JPH1186888A - 溶融炭酸塩型燃料電池発電プラント - Google Patents

溶融炭酸塩型燃料電池発電プラント

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Publication number
JPH1186888A
JPH1186888A JP9245428A JP24542897A JPH1186888A JP H1186888 A JPH1186888 A JP H1186888A JP 9245428 A JP9245428 A JP 9245428A JP 24542897 A JP24542897 A JP 24542897A JP H1186888 A JPH1186888 A JP H1186888A
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JP
Japan
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heat exchanger
exhaust gas
cleaning
fuel cell
anode
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Application number
JP9245428A
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English (en)
Inventor
Hidekazu Sugiyama
英一 杉山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Publication of JPH1186888A publication Critical patent/JPH1186888A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンパクトで優れた効率を有し、しかも、機
器や配管の信頼性に優れ、水処理装置の負荷を低減可能
な溶融炭酸塩型燃料電池発電プラントを提供する。 【解決手段】 傾斜を有する横置き型の一体型アノード
ガスリサイクル熱交換器21は、複数の熱交換器部21
a〜21eを並列的に配置して構成される。一体型アノ
ードガスリサイクル熱交換器21の高位置側の一端には
アノード排ガス入口22が設けられ、低位置側の他端に
はアノード排ガス出口23が設けられる。アノード排ガ
ス入口22は配管を介して燃料電池本体のアノード極と
接続され、アノード排ガス出口23は配管を介して気水
分離器と接続される。複数の熱交換器部21a〜21e
の伝熱管24の内側には、被加熱流体として、プラント
内に供給される各種の流体、あるいはプラント内で発生
し、排出される各種の流体の中から選択された1種類以
上の流体が流される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池本体のア
ノード極から排出されるアノード排ガスを改質器の燃焼
部に供給するアノードガスリサイクルラインを備えた溶
融炭酸塩型燃料電池発電に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料電池発電プラントは、都市ガスやプ
ロパンガス等の燃料の有する化学エネルギーを電気エネ
ルギーに変換するもので、燃料電池本体、および、都市
ガスやプロパンガス等の燃料から水素を生成する改質
器、燃料電池本体で発電される直流電流を交流電流に変
換する変換装置、燃料電池本体の動作や水素生成に適し
た温度に作動ガスの温度を保つための熱交換器等により
構成されている。
【0003】一般に、燃料電池発電プラントは、都市ガ
ス等の炭化水素系燃料と水蒸気を改質器によって水素を
主成分とする燃料に改質して燃料電池本体のアノード極
へ供給し、一方、空気等の酸化剤を燃料電池本体のカソ
ード極へ供給し、これらアノード極の水素とカソード極
の酸素が燃料電池本体で電解質を介して化学反応を起こ
すことで直流電流を得るものである。そして、発電に伴
って生じる熱や、化学反応の結果生じる水を回収し有効
に利用することで系全体の効率を高めるように構成され
ている。このような燃料電池発電プラントは、化学反応
による発電のため、発電効率が高く、また、大気汚染物
質の排出が少なく、しかも騒音も小さいクリーンな発電
プラントとして評価されている。
【0004】このような燃料電池発電プラントを構成す
る燃料電池として、各種の燃料電池が存在するが、中で
も、溶融炭酸塩型燃料電池は、電解質として、約650
