JPH1187827A - 可変波長半導体レーザ装置 - Google Patents

可変波長半導体レーザ装置

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JPH1187827A
JPH1187827A JP24409097A JP24409097A JPH1187827A JP H1187827 A JPH1187827 A JP H1187827A JP 24409097 A JP24409097 A JP 24409097A JP 24409097 A JP24409097 A JP 24409097A JP H1187827 A JPH1187827 A JP H1187827A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒステリシスによる不安定状態を回避し、多電
極分布ブラッグ反射型半導体レーザ素子の安定な波長制
御を可能にすること。 【解決手段】活性領域101 、位相調整領域102 および分
布ブラッグ反射器領域(DBR領域)103を備えた多電極半導
体レーザ素子(LD)100 と、LDの前方出力光LDfの波長
を弁別する波長弁別手段110 と、所望波長に切替指示す
るための波長切替信号にて定まる所望波長と波長弁別手
段出力に基づく波長とから所望波長に対する波長誤差分
を得る誤差検出手段130 と、誤差検出手段出力に基づき
位相調整領域への注入電流を制御する第1制御手段210
と、波長切替信号に基づきDBR 領域への注入電流を制御
する第2制御手段212 と、LDの後方出力光LBr の強度を
検出する第1強度検出手段140 を具備し、第2制御手段
は第1強度検出手段の出力が予め設定された許容範囲と
なるようDBR 領域への注入電流を制御することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光通信等に用い
る光源の改良にかかわり、特に光波長多重伝送に用いる
多電極分布反射型半導体レーザの波長制御回路を改良し
た可変波長半導体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来技術】光ファイバ増幅器の進歩に伴い、増幅器の
帯域内に高密度に多重する波長多重(Wavelength Divis
ion Multiplexing:WDM)伝送方式、およびWDM方
式を用いた卜ランスペアレントな光波ネットワークの研
究が盛んに行われている。
【0003】このような光波ネットワークにおいては、
送信波長をダイナミックに可変させることにより、ネッ
トワークに柔軟性を持たせることができる。このような
波長可変光源としては、量産性、信頼性、高速応答性の
点で分布ブラッグ反射型半導体レーザ素子(DBR−L
D)が有望である。
【0004】DBR−LDは、活性領域、位相調整領域
および分布ブラッグ反射器(DBR)領域を備えてお
り、活性領域に注入電流を印加し、位相調整領域および
DBR領域に注入する電流を変化させることで、発振波
長を可変できる光源である。
【0005】図8に、当該DBR−LDの波長制御回路
の従来例を示す。図8において、100は分布ブラッグ
反射型半導体レーザ素子(DBR−LD)、110は波
長基準器、120は波長検出部、130は誤差信号検出
器、160はビームスプリッタ、200は電流源、21
0は位相調整領域注入電流制御部、213はDBR領域
注入電流制御部である。
【0006】これらのうち、DBR−LD100は、光
伝送における波長可変光源としての半導体レーザ光源で
あり、図8に示すように、DBR−LD100は、その
素子構造として活性領域101、位相調整領域102お
よび分布ブラッグ反射器(DBR)領域103がある。
また、DBR−LD100の素子本体には、これら活性
領域101、位相調整領域102およびDBR領域10
3に対応してそれぞれの領域にそれぞれ別々に電流を印
加するための電極105a,105b,105cが設け
てある。電極105aは活性領域用であり、電極105
bは位相調整領域用であり、電極105cはDBR領域
用である。
【0007】ビームスプリッタ160はDBR−LD1
00からの光LBf を一部分岐させて波長基準器110
に与えるものであり、例えば、ハーフミラーにより構成
される。波長基準器110は、この分岐して与えられた
光のうち、所定の波長範囲の成分を通すためのものであ
り、波長検出部120はこの波長基準器110を通った
光の波長を検出して検出波長対応の信号を出力するもの
である。
【0008】また、誤差信号検出器130は、この波長
検出部120からの出力信号と、波長切替信号とを受
け、波長切替信号の信号内容によって定まる波長に対す
る前記波長検出部120からの出力信号の誤差分(波長
差)を検出して誤差信号として出力するものであり、位
相調整領域注入電流制御部210はこの誤差信号検出器
130の出力する誤差信号対応に、DBR−LD100
の位相調整領域102に注入する電流の大きさを制御す
るものである。この位相調整領域注入電流制御部210
からの出力電流は電極105bを介して位相調整領域1
02に与えられるようにしてある。
【0009】DBR領域注入電流制御部213は波長切
替信号対応にDBR−LD100のDBR領域103に
注入する電流の大きさを制御するためのものであり、こ
のDBR領域注入電流制御部213で制御されて出力さ
れる電流は電極105cを介してDBR領域103に注
入される構成である。
