JP2018015699A - 濾過方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】濾過フィルタの再生効果が高い濾過方法を提供すること。【解決手段】本発明の濾過方法は、被処理液を濾過容器に供給し、前記濾過容器内に設置された筒状の濾過フィルタによって濾過し、処理液を前記濾過容器から排出する濾過工程と、処理液排出側から濾過容器内に気体を注入し、濾過容器内を気体で満たすパージ工程と、前記濾過容器内が気体で満たされた状態で、ノズルから前記濾過フィルタの外面に向かって洗浄液を吹き出し、前記濾過フィルタの外面に付着したケーキを剥離して除去する洗浄工程と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、被処理液を濾過フィルタによって濾過する濾過方法に関する。特に、濾過に伴って濾過フィルタ外面に形成されたケーキを除去するため、濾過フィルタ外面に向かって洗浄液を吹き出す洗浄工程を備えた濾過方法に関する。
工場や建設現場などから発生する排水(被処理液)を濾過すると、濾過フィルタ外面にケーキが形成されて濾過効率が悪化するため、このケーキを除去する必要がある。ケーキを除去する方法としては、濾過フィルタの外側から洗浄液を吹き出し、洗浄液が濾過フィルタに当たった衝撃によって除去する方法がある。
特許文献1には、この方法を用いた濾過方法が開示されている。この濾過方法は、濾過容器に複数の噴射ノズルを取り付け、この噴射ノズルから濾過フィルタの表面に洗浄液を吹き付けつつ、濾過フィルタを回転させることで、濾過フィルタ全周を洗浄するものである。このとき、濾過を行いながら濾過フィルタの再生(濾過フィルタの洗浄)を行うことで、休止ロスを完全になくすようにしている。
特開2015−103683号公報
しかしながら、特許文献1の濾過方法では、濾過フィルタの再生効果が低いという問題がある。すなわち、濾過容器内が被処理液で満たされている状態で洗浄を行っていることから、濾過容器内に溜まった被処理液によって、ノズルから噴射された洗浄液の液流が急激に減速し、ケーキを十分に剥離することが困難であった。
また、洗浄液の噴射によって、濾過フィルタの表面に形成されたケーキ(被処理液中の微粒子が凝集してできたケーキ)が一旦は剥離するものの、剥離したケーキの一部が、洗浄ノズルからの噴流によって解砕され、高濃度の濁水となって濾過フィルタの表面に再吸着してしまうため、洗浄効率が悪かった。
そこで、本発明が解決しようとする主たる課題は、濾過フィルタの再生効果が高い濾過方法を提供することである。
前記課題を解決するための発明は、以下の(1)〜(3)である。
(1)被処理液を濾過容器に供給し、前記濾過容器内に設置された筒状の濾過フィルタによって濾過し、処理液を前記濾過容器から排出する濾過工程と、
処理液排出側から濾過容器内に気体を注入し、濾過容器内を気体で満たすパージ工程と、
前記濾過容器内が気体で満たされた状態で、ノズルから前記濾過フィルタの外面に向かって洗浄液を吹き出し、前記濾過フィルタの外面に付着したケーキを剥離して除去する洗浄工程と、を有することを特徴とする濾過方法。
(2)前記洗浄工程において、処理液排出側から濾過容器内への気体の注入を継続する前記(1)記載の濾過方法。
(3)前記濾過容器および濾過フィルタは複数設けられており、
一方の濾過フィルタで被処理液の濾過を行う間に、他方の濾過フィルタのパージ及び洗浄を行う前記(1)記載の濾過方法。
本発明によれば、濾過容器内が気体で満たされた状態で洗浄工程を行うため、洗浄液の噴射速度が落ちず、濾過フィルタの再生効果を高めることができる。また、剥離したケーキが再吸着することもないため、洗浄効率を高めることができる。さらに、洗浄工程中においても、濾過フィルタ12の裏側から外側へ向かって気体を流し、その気体によりケーキが剥離されるため、より濾過フィルタの再生効果を高めることができる。
本発明に係る濾過装置の構造説明図である。(A)は正面図、(B)は平面図(プリーツフィルタは省略)である。 濾過フィルタの説明図である(洗浄装置は図示省略)。 スリットの説明図である。(C)では1本のスリット、(D)では2本の点線状スリットを表した。 濾過装置(1台)の周辺の構造説明図である。 濾過装置(2台)の周辺の構造説明図である。 洗浄手段の変形例の説明図である。(E)は平面図、(F)は突出部の拡大図、(G)は正面図である。 2台の濾過装置の制御図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の説明及び図面は、本発明の一実施形態を示したものにすぎず、本発明の内容をこの実施形態に限定して解釈すべきでない。
(被処理液A)
本発明に係る濾過装置10によって濾過される被処理液Aとしては、固体が混合した液体(スラリー)であり、例えば、トンネル構内排水、吹付け用生コンプラント排水、ダイスライム回収排水、バッチャープラント排水、河川工事ドライピット排水、深礎工事排水、グラウト工事排水、シールド工事排水、シールド余剰泥水、浚渫埋立排水、ケイソン工事排水、場所打杭排水、床面洗浄排水、ウェルポイント工事排水、基礎工事ヤード排水、タイヤ洗浄排水、コアボーリング排水、ダイヤモンドカッター排水、土壌汚染掘削ヤード排水、VOC分解洗浄排水、焼却炉解体洗浄排水、放射能除染工事排水、ワイヤーソー切断工事排水、ウォータージェット切断工事排水、製紙工場プロセス排水、パルプ工場プロセス排水、食品工場洗浄排水、生コン工場洗浄排水、コンクリート二次製品工場排水、砕石工場ヤード排水、ガス洗浄スクラバ排水、ゴミ焼却炉急冷塔排水、転炉ガス洗浄排水、アーク炉ガス洗浄排水、銀回収工程排水、洗砂装置排水、水洗中和排水、バレル研磨排水、電界研磨排水、ガラス研磨排水、ウェットブラスト排水、吹付塗装ブース排水、カチオン塗装排水、ステンレス酸洗排水、原料ヤード排水、原料コンベア洗浄排水、堆積ダスト湿式回収排水、工場ヤード排水、連鋳排水、圧延冷却排水、除湿ドレン排水、浸漬切断ヤード排水、鉱さいヤード排水、船舶底部ビルジ排水、造船ドッグ排水、除貝排水、冷却塔ブロー排水、染色工場排水、ミルクプラント洗浄排水、トンネル壁面洗浄排水、建物外壁洗浄排水、洗車排水、ゴルフ場排水、産業処分場浸出水、等の排水を挙げることができる。
(濾過装置10)
本発明の実施形態に係る濾過装置10は、密閉された濾過容器11内で、被処理液A(例えばスラリー)を濾過フィルタ12で濾過し、処理液B(例えば濾液。以下、「濾液B」という。)及びケーキKを排出する全量濾過(デッドエンド濾過)型の装置である。
(濾過容器11)
濾過装置10は濾過フィルタ12を格納する濾過容器11を備えている。この濾過容器11の下部にはケーキ排出シュート11Sが設けられ、ケーキ排出シュート11Sから上方に筒状の濾過フィルタ内蔵部11Uが連続する形状になっている。この濾過容器11の形状は、前記の形状に限られるものではなく、ケーキ排出シュート11Sがない形状など、任意の形状に変更しても良い。
(筒状体12s)
濾過容器11内には、壁面に濾液Bの透過孔が形成され、内部に濾液通路12rが形成された筒状体12sが設けられる。図に示したものは円筒形であって、その中心軸が濾過容器11の上下方向に沿う姿勢で、濾過容器11内に配されている。筒状体12sの形状や姿勢は特に限定されず、筒状体12sの形状を角筒形等の任意の公知形状に変更しても良いし、筒状体12sの姿勢を筒状体12sの中心軸が水平方向になるように濾過容器11内に設置しても良い。なお、図示した筒状体12sは、パンチングメタルなどの透過孔を有する平板を円筒状に成形したものであり、筒状体12s内の空間は濾液通路12rとなる。
(濾過膜12m)
前記筒状体12sの壁面の外側には、濾過膜12mが設けられている。この濾過膜12mとしては、表面積(濾過面積)が広いことから、平坦な濾材をジグザグに折り曲げつつ、筒状体12sの外周面に巻き付けて、円筒状に形成したプリーツフィルタを好適に用いることができる。前記のようにジグザグに折り曲げることで複数の襞を形成することができる。
このプリーツフィルタを用いると、隣り合う襞と襞の壁面間の間隔が内側から外側へ向かって次第に広くなるため、ケーキKを剥離・排出しやすいという利点がある。なお、隣り合う襞と襞の先端部間の長さL1は、例えば6mmにすることができ、襞の先端から基端までの長さL2は、例えば100mmにすることができる。
濾過膜12mは、単層または多層にすることができる。この濾過膜12mの素材(濾材)としては、例えば、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ステンレス、ナイロン等を用いることができる。濾過膜12mの膜厚は、好ましくは0.3mm〜0.7mm、より好ましくは0.6mmである。また、濾材の繊維径(投影面積円相当径、Heywood径をいう。以下、同じ。)は、好ましくは0.1μm〜20μmであり、より好ましくは0.1μmである。繊維径が0.1μmより細い繊維を用いると、濾過時の抵抗が大きくなるとともに、見かけの表面積が狭くなってしまう。また、繊維径が20μmよりも太い繊維を用いると、懸濁粒子(濾過対象物)が濾過膜12mの繊維間の隙間を透過してしまう。したがって、繊維径が0.1μm〜20μmの濾材を用いて、ある程度の目の粗さを持つ濾過膜12mを形成することが好ましい。このような濾過膜12mによって、濾過時に、濾過膜12mの表面に付着した懸濁粒子が濾過層として作用する。なお、この濾過膜12mの長手方向の長さは、例えば300mm〜2000mmにすることができる。
本形態において、濾過膜12mの表面12fとは、濾過容器11と向かい合う面をいい、被処理液Aと接する面をいう。一方、濾過膜12mの裏面12bとは、筒状体12sと向かい合う面をいい、濾液Bと接する面をいう。
また、濾過膜12mの表面12fに洗浄液Cが直接噴き付けられるため、濾過膜12mが洗浄液Cの衝撃波で破損しないように、所定の強度以上の濾過膜12mを用いることが好ましい。例えば、JIS L‐1906の測定方法において、引張強度(N/5cm)タテ:1200、ヨコ:700、破裂強力(kgf/cm2)タテ:25のものを用いると良い。