℃に溶融した溶融炭酸塩を使用するものである。この溶
融炭酸塩型燃料電池は、電池の運転中の作動温度が高
く、燃料電池本体の発電効率が高い上に、燃料電池から
の高温の排熱を利用してガスタービンや蒸気タービンを
回して発電することもでき、さらにエネルギー変換効率
を高めることができるため、注目されている。
【0005】従来考案されている溶融炭酸塩型燃料電池
発電プラントでは、プラントシステムの効率化、最適化
のために、燃料電池本体周辺に、アノードガスリサイク
ル系、カソードガスリサイクル系、炭酸ガスリサイクル
系、の3種類のガスリサイクル系を想定している。
【0006】図21は、従来考案されている溶融炭酸塩
型燃料電池発電プラントのシステム構成図である。この
図21に示すように、溶融炭酸塩型燃料電池発電プラン
トは、基本的に、燃料電池本体1と、この燃料電池本体
1のアノード極1bに燃料を供給する改質器2、カソー
ド極1aに酸化剤として空気を供給する膨脹タービン3
と圧縮機4を備えている。この場合、膨脹タービン3
は、圧縮機4によって空気を圧縮させると共に、発電機
5によって発電を行う。プラントはまた、改質器2の反
応部2aに対して天然ガス等の燃料を供給する燃料供給
源6、プラント内の排熱を利用して水蒸気を発生させ、
改質器2の反応部2aに対して水蒸気を供給する排熱回
収ボイラー7、およびこの排熱回収ボイラー7に良質の
水を供給するための水処理装置8を備えている。
【0007】このプラントにおいて、燃料電池本体1の
アノード極1bへの燃料の供給は、次のように行われ
る。すなわち、燃料供給源4から供給された天然ガス等
の燃料は、水処理装置8から供給された水を排熱回収ボ
イラー7で加熱して発生する水蒸気と混合し、改質器2
の反応部2aに送られる。この改質器2の反応部2aに
おいて、燃料は水蒸気改質されて水素と一酸化炭素に変
換され、燃料電池本体1のアノード極1bに供給され
る。また、燃料電池本体1のカソード極1aに対して
は、圧縮機4からの空気がそのまま供給される。
【0008】さらに、燃料電池本体1の周辺には、前述
したような3つのガスリサイクル系、すなわち、アノー
ドガスリサイクル系9、カソードガスリサイクル系1
0、および炭酸ガスリサイクル系11が構成されてい
る。
【0009】このうち、アノードガスリサイクル系9
は、アノード排ガス循環ブロワ12、アノード排ガス凝
縮熱交換器13等を備えており、アノード排ガスを改質
器2の燃焼部2bに供給する。すなわち、燃料電池本体
1内では、アノード極1bに供給された水素の80%程
度が電池反応に用いられるため、残りの水素を含むアノ
ード排ガスは、未反応のままアノード排ガス凝縮交換器
13等により冷却され排ガス中の水蒸気を凝縮させた
後、アノード排ガス循環ブロワ12によって改質器2の
燃焼部2bに供給されて、改質器2の反応部2aの熱源
として利用される。なお、この改質器2の燃焼部2bに
は、アノード排ガスと共に、圧縮機4からの空気の一部
が、燃焼用の空気として供給される。
【0010】カソードガスリサイクル系10は、カソー
ド排ガス循環ブロワ14を備えており、燃料電池本体1
のカソード極1aから排出したカソード排ガスを再びカ
ソード極1a内に導入させる。これによって、カソード
極1a内の通過ガス流量を増加させ、カソード極1aを
顕熱冷却(プロセスガス冷却)する。また、カソード排
ガスの一部は、補助燃焼器15を介して膨脹タービン3
に送られ、この膨脹タービン3を駆動して、圧縮機4に
よる空気の圧縮と、発電機5の発電を行うために利用さ
れる。さらに、膨脹タービン3の排ガスは、排熱回収ボ
イラー7に送られ、改質器2に供給する水蒸気の生成に
利用される。
【0011】炭酸ガスリサイクル系11は、改質器2の
燃焼部2b出口からの燃焼排ガスを二酸化炭素供給源と
して、圧縮機4からの空気と共に燃料電池本体1のカソ
ード極1aに供給する。
【0012】また、以上のような構成については、例え
ば、「電気学会技術報告」第587号、11頁に記載さ
れている。
【0013】そして、図21に示すように、以上のよう
な構成に加えて、さらに、燃料予熱器16、アノード排
ガス予熱器17、改質器燃焼空気予熱器18、気水分離
器19、凝縮水冷却用熱交換器20等を設置して、プラ
ント内の排熱や排水を有効に利用するシステムが考案さ
れている。
【0014】このうち、燃料予熱器16は、改質器2の
反応部2aに供給される燃料を予熱し、アノード排ガス
予熱器17は、改質器2の燃焼部2bに供給されるアノ
ード排ガスを予熱する。また、改質器燃焼空気予熱器1
8は、改質器2の燃焼部2bから燃料電池本体1のカソ
