JPH1190190A - 濾過装置及び洗浄方法 - Google Patents
濾過装置及び洗浄方法Info
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Abstract
学的に行うことができ、大規模洗浄の必要回数を低減で
きる濾過装置及び洗浄方法を提供する。 【解決手段】 被処理液供給手段、被処理液タンクから
濾過ブロックまでの流路を形成する送液経路、洗浄用薬
液を薬液タンクから送液するための薬液供給手段、濾過
ブロックから排水するためのドレン、及び濾過ブロック
の二次側から膜モジュールの空気逆洗を行うための空気
逆洗手段を含む濾過装置において、薬液供給手段によっ
て洗浄用薬液が送液経路における被処理液供給手段の下
流に送液されること、ならびに空気逆洗手段による膜モ
ジュールの物理洗浄中に、前記洗浄用薬液による化学洗
浄を並行して行うことができることを特徴とする濾過装
置、ならびにかかる装置を用いた洗浄方法。
Description
どを原水として、その濁度及び色度を膜によって除去す
る際に用いられ、膜モジュールで構成される濾過ブロッ
クの洗浄を効率的に行える濾過装置及びこの装置におけ
る濾過ブロックの洗浄方法に関し、さらに詳細には、被
処理液を濾過するにつれて濾過ブロックに滞留する無機
物・有機物などの付着物を除去するための洗浄におい
て、システムを停止して行われる大規模な薬液洗浄の必
要回数を低減することができる装置及び方法に関する。
して除濁の目的で行われるが、濁度以外にも、例えば、
濾過前にアルミニウム塩を添加するなどの技術により、
着色物質も除去できる。その運用上の最大の問題点は膜
の閉塞であるが、その程度は使用環境により異なる。数
度から数十度の濁質濃度を有する原水にアルミニウム塩
を注入して膜濾過した場合、後述する小規模洗浄を行っ
ていれば、膜は数ヶ月に一度の大規模の薬品洗浄を行う
だけで適切な濾過効率を維持できる。しかし、低濁度
で、且つ色度が高い原水にアルミニウム塩を添加した後
に膜濾過を行うと、除去すべき固形成分は、濁質分含量
が少なく、粘着性の高い水酸化アルミニウム等を大量に
含むものとなり、かかる粘着性物質が膜に強固に付着す
ると膜の閉塞が起こりやすくなるため、大規模な薬品洗
浄の実施を要する間隔は数週間から1ヶ月と短くなって
しまう。
水処理する場合は、通常、フミン酸などに起因する茶褐
色の着色を除去するためにポリ塩化アルミニウム(PA
C)または硫酸アルミニウムなどを注入してフミン酸を
吸着する処理が行われることが多いが、低濁度で且つ色
度の高い原水に対してこの処理を行うと、前記のごとく
主に水酸化アルミニウムなどからなる粘着性物質が発生
する。従来は、このようなアルミニウム塩を添加した後
凝集させ、沈殿、砂濾過による分離が一般的に実施され
てきたが、最近では、例えばポリプロピレン製の中空糸
などで構成される膜モジュールブロックを含む濾過装置
で濾過する技術が実用化されている。しかし、かかる濾
過装置において濾過を継続すると、膜面上に前記の粘着
性を有する水酸化アルミニウムなどを主成分とする固形
物や粘着物が付着、蓄積して膜を閉塞させてしまう。膜
が閉塞すれば、濾過速度の低下、濾過圧力の上昇が生
じ、安定な濾過処理ができなくなる。そこで、このよう
な膜への付着物を除去するために小規模洗浄を短い間隔
で実施するわけであるが、それでも定期的にシステムを
停止して大規模な薬液洗浄を行う必要が生じるのであ
る。
ナトリウム水溶液や硫酸などの洗浄用の薬液を投入し、
pHを調整した後、原水タンクと膜モジュールブロック
の間で薬液を数時間以上にわたり循環させる作業であ
り、通常、薬液循環後の水洗も加えて数日にわたって行
われるので、労力及び時間の浪費につながっていた。ま
た、この際に排出される強塩基性の水酸化ナトリウム、
あるいは強酸性の硫酸廃液等の処理が必要となり、この
処理作業にも手間を要するものであった。
48回程度、膜の付着物が蓄積されないうちにこまめに
除去することで、大規模な薬液洗浄を行わねばならない
時期の間隔を延ばすべく行われている。この小規模洗浄
は、概して、逆洗工程と、続く洗浄工程とに分けられ
る。逆洗工程では、まず、濾過ブロックの膜モジュール
の一次側(被処理水流入側)からの原水の供給を停止
