JPH1191231A - 織布捺染画像転写用記録体及び織布への捺染画像転写方法 - Google Patents

織布捺染画像転写用記録体及び織布への捺染画像転写方法

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JPH1191231A
JPH1191231A JP25533997A JP25533997A JPH1191231A JP H1191231 A JPH1191231 A JP H1191231A JP 25533997 A JP25533997 A JP 25533997A JP 25533997 A JP25533997 A JP 25533997A JP H1191231 A JPH1191231 A JP H1191231A
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color
woven fabric
transferring
resin
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JP25533997A
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Inventor
Makoto Aoyanagi
誠 青柳
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、織布への捺染画像転写に際して、
色ニジミのない鮮明な中間色(混色)を再生でき、細線
の出力再現性に優れ、また、コンピュータグラフィック
装置におけるモニター画面で作製された画質に対応した
画質を再生できる捺染画像転写用記録体、及び捺染画像
転写方法の提供を目的とする。 【解決手段】 本発明の織布捺染画像転写用記録体は、
記録体シート上に多数の色点が配置されることにより形
成された画像を有し、前記多数の色点が、熱移行性染料
であるY、M、C、又はBkの色相からなる原色点およ
び該原色点の少なくとも2つ以上の重なりにより形成さ
れる混色点からなり、かつ、該混色点が、それを構成す
る各原色点における色点中心をほぼ重ねて形成されたも
のであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、織布捺染画像転写
用記録体及び織布への捺染画像転写方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、織布に図柄、パターン等を形成す
る方法としてはローラ捺染法、ロータリー捺染法、スク
リーン捺染法等の版を用いた捺染法や、昇華染料を有す
るインキを用いて図柄を紙に印刷して織布捺染画像転写
用記録体を作製し、その後織布に重ね合わせて図柄を転
写する、所謂「転写捺染法」が行なわれている。
【0003】転写捺染法は、ソーピング等の工程がな
く、織布への柄や図案等の作製が容易で、有効な方法で
あるが、従来の印刷機を使用した織布捺染画像転写用記
録体の作製に際しては、印刷機の有する色重ね精度の限
界から、混色を形成する原色点の重なり具合は各色点毎
にバラバラとなるという問題がある。そのため、このよ
うな色点から構成される画像を有する織布捺染画像転写
用記録体を使用して織布に画像を捺染転写すると、微視
的にみて布の織り方向によって拡散する染料の比率が一
定ではなく、布上での画像ニジミの原因となり、鮮明な
画像が形成されないという問題がある。
【0004】また、最近では、例えば特開平3−188
66号には、静電プロッター等によって静電記録紙上に
静電潜像を形成し、昇華捺染能を有する染料を分散又は
溶解した湿式現像剤により現像して織布捺染画像転写用
記録体を作製する方法が提案されている。この方法は電
子的に画像を形成するために、従来のような印刷によっ
て織布捺染画像転写用記録体を作成する方法に比してデ
ザイン柄の出力が容易で早いという特徴を有している。
【0005】しかしながら、静電プロッター等によって
静電記録紙上に静電潜像を形成する方法は、潜像が2値
記録(ON−OFF)のため、現像された画像における
個々の原色点も2値で示されるために、各色毎に階調性
を有する画像表現は不可能であり、複数個の色点のまと
まりを単位として画像の濃淡を疑似的に表現している。
そのため、中間調や中間色の再現性を高めるために様々
な画像処理が駆使されているものの擬似階調にすぎず、
出力された色点及びその集合体の色再現性が十分ではな
く、特に中間調からハイライト部においての色再現性に
問題がある。
【0006】また、コンピュータグラフィック装置にお
けるモニター画面上でデシタルデータとして画像データ
を作製し、この画像データに基づきグラビア製版して捺
染紙を作製し、得られた捺染紙を使用して織布上に画像
転写する技術が多用され始めているが、上述した方法に
よると、モニター画面上の各色点の発する中間調表現に
対応した画質が捺染された織布上に得られず、染色ム
ラ、即ち画像ニジミが発生するという問題、即ち、モニ
ター画面上での画像に対応した期待する色調が織布上に
再現できないといった問題がある。また、同一画像の織
布捺染画像転写用記録体を使用して画像を織布へ捺染転
写しても、細線の出力再現性に不良が生じるという問題
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的は
布への捺染画像転写に際して、色ニジミのない鮮明な中
間色(混色)を再生でき、細線の出力再現性に優れる織
布捺染画像転写用記録体の提供にある。
【0008】第2の目的はコンピュータグラフィック装
置におけるモニター画面で作製された画質に対応した画
質を再生しうる織布捺染画像転写用記録体の提供にあ
る。
【0009】第3の目的は、色ニジミのない鮮明な中間
色(混色)を再生できる捺染画像転写方法の提供にあ
る。
【0010】第4の目的は、転写捺染画像を繰り返し作
製するにあたり、細線の出力再現性の良好な捺染画像転
写方法の提供にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の織布捺染画像転
写用記録体は、記録体シート上に多数の色点が配置され
ることにより形成された画像を有し、前記多数の色点
が、熱移行性染料であるY、M、C、又はBkの色相か
らなる原色点および該原色点の少なくとも2つ以上の重
なりにより形成される混色点からなり、かつ、該混色点
が、それを構成する各原色点における色点中心をほぼ重
ねて形成されたものであることを特徴とする。
【0012】記録体シートが静電記録体シートであり、
また、画像が静電記録体シート上にイオンプリンターに
おける単位面積あたりのイオン流量を制御して形成され
た静電潜像を熱移行性染料からなる湿式現像剤を使用し
て現像されたものであることを特徴とする。
【0013】画像が、コンピュータグラフィック装置上
の画像データに基づいてイオンプリンターにより単位面
積当たりのイオン流量を制御して出力される信号に基づ
いて形成されたものであることを特徴とする。
【0014】また、本発明の織布への捺染画像転写方法
は、記録体シート上に多数の色点が配置されることによ
り形成された画像を有し、前記多数の色点が、熱移行性
染料であるY、M、C、又はBkの色相からなる原色点
および該原色点の少なくとも2つ以上の重なりにより形
成される混色点からなり、かつ、該混色点がそれを構成
する各原色点における色点中心をほぼ重ねて形成された
織布捺染画像転写用記録体と、織布とを重ね合わせ、画
像を織布に加熱転写することを特徴とする。
【0015】上記の織布への捺染画像転写方法におい
て、織布捺染画像転写用記録体における画像を複数枚以
上の織布に繰り返し加熱転写し、同一の捺染画像を複数
枚以上の織布に形成するに際して、織布捺染画像転写用
記録体における色点走査方向と織布における織り方向と
の関係を変えないで加熱転写することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の織布捺染画像転
写用記録体における画像の形成状態の一例を説明するた