(フィルタ支持体25)
また、襞の内面に(濾過膜12mの裏面12bと接するように)、その襞形状に沿うように、ハニカムメッシュや金網等をジグザグに折り曲げた支持板(フィルタ支持体25)を配することが好ましい。濾過膜12mの表面12fにケーキKが積層するにつれて、プリーツフィルタの襞が押し潰され、襞内の空間が無くなる「閉塞」の生じる可能性があるが、支持板25を設けることでこの閉塞を防ぐことができる。
(被処理液Aの供給)
従来の濾過容器11の側面には、被処理液Aの供給口が設けられていた。しかし、本実施形態のように、従来のような供給口を設けずに、後述する洗浄液Cの吹き出し口37をこれに代えることが好ましい。供給口の設置を省略することで、濾過装置10の構成が単純化され、製造コストを低減させることができる。なお、被処理液Aを貯留する貯留槽7と濾過容器11の間は、供給管13、14によって繋がれており、被処理液Aは圧送ポンプ8によって貯留槽7から濾過容器11へ送られる。より詳しくは、被処理液Aは供給管13を通ってストレーナ9へ送られ、被処理液A中のゴミなどの異物が除去された後、供給管14を通って、洗浄液タンク36へと送られる。なお、本実施形態では1台の圧送ポンプ8を設置しているが、被処理液Aの供給量を増やしたい場合などには、2台以上に増設すると良い。また、貯留槽7にはレベル計3が設けられており、貯留槽7内の被処理液Aが規定値よりも少なくなったときに、外部から補充する構造となっている。
(濾液Bの排出)
濾過容器11の上部には、濾過容器11外に濾液Bを排出する排出口15が設けられている。濾液Bは、濾液通路12rの上端開口から排出口15を経て排出管16へ導かれる。そして、排出管17、18を通って系外へ送られるか、返送管22、20、21を通って貯留槽7へ返送される。
(フィルタ洗浄手段35)
濾過装置10で濾過を行うと、被処理液A内の粒子が濾過フィルタ12の外面12fに堆積し、ケーキ層Kが形成される。ケーキ層Kができると濾過能力が低下するため、剥離・除去する必要がある。そこで、本発明ではフィルタ洗浄手段、すなわち洗浄装置35を設けている。この洗浄装置35は、濾過装置10の一部品として製造しても良いし、濾過装置10とは別製品として製造し、濾過装置10に後付けしても良い。
洗浄装置35は、濾過フィルタ12の外側に配置される。
図1に示した洗浄装置35は、濾過容器11の外側に配置した洗浄液タンク36と、洗浄液タンク36のうち、濾過フィルタ12と対面する側に設けられた吹き出し口37を有している。
洗浄液タンク36は、少なくとも濾過フィルタ12と対面する側を濾過フィルタ12の軸方向に沿って延在する形状にすることが好ましい。図示した洗浄液タンク36の形状は、中空の角柱が濾過フィルタ12の軸方向と同じ方向に延在している。しかし、このような形状に限られるものではなく、円柱などの任意の公知形状に変更することもできる。
洗浄液タンク36を配置する際は、洗浄液タンク36の濾過フィルタ12側が、濾過膜表面12fと平行に、または略平行となるようにすることが好ましい。これは、濾過膜表面12fの延在方向(濾過膜12mの周方向と直交する方向)において、吹き出し口37と濾過膜表面12fの間の距離をできる限り等しくすることにより、前記延在方向における洗浄斑を少なくするためである。
また、洗浄液タンク36の中心軸の長さは、濾過膜12mの中心軸の長さと同じにすることが好ましく、例えば300mm〜2000mmにすることができる。
洗浄液タンク36の濾過フィルタ12側の外面は、濾過容器11の外面と接しており(パッキン等を挟む形態でも良い)、その接合部分において、濾過容器11にも吹き出し口37と同様の孔(図示しない)が設けられている。洗浄液Cは、吹き出し口37および濾過容器11の孔を通って、濾過フィルタ12の外面へ吹き出される。吹き出された洗浄液Cは、衝撃波となって濾過フィルタ12に衝突し、その衝撃によって濾過フィルタ12からケーキKを剥離する。本発明のように濾過フィルタ12の外面に吹き付けることで、洗浄液CがケーキKに直接当たるため、濾過フィルタ12に形成されたケーキKが剥離・除去しやすい。
なお、濾過フィルタ12の外面12fに向って噴射された洗浄液Cは、濾過フィルタ12と衝突した後、一部は濾過膜12mの内部を通過して濾液通路12r内へ流れ、その他の部分は濾過フィルタ12の壁面に沿って横方向に(隣接する外側の襞に)流れる。
また、洗浄液タンク36内部の空間の大きさは、貯留槽7の洗浄液Cを運搬するポンプ8の出力などによって決定する。すなわち、ポンプ8の出力が大きくなるほど、貯留槽7から洗浄液タンク36内へ送られる洗浄液Cの量が多くなるため、洗浄液タンク36内部の空間も大きくするというように、スリット37から吹き出される洗浄液Cが均一となり、かつ圧力損失が無いように設計することが好ましい。
前記洗浄液タンク36の濾過フィルタ12側には、洗浄液タンク36内の洗浄液Cを吹き出す吹き出し口37が形成されている。この吹き出し口37は、対面する濾過フィルタ12の軸方向に沿って延在するスリットからなる。洗浄液タンク36の形状が筒状である場合、洗浄液タンク36の軸方向に沿って延在するスリットと言い換えることもできる。
このスリットの形状については、濾過フィルタ12の軸方向(または洗浄液タンク36の軸方向)に沿って直線状に延在する細長い形状(スリット状)の孔を例示できる。しかし、このような形態に限られず、湾曲させた形状(曲線形状)や直線をジグザグに屈折させた形状にするなど、任意の公知形状に変更しても良い。また、洗浄液タンク36の軸方向と平行なものに限られず、所定の角度をつけても良い。さらに、洗浄液タンク36の壁面を旋回するように螺旋状に形成しても良い。
また、このスリット37は洗浄液タンク36の延在方向の一端から他端に亘って設けても良いが、洗浄液タンク36の端部には設けず、中間部分にのみ設けても良い。なお、このスリット37の横方向(洗浄液タンク36の延在方向と直交する方向。以下、同じ。)の長さSは、好ましくは0.5mm〜1.5mmであり、より好ましくは1mmである。この長さにすることで、ケーキKの剥離量を増やすことができる。なお、前記長さを1mmにしたとき、洗浄液タンク36と間隙50の間の差圧は80KPa程度であった。
スリット37の本数は、1本にしても良いが、複数本にすることが好ましい。このスリット37の形成方法としては、レーザー加工によって洗浄液タンク36に孔を空けたものが一般的であるが、レーザー加工の熱によって歪みが生じ、スリット幅を均一にすることが難しい。他方、1本のスリット37ではなく、複数本のスリット37を形成することによって、レーザー加工時にスリット37の孔の周縁から外側へ向かう力を、隣接する孔間で打ち消すことにより、大きな歪みの発生を抑えることができる。また、スリット37の数を増やすことによって、濾過フィルタ12に当たる洗浄液Cの面積を広くすることができる。一方、スリット37の本数を1本に絞ることによって、洗浄液Cが濾過フィルタ12に当たった時の衝撃が大きくなり、ケーキKを剥離しやすくなるという利点があるため、スリット37の本数は、メリットとデメリットを比較考慮して任意に決めれば良い。なお、隣接するスリット37A、37B間の距離Xは、5mm〜20mmが好適である。5mmより短い場合は、スリット37を形成するレーザー加工時に熱変形が生じやすい。また、20mmより長い場合は、洗浄液タンク36のサイズを大きくせざるを得なくなる。
スリット37は、スリット37の延在方向において、孔41の空いた箇所と空いていない箇所を交互に設けた点線状のスリット37にすることができる。この点線状スリット37を横方向に隣接して複数本設けた場合、隣接するスリット37、37の点線の間隔が互い違いになっていることが好ましい。具体的には、例えば1本目の点線状スリット37Aの任意の部分に孔41が形成されていた場合、その任意の部分から横方向に移動した仮想線38と2本目の点線状スリット37Bの交点39には、孔41が形成されていないことが好ましい。このような構成にすることで、レーザー加工時に大きな歪みが発生することを防ぐことができる。また、洗浄時において、洗浄タンク36内圧によるスリット幅Sの拡張を防止することができる。
スリット孔41の長手方向端部41aから吹き出される洗浄液量は、長手方向中間部41bと比べて少なくなる傾向にある。そのため、濾過フィルタ12のうち、スリット孔41の長手方向端部41aと対面する部分に、洗浄漏れが生じる可能性がある。それを防止するため、1本目の点線状スリット37Aの孔41の端部41aと、2本目の点線状スリット37Bの孔41の端部41aが、横方向に重なる構成(重なり部分40が形成される構成)にすることが好ましい。この重なり部分40の延在方向の長さは、好ましくは3mm〜8mm、より好ましくは5mmにすることができる。また、点線状のスリット37のピッチY(スリット37の延在方向に隣接する孔41、41の中心点間の長さ)は、10mm〜30mmが好適である。10mmより短い場合は、スリット37を形成するレーザー加工が煩雑になる。また、30mmより長い場合は、洗浄時において、洗浄タンク36内圧によってスリット幅Sが拡張してしまう。
なお、濾過フィルタ12に洗浄液Cを噴き付けるため、スリット37を濾過フィルタ12と対面する位置(濾過フィルタ12と向かい合う位置)に設けることが好ましい。スリット37を濾過フィルタ12と対面しない位置に設けた場合、ケーキKを剥離できないばかりか、洗浄液Cを無駄に吹き出すことになるため、好ましくない。
濾過フィルタ12の軸方向(または洗浄液タンク36の軸方向)と直交する方向の孔41の幅Sは、例えば1mm〜3mmにすることができる。幅Sが1mmに満たない場合は、噴射される洗浄液Cの量が少なすぎるため、ケーキKを剥離しづらくなる。また、3mmを越える場合は、噴射される洗浄液Cの量が多くなるため、ポンプ8の動力が大きくなる。
(整流バッフル51)
