0 本味醂 10.0 「エキスメイトかつおL」*2 2.0 「プロニ−ズK」*3 2.0 「アジメート粉末」*4 2.0 「味の素」*5 3.0 砂糖 10.0 食塩 10.0 水 46.0 ───────────────────────── *1:植物蛋白加水分解物調味料。味の素(株)製品 *2:鰹節エキスおよび鰹エキス混合物。味の素(株)製品 *3:昆布エキス成分を配合した混合調味料。味の素(株)製品 *4:動物蛋白加水分解物調味料。味の素(株)製品 *5:うまみ調味料。味の素(株)製品
【0053】(濃縮型おでんつゆの脱酸素およびパウチ
への充填)実施例1の(つけ汁の脱溶存酸素および容器
への充填)項記載の方法に準じて行った。
【0054】(濃縮型おでんつゆの冷凍処理)実施例1
の(パウチに充填したつけ汁の冷凍処理)項記載の方法
に準じて行った。
【0055】(濃縮型おでんつゆのチルド解凍処理)冷
凍庫に保管したパウチ入り濃縮型おでんつゆを取り出
し、5〜15℃に保持してあるチルド解凍室で4時間保
管した。その後、15℃に調整してある作業場で仕訳を
行った。仕訳直後の内容物は完全解凍又は約80%解凍
の状態にあり、また、品温は10℃以下であることを確
認した。仕訳後のパウチ入り濃縮型おでんつゆに規定の
包装、商品表示をおこない、直ちに10℃に温度管理さ
れた配送車に積載し、指定の量販店店舗に輸送した。店
舗に到達後、直ちに解装して、売場のチルドケース内に
並べた。
【0056】(濃縮型おでんつゆの希釈)解凍状態にあ
る濃縮型おでんつゆ100g当たり85℃に加熱してあ
る水1400gを加えて、おでん調理用希釈おでんつゆ
を調製し、これを評価用サンプルとした。なお、冷凍処
理およびチルド保持を行わない以外は、同様の方法で製
造し流通した濃縮型おでんつゆを上記の方法で希釈した
ものを対照用サンプルとした。
【0057】(希釈後の濃縮型おでんつゆの評価)これ
らの希釈サンプルを85℃に保ち、この中に、各々、予
め水煮してある大根、キャベツ巻き、つみれ、茹で卵、
蒟蒻および竹輪のおでん種を約4時間漬け込んだ。
【0058】おでんつゆと共にこれら各種のおでん種
を、予めサンプルの種別を知らせずに15名からなるパ
ネラーに供し、おでんつゆおよびおでん種を喫食した場
合の風味ならびに印象を二者択一方式で問う評価試験を
行った。なお、パネラーは、一般消費者の20歳代女性
3名、30歳代女性5名、40歳代男性5名および該濃
縮型おでんつゆ開発担当の技術者2名より構成されてい
た。
【0059】表3にパネラーの選択した評価結果を示
す。同表中、数値はサンプル別に各評価項目について該
当すると判断したパネラーの人数である。
【0060】
【表3】 ───────────────────────────── 評価項目 評価用サンプル 対照用サンプル ───────────────────────────── ダシ味風味の強い方 12 3 味の浸み込の強い方 14 1 コク味の強い方 12 3 味風味の好ましい方 15 0 ─────────────────────────────
【0061】表3に示す通り、評価用サンプル、すなわ
ち脱酸素処理、冷凍・チルド解凍処理を行った濃縮型お
でんつゆに由来するサンプルが、圧倒的に好ましい評価
を得て、その優位性が確認された。
【0062】
【発明の効果】以上に説明した通り、本発明では、液体
食品を生産直後の好ましい新鮮さ、好ましい香味を保持
した状態で、消費者に提供出来ると云う効果がある。従
って消費者は、液体食品を解凍する煩雑さに煩わされる
ことなく、常時、最適な状態で液体食品の新鮮な好まし
い風味を享受、賞味出来ると云う効果がある。
【0063】また、生産者および量販店関係者にとって
は、日配品商品である液体食品の生産および流通に関連
する困難な問題を、相当程度の範囲で解決することが出
来る云う効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B65D 81/20 A23L 3/36 A // A23L 3/36 3/365 Z 3/365 2/00 N

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱殺菌条件および脱気条件下に保持し
    た液体食品を溶存酸素を排除する条件下に可撓性且つ酸
    素非透過性の材料で構成した容器内に充填して密封後急
    速冷凍し、その後チルド保存条件下に保持することを特
    徴とする液体食品の製造法。
JP26918597A 1997-09-17 1997-09-17 液体食品の製造法 Expired - Fee Related JP3815525B2 (ja)

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JP2015070815A (ja) * 2013-10-03 2015-04-16 八戸缶詰株式会社 容器入りチルド食品およびその製造方法
JP2019128878A (ja) * 2018-01-26 2019-08-01 富士通フロンテック株式会社 冷凍品配送解凍システム、その配送先端末装置、サーバ装置、冷凍品配送解凍方法

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