めの平面模式図であり、図2は、図1におけるA1 −B
1 、A2 −B2 、A3 −B3 でのマゼンタ原色点とシア
ン原色点の主走査方向における画像濃度分布を説明する
ための模式図である。
【0017】図1、図2中、Mはマゼンタ色、Cはシア
ン色の各色点を示し、また、図1におけるX方向は、プ
リンターにおける主走査方向、また、Y方向は副走査方
向(紙送り方向)である。
【0018】色点は、イエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)、又はブラック(Bk)の原色点
のみにより形成される場合を含んでいてもよいが、本発
明の織布捺染画像転写用記録体は、中間色を原色点の重
なりにより表現する際の原色点同士の位置関係を規定す
る点に特徴を有するものである。
【0019】図1は、256階調の階調制御機能を有す
るイオンプリンターを用いて、最大出力より32階調お
きで8階調出力し、さらに、ハイライト部に関して16
階調の出力を加え、全体で10段階のグラディエーショ
ンを有する画像の2次色再現性を評価するために出力し
た画像において、その1部である、主走査方向におけ
る、M画像濃度の階調変化を示す16階調M出力部、3
2階調M出力部、64階調M出力部と、副走査方向にお
ける、C画像濃度の階調変化を示す16階調C出力部、
32階調C出力部、64階調C出力部によるそれぞれの
色点の重なり状態を模式的に説明するための図である。
【0020】図1においては、説明のために、16階調
出力部からの記録状態を点線での小楕円形で表示し、3
2階調出力部からの記録状態を実線での中楕円形で、6
4階調出力部からの記録状態を実線での大楕円形で表示
している。
【0021】図1における(a)領域は、マゼンタ原色
点とシアン原色点とが、それぞれ16階調出力部により
出力されて混色を形成した場合を示すもので、色点中心
をほぼ重ねて織布捺染画像転写用記録体に記録されたこ
とを示し、また、(c)領域は、マゼンタ原色点が16
階調出力部からの記録状態を、また、シアン原色点が6
4階調出力部により出力されて混色を形成した場合を示
すもので、各色点中心がほぼ重なって織布捺染画像転写
用記録体に記録されたことを示す。
【0022】図2は、図1におけるA1 −B1 、A2
2 、A3 −B3 でのマゼンタ原色点とシアン原色点
の、それぞれ主走査方向における画像濃度分布を説明す
るための図で、図2(a)はA3 −B3 、図2(b)は
2 −B2 、図2(c)はA1−B1 での画像濃度分布
に対応する。
【0023】次に、このような画像が記録された織布捺
染画像転写用記録体を使用して、織布へ画像を転写捺染
する場合について、図3により説明する。
【0024】図3は、捺染により織布に転写される際の
各原色点の染料拡散の状態を説明する図である。図中、
20は縦糸、30は横糸、21は本発明における混色
点、31は各原色における色点中心が重ならないで中間
色を出す場合の色点群であり、31′はM原色点、3
1″はC原色点である。
【0025】図3に示す織布においては、縦糸が例えば
繊維径10μmの繊維を10〜20本/1束のものと
し、縦糸径が200μm程度のものを例示する。また、
織布捺染画像転写用記録体における色点は、Mが32階
調、Cが16階調での記録状態(M原色点31′のドッ
ト径が約70μm、C原色点31″のドット径が約40
μm)の場合を例示するものである。
【0026】図3に示すように、織布へ転写捺染された
染料の拡散は、織布を構成する繊維の長手方向(繊維の
伸び方向に順ずる方向)への拡散方向(T1 )と、繊維
の径方向(繊維の伸び方向に順じない方向)への拡散方
向(T2 )とがあるが、繊維への捺染過程において、染
料は繊維中を拡散するために、捺染後の染料の移動量は
1 方向への移動量がT2 への移動量に比べて大きくな
る。そのため、織布へ転写捺染された染料の拡散は主と
してT1 方向で比較することができる。
【0027】画像を構成する各原色点の中心がほぼ重な
っている場合には、図3の(イ)に示すように、M染料
の縦糸におけるT1 方向への移動量と、C染料の縦糸の
1方向への移動量の比は等しくなる。そのため、微視
的に見たときにもM染料とC染料とが充分に混ざり合っ
て鮮明な紫色を呈することとなる。なおこの関係は、そ
の織布における縦糸と横糸との関係におけるどの部分に
画像が転写されるとしても同一である。
【0028】しかしながら、図3の(ロ)に示すよう
に、その画像を構成する各原色点の中心が重ならず分離
している場合には、M色は縦糸のT1 方向への拡散が大
であり、また、C色にあっては横糸のT1 方向への拡散
が大となり、混色は不充分なものとなる。そのため、縦
糸はT1 方向において赤っぽく、横糸のT1 方向におい
て青っぽくなるようなニジミが生じ、混色が不充分とな
り、鮮明な転写画像にはならない。
【0029】本発明において「混色を形成する各色点の
中心がほぼ重なっている」状態として、混色を形成する
少なくとも2以上の各ドット領域が少なくとも各ドット
領域の半分以上の領域で相互に重なっていることが好ま
しい。これにより、混色を明瞭なものとでき、画像ニジ
ミを少なくすることができ、鮮明な中間色(混色)を再
現することができる。
【0030】また、ドットを形成するプリンターにおい
ては、画像の解像度も良好な画像を形成する上で重要な
要因であり、各ドット毎に階調を制御可能なプリンター
においては、解像度が100〜1200ドット/イン
チ、好ましくは200〜800ドット/インチとすると
よい。解像度が100ドット/インチ以下であると画像
中の細線の形成が困難であり、混色を形成する各ドット
領域の半分以下の領域で相互に重なっているとしても、
中間色の表現に著しい悪影響を与える。また、解像度が
1200ドット/インチ以上とすると画像特性としては
良好であるが、経済的でない。
【0031】最近、コンピュータグラフィック装置によ
り作製された画像データを記録信号として捺染画像を作
製することが行なわれ、モニター上の各色点が発する中
間色の表現と織布捺染画像転写用記録体における中間色
の表現が対応することが求められている。通常、モニタ
ー画面は色点の集合により表示された画像であるが、本
発明の織布捺染画像転写用記録体は、このような、モニ
ター面における色点に対応した画像を記録することを可
能とするので、モニター上の各色点が発する中間色を正
確に織布等に転写捺染することができる。なお、本発明
の織布捺染画像転写用記録体への記録に際して、プリン
ターへの記録信号としては、絵画、写真等のアナログ記
録に基づくものであってもよい。
【0032】本発明の織布捺染画像転写用記録体の作製
に好適なイオンプリンターについて説明する。イオンプ
リンターは、潜像を形成するにあたり、イオン流を制御
するための電極板間に印加する電圧を制御する電圧制
御、あるいは電極板間に印加する電圧パルスの時間を制
御するパルス幅制御により各ドットごとの階調制御を可
能としている。このため、イオンプリンターにおいて
は、各ドット毎にその単位面積当たりの電荷量、および
ドットの大きさが制御され、ハイライト部、中間調、シ
ャドウ部に対応する全潜像領域において非常に階調特性
が良い潜像の形成が可能である。
【0033】図4に、本発明の画像形成に好適なイオン
流による画像形成装置の一例を示す。画像形成装置1は
イオン流の照射を行う記録ヘッド2を有しており、誘電
体3を介して積層したライン電極4とフィンガー電極5
の間に印加した高周波電圧によってフィンガー電極の周
辺部に放電を起こし、正負のイオン6を発生し、フィン
ガー電極5と記録媒体7の間に形成した電界によってイ
オン流8が形成されて記録媒体上にイオンによる静電画
像を形成するものであり、記録媒体上に形成した静電画
像からフィンガー電極を孤立させるためにスクリーン電
極9に電圧を印加している。記録媒体7上に潜像として
形成された静電画像は、現像装置において現像するもの
である。
【0034】図5は記録ヘッドの一例を示す斜視図であ
る。ライン電極4、フィンガー電極5、および絶縁体1
0を介してスクリーン電極9が積層されており、スクリ
