JPH1189193A - シンクロナスリラクタンスモータ及びその製造方法 - Google Patents

シンクロナスリラクタンスモータ及びその製造方法

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JPH1189193A
JPH1189193A JP27323897A JP27323897A JPH1189193A JP H1189193 A JPH1189193 A JP H1189193A JP 27323897 A JP27323897 A JP 27323897A JP 27323897 A JP27323897 A JP 27323897A JP H1189193 A JPH1189193 A JP H1189193A
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Minoru Kitabayashi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の歯部3とスロット4を備えた固定子鉄
心2にコイル5を巻装した固定子1と、複数のフラック
スバリア8を回転子鉄心7の半径方向に間隔を置いて設
けた回転子10とを対向配置してなるシンクロナスリラ
クタンスモータにおいて、特性面と量産性における最適
形状を得るとともに、型寿命を維持する。 【構成】 フラックスバリアは回転子鉄心7の形成と同
時に順送プレス型によって打ち抜かれたスリット8より
なり、複数のスリット8は短手方向の幅が1.5mm以
上に形成するとともに、1極当たりの回転子磁路9の数
は、固定子の1極当たりの歯部3の数と同数または倍数
または約数とならない数に設定する。また回転子鉄心7
を打ち抜くに際し、同一行程で打ち抜かれるスリット8
の隣接する相互間には4mm以上の間隔を残存させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般にマルチフラック
スバリア形と称されるシンクロナスリラクタンスモータ
の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シンクロナスリラクタンスモータは、d
軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqとの差
に依存してトルクを発生するようになっている。従っ
て、回転子構造は、d軸となる極中央部のインダクタン
スを大きく、q軸となる極間部のインダクタンスを小さ
くして突極比が大きくなるように構成するため、円弧状
に形成したフラックスバリアを該円弧の凸側を軸心側へ
向けて多層に配置して構成される。このようなリラクタ
ンスモータに関しては、例えば平成9年電気学会全国大
会講演論文集の論文番号1152に記載されている。
【0003】上記回転子の構成は、フラックスバリアと
なる高磁気抵抗材と磁路となる高透磁率材とを交互に回
転軸と平行に積層してボルトや接着剤等によって固定す
る構成が一般的であるが、高速回転に供する場合の遠心
力や加減速に対する回転子強度が問題となることから、
強磁性体よりなる回転子鉄心の内部に軸方向に延びる複
数のスリットを設け、このスリット内に存在する空気や
スリット内へ挿着した高磁気抵抗材によってフラックス
バリアを形成するものが提案されている。この場合、順
送プレス型によって電磁鋼板からスリットを備えた回転
子鉄心を打ち抜き、軸方向に積層して固着することによ
り形成する手法がコスト的に有利な手法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】シンクロナスリラクタ
ンスモータは、固定子鉄心における歯部と、回転子鉄心
におけるフラックスバリア間に形成される磁路が共にエ
アギャップ面でそれぞれ断続的に対向するため、トルク
脈動を発生する。回転子についていえば、フラックスバ
リアの数を多くするに従ってトルク脈動は小さくなるた
め、従来実験的に試作されるモータにおいては、フラッ
クスバリアの幅を小さくしてその数を極力多くするよう
に構成されている。
【0005】ところが量産を前提としたとき、前述の順
送プレス型によって回転子鉄心の内部にスリットを打ち
抜くため、量産時に生じる制約事項を考慮したスリット
の形状や個数についての吟味がなされておらず、またス
リットの打ち抜き方法に関しても確立されていない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の歯部と
スロットを備えた固定子鉄心にコイルを巻装した固定子
と、複数のフラックスバリアを回転子鉄心の半径方向に
間隔を置いて設けた回転子とを対向配置してなるシンク