し、続いて加圧して逆洗をする。加圧は膜の二次側(被
処理水流出側)より透過水などの液体で行うのが一般的
である。さらに、簡単な設備の増加で、加圧のための液
体中に薬液を混入させて、加圧と同時に薬液洗浄を行
う、すなわち物理化学洗浄の方法も実施されている。そ
の後の洗浄工程では、原水を一次側より膜モジュールブ
ロックに供給して水洗し、一次側のドレンから排出する
というものである。このような小規模洗浄を、例えば、
30分〜1時間に1回の頻度で行うことにより、薬液を
用いた大規模洗浄の必要回数は低減されたが、さらに大
規模洗浄の必要回数を低減できる方法が望まれていた。
側から加圧して一次側に空気を通す空気逆洗を行う方法
が実用化された。この方法は、濾過ブロックを一旦閉鎖
系にした状態で加圧し、一挙に開放することにより圧縮
された空気が膨張する際の力を利用することもできるこ
とから、従来の液体洗浄による方法に比して総合的には
るかに優れた逆洗効果を生じる。
り、粘着物質の除去が効率的に行われうるとは言い難
く、かなり頻繁な大規模洗浄の実施が必要となるもので
あった。
であり、空気逆洗式濾過装置を用いる低濁度且つ高色度
の原水の濾過において、膜モジュールなどで構成される
濾過ブロックに滞留する無機物・有機物などの付着物を
除去するために、薬液を一度に大量に用いて大規模に洗
浄する必要回数を低減することができる装置及び方法を
提供することを目的とする。
ける、前記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結
果成し遂げられたものであって、上述の空気逆洗におい
て、薬液を二次側から供給することができないことに起
因する欠点を克服し、一次側より薬液を効果的に供給
し、効率よく洗浄する方法を提供する。すなわち、前記
空気逆洗を応用した物理洗浄と薬液による化学洗浄の双
方が並行して行われることによって、優れた洗浄効果が
発揮される物理化学洗浄を行うことを特徴とするもので
ある。
(a)被処理液を被処理液タンクから膜モジュールを含
む濾過ブロックの一次側に送るための被処理液供給手
段、(b)前記被処理液タンクから濾過ブロックまでの
流路を形成する送液経路、(c)洗浄用薬液を、薬液タ
ンクから送液するための薬液供給手段、(d)濾過ブロ
ックから排水するためのドレン、及び(e)濾過ブロッ
クの二次側から膜モジュールの空気逆洗を行うための空
気逆洗手段を含む濾過装置であって、前記薬液供給手段
によって、洗浄用薬液が前記送液経路における被処理液
供給手段の下流に送液されること、ならびに前記空気逆
洗手段による膜モジュールの物理洗浄中に、前記洗浄用
薬液による化学洗浄を並行して行うことができるため
に、物理化学洗浄が成し遂げられることを特徴とする濾
過装置を提供する。
濾過ブロックを物理化学洗浄する方法であって、以下の
工程、すなわち、(1)逆洗手段13を用いて濾過ブロ
ック3を加圧しながら排液を行い、(2)逆洗手段13
を用いて濾過ブロック3を加圧する空気逆洗と、被処理
液供給手段11の作動により、送液経路21を介した濾
過ブロック3内へ液体を導入及び排出し、濾過ブロック
3から付着物を排出する逆洗洗浄を行い、さらに(3)
逆洗手段13による加圧を停止して、被処理液を濾過ブ
ロック3内に導入及び排出することで濾過ブロック3の
洗浄を行う工程を含み、前記工程(2)が終了するまで
に、薬液タンク2から薬液供給手段12によって送液経
路21に薬液を導入し、工程(2)において該薬液が被
処理液供給手段11によって濾過ブロック3に導入さ
れ、空気圧及び薬液の双方による物理化学洗浄効果が発
揮され、次いで被処理液による洗浄が成し遂げられるこ
とを特徴とする洗浄方法を提供するものである。
タンクから濾過ブロックの一次側に直接送るようにする
ことも可能ではあるものの、この場合、空気逆洗中に薬
液を供給する場合には吐出圧が濾過ブロック内圧を凌が
ねばならず、また供給時間を短縮するために大型のポン
プが必要となる。また、新規に薬液用の送液経路を設け
る必要もあるので、配管コストが上がるという不利益も
生じる。従って、薬液タンクから、送液経路における被
処理液供給手段の下流に至る流路を形成し、前記逆洗洗
浄工程が終了するまでに洗浄用薬液を送液経路に導入す
ると、被処理液供給手段による強力な吐出能力を用いて
薬液が濾過ブロックに導入されて化学洗浄が行われるの