ード極1aに供給される燃焼排ガスを熱源として、圧縮
機4から改質器2の燃焼部2bに供給される空気を予熱
する。
【0015】一方、気水分離器19は、水分を含むアノ
ード排ガス中のガス成分と水分を個別に再利用するため
に、アノード排ガス中の気相/液相を分離する。そし
て、凝縮水冷却用熱交換器20は、気水分離器19に溜
まった凝縮水を水処理装置8に適した温度まで冷却す
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図21
に示すような従来の溶融炭酸塩型燃料電池発電プラント
においては、プラント内の排熱を利用した多数の熱交換
器を使用しているため、その配管を含めた排熱・水回収
システム全体の構成が大型・複雑化しやすく、その結
果、プラントが大型化しやすい。また、多数の熱交換器
に対して個別に流体を流す関係上、配管全体の長さが長
くなる結果、配管からの無駄な放熱量が多くなり、プラ
ント効率が低下する。
【0017】一方、溶融炭酸塩型燃料電池発電プラント
においては、通常、燃料電池本体1は、約650℃の高
温で運転されるため、燃料電池本体1中の電解質である
溶融炭酸塩の一部がマトリックスから溶融炭酸塩の形態
で飛び散り、各電極1a,1bから排出される排ガス中
に微量含有されて流出する。すなわち、アノード極1b
から排出されるアノード排ガス、およびカソード極1a
から排出されるカソード排ガス中に、それぞれ溶融炭酸
塩が微量含有されて流出する。この炭酸塩は金属を腐食
させる性質を有しているため、炭酸塩が金属表面に付着
すると金属の腐食が進展する。
【0018】すなわち、燃料電池本体1から排出され
て、微量の溶融炭酸塩を含むアノード排ガスおよびカソ
ード排ガスが、その下流の熱交換器等の機器、配管内で
冷却されると、ガス中の炭酸塩が析出し、熱交換器等の
機器、配管等の金属部表面に炭酸塩析出物が付着する。
そして、このような炭酸塩析出物の付着により、金属部
表面が腐食を起こしたり、発生した腐食生成物が熱交換
器の伝熱表面を覆い、熱交換器の伝熱性能を低下させる
可能性がある。なお、炭酸塩析出物の析出量は、プラン
トの通常運転時よりも、プラントの起動、停止時等の燃
料電池本体1の温度が変動する場合の方が多くなるもの
と考えられる。
【0019】また、アノード排ガス中に含まれる腐食生
成物が、アノード排ガス中の水蒸気を冷却して生成され
た凝縮水に混入することも考えられる。この場合には、
腐食生成物は、熱交換器の排ガス側に堆積したり、その
下流の気水分離器や水処理装置等の機器、あるいは接続
配管内に堆積して、それらの機器や配管もまた腐食する
可能性がある上、熱交換器内部に凝縮水が溢れてしま
い、排ガスの流路が閉塞する等の問題が発生する可能性
もある。
【0020】ところで、水処理装置としては、一般的
に、イオン交換樹脂を用いた水処理装置が使用される
が、腐食生成物が凝縮水に混入して水処理装置にまで達
する場合には、水処理装置の負荷が増大する。すなわ
ち、水処理装置のイオン交換樹脂の負荷が大きくなった
り、イオン交換樹脂の交換頻度を増大させる必要が生じ
たり、水処理装置を大型化させる必要が生じる等、各種
の問題が発生する。
【0021】さらに、熱交換器等の機器や、配管等の金
属部表面に付着した炭酸塩析出物に起因する金属部表面
の腐食が進行すると、機器や配管の一部に亀裂、孔等の
重大な損傷が発生し、プラントに重大な影響を及ぼす可
能性もある。
【0022】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を解決するために提案されたものであり、その第1の目
的は、熱交換器とその配管を含めた排熱・水回収システ
ムの構成を小型・簡略化し、配管からの無駄な放熱量を
減少させると共に、熱交換器やその下流の水処理装置等
の機器に対する炭酸塩析出物の影響を防止することによ
り、コンパクトで優れた効率を有し、しかも、機器や配
管の信頼性に優れ、水処理装置の負荷を低減可能な溶融
炭酸塩型燃料電池発電プラントを提供することである。
また、本発明の第2の目的は、プラントのメンテナンス
性の向上に寄与する溶融炭酸塩型燃料電池発電プラント
を提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、溶融炭酸塩を電解質とす
る燃料電池と、燃料を改質して前記燃料電池本体のアノ
ード極に供給する改質器と、前記燃料電池本体に反応用
酸化剤を供給する酸化剤供給装置と、燃料電池本体のア
ノード極から排出されるアノード排ガスから保有熱と水
とを回収しかつ冷却されたアノード排ガスを改質器の燃
