JPH1187758A - 導波路型光検出器 - Google Patents

導波路型光検出器

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JPH1187758A
JPH1187758A JP9239714A JP23971497A JPH1187758A JP H1187758 A JPH1187758 A JP H1187758A JP 9239714 A JP9239714 A JP 9239714A JP 23971497 A JP23971497 A JP 23971497A JP H1187758 A JPH1187758 A JP H1187758A
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Kazuaki Nishikata
一昭 西片
Hitoshi Shimizu
均 清水
Kiyoteru Yoshida
清輝 吉田
Masanori Irikawa
理徳 入川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速動作が可能で、暗電流の発生を抑えた簡
易な素子構造の導波路型光検出器を提供する。 【解決手段】 p型導電層とn型導電層との間に低キャ
リア濃度の光吸収層を配置してPN接合を形成したメサ
ストライプ構造をなすと共に、メサストライブの側面
に、p型導電性の半導体層、半絶縁性半導体層、或いは
エネルギギャップの大きい半導体層と半絶縁性半導体層
とを含む多層構造の半導体保護層を埋め込み形成した素
子構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速動作可能で暗
電流の低減を図った素子構造の導波路型光検出器に関す
る。
【0002】
【関連する背景技術】導波路型光検出器は、一般に低キ
ャリア濃度の光吸収層の上下に、p型導電層とn型導電
層とをそれぞれ配置してPN接合を形成した素子構造を
有している。そして上記p型導電層とn型導電層との間
に逆電圧を印加することで前記光吸収層を空乏化し、そ
の空乏層内に生じる高電界を利用して、該光吸収層の端
面から入射した光信号を光電変換する作用を呈する。
【0003】ところで上記光検出器の応答性(応答速
度)は、素子構造に起因するCR時定数と光信号により
励起されるキャリアの走行時間とにより決定される。し
かし励起キャリアの走行時間は、光吸収層の幅を狭くす
ることにより低減することができ、例えばその幅を1μ
m以下にすることで実質的に無視し得る程度まで短くす
ることができる。従ってその応答性は、専らCR時定数
に依存すると言える。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さて光検出器の応答性
を左右するCR時定数に関与する容量成分Cの殆どは、
PN接合部における静電容量である。この静電容量はP
N接合部の厚さに反比例し、またその面積に比例する。
従って静電容量Cを抑えて時定数を小さくし、その応答
性を高めるには、例えばPN接合部の面積である光吸収
層の面積を少なくすれば良い。そこで従来では、通常、
光吸収層を含むPN接合部をメサストライプ構造とし、
ストライプの幅と長さとを短くするようにしている。
【0005】図1はこのような観点に立脚した従来一般
的な導波路型光検出器の素子構造を示している。即ち、
この光検出器は、例えばn-InP基板1上に、n型導電
層としてのn-GaInAsP光ガイド層2、i-GaInAs
(P)光吸収層3、p型導電層としてのp-GaInAsP光
ガイド層4を順に積層して光吸収層3を挟むPN接合を
形成し、更にその上にp-InPクラッド層5、p+-Ga
InAs(P)層6、そしてメタル層7を順に積層した多層
膜積層体構造を有する。そしてその積層体をストライプ
状にエッチングしてメサを形成し、メサのリッジ側面に
誘電体膜8を設けた素子構造を有する。
【0006】ここで上記誘電体膜8は、リッジ側面を通
る表面リーク電流を防ぐことを目的として設けられるも
のである。しかしながら上記誘電体膜8を設けてリッジ
側面を保護しても、意図しない表面準位が介在するリー
ク電流パスが形成されたり、誘電体膜8の帯電によって
光吸収層3からの空乏層が延び、不本意なリーク電流パ
スが形成される虞があった。このような誘電体膜8の帯
電や上記パスを介するリーク電流の発生は、暗電流増加
の原因となり、その応答性を妨げる要因となっている。
【0007】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、高速動作が可能で、しかもリー
ク電流に起因する暗電流の発生を抑えた簡易な素子構造
の導波路型光検出器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明は、p型導電層とn型導電層との間に低キャ
リア濃度の光吸収層を配置してPN接合を形成したメサ
ストライプ構造の導波路型光検出器に係り、特に前記光