洗浄液タンク36の供給口4近傍には、平板をV字状に折り曲げた整流バッフル51を、洗浄液タンク36の上端から下方へ向かって延在するように設けることが好ましい。このとき、図示したように、折り曲げ部分を供給口4側に、先端部分をスリット37側に配置すると良い。この整流バッフル51を設けることにより、供給口4から洗浄液タンク36内に供給された洗浄液Cが、整流バッフル51に当たって、その流れ方向を変える。具体的には、洗浄液Cの一部は、整流バッフル51の側面を回ってスリット37の上部から吹き出るが、洗浄液Cの他部は、洗浄液タンク36の下方へ向かって流れ、スリット37の中部または下部から吹き出る。このように整流バッフル51を設けることで、スリット37から吹き出される洗浄液C量を、スリット37の上部、中部、下部に関わらず、均質にすることができる。
(洗浄液C)
洗浄液Cとしては、経済的な観点から、前記被処理液Aを用いることが好ましい。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、水などのその他の液体を用いても良い。
(その他)
スリットノズル37の差圧(洗浄タンク36と濾過容器11の差圧)は、80kPa〜150kPaが好適である。80kPaより低い場合は、ケーキKが剥離しづらい。また、150kPaよりも高い場合は、洗浄液Cが当たった衝撃によって濾過膜12mが痛んでしまう。この吹き出し圧力は、ケーキKの付着力(ケーキKを構成する粒子の種類、ケーキKの含水量等)を考慮して決めると良い。
また、ケーキKを万遍なく剥離するため、洗浄液Cを濾過フィルタ12の外周面全体に当てることが望ましい。そのため、洗浄時には、濾過装置10の上部に設けたモータMによって、濾過フィルタ12の軸心を中心に、濾過フィルタ12を回転させると良い。
(変形例)
スリット37の周縁部が、濾過フィルタ12に向かって突出した形状にしても良い。より好適には、スリット37の周縁部のうち、横方向の両端部を濾過フィルタ12へ向かって突出させ、突出部45の両端部の隙間Sが、濾過フィルタ12へ向かうにつれて狭くなる構造にすると良い。そして、この突出部45の両端部の隙間のうち、最も濾過フィルタ12に近い先端部の長さを0.5mm〜1.5mm、より好ましくは1mmにすることが好ましい。このような構造にすることで、ケーキKを効果的に剥離することができる。また、被処理液A(洗浄液C)により、洗浄タンク36の内側から外側へ向かって常に圧力がかかるため、その内圧によってスリット37の幅Sが広がりやすいが、スリット37を突出形状にすることで、内圧に対する抵抗力が上がり、幅Sの広がりを抑えることができる。
(濾過工程)
次に、濾過装置10の濾過工程について説明する。
まず、すべてのバルブV1、V2、V3が閉じられた状態から、濾液排出バルブV2を開いた後、ポンプ8を起動する。すると、被処理液Aが供給管13を介してストレーナ9へ送られ、ストレーナ9内で被処理液Aに含まれるゴミなどが除去される。その後、ストレーナ9から排出された被処理液Aは、供給管14を介して、洗浄液タンク36内へ送られ、スリット37を通って濾過容器11内に供給される。なお、スリット37から濾過容器11内に供給される被処理液Aの流速は、例えば2.3m/s〜3.5m/s(FLUXが200LMH〜300LMH)にすることができる。このようにして濾過容器11内に到達した被処理液Aは、濾過フィルタ12によって濾過される。この濾過によって、被処理液Aの液体は濾過膜12mを通って濾液通路12rへ移動し、濾液Bとして排出口15から排出される。排出口15から排出された濾液Bは、排出管17、18を通って系外へ排出される。他方、被処理液Aの固体(懸濁粒子)は濾過膜12mの表面12fに付着して堆積し、結果としてケーキKが形成される。
なお、濾過フィルタ12の単位面積当たりの通液抵抗は、通液積算量(すなわち、被処理液Aから分離される固形分量)に比例して大きくなる。
濾過フィルタ12の表面に形成されたケーキKは、ある程度の通液性を有しており、濾過フィルタ12を補助する補助フィルタとして機能するという利点を有するが、ケーキ層が厚くなるにつれて通液性が悪くなるという不利益が生じる。すなわち、ケーキ層が厚くなるにつれて、通液抵抗が比例して大きくなってしまう。そのため、一定量のケーキKが堆積したら、濾過フィルタ12の通液抵抗を減らして、濾過流量を増やす必要がある。そこで、ケーキKの生成量が所定レベルまで増えたとき、すなわち濾過フィルタ12が目詰まりしたときに、濾過工程を終了する。
ケーキKの生成量は、被処理液Aの濁度と通水積算量(すなわち、被処理液Aから分離される固形分量)に比例するため、濾過工程を開始してから、濾過フィルタ12が目詰まりし、洗浄工程を行うというタクトタイムは、ケーキKの生成時間で決定する。
なお、フィルタ目詰耐圧は、例えば200kPaである。
図示形態では、洗浄液タンク内圧力計測器PT1によって洗浄液タンク36内の圧力を計測するとともに、排出管内圧力計測器PT3によって排出管16内の圧力を計測し、その差圧が一定値以上になったときに、濾過工程を終了する構成としている。そのほか、濾過容器内圧力計測器PT2によって濾過容器11内の圧力を計測し、洗浄液タンク36内の圧力(または排出管16内の圧力)との差圧が一定値以上になったときに、濾過工程を終了する構成としても良い。
なお、濾過工程を終了するタイミングは、その他の方法によって決めても良い。例えば、流量計5によって、単位時間当たりの濾液Bの排出量を計測し、その量が一定値を下回った場合に、濾過工程を終了するようにしても良い。また、濾過工程を開始してから所定時間が経過したか否かで判定したり、ケーキKの厚さを計測して、ケーキ厚が約1mm〜2mmになった時点で、ケーキKが濾過不可能な状態になったと判定したりしても良い。
濾過工程を終了する際は、濾液排出バルブV2を開から閉にするが、ポンプ8の運転は継続する。
また、濾過中のポンプ8の出力を制御する方法には、以下の2つがあり、いずれの方法を用いても良い。
1つ目の方法は、スリット37から吹き出される被処理液Aの吹き出し圧力を一定に保つ「定圧運転」である。この方法では、ポンプ8の出力を変えずに一定に保っているため、濾過工程を開始した直後は濾過流量が多いが、ケーキKが形成されるに伴って濾過流量が減少する。
2つ目の方法は、濾過流量を一定に保つ「定流量運転」である。濾過工程を開始した直後は濾過膜12mの目詰圧力が低いが、ケーキKが形成されるに伴って目詰圧力が上昇する。この方法では、濾過流量を一定に保つため、ポンプ8の出力を次第に上げる制御を行う。
(パージ工程)
次に、濾過工程の後に行う、気体を用いたパージ(purge)工程(「気体パージ工程」ともいう。)について説明する。
まず、スラリー排出バルブV1とガス供給バルブV3を開き、ブロワ6を起動する。また、濾過容器11下端に設けた排出弁11Vも閉状態から開状態に変更する。前記ブロワ6の圧力は、例えば20kPa程度にすることができる。すると、ブロワ6から送られた気体D(例えば空気。空気を用いた場合は、エアパージという。また、空気に換えて窒素等の他の気体を用いても良い。)は、送気管19および排出口15を経て、濾液通路12r内へ導かれる。濾過工程の終了直後は、濾液通路12r内に濾液Bが残存しているが、送られた気体Dにより、濾液Bが濾過膜12mの内側から外側へ押し出される。その結果、濾液Bは濾過容器11の下部に落下した後、排出管22、20、(21)を通って貯留槽7へ返送される。また、パージ工程の間も、ポンプ8によって被処理液Aが濾過容器11内に送られているが、その被処理液Aは、濾液Bと同様に濾過容器11の下部に落下した後、排出管22、20、(21)を通って貯留槽7へ返送される。なお、パージ工程が進むにつれて、濾過容器11内の濾液通路12rやプリーツフィルタ12の外側の空間(間隙50)に、気体Dが充満した状態となる。
なお、このパージ工程の時間は5秒〜15秒にすることができる。具体的には、ブロワ6の送風能力が2.5L/min、濾過容器11の容積(濾過フィルタ12の下端よりも下側の部分を除く)が190Lである場合、パージが完了するまでに、190L÷2500×60秒=4.56秒が必要となり、バルブ27を開にする時間や、フィルタ12の空気抵抗などを考慮すると、約10秒でパージ工程が終了する。
また、このパージ工程の間に、スリットノズル37の差圧(洗浄タンク36と濾過容器11の差圧)が80kPa以上になった場合は、パージ工程と後述の洗浄工程が並行して行われる。通常は、パージ工程と洗浄工程は並行して行われず、5秒〜15秒かけてパージ工程を行った後に、洗浄工程を行うようにしている。このようにエアパージ工程によって、濾過容器11内を気体で満たした状態を作り出すことにより、気中の洗浄を行えるようにしている。
(洗浄工程)
次に、パージ工程後の洗浄工程について説明する。
洗浄工程では、濾過膜表面12fに形成されたケーキKを剥離・排出し、濾過膜表面12fを初期状態に戻す。このときポンプ8及びブロワ6の運転を継続し、各バルブの状態(バルブV1(開)、V2(閉)、V3(開))は、変えないものとする。ポンプ8により、貯留槽7に貯留された被処理液Aは、配管13、ストレーナ9、配管14を経由して、洗浄液タンク36へ送られる。洗浄液タンク36へ送られた被処理液Aは洗浄液Cとして用いられる(以下の洗浄工程の説明において、「被処理液A」を「洗浄液C」という)。洗浄液タンク36には、洗浄液Cが一時的に充満するが、充満した洗浄液Cは、ポンプ8の圧力によって、スリット37から濾過フィルタ12へ向かって吹き出される。このとき、スリットノズル37の差圧(洗浄タンク36と濾過容器11の差圧)は、80kPa〜150kPaとすることが好適である。差圧が80kPaの時のノズル噴流速度は8m/s、120kPaの時のノズル噴流速度は12m/とすることが好ましい。なお、ケーキ厚が厚い場合は、洗浄液Cの吹き出し圧力を強める必要があり、例えばケーキ厚が2mm(2000g/m2)のときは、150kPa(15m/s)の圧力が必要となる。吹き出された洗浄液Cは、濾過フィルタ12に衝突し、その衝撃によって濾過フィルタ12に付着したケーキKを剥離する。このとき、スリット37は洗浄液タンク36の延在方向に延在しているため、洗浄液Cがスリット37から平板状に吹き出され、濾過フィルタ12の軸方向に沿ってライン状に当たり、軸方向のケーキKを漏れなく剥離することができる。
