JPH1190324A - クリア塗装後に黒色光沢を呈するアルミニウム又はアルミニウム合金板及びその製造方法 - Google Patents

クリア塗装後に黒色光沢を呈するアルミニウム又はアルミニウム合金板及びその製造方法

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JPH1190324A
JPH1190324A JP25980597A JP25980597A JPH1190324A JP H1190324 A JPH1190324 A JP H1190324A JP 25980597 A JP25980597 A JP 25980597A JP 25980597 A JP25980597 A JP 25980597A JP H1190324 A JPH1190324 A JP H1190324A
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aluminum
rolling
aluminum alloy
clear coating
gloss
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JP25980597A
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Kikuro Toyose
喜久郎 豊瀬
Makoto Tawara
真 俵
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SHINKO ARUKOA YUSO KIZAI KK
Original Assignee
SHINKO ARUKOA YUSO KIZAI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程が簡素であって、低コストで製造す
ることができるクリア塗装後に黒色光沢を呈するアルミ
ニウム又はアルミニウム合金板及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 アルミニウム板の圧延方向に平行な方向
の中心線における平均表面粗さRaは0.10μm以下
である。また、このアルミニウム板は、その表面をクリ
ア塗装したとき、塗装面の圧延方向に平行な方向におけ
る反射率が9.5%以上となると共に、圧延方向に平行
な方向における塗装面の光沢度が170以上となるもの
である。このように、塗装面の反射率及び光沢度を調整
することにより、黒色光沢を有する外観を得ることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車、車両、トラ
ック、船舶及び航空機等の輸送機、家庭電器製品用の容
器並びに外壁及びインテリア等の建材等に使用されるア
ルミニウム又はアルミニウム合金板に関し、特に、クリ
ア塗装後に黒色光沢を呈するアルミニウム又はアルミニ
ウム合金板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、輸送機、家庭電器製品用の容
器及び建材等の分野においては、プレス加工等の成形加
工後に塗装が施されたアルミニウム又はアルミニウム合
金板、又は塗装後にプレス加工機等の成形加工が施され
たアルミニウム又はアルミニウム合金板が使用されてい
る。以下、アルミニウム又はアルミニウム合金板を総称
して、単にアルミニウム板という。このようなアルミニ
ウム板の外観は、需要側及び用途によって種々の要求が
あり、例えば、塗装後に高い表面光沢を得ることができ
るアルミニウム板材が要求されている。
【0003】ところで、アルミニウム板材の表面光沢
は、塗料の種類、塗装方法及び塗料の下地処理(クロメ
ート処理)によって影響を受けやすい。従って、従来で
は、塗料の種類、塗装方法及び塗料の下地処理等を種々
に選択して、需要側及び用途に適した表面光沢に調整し
ており、この方法によると、確実にアルミニウム板材の
表面光沢を向上させることができる。
【0004】例えば、アルミニウム板表面に、所定の平
均粗さで所定の寸法の凹凸を有する陽極酸化皮膜を形成
することにより、塗装後に高い鮮映性(光沢性及び写像
性)を得ることができるアルミニウム板材が提案されて
いる(特開平6−116785号公報)。
【0005】他に、アルミニウム板表面の最大粗さ及び
表面に形成されている穴の深さ等を適切に調整すること
により、塗装後のアルミニウム板材の鮮映性を向上させ
たものも開示されている(特開昭63−238902号
公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塗料の