吸収層を備えるメサストライプの側面に半導体保護層を
埋め込み形成した素子構造としたことを特徴としてい
る。即ち、本発明は、光吸収層を含むリッジ側面に半導
体保護層を設けることで、不本意な表面準位を発生し難
くくし、しかも光吸収層からの空乏層が延び難い素子構
造として、リーク電流の発生を抑えるようにしたことを
特徴としている。
【0009】特に請求項2に記載するように半導体保護
層を、p型導電性の半導体層として実現し、また請求項
3に記載するように半絶縁性半導体層として実現するこ
とを特徴としている。更に請求項4に記載するように前
記半導体保護層を、エネルギギャップの大きい半導体層
と半絶縁性半導体層とを含む多層構造として実現するこ
とを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態に係る導波路型光検出器について説明する。図2
〜図4は、それぞれ本発明の第1〜第3の実施形態に係
る導波路型光検出器の素子構造を示している。これらの
各実施形態に係る導波路型光検出器は、基本的には図1
に示した従来の光検出器と同様に、例えばn-InP基板
1上にn-GaInAsP光ガイド層2、i-GaInAs(P)
光吸収層3、p-GaInAsP光ガイド層4を順に積層し
て、上記光吸収層3をn型導電層とp型導電層とで挟ん
でPN接合を形成し、更にその上にp-InPクラッド層
5、p+-GaInAs(P)層6、そしてメタル層7を順に
積層した後、その多層膜積層体をストライプ状にエッチ
ングしてメサを形成し、光吸収層3(PN接合部)の面
積を小さくした基本素子構造を有する。
【0011】しかして第1の実施形態に係る光検出器
は、図2に示すようにそのメサストライプのリッジ側面
にp-InPからなる半導体保護層11を形成し、その上
に誘電体膜8を形成することで、上記半導体保護層11
を光吸収層3のリッジ側面に埋め込んだ素子構造とした
ことを特徴としている。ちなみに上記半導体保護層(p
-InP)11の成長は、有機金属気相成長法(MOCV
D法)を用いて行われる。そしてこの半導体層11を、
メサストライプの幅よりも2〜4μm広げた部位にてエ
ッチオフした後、その全体を覆う誘電体膜8を形成し
て、リッジ側面を保護する。
【0012】かくして図2に示す如き素子構造の導波路
型光検出器によれば、光吸収層3のリッジ側面にp-In
Pからなる半導体保護層11が形成されているので、該
光吸収層3のリッジ側面に不本意な表面準位が発生し難
くなり、リーク電流が流れ難くなる。しかも誘電体膜8
が半導体保護層11を介して光吸収層3のリッジ側面か
ら離れているので、誘電体膜8が帯電し難くなる。また
仮に誘電体膜8が帯電したとしても、誘電体膜8がリッ
ジ側面から離れているので光吸収層3からの空乏層がリ
ッジ側面に沿って延びることがなくなる。従って不本意
なリーク電流の発生を抑えて暗電流を低減し、その応答
性を高めることが可能となる。従って光吸収層3を含む
メサストライプのリッジ側面に、半導体保護層11を設
けると言う簡単な素子構造とすることで、導波路型光検
出器の高速動作化を図り、その暗電流を効果的に抑えて
高感度化を図ることが可能となる。
【0013】また図3に示す第2の実施形態に係る光検
出器は、前記p-InPからなる半導体保護層11に代え
て、光吸収層3を含むストライプのリッジ側面にsi
(半絶縁性)-InPからなる半導体保護層12を埋め込み
形成した素子構造をなす。このような素子構造の導波路
型光検出器であっても、先の実施形態に示す光検出器と
同様に、光吸収層3のリッジ側面における不本意な表面
準位の発生を押さえ、且つ誘電体膜8の帯電を防止する
ことができるので、その高速動作化と暗電流の低減を図
ることが可能となる。特にsi-InPからなる半導体保
護層12を埋め込み形成した場合には、該半導体保護層
12のエッチオフが不要となるので、その製造工程の簡
素化を図ることが可能となる。即ち、図3に示すよう
に、リッジの側面に埋め込んだ半導体保護層12が半絶
縁性なので、該半導体保護層12の裾部12aをエッチ
オフする必要がなくなる。しかも半導体保護層12自体
がストライプのリッジ側面を効果的に保護することがで
きるので、誘電体膜8の形成を省略することも可能とな
る。
【0014】尚、図4に本発明の第3の実施形態を示す
ように、例えば光吸収層3のリッジ側面にInPからな
る半導体保護層13を埋め込むに先立って、エネルギギ
ャップEgの大きいGaPやGaInPからなる半導体層1
4を、その臨界膜厚以下の厚みで埋め込み形成した素子
構造としても良い。このようなGaPやGaInPからな
るエネルギギャップEgの大きい半導体層14を、InP
からなる半導体保護層13と共に埋め込んだ多層膜構造
の保護層を設けた素子構造とすれば、仮にその界面に沿
って空乏層が形成されたとしても、GaPやGaInPか
らなる半導体層14のエネルギギャップが広いので、上
記空乏層に高電界が加わってもトンネル電流が流れるこ
とがない。従ってリーク電流の発生を効果的に押さえる