焼部に燃焼用ガスとして供給するアノードガスリサイク
ルラインと、アノード排ガスから回収した凝縮水を水処
理装置に供給する凝縮水回収ラインを備えた溶融炭酸塩
型燃料電池発電プラントにおいて、前記アノードガスリ
サイクルラインに、複数の熱交換器部を一体化してなる
一体型アノードガスリサイクル熱交換器が設置されたこ
とを特徴としている。ここで、一体型アノードガスリサ
イクル熱交換器の複数の熱交換器部は、前記燃料電池本
体から排出されるアノード排ガスを流すアノード排ガス
流路と、被加熱流体を個別に流す複数の被加熱流体流路
から構成される。
【0024】以上のような構成を有する請求項1の発明
によれば、燃料電池本体から排出されて多くの熱量を保
有するアノード排ガスを利用して、一体型アノードガス
リサイクル熱交換器内を通過する各種の被加熱流体を効
率よく加熱し、その出口温度を最適にすることができ
る。このような一体型アノードガスリサイクル熱交換器
を使用することにより、配管を含めた排熱・水回収シス
テムの構成を小型・簡略化すると共に、アノード排ガス
用の配管を極力短くしてプラント内における無駄な放熱
量を減少させることができる。また、一体型アノードガ
スリサイクル熱交換器の内部洗浄を行うだけで複数の熱
交換器部全体の炭酸塩析出物を一括的に容易に除去でき
る。
【0025】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記一体型アノードガスリサイクル熱交換
器の前記複数の被加熱流体流路に、前記改質器に供給さ
れる燃料、冷却されたアノード排ガス、前記水処理装置
で水処理された水または水蒸気、および前記燃料電池本
体に供給される酸化剤、の中から選択された1以上の流
体が流されるように構成されたことを特徴としている。
【0026】このような請求項2の発明によれば、プラ
ント内で利用される各種の流体を一体型アノードガスリ
サイクル熱交換器内で一括的に加熱することができ、各
流体の出口温度を最適にすることができる。
【0027】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の発明において、前記一体型アノードガスリサイク
ル熱交換器が、この一体型アノードガスリサイクル熱交
換器から排出されたアノード排ガス中の水分とアノード
排ガスとを分離する気水分離器とさらに一体化されて、
一体型アノードガスリサイクル処理装置が構成されたこ
とを特徴としている。
【0028】このような請求項3の発明によれば、一体
型アノードガスリサイクル熱交換器と気水分離器を一体
化することにより、配管を含めた排熱・水回収システム
の構成をさらに小型・簡略化すると共に、アノード排ガ
ス用の配管をさらに短くしてプラント内における無駄な
放熱量をさらに減少させることができる。また、一体型
アノードガスリサイクル処理装置の内部洗浄を行うだけ
で複数の熱交換器部および気水分離器から炭酸塩析出物
を一括的に容易に除去できる。
【0029】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか1項の発明において、前記一体型アノードガスリ
サイクル熱交換器から排出されたアノード排ガス中の水
分とアノード排ガスとを分離する気水分離器内に、この
気水分離器から前記水処理装置へ供給される凝縮水を冷
却する凝縮水冷却用熱交換器を設置したことを特徴とし
ている。
【0030】このような請求項4の発明によれば、気水
分離器内に凝縮水冷却用熱交換器を設置したことによ
り、配管を含めた排熱・水回収システムの構成をさらに
小型・簡略化すると共に、アノード排ガス用の配管をさ
らに短くしてプラント内における無駄な放熱量をさらに
減少させることができる。
【0031】請求項5記載の発明は、請求項1〜4のい
ずれか1項の発明において、前記一体型アノードガスリ
サイクル熱交換器が、アノード排ガス上流側に設けられ
てアノード排ガスに含まれる炭酸塩を析出させるための
炭酸塩析出熱交換器部と、この炭酸塩析出熱交換器部の
アノード排ガス下流側に設けられてアノード排ガスに含
まれる水蒸気を凝縮させるための凝縮水回収熱交換器部
とから構成され、前記炭酸塩析出熱交換器部の下流側に
炭酸塩析出物を回収するための炭酸塩析出物回収手段が
設置されたことを特徴としている。
【0032】このような請求項5の発明によれば、炭酸
塩析出熱交換器部で析出し、あるいは洗浄により除去さ
れた炭酸塩析出物を炭酸塩析出物回収手段で回収するこ
とができる。これにより、炭酸塩析出物回収手段よりも
下流の機器類における炭酸塩析出物の影響を防止するこ