種類、塗装方法及び塗料の下地処理等を調整する方法に
よると、製造工程が煩雑になるので、製造時間が増加す
ると共に、製造コストが著しく上昇するという問題点が
発生する。また、高い表面光沢を有するアルミニウム板
材の中で、例えば、黒色光沢を有するものに対する要求
があるが、このようなアルミニウム板については、未だ
提案されていない。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、製造工程が簡素であって、低コストで製造
することができるクリア塗装後に黒色光沢を呈するアル
ミニウム又はアルミニウム合金板及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るクリア塗装
後に黒色光沢を呈するアルミニウム又はアルミニウム合
金板は、圧延方向に平行な方向における中心線平均表面
粗さRaが0.10μm以下であるアルミニウム又はア
ルミニウム合金板であって、表面をクリア塗装したと
き、塗装面の圧延方向に平行な方向における反射率が
9.5%以上となると共に、塗装面の圧延方向に平行な
方向における光沢度が170以上となることを特徴とす
る。
【0009】本発明に係る他のクリア塗装後に黒色光沢
を呈するアルミニウム又はアルミニウム合金板は、深さ
が1μm以上であると共に、圧延方向に直交する方向に
おける長さが5μm以上であるしわの形成密度が100
μm2の表面領域あたり5個以下であるアルミニウム又
はアルミニウム合金板であって、表面をクリア塗装した
とき、塗装面の圧延方向に平行な方向における反射率が
9.5%以上となると共に、塗装面の圧延方向に平行な
方向における光沢度が170以上となることを特徴とす
る。
【0010】本発明に係る更に他のクリア塗装後に黒色
光沢を呈するアルミニウム又はアルミニウム合金板は、
深さが0.5μm以上であると共に、直径が0.5μm
以上である凹部の形成密度が10μm2の表面領域あた
り5個以下であるアルミニウム又はアルミニウム合金板
であって、表面をクリア塗装したとき、塗装面の圧延方
向に平行な方向における反射率が9.5%以上となると
共に、塗装面の圧延方向に平行な方向における光沢度が
170以上となることを特徴とする。
【0011】本発明に係る更に他のクリア塗装後に黒色
光沢を呈するアルミニウム又はアルミニウム合金板は、
深さが1μm以上であり、圧延方向に直交する方向にお
ける長さが5μm以上であるしわの形成密度が100μ
2の表面領域あたり5個以下であると共に、深さが
0.5μm以上であり、直径が0.5μm以上である凹
部の形成密度が10μm2の表面領域あたり5個以下で
あるアルミニウム又はアルミニウム合金板であって、表
面をクリア塗装したとき、塗装面の圧延方向に平行な方
向における反射率が9.5%以上となると共に、塗装面
の圧延方向に平行な方向における光沢度が170以上と
なることを特徴とする。
【0012】本発明に係るクリア塗装後に黒色光沢を呈
するアルミニウム又はアルミニウム合金板の製造方法
は、粘度が4cSt以下である圧延油を使用して、50
0(m/分)以下の圧延速度でアルミニウム又はアルミ
ニウム合金原板を圧延する圧延工程を有し、表面をクリ
ア塗装したとき、塗装面の圧延方向に平行な方向におけ
る反射率が9.5%以上となると共に、塗装面の圧延方
向に平行な方向における光沢度が170以上となるアル
ミニウム又はアルミニウム合金板を得ることを特徴とす
る。
【0013】この圧延工程の後に、エッチング量を0.
5(g/m2)以下とした化成処理工程を有することが
好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】本願発明者等が前記課題を解決す
るために鋭意実験研究を重ねた結果、アルミニウム板
(アルミニウム又はアルミニウム合金板)の圧延方向に
平行な方向における中心線平均表面粗さRa又はアルミ
ニウム板表面のしわ及び凹部の形成密度等を適切に規定
して、クリア塗装後の塗装面の圧延方向に平行な方向の
反射率及び光沢度を調整することにより、黒色光沢を得
ることができることを見い出した。
【0015】以下、本発明に係るアルミニウム又はアル
ミニウム合金板について、更に説明する。先ず、アルミ
ニウム板の圧延方向に平行な方向における中心線平均表
面粗さRa又はアルミニウム板表面に形成されている所
定以上のサイズを有するしわ及び凹部の形成密度等につ
いて説明する。
【0016】アルミニウム板の圧延方向に平行な方向に
おける中心線平均表面粗さRa:0.10μm以下 アルミニウム板の圧延方向に平行な方向における中心線