ロナスリラクタンスモータにおいて、下記構成及び製造
方法を特徴としている。先ず構成に関しては、前記回転
子鉄心は順送プレス型によって打ち抜き並びに積層され
た電磁鋼板よりなるとともに、前記フラックスバリアは
前記回転子鉄心の形成と同時に打ち抜かれたスリットよ
りなるものである。そして前記複数のスリットは短手方
向の幅が1.5mm以上となるように打ち抜かれるとと
もに、前記スリット間に形成される1極当たりの回転子
磁路の有効数は、前記固定子の1極当たりの歯部の数と
同数または倍数または約数とならない数に設定されるも
のである。ここでいう回転子磁路の有効数とは、容易に
磁気飽和を生じない程度の幅を有する磁路の数を意味し
ている。
【0007】前記固定子の歯部の数に対する前記回転子
磁路の数の量産上の合理的数値としては、nを自然数と
するとき、前記固定子の1極当たりの歯部の数nに対し
て、前記1極当たりの回転子磁路の有効数をn+1とす
るのがよい。さらにスリット数の増加に伴って回転子磁
路の幅が狭くなることへの対処として、前記スリットの
回転子外周に近接する端部を先細とし、回転子外周に近
接する部分の前記回転子磁路の幅を広く構成するもので
ある。
【0008】また製造方法においては、順送プレス型に
よって前記回転子鉄心を打ち抜くに際し、同一行程で打
ち抜かれる前記スリットの隣接する相互間には4mm以
上の間隔を残存させるものである。
【0009】
【作用】スリットの幅が1.5mm以上となっているの
で、スリットを打ち抜くパンチ型の強度が打ち抜きに耐
え得るものに形成できる。従って、この幅寸法において
より多くのスリットを設けるように構成することによ
り、特性面と量産性が共に優れたモータとすることがで
きる。またスリットの長手方向が長くなる場合はパンチ
型の製作が難しくなるため、1極当たりの回転子磁路の
数を固定子の1極当たりの歯部の数の1個増しに留める
ことにより、スリット幅が大きく形成されて、モータ特
性に大きな影響を及ぼすことなく、パンチ型の製作を容
易になし得る。さらに回転子外周に近接する部分の回転
子磁路の幅が広くなっているため、この部分が磁束に対
する漏斗の役割を果たし、磁束の流出入がスムースとな
る。
【0010】また本発明の製造方法は、同一行程で打ち
抜かれるスリットの隣接する相互間に4mm以上の間隔
を持たせてあるため、スリットが抜き落とされるダイ型
の強度が保証される。従って、打ち抜き型の寿命が維持
され、回転子磁路となる鉄心部分の変形が防止される。
【0011】
【実施例】図1は本発明の実施例を示すシンクロナスリ
ラクタンスモータの平面断面図であり、固定子1と、こ
の固定子の内周部とエアギャップ6を介して対向する回
転子10より構成されている。固定子1は、固定子鉄心
2の外周部が図示しないフレーム等に固定され、回転子
10は、回転子鉄心7の中心に嵌入された軸12が図示
しない軸受によって回動自在に支持されている。
【0012】固定子鉄心1及び回転子鉄心7は、板厚が
0.35mm,0.50mm等の無方向性電磁鋼板を順
送プレス型によって所定形状に打ち抜き、この薄板を軸
方向に多数積層することによって形成されており、各薄
板に設けた切り起こし突起を積層方向に隣接する薄板相
互でからませて固着する周知のクランプ手段13,14
によってそれぞれ固定されている。
【0013】固定子鉄心2の内周部には、多数の歯部3
と、この各歯部間に打ち抜かれたスロット4がそれぞれ
設けられている。実施例のものは24個の歯部3を備え
ている。また各スロット4には絶縁紙を介してコイル5
が巻装され、図1の実施例には図示されないが、回転子
の極数と同数の4極のコイル構成を採用している。
【0014】回転子鉄心7の内部にはフラックスバリア
となる複数の円弧状のスリット8が打ち抜かれており、
各円弧の凸側を軸心に向けて形成した8a,8b,8c
の各スリットと、極間部の磁気漏洩防止を目的として軸
心側と外周側の双方を凸状に形成したスリット8dの合
計4個のスリットを一つのセットとして、このセットを
4等配で配置してある。これら8a〜8dのスリット間
には、回転子鉄心7による円弧状の磁路9(9a〜9
d)が形成されており、この結果、図中矢印dで示され
る磁路9aの中央を極中心とし、矢印qで示されるスリ
ット8dの中央を極間とする極が4個生じることにな
る。尚、図中11は、回転子鉄心7をかしめて強固に保
持するためのカシメピンであり、回転子鉄心内を軸方向
に貫通している。このカシメピン11は、必要に応じて
スリット8に高磁気抵抗材を装着するような場合に、回
転子鉄心7の軸方向端部に端板を取り付けて蓋をするよ
うな構成においては特に必要とされる。
【0015】図1の実施例において、固定子と回転子の