ーン電極に形成された穴11を通じてイオン流が流れる
ようになっている。これは、固体放電型ヘッドを示した
ものである。また、記録ヘッドにはフィンガー電極にイ
オン流制御のための電圧を各穴に加えるドライバー回路
を内蔵している。このドライバー回路は、各イオン流通
過孔にイオン流通過用電圧パルスを256段階のパルス
幅で与えることができ、これにより各ドット毎に256
段階の階調制御が実現される。イオン画像形成は、導電
層を有する誘電体に記録できる。
【0035】イオン流による画像の記録は、この他、図
6に示すコロトロン放電型ヘッドを用いることもでき
る。コロトロン放電型ヘッド12は金属容器13内に設
けた放電用電極14によってイオンを発生させ、誘電体
15の両面に設けたイオン流調整用電極16によって形
成すべき画像に応じて、イオン流8を調整している。
【0036】カラー画像は、C、M、Yあるいはこれに
Bkを加えた3色または4色の現像装置によって各色の
画像の形成を繰り返し行うことにより形成することがで
きる。このようなイオンプリンターとしては、例えばN
TT−AT(株)製「IP−1000」等が挙げられ
る。なお、本発明の織布捺染画像転写用記録体における
混色の形成には、例えばサ−マルヘッドを使用した記録
方法や電子写真方式による記録方法であっても、その原
色点に階調性があり、かつ、各原色点の位置合わせ精度
が高く、その原色点の重なりからなる混色点を本発明の
ごとくのものとできれば使用可能である。
【0037】次に、本発明の織布捺染画像転写用記録体
の構成について説明する。捺染画像が形成される記録体
シートとしては、イオンプリンターを用いて画像形成す
る場合には静電記録体が使用される。静電記録体として
は、導電性を有する基体上に誘電体層を積層した構成で
あるが、それらの層以外に、通常の静電記録体で設けら
れるような、表面の白色度、平滑性等の制御を目的とし
たマット層や、基体と誘電体層間には誘電体層を基体上
にコーティング等の方法で形成する際の導電層への悪影
響を防止することを目的とするバリヤー層を設けてもよ
い。また、昇華捺染に特有な染料拡散防止層や染料染着
防止層等を設けてもよい。
【0038】導電性を有する基体としては、紙、プラス
チックフイルム、布等に、塩化ナトリウムのような無機
塩、ボリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロラ
イド等のカチオン性高分子電解質、アニオン性高分子電
解質、界面活性剤等のイオン電導性物質、あるいは酸化
亜鉛、導電性処理した酸化亜鉛等の金属酸化物半導体粉
等の電子電導性物質を単独または混合して含浸または塗
布し、表面抵抗(25℃)を105 〜109 Ω/□とし
たものであり、昇華転写条件での加熱に対して熱収縮等
の問題が生じないものとすることが必要である。
【0039】誘電体層を形成する樹脂としては、優れた
耐熱性を有すると共に、転写温度において布地と融着作
用を有しない樹脂であれば、従来公知の誘電体樹脂を使
用することができ、例えばアクリル酸エステル樹脂、メ
タクリル酸エステル樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン
樹脂、スチレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂等の疎水性樹脂、アクリル酸樹脂、アクリ
ルアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール
樹脂、ゼラチン等の親水性樹脂、更に、多官能アクリレ
ート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレー
ト、エポキシアクリレート等からなる光架橋性樹脂、ま
た、フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン・ホルムア
ルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化
性樹脂が例示される。また、これらの樹脂の混合物、共
重合体等も使用できる。
【0040】アクリル樹脂としては、市販品である三菱
レイヨン(株)製「ダイヤナールBRレジン」、協和ガ
ス工業化学(株)製の「パラペット」「パラグラス」
「ユモグラス」、また、AS樹脂としては、日立化成工
業(株)製の「バイタックス」「バイフネン」、三井東
圧化学(株)製の「ライラックA」、三菱モンサント化
成工業(株)製の「サンレックス」、電気化学工業
(株)製の「デンカAS」、ポリスチレン樹脂として
は、出光石油化学(株)製「出光スチロール」、三井東
圧化学(株)製の「トーポレックス」、三菱モンサント
化成工業(株)製の「ユリメート」、電気化学工業
(株)製の「デンカスチロール」、ポリカーボネート樹
脂としては、出光石油化学(株)製「タフロン」、帝人
化成(株)製の「パンライト」等が例示され、なかで
も、三菱レイヨン(株)製「ダイヤナールBRレジン」
シリーズにおけるBR−83、85、88、100、1
01等のアクリル樹脂は画像カブリが少なく、とりわけ
BR−101を使用すると静電記録体上における画像定
着性に優れ、良好な誘電体層材料である。
【0041】誘電体樹脂は、溶剤として、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、
酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール類等の溶剤、またはこれ
らの混合溶剤を使用し、分散装置としては、ロールミ
ル、サンドミル、超音波分散機、ハイスピードミキサー
等、また、混練機としては間隙透過型であるロールミ
ル、コロイドミル等、媒体混練型であるサンドミル、ア
トライター、ボールミル等、空間移動攪拌混練型として
はバンバリーミキサー、インターナルミキサー等、その
他、振動ミル、フラッシャー、ケディーミル、マイクロ
フローミル、パールミル等を使用し、必要に応じて微粒
子を混合し、固形分濃度5重量%〜50重量%、好まし
くは8重量%〜40重量%の塗布液とするとよい。固形
分濃度が低いと分散不良を生じ、また、高いと粘度上昇
によりコーティングが困難となる。また、誘電体樹脂を
水系エマルジョンの形態で塗布してもよい。
【0042】得られた塗布液は、エアナイフコーター、
ロールコーター、ブレードコーター等の塗布機を使用
し、導電性を有する基紙上に塗布し、乾燥後の塗布量を
0.5g/m2 〜30g/m2 、好ましくは1g/m2
〜10g/m2 とするとよい。塗布量が0.5g/m2
未満では捺染後布地に形成されたグラディエーション画
像における高濃度部画像の濃度が不足する傾向にある。
また、30g/m2 をこえると捺染後布地に形成された
グラディエーション画像における階調特性が劣化する傾
向にあるので好ましくない。
【0043】マット層としては、誘電体層表面の粗面化
を目的として、以下のような微粒子を添加した樹脂層を
誘電体層として、又はそれ以外の層として設けてもよ
い。微粒子としては、例えばシリカ、酸化チタン、炭酸
カルシウム、タルク、カオリナイト、雲母等の無機微粒
子、アクリロニトリルポリマー、アクリル酸エステルポ
リマー、スチレンポリマー等の疎水性樹脂ビーズ、ポリ
アクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリビ
ニルアルコール、ゼラチン等の親水性樹脂ビーズ、熱硬
化性樹脂等が挙げられ、微粉砕された状態で、また、エ
マルジョンの状態で使用され、単独で又は混合して使用
される。微粒子は粗面化以外を目的とした微粒子を使用
してもよく、例えば高濃度化を目的として小粒径物を使
用してもよい。また、小粒径物と大粒径物を混合して使
用してもよく、小粒径物としては平均粒径が数nm〜5
00nmのもの、大粒径物としては平均粒径が100n
m〜2000nmのものが使用される。
【0044】なお、誘電体層表面の粗面化するために、
微粒子として大粒径物を含有させて粗面化させるが、小
粒径物のみを使用して誘電体層とし、得られた誘電体層