平均表面粗さRaが0.10μmを超えると、このアル
ミニウム板をクリア塗装した後の塗装面の外観が灰色に
なってしまう。従って、アルミニウム板の圧延方向に平
行な方向における中心線平均表面粗さRaは0.10μ
m以下とする。
【0017】アルミニウム板表面のしわの形成密度:1
00μm2あたり5個以下 アルミニウム原板を圧延してアルミニウム板を作製した
場合に、このアルミニウム板の表面には、圧延方向に直
交する方向に延びる針状のしわが形成される。このアル
ミニウム板の表面に形成されているしわの形成密度が1
00μm2あたり5個よりも多くなると、このアルミニ
ウム板をクリア塗装した後の塗装面の外観が灰色になっ
てしまう。従って、アルミニウム板表面のしわの形成密
度は、100μm2あたり5個以下とする。なお、深さ
が1μm未満であるか、又は圧延方向に直交する方向に
おける長さが5μm未満であるしわについては、形成密
度に拘わらず、塗装面の外観に影響を与えない。従っ
て、本発明においては、深さが1μm以上であると共
に、圧延方向に直交する方向における長さが5μm以上
であるしわのみを問題とし、その形成密度を規定する。
【0018】アルミニウム板表面の凹部の形成密度:1
0μm2あたり5個以下 アルミニウム板の表面に形成されている凹部の形成密度
が10μm2あたり5個よりも多くなると、このアルミ
ニウム板をクリア塗装した後の塗装面の外観が灰色にな
ってしまう。従って、アルミニウム板表面の凹部の形成
密度は、10μm2あたり5個以下とする。なお、深さ
が0.5μm未満であるか、又は直径が0.5μm未満
である凹部については、形成密度に拘わらず、塗装面の
外観に影響を与えない。従って、本発明においては、深
さが0.5μm以上であると共に、直径が0.5μm以
上である凹部の形成密度のみを規定するものとする。
【0019】また、本発明においては、しわ及び凹部が
共に形成されているアルミニウム板であっても、これら
の形成密度が上記範囲内であれば、本発明の目的を達成
することができる。
【0020】次に、上記アルミニウム板をクリア塗装し
た後の圧延方向に平行な方向における塗装面の反射率及
び光沢度の限定理由について説明する。
【0021】アルミニウム板のクリア塗装後における圧
延方向に平行な方向の塗装面の反射率:9.5%以上 アルミニウム板表面のクリア塗装後に、その圧延方向に
平行な方向の塗装面の反射率が9.5%未満であると、
黒色光沢を得ることができない。従って、アルミニウム
板をクリア塗装した後において、その圧延方向に平行な
方向の塗装面の反射率は9.5%以上とする。なお、本
発明において、反射率は、光をアルミニウム板の表面に
対して60°の角度をなすように照射し、60°の角度
で反射してきた反射光の強度を求め、入射光強度に対す
る反射光強度の比として規定する。
【0022】アルミニウム板のクリア塗装後における圧
延方向に平行な方向の塗装面の光沢度:170以上 アルミニウム板表面のクリア塗装後に、その圧延方向に
平行な方向の塗装面の光沢度が170未満であると、塗
装面の反射率が9.5%未満である場合と同様に、黒色
光沢を得ることができない。従って、アルミニウム板を
クリア塗装した後において、その圧延方向に平行な方向
の塗装面の光沢度は170以上とする。なお、本発明に
おいては、光沢度はアルミニウム板の圧延方向に平行な
方向で測定した値で規定する。
【0023】次いで、本発明に係るアルミニウム又はア
ルミニウム合金板の製造方法について説明する。
【0024】アルミニウム原板の圧延時の圧延速度:5
00(m/分)以下、圧延油の粘度:4cSt以下 アルミニウム原板の圧延時において、圧延油の粘度を4
cSt以下にすると共に、圧延速度を500(m/分)
以下とすることにより、圧延後のアルミニウム板の表面
に、オイルピット又は圧延方向に直交する方向に延びる
しわ等の凹凸が発生しにくくなって、圧延方向に平行な
方向における中心線平均表面粗さRaが小さくなる。そ
の結果、アルミニウム板表面の乱反射が減少して、圧延
方向における塗装面の反射率及び光沢度が上昇し、これ
により、クリア塗装後に、黒色で鏡面のような表面光沢
を得ることができる。圧延油の粘度が4cStを超える
か、又は圧延速度が500(m/分)を超えると、圧延
後のアルミニウム板のしわ又は凹部の形成密度が増加
し、圧延方向に平行な方向における中心線平均表面粗さ
Raも大きくなるので、クリア塗装した後の塗装面の外
観が灰色になってしまう。従って、アルミニウム原板の
圧延時において、圧延油の粘度は4cSt以下とすると
共に、圧延速度は500(m/分)以下とする。
【0025】圧延板の化成処理時のエッチング量:0.