【0010】また、電流源200はDBR−LD100
の活性領域101に一定の活性領域注入電流を与えるた
めの電流源であり、この電流源200からの電流は電極
105aを介して活性領域101に注入される構成であ
る。
【0011】ここで使用しているDBR−LD100は
105a,105b,105cといったように電極が複
数あるので、多電極分布反射型半導体レーザ素子と呼ば
れるが、この多電極のDBR−LD100は、DBR領
域103への注入電流によりブラッグ波長を制御し、ブ
ラッグ波長近傍の縦モード波長で単一モード発振する。
この縦モード波長は主に位相調整領域102への注入電
流で制御されるので、この点を旨く波長制御に利用す
る。
【0012】このような構成の従来装置の作用を説明す
る。
【0013】まず、活性領域101には電流源200よ
り一定の活性領域注入電流が与えられる。また、発振さ
せたい波長対応の波長切替信号を外部からDBR領域注
入電流制御部213と誤差信号検出部130に与えるこ
とで、DBR領域103には、当該与えられる波長切替
信号に基づきDBR領域注人電流制御部213からDB
R領域注入電流が与えられる。
【0014】DBR−LD100における活性領域10
1側からの出力光LBf の一部はハーフミラー等のビー
ムスプリッタ160で一部が分岐され、波長基準器11
0に入力される。そして、波長基準器110で所定の波
長領域の成分の光が選択されてその光が波長検出部12
0に入力される。
【0015】波長検出部120では、波長基準器110
からの出力に基づきDBR−LDの発振波長を検出し、
検出された波長に応じた信号を誤差信号検出部130に
出力する。すると、誤差信号検出部130は、波長切替
信号に基づき定まる所望波長と、検出された波長とのず
れに相当する誤差信号を検出し、この誤差信号を位相調
整領域注入電流制御部210へ出力する。
【0016】この誤差信号を受けた当該位相調整領域注
入電流制御部210では、この入力された誤差信号に基
づいて電流値を補正しこの補正した電流を位相調整領域
102へ与える。これにより、DBR−LD100の発
振波長が、波長切替信号に基づき定まる所望波長に制御
される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】このように、DBR−
LDを用いたレーザ光源では、発振させたい目的波長対
応の波長切替信号を外部からDBR領域注入電流制御部
213と誤差信号検出部130に与え、DBR領域注入
電流制御部213よりDBR−LD100のDBR領域
103に注入する電流の値を、当該波長切替信号対応に
制御することで、その目的の波長近傍のレーザ光を出力
することができ、出射レーザ光の波長を検出して波長切
替信号で与えられる前記目的波長との誤差分を誤差信号
検出部130により検出し、当該誤差分相当の補正を位
相調整領域注入電流制御部210に行わせて位相調整領
域102に注入する電流の値をフィードバック制御する
ことで、目的の波長のレーザ光を出力できるようにな
る。
【0018】このように、この装置では出力されたレー
ザ光の波長と、波長切替信号により与えられる比較基準
である所望波長とのずれに応じた誤差信号を求め、この
誤差信号に基づいてDBR−LD100の位相調整領域
102への注入電流を制御することにより波長を所望波
長にし、また、波長の切替は、波長切替信号に基づき、
波長切替制御部がDBR領域103への注入電流を制御
することにより行う。
【0019】つまり、“DBR領域103への注入電流
を調整する”ことにより“波長の粗調整を行うことがで
き、位相調整領域102への注入電流により波長の微調
整を行うことができる。
【0020】しかしながら、DBR−LD100におけ
る波長可変特性はモード跳躍を伴い、モード跳躍近傍に
おいてヒステリシスが存在する。ヒステリシス領域にお
いては電流の設定の仕方によってどちらの波長でも発振
し得ること、すなわち、発振状態が不安定であることを
示している。
【0021】このような不安定領域においては、温度変
化等の外乱やレーザの劣化等の要因により波長が不安定
であり、場合によっては制御系自体が破綻するという問
題があった。
【0022】そこでこの発明の目的とするところは、ヒ
ステリシスによる不安定状態を検出してこれを回避し、
多電極DBR−LDの安定な波長制御を可能にする可変
波長半導体レーザ装置を提供することにある。さらにま
た、この発明の他の目的は、低消費電力化および低コス
ト化を図ることが可能な半導体レーザの波長制御装置を
提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る可変波長半導体レーザ装置は、活性領
域、位相調整領域および分布ブラッグ反射器領域を備え
た多電極半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子の
前方出力光の波長を弁別する波長弁別手段と、所望波長
に切替指示するための波長切替信号にて定まる所望波長
と前記波長弁別手段の出力に基づく波長とから、前記所
望の波長に対する波長誤差分を検出する誤差検出手段
と、誤差検出手段からの出力に基づいて前記位相調整領
域への注入電流を制御する第1の制御手段と、前記波長
切替信号に基づいて前記分布ブラッグ反射器領域への注
入電流を制御する第2の制御手段と、前記半導体レーザ
素子の後方出力光の強度を検出する第1の強度検出手段
とを具備し、前記第2の制御手段は前記第1の強度検出
