JPH1190186A - 中空糸束の端部固定方法 - Google Patents
中空糸束の端部固定方法Info
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- JPH1190186A JPH1190186A JP27034697A JP27034697A JPH1190186A JP H1190186 A JPH1190186 A JP H1190186A JP 27034697 A JP27034697 A JP 27034697A JP 27034697 A JP27034697 A JP 27034697A JP H1190186 A JPH1190186 A JP H1190186A
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Abstract
力を受けて曲がることを防ぎ、性能的な低下がなく、被
処理液の外部への漏れがない中空糸モジュールを製造す
るための、中空糸束の端部固定方法を提供することにあ
る。 【解決手段】 中空糸を複数本集束して、少なくとも一
端が開口した筒状容器2に充填し、中空糸束端部を接着
剤で該容器に固定する方法において、中空糸束を所定の
位置に保持するための治具であって、中空糸に接触する
部分に中空糸長手方向に平行な溝8を複数本設けた中空
糸束保持治具4を用いて中空糸束端部を保持した後、接
着剤を注入することを特徴とする中空糸束の端部固定方
法。 【効果】 本発明により、中空糸モジュール製造時にお
いて、中空糸が接着剤の流入による力を受けて曲がるこ
とを防ぎ、性能的な低下がなく、被処理液の外部への漏
れがない中空糸モジュールを製造するための、中空糸束
の端部固定方法が得られた。
Description
析を行う人工腎臓、濾過を行う浄水器、フィルターなど
の中空糸モジュールの製造工程において、中空糸を容器
に接着剤によって固定する方法に関する。
式図である。中空糸モジュールは中空糸1が筒状容器2
の内側に接着剤3によって固定された構造を有する。中
空糸モジュールの製造過程で、中空糸束1の両端を容器
2に接着剤3で固定するには、図6に示すように中空糸
を容器に挿入してから、中空糸束保持治具4を容器の両
側の開口端にかぶせて、中空糸の両端を中空糸束保持治
具4で保持し、それから、容器の液体流入・流出口5或
いは容器に設けられた接着剤の注入口から接着剤3を注
入する。中空糸保持治具4底面が開口している場合に
は、中空糸保持治具4を容器2の両側の開口端にかぶせ
てから中空糸1を容器に挿入し、或いは中空糸1を容器
2に挿入してから容器2の両側の開口端に中空糸束保持
治具4をかぶせて、中空糸1の両端を中空糸束保持治具
4で保持し、中空糸束保持治具4の開口部から接着剤3
を注入することもある。図7に示すように、従来使用さ
れている中空糸束保持治具4の中空糸1と接触する面は
平滑面である。このような中空糸束保持治具4を使用し
て中空糸束1を保持した後、接着剤3を注入すると、中
空糸1は接着剤3によって力を受けて図8に示すように
曲がることがある。この現象は中空糸束の外周部の糸に
起こりやすく、曲がった中空糸は、接着剤が硬化した後
に容器の両端部で接着剤を切り落として中空糸の両端を
開口させる時に開口部が変形したり、接着剤の中に曲が
った糸が埋没して接着剤を切断しても糸が開口しなかっ
たりする。これらの現象は、中空糸モジュール使用中に
中空糸内部を流れる被処理液の流れを阻害して性能を低
下させる原因になる。また、曲がった糸が中空糸束から
離れた容器の端にて開口する場合もあり、この場合、容
器に取り付けるキャップと接着剤の切断面の間に設けた
シール材の外側に開口部がくると、中空糸モジュール使
用中に、中空糸内部を流れる被処理液が容器から外へ漏
れる恐れがあるため、厳密な検査が必要であった。
のように中空糸が接着剤の流入による力を受けて曲がる
ことを防ぎ、性能的な低下がなく、被処理液の外部への
漏れがない中空糸モジュールを製造するための、中空糸
束の端部固定方法を提供することにある。
に、鋭意研究した結果、容器の開口端にかぶせる中空糸
束保持治具の、中空糸と接触する部分に中空糸長手方向
に沿った溝を複数本設けたことにより、前記した従来技
術の問題点を一気に解決できることを見出し、本発明を
得るに至った。即ち本発明は、中空糸を複数本集束して
少なくとも一端が開口した筒状容器に充填し、中空糸束
端部を接着剤で該容器に固定する方法において、中空糸
束を所定の位置に保持するための治具であって、中空糸
に接触する部分に中空糸長手方向に平行な溝を複数本設
けた中空糸束保持治具を用いて中空糸束端部を保持した
後、接着剤を注入することを特徴とする中空糸束の端部
固定方法である。本発明で言う中空糸とは、セルロース
系、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエチレ
ン、ポリアミド系、ポリメチルメタクリレート、ポリエ
チレンビニルアルコール等の材質で中心部が空洞になっ