5(g/m2)以下 本発明においては、上述の如く圧延油の粘度及び圧延速
度が規定された圧延条件により、アルミニウム合金原板
を圧延した後、この圧延板にクリア塗装を施す。なお、
このクリア塗装の前処理として、圧延板に化成処理を施
すことがあるが、その場合に、エッチング量が0.5
(g/m2)を超えると、エッチングによって0.5乃
至5μmのエッチングピットが形成されて、クリア塗装
した後の塗装面の外観が灰色になってしまう。従って、
圧延後の圧延板に化成処理を施す場合には、そのエッチ
ング量を0.5(g/m2)以下とすることが好まし
い。
【0026】
【実施例】以下、本発明に係るクリア塗装後に黒色光沢
を呈するアルミニウム又はアルミニウム合金板の実施例
についてその比較例と比較して具体的に説明する。
【0027】第1実施例 先ず、種々の粘度の圧延油を使用して、種々の圧延速度
でJIS 5182合金からなるアルミニウム原板を圧
延することにより、アルミニウム板を作製した。そし
て、このアルミニウム板の圧延方向に平行な方向の3カ
所について中心線平均表面粗さRaを測定し、これらの
平均値を平均表面粗さRa欄に記載した。次に、このア
ルミニウム板の表面をクリア塗装し、JIS Z874
1に準じて、塗装面の反射率及び光沢度を測定すると共
に、塗装面を目視により外観評価した。なお、反射率及
び光沢度は、アルミニウム板の圧延方向に平行な方向で
測定し、アルミニウム板表面に対して60°の角度をな
すように光を照射した。このアルミニウム原板の圧延条
件及び化成処理条件を下記表1に示し、測定結果及び評
価結果を下記表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】上記表1及び2に示すように、実施例N
o.1乃至5は、アルミニウム板の圧延方向に平行な方
向における中心線平均表面粗さRaが本発明に規定する
範囲内であり、これにより、クリア塗装後の圧延方向に
平行な方向における塗装面の反射率及び光沢度が適切に
調整されているので、黒色光沢を有する塗装面が形成さ
れた。
【0031】一方、比較例No.6乃至10は、圧延油
の粘度及び圧延速度のいずれか一方又は両方が本発明に
規定する範囲から外れており、これにより、アルミニウ
ム板の圧延方向に平行な方向における中心線平均表面粗
さRaが本発明範囲の上限を超えているので、クリア塗
装後の圧延方向に平行な方向における塗装面の反射率及
び光沢度が本発明範囲から外れて、黒色光沢を有する塗
装面を得ることができなかった。
【0032】第2実施例 第1実施例と同様の方法で、JIS 5182合金から
なるアルミニウム板を作製し、各アルミニウム板の表面
において、深さが1μm以上であると共に、圧延方向に
直交する方向における長さが5μm以上であるしわの形
成密度を求めた。しわの長さ及び形成密度は、アルミニ
ウム板の表面を500倍の倍率で顕微鏡観察し、この視
野領域においてしわの長さを測定すると共に、所定サイ
ズ以上の深さ及び長さを有するしわの個数を数えること
により求めた。また、しわの深さは、粗度計を使用し
て、アルミニウム板の圧延方向に平行な方向における表
面形状のプロフィールを3カ所で測定することにより求
めた。
【0033】次に、このアルミニウム板の表面をクリア
塗装し、第1実施例と同様の方法で塗装面の反射率及び
光沢度を測定すると共に、塗装面を目視により外観評価
した。このアルミニウム原板の圧延条件及び化成処理条
件を下記表3に示し、測定結果及び評価結果を下記表4
に示す。なお、下記表4中のしわの形成密度は、深さが
1μm以上であると共に、圧延方向に直交する方向にお
ける長さが5μm以上であるしわのみを対象とした値で
ある。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】上記表3及び4に示すように、実施例N
o.11乃至14は、しわの形成密度が本発明に規定す
る範囲内であり、これにより、クリア塗装後の圧延方向
に平行な方向における塗装面の反射率及び光沢度が適切
に調整されているので、黒色光沢を有する塗装面が形成
された。
【0037】一方、比較例No.15乃至18は、圧延
油の粘度又は圧延速度が本発明に規定する範囲から外れ
ており、これにより、しわの形成密度が本発明範囲を外