手段からの出力が予め設定された許容範囲となるように
前記分布ブラッグ反射器領域への注入電流を制御するも
のであることを特徴とする。
【0024】また、省電力化、低コスト化を図りつつ、
しかも、安定な波長制御を可能にするため、本発明に係
る可変波長半導体レーザ装置は、活性領域、位相調整領
域および分布ブラッグ反射器領域(DBR領域)を備え
た多電極半導体レーザ素子と、前記半導体レーザ素子の
出力光の波長を弁別する波長弁別手段と、所望波長に切
替指示するための波長切替信号にて定まる所望波長と前
記波長弁別手段の出力に基づく波長とから、前記所望の
波長に対する波長誤差分を検出する誤差検出手段と、誤
差検出手段からの出力に基づいて前記位相調整領域への
注入電流を制御する第3の制御手段と、前記分布ブラッ
グ反射器領域への注入電流を制御する第4の制御手段と
を具備し、前記第3の制御手段は、前記位相調整領域へ
の注入電流の上限および下限を与える電流リミッタを備
える構成ととすることを特徴とする。
【0025】このような構成の本発明の多電極半導体レ
ーザ装置は、DBR領域への注入電流によりブラッグ波
長を制御し、ブラッグ波長近傍の縦モード波長で単一モ
ード発振する。この縦モード波長は主に位相調整領域へ
の注入電流で制御される。ここでDBR領域はブラッグ
波長近傍で反射率が最も大きく、ブラッグ波長からずれ
るにしたがって反射率が低下する。すなわち、ブラッグ
波長からずれるにしたがってDBR領域を透過してくる
光強度が大きくなる。したがって、DBR領域側(後
方)からの出力光強度を検出することによって、ブラッ
グ波長と縦モード波長との一致の程度、すなわち発振状
態の安定性が判断できる。
【0026】多電極DBR−LDの波長可変特性は、モ
ード跳躍を伴い、モード跳躍近傍ではヒステリシスが存
在する。このような状態においては発振波長が不安定で
あるため、外乱等により波長制御が不安定になるという
問題があるが、上述のようにブラッグ波長と縦モード波
長との一致の程度、すなわち発振状態の安定性が判断で
きることから、波長制御の不安定の問題を解消できる。
【0027】また、DBR−LDの発振波長は、位相調
整領域への注入電流に対して、ブラッグ波長を中心に同
じ波長が周期的に現れる。位相調整領域への注入電流の
変化に対する波長の変化は、電流が増加するに伴い減少
する。さらに、位相調整領域への注入電流の増加に伴
い、位相調整領域での光損失も増加する。以上の理由に
より、同じ波長可変幅を得るには、消費電力や損失の点
で電流値は小さいほうが有利である。一方、電流値が小
さすぎると、電流に対する波長変化量が大きくなり、過
度に高精度な電流値の制御が必要となる。したがって、
電流値に適切な上限値および下限値を与えることで、制
御回路の低消費電力化が図れ、しかも過度に高精度な電
流制御が不要になるため低コスト化が図れる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0029】(第1の実施形態)図1に、本発明の第1
の実施形態に係る波長制御回路を示す。図1において、
100は多電極分布ブラッグ反射型半導体レーザ素子
(DBR−LD)、110は波長基準器、120は波長
検出器、130は誤差信号検出部、140は後方光強度
検出部、160はビームスプリッタ、200は電流源、
210は位相調整領域注入電流制御部、212はDBR
領域注入電流制御部である。LBfはDBR−LD10
0の放出するレーザビームのうちの前方出力光、LBr
はDBR−LD100の放出するレーザビームのうちの
後方出力光である。
【0030】DBR−LD100は、光伝送における波
長可変光源としての半導体レーザ光源であり、図1に示
すように、DBR−LD100は、その素子構造として
活性領域101、位相調整領域102および分布ブラッ
グ反射器領域(DBR領域)103がある。また、DB
R−LD100の素子本体には、これら活性領域10
1、位相調整領域102およびDBR領域103に対応
してそれぞれの領域にそれぞれ別々に電流を印加するた
めの電極105a,105b,105cが設けてある。
電極105aは活性領域用であり、電極105bは位相
調整領域用であり、電極105cはDBR領域用であ
る。
【0031】電流源200は活性領域101に一定の活
性領域注入電流Iaを与えるための電流源であり、電極
105aを介して活性領域101に印加する構成であ
る。また、ビームスプリッタ160はDBR−LD10
0における活性領域101側からの出力光(前方出力
光)LBfの光路中に配されて当該出力光LBの一部を
波長基準器110に分岐させるためのもので、例えば、
ハーフミラー等によるものである。
【0032】また、波長基準器110は、この分岐され
て与えられた光のうち、所定の波長範囲の成分を通すた
めのものであり、波長検出部120はこの波長基準器1
10を通った光の波長を検出して検出波長対応の信号を
出力するものである。
【0033】また、誤差信号検出部130は、この波長
検出部120からの出力信号と、波長切替信号とを受
け、波長切替信号の信号内容によって定まる波長に対す
る前記波長検出部120からの出力信号の誤差分(波長
差)を検出して誤差信号として出力するものであり、後
方光強度検出部140は、DBR−LD100の素子本
体におけるDBR領域103側の端部から出射されるレ
ーザ光(後方出力光)LBrの光強度を検出してその強
度対応の検出信号を出力するものである。
【0034】また、位相調整領域注入電流制御部210