表面をマット化処理してもよい。このようなマット化処
理方法としては、すりガラス、エンボス版、ホログラフ
用版等の表面に凹凸形状を有するものを誘電体層表面に
重ね、その凹凸形状を転写して誘電体層表面の粗面化し
てもよい。微粒子分散層を樹脂層上に設けることで地カ
ブリ等の画像劣化が生じる場合には、逆に、微粒子分散
層上に樹脂層を設けてもよい。また、逆に表面の平滑度
を上げるために、表面をカレンダー処理してもよい。こ
のようなマット層の構成は、誘電体層として使用するこ
とができ、また、導電処理して導電層として使用しても
よい。
【0045】染料拡散防止層は、誘電体層もしくはマッ
ト層表面に設けられるか、もしくは、これらの層を兼ね
てもよく、捺染時に染料が静電記録体内に拡散するのを
防止するために設けられる。染料拡散防止層は、例えば
親水性樹脂や架橋性硬化樹脂を使用して層形成される。
【0046】親水性樹脂としては、天然高分子及びその
誘導体が使用でき、蛋白質類、即ちゼラチン、アクリル
酸メチルグラフトゼラチン、メタクリル酸メチルグラフ
トゼラチン、アクリル酸エチルグラフト化ゼラチン、メ
タクリル酸エチルグラフト化ゼラチン、アクリル酸ブチ
ルグラフト化ゼラチン、メタクリル酸ブチルグラフト化
ゼラチン、ゼラチンナイトレート、カゼイン、大豆蛋
白、酵母蛋白、バクテリア蛋白等、澱粉類、即ち生澱
粉、α−澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化
澱粉、性澱粉、デキストリン等、セルロース誘導体、即
ちメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、ニトロセルロース等、ガム類、即ち、
アラビアガム、グアガム、ローカストビーンガム等が挙
げられる。また、合成高分子である水酸基を有する樹脂
として、アクリル樹脂ではポリアクリル酸ヒドロキシエ
チル、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル、ポリビニル
アルコール等、カルボキシル基を有する樹脂として、ア
クリル樹脂ではポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等、
アミド基を有する樹脂としてアクリルアミド樹脂ではポ
リ(アクリルアミド)、ポリ(イソプロピルアミド)
等、また、ポリアミド等が挙げられる。また、これらの
樹脂を構成するモノマーと他の樹脂モノマーとの共重合
樹脂が挙げられる。更にこれらの樹脂を混合して使用す
ることもできる。
【0047】好ましい樹脂としては、ゼラチン、ケン化
度の高いポリビニルアルコール、アクリル酸、ポリアミ
ド等が挙げられる。耐湿性向上のために、グリオキサー
ルのごとき架橋剤を用いて架橋してもよい。
【0048】また、架橋性硬化樹脂層としては、活性光
線、例えば電子線、可視光、紫外光、赤外光、X線、レ
ーザー光等による光重合により架橋重合した硬化樹脂か
らなり、例えば、多官能性アクリレート、ウレタンアク
リレート、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリ
レート等の単量体、オリゴマー等を単独で、または混合
して、架橋剤、光開始剤の存在又は不存在下で光重合さ
せて形成されるものである。また、熱重合により架橋重
合した硬化樹脂層としてもよく、例えばフェノール樹
脂、フラン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、尿
素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂の単独、または混
合樹脂層が例示される。
【0049】また、染料拡散防止層は、織布上の画像濃
度向上を目的とし、誘電体層としての機能をも同時に示
すものである。
【0050】静電記録体における表面は、ベック平滑度
が10秒〜2000秒、好ましくは20秒〜1500
秒、更に好ましくは50秒〜500秒であり、また、表
面粗さRZ(十点平均粗さJIS−B0601)は10
0nm〜10μm、好ましくは500nm〜5000n
m、更に好ましくは1000nm〜2500nmであ
る。
【0051】また、本発明における静電記録体として
は、基体として、従来の静電プロッター用静電記録紙
(紙上に粒径が1μm〜20μmの微粒子を分散させる
か又は未分散の誘電体層を形成したもの)を使用し、上
述の各種の層を積層した構造としてもよい。例えば従来
の静電プロッター用静電記録紙上に誘電層としても機能
とする染料染着防止層を積層するとカブリが少なく、定
着性に優れた静電記録体とすることができる。
【0052】このような従来の静電プロッター用静電記
録紙としては、例えば桜井社製「スレバ−S544C
O、スレバ−S536CO、スレバ−S636CO、S
−542CO、S−624CO、S−642CO、S−
524CO等が挙げられる。
【0053】染料染着防止層としては、従来公知の誘電
体樹脂の中でも、染料染着性の低い、アクリル酸エステ
ル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ブチラール樹脂、
アクリロニトリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、及びそ
れらの各種共重合体及び混合物等が挙げられる。アクリ
ル樹脂としては、三菱レイヨン(株)製「ダイヤナール
BRレジン」中でも「BR−83、BR−85、BR−
88、BR−100、BR−101」等のアクリル樹脂
が挙げられる。
【0054】染料染着防止層の塗布量としては、下地と
なる誘電体層の膜厚、静電容量等により相違はあるが、
通常、0.01g/m2 〜20g/m2 、好ましくは
0.01g/m2 〜10g/m2 とするとよい。0.0
1g/m2 未満であると、昇華染料染着防止効果が不充
分であり、捺染後の布上の画像濃度が不足する傾向があ
る。また、塗布量が20g/m2 を越えるとグラディエ
ーション画像における階調特性が劣化する傾向にあるの
で好ましくない。なお、染料染着防止層の粗面化に関し
ては、通常の誘電体層と同じである。
【0055】上記の誘電体層や昇華染料拡散防止層に
は、必要に応じ分散剤、消泡剤、レベリング剤、ブロッ
キング防止剤、粘度調整剤等を添加してもよい。
【0056】このようにして形成される静電記録体は、
必要に応じて調湿処理することも可能である。また、誘
電体層表面における表面抵抗値は、ASTM D257
で規定する電気抵抗値で、1×1012Ω・cm〜1×1
17Ω・cm(湿度65%、25℃)のものとされる。
【0057】次に、静電潜像の現像に使用される湿式現
像剤について説明する。湿式現像剤は、絶縁性液体中に
着色剤、定着用樹脂、電荷制御剤を分散したものであ
り、必要に応じて分散安定剤、帯電特性改善用樹脂、色
重ね向上剤等が添加される。
【0058】着色剤としては熱移行性染料であり、熱に
より拡散、溶融、もしくは昇華して捺染画像転写用記録
体より織布へ移行する染料である。このような染料とし
ては特に分散染料が好ましく用いられ、約150〜55
0程度の分子量を有するものであり、昇華あるいは溶融
温度、色相、耐光性、樹脂、現像剤中での溶解性などを
考慮して選択される。
【0059】例えばジアリールメタン系、トリアリール
メタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメチン系、キ
サンチン系、オキサジン系、アゾおよびアゾ系誘導体、
アントラキノン誘導体、キノフタロン誘導体、スピロジ
ピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオラン系、
ローダミンラクタム系の染料が好適に用いられる。
【0060】具体的には、カラーインデックスで示す
C.I.ディスパースイエロー51、3、54、79、
60、23、7、141、 C.I.ディスパースブル
ー24、56、14、301、334、165、19、
72、87、287、154、26、359 C.I.