れているので、クリア塗装後の圧延方向に平行な方向に
おける塗装面の反射率及び光沢度が本発明範囲から外れ
て、黒色光沢を有する塗装面を得ることができなかっ
た。
【0038】第3実施例 第1実施例と同様の方法で、所定の圧延条件でアルミニ
ウム原板を圧延した後、この圧延板を種々のエッチング
量で化成処理することにより、アルミニウム板を作製し
た。そして、各アルミニウム板の表面において、深さが
0.5μm以上であると共に、直径が0.5μm以上で
ある凹部の形成密度を求めた。凹部の形成密度は、アル
ミニウム板の表面を5000倍の倍率で顕微鏡観察し、
この視野領域において、所定サイズ以上の深さ及び直径
を有する凹部の個数を数えることにより求めた。また、
凹部の深さ及び直径は、粗度計を使用して、アルミニウ
ム板の圧延方向に平行な方向における表面形状のプロフ
ィールを3カ所で測定することにより求めた。
【0039】次に、このアルミニウム板の表面をクリア
塗装し、第1実施例と同様の方法で塗装面の反射率及び
光沢度を測定すると共に、塗装面を目視により外観評価
した。このアルミニウム原板の圧延条件及び化成処理条
件を下記表5に示し、測定結果及び評価結果を下記表6
に示す。なお、下記表6中の凹部の形成密度は、深さが
0.5μm以上であると共に、直径が0.5μm以上で
ある凹部のみを対象とした値である。
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】上記表5及び6に示すように、実施例N
o.21乃至24は、凹部の形成密度が本発明に規定す
る範囲内であり、これにより、クリア塗装後の圧延方向
に平行な方向における塗装面の反射率及び光沢度が適切
に調整されているので、黒色光沢を有する塗装面が形成
された。
【0043】一方、比較例No.25乃至28は、エッ
チング量が本発明範囲の上限を超えており、これによ
り、凹部の形成密度が本発明範囲を外れているので、ク
リア塗装後の圧延方向に平行な方向における塗装面の反
射率及び光沢度が本発明範囲から外れて、黒色光沢を有
する塗装面を得ることができなかった。
【0044】第4実施例 第3実施例と同様の方法で、アルミニウム板を作製し、
第2実施例と同様の方法で、各アルミニウム板の表面に
形成されたしわの形成密度を求めると共に、第3実施例
と同様の方法で、各アルミニウム板の表面に形成された
凹部の形成密度を求めた。
【0045】次に、このアルミニウム板の表面をクリア
塗装し、第1実施例と同様の方法で塗装面の反射率及び
光沢度を測定すると共に、塗装面を目視により外観評価
した。このアルミニウム原板の圧延条件及び化成処理条
件を下記表7に示し、測定結果及び評価結果を下記表8
に示す。なお、下記表8のしわの形成密度及び凹部の形
成密度は、深さ、長さ及び直径が所定値以上であるしわ
及び凹部のみを対象とした値である。
【0046】
【表7】
【0047】
【表8】
【0048】上記表7及び8に示すように、実施例N
o.31乃至32は、しわの形成密度及び凹部の形成密
度が本発明に規定する範囲内であり、これにより、クリ
ア塗装後の圧延方向に平行な方向における塗装面の反射
率及び光沢度が適切に調整されているので、黒色光沢を
有する塗装面が形成された。
【0049】一方、比較例No.33は、圧延速度及び
エッチング量が本発明範囲の上限を超えており、比較例
No.34は、圧延油の粘度及びエッチング量が本発明
範囲の上限を超えている。従って、しわの形成密度及び
凹部の形成密度が本発明範囲の上限を超えているので、
クリア塗装後の圧延方向に平行な方向における塗装面の
反射率及び光沢度が本発明範囲から外れて、黒色光沢を
有する塗装面を得ることができなかった。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
圧延方向に平行な方向における中心線平均表面粗さR
a、しわ又は凹部の形成密度を適切に規定しており、こ
れにより、クリア塗装後の圧延方向に平行な方向におけ
る塗装面の反射率及び光沢度を調整しているので、クリ
ア塗装後に、黒色光沢を有する塗装面を得ることができ
る。また、本発明方法によれば、アルミニウム又はアル
ミニウム原板の圧延時における圧延速度及び使用する圧
延油の粘度を適切に規定しているので、クリア塗装後の