極数はそれぞれ4であるので、固定子の1極当たりの歯
部3の数は6となる。一方回転子においては、極中央の
磁路9aを中心にして円周方向両側に円弧状の磁路9
b,9c,9dが各々配設された形状となっているの
で、1極当たりの磁路の数は7となっている。この1極
当たりの歯部の数と回転子磁路の数とが同数または倍数
または約数の関係にあると、固定子と回転子の相互の磁
路が揃う箇所が生じて、回転子の1回転当たりの磁気抵
抗の変化がより顕著となるため、トルク脈動が増大して
モータトルクの低下や振動、騒音の原因となってしまう
ので注意を要する。
【0016】図1に示すような回転子鉄心7を順送プレ
ス型によって打ち抜く場合、スリット8の短手方向の幅
W1が狭いと、これを打ち抜くパンチ型の強度が弱くな
り、打ち抜きを繰り返すうちに短期間で型が破損した
り、また型自体の製作に際しても困難を極めることにな
る。本発明の場合、板厚が0.35mm,0.50mm
等の電磁鋼板の打ち抜きにおいては、型強度が概ね維持
できる限界が1.5mmであることが確認されたので、
スリット幅W1は1.5mm以上となるように設定す
る。従って、一般に量産機種においてトルク脈動を極力
小さく抑えようとする場合は、スリット幅W1を1.5
mm以上とした上で、より多くのスリットを設けるよう
に構成すればよい。
【0017】またスリット8の長手方向が長くなると、
パンチ型の製作が困難となって型コストが増大する。従
ってこのような場合には図1の例のように、1極当たり
の回転子磁路9の数を固定子の1極当たりの歯部3の数
の1個増しに留めることにより、スリット幅が大きく形
成されてパンチ型の製作を容易になし得る。即ち、パン
チ型が幅広となるため、型製作時の研磨等の工程におけ
る作業性が良好となり、型の破損等がなくなって品質と
歩留まりが向上するものである。この場合、トルク脈動
の点から考察すると、1極当たりの回転子磁路9の数が
固定子歯部3の数を上回るとトルク脈動が大きく減少す
る傾向にあるため、上記1個増しとすることによりトル
ク脈動に関してはほぼ満足できる特性を得ることができ
る。
【0018】尚、1極当たりの回転子磁路9の数を偶数
個に設定したいような場合は、例えば図1の例におい
て、極中心の磁路9aの回転子外周に近接する部分の幅
を極端に狭く形成することにより、この部分が容易に磁
気飽和するように形成されて、この磁路9aが回転子磁
路の有効数としてほとんど寄与しないように構成すれば
よい。
【0019】また、スリット8が近接して多段に打ち抜
かれるため、スリット間に形成される磁路9の幅W2が
狭くなり、これらスリットを同時に打ち抜こうとする
と、抜き残される磁路9の変形が大きくなるとともに、
抜き落とされるスリットを受けるダイ型のスペースが限
られてくるので、ダイ型の強度も問題となってくる。量
産時においてこのダイ型の強度が概ね維持できる限界を
考慮した結果、本発明においては、同一行程で打ち抜か
れるスリット8の隣接する相互間に4mm以上の間隔を
残存させるようにするものである。
【0020】次に、上記回転子の製造方法について説明
する。回転子鉄心は、0.35mm厚や0.50mm厚
等の電磁鋼帯を順送プレス型によって所定形状の薄鉄板
に打ち抜くと同時に、同型内において積層して形成され
るものである。図2は、図1に示した回転子鉄心7を製
造する各打ち抜き行程における打ち抜き形状の一例を示
している。この場合、同一材から同時に打ち抜かれる固
定子鉄心部分は省略し、回転子鉄心のみに着目して
(a)〜(f)の順序よりなる行程の一例を示したもの
である。
【0021】図2の例において、先ず行程(a)及び
(b)にてスリット8a〜8dが打ち抜かれるが、プレ
ス型の下型のダイの強度を維持するために、またスリッ
ト間に抜き残される鉄心部分の変形を少なくするため
に、同一行程での各スリットの打ち抜き間隔W3を4m
m以上取るようにし、このため2行程にまたがって打ち
抜きを行うようにしてある。即ち、各極において一度に
打ち抜かれるスリットが1個置きとなるように、スリッ
ト8a〜8dを有するスリット群のうち、8a,8cを
打ち抜くスリット群と8b,8dを打ち抜くスリット群
とを円周方向に交互に配置した型を用いるものである。
そして行程(a)と(b)とで、スリットを打ち抜くパ
ンチ及びダイは円周方向へ1極分ずれた構成となってい
る。
【0022】続く行程(c)にてカシメピン11を挿通
するための複数の挿通孔11aが打ち抜かれる。続く行
程(d)は、クランプ手段14のカット孔14aを打ち
抜くための行程であり、この行程の介入によってカット
孔14aと同位置に設けられたクランプ手段14による
積層が遮断されるため、所定の積厚に達したときのみこ