なお、濾過フィルタ12に付着したケーキKのうち、洗浄液タンク36のスリット37の位置から離れたケーキKに対しては、衝撃を与えることができない。そのため、濾過フィルタ12をその軸心を中心として回転させることが好ましい。濾過フィルタ12を1回転させるために必要な時間は、濾過フィルタ12の直径、襞数(プリーツフィルタの場合)や、表面積で決定し、例えば、直径400mm(表面積50m2)の濾過フィルタ12を0.5RPMで回転させる(120秒間で1回転させる)ようにしても良い。濾過フィルタ12を回転させながら、スリット37から洗浄液Cを吹き出すことで、濾過フィルタ12の全周に付着したケーキKを剥離することができる。なお、濾過フィルタ12の回転機構を設けない場合は、洗浄液タンク36が濾過フィルタ12の周囲を回転する機構にしても良い。また、濾過容器11の周方向に沿って、洗浄液タンク36を複数設け、360度の方向から洗浄液Cを吹き出すことで、回転機構を設けた場合と同様の効果を得るようにしても良い。
排出シュート11Sに落下したケーキKは、洗浄液Cとともに、返送管22、20、(21)を経て、貯留槽7へ送られる。なお、剥離したケーキKを即時に貯留槽7へ送っても良いが、ケーキ排出シュート11Sに溜めて、ある程度の量が溜まった後に送るようにしても良い。
また、洗浄工程においても、ブロワ6から送られた気体は、濾液通路12rに導かれた後、濾過膜12mの内側から外側へ排気される。したがって、濾過膜表面12fに形成されたケーキKは、濾過膜外側から受ける洗浄液Cの衝撃力によって剥離されるほか、濾過膜内側から外側へ排出される気体Dによっても剥離されるため、洗浄液Cだけを用いる場合と比べて、ケーキKが剥離しやすくなる。また、濾過容器11内に気体Dが充満した状態で洗浄液Cを吹き付けているため、濾過容器11内に液体(被処理液A)が充満している従来例と比べて、洗浄液Cの衝撃力が大きくなり、ケーキKの剥離量が多くなる。さらに、洗浄液Cの吹き出し力が強い場合であっても、濾過膜内側から外側に気体Dが排出されているため、洗浄液Cが濾過通路12r内に入り込むケースが少なく、仮に入り込んだとしても直ぐに間隙50に排出することができる。
以上のようにして、ケーキKを全て排出したときに、洗浄工程を終了とし、濾過工程を再開する。
(縦型脱水乾燥装置と横型脱水乾燥装置)
上記の説明では、濾過フィルタ12の軸心が縦になる縦型濾過装置10について説明したが、濾過フィルタ12の軸心が横になる横型濾過装置10であっても良い。この横型濾過装置10では、洗浄液タンク36を濾過フィルタ12の下側に配置し、洗浄液Cを下側から噴き付けるようにすると良い。濾過フィルタ12から剥離したケーキKが、重力によって排出口11Sに落下しやすいからである。
(複数の濾過フィルタ)
また、図示した形態のように、濾過装置10の設置数は1台に限られるものではなく、複数台の濾過装置10に対しても、同様の洗浄装置35を用いることができる。
図5に、2台の濾過装置10(第1濾過装置10A及び第2濾過装置10B)を設けた場合の制御方法を示した。この図について説明すると、まず運転開始時に、濾液排出バルブ(第1濾液排出バルブV2−1及び第2濾液排出バルブV2−2)を閉から開に変え、原水ポンプ8を駆動して、2台の濾過装置10A、10Bで被処理液Aの濾過を行う(S1)。図5では、スリット37から吹き出す被処理液Aの吹き出し圧力を一定に保つ定圧運転を行っており、S1工程の間は、インバータ2がポンプ6の周波数を中程度に維持している。また、濾過装置10の運転開始から運転終了までの間、第1モータM1、第2モータM2を駆動して、0.5rpm程度の速さで、濾過フィルタ12を常に回転させるようにしている。なお、S1工程の時間は、例えば30分程度とすることができる。
次に、第1濾過装置10Aでパージを行う(S2)。このS2工程の開始時に、第1濾液排出バルブV2−1を開から閉に変え、第1スラリー排出バルブV1−1及び第1ガス供給バルブV3−1を閉から開に変える。それとともに、ブロワ6を駆動して、気体D(例えば外気)を濾過装置10A内に供給する。また、S2工程の開始から終了までの間に、インバータ2がポンプ6の周波数を中から高に次第に変えていく。このS2工程が進むに連れて、濾液通路12r内に残存していた濾液Bが、濾過容器11と濾過膜12mの間の間隙50へ押し出される。そして、間隙50内に押し出された濾液Bや間隙50内に溜まっていた被処理液Aが、濾過容器11の下部から排出され、貯留槽7へ返送される。このようにして、濾過容器11内が、ブロワ6から供給された気体Dで満たされることになる。なお、S2工程の間も、被処理液Aがスリット37から濾過容器11内に供給されているが、供給された被処理液Aは濾過容器11の下部から排出され、貯留槽7へ返送される。
他方、第2濾過装置10Bでは、被処理液Aの濾過が継続して行われる。なお、前記S2工程の時間は、例えば10秒程度とすることができる。
次に、第1濾過装置10Aで、濾過膜12mの洗浄を行う(S3)。このS3工程の開始時には、各バルブV1、V2、V3の開閉を変更しない。また、S3工程の間は、インバータ2がポンプ6の周波数を高い状態で維持している。この濾過工程では、スリット37から吹き出された洗浄液Cが濾過膜12mに衝突して、濾過膜12mの表面に形成されたケーキKが剥離されるとともに、濾過膜12mの裏面から表面に吹き出された気体DによってもケーキKが剥離される。剥離したケーキKは、洗浄液Cと混ざってスラリーZとなり、濾過容器11の下部から排出され、貯留槽7へ返送される。このようにして、濾過膜12mが初期状態(濾過開始前の状態)に戻される。
他方、第2濾過装置10Bでは、引き続き被処理液Aの濾過が行われる。なお、前記S3工程の時間は、例えば2分程度とすることができる。
次に、第1濾過装置10Aで、被処理液Aの濾過が再開される(S4)。このS4工程の開始時には、第1濾液排出バルブV2−1を閉から開に変え、第1スラリー排出バルブV1‐1、第1ガス供給バルブV3−1を開から閉に変える。また、ブロワ6を停止させ、気体Dの供給を停止する。さらに、インバータ2がポンプ6の周波数を高から中に変え、S4工程の間は周波数を中程度に維持している。
他方、第2濾過装置10Bでは、引き続き被処理液Aの濾過が行われる。なお、前記S4工程の時間は、例えば30分程度とすることができる。
その後、S5工程で第2濾過装置10Bがパージを行い、S6工程で第2濾過装置10Bが洗浄を行い、S7工程で第2濾過装置10Bが濾過を再開する。このS5工程〜S7工程の間は、第1濾過装置10Aは濾過の運転を継続する。このS5工程〜S7工程の詳細は、第1濾過装置10Aにおける第2工程〜第4工程と同様であるため、ここでは説明を省略する。
そして、S8工程で第1濾過装置10Aがパージを行い、S9工程で第1濾過装置10Aが洗浄を行い、・・・というように、第1濾過装置10Aと第2濾過装置10Bが順番に濾過、パージ、洗浄を行う。このように濾過と洗浄のタイミングを濾過装置10A、10Bごとに変えることで、濾過が全く行われないような状態が生じなくなり、濾過流量を平均化することができる。
また、ポンプ8を選定する際は、第1濾過装置10Aの濾過に必要な容量と、第2濾過装置10Bの洗浄に必要な容量を加算した容量のポンプを採用すると良い。なお、大容量のポンプ8が必要な場合は、複数台のポンプを設けても良い。
また、図5ではブロワ6を1台だけ設けたが、濾過装置10の数に合わせて、複数台設けるようにしても良い。
前記の説明では、濾過装置10を2台設けた場合について説明したが、3台以上設けた場合においても、濾過と洗浄のタイミングを濾過装置ごとに変える同様の制御を行うようにすると良い。
本発明は、濾過が必要な被処理液Aが増えた場合に、既設の濾過装置10に加えて、新たな濾過装置10を容易に後付けすることができるため、設備費を抑えることができ、利便性が高い。
2…インバータ、3…レベル計、4…供給口、6…ブロワ、7…貯留槽、8…ポンプ、9…ストレーナ、10…濾過装置、10A…第1濾過装置、10B…第2濾過装置、11…濾過容器、11S…ケーキ排出シュート、11U…フィルタ内蔵部、11V…排出弁、12…濾過フィルタ、12b…濾過膜の裏面(濾過フィルタの内面)、12f…濾過膜の表面(濾過フィルタの外面)、12m…濾過膜、12r…濾液通路、12s…筒状体、13、14…供給管、15…排出口、17、18…排出管、19…送気管、20、21、22…返送管、29…フィルタ支持体、35…洗浄手段、36…洗浄液タンク、37…スリット、38…仮想線、39…交点、40…重なり部分、41…孔、45…突出部、50…間隙、51…整流バッフル、A…被処理液、B…処理液(濾液)、C…洗浄液、FT…流量計、FT1…第1流量計、FT2…第2流量計、K…ケーキ、M…モータ、M1…第1モータ、M2…第2モータ、PT1…洗浄液タンク内圧力計測器、PT1−1…第1洗浄液タンク内圧力計測器、PT1−2…第2洗浄液タンク内圧力計測器、PT2…濾過容器内圧力計測器、PT2−1…第1濾過容器内圧力計測器、PT2−2…第2濾過容器内圧力計測器、PT3…排出管内圧力計測器、PT3−1…第1排出管内圧力計測器、PT3−2…第2排出管内圧力計測器、S…スリット幅、V1…スラリー排出バルブ、V1-1…第1スラリー排出バルブ、V1-2…第2スラリー排出バルブ、V2…濾液排出バルブ、V2-1…第1濾液排出バルブ、V2-2…第2濾液排出バルブ、V3…ガス供給バルブ、V3−1…第1ガス供給バルブ、V3−2…第2ガス供給バルブ、X…スリット間の距離、Y…ピッチ、Z…スラリー
本発明は、被処理液を濾過フィルタによって濾過する濾過方法に関する。特に、濾過に伴って濾過フィルタ外面に形成されたケーキを除去するため、濾過フィルタ外面に向かって洗浄液を吹き出す洗浄工程を備えた濾過方法に関する。
工場や建設現場などから発生する排水(被処理液)を濾過すると、濾過フィルタ外面にケーキが形成されて濾過効率が悪化するため、このケーキを除去する必要がある。ケーキを除去する方法としては、濾過フィルタの外側から洗浄液を吹き出し、洗浄液が濾過フィルタに当たった衝撃によって除去する方法がある。