た繊維を言い、医療用の血液浄化装置、飲料水の浄化装
置等に用いられる。また、本発明で言う容器とは前記中
空糸を複数本束状にしたものを収納し、中空糸の外部を
流れる液体の流路の役割をするもので、例えば円筒状の
形状のものが用いられ、材質としてはポリカーボネート
系、ポリスチレン系等が用いられる。また、本発明で言
う接着剤とは中空糸の内部と外部を隔離するためのもの
で、材料としてはポリウレタン系、エポキシ系等の樹脂
が用いられる。また、本発明で言う中空糸束保持治具と
は中空糸束を所定の位置に保持するための治具であり、
同時に接着剤を封止する役割も兼ねている。形状として
は図1、図3、図4に示すような形が挙げられ、中空糸
長手方向に平行な溝8により、中空糸が長手方向と平行
に保持されるような役割を持つ。また、溝8の寸法は円
換算直径により定義されるが、ここで言う円換算直径と
は、中空糸束保持治具4の容器の長手方向に垂直な断面
における溝部1つ1つの面積をそれと同一面積となる半
円形に換算したときの直径を言う。例えば図1のように
容器の長手方向に垂直な断面における溝部の形状が半円
形のものについては、半円の直径を言い、図3のように
容器の長手方向に垂直な断面における溝部の形状が三角
形のものについては三角形と同一面積となる半円形の直
径を言い、図4のように容器の長手方向に垂直な断面に
おける溝部の形状が四角形のものについては四角形と同
一面積となる半円形の直径を言う。本発明において円換
算直径は中空糸外径の2倍以上、10倍以下であること
が好ましい。円換算直径が中空糸外径の10倍を越える
と、中空糸の固着した箇所に接着剤が十分浸透せず、そ
の部分から液漏れ等の不都合を生じるため好ましくな
い。また、個々の溝の中で中空糸が接着剤の力を受けて
曲がるため、本発明で解決されるべき問題点の解決がさ
れ難い。円換算直径が中空糸外径の2倍未満では、外周
部近傍に存在する中空糸のうち溝により保持される割合
が減り、結果的に本発明による効果が得られ難くなる。
より好ましい溝の円換算直径は、中空糸外径の2.5倍
以上、9倍以下、更に好ましいのは3倍以上8倍以下で
ある。
の両端を容器に接着剤で固定するには、中空糸束を容器
内に挿入してから中空糸束保持治具を容器の両側の開口
端にかぶせて、或いは中空糸束保持治具を容器の両側の
開口端にかぶせてから中空糸束を容器内に挿入すること
によって中空糸の両端を中空糸束保持治具で保持した
後、容器の液体流入・流出口或いは容器に設けられた接
着剤の注入口から接着剤を注入する。この時、接着剤の
流れは中空糸の長手方向以外の成分も持つので、中空糸
は力を受けるが、中空糸保持治具の中空糸と接触する部
分にある中空糸長手方向に沿った溝により、中空糸が保
持され、曲がらなくなる。
れに限定されるものではない。
する。図1に示す実施例は、中空糸束保持治具4として
溝のあるものを用いたものである。中空糸束保持治具4
には容器の長手方向に垂直な断面における溝形状が半円
形となる溝8を、中空糸接触面の全周に設けており、中
空糸モジュール容器2に中空糸を充填した後に容器の両
側開口部に中空糸束保持治具4をかぶせた。その後、容
器の液体流入・流出口から接着剤を注入した。ここで、
中空糸束としてはポリスルホン製で中空糸の外形が30
0μm、長さ299mm、中空糸本数が9200本のも
のを用い、容器として、材質がスチレン系の樹脂で長手
方向の長さが257mm、端部内径が41mmのものを
用いた。また、中空糸束保持治具4としては、材質がポ
リスチレン製、キャップの内径が38mm、溝の形状が
半円形で半円の直径が0.6mm、1mm、2mm、3
mmのものを用いた。接着剤は粘度が1.85Pa・s
ec、比重が1.1〜1.3のウレタン系の接着剤を使
用した。ここで、中空糸の外径寸法に対し、半円状の溝
の直径は2倍、3.3倍、6.7倍、10倍である。図
7に示す比較例は、中空糸束保持治具4として溝のない
ものを用いたものである。中空糸束、容器、接着剤の各
条件は前記実施例と同様とした。上記実施例及び比較例
の接着後モジュールの不良率を表1に示す。なお、ここ
で言う不良とは、曲がった中空糸を容器の長手方向に垂
直な面に投影した時の長さが25mm以上になる中空糸
があるものを言う。この場合には、中空糸の端部が接着
剤内部に埋没し、中空糸端部が開口しない不具合を生じ
ることが多くなる。 表1に示すように、本発明の実施例ではいずれの場合に
おいても比較例に比し不良率が大幅に改善され、本発明
の効果が実証された。なお、前記実施例では容器の長手
方向に垂直な断面における溝形状が半円形である場合に
ついて記述したが、本発明における中空糸束保持治具の
溝形状はこれに限定されず、図3に示すような溝形状が
三角形であるものや図4に示すような溝形状が四角形で
あるものやその他の形状であっても良い。
において、中空糸が接着剤の流入による力を受けて曲が
ることを防ぎ、性能的な低下がなく、被処理液の外部へ
の漏れがない中空糸モジュールを製造するための、中空
糸束の端部固定方法が得られた。