とができ、洗浄性を向上できると共に、水処理装置の負
荷の低減が図れる。
【0033】請求項6記載の発明は、請求項1〜5のい
ずれか1項の発明において、前記一体型アノードガスリ
サイクル熱交換器が、アノード排ガス上流側に設けられ
てアノード排ガスに含まれる炭酸塩を析出させるための
炭酸塩析出熱交換器部と、この炭酸塩析出熱交換器部の
アノード排ガス下流側に設けられてアノード排ガスに含
まれる水蒸気を凝縮させるための凝縮水回収熱交換器部
とから構成され、前記炭酸塩析出熱交換器部を洗浄する
洗浄手段が設置されたことを特徴としている。
【0034】このような請求項6の発明によれば、一体
型アノードガスリサイクル熱交換器内の炭酸塩析出熱交
換器部を洗浄手段によって容易に洗浄することができる
ため、炭酸塩析出熱交換器部に析出、付着した炭酸塩析
出物を容易に除去することができる。
【0035】請求項7記載の発明は、請求項1〜6のい
ずれか1項の発明において、前記一体型アノードガスリ
サイクル熱交換器が、アノード排ガス上流側に設けられ
てアノード排ガスに含まれる炭酸塩を析出させるための
炭酸塩析出熱交換器部と、この炭酸塩析出熱交換器部の
アノード排ガス下流側に設けられてアノード排ガスに含
まれる水蒸気を凝縮させるための凝縮水回収熱交換器部
とから構成され、前記凝縮水回収熱交換器部を洗浄する
洗浄手段が設置されたことを特徴としている。
【0036】このような請求項7の発明によれば、一体
型アノードガスリサイクル熱交換器内の凝縮水回収熱交
換器部を洗浄手段によって容易に洗浄することができる
ため、凝縮水回収熱交換器部に付着した炭酸塩析出物を
容易に除去することができる。
【0037】請求項8記載の発明は、請求項1〜7のい
ずれか1項の発明において、前記一体型アノードガスリ
サイクル熱交換器から排出されたアノード排ガス中の水
分とアノード排ガスとを分離する気水分離器内に、この
気水分離器内を洗浄する洗浄手段が設置されたことを特
徴としている。
【0038】このような請求項8の発明によれば、洗浄
手段によって気水分離器の内面を容易に洗浄することが
できるため、一体型アノードガスリサイクル熱交換器で
析出した炭酸塩析出物が気水分離器内にまで達した場合
でも、この気水分離器の内面に炭酸塩析出物が付着する
ことを防止できる。
【0039】請求項9記載の発明は、請求項6〜8のい
ずれか1項の発明において、前記洗浄手段が、洗浄対象
部に向けて洗浄用流体を散布するスプレーノズルを含む
ことを特徴としている。
【0040】このような請求項9の発明によれば、スプ
レーノズルによって、洗浄対象部を効率よく洗浄するこ
とができる。すなわち、一体型アノードガスリサイクル
熱交換器内の炭酸塩析出熱交換器部または凝縮水回収熱
交換器部のアノード排ガス側表面に向けてスプレーノズ
ルによって洗浄用流体を散布し、あるいは、気水分離器
の内面に向けてスプレーノズルによって洗浄用流体を散
布することにより、その洗浄対象部を全面的に効率よく
洗浄することができる。
【0041】請求項10記載の発明は、請求項6〜9の
いずれか1項の発明において、前記洗浄手段が、洗浄対
象部の上方に配置されて下方の洗浄対象部に対し複数の
散布孔から洗浄用流体を散布する散布用パレットを含む
ことを特徴としている。
【0042】このような請求項10の発明によれば、一
体型アノードガスリサイクル熱交換器内の炭酸塩析出熱
交換器部または凝縮水回収熱交換器部のアノード排ガス
側表面に対してその上方から散布用パレットによって洗
浄用流体を散布し、あるいは、気水分離器の上部から下
部に対して散布用パレットによって洗浄用流体を散布す
ることにより、その洗浄対象部を全面的に効率よく洗浄
することができる。
【0043】請求項11記載の発明は、請求項6〜10
のいずれか1項の発明において、前記洗浄手段が、複数
の洗浄対象部の各々に対して1以上配置された複数の洗
浄手段であることを特徴としている。
【0044】このような請求項11の発明によれば、複
数の洗浄手段の各々によって、一体型アノードガスリサ
イクル熱交換器内の炭酸塩析出熱交換器部または凝縮水
回収熱交換器部のアノード排ガス側表面、あるいは気水
分離器の内面、等をそれぞれ洗浄することができるた
め、一体型アノードガスリサイクル熱交換器から気水分
離器に至る部分における炭酸塩析出物の影響を総合的に
低減できる。
【0045】請求項12記載の発明は、請求項6〜11
のいずれか1項の発明において、前記洗浄手段に供給さ
れる洗浄用流体の流量を制御する流量制御手段が設置さ
れたことを特徴としている。
【0046】このような請求項12の発明によれば、流