特許文献1には、この方法を用いた濾過方法が開示されている。この濾過方法は、濾過容器に複数の噴射ノズルを取り付け、この噴射ノズルから濾過フィルタの表面に洗浄液を吹き付けつつ、濾過フィルタを回転させることで、濾過フィルタ全周を洗浄するものである。このとき、濾過を行いながら濾過フィルタの再生(濾過フィルタの洗浄)を行うことで、休止ロスを完全になくすようにしている。
特開2015−103683号公報
しかしながら、特許文献1の濾過方法では、濾過フィルタの再生効果が低いという問題がある。すなわち、濾過容器内が被処理液で満たされている状態で洗浄を行っていることから、濾過容器内に溜まった被処理液によって、ノズルから噴射された洗浄液の液流が急激に減速し、ケーキを十分に剥離することが困難であった。
また、洗浄液の噴射によって、濾過フィルタの表面に形成されたケーキ(被処理液中の微粒子が凝集してできたケーキ)が一旦は剥離するものの、剥離したケーキの一部が、洗浄ノズルからの噴流によって解砕され、高濃度の濁水となって濾過フィルタの表面に再吸着してしまうため、洗浄効率が悪かった。
そこで、本発明が解決しようとする主たる課題は、濾過フィルタの再生効果が高い濾過方法を提供することである。
前記課題を解決するための発明は、以下の(1)〜(3)である。
(1)被処理液の供給口と濾液の排出口を有する濾過容器の内部に設けられ、外面が濾過面とされ内部が濾液通路とされた筒状の濾過フィルタによって、被処理液を濾過する濾過工程と、
濾液排出口から前記濾液通路を経て、前記濾過容器と前記濾過フィルタの間の間隙に気体を注入し、前記間隙前記気体で満たすパージ工程と、
前記間隙が気体で満たされた状態で、前記濾過フィルタの外側に配置した洗浄装置の吹き出し口から前記濾過フィルタの外面に向かって洗浄液を吹き出し、前記洗浄液によって前記濾過フィルタの外面に付着したケーキを剥離するとともに、
前記濾液排出口から前記濾液通路を経て、前記間隙に気体を注入し、前記濾過フィルタの内側から外側へ排出される気体によって、前記濾過フィルタの外面に付着したケーキを剥離しつつ、前記洗浄液の前記濾液通路への入り込みを妨げる、前記濾過フィルタの洗浄工程と、
を有することを特徴とする濾過方法。
(2)前記濾過フィルタは、
平坦な濾材をジグザグに折り曲げつつ円筒状に巻いてなるプリーツフィルタであり、
前記洗浄装置は、
前記濾過フィルタの外側に配置され、前記濾過フィルタと対面する側が、前記濾過フィルタの軸方向に沿って延在する洗浄液タンクを有し、
前記吹き出し口は、
前記洗浄液タンクのうち、前記濾過フィルタと対面する側に設けられ、対面する前記濾過フィルタの軸方向に沿って延在するスリットであり、
前記吹き出し口から吹き出された洗浄液は、前記プリーツフィルタの軸方向に沿ってライン状にあたる前記(1)記載の濾過方法。
(3)前記濾過容器および濾過フィルタは複数設けられており、
一方の濾過フィルタで被処理液の濾過を行う間に、他方の濾過フィルタのパージ及び洗浄を行う前記(1)記載の濾過方法。
本発明によれば、濾過容器内が気体で満たされた状態で洗浄工程を行うため、洗浄液の噴射速度が落ちず、濾過フィルタの再生効果を高めることができる。また、剥離したケーキが再吸着することもないため、洗浄効率を高めることができる。さらに、洗浄工程中においても、濾過フィルタ12の裏側から外側へ向かって気体を流し、その気体によりケーキが剥離されるため、より濾過フィルタの再生効果を高めることができる。
本発明に係る濾過装置の構造説明図である。(A)は正面図、(B)は平面図(プリーツフィルタは省略)である。 濾過フィルタの説明図である(洗浄装置は図示省略)。 スリットの説明図である。(C)では1本のスリット、(D)では2本の点線状スリットを表した。 濾過装置(1台)の周辺の構造説明図である。 濾過装置(2台)の周辺の構造説明図である。 洗浄手段の変形例の説明図である。(E)は平面図、(F)は突出部の拡大図、(G)は正面図である。 2台の濾過装置の制御図である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下の説明及び図面は、本発明の一実施形態を示したものにすぎず、本発明の内容をこの実施形態に限定して解釈すべきでない。
(被処理液A)
本発明に係る濾過装置10によって濾過される被処理液Aとしては、固体が混合した液体(スラリー)であり、例えば、トンネル構内排水、吹付け用生コンプラント排水、ダイスライム回収排水、バッチャープラント排水、河川工事ドライピット排水、深礎工事排水、グラウト工事排水、シールド工事排水、シールド余剰泥水、浚渫埋立排水、ケイソン工事排水、場所打杭排水、床面洗浄排水、ウェルポイント工事排水、基礎工事ヤード排水、タイヤ洗浄排水、コアボーリング排水、ダイヤモンドカッター排水、土壌汚染掘削ヤード排水、VOC分解洗浄排水、焼却炉解体洗浄排水、放射能除染工事排水、ワイヤーソー切断工事排水、ウォータージェット切断工事排水、製紙工場プロセス排水、パルプ工場プロセス排水、食品工場洗浄排水、生コン工場洗浄排水、コンクリート二次製品工場排水、砕石工場ヤード排水、ガス洗浄スクラバ排水、ゴミ焼却炉急冷塔排水、転炉ガス洗浄排水、アーク炉ガス洗浄排水、銀回収工程排水、洗砂装置排水、水洗中和排水、バレル研磨排水、電界研磨排水、ガラス研磨排水、ウェットブラスト排水、吹付塗装ブース排水、カチオン塗装排水、ステンレス酸洗排水、原料ヤード排水、原料コンベア洗浄排水、堆積ダスト湿式回収排水、工場ヤード排水、連鋳排水、圧延冷却排水、除湿ドレン排水、浸漬切断ヤード排水、鉱さいヤード排水、船舶底部ビルジ排水、造船ドッグ排水、除貝排水、冷却塔ブロー排水、染色工場排水、ミルクプラント洗浄排水、トンネル壁面洗浄排水、建物外壁洗浄排水、洗車排水、ゴルフ場排水、産業処分場浸出水、等の排水を挙げることができる。
(濾過装置10)
本発明の実施形態に係る濾過装置10は、密閉された濾過容器11内で、被処理液A(例えばスラリー)を濾過フィルタ12で濾過し、処理液B(例えば濾液。以下、「濾液B」という。)及びケーキKを排出する全量濾過(デッドエンド濾過)型の装置である。
(濾過容器11)
濾過装置10は濾過フィルタ12を格納する濾過容器11を備えている。この濾過容器11の下部にはケーキ排出シュート11Sが設けられ、ケーキ排出シュート11Sから上方に筒状の濾過フィルタ内蔵部11Uが連続する形状になっている。この濾過容器11の形状は、前記の形状に限られるものではなく、ケーキ排出シュート11Sがない形状など、任意の形状に変更しても良い。
(筒状体12s)
濾過容器11内には、壁面に濾液Bの透過孔が形成され、内部に濾液通路12rが形成された筒状体12sが設けられる。図に示したものは円筒形であって、その中心軸が濾過容器11の上下方向に沿う姿勢で、濾過容器11内に配されている。筒状体12sの形状や姿勢は特に限定されず、筒状体12sの形状を角筒形等の任意の公知形状に変更しても良いし、筒状体12sの姿勢を筒状体12sの中心軸が水平方向になるように濾過容器11内に設置しても良い。なお、図示した筒状体12sは、パンチングメタルなどの透過孔を有する平板を円筒状に成形したものであり、筒状体12s内の空間は濾液通路12rとなる。
(濾過膜12m)
前記筒状体12sの壁面の外側には、濾過膜12mが設けられている。この濾過膜12mとしては、表面積(濾過面積)が広いことから、平坦な濾材をジグザグに折り曲げつつ、筒状体12sの外周面に巻き付けて、円筒状に形成したプリーツフィルタを好適に用いることができる。前記のようにジグザグに折り曲げることで複数の襞を形成することができる。
このプリーツフィルタを用いると、隣り合う襞と襞の壁面間の間隔が内側から外側へ向かって次第に広くなるため、ケーキKを剥離・排出しやすいという利点がある。なお、隣り合う襞と襞の先端部間の長さL1は、例えば6mmにすることができ、襞の先端から基端までの長さL2は、例えば100mmにすることができる。
濾過膜12mは、単層または多層にすることができる。この濾過膜12mの素材(濾材)としては、例えば、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ステンレス、ナイロン等を用いることができる。濾過膜12mの膜厚は、好ましくは0.3mm〜0.7mm、より好ましくは0.6mmである。また、濾材の繊維径(投影面積円相当径、Heywood径をいう。以下、同じ。)は、好ましくは0.1μm〜20μmであり、より好ましくは0.1μmである。繊維径が0.1μmより細い繊維を用いると、濾過時の抵抗が大きくなるとともに、見かけの表面積が狭くなってしまう。また、繊維径が20μmよりも太い繊維を用いると、懸濁粒子(濾過対象物)が濾過膜12mの繊維間の隙間を透過してしまう。したがって、繊維径が0.1μm〜20μmの濾材を用いて、ある程度の目の粗さを持つ濾過膜12mを形成することが好ましい。このような濾過膜12mによって、濾過時に、濾過膜12mの表面に付着した懸濁粒子が濾過層として作用する。なお、この濾過膜12mの長手方向の長さは、例えば300mm〜2000mmにすることができる。
本形態において、濾過膜12mの表面12fとは、濾過容器11と向かい合う面をいい、被処理液Aと接する面をいう。一方、濾過膜12mの裏面12bとは、筒状体12sと向かい合う面をいい、濾液Bと接する面をいう。
また、濾過膜12mの表面12fに洗浄液Cが直接噴き付けられるため、濾過膜12mが洗浄液Cの衝撃波で破損しないように、所定の強度以上の濾過膜12mを用いることが好ましい。例えば、JIS L‐1906の測定方法において、引張強度(N/5cm)タテ:1200、ヨコ:700、破裂強力(kgf/cm2)タテ:25のものを用いると良い。
(フィルタ支持体25)
また、襞の内面に(濾過膜12mの裏面12bと接するように)、その襞形状に沿うように、ハニカムメッシュや金網等をジグザグに折り曲げた支持板(フィルタ支持体25)を配することが好ましい。濾過膜12mの表面12fにケーキKが積層するにつれて、プリーツフィルタの襞が押し潰され、襞内の空間が無くなる「閉塞」の生じる可能性があるが、支持板25を設けることでこの閉塞を防ぐことができる。