で好ましい。
た逆洗工程の物理洗浄中に、酸またはアルカリ水溶液等
の薬液を用いる化学洗浄工程を併せて行なって物理化学
洗浄を成し遂げるべく、空気逆洗工程に並行するように
薬液を濾過ブロック内へ導入し、以下、通常の逆洗及び
洗浄工程を経ることによって、小規模洗浄の効果が著し
く高められ、大規模洗浄の必要回数を格段に低減するこ
とができることを見出し、本発明を完成するに至った。
従来の大規模洗浄の際に採用されていたような大掛かり
な薬液供給手段を必要とせずに効率的な薬液供給を行
え、また一回当たりの薬液使用量も少量ですむので、洗
浄後の廃液処理の問題も軽減される。そして、洗浄工程
の時間は、従来の小規模洗浄に比して、薬液を膜モジュ
ールに通液するごくわずかの時間のみが延長されるか、
あるいは同じであり、短い所要時間で効果的な洗浄効果
が得られる。
図面1〜6に基づき、本発明の装置及び洗浄方法を詳説
する。しかしながら、かかる実施態様に基づき本発明が
限定的に解釈されるべきではない。
過装置51は、本質的に、被処理液タンク1、薬液タン
ク2、濾過ブロック3及び処理液タンク4を含み、適宜
バルブを備えた経路により連結されている。通液のため
に、ポンプ、あるいは水頭差を利用する被処理液供給手
段11及び薬液供給手段12が配置され、また空気によ
る逆洗を行うために、コンプレッサーなどを含む逆洗手
段13が配置されている。逆洗手段13は、一般的に
は、上流側からコンプレッサー、逆止弁、エアタンク、
電磁弁の順に配管されることが多い。濾過ブロック3の
一次側31にドレン25a、及び二次側32にドレン2
5bが設けられており、これを介して廃液タンクなどに
洗浄後の液などが排液される。各図中、バルブの開閉状
態を明らかにするため、開放バルブを明色で、閉止バル
ブを濃色で示した。
る、例えば、ポリプロピレンなどで製造された中空糸の
膜モジュールブロックであるとよい。膜の孔径は、被処
理液の混入物、物性等に応じて適宜選択されるが、一般
に0.2μm程度である。
られている形態及び材質のものを適宜選択して用ること
ができる。但し、後述するように薬液供給手段12は、
比較的短くなるように形成された経路を通じて、少量の
液体を時間に余裕を持って送液するためのものであるか
ら、被処理液供給手段11よりも小規模なものとするこ
とができる。また、洗浄効率を高めることを目的とし
て、薬液タンク2に加熱手段を設けることも可能であ
る。
等であり、低濁度であって、色度の高い原水にアルミニ
ウム塩で処理を施した後の、粘着性物質を多量に含有す
る被処理液も、本発明の濾過装置51によって好適に濾
過することができる。図1には、本発明の濾過装置51
にて通常の濾過が実施されている際の作動態様が示され
ており、具体的には、被処理液供給手段11を運転して
被処理液タンク1から送液経路21を介して中空糸膜の
膜モジュールブロックである濾過ブロック一次側31に
被処理液を導入し、濾過後の処理液は、濾過ブロック二
次側32から処理液タンク4に貯留される。
工程を示す図2から図6において、まず図2は排液工程
を示している。この工程では、被処理液供給手段11を
停止し、送液経路21を遮断して、さらに濾過ブロック
3から処理液タンク4に送出される経路も封じておい
て、逆洗手段13により二次側から加圧することによっ
て、濾過ブロック3内の被処理液をドレン25bより排
出し、中空糸膜内の液体を除いておく。
ず、図3に示される逆洗準備工程が実施される。この工
程では、濾過ブロック3のドレン25a及び25bも封
じた状態で、すなわち、濾過ブロック3を実質的に閉鎖
系にして、逆洗手段13により濾過ブロック3内に膜モ
ジュールの二次側から加圧する。この際の圧力の上限
は、少なくとも濾過膜を空気が通過する際の抵抗を上回
る圧力が必要であり、好ましくは濾過ブロックの耐圧性
を考慮してなるべく高い値に定められるべきである。
薬液を貯留した薬液タンク2から、薬液供給手段12に
よって送液経路21に薬液を導入しておく。経路内に円
滑に薬液を導入するためには、ドレン25cに至る経路
を設けて導入時に開放しておくとよい。薬液供給手段1
2は、やはりポンプまたは水頭差を利用でき、比較的短
い経路を少量の液体を時間に余裕を持って送液するため
に適用されるものであるから、被処理液供給手段11に