は、前記誤差信号検出器130の出力する誤差信号対応
に、DBR−LD100の位相調整領域102に注入す
る電流の大きさを制御するものである。この位相調整領
域注入電流制御部210からの出力電流は電極105b
を介して位相調整領域102に与えられるようにしてあ
る。
【0035】また、DBR領域注入電流制御部212は
波長切替信号対応にDBR−LD100のDBR領域1
03に注入する電流の大きさを制御するためのものであ
り、このDBR領域注入電流制御部212で制御されて
出力される電流は電極105cを介してDBR領域10
3に注入される構成である。さらにまた、このDBR領
域注入電流制御部212は、後方光強度検出部140が
検出して出力するDBR−LD100におけるDBR領
域103側からの出力光(後方出力光LBr)の強度対
応の電圧を受けて、当該出力電圧が許容範囲にあるか否
かを判断し、許容範囲から外れていた場合にはその外れ
度合い対応にDBR領域103への注入電流IDBR に補
正を加える機能を有する。
【0036】また、電流源200はDBR−LD100
の活性領域101に一定の活性領域注入電流を与えるた
めの電流源であり、この電流源200からの電流は電極
105aを介して活性領域101に注入される構成であ
る。
【0037】ここで使用しているDBR−LD100は
上述したように電極が複数あるので、多電極DBR−L
Dと呼ばれるが、この多電極DBR−LD100は、D
BR領域103への注入電流によりブラッグ波長を制御
し、ブラッグ波長近傍の縦モード波長で単一モード発振
する。この縦モード波長は主に位相調整領域102への
注入電流で制御されるので、この点を従来と同様、波長
制御に利用する点では基本的に従来技術と変わりはない
が、本発明では、従来の制御手法に加えてさらにDBR
−LD100の後方出力光を検出してその光強度の検出
レベルに応じて当該出力電圧が許容範囲にあるか否かを
判断し、許容範囲から外れていた場合にはその外れ度合
い対応にDBR領域103への注入電流IDBR に補正を
加えるようにした点が本発明の基本的な特徴点である。
【0038】次に、このような構成の本装置の作用を説
明する。
【0039】まず、DBR−LD100の活性領域10
1には電流源200より一定の活性領域注入電流Iaが
与えられる。また、発振させたい波長対応の波長切替信
号を外部からDBR領域注入電流制御部212と誤差信
号検出部130に与えることで、DBR領域103に
は、当該与えられる波長切替信号に基づきDBR領域注
人電流制御部212からDBR領域注入電流IDBR が与
えられる。
【0040】これにより、DBR−LD100の出力す
るレーザ光の波長が、所望波長近傍に設定されることに
なる。
【0041】電流源200より一定の活性領域注入電流
Iact が与えられたことにより、DBR−LD100が
レーザ発振状態となり、DBR−LD100における活
性領域101側から外に向けてレーザ光が出射されるこ
とになる(これをDBR−LD100におけるDBR領
域103側からの出力光(後方出力光)に対して区別す
るために前方出力光LBfと呼ぶ)。
【0042】そして、DBR−LD100における活性
領域101側からの出力光(前方出力光LBf )の一部
はハーフミラー等のビームスプリッタ160で一部が分
岐され、波長基準器110に入力される。波長基準器1
10では所定範囲の波長領域成分の光を通し、これを波
長検出部120に入力する。
【0043】波長検出部120では、波長基準器110
から得た光について波長検出することで、DBR−LD
の発振波長を検出し、検出された波長対応の検出信号を
出力する。そして、この検出信号は誤差信号検出部13
0に与えられる。
【0044】誤差信号検出部130では、波長切替信号
に基づき定まる所望波長と、検出された波長とのずれに
相当する誤差信号を検出し、この誤差信号を位相調整領
域注入電流制御部210へ出力する。
【0045】この誤差信号を受けた当該位相調整領域注
入電流制御部210では、この誤差信号に基づいて電流
値を補正し、この補正済み電流を位相調整領域102へ
電流Ipcとして与える。これにより、DBR−LD10
0の波長が波長切替信号対応に設定されることになる。
【0046】一方、後方光強度検出部140では、DB
R−LD100のDBR領域103側からの出力光(後
方出力光LBr )の強度を検出し、検出された光強度に
応じた電圧をDBR領域注入電流制御部212へ出力す
る。
【0047】DBR領域注入電流制御部212では、後
方光強度検出部140からの出力電圧が予め定めた許容
範囲P内にあるか否かを判断し、当該許容範囲Pから外
れていた場合にのみ、後方光強度検出部140の検出出
力電圧値が、この許容範囲P内の値を示すように、以下
に説明するような関係を以てDBR領域103への注入
電流IDBR に補正を加えるようにする。
【0048】図2に、DBR領域103への注入電流I
DBR に対する後方光強度検出部140からの出力電圧を
示す。なお、図中の白丸印は電流を増加させたときの特
性を、またΔ印は電流を減少させたときの特性を示す。
図2において、(a)図がDBR領域注入電流‐出力波
長の関係を示す特性図であり、(b)がDBR領域注入
電流‐後方光強度検出部出力の関係を示す特性図であ
る。図2(a)のDBR領域注入電流‐出力波長特性図
において、上方向矢印及び下方向矢印を付して示すAis
の区間がヒステリシス特性を伴うモード跳躍の避けられ