量制御手段により、洗浄用流体の定期的な散布や連続的
な流量調整による散布が可能となり、一体型アノードガ
スリサイクル熱交換器のアノード排ガス側表面または気
水分離器内面の洗浄効率を向上できる。
【0047】請求項13記載の発明は、請求項6〜12
のいずれか1項の発明において、前記洗浄手段が、首振
り旋回機能、垂直移動機能、水平移動機能、の中から選
択された1以上の可動機能を備えていることを特徴とし
ている。
【0048】このような請求項13の発明によれば、洗
浄手段を動作させることにより、一体型アノードガスリ
サイクル熱交換器のアノード排ガス側表面または気水分
離器内面をより効果的に完全に洗浄することができる。
【0049】請求項14記載の発明は、請求項6〜13
のいずれか1項の発明において、前記洗浄手段に供給さ
れる洗浄用流体が、水処理された水または水蒸気である
ことを特徴としている。
【0050】このような請求項14の発明によれば、水
処理された水または水蒸気を洗浄用流体として使用する
ことにより、一般の水道水等を用いて洗浄する場合に比
べて洗浄効果を向上できる。このことからまた、洗浄排
水をそのまま水処理装置に供給した場合でも、水処理装
置の負荷を低減させることができる。
【0051】請求項15記載の発明は、請求項6〜14
のいずれか1項の発明において、前記洗浄手段に供給さ
れる洗浄用流体が、前記水処理装置で水処理されてボイ
ラーあるいは熱交換器に供給される供給水、ボイラーあ
るいは熱交換器において加熱された水または水蒸気、お
よびプラント内に補給される補給水、の中から選択され
た1以上の流体を含むことを特徴としている。
【0052】このような請求項15の発明によれば、プ
ラント内で利用される水または水蒸気を洗浄用流体とし
て使用することにより、一般の水道水等を用いて洗浄す
る場合に比べて洗浄効果を向上できる。このことからま
た、洗浄排水をそのまま水処理装置に供給した場合で
も、水処理装置の負荷を低減させることができる。
【0053】請求項16記載の発明は、請求項6〜15
のいずれか1項の発明において、前記洗浄手段にプラン
ト内で利用される水または水蒸気を供給するために、プ
ラント内で利用される水または水蒸気ラインから分岐し
て洗浄用流体として前記洗浄手段に供給する分岐点に、
プラント内で利用される水または水蒸気ラインの流量と
洗浄用流体の流量とを調節する分岐流量調節手段が設置
されたことを特徴としている。
【0054】このような請求項16記載の発明によれ
ば、分岐流量調節手段によって、プラント内で利用され
る水または水蒸気ラインの流量と洗浄用流体の流量とを
適切に調節することができるため、一体型アノードガス
リサイクル熱交換器または気水分離器の洗浄を行ってい
る際にも、プラントの安定した運転を継続することがで
きる。
【0055】請求項17記載の発明は、請求項6〜16
のいずれか1項の発明において、前記洗浄手段に供給さ
れる洗浄用流体は、炭酸塩析出物を溶解する性質を有す
る化学洗浄用薬品を含むことを特徴としている。
【0056】このような請求項17記載の発明によれ
ば、炭酸塩析出物を溶解する性質を有する化学洗浄用薬
品を洗浄用流体として使用することにより、洗浄効果を
さらに向上できる。
【0057】請求項18記載の発明は、請求項6〜17
のいずれか1項の発明において、前記洗浄手段に供給さ
れる洗浄用流体として、異なる洗浄用流体を供給する複
数の供給系が設置されると共に、前記洗浄手段に接続す
る供給系を選択して前記洗浄手段に供給する洗浄用流体
を選択する洗浄用流体選択手段が設置されたことを特徴
としている。
【0058】このような請求項18記載の発明によれ
ば、洗浄用流体選択手段により複数種類の流体を洗浄用
流体として適宜選択して供給することができるため、洗
浄方式の選択範囲が広がり、状況に応じた洗浄を効率よ
く行うことができる。
【0059】請求項19記載の発明は、請求項6〜18
のいずれか1項の発明において、前記一体型アノードガ
スリサイクル熱交換器から排出されたアノード排ガス中
の水分とアノード排ガスとを分離する気水分離器からの
流体の送り先を、前記水処理装置とプラント外部の排出
側のいずれかに切り替えるための洗浄廃液切替え手段が
設置されたことを特徴としている。
【0060】このような請求項19記載の発明によれ
ば、一体型アノードガスリサイクル熱交換器または気水
分離器を洗浄した洗浄廃液が気水分離器から排出される
際に、洗浄廃液切替え手段によってこの洗浄廃液をプラ
ント外部に排出することができるため、洗浄廃液が凝縮
水に混じって水処理装置に流入することを防止できる。