比して吐出力がかなり小さいもので充分である。従っ
て、このような構成にすることで、設備費用、ランニン
グコストの大幅な削減が期待できる。図中に示されるよ
うに、薬液は送液経路21において被処理液供給手段1
1の下流に導入されるので、後述する逆洗洗浄工程(図
5参照)の際に被処理液の供給に先んじて、薬液が希釈
されることなく濾過ブロック3にまで一気に供給でき
る。
工程に並行して送液経路21に導入しておくが、逆洗洗
浄の工程が終了するまでであれば、例えば、後述する主
逆洗工程に並行して行ってもよい。このようにして、薬
液供給の時間に余裕を与えるにかかわらず、そのための
時間が浪費されることを回避できる。
だけ濾過ブロック3に近い位置に導入充満されているほ
うが、希釈されにくい点でより好ましい。また、希釈さ
れにくくするために配管ラインを工夫し、薬液供給手段
12からの経路が送液経路21に合流する部位に、薬液
導入部として例えばU字やV字などの下垂部を形成し、
薬液を充満しやすくしてもよい。
液、水酸化ナトリウム水溶液等、好ましくは1〜40%
(重量/容量)、特に好ましくは1〜5%(重量/容
量)の水酸化ナトリウム水溶液が挙げられる。 薬剤の供給量は、洗浄排液のpH及び洗浄後の濾過処理
液のpHがそれぞれ放流基準と水質基準(いずれも5.
8〜8.6)を維持できるような量とする。
される。すなわち、図3の状態から、上記逆洗準備工程
と同様に加圧を行ったままで、濾過ブロック3よりドレ
ン25aを一挙に開放して、二次側から空気圧を濾過膜
を通して一次側に抜き、さらに剥離物質を空気とともに
濾過ブロック3外に噴出させることで空気逆洗する物理
洗浄が行われる。この工程は、一次側膜表面に付着した
物質を隅々まで剥離させる。この際、前記のごとく圧力
が高い程、付着物を充分に除去できる。
被処理液を通液しながら、逆洗手段による逆洗を行う逆
洗洗浄工程が実施される。この工程では、図4の状態か
ら、さらに送液経路21を開放し、被処理液供給手段1
1を作動して、二次側からの加圧による空気逆洗下に、
それに並行して薬液及び被処理液が濾過ブロック3へ一
次側から導入される物理化学洗浄が行われる。加圧は、
前記主逆洗時と同様に逆洗手段13にて行われる。この
工程では、処理能力が大きい被処理液供給手段11によ
って、薬液が高濃度を保ったまま濾過ブロック3にまで
一気に供給され、次いで被処理液が供給される間逆洗が
充分に行われ、これらの液はすべてドレン25aより排
出される。この際の圧力も、濾過膜の耐圧性、被処理液
供給手段11の吐出圧等を考慮して、なるべく高い値に
定められるべきである。
が濾過ブロック3の底部に接続され、導入された薬液が
濾過ブロック3内を上昇してその上方から排出されるよ
うに構成されていると、まず高濃度の薬液が濾過ブロッ
ク3に底部接続口から、底部接続口より上方に所定高さ
の層を形成するまで供給された後、続いて被処理液の供
給に伴って前記層が全体的に上方に押し上げられるの
で、薬液が被処理液によって希釈されにくい。また、濾
過ブロック内では、収納されている多数の中空糸膜が内
部液体の攪乱を防止する働きをするので、薬液の前記層
と被処理液の混合が起こりにくくなっている。その結
果、濾過膜全体が高濃度の薬液により順次物理化学洗浄
され、少ない薬液の使用量で高い洗浄効果が期待できる
ので、より好ましい。ここで底部は、濾過ブロック3の
底面に限定されず、底面からある程度上方の部分も包含
する。
る流路を形成する代わりに、薬液タンク2と濾過ブロッ
ク3を直結する流路を設けて、洗浄用薬液を逆洗に並行
して濾過ブロック3に直接導入してもよいが、この場合
には、薬液供給手段12には逆洗加圧による圧力を凌ぐ
ために供給処理手段11と同等の吐出圧を提供できもの
であることが要求される。
て、前記逆洗準備工程及び主逆洗工程を経ることが望ま
しいが、これを省略することも可能である。逆洗準備工
程及び主逆洗工程を実施すれば、物理洗浄の効果がより
高くなり、また、前記の通り、これらの工程中に送液経
路21へ薬液を導入しておけば、従来の空気逆洗による
洗浄方法と変わらない所要時間で、濾過ブロックに高濃
度に薬液が供給でき物理化学洗浄による優れた洗浄効果
が達成される。
による洗浄が実施される。この工程は、濾過ブロック通
液後の液体が処理液タンク4ではなくドレン25aから