の行程が介入されるようになっている。続く行程(e)
においては、クランプ手段14の切り起こしと、軸12
が嵌入される軸孔12aの打ち抜きがなされる。最後に
行程(f)においては、回転子鉄心の外周15が抜き落
とされ、一連の行程で形成された鉄心用薄板が下型のダ
イへ押し込まれる。同時に、クランプ手段14が上型の
パンチによって加圧されて、一つ前に抜き落とされた薄
板と積層固着される。
【0023】以上の製造方法においては、スリット間に
最終的に形成される磁路9の幅W2が4mmに満たない
ために、スリット8a〜8dを2行程に分けて打ち抜く
ものであるが、W2が4mm以上であれば1行程で全ス
リットを打ち抜けることは勿論である。また同一行程で
の各スリットの打ち抜き間隔W3を4mm以上とする必
要性から、3行程以上に分けてスリットの打ち抜きを行
っても構わないものである。
【0024】図3は本発明の別の実施例を示しており、
図1に示したものと同様の平面断面の要部を拡大して示
したものである。図1の例と異なる点は、スリット8a
と8cの回転子外周に近接する端部に面取り状のカット
16,17を設け、スリットを先細とした点である。こ
のように構成することにより、回転子磁路9bや9cに
おける回転子外周に近接する部分が外周へ向けて幅広と
なり、この幅広の部分が磁束に対する漏斗の役割を果た
すため、磁束の流出入がスムースとなり、この結果トル
ク脈動も小さくすることができる。
【0025】上記カット16,17等の形状は、図示す
る直線状のものに限らずアール状等であってもよい。ま
た先細とするスリットとそうでないスリットの選定、及
び円周方向に対して回転子磁路のどちら側を幅広とする
かの選定等の細部設計は、磁界解析等によってトルク脈
動がより顕著に抑制される方向へ選定するものである。
【0026】図4は、図1に示すモータと、図1に示す
モータのスリットにカットを設けて図3に示す形状とし
たモータの双方のトルク脈動を比較した磁界解析結果で
あり、実線Taは図3のモータの場合、破線Tbは図1
のモータの場合をそれぞれ示している。これらのモータ
は、固定子が外径φ105mmで3相4極のコイル構成
とし、回転子が外径φ55.4mmであり、鉄心積層厚
が60mm、エアギャップ寸法が0.3mmとなってお
り、固定子に対して例えばU−V直流通電を行って回転
子が静止する位置を0゜とし、定格電流値近辺の一定電
流にてU−V直流通電を継続しつつ回転子を一定の方向
へ回転させていった場合に、回転子の回転した機械角θ
に対するトルクTの絶対値を示したものである。
【0027】図4から明らかなように、トルクTaは、
トルクTbに比べて凹凸の少ない滑らかな特性を示して
おり、特にトルクの山の中央部の落ち込みが持ち上げら
れて脈動が改善されていることが判る。このようなモー
タにおいては、例えばU−V通電区間は電気角60゜即
ち機械角30゜の区間が設定されるが、高トルクを得る
ためにトルクの山の中央部近辺が通電区間に設定される
ため、この部分でのトルク脈動の改善によって振動や騒
音の顕著な低減が達成できる。そしてこの効果により、
スリット数を必ずしも多くしなくても、スリット幅を
1.5mm以上とする構成や、1極当たりの回転子磁路
の数を固定子の1極当たりの歯部の数の1個増しとする
構成の採用をより容易になし得るものである。
【0028】図5は、スリットを先細として回転子外周
に近接する部分の回転子磁路を幅広とする構成におい
て、図3の例と異なる実施例を示したものである。図5
の場合は、最も極中心側に配設されるスリット8aの回
転子外周に近接する端部の極中心側に面取り状のカット
18を設け、回転子磁路9aにおける回転子外周に近接
する部分を幅広としたものである。本発明においてはス
リット幅を1.5mm以上とすることから、特に小型機
において回転子磁路のスペースが不足しがちとなり、且
つ円弧状のスリット形状の特質として極中心部の磁路9
aにおける回転子外周に近接する部分が狭められる傾向
にあるが、図5のような構成により磁路9aを幅広とす
ることにより、図3の例同様、磁束の流出入をスムース
にしてトルク脈動も小さくすることができる。尚、上記
カット18を設けた部分はスリット8aの幅が狭く形成
されることになるが、局部的なものであるため、この部
分について仮にスリット幅が1.5mmを下回っても型
強度への影響は小さく抑えることができる。
【0029】また、スリットと回転子外周との間に介在
する鉄心ブリッジ部の幅W4(図5参照)は、狭くした
方がモータトルクが大きくできるが、反面脈動も大きく
なってしまう欠点がある。一方、現行の打ち抜き技術に
おいては、鉄心ブリッジ部の幅W4は積層鉄心を構成す