圧延方向に平行な方向における塗装面の反射率及び光沢
度を調整することができ、クリア塗装後に黒色光沢を呈
するアルミニウム又はアルミニウム合金板を製造するこ
とができる。この圧延時において、エッチング量を適切
に規定すると、より一層安定してクリア塗装後に黒色光
沢を呈するアルミニウム又はアルミニウム合金板を製造
することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延方向に平行な方向における中心線平
    均表面粗さRaが0.10μm以下であるアルミニウム
    又はアルミニウム合金板であって、表面をクリア塗装し
    たとき、塗装面の圧延方向に平行な方向における反射率
    が9.5%以上となると共に、圧延方向に平行な方向に
    おける塗装面の光沢度が170以上となることを特徴と
    するクリア塗装後に黒色光沢を呈するアルミニウム又は
    アルミニウム合金板。
  2. 【請求項2】 深さが1μm以上であると共に、圧延方
    向に直交する方向における長さが5μm以上であるしわ
    の形成密度が100μm2の表面領域あたり5個以下で
    あるアルミニウム又はアルミニウム合金板であって、表
    面をクリア塗装したとき、塗装面の圧延方向に平行な方
    向における反射率が9.5%以上となると共に、塗装面
    の圧延方向に平行な方向における光沢度が170以上と
    なることを特徴とするクリア塗装後に黒色光沢を呈する
    アルミニウム又はアルミニウム合金板。
  3. 【請求項3】 深さが0.5μm以上であると共に、直
    径が0.5μm以上である凹部の形成密度が10μm2
    の表面領域あたり5個以下であるアルミニウム又はアル
    ミニウム合金板であって、表面をクリア塗装したとき、
    塗装面の圧延方向に平行な方向における反射率が9.5
    %以上となると共に、塗装面の圧延方向に平行な方向に
    おける光沢度が170以上となることを特徴とするクリ
    ア塗装後に黒色光沢を呈するアルミニウム又はアルミニ
    ウム合金板。
  4. 【請求項4】 深さが1μm以上であり、圧延方向に直
    交する方向における長さが5μm以上であるしわの形成
    密度が100μm2の表面領域あたり5個以下であると
    共に、深さが0.5μm以上であり、直径が0.5μm
    以上である凹部の形成密度が10μm2の表面領域あた
    り5個以下であるアルミニウム又はアルミニウム合金板
    であって、表面をクリア塗装したとき、塗装面の圧延方
    向に平行な方向における反射率が9.5%以上となると
    共に、塗装面の圧延方向に平行な方向における光沢度が
    170以上となることを特徴とするクリア塗装後に黒色
    光沢を呈するアルミニウム又はアルミニウム合金板。
  5. 【請求項5】 粘度が4cSt以下である圧延油を使用
    して、500(m/分)以下の圧延速度でアルミニウム
    又はアルミニウム合金原板を圧延する圧延工程を有し、
    表面をクリア塗装したとき、塗装面の圧延方向に平行な
    方向における反射率が9.5%以上となると共に、塗装
    面の圧延方向に平行な方向における光沢度が170以上
    となるアルミニウム又はアルミニウム合金板を得ること
    を特徴とするクリア塗装後に黒色光沢を呈するアルミニ
    ウム又はアルミニウム合金板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記圧延工程の後に、エッチング量を
    0.5(g/m2)以下とした化成処理工程を有するこ
    とを特徴とする請求項5に記載のクリア塗装後に黒色光
    沢を呈するアルミニウム又はアルミニウム合金板の製造
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008006483A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Furukawa Sky Kk 高成形性Al−Mg系合金板の製造方法

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