(被処理液Aの供給)
従来の濾過容器11の側面には、被処理液Aの供給口が設けられていた。しかし、本実施形態のように、従来のような供給口を設けずに、後述する洗浄液Cの吹き出し口37をこれに代えることが好ましい。供給口の設置を省略することで、濾過装置10の構成が単純化され、製造コストを低減させることができる。なお、被処理液Aを貯留する貯留槽7と濾過容器11の間は、供給管13、14によって繋がれており、被処理液Aは圧送ポンプ8によって貯留槽7から濾過容器11へ送られる。より詳しくは、被処理液Aは供給管13を通ってストレーナ9へ送られ、被処理液A中のゴミなどの異物が除去された後、供給管14を通って、洗浄液タンク36へと送られる。なお、本実施形態では1台の圧送ポンプ8を設置しているが、被処理液Aの供給量を増やしたい場合などには、2台以上に増設すると良い。また、貯留槽7にはレベル計3が設けられており、貯留槽7内の被処理液Aが規定値よりも少なくなったときに、外部から補充する構造となっている。
(濾液Bの排出)
濾過容器11の上部には、濾過容器11外に濾液Bを排出する排出口15が設けられている。濾液Bは、濾液通路12rの上端開口から排出口15を経て排出管16へ導かれる。そして、排出管17、18を通って系外へ送られるか、返送管22、20、21を通って貯留槽7へ返送される。
(フィルタ洗浄手段35)
濾過装置10で濾過を行うと、被処理液A内の粒子が濾過フィルタ12の外面12fに堆積し、ケーキ層Kが形成される。ケーキ層Kができると濾過能力が低下するため、剥離・除去する必要がある。そこで、本発明ではフィルタ洗浄手段、すなわち洗浄装置35を設けている。この洗浄装置35は、濾過装置10の一部品として製造しても良いし、濾過装置10とは別製品として製造し、濾過装置10に後付けしても良い。
洗浄装置35は、濾過フィルタ12の外側に配置される。
図1に示した洗浄装置35は、濾過容器11の外側に配置した洗浄液タンク36と、洗浄液タンク36のうち、濾過フィルタ12と対面する側に設けられた吹き出し口37を有している。
洗浄液タンク36は、少なくとも濾過フィルタ12と対面する側を濾過フィルタ12の軸方向に沿って延在する形状にすることが好ましい。図示した洗浄液タンク36の形状は、中空の角柱が濾過フィルタ12の軸方向と同じ方向に延在している。しかし、このような形状に限られるものではなく、円柱などの任意の公知形状に変更することもできる。
洗浄液タンク36を配置する際は、洗浄液タンク36の濾過フィルタ12側が、濾過膜表面12fと平行に、または略平行となるようにすることが好ましい。これは、濾過膜表面12fの延在方向(濾過膜12mの周方向と直交する方向)において、吹き出し口37と濾過膜表面12fの間の距離をできる限り等しくすることにより、前記延在方向における洗浄斑を少なくするためである。
また、洗浄液タンク36の中心軸の長さは、濾過膜12mの中心軸の長さと同じにすることが好ましく、例えば300mm〜2000mmにすることができる。
洗浄液タンク36の濾過フィルタ12側の外面は、濾過容器11の外面と接しており(パッキン等を挟む形態でも良い)、その接合部分において、濾過容器11にも吹き出し口37と同様の孔(図示しない)が設けられている。洗浄液Cは、吹き出し口37および濾過容器11の孔を通って、濾過フィルタ12の外面へ吹き出される。吹き出された洗浄液Cは、衝撃波となって濾過フィルタ12に衝突し、その衝撃によって濾過フィルタ12からケーキKを剥離する。本発明のように濾過フィルタ12の外面に吹き付けることで、洗浄液CがケーキKに直接当たるため、濾過フィルタ12に形成されたケーキKが剥離・除去しやすい。
なお、濾過フィルタ12の外面12fに向って噴射された洗浄液Cは、濾過フィルタ12と衝突した後、一部は濾過膜12mの内部を通過して濾液通路12r内へ流れ、その他の部分は濾過フィルタ12の壁面に沿って横方向に(隣接する外側の襞に)流れる。
また、洗浄液タンク36内部の空間の大きさは、貯留槽7の洗浄液Cを運搬するポンプ8の出力などによって決定する。すなわち、ポンプ8の出力が大きくなるほど、貯留槽7から洗浄液タンク36内へ送られる洗浄液Cの量が多くなるため、洗浄液タンク36内部の空間も大きくするというように、スリット37から吹き出される洗浄液Cが均一となり、かつ圧力損失が無いように設計することが好ましい。
前記洗浄液タンク36の濾過フィルタ12側には、洗浄液タンク36内の洗浄液Cを吹き出す吹き出し口37が形成されている。この吹き出し口37は、対面する濾過フィルタ12の軸方向に沿って延在するスリットからなる。洗浄液タンク36の形状が筒状である場合、洗浄液タンク36の軸方向に沿って延在するスリットと言い換えることもできる。
このスリットの形状については、濾過フィルタ12の軸方向(または洗浄液タンク36の軸方向)に沿って直線状に延在する細長い形状(スリット状)の孔を例示できる。しかし、このような形態に限られず、湾曲させた形状(曲線形状)や直線をジグザグに屈折させた形状にするなど、任意の公知形状に変更しても良い。また、洗浄液タンク36の軸方向と平行なものに限られず、所定の角度をつけても良い。さらに、洗浄液タンク36の壁面を旋回するように螺旋状に形成しても良い。
また、このスリット37は洗浄液タンク36の延在方向の一端から他端に亘って設けても良いが、洗浄液タンク36の端部には設けず、中間部分にのみ設けても良い。なお、このスリット37の横方向(洗浄液タンク36の延在方向と直交する方向。以下、同じ。)の長さSは、好ましくは0.5mm〜1.5mmであり、より好ましくは1mmである。この長さにすることで、ケーキKの剥離量を増やすことができる。なお、前記長さを1mmにしたとき、洗浄液タンク36と間隙50の間の差圧は80KPa程度であった。
スリット37の本数は、1本にしても良いが、複数本にすることが好ましい。このスリット37の形成方法としては、レーザー加工によって洗浄液タンク36に孔を空けたものが一般的であるが、レーザー加工の熱によって歪みが生じ、スリット幅を均一にすることが難しい。他方、1本のスリット37ではなく、複数本のスリット37を形成することによって、レーザー加工時にスリット37の孔の周縁から外側へ向かう力を、隣接する孔間で打ち消すことにより、大きな歪みの発生を抑えることができる。また、スリット37の数を増やすことによって、濾過フィルタ12に当たる洗浄液Cの面積を広くすることができる。一方、スリット37の本数を1本に絞ることによって、洗浄液Cが濾過フィルタ12に当たった時の衝撃が大きくなり、ケーキKを剥離しやすくなるという利点があるため、スリット37の本数は、メリットとデメリットを比較考慮して任意に決めれば良い。なお、隣接するスリット37A、37B間の距離Xは、5mm〜20mmが好適である。5mmより短い場合は、スリット37を形成するレーザー加工時に熱変形が生じやすい。また、20mmより長い場合は、洗浄液タンク36のサイズを大きくせざるを得なくなる。
スリット37は、スリット37の延在方向において、孔41の空いた箇所と空いていない箇所を交互に設けた点線状のスリット37にすることができる。この点線状スリット37を横方向に隣接して複数本設けた場合、隣接するスリット37、37の点線の間隔が互い違いになっていることが好ましい。具体的には、例えば1本目の点線状スリット37Aの任意の部分に孔41が形成されていた場合、その任意の部分から横方向に移動した仮想線38と2本目の点線状スリット37Bの交点39には、孔41が形成されていないことが好ましい。このような構成にすることで、レーザー加工時に大きな歪みが発生することを防ぐことができる。また、洗浄時において、洗浄タンク36内圧によるスリット幅Sの拡張を防止することができる。
スリット孔41の長手方向端部41aから吹き出される洗浄液量は、長手方向中間部41bと比べて少なくなる傾向にある。そのため、濾過フィルタ12のうち、スリット孔41の長手方向端部41aと対面する部分に、洗浄漏れが生じる可能性がある。それを防止するため、1本目の点線状スリット37Aの孔41の端部41aと、2本目の点線状スリット37Bの孔41の端部41aが、横方向に重なる構成(重なり部分40が形成される構成)にすることが好ましい。この重なり部分40の延在方向の長さは、好ましくは3mm〜8mm、より好ましくは5mmにすることができる。また、点線状のスリット37のピッチY(スリット37の延在方向に隣接する孔41、41の中心点間の長さ)は、10mm〜30mmが好適である。10mmより短い場合は、スリット37を形成するレーザー加工が煩雑になる。また、30mmより長い場合は、洗浄時において、洗浄タンク36内圧によってスリット幅Sが拡張してしまう。
なお、濾過フィルタ12に洗浄液Cを噴き付けるため、スリット37を濾過フィルタ12と対面する位置(濾過フィルタ12と向かい合う位置)に設けることが好ましい。スリット37を濾過フィルタ12と対面しない位置に設けた場合、ケーキKを剥離できないばかりか、洗浄液Cを無駄に吹き出すことになるため、好ましくない。
濾過フィルタ12の軸方向(または洗浄液タンク36の軸方向)と直交する方向の孔41の幅Sは、例えば1mm〜3mmにすることができる。幅Sが1mmに満たない場合は、噴射される洗浄液Cの量が少なすぎるため、ケーキKを剥離しづらくなる。また、3mmを越える場合は、噴射される洗浄液Cの量が多くなるため、ポンプ8の動力が大きくなる。
(整流バッフル51)
洗浄液タンク36の供給口4近傍には、平板をV字状に折り曲げた整流バッフル51を、洗浄液タンク36の上端から下方へ向かって延在するように設けることが好ましい。このとき、図示したように、折り曲げ部分を供給口4側に、先端部分をスリット37側に配置すると良い。この整流バッフル51を設けることにより、供給口4から洗浄液タンク36内に供給された洗浄液Cが、整流バッフル51に当たって、その流れ方向を変える。具体的には、洗浄液Cの一部は、整流バッフル51の側面を回ってスリット37の上部から吹き出るが、洗浄液Cの他部は、洗浄液タンク36の下方へ向かって流れ、スリット37の中部または下部から吹き出る。このように整流バッフル51を設けることで、スリット37から吹き出される洗浄液C量を、スリット37の上部、中部、下部に関わらず、均質にすることができる。