ない不安定領域であり、この区間では同じ注入電流値で
あっても、設定の仕方によって発振レーザ光の波長が全
く別のものとなる可能性があることがわかる。
【0049】また、この不安定領域Aisは、図2(b)
のDBR領域注入電流‐後方光強度検出部出力特性図で
関連性を見た場合、後方光強度検出部出力VupからVlo
w の範囲において、当該不安定領域Aisを外れており、
従って、後方光強度検出部140出力がVupからVlow
の範囲であれば不安定動作の危険がないことが確認でき
る。
【0050】このように図2より、後方光強度検出部1
40の出力からヒステリシス領域を判断できることがわ
かる。従って、後方光強度検出部140からの出力電圧
が、例えば図2に示す後方光強度検出部出力VupからV
low の範囲が、すなわち、許容範囲Pであり、“後方光
強度検出部140の検出出力電圧値が、この許容範囲P
内の値を示すように、DBR領域103への注入電流を
制御”すれば、ヒステリシス領域を回避でき、安定な波
長制御が実現できる。
【0051】また、図2より、DBR領域103への注
入電流IDBR が増加するに伴い、後方光強度検出部14
0からの出力電圧が減少していることがわかる。これ
は、DBR領域103への注入電流IDBR の増加によ
り、DBR領域103での損失が増大していることに起
因している。
【0052】そこで、注入電流IDBR を減少させた時の
モード跳躍直後の後方光強度検出部140からの出力電
圧値をDBR領域103への注入電流IDBR に対して内
挿した曲線Vf をとり、許容範囲Pの上限値Vupおよび
下限値Vlow をそれぞれ以下のように設定する。
【0053】Vup=0.8Vf 、 Vlow =0.35V
f このように、DBR領域103への注入電流値に応じて
許容範囲Pを設定することにより、DBR領域103に
おける損失変動を補償でき、より広い波長範囲にわたり
安定な波長制御が可能となる。
【0054】なお、本実施形態において、波長切替信号
を誤差信号検出部130に入力することにより波長制御
を行ったが、波長切替信号を波長基準器110に入力し
て、基準となる波長を可変させてもよい。
【0055】以上、この発明は多電極DBR−LDを用
いて、その位相調整領域およびDBR領域の注入電流値
を可変することにより発生するレーザ光の波長を所望波
長に制御する場合に、多電極DBR−LDの後方光を検
出して検出レベル対応の電圧信号を出力する後方光検出
手段を設け、DBR領域への注入電流値に応じて許容範
囲Pを設定すると共に、前記後方光強度検出手段の検出
出力電圧値が、この許容範囲P内の値を示すように、D
BR領域への注入電流を制御するようにしたことで、D
BR−LDの不安定動作となるヒステリシス領域での動
作を回避できるようになり、安定な波長制御が実現でき
るものである。
【0056】この実施態様においては、DBR−LDの
不安定動作となるヒステリシス領域での動作を回避する
ために、DBR−LDの後方出力光を検出するが、この
検出は後方光強度検出手段により後方出力光LBrを直
接検出するようにしていた。
【0057】しかしながら、DBR−LD100の位相
調整領域102およびDBR領域103におけるバンド
ギャッブ波長に対しては能動領域であるため、これらの
領域への注入電流IDBR が増加すると、バンドギャップ
波長近傍で発振するようになる。この発振により生じた
光は、波長1.5μm帯の光に対して背景光となり、後
方光強度検出部140の検出感度を劣化させる。これは
DBR−LDの不安定動作となるヒステリシス領域での
動作を再び招いてしまう危惧を残す。
【0058】したがって、その対策を講じる必要があ
る。
【0059】その例を次に第2の実施形態として説明す
る。
【0060】(第2の実施形態)図3に、本発明の第2
の実施形態に係る波長制御回路を示す。なお、図1と同
一部分には同一参照符号を付して、その説明を省略す
る。この実施形態においては、背景光を除去するため
に、波長1.5μm帯の信号光のみを透過させるDBR
−LD100のDBR領域103側と後方光強度検出部
140との間に光フィルタ115を設ける。
【0061】高密度波長多重伝送方式を用いた光通信に
おいては、通常、波長1.5μm帯の波長が用いられ
る。そこで、光フィルタ115として波長1.5μm帯
の信号光のみを透過させる光フィルタを用いる。する
と、DBR−LD100のDBR領域103側からの出
力光(後方出力光)LBr は、波長1.5μm帯の信号
光のみを透過させる光フィルタ115を介して後方光強
度検出部140へ入力されることになり、後方光強度検
出部140はDBR−LD100の出力する後方出力光
LBr のうち、波長1.5μm帯の信号光のみを受光し
てその強度対応の電圧信号を発生することになる。
【0062】通常、DBR−LD100における位相調
整領域102およびDBR領域103は、波長1.5μ
m帯の光を吸収しないように、バンドギャップが設定さ
れている。このため、波長1.5μm帯の光に対してこ
れらの領域は受動領域と見なされる。
【0063】しかしながら、位相調整領域102および
DBR領域103におけるバンドギャップ波長に対して
は能動領域であるため、これらの領域への注入電流IP
C,IDBR が増加すると、バンドギャップ波長近傍で発
振するようになる。この発振により生じた光は、波長
1.5μm帯の光に対して背景光となり、後方光強度検
出部140の検出感度を劣化させる。
【0064】したがって、本実施形態のように波長1.