したがって、水処理装置の負荷を低減させることができ
る。
【0061】請求項20記載の発明は、請求項1〜19
のいずれか1項の発明において、前記一体型アノードガ
スリサイクル熱交換器は、アノード排ガス上流側に設け
られてアノード排ガスに含まれる炭酸塩を析出させるた
めの炭酸塩析出熱交換器部と、この炭酸塩析出熱交換器
部のアノード排ガス下流側に設けられてアノード排ガス
に含まれる水蒸気を凝縮させるための凝縮水回収熱交換
器部とから構成され、前記炭酸塩析出熱交換器部の下流
側に炭酸塩析出物を回収するための炭酸塩析出物回収手
段が設置され、前記炭酸塩析出物回収手段から洗浄廃液
を外部に排出するための廃液排出手段が設置されたこと
を特徴としている。
【0062】このような請求項20記載の発明によれ
ば、廃液排出手段によって一体型アノードガスリサイク
ル熱交換器内の炭酸塩析出熱交換器部に溜まった炭酸塩
析出物あるいは洗浄廃液を外部に容易に排出できる。し
たがって、プラント運転中においても、この炭酸塩析出
熱交換器部の下流の凝縮水回収熱交換器部に洗浄廃液中
の炭酸塩析出物の影響を及ぼすことなしに、炭酸塩析出
熱交換器部の良好な洗浄を行うことができる。
【0063】
【発明の実施の形態】以下には、本発明による溶融炭酸
塩型燃料電池発電プラントの実施の形態を、図面を参照
して具体的に説明する。なお、図21に示した従来技術
と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略す
る。
【0064】[1.第1の実施の形態] [構成]図1は、本発明に係る第1の実施の形態とし
て、請求項1に記載の発明を適用した一つの実施の形態
を示す図であり、特に、一体型アノードガスリサイクル
熱交換器21を示す構成図である。
【0065】まず、図1に示すように、本実施の形態に
係る一体型アノードガスリサイクル熱交換器21は、燃
料電池発電プラント内に横向きに傾斜を付けて設置する
タイプのものであり、複数の熱交換器部21a〜21e
を並列的に配置して構成されている。この一体型アノー
ドガスリサイクル熱交換器21の長軸方向における高位
置側の一端には下向きのアノード排ガス入口22が設け
られ、低位置側の他端には下向きのアノード排ガス出口
23が設けられている。この場合、アノード排ガス入口
22は、配管を介して燃料電池本体のアノード極と接続
され、アノード排ガス出口23は、配管を介して気水分
離器と接続される。
【0066】また、図中において、複数の熱交換器部2
1a〜21eは、ジグザグ状に蛇行して配置された伝熱
管24とフィン25とで構成されたフィンチューブタイ
プの熱交換器部として模式的に示されている。複数の熱
交換器部21a〜21eの各々の一端には、上向きの被
加熱流体入口ノズル26が設けられ、他端には上向きの
被加熱流体出口ノズル27が設けられている。そして、
被加熱流体入口ノズル26は、入口ヘッダ28を介して
複数の伝熱管24の一端と接続されており、被加熱流体
出口ノズル27は、出口ヘッダ29を介して複数の伝熱
管24の他端と接続されている。
【0067】ここで、複数の熱交換器部21a〜21e
の伝熱管24の内側に流す被加熱流体は、プラント内に
供給される各種の流体、あるいはプラント内で発生し、
排出される各種の流体の中から選択された1種類以上の
流体である。すなわち、燃料ガス、改質ガス、燃料電池
本体から排出される排ガス、プラント内の圧縮機や改質
器の燃焼部等に供給する空気等のガス、排熱回収ボイラ
ー、補助ボイラー等に供給する水処理水、その加熱後の
加熱水、ボイラー缶水等の水、排熱回収ボイラー、補助
ボイラー等で加熱された飽和蒸気、過熱蒸気等の水蒸気
等が考えられる。そして、各熱交換器部21a〜21e
の被加熱流体入口ノズル26と被加熱流体出口ノズル2
7は、対象とする被加熱流体の供給源側と被供給側、あ
るいは、排出側と回収側にそれぞれ接続される。
【0068】[作用]以上のように構成された一体型ア
ノードガスリサイクル熱交換器21においては、その熱
交換器部21a〜21eの伝熱管24の外側(管外側)
に流れるアノード排ガスによって、伝熱管24の内側
(管内側)に流れる被加熱流体が加熱される。
【0069】すなわち、燃料電池本体から排出されたア
ノード排ガスは、アノード排ガス入口ノズル22から流
入し、熱交換器部21a〜21eの管外側を通過し、管
内側を流れる被加熱流体により冷却され、アノード排ガ
スノズル23から流出する。この場合、フィンチューブ
熱交換器部24の管外側表面では、アノード排ガス中の
水蒸気分が凝縮して凝縮水が生成される。この凝縮水