ことが可能となり、暗電流を低減した高速動作可能な光
検出器を実現することが可能となる。
【0015】即ち、本発明に係る素子構造の導波路型光
検出器によれば、光吸収層3を含むメサストライプのリ
ッジ側面を保護する誘電体膜8の帯電を防止し、不本意
な表面準位の発生を押さえるので、光吸収層3からの空
乏層がリッジ側面に沿って延びることを効果的に防ぎ得
る。この結果、空乏層を介するトンネル電流に起因する
リーク電流の発生を押さえて、その高速動作化と高感度
化とを図ることが可能となる。
【0016】尚、本発明は上述した各実施形態に限定さ
れるものではない。例えば光吸収層3を含むストライプ
を順メサ形状に形成する場合のみならず、逆メサ形状に
形成する場合にも同様な効果が奏せられる。またメサス
トライプの幅等は、仕様に応じて定めれば良いものであ
り、要は本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形
して実施することができる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る導波路
型光検出器は、p型導電層とn型導電層との間に低キャ
リア濃度の光吸収層を配置してPN接合を形成したメサ
ストライプの側面に、p型導電性の半導体層、半絶縁性
半導体層、或いはエネルギギャップの大きい半導体層と
半絶縁性半導体層とを含む多層構造の半導体保護層を埋
め込み形成した素子構造をなす。従って本発明によれ
ば、不本意な表面準位を介在するリーク電流の発生を押
さえ、またリッジ側面を保護する誘電体膜の帯電を防ぐ
ことができ、リッジサイドに沿う空乏層の発生を防ぐこ
とができる。この結果、暗電流を押さえて高速動作化を
図った光検出器を容易に実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来一般的な導波路型光検出器の概略的な素子
構造を示す図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る導波路型光検出
器の概略的な素子構造を示す図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る導波路型光検出
器の概略的な素子構造を示す図。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る導波路型光検出
器の概略的な素子構造を示す図。
【符号の説明】
1 n-InP基板 2 n-GaInAsP光ガイド層 3 i-GaInAs(P)光吸収層 4 p-GaInAsP光ガイド層 5 p-InPクラッド層 6 p+-GaInAs(P)層 7 メタル層 11 半導体保護層(p-InP) 12 半導体保護層(si-InP) 13 半導体保護層(si-InP) 14 エネルギギャップの大きい半導体層(GaPやGa
InP)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 入川 理徳 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型導電層とn型導電層との間に低キャ
    リア濃度の光吸収層を配置してPN接合を形成したメサ
    ストライプ構造の導波路型光検出器であって、 前記光吸収層を備えるメサストライプの側面に埋め込み
    形成した半導体保護層を備えたことを特徴とする導波路
    型光検出器。
  2. 【請求項2】 前記半導体保護層は、p型導電性の半導
    体層からなることを特徴とする請求項1に記載の導波路
    型光検出器。
  3. 【請求項3】 前記半導体保護層は、半絶縁性半導体層
    からなることを特徴とする請求項1に記載の導波路型光
    検出器。
  4. 【請求項4】 前記半導体保護層は、エネルギギャップ
    の大きい半導体層と半絶縁性半導体層とを含む多層構造
    をなすことを特徴とする請求項1に記載の導波路型光検
    出器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6737718B2 (en) 2000-10-30 2004-05-18 Nec Corporation Semiconductor photodetector
JP2008166854A (ja) * 2008-03-28 2008-07-17 Opnext Japan Inc 受信器の製造方法
JP2009117708A (ja) * 2007-11-08 2009-05-28 Toshiba Corp 導波路型光検出装置およびその製造方法

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JP2008166854A (ja) * 2008-03-28 2008-07-17 Opnext Japan Inc 受信器の製造方法

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