る薄板の板厚程度まで狭くすることができる。従って、
鉄心ブリッジ部の幅W4を狭く形成してモータトルクを
大きくする場合は、図3や図5の実施例にて説明したよ
うなスリットのカットを設けてトルク脈動を抑えるよう
に構成することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、順送プレス型によって
打ち抜かれた回転子鉄心にフラックスバリアとなる複数
のスリットを半径方向に間隔を置いて設けたシンクロナ
スリラクタンスモータにおいて、スリットの幅が1.5
mm以上となっているので、スリットを打ち抜くパンチ
型の強度が打ち抜きに耐え得るものに形成できる。従っ
て、このスリットの幅寸法で且つスリット間に形成され
る1極当たりの回転子磁路の有効数が固定子の1極当た
りの歯部の数と同数または倍数または約数とならない範
囲でより多くのスリットを設けるように構成することに
より、トルク脈動が抑えられ、特性面と量産性が共に優
れた最適形状のモータとすることができる。
【0031】またスリットは円弧形状に形成されて長手
方向が非常に長いため、1極当たりの回転子磁路の有効
数を固定子の1極当たりの歯部の数の1個増しに留める
ことにより、スリット幅が大きく形成できて、モータ特
性に大きな支障を及ぼすことなくパンチ型の製作を容易
になし得るものである。さらに、回転子磁路における回
転子外周に近接する部分を幅広に構成することにより、
磁束の流出入がスムースとなり、トルク脈動が一層抑制
されて振動や騒音が少なく量産性に富むモータとするこ
とができる。
【0032】また本発明の製造方法によれば、同一行程
で打ち抜かれるスリットの隣接する相互間に4mm以上
の間隔を持たせて打ち抜くものであるため、スリットが
抜き落とされるダイ型の強度が保証され、長寿命の打ち
抜き型が構成できるとともに、回転子磁路となる鉄心部
分の変形が防止されて高品質のモータが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すシンクロナスリラクタン
スモータの平面断面図。
【図2】本発明における回転子鉄心の打ち抜きの実施例
を示す行程図。
【図3】本発明の別の実施例を示すシンクロナスリラク
タンスモータの要部平面断面図。
【図4】回転子位置に対するモータトルクの変化を示す
特性図。
【図5】本発明のさらに別の実施例を示すシンクロナス
リラクタンスモータの要部平面断面図。
【符号の説明】
1 固定子 2 固定子鉄心 3 歯部 4 スロット 5 コイル 7 回転子鉄心 8 スリット 9 回転子磁路 10 回転子 12 軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の歯部とスロットを備えた固定子鉄
    心にコイルを巻装した固定子と、複数のフラックスバリ
    アを回転子鉄心の半径方向に間隔を置いて設けた回転子
    とを対向配置してなるシンクロナスリラクタンスモータ
    において、前記回転子鉄心は順送プレス型によって打ち
    抜き並びに積層された電磁鋼板よりなるとともに、前記
    フラックスバリアは前記回転子鉄心の形成と同時に打ち
    抜かれたスリットよりなり、前記複数のスリットは短手
    方向の幅が1.5mm以上となるように打ち抜かれると
    ともに、前記スリット間に形成される1極当たりの回転
    子磁路の有効数は、前記固定子の1極当たりの歯部の数
    と同数または倍数または約数とならない数に設定されて
    いることを特徴とするシンクロナスリラクタンスモー
    タ。
  2. 【請求項2】 nを自然数とするとき、前記固定子の1
    極当たりの歯部の数nに対して、前記1極当たりの回転
    子磁路の有効数をn+1としたことを特徴とする請求項
    1記載のシンクロナスリラクタンスモータ。
  3. 【請求項3】 前記スリットの回転子外周に近接する端
    部を先細とし、前記スリット間に形成される回転子磁路
    の回転子外周に近接する部分を幅広に構成したことを特
    徴とする請求項1または2記載のシンクロナスリラクタ
    ンスモータ。
  4. 【請求項4】 複数のスリットを回転子鉄心の半径方向
    に間隔を置いて設けたシンクロナスリラクタンスモータ
    の製造方法において、順送プレス型によって前記回転子
    鉄心を打ち抜くに際し、同一行程で打ち抜かれる前記ス
    リットの隣接する相互間には4mm以上の間隔を残存さ
    せることを特徴とするシンクロナスリラクタンスモータ
    の製造方法。
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