5μm帯の信号光のみを透過させる光フィルタ115を
用いることにより、位相調整領域102およびDBR領
域103への注入電流IPC,IDBR が増加しても、検出
感度劣化のない安定な制御が可能となる。
【0065】また、光フィルタ115を後方出力光に対
して傾けて配置することにより、光フイルタ115から
の反射光がDBR−LD100に戻るのを防ぐことがで
き、安定な波長制御が可能となる。
【0066】なお、本実施形態においても、DBR領域
103への注入電流値に応じて後方光強度検出部140
からの出力電圧に対する許容範囲を設定することで、D
BR領域における損失変動を補償でき、さらに広い波長
範囲にわたり安定な波長制御が行える。
【0067】次に第3の実施形態を説明する。
【0068】(第3の実施形態)図4に本発明の第3の
実施形態に係る波長制御回路を示す。なお、図1と同一
部分には同一参照符号を付して、その説明を省略する。
第3の実施形態においては、図1に示した第1の実施形
態の構成に、さらに前方光強度検出部141、演算器1
50、第二のビームスプリッタ161を設けた構成であ
る。
【0069】第二のビームスプリッタ161はDBR−
LD100の活性領域101側の出力光(前方出力光L
Bf )の一部を分岐するもので、ハーフミラー等により
構成されている。前方光強度検出部141はこの第二の
ビームスプリッタ161で分岐された前方出力光の光強
度検出してその強度対応の電圧信号に変換して出力する
ものであり、演算器150はこの前方光強度検出部14
1からの電圧信号と後方光強度検出部140の出力電圧
信号とを入力とするもので、演算部150は、後方光強
度検出部140からの出力電圧を前方光検出部141か
らの出力電圧で割り算を行い、その結果をDBR領域注
入電流制御部212へ出力するものである。
【0070】DBR領域注入電流制御部212では、演
算部150からの出力信号が図2で説明した許容範囲P
にあるか否かを判断し、許容範囲Pから外れていた場合
にはDBR領域103への注入電流IDBR に第1の実施
形態で説明したと同様の補正を加える構成である。
【0071】このような構成において、DBR−LD1
00の活性領域101側の出力光の一部を第二のビーム
スプリッタ161で分岐し、前方光強度検出部141へ
入力する。前方光強度検出部141では、DBR−LD
100の活性領域101側の出力光強度を検出し、検出
された光強度に応じた電圧を演算部150へ出力する。
演算部150では、後方光強度検出部140からの出力
電圧を前方光検出部141からの出力電圧で割り算を行
い、その結果をDBR領域注入電流制御部212へ出力
する。
【0072】DBR領域注入電流制御部212では、演
算部150からの出力信号が図2で説明した許容範囲P
にあるか否かを判断し、許容範囲Pから外れていた場合
にはDBR領域103への注入電流IDBR に第1の実施
形態で説明したと同様の補正を加える。
【0073】DBR−LD素子自体の劣化等によりレー
ザ素子内部の損失が増大した場合、後方出力光LBr 強
度と同様に前方出力光強度も減少する。したがって、本
実施形態のごとく、活性領域101側からの出力光強度
でDBR領域103側からの出力光強度を割り算するこ
とにより、レーザ内部の損失増大による後方光強度検出
部140からの電圧変動は、前方光強度検出部141か
らの電圧変動で相殺できる。
【0074】故に、演算部150からの出力は常にブラ
ッグ波長と縦モード波長の一致の程度を示すため、安定
な波長制御が実現できる。
【0075】また、波長多重伝送においては、光ファイ
バ増幅器の波長依存性を補償する等の理由により、送信
光強度を波長に応じて調整する場合がある。
【0076】この場合、後方出力光LBrおよび前方出
力光LBf の光強度は波長により変動する。したがっ
て、本実施例の如く構成することで、送信光強度を波長
に応じて調整することにより生じた後方光強度検出部1
40からの電圧変動が補償され、安定な波長制御が実現
できる。
【0077】なお、本実施形態では、活性領域101側
からの出力光をさらに分岐して前方光強度検出部141
ヘ入力したが、波長基準器を透過した光強度のDC成分
を前方出力光光強度として用いてもよい。
【0078】また、本実施形態においても、DBR領域
103への注入電流値に応じて演算部150からの出力
信号に対する許容範囲を設定することで、DBR領域1
03における損失変動を補償でき、より広い波長範囲に
わたり安定な波長制御が行える。
【0079】さらに、前方光強度検出部141からの出
力電圧が一定となるように、活性領101域への注入電
流を制御してもよい。
【0080】次に、第4の実施形態を説明する。
【0081】(第4の実施形態)図5に、本発明の第4
の実施形態に係る波長制御回路を示す。なお、図1と同
一部分には同一参照符号を付して、その説明を省略す
る。また、図5においては、後方光強度検出部140、
演算部150等は省略してあるが、対象は図1,図3,
図4の各構成いずれにも適用できる。
【0082】この実施の形態においては、図5に示すよ
うに電流リミッタ220を新たに設けて、位相調整領域
注入電流制御部210の出力を、この電流リミッタ22
0を介してDBR−LD100の位相調整領域103に
与える構成とする点に特徴がある。そして、この電流リ
ミッタ220では、位相調整領域102への注入電流I
pcに下限値Ilow および上限値Iupを与えるように設定
してある。
【0083】このような構成において、位相調整領域注
入電流制御部210からの出力電流は、電流リミッタ2
20を介して位相調整領域102へ供される。電流リミ
ッタ220では、位相調整領域102への注入電流Ipc
に下限値Ilow および上限値Iupを与える。
【0084】図6に位相調整領域102への注入電流に
対する波長特性を示す。位相調整領域102への注入電