ディスパースレッド135、146、59、1、73、
60、167 C.I.ディスパースバイオレット4、
13、26、36、56、31 C.I.ソルベントバ
イオレット13 C.I.ソルベントブラック3C.
I.ソルベントグリーン3 C.I.ソルベントイエロ
ー56、14、16、29、105 C.I.ソルベン
トブルー70、35、63、36、50、49、11
1、105、97、11C.I.ソルベントレッド13
5、81、18、25、19、23、24、143、1
46、182などが例示される。
【0061】また、3、3−ジエチルオキサシアニンア
イオダイド、アストラゾンピンクFG(バイエル社製、
C.I.48015)、2,2−カルボシアニン(C.
I.808)、アストラフイロキシンFF(C.I.1
48070)、アストラゾンイエロー7GLL(C.
I.ベーシックイエロー21)、アイゼンカロチンイエ
ロー3GLH(保土谷化学製、C.I.48055)、
アイゼンカロチンレッド6BH(C.I.4802
0)、等のモノメチン系、ジメチン系またはトリメチン
系等のメチン(シアニン)系塩基性染料、オーラミン
(C.I.655)等のごときジフェニルメタン系塩基
性染料、マラカイトグリーン(C.I.42000)、
ブリリアントグリーン(C.I.42040)、マゼン
タ(C.I.42510)、メチルバイオレット(C.
I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.
42555)、メチルグリーン(C.I.684)、ビ
クトリアルブルーB(C.I.44045)等のトリフ
ェニルメタン系塩基性染料、ピロニンG(C.I.73
9)、ローダミンB(C.I.45170)、ローダミ
ン6G(C.I.45160)等のキサンテン系塩基性
染料、アクリジンイエローG(C.I.785)、レオ
ニンAL(C.I.46075)、ベンゾフラビン
(C.I.791)、アフィン(C.I.46045)
等のアクリジン系塩基性染料、ニュートラルレッド
(C.I.50040)、アストラゾンブルーBGE/
X125%(C.I.51005)、メチレンブルー
(C.I.52015)等のキノンイミン系塩基性染
料、その他第4級アミンをもったアントラキノン系塩基
性染料等の塩基性染料類があげられる。
【0062】これらの染料は、そのままの状態で、或い
はこれらの染料をアルカリ処理した形態で用いることが
でき、またこれらの染料の対イオン交換体あるいはロイ
コ体も用いることができる。常態では無色あるいは淡色
であるロイコ染料等を使用する場合は、静電記録体側に
顕色剤を包含させておけばよい。
【0063】また、これらの分散染料は1成分のみで用
いるのではなく、2種以上を混合した場合でも用いられ
る。とくに混合、溶融された場合、両者がどの様な混合
体を形成するかによっても熱的挙動は大きく異なり、こ
れに伴って蒸気圧も組成比によって特有な変化をするの
で、融点温度に低下を起こす場合、活性化エネルギーも
小さくてすみ昇華感度向上を可能とする。
【0064】着色剤の湿式現像剤中における含有量は、
0.1重量%〜5重量%である。
【0065】定着用樹脂は、昇華熱転写条件において溶
融しないかもしくは溶融しても転写布に対して樹脂自体
が転写することないような樹脂であれば、一般に湿式現
像剤に使用されるものが使用できる。例えば、アイソパ
ーG(エクソン社製)のような高絶縁性液体に対してあ
る程度の溶解性を持つものを使用する方が転写用記録体
に対して良好な定着性を持つ。さらに色材である染料に
対する着色能が低く、ポリエステル繊維等への転写阻害
を引き起こさないようなものが選ばれる。
【0066】具体的には、湿式現像剤の帯電特性を制御
するのに有効なモノマーと、電気絶縁性液体への溶解
性、分散性を制御するのに有効なモノマーからなる共重
合樹脂が挙げられる。特に、その樹脂が(メタ)アクリ
ル系モノマー(ただし、この表現は、アクリル、メタク
リルの両者を表現するものであり、以下の(メタ)アク
リルも同様である)を含有するビニルモノマー混合物を
共重合して得られる樹脂である。具体的には、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの短鎖メ
チレン鎖を有する(メタ)アクリル酸エステルなどであ
り、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メ
タ)アクリル酸ジエチルアミノエチルのような窒素含有
アクリル酸エステルであり、アクリルアミド、イソプロ
ピルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、N
−アリルアクリルアミド、N−ジアセトンアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミドのようなアクリル
アミド誘導体であり、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロ
キシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジル、
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、スチレン、メチル
スチレン、酢酸ビニルのようなモノマーが挙げられる。
特に好ましくは、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、メチ
ルスチレン、酢酸ビニルが挙げられる。特に、電気絶縁
性液体への溶解性、分散性を調整するのに有効なビニル
モノマーとしては、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリ
ル酸ステアリルのような長鎖メチレン鎖を有する(メ
タ)アクリル酸エステルが挙げられる。とくに好ましく
は、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルである。
【0067】また、共重合樹脂は、これらの帯電特性を
制御するのに好適なモノマーと、電気絶縁性液体への溶
解性、分散性を調整するのに有効なモノマーのそれぞれ
を少なくとも1種を共重合して得られるが、両者の共重
合比は、帯電特性を調整するモノマーが窒素を含有して
いない場合には、5〜70重量%が好ましく、10〜5
0重量%がさらに好ましい。また、窒素を含有している
場合には、2〜40重量%が好ましく、5〜15重量%
がさらに好ましい。これより少ない場合には、帯電特性
が十分に得られず、これより多い場合には、湿式現像剤
の凝集、画像濃度の低下がおこる。
【0068】共重合樹脂の好ましい分子量は、GPC測
定による重量平均分子量は、ポリスチレン換算で数万〜
数十万程度である。さらに好ましくは、例えばメタクリ
ル酸−2−エチルヘキシル/メタクリル酸メチル共重合
樹脂において10万〜20万である。分子量がこれより
大きい場合には地汚れが発生しやすく、分子量がこれよ
り小さい場合には、画像濃度の低下、画像流れが発生し
やすい。
【0069】定着用樹脂の湿式現像剤中における含有量
は、0.05重量%〜5重量%である。
【0070】電荷制御剤としては、昇華熱転写条件にお
いて分解し人体に害を与えることのない電荷制御剤であ
れば、湿式現像剤に使用されるものが使用できる。例え
ば、ジアルキルスルホコハク酸金属塩、ナフテン酸マン
ガン、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸ジルコニウ
ム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉄、ナフテン酸
鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸クロム、ナフテン
酸亜鉛、ナフテン酸マグネシウム、オクチル酸マンガ
ン、オクチル酸カルシウム、オクチル酸ジルコニウム、
オクチル酸鉄、オクチル酸鉛、オクチル酸コバルト、オ
クチル酸クロム、オクチル酸亜鉛、オクチル酸マグネシ
ウム、ドデシル酸マンガン、ドデシル酸カルシウム、ド
デシル酸ジルコニウム、ドデシル酸鉄、ドデシル酸鉛、
ドデシル酸コバルト、ドデシル酸ニッケル、ドデシル酸
クロム、ドデシル酸亜鉛、ドデシル酸マグネシウム等の
金属石鹸、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸バリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸
塩、レシチン、セハリン等の燐脂質、n−デシルアミン
等の有機アミン類等が挙げられる。好ましくは、ナフテ
ン酸、オクチル酸の金属塩が挙げられ、特に好ましく
は、ナフテン酸ジルコニウムである。
【0071】湿式現像剤中に添加する電荷制御剤の濃度
は、添加する材料等によっても影響を受けるが、通常電
荷制御剤濃度と画像特性には次の表に示すような関係が
ある。
【0072】
【表1】
【0073】表1に示すように、電荷制御剤量が少なす
ぎると画像流れ、ざらつき等の画像劣化がおこり、意匠
性に優れた画像を得ることはできない。逆に電荷制御剤
量が多過ぎるときには、画像濃度の低下等の画像不良が
発生する。
【0074】また、先に現像された湿式現像剤中の電荷
制御剤の濃度が後に現像される湿式現像剤の重ね特性に
著しい影響を与える。マゼンタ色の湿式現像剤における
電荷制御剤の濃度は、0.002重量%〜0.10重量
%、シアン色の湿式現像剤における電荷制御剤の濃度
は、マゼンタ色の現像剤中の電荷制御剤濃度より大き
く、かつ0.004重量%より大きく、0.12重量%
より小さくするとよく、更に、イエロー色にあってはシ
アン色の現像剤中の電荷制御剤濃度より大きく、かつ
0.001重量%より大きく、0.28重量%より小さ
くするとよい。したがって、フルカラー画像形成のため
にはこれらの単色画像の特性に留意しながら、更に色重
ね特性が良好で色再現性に優れたトナーの組み合わせが
必要となる。
【0075】また、ハイライト部で十分に重ね特性に優
れ、色再現性に優れた画像を得るためには、その現像剤
の現像順序も影響を及ぼす。例えば、3色の湿式現像剤
を用いて、カラー画像を形成するために最適な現像順序
は、それらの現像剤中に含有されている染料特性により
影響され、本発明では、第1色目にマゼンタ、第2色目
にシアン、第3色目にイエローを現像することにより良
好な画像が得られた。
【0076】電気絶縁性液体としては、炭化水素系の高
絶縁性液体が使用でき、例えばn−パラフィン系炭化水
素、iso−パラフィン系炭化水素、またはその混合
物、ハロゲン化脂肪族炭化水素等が挙げられる。特に好
ましくは分岐鎖脂肪族炭化水素であり、例えばエクソン
社製のアイソパーG、アイソパーH、アイソパーK、ア
イソパーL、アイソパーM、アイソパーV等を使用する
ことが好ましい。これらの液状の脂肪族炭化水素は、電
気絶縁性液体であって1010Ω・cm以上の体積抵抗を
有し、湿式トナーにおける電気絶縁性を高めることを目
的として使用されるものであり、また湿式トナー成分に
対する溶解力が比較的小さいことが要求され、これによ
り湿式トナーの劣化が防止される。
【0077】帯電特性改善用樹脂としては、その樹脂を
定着剤として使用した際には帯電量が大きくなりすぎて
画像濃度の低下を引き起こすような樹脂が使用可能であ
る。具体的には、帯電特性を調整するのに有効なモノマ
ーと湿式現像剤の電気絶縁性液体への溶解性、分散性を
調整するのに有効なモノマーからなる共重合樹脂が挙げ
られ、とくにその樹脂が塩基性基を有するビニルモノマ
ーを含有するビニルモノマー混合物を共重合して得られ
る樹脂である。
【0078】帯電特性を制御するのに特に良好な塩基性
基を有するビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル
酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチル
アミノエチルのような窒素含有アクリル酸エステル、ア
クリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、メチレン
ビスアクリルアミド、N−アリルアクリルアミド、N−
ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミドのようなアクリルアミド誘導体等のモノマーが挙
げられる。電気絶縁性液体への溶解性、分散性を制御す
るのに有効なビニルモノマーとしては、(メタ)アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリ
ル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の長鎖メチレン基
を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
【0079】樹脂の好ましい共重合比は、塩基性基を有
するビニルモノマーの含有率が5〜40重量%が好まし
く、10〜20重量%がさらに好ましい。これより少な
い場合には、帯電特性改善用樹脂としての特性は十分に
は得られず、これより多い場合には湿式現像剤の凝集、
画像濃度の低下が生じる。帯電特性改善用樹脂として使
用される樹脂において、好ましい分子量はGPC測定に
よる重量平均分子量はスチレン換算で数千〜数十万であ
る。帯電特性改善用樹脂の含有量は、湿式現像剤に含有
される電荷制御剤の1〜1000重量%が好ましい。特
に好ましくは、10〜100重量%である。これよりも
少ない場合は、帯電特性に改善の効果が小さく、これよ
りも多い場合は、画像濃度の低下を生じる。
【0080】また、湿式現像剤中には、カラー画像を形
成する場合に、2色目以降に使用される現像剤の重なり
を向上させる重ね向上剤が使用される。重ね向上剤は、
先に現像される湿式現像剤中に添加しても、あるいは後
の現像に使用される現像剤中に添加することも可能であ
り、後の現像に使用される現像剤中に添加する方が良
い。色重ね向上剤としては、ナフテン酸マグネシウム、
ナフテン酸銅、ナフテン酸鉄、オクチル酸ジルコニウ
ム、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸
マンガン、オクチル酸鉛、オクチル酸鉄が挙げられ、オ
クチル酸マンガンが好ましい。
【0081】添加される色重ね向上剤の量は、湿式現像
剤に帯電特性の調整の目的で加えられる電荷制御剤の量
に対して、1〜500重量%であり、さらに好ましくは
10〜100重量%である。この量よりも少ない場合に
は、2次色の重ね向上の効果が小さく、この量よりも多
い場合には、色重ね向上剤が現像剤の帯電特性に悪影響
を及ぼし1次色から形成される画像の特性にも悪影響を
及ぼす。
【0082】現像はローラ現像方式、スリット現像方式
などで行うことができる。
【0083】以上、捺染画像転写用記録体の作製方法と