(洗浄液C)
洗浄液Cとしては、経済的な観点から、前記被処理液Aを用いることが好ましい。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、水などのその他の液体を用いても良い。
(その他)
スリットノズル37の差圧(洗浄タンク36と濾過容器11の差圧)は、80kPa〜150kPaが好適である。80kPaより低い場合は、ケーキKが剥離しづらい。また、150kPaよりも高い場合は、洗浄液Cが当たった衝撃によって濾過膜12mが痛んでしまう。この吹き出し圧力は、ケーキKの付着力(ケーキKを構成する粒子の種類、ケーキKの含水量等)を考慮して決めると良い。
また、ケーキKを万遍なく剥離するため、洗浄液Cを濾過フィルタ12の外周面全体に当てることが望ましい。そのため、洗浄時には、濾過装置10の上部に設けたモータMによって、濾過フィルタ12の軸心を中心に、濾過フィルタ12を回転させると良い。
(変形例)
スリット37の周縁部が、濾過フィルタ12に向かって突出した形状にしても良い。より好適には、スリット37の周縁部のうち、横方向の両端部を濾過フィルタ12へ向かって突出させ、突出部45の両端部の隙間Sが、濾過フィルタ12へ向かうにつれて狭くなる構造にすると良い。そして、この突出部45の両端部の隙間のうち、最も濾過フィルタ12に近い先端部の長さを0.5mm〜1.5mm、より好ましくは1mmにすることが好ましい。このような構造にすることで、ケーキKを効果的に剥離することができる。また、被処理液A(洗浄液C)により、洗浄タンク36の内側から外側へ向かって常に圧力がかかるため、その内圧によってスリット37の幅Sが広がりやすいが、スリット37を突出形状にすることで、内圧に対する抵抗力が上がり、幅Sの広がりを抑えることができる。
(濾過工程)
次に、濾過装置10の濾過工程について説明する。
まず、すべてのバルブV1、V2、V3が閉じられた状態から、濾液排出バルブV2を開いた後、ポンプ8を起動する。すると、被処理液Aが供給管13を介してストレーナ9へ送られ、ストレーナ9内で被処理液Aに含まれるゴミなどが除去される。その後、ストレーナ9から排出された被処理液Aは、供給管14を介して、洗浄液タンク36内へ送られ、スリット37を通って濾過容器11内に供給される。なお、スリット37から濾過容器11内に供給される被処理液Aの流速は、例えば2.3m/s〜3.5m/s(FLUXが200LMH〜300LMH)にすることができる。このようにして濾過容器11内に到達した被処理液Aは、濾過フィルタ12によって濾過される。この濾過によって、被処理液Aの液体は濾過膜12mを通って濾液通路12rへ移動し、濾液Bとして排出口15から排出される。排出口15から排出された濾液Bは、排出管17、18を通って系外へ排出される。他方、被処理液Aの固体(懸濁粒子)は濾過膜12mの表面12fに付着して堆積し、結果としてケーキKが形成される。
なお、濾過フィルタ12の単位面積当たりの通液抵抗は、通液積算量(すなわち、被処理液Aから分離される固形分量)に比例して大きくなる。
濾過フィルタ12の表面に形成されたケーキKは、ある程度の通液性を有しており、濾過フィルタ12を補助する補助フィルタとして機能するという利点を有するが、ケーキ層が厚くなるにつれて通液性が悪くなるという不利益が生じる。すなわち、ケーキ層が厚くなるにつれて、通液抵抗が比例して大きくなってしまう。そのため、一定量のケーキKが堆積したら、濾過フィルタ12の通液抵抗を減らして、濾過流量を増やす必要がある。そこで、ケーキKの生成量が所定レベルまで増えたとき、すなわち濾過フィルタ12が目詰まりしたときに、濾過工程を終了する。
ケーキKの生成量は、被処理液Aの濁度と通水積算量(すなわち、被処理液Aから分離される固形分量)に比例するため、濾過工程を開始してから、濾過フィルタ12が目詰まりし、洗浄工程を行うというタクトタイムは、ケーキKの生成時間で決定する。
なお、フィルタ目詰耐圧は、例えば200kPaである。
図示形態では、洗浄液タンク内圧力計測器PT1によって洗浄液タンク36内の圧力を計測するとともに、排出管内圧力計測器PT3によって排出管16内の圧力を計測し、その差圧が一定値以上になったときに、濾過工程を終了する構成としている。そのほか、濾過容器内圧力計測器PT2によって濾過容器11内の圧力を計測し、洗浄液タンク36内の圧力(または排出管16内の圧力)との差圧が一定値以上になったときに、濾過工程を終了する構成としても良い。
なお、濾過工程を終了するタイミングは、その他の方法によって決めても良い。例えば、流量計5によって、単位時間当たりの濾液Bの排出量を計測し、その量が一定値を下回った場合に、濾過工程を終了するようにしても良い。また、濾過工程を開始してから所定時間が経過したか否かで判定したり、ケーキKの厚さを計測して、ケーキ厚が約1mm〜2mmになった時点で、ケーキKが濾過不可能な状態になったと判定したりしても良い。
濾過工程を終了する際は、濾液排出バルブV2を開から閉にするが、ポンプ8の運転は継続する。
また、濾過中のポンプ8の出力を制御する方法には、以下の2つがあり、いずれの方法を用いても良い。
1つ目の方法は、スリット37から吹き出される被処理液Aの吹き出し圧力を一定に保つ「定圧運転」である。この方法では、ポンプ8の出力を変えずに一定に保っているため、濾過工程を開始した直後は濾過流量が多いが、ケーキKが形成されるに伴って濾過流量が減少する。
2つ目の方法は、濾過流量を一定に保つ「定流量運転」である。濾過工程を開始した直後は濾過膜12mの目詰圧力が低いが、ケーキKが形成されるに伴って目詰圧力が上昇する。この方法では、濾過流量を一定に保つため、ポンプ8の出力を次第に上げる制御を行う。
(パージ工程)
次に、濾過工程の後に行う、気体を用いたパージ(purge)工程(「気体パージ工程」ともいう。)について説明する。
まず、スラリー排出バルブV1とガス供給バルブV3を開き、ブロワ6を起動する。また、濾過容器11下端に設けた排出弁11Vも閉状態から開状態に変更する。前記ブロワ6の圧力は、例えば20kPa程度にすることができる。すると、ブロワ6から送られた気体D(例えば空気。空気を用いた場合は、エアパージという。また、空気に換えて窒素等の他の気体を用いても良い。)は、送気管19および排出口15を経て、濾液通路12r内へ導かれる。濾過工程の終了直後は、濾液通路12r内に濾液Bが残存しているが、送られた気体Dにより、濾液Bが濾過膜12mの内側から外側へ押し出される。その結果、濾液Bは濾過容器11の下部に落下した後、排出管22、20、(21)を通って貯留槽7へ返送される。また、パージ工程の間も、ポンプ8によって被処理液Aが濾過容器11内に送られているが、その被処理液Aは、濾液Bと同様に濾過容器11の下部に落下した後、排出管22、20、(21)を通って貯留槽7へ返送される。なお、パージ工程が進むにつれて、濾過容器11内の濾液通路12rやプリーツフィルタ12の外側の空間(間隙50)に、気体Dが充満した状態となる。
なお、このパージ工程の時間は5秒〜15秒にすることができる。具体的には、ブロワ6の送風能力が2.5L/min、濾過容器11の容積(濾過フィルタ12の下端よりも下側の部分を除く)が190Lである場合、パージが完了するまでに、190L÷2500×60秒=4.56秒が必要となり、バルブ27を開にする時間や、フィルタ12の空気抵抗などを考慮すると、約10秒でパージ工程が終了する。
また、このパージ工程の間に、スリットノズル37の差圧(洗浄タンク36と濾過容器11の差圧)が80kPa以上になった場合は、パージ工程と後述の洗浄工程が並行して行われる。通常は、パージ工程と洗浄工程は並行して行われず、5秒〜15秒かけてパージ工程を行った後に、洗浄工程を行うようにしている。このようにエアパージ工程によって、濾過容器11内を気体で満たした状態を作り出すことにより、気中の洗浄を行えるようにしている。
(洗浄工程)
次に、パージ工程後の洗浄工程について説明する。
洗浄工程では、濾過膜表面12fに形成されたケーキKを剥離・排出し、濾過膜表面12fを初期状態に戻す。このときポンプ8及びブロワ6の運転を継続し、各バルブの状態(バルブV1(開)、V2(閉)、V3(開))は、変えないものとする。ポンプ8により、貯留槽7に貯留された被処理液Aは、配管13、ストレーナ9、配管14を経由して、洗浄液タンク36へ送られる。洗浄液タンク36へ送られた被処理液Aは洗浄液Cとして用いられる(以下の洗浄工程の説明において、「被処理液A」を「洗浄液C」という)。洗浄液タンク36には、洗浄液Cが一時的に充満するが、充満した洗浄液Cは、ポンプ8の圧力によって、スリット37から濾過フィルタ12へ向かって吹き出される。このとき、スリットノズル37の差圧(洗浄タンク36と濾過容器11の差圧)は、80kPa〜150kPaとすることが好適である。差圧が80kPaの時のノズル噴流速度は8m/s、120kPaの時のノズル噴流速度は12m/とすることが好ましい。なお、ケーキ厚が厚い場合は、洗浄液Cの吹き出し圧力を強める必要があり、例えばケーキ厚が2mm(2000g/m2)のときは、150kPa(15m/s)の圧力が必要となる。吹き出された洗浄液Cは、濾過フィルタ12に衝突し、その衝撃によって濾過フィルタ12に付着したケーキKを剥離する。このとき、スリット37は洗浄液タンク36の延在方向に延在しているため、洗浄液Cがスリット37から平板状に吹き出され、濾過フィルタ12の軸方向に沿ってライン状に当たり、軸方向のケーキKを漏れなく剥離することができる。