流IPCを変化させていくと、当該注入電流に対して、周
期的に同じ波長が現れているのがわかる。そして、電流
リミッタ220における下限値Ilow および上限値Iup
は、例えば、図6のようにモード跳躍の適宜な1周期分
の範囲についてカバーできるように設定する。
【0085】従って、このようにすると位相調整領域1
02への注入電流Ipcはモード跳躍の適宜な1周期分の
範囲についてカバーされ、それを外れる範囲の値の注入
電流Ipcは与えることがなくなる。そのため、位相調整
領域注入電流制御部210はこのカバー範囲を大幅に越
える注入電流値を出力できる構成にする必要はなくな
り、電流可変性能を上記カバー範囲程度に設計すれば良
くなり、且つ、その分、低消費電力化が可能になる。
【0086】このように、本実施形態によると、電流リ
ミッタ220を設けて位相調整領域102への注入電流
Ipcに上限値および下限値を設定するようにしたこと
で、DBR−LD100の制御回路系の低消費電力化が
図れ、かつ過度に高精度な電流制御が不要になるため低
コスト化が図れる。
【0087】次に、DBR−LD装置における制御回路
系の低消費電力化を図り、かつ、コストダウンを図るこ
とができるようにすると共に、さらにDBR−LDの劣
化などに伴うブラッグ波長のずれによる波長の安定化特
性の変化にも対応できるようにして高性能を常に維持で
きるようにした例を第5の実施形態として説明する。
【0088】(第5の実施形態)図7に本発明の第5の
実施形態に係る波長制御回路を示す。なお、図5と同一
部分には同一参照符号を付して、その説明を省略する。
ここに示す例では、図5における位相調整領域注入電流
制御部210に変えて、自己の出力電流(位相調整領域
注入電流)対応の信号をDBR領域注入電流制御部21
4へ出力する機能を持たせてある位相調整領域注入電流
制御部211を用い、また、DBR領域注入電流制御部
213に変えて位相調整領域注入電流制御部211から
の出力信号に基づき、位相調整領域注入電流制御部21
1からの出力電流が電流リミッタ220の上限値と下限
値の間にあるか否かを判断すると共に、その判断結果に
応じてDBR領域103への注入電流IDBR を所要の特
性を以て減少あるいは増加させるべく制御する機能を持
つDBR領域注入電流制御部214を用いるようにした
点が特徴である。
【0089】位相調整領域注入電流制御部211は、誤
差信号検出部130からの出力信号に基づき電流(位相
調整領域注入電流)を電流リミッタ220へ出力すると
ともに、出力電流(位相調整領域注入電流)に応じた信
号をDBR領域注入電流制御部214へ出力する機能を
持たせてある。また、DBR領域注入電流制御部214
では、位相調整領域注入電流制御部211からの出力信
号に基づき、位相調整領域注入電流制御部211からの
出力電流が電流リミッタ220の上限値と下限値の間に
あるか否かを判断すると共に、その判断の結果、上限値
を越えていた場合には、DBR−LD100の発振波長
が、設定した比較基準である所望の波長よりも短波長側
にあれば、DBR領域103への注入電流IDBR を減少
させてブラッグ波長を長波長側へシフトさせ、また、下
限値を下回っていた場合にはこの逆で、DBR領域1
03への注入電流IDBR を 増加させてブラッグ波長を
短波長側へシフトさせるようにする機能を持たせてあ
る。
【0090】このような構成においては、位相調整領域
注入電流制御部211は、誤差信号検出部130からの
出力信号に基づき電流を電流リミッタ220へ出力する
とともに、出力電流に応じた信号をDBR領域注入電流
制御部213へ出力する。DBR領域注入電流制御部2
14では、位相調整領域注入電流制御部211からの出
力信号に基づき、位相調整領域注入電流制御部211か
らの出力電流が電流リミッタ220の上限値と下限値の
間にあるか否かを判断する。
【0091】そして、上限値を越えていた場合には、D
BR−LD100の発振波長が、設定した比較基準であ
る所望の波長よりも短波長側にあるので、DBR領域1
03への注入電流IDBR を減少させ、ブラッグ波長を長
波長側へシフトさせる。
【0092】また、下限値を下回っていた場合にはこの
逆で、DBR領域103への注入電流IDBR を増加さ
せ、ブラッグ波長を短波長側へシフトさせる。
【0093】このように本実施形態によると、経年変化
に伴うDBR−LD100の劣化等によりブラッグ波長
がずれ、位相調整領域102だけでは所望の波長が補足
できなくなっても、DBR領域103への注入電流まで
含めて制御を行うことによって、確実に所望の波長に安
定化できる。
【0094】従って、この実施の形態によれば、省エネ
化はもちろんのこと、さらにDBR−LDの劣化に伴う
ブラッグ波長のずれによる波長の安定化特性の変化にも
対応できるようになり、高性能を常に維持できるように
した半導体レーザ装置が得られる。
【0095】以上、種々の具体例を説明したが本発明
は、上述した実施の形態にのみ、限定されるものでなく
その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施し得
る。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
分布ブラッグ反射型半導体レーザ素子の後方出力光の光
強度を検出し、検出された光強度に基づいて発振状態の
安定性を判断できるので、ヒステリシスによる不安定領
域を回避でき、任意の波長において安定な波長制御が可
能となる。
【0097】また、位相調整領域への注入電流に上限値
および下限値を設けることにより、波長制御回路の低消
費電力化が図れ、かつ過度に高精度な電流制御が不要と
なるため低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための図であって、波長制御