して、イオンプリンターと静電記録体を使用する方法を
説明したが、イオンプリンターを使用して直接、静電記
録上に記録する場合の他に、まず、イオンプリンターを
使用して誘電体上に静電潜像を形成して現像した後、そ
の画像を耐熱性を有する画像記録体に順次、もしくは一
括して転写することで、織布捺染画像転写用記録体を作
製することも可能である。また、イオンプリンターを使
用して誘電体上に静電潜像を形成した後、その静電潜像
を静電記録体上に転写し、これを現像して捺染画像転写
用記録体としてもよい。
【0084】また、記録方式として電子写真方式と静電
記録体を採用する場合、記録光(例えばレーザー光)の
照射量を記録光強度、照射時間を制御して各色点毎に静
電潜像のサイズならびに電荷量を制御し、かつ位置合わ
せ精度を厳密にして記録することによっても、本発明の
捺染画像転写用記録体を作製することができる。次に、
本発明の織布への捺染画像転写方法について説明する。
【0085】本発明の織布捺染画像転写用記録体を使用
して捺染される織布としては、織布捺染画像転写用記録
体における熱移行性染料が加熱転写により織布を形成す
る繊維中に拡散転写されるものであればよく、例えばポ
リアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリ尿
素系等の重縮合系合成繊維や、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン系、また、ポリスチレン系、
ポリ塩化ビニル系、ポリアクリロニトリル系、ポリビニ
ルアルコール系、ポリシアン化ビニリデン系、ポリフッ
化エチレン系等の高重合系合成繊維、セルロース繊維等
が挙げられる。熱移行性の染料として分散染料を使用す
る場合には、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリア
クリロニトリル系合成繊維が特に好ましい。
【0086】また、混紡と呼ばれるような2種以上の異
種繊維を混合して紡織されたポリエステル−羊毛、ポリ
エステル−アクリロニトリル、ポリエステル−木綿、ポ
リエステル−ポリウレタン−羊毛のような合成繊維であ
ってもよい。さらに、縦糸と横糸を異なる繊維とした、
例えばポリエステル(縦糸)−羊毛(横糸)やポリエス
テル(縦糸)−木綿(横糸)等の織布であってもよい。
【0087】織布捺染画像転写用記録体を使用して、織
布に画像を転写捺染するには、熱移行性染料の転写温
度、時間等を適宜設定した熱プレート等を使用して行う
とよい。また、画像を形成した織布捺染画像転写用記録
体は、複数枚以上の織布への転写捺染にも使用される。
複数枚以上の織布への転写捺染に際しては、織布捺染画
像転写用記録体における色点走査方向(主走査方向また
は副走査方向)と織布における織り方向との関係を変え
ないで加熱転写するとよい。色点走査方向と織布におけ
る織り方向との関係、例えば角度等を変化させて転写捺
染すると、色ニジミ等の発生はないにしても、細線等の
再現性に相違が生じ、製品としての均一な捺染ができ
ず、品質上問題が生じる。
【0088】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的
に説明する。なお、「部」および「%」はそれぞれ、
「重量部」、「重量%」を示す。
【0089】(実施例) (1)静電記録紙の作製 秤量55g/m2 の上質紙に4級アンモニウム含有導電
性樹脂(三洋化成社製ケミスタット6300)をグラビ
アコーターを用いてグラビアリバース法によって、表面
に乾燥重量が3g/m2 、裏面に乾燥重量が2g/m2
となるようにそれぞれ塗布し、導電層被覆紙を作製し
た。
【0090】次いで、この導電層被覆紙表面に、下記組
成の塗布液を乾燥重量が5g/m2となるようにグラビ
アコーターを用いてグラビアリバース法によって塗布
し、誘電体層を形成して静電記録紙を作製した。 メタクリル酸メチル樹脂(重量平均分子量30万) 16部 トルエン 34部 メチルエチルケトン 34部 炭酸カルシウム 16部。
【0091】(2)湿式現像剤 (マスタートナーの作製) (マゼンタ)混合用容器中に下記処方の分散染料、樹
脂、電荷制御剤、溶剤および分散用ガラスビーズを80
g入れ、分散機(レッドデビル社製 RC−500)で
16時間分散させてマゼンタ用湿式現像剤のマスタート
ナーを得た。 染料(Disperse Red 60) 4部 樹脂(メタクリル酸−2−エチルヘキシル/ 8部 メタクリル酸メチル=85/15共重合樹脂) (重量平均分子量17万:GPC測定にて) 電荷制御剤(ナフテン酸ジルコニウム含有量が40重量%の ミネラルスピリット溶液ジルコニウム含有量4%)0.5部 溶剤(アイソパーG:エクソン社製) 52部 帯電特性改善用樹脂(メタクリル酸−2−エチルヘキシル/メタクリル酸ジメ チルアミノエチル=90/10共重合樹脂) 0.04部 (重量平均分子量1万:GPC測定にて) 。
【0092】(シアン)下記処方の分散染料、樹脂、電
荷制御剤、溶剤を用いてマゼンタ用マスタートナーと同
様にしてシアン用湿式現在剤のマスタートナーを得た。 染料(Disperse blue 359) 4部 樹脂(メタクリル酸−2−エチルヘキシル/ 8部 メタクリル酸メチル=85/15共重合樹脂) 電荷制御剤(ナフテン酸ジルコニウム含有量が40重量%の ミネラルスピリット溶液ジルコニウム含有量4%) 1部 溶剤(アイソパーG:エクソン社製) 52部。
【0093】(イエロー)下記処方の分散染料、樹脂、
電荷制御剤、溶剤を用いてマゼンタ用マスタートナーと
同様にしてイエロー用湿式現像剤のマスタートナーを得
た。 染料(Solvent Yellow 105) 4部 樹脂(メタクリル酸−2−エチルヘキシル/ メタクリル酸メチル=85/15共重合樹脂) 8部 電荷制御剤(ナフテン酸ジルコニウム含有量が40重量%の ミネラルスピリット溶液ジルコニウム含有量4%) 1.5部 溶剤(アイソパーG:エクソン社製) 52部 色重ね向上剤(オクチル酸マンガン含有量が55%の ミネラルスピリット溶液マンガン含有量8%) 0.75部。
【0094】各色のマスタートナー9部を150部のア
イソパーGで希釈してマゼンタ、シアンおよびイエロー
の3色の昇華捺染用湿式現像剤を作製した。
【0095】(湿式現像剤の帯電量の測定)電流値測定
用セルに、縦45mm、横50mmの電極板を間隔10
mmとして、電極板間に湿式現像剤を満たし、両電極間
に高電圧発生装置(KEITHLEY社製:Model
237)から1000Vの電圧を印加し、流れる電流を
60秒間測定した。
【0096】電流値(I(t))の積分値として電荷量
0 を算出した。このQ0 と60秒後の電流値(I(6
0))から、次式により電荷量Qtを算出した。 Qt=Q0−I(60)×60 一方、トナーの付着した電極板を電流値測定用セルより
引き出し、乾燥後、電極板上のトナー付着量(M)を測
定した。この付着量とQt よりトナー比電荷(Q/m)
を次式により算出した。 Q/m=Qt/M 湿式現像剤の帯電特性は、いずれも正極性を示し、その
帯電特性は次のとおりであった。
【0097】 I(0)(nA) I(60)(nA) Q/m(μC/g) マゼンタ 256 66 125 シアン 986 180 395 イエロー 623 246 532 。
【0098】(3)画像作製、現像 得られた静電記録紙および湿式現像剤を使用し、コンピ
ュターグラフィック装置{ Macintosh上の画像処理ソフ