を示す模式図である。
を示す模式図である。
立面模式図である。
両端を容器に固定するための治具を取り付けた例を示す
正面模式図及び立面模式図である。
する方法を説明する模式図である。
の曲がる様子を示す模式図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 中空糸を複数本集束して、少なくとも一
端が開口した筒状容器に充填し、中空糸束端部を接着剤
で該容器に固定する方法において、中空糸束を所定の位
置に保持するための治具であって、中空糸に接触する部
分に中空糸長手方向に平行な溝を複数本設けた中空糸束
保持治具を用いて中空糸束端部を保持した後、接着剤を
注入することを特徴とする中空糸束の端部固定方法。 - 【請求項2】 溝の円換算直径が中空糸外径の2倍以上
10倍以下である中空糸束保持治具を用いることを特徴
とする請求項1記載の中空糸束の端部固定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27034697A JP3873247B2 (ja) | 1997-09-18 | 1997-09-18 | 中空糸束の端部固定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP27034697A JP3873247B2 (ja) | 1997-09-18 | 1997-09-18 | 中空糸束の端部固定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1190186A true JPH1190186A (ja) | 1999-04-06 |
JP3873247B2 JP3873247B2 (ja) | 2007-01-24 |
Family
ID=17484990
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27034697A Expired - Fee Related JP3873247B2 (ja) | 1997-09-18 | 1997-09-18 | 中空糸束の端部固定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3873247B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006024902A1 (ja) | 2004-08-06 | 2006-03-09 | Asahi Kasei Medical Co., Ltd. | ポリスルホン血液透析器 |
CN101862598A (zh) * | 2010-06-25 | 2010-10-20 | 苏州顶裕节能设备有限公司 | 一种具有改进外壳结构的中空纤维超滤膜组件 |
JP2011020036A (ja) * | 2009-07-15 | 2011-02-03 | Daicen Membrane Systems Ltd | 膜モジュールの製造に用いる仮キャップ |
JP2011036780A (ja) * | 2009-08-10 | 2011-02-24 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 中空糸多孔膜の利用効率の高い中空糸多孔膜モジュール |
-
1997
- 1997-09-18 JP JP27034697A patent/JP3873247B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006024902A1 (ja) | 2004-08-06 | 2006-03-09 | Asahi Kasei Medical Co., Ltd. | ポリスルホン血液透析器 |
US8828225B2 (en) | 2004-08-06 | 2014-09-09 | Asahi Kasei Medical Co., Ltd. | Polysulfone hemodialyzer |
JP2011020036A (ja) * | 2009-07-15 | 2011-02-03 | Daicen Membrane Systems Ltd | 膜モジュールの製造に用いる仮キャップ |
JP2011036780A (ja) * | 2009-08-10 | 2011-02-24 | Asahi Kasei Chemicals Corp | 中空糸多孔膜の利用効率の高い中空糸多孔膜モジュール |
CN101862598A (zh) * | 2010-06-25 | 2010-10-20 | 苏州顶裕节能设备有限公司 | 一种具有改进外壳结构的中空纤维超滤膜组件 |
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---|---|
JP3873247B2 (ja) | 2007-01-24 |
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