系を含む本発明の第1の実施形態に係る可変波長半導体
レーザ装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明を説明するための図であって、本発明可
変波長半導体レーザ装置における後方光強度検出部から
の出力と、DBR領域注入電流及び出力レーザ光の波長
の関係を示す図。
【図3】本発明を説明するための図であって、波長制御
系を含む本発明の第2の実施形態に係る可変波長半導体
レーザ装置の構成を示すブロック図。
【図4】本発明を説明するための図であって、波長制御
系を含む本発明の第3の実施形態に係る可変波長半導体
レーザ装置の構成を示すブロック図。
【図5】本発明を説明するための図であって、波長制御
系を含む本発明の第4の実施形態に係る可変波長半導体
レーザ装置の構成を示すブロック図。
【図6】本発明を説明するための図であって、本発明装
置における位相調整領域への注入電流に対する波長特性
を示す図。
【図7】本発明を説明するための図であって、波長制御
系を含む本発明の第5の実施形態に係る可変波長半導体
レーザ装置の構成を示すブロック図。
【図8】従来の波長制御回路の構成を示す図。
【符号の説明】
100…多電極分布ブラッグ反射型半導体レーザ(BD
R−LD) 101…活性領域 102…位相調整領域 103…分布ブラッグ反射器領域(BDR領域) 105a…活性領域用の電極 105b…位相調整領域用の電極 105c…BDR領域用の電極 110…波長基準器 115…光フィルタ 120…波長検出部 130…誤差信号検出部 140…後方光強度検出部 141…前方光強度検出部 150…演算部 160…ビームスプリッタ 200…電流源 210,211…位相調整領域注入電流制御部 212,213,214…DBR領域注入電流制御部 220…電流リミッタ LDf …BDR−LDの出射する前方出力光 LDr …BDR−LDの出射する後方出力光。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性領域、位相調整領域および分布ブラッ
    グ反射器領域を備えた多電極半導体レーザ素子と、 前記半導体レーザ素子の前方出力光の波長を弁別する波
    長弁別手段と、 所望波長に切替指示するための波長切替信号にて定まる
    所望波長と前記波長弁別手段の出力に基づく波長とか
    ら、前記所望の波長に対する波長誤差分を検出する誤差
    検出手段と、 誤差検出手段からの出力に基づいて前記位相調整領域へ
    の注入電流を制御する第1の制御手段と、 前記波長切替信号に基づいて前記分布ブラッグ反射器領
    域への注入電流を制御する第2の制御手段と、 前記半導体レーザ素子の後方出力光の強度を検出する第
    1の強度検出手段と、を具備し、 前記第2の制御手段は前記第1の強度検出手段からの出
    力が予め設定された許容範囲となるように前記分布ブラ
    ッグ反射器領域への注入電流を制御するものであること
    を特徴とする可変波長半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】前記第1の強度検出手段は、1.5μm帯
    の光のみを透過させる光フィルタを具備することを特徴
    とする請求項1記載の可変波長半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】前記光フィルタは透過光に対して垂直では
    ない角度を有して配置されることを特徴とする請求項2
    記載の可変波長半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】前記半導体レーザ素子の前方出力光の強度
    を検出する第2の強度検出手段と、前記第1の強度検出
    手段の出力と前記第2の強度検出手段の出力とに基づき
    特定の演算を行う演算手段とを具備し、前記第2の制御
    手段は前記演算手段からの出力が予め設定された許容範
    囲となるように前記分布ブラッグ反射器領域への注入電
    流を制御することを特徴とする請求項1乃至3記載の半
    導体レーザ波長制御回路。
  5. 【請求項5】前記許容範囲は、前記分布ブラッグ反射器
    領域への注入電流値に応じて設定されることを特徴とす
    る請求項1乃至4記載の可変波長半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】活性領域、位相調整領域および分布ブラッ
    グ反射器領域を備えた多電極半導体レーザ素子と、 前記半導体レーザ素子の出力光の波長を弁別する波長弁
    別手段と、 所望波長に切替指示するための波長切替信号にて定まる
    所望波長と前記波長弁別手段の出力に基づく波長とか
    ら、前記所望の波長に対する波長誤差分を検出する誤差
    検出手段と、 誤差検出手段からの出力に基づいて前記位相調整領域へ
    の注入電流を制御する第3の制御手段と、 前記分布ブラッグ反射器領域への注入電流を制御する第
    4の制御手段と、を具備し、 前記第3の制御手段は、前記位相調整領域への注入電流
    の上限および下限を与える電流リミッタを有することを
    特徴とする可変波長半導体レーザ装置。
  7. 【請求項7】前記第4の制御手段は、前記位相調整領域
    への注入電流をモニターし、前記位相調整領域への注入
    電流が下限値を下回った場合には前記分布ブラッグ反射
    器領域への注入電流を減少させ、前記位相調整領域への
    注入電流が上限値より大きくなった場合には前記分布ブ
    ラッグ反射器領域への注入電流を増加させることを特徴
    とする請求項6記載の可変波長半導体レーザ装置。
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