ト「 Photoshop TM (Adope社製) }を用いて作製された
画像データを、256階調の階調制御能を有するイオン
プリンター(解像度300ドット/インチ、NTT
(株)製IP−1000)にて最大出力より16階調お
きで、16段階の画像出力を行った。
【0099】マクベス反射濃度計(RD918)にて画
像濃度を測定した。各色の最高濃度はマゼンタ1.2
5、シアン1.32、イエロー1.32であった。この
際、コンピュターグラフィック装置におけるモニター画
面の横方向をイオンプリンターにおける主走査方向に、
また、モニター画面の縦方向をイオンプリンターにおけ
る副走査方向に一致させた。また、本装置は、カラー画
像形成時の位置合わせを目的としたレジストレーション
マークをブラックトナーで形成後、このレジストレーシ
ョンマークをセンサーで検出することにより、位置合わ
せを良好なものとした。これにより、潜像の記録及び現
像を繰り返す際にも、混色を形成する色点の中心がほぼ
一致した画像が形成できた。
【0100】(4) 熱転写 捺染画像転写用記録体の画像が記録された面側に、ポリ
エステル繊維布地(ライトエース;東レ製)を、画像に
おける主走査方向を布地における横糸、副走査方向を縦
糸方向として重ね、熱転写機(羽島社製 HP−54
A)を使用して、200℃、30秒間加熱し、織布にフ
ルカラーの階調パターンの捺染画像を作製した。
【0101】得られた織布上の画像のOD値は、マクベ
ス反射濃度計(RD918)にて測定した。マゼンタ
1.47、シアン1.44、イエロー1.50であっ
た。得られた画像を25倍ルーペで観察したところ、中
間色の表現において画像ニジミが非常に少なく、また、
画像流れもなく、ザラツキ、地かぶりも無い良好な画像
であり、ハイライト画像も良好であった。
【0102】また、同じ絵柄の織布捺染画像転写用記録
体を数枚出力し、転写時に、画像の主走査方向と織布の
横糸方向との関係を変えないで繰り返し捺染した。細線
(170μm径)の再現性は良好であった。
【0103】また、同一の織布捺染画像転写用記録体を
使用して、複数枚の織布に転写捺染をする際に、画像の
主走査方向と織布の横糸方向との関係を変えないで繰り
返し捺染した。細線(170μm径)の再現性は良好で
あった。
【0104】(比較例)実施例1におけるイオンプリン
ターに代えて、静電プロッター(エヌエス・カルカルコ
ング社製、Juana テキスタイル・プリンティングシステ
ム)を使用し、実施例1同様に熱転写し、捺染画像を作
製した。
【0105】得られた画像を25倍ルーペで観察したと
ころ、中間色の表現において画像ニジミがみられた。
【0106】また、同じ絵柄の織布捺染画像転写用記録
体を数枚出力し、転写時に、画像の主走査方向と織布の
横糸方向とをずらして繰り返し捺染した。細線(180
μm径)の繰り返し再現性は不充分であった。
【0107】また、同一の織布捺染画像転写用記録体を
使用して、複数枚の織布に転写捺染をする際に、画像の
主走査方向と織布の横糸方向とをずらして繰り返し捺染
した。細線(180μm径)の再現性は不充分であっ
た。
【0108】
【発明の効果】本発明の捺染画像転写用記録体は、布へ
の捺染画像転写に際して、色ニジミのない鮮明な中間色
(混色)を再生できるものであり、また、コンピュータ
グラフィック装置におけるモニター画面で作製された画
質に対応した画質を再生することができ、更に、色ニジ
ミのない鮮明な中間色(混色)を再生できる共に、繰り
返し捺染した際の細線の再現性に優れるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の織布捺染画像転写用記録体
における画像の形成状態の一例を説明するための平面模
式図である。
【図2】 図2は、図1におけるA1 −B1 、A2 −B
2 、A3 −B3 でのマゼンタ(M)とシアン(C)の主
走査方向における画像濃度分布を説明するための模式図
である。
【図3】 図3は、捺染により織布に転写される際の各
原色点の染料拡散の状態を説明する図である。
【図4】 図4は、本発明の画像形成に好適なイオン流
による画像形成装置の一例を示す図である。
【図5】 図5は、記録ヘッドの一例を示す斜視図であ
る。
【図6】 図6は、記録ヘッドの他の例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…記録ヘッド、3…誘電体、4…
ライン電極、5…フィンガー電極、6…イオン、7…記
録媒体、8…イオン流、9…スクリーン電極、10…絶
縁体、11…穴、12…コロトロン放電型ヘッド、13
…金属容器、14…放電用電極、15…誘電体、16…
イオン流調整用電極、20…縦糸、30…横糸、21…
本発明における色点、31…各原色点における色点中心
が重ならないで中間色を出す場合の色点群で31′は原
色点M、31″は原色点C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録体シート上に多数の色点が配置され
    ることにより形成された画像を有し、前記多数の色点
    が、熱移行性染料であるY、M、C、又はBkの色相か
    らなる原色点および該原色点の少なくとも2つ以上の重
    なりにより形成される混色点からなり、かつ、該混色点
    が、それを構成する各原色点における色点中心をほぼ重
    ねて形成されたものであることを特徴とする織布捺染画
    像転写用記録体。
  2. 【請求項2】 記録体シートが静電記録体シートであ
    り、また、画像が静電記録体シート上にイオンプリンタ
    ーにおける単位面積あたりのイオン流量を制御して形成
    された静電潜像を熱移行性染料からなる湿式現像剤を使
    用して現像されたものであることを特徴とする請求項1
    記載の織布捺染画像転写用記録体。
  3. 【請求項3】 画像が、コンピュータグラフィック装置
    上の画像データに基づいてイオンプリンターにより単位
    面積当たりのイオン流量を制御して出力される信号に基
    づいて形成されたものであることを特徴とする請求項
    1、又は請求項2記載の織布捺染画像転写用記録体。
  4. 【請求項4】 記録体シート上に多数の色点が配置され
    ることにより形成された画像を有し、前記多数の色点
    が、熱移行性染料であるY、M、C、又はBkの色相か
    らなる原色点および該原色点の少なくとも2つ以上の重
    なりにより形成される混色点からなり、かつ、該混色点
    が、それを構成する各原色点における色点中心をほぼ重
    ねて形成された織布捺染画像転写用記録体と、織布とを
    重ね合わせ、画像を織布に加熱転写することを特徴とす
    る織布への捺染画像転写方法。
  5. 【請求項5】 織布捺染画像転写用記録体における画像
    を複数枚以上の織布に繰り返し加熱転写し、同一の捺染
    画像を複数枚以上の織布に形成するに際して、織布捺染
    画像転写用記録体における色点走査方向と織布における
    織り方向との関係を変えないで加熱転写することを特徴
    とする請求項4記載の織布への捺染画像転写方法。
JP25533997A 1997-09-19 1997-09-19 織布捺染画像転写用記録体及び織布への捺染画像転写方法 Withdrawn JPH1191231A (ja)

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