なお、濾過フィルタ12に付着したケーキKのうち、洗浄液タンク36のスリット37の位置から離れたケーキKに対しては、衝撃を与えることができない。そのため、濾過フィルタ12をその軸心を中心として回転させることが好ましい。濾過フィルタ12を1回転させるために必要な時間は、濾過フィルタ12の直径、襞数(プリーツフィルタの場合)や、表面積で決定し、例えば、直径400mm(表面積50m2)の濾過フィルタ12を0.5RPMで回転させる(120秒間で1回転させる)ようにしても良い。濾過フィルタ12を回転させながら、スリット37から洗浄液Cを吹き出すことで、濾過フィルタ12の全周に付着したケーキKを剥離することができる。なお、濾過フィルタ12の回転機構を設けない場合は、洗浄液タンク36が濾過フィルタ12の周囲を回転する機構にしても良い。また、濾過容器11の周方向に沿って、洗浄液タンク36を複数設け、360度の方向から洗浄液Cを吹き出すことで、回転機構を設けた場合と同様の効果を得るようにしても良い。
排出シュート11Sに落下したケーキKは、洗浄液Cとともに、返送管22、20、(21)を経て、貯留槽7へ送られる。なお、剥離したケーキKを即時に貯留槽7へ送っても良いが、ケーキ排出シュート11Sに溜めて、ある程度の量が溜まった後に送るようにしても良い。
また、洗浄工程においても、ブロワ6から送られた気体は、濾液通路12rに導かれた後、濾過膜12mの内側から外側へ排気される。したがって、濾過膜表面12fに形成されたケーキKは、濾過膜外側から受ける洗浄液Cの衝撃力によって剥離されるほか、濾過膜内側から外側へ排出される気体Dによっても剥離されるため、洗浄液Cだけを用いる場合と比べて、ケーキKが剥離しやすくなる。また、濾過容器11内に気体Dが充満した状態で洗浄液Cを吹き付けているため、濾過容器11内に液体(被処理液A)が充満している従来例と比べて、洗浄液Cの衝撃力が大きくなり、ケーキKの剥離量が多くなる。さらに、洗浄液Cの吹き出し力が強い場合であっても、濾過膜内側から外側に気体Dが排出されているため、洗浄液Cが濾過通路12r内に入り込むケースが少なく、仮に入り込んだとしても直ぐに間隙50に排出することができる。
以上のようにして、ケーキKを全て排出したときに、洗浄工程を終了とし、濾過工程を再開する。
(縦型脱水乾燥装置と横型脱水乾燥装置)
上記の説明では、濾過フィルタ12の軸心が縦になる縦型濾過装置10について説明したが、濾過フィルタ12の軸心が横になる横型濾過装置10であっても良い。この横型濾過装置10では、洗浄液タンク36を濾過フィルタ12の下側に配置し、洗浄液Cを下側から噴き付けるようにすると良い。濾過フィルタ12から剥離したケーキKが、重力によって排出口11Sに落下しやすいからである。
(複数の濾過フィルタ)
また、図示した形態のように、濾過装置10の設置数は1台に限られるものではなく、複数台の濾過装置10に対しても、同様の洗浄装置35を用いることができる。
図5に、2台の濾過装置10(第1濾過装置10A及び第2濾過装置10B)を設けた場合の制御方法を示した。この図について説明すると、まず運転開始時に、濾液排出バルブ(第1濾液排出バルブV2−1及び第2濾液排出バルブV2−2)を閉から開に変え、原水ポンプ8を駆動して、2台の濾過装置10A、10Bで被処理液Aの濾過を行う(S1)。図5では、スリット37から吹き出す被処理液Aの吹き出し圧力を一定に保つ定圧運転を行っており、S1工程の間は、インバータ2がポンプ6の周波数を中程度に維持している。また、濾過装置10の運転開始から運転終了までの間、第1モータM1、第2モータM2を駆動して、0.5rpm程度の速さで、濾過フィルタ12を常に回転させるようにしている。なお、S1工程の時間は、例えば30分程度とすることができる。
次に、第1濾過装置10Aでパージを行う(S2)。このS2工程の開始時に、第1濾液排出バルブV2−1を開から閉に変え、第1スラリー排出バルブV1−1及び第1ガス供給バルブV3−1を閉から開に変える。それとともに、ブロワ6を駆動して、気体D(例えば外気)を濾過装置10A内に供給する。また、S2工程の開始から終了までの間に、インバータ2がポンプ6の周波数を中から高に次第に変えていく。このS2工程が進むに連れて、濾液通路12r内に残存していた濾液Bが、濾過容器11と濾過膜12mの間の間隙50へ押し出される。そして、間隙50内に押し出された濾液Bや間隙50内に溜まっていた被処理液Aが、濾過容器11の下部から排出され、貯留槽7へ返送される。このようにして、濾過容器11内が、ブロワ6から供給された気体Dで満たされることになる。なお、S2工程の間も、被処理液Aがスリット37から濾過容器11内に供給されているが、供給された被処理液Aは濾過容器11の下部から排出され、貯留槽7へ返送される。
他方、第2濾過装置10Bでは、被処理液Aの濾過が継続して行われる。なお、前記S2工程の時間は、例えば10秒程度とすることができる。
次に、第1濾過装置10Aで、濾過膜12mの洗浄を行う(S3)。このS3工程の開始時には、各バルブV1、V2、V3の開閉を変更しない。また、S3工程の間は、インバータ2がポンプ6の周波数を高い状態で維持している。この濾過工程では、スリット37から吹き出された洗浄液Cが濾過膜12mに衝突して、濾過膜12mの表面に形成されたケーキKが剥離されるとともに、濾過膜12mの裏面から表面に吹き出された気体DによってもケーキKが剥離される。剥離したケーキKは、洗浄液Cと混ざってスラリーZとなり、濾過容器11の下部から排出され、貯留槽7へ返送される。このようにして、濾過膜12mが初期状態(濾過開始前の状態)に戻される。
他方、第2濾過装置10Bでは、引き続き被処理液Aの濾過が行われる。なお、前記S3工程の時間は、例えば2分程度とすることができる。
次に、第1濾過装置10Aで、被処理液Aの濾過が再開される(S4)。このS4工程の開始時には、第1濾液排出バルブV2−1を閉から開に変え、第1スラリー排出バルブV1‐1、第1ガス供給バルブV3−1を開から閉に変える。また、ブロワ6を停止させ、気体Dの供給を停止する。さらに、インバータ2がポンプ6の周波数を高から中に変え、S4工程の間は周波数を中程度に維持している。
他方、第2濾過装置10Bでは、引き続き被処理液Aの濾過が行われる。なお、前記S4工程の時間は、例えば30分程度とすることができる。
その後、S5工程で第2濾過装置10Bがパージを行い、S6工程で第2濾過装置10Bが洗浄を行い、S7工程で第2濾過装置10Bが濾過を再開する。このS5工程〜S7工程の間は、第1濾過装置10Aは濾過の運転を継続する。このS5工程〜S7工程の詳細は、第1濾過装置10Aにおける第2工程〜第4工程と同様であるため、ここでは説明を省略する。
そして、S8工程で第1濾過装置10Aがパージを行い、S9工程で第1濾過装置10Aが洗浄を行い、・・・というように、第1濾過装置10Aと第2濾過装置10Bが順番に濾過、パージ、洗浄を行う。このように濾過と洗浄のタイミングを濾過装置10A、10Bごとに変えることで、濾過が全く行われないような状態が生じなくなり、濾過流量を平均化することができる。
また、ポンプ8を選定する際は、第1濾過装置10Aの濾過に必要な容量と、第2濾過装置10Bの洗浄に必要な容量を加算した容量のポンプを採用すると良い。なお、大容量のポンプ8が必要な場合は、複数台のポンプを設けても良い。
また、図5ではブロワ6を1台だけ設けたが、濾過装置10の数に合わせて、複数台設けるようにしても良い。
前記の説明では、濾過装置10を2台設けた場合について説明したが、3台以上設けた場合においても、濾過と洗浄のタイミングを濾過装置ごとに変える同様の制御を行うようにすると良い。
本発明は、濾過が必要な被処理液Aが増えた場合に、既設の濾過装置10に加えて、新たな濾過装置10を容易に後付けすることができるため、設備費を抑えることができ、利便性が高い。
2…インバータ、3…レベル計、4…供給口、6…ブロワ、7…貯留槽、8…ポンプ、9…ストレーナ、10…濾過装置、10A…第1濾過装置、10B…第2濾過装置、11…濾過容器、11S…ケーキ排出シュート、11U…フィルタ内蔵部、11V…排出弁、12…濾過フィルタ、12b…濾過膜の裏面(濾過フィルタの内面)、12f…濾過膜の表面(濾過フィルタの外面)、12m…濾過膜、12r…濾液通路、12s…筒状体、13、14…供給管、15…排出口、17、18…排出管、19…送気管、20、21、22…返送管、29…フィルタ支持体、35…洗浄手段、36…洗浄液タンク、37…スリット、38…仮想線、39…交点、40…重なり部分、41…孔、45…突出部、50…間隙、51…整流バッフル、A…被処理液、B…処理液(濾液)、C…洗浄液、FT…流量計、FT1…第1流量計、FT2…第2流量計、K…ケーキ、M…モータ、M1…第1モータ、M2…第2モータ、PT1…洗浄液タンク内圧力計測器、PT1−1…第1洗浄液タンク内圧力計測器、PT1−2…第2洗浄液タンク内圧力計測器、PT2…濾過容器内圧力計測器、PT2−1…第1濾過容器内圧力計測器、PT2−2…第2濾過容器内圧力計測器、PT3…排出管内圧力計測器、PT3−1…第1排出管内圧力計測器、PT3−2…第2排出管内圧力計測器、S…スリット幅、V1…スラリー排出バルブ、V1-1…第1スラリー排出バルブ、V1-2…第2スラリー排出バルブ、V2…濾液排出バルブ、V2-1…第1濾液排出バルブ、V2-2…第2濾液排出バルブ、V3…ガス供給バルブ、V3−1…第1ガス供給バルブ、V3−2…第2ガス供給バルブ、X…スリット間の距離、Y…ピッチ、Z…スラリー

Claims (3)

  1. 被処理液を濾過容器に供給し、前記濾過容器内に設置された筒状の濾過フィルタによって濾過し、処理液を前記濾過容器から排出する濾過工程と、
    処理液排出側から濾過容器内に気体を注入し、濾過容器内を気体で満たすパージ工程と、
    前記濾過容器内が気体で満たされた状態で、ノズルから前記濾過フィルタの外面に向かって洗浄液を吹き出し、前記濾過フィルタの外面に付着したケーキを剥離して除去する洗浄工程と、を有することを特徴とする濾過方法。
  2. 前記洗浄工程において、処理液排出側から濾過容器内への気体の注入を継続する請求項1記載の濾過方法。
  3. 前記濾過容器および濾過フィルタは複数設けられており、
    一方の濾過フィルタで被処理液の濾過を行う間に、他方の濾過フィルタのパージ及び洗浄を行う請求項1記載の濾過方法。
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