排出されることを除いては、実質的に図1に前記した濾
過工程と同様であり、加圧せずに被処理液を通液して膜
を一次側より流去し、薬液で洗浄した後の濾過ブロック
を充分に洗浄する。この工程は、前記逆洗洗浄工程の加
圧を停止した直後から連続して開始しても、または停止
後少し時間を経た後に濾過ブロックの内圧が下がってか
ら行なってもよい。
置の規模、濾過ブロックの容量、耐圧性、被処理液供給
手段や逆洗手段による処理能力に応じて、適宜に設定す
ればよい。
いて薬液を用いる化学洗浄の工程が含まれない小規模の
物理洗浄は、通常、10〜100分に1回行われてい
る。この物理洗浄を実施する毎に上記薬液を用いる化学
洗浄を含む本発明の洗浄方法を行なってもよいが、原水
特性、アルミニウム塩の添加量によっては物理洗浄を2
〜48回行う間に1回の割合で本発明の洗浄方法を実施
してもよい。このようにして、濾過ブロックへの物質の
付着量を顕著に少ない状態に維持でき、従って、大規模
洗浄の必要回数を低減することができる。
ロックを複数設けて適宜の連結形態とし、洗浄操作を一
部の濾過ブロックずつ順に行なって、濾過装置全体を停
止することなく洗浄を順に遂行することも可能である。
学洗浄とで成し遂げられる物理化学洗浄の効果は、主に
双方の洗浄工程が同時進行する時間の長さに依存して変
動しうるが、物理洗浄と化学洗浄とを並行して行うタイ
ミングは特に限定されず、いずれかが先に開始あるいは
終了してもよい。
して、以下の実験を行った。
ター(目開:0.2mm)を通して前処理した後、フミ
ン酸除去を目的として、ポリ塩化アルミニウムを10m
g/Lの濃度となるように添加した。こうして調製した
被処理液について、外圧式中空糸型精密濾過膜(ポリプ
ロピレン製、孔径:0.2μm、外径/内径=550μ
m/250μm、膜面積:15 m2)を収めるφ120
mm、高さ1748mmの膜モジュール2本で構成され
る濾過ブロックを用いて、前記の溶液の濾過及び小規模
洗浄を繰り返し、小規模洗浄時毎に薬液を用いる化学洗
浄を行う場合(本発明の方法)と物理洗浄のみを行う場
合との、膜の差圧の変化を経時的に測定した。被処理液
供給手段は、電磁式ダイヤフラムポンプ(680W)を
用い、薬液供給手段には、電磁式ダイヤフラムポンプを
用いた。
し、膜面に対する流束は、1.0 m3/m2/日とし
た。物理洗浄は、57分に1回の頻度で、以下の設定に
基づいて行った。なお、加圧力は、逆洗手段部にて測定
した。
圧、被処理液を、8m3/時にて送液。
にて送液。
浄を伴う小規模洗浄を行う場合は、上記の逆洗準備の
際に2.8%水酸化ナトリウム水溶液を10秒で3.5
mL送液経路に供給し、以下上記と同様の工程を経て、洗
浄を成し遂げた。
3/日、そして洗浄排液は、2.2m3/日採取されるよ
うに維持して、125日目まで継続した。毎日、水温及
び流量を自動記録し、この数値から膜モジュールブロッ
クの膜の差圧を20℃の場合に換算して求めた。
レン製の膜では、運転圧力を100〜150kPa以下
に抑える必要があり、これ以上圧力が上昇すると膜性能
の回復性が悪くなる。従来の物理洗浄の方法によれば
(図中、●で示す)、実験開始から20日を経過した頃
から膜差圧が顕著に上昇し始め、28日目には、膜の回
復性が悪くなる100kPaを越え、大規模洗浄が必要
となった。一方、本発明の方法に従って、水酸化ナトリ
ウムを使用した物理化学洗浄を行う毎に実施した場合
(図中、○で示す)は、30日が経過した後も、膜差圧
は低値を維持し、さらに125日まで継続して初めて1
00kPaにまで上昇し、かかる長期間にわたって大規
模洗浄の必要が生じないことが判明した。
液も、pH、濁度、色度等すべての点において上水道用
水として申し分のない質を維持していた。全排液のpH
は、本発明の方法による場合でも8以下であり、そのま
ま河川に放流しても差し支えのないものであった。
洗浄方法によって、以下の効果が奏される。
高められ、大規模洗浄の必要回数を格段に低減すること
ができる。
のみによって洗浄された濾過装置で濾過した場合と比較
して、同等の水質が得られる。
薬液を濾過ブロックに導入できるため、少量の薬液使用
量で充分な洗浄効果が提供される。洗浄後の全排液を混
合するとpHが約8以下となるため廃液の処理の問題も
なく、また上水道用水などの処理液の水質も保証され
る。
より長くなったとしても、供給しておいた比較的少量の
薬液を膜モジュールに通液するごくわずかの時間のみが
加わるだけであり、比較的短い所要時間で効果的な洗浄
効果が得られる。
濾過作業時の作動様態を表す図である。
時の作動様態を表す図である。
給時の作動様態を表す図である。
を表す図である。
態を表す図である。
時の作動様態を表す図である。
浄方法を定期的に実施した場合の、濾過ブロック内の膜
圧の変化の経時的な推移を表すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 濾過装置において、(a)被処理液を被
処理液タンク1から膜モジュールを含む濾過ブロック3
の一次側31に送るための被処理液供給手段11、
(b)前記被処理液タンク1から濾過ブロック3までの
流路を形成する送液経路21、(c)洗浄用薬液を、薬
液タンク2から送液するための薬液供給手段12、
(d)濾過ブロック3から排水するためのドレン25、
及び(e)濾過ブロック3の二次側から膜モジュールの
空気逆洗を行うための空気逆洗手段13を含む濾過装置
であって、前記薬液供給手段12によって、洗浄用薬液
が前記送液経路21における被処理液供給手段11の下
流に送液されること、ならびに前記逆洗手段13による
膜モジュールの物理洗浄中に、前記洗浄用薬液による化
学洗浄を並行して行うことができるために、物理化学洗
浄が成し遂げられることを特徴とする濾過装置。 - 【請求項2】 前記送液経路21が、濾過ブロック3の
底部に接続され、導入された薬液が濾過ブロック3内を
上昇してその上方から排出される請求項1記載の濾過装
置。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の濾過装置におい
て、濾過ブロック3を物理化学洗浄する方法であって、
以下の工程、すなわち、(1)逆洗手段13を用いて濾
過ブロック3を加圧しながら排液を行い、(2)逆洗手
段13を用いて濾過ブロック3を加圧する空気逆洗と、
被処理液供給手段11の作動により、送液経路21を介
した濾過ブロック3内へ液体を導入及び排出し、濾過ブ
ロック3から付着物を排出する逆洗洗浄を行い、さらに
(3)逆洗手段13による加圧を停止して、被処理液を
濾過ブロック3内に導入及び排出することで濾過ブロッ
ク3の洗浄を行う工程を含み、 前記工程(2)が終了するまでに、薬液タンク2から薬
液供給手段12によって送液経路21に薬液を導入し、
工程(2)において該薬液が被処理液供給手段11によ
って濾過ブロック3に導入され、空気圧及び薬液の双方
による物理化学洗浄効果が発揮され、次いで被処理液に
よる洗浄が成し遂げられることを特徴とする洗浄方法。 - 【請求項4】 前記排液工程(1)と逆洗洗浄工程
(2)との間に、逆洗手段13による加圧を一次側より
解放して濾過ブロック3より付着物及び残留する液体を
排出する主逆洗工程をさらに含む請求項3記載の洗浄方
法。 - 【請求項5】 前記排液工程(1)と主逆洗工程との間
に、濾過ブロック3を実質的に閉鎖系にして、逆洗手段
13を用いて濾過ブロック3を加圧する逆洗準備工程を
さらに含む請求項4記載の洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25091697A JP3919893B2 (ja) | 1997-09-16 | 1997-09-16 | 洗浄方法 |
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---|---|---|---|
JP25091697A JP3919893B2 (ja) | 1997-09-16 | 1997-09-16 | 洗浄方法 |
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JPH1190190A true JPH1190190A (ja) | 1999-04-06 |
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ID=17214935
Family Applications (1)
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