は、一体型アノードガスリサイクル熱交換器21の底面
に降下した後、この底面の傾斜によって低位置側である
アノード排ガス出口ノズル23側に向かって流れ、アノ
ード排ガス出口ノズル23からアノード排ガスと共に流
出する。
【0070】一方、プラント内の1種類以上の流体は、
被加熱流体として、各熱交換器部21a〜21eの被加
熱流体入口ノズル26からそれぞれ流入し、各入口ヘッ
ダ28から各伝熱管24に分岐して各伝熱管24内をジ
グザグ状に蛇行して流れ、この間に、管外側を流れるア
ノード排ガスにより加熱され、各出口ヘッダ29で合流
した後、各被加熱流体出口ノズル27から流出する。こ
のように各熱交換器部21a〜21eから流出した時点
で、各被加熱流体は規定の温度になっている。
【0071】すなわち、本実施の形態においては、熱交
換器部21a〜21eとしてフィンチューブタイプの熱
交換器部を使用しているため、流路パターンと、伝熱管
の配列、長さ、本数、フィンピッチ、フィン形状等の設
計パラメータを調整し最適なものにすることにより、一
体型アノードガスリサイクル熱交換器21を流れる各被
加熱流体の出口温度が規定の温度になるように設計する
ことができる。
【0072】以上のように、本実施の形態によれば、複
数の熱交換器部を一体化してなる一体型アノードガスリ
サイクル熱交換器21を、燃料電池本体から排出される
アノード排ガスから排熱と水とを回収するアノード排ガ
スラインにおいて使用することにより、アノード排ガス
ライン上に複数の熱交換器類を個々に分散して設置して
いた従来技術に比べて、配管を含めた排熱・水回収シス
テムの構成を飛躍的に小型・簡略化できる。また、この
一体型アノードガスリサイクル熱交換器21に対して一
括的にアノード排ガスを流すことにより、複数の熱交換
器に対して個別にアノード排ガスを流していた従来技術
に比べて、アノード排ガス用の配管の長さを飛躍的に短
縮できる。その結果、プラント内における無駄な放熱量
を減少させることができる。
【0073】一方、燃料電池本体から流出するアノード
排ガスには、前述したように、溶融炭酸塩が含まれてい
ることから、本実施の形態に係る一体型アノードガスリ
サイクル熱交換器21においても、その内部に炭酸塩析
出物が付着し、金属部を腐食させる可能性があるが、本
実施の形態によれば、このように付着した炭酸塩析出物
を一括的に洗浄して容易に除去することができる。以下
には、この点について説明する。
【0074】まず、一体型アノードガスリサイクル熱交
換器21に流入するアノード排ガス中に含まれる溶融炭
酸塩は、アノード排ガスによる被加熱流体の加熱に伴っ
てこのアノード排ガスの温度が下がることにより析出
し、この炭酸塩析出物は、一体型アノードガスリサイク
ル熱交換器21内の熱交換器部21a〜21eの外面に
付着する。このように熱交換器部21a〜21eに付着
した炭酸塩析出物の一部は、各熱交換器部21a〜21
eで凝縮した凝縮水と共に炭酸塩溶液としてアノード排
ガス出口ノズル23から流出した後、一体型アノードガ
スリサイクル熱交換器21の下流側に設置されている気
水分離器の凝縮水出口ノズルから流出し、最終的に水処
理装置に流入して処理される。その一方で、各熱交換器
部21a〜21eに付着した大部分の炭酸塩析出物はそ
のまま残留し、各熱交換器部21a〜21eを構成する
伝熱管24やフィン25等の金属部の排ガス側表面を腐
食させる。
【0075】そのため、少なくとも定期的にこのような
炭酸塩析出物を除去して金属部の腐食を防止しなければ
ならないが、この場合、個々の熱交換器部21a〜21
eを個別に洗浄する必要はなく、一体型アノードガスリ
サイクル熱交換器21の内部洗浄を行うだけで複数の熱
交換器部21a〜21e全体の炭酸塩析出物を一括的に
除去できる。すなわち、アノード排ガスライン上に複数
の熱交換器類を個々に分散して設置していた従来技術に
おいては、その複数の熱交換器類の炭酸塩析出物を除去
するために、各熱交換器毎にその内部洗浄を個別に行う
必要があったが、本実施の形態においては、このような
個別の洗浄の必要がなく、一括的洗浄を行うことができ
るため、プラントのメンテナンス性の向上に寄与するこ
とができる。
【0076】[効果]以上説明したように、本実施の形
態によれば、複数の熱交換器部を一体化してなる一体型
アノードガスリサイクル熱交換器21を使用することに
より、配管を含めた排熱・水回収システムの構成を小型
・簡略化すると共に、アノード排ガス用の配管を極力短
くしてプラント内における無駄な放熱量を減少させるこ
とができる。したがって、従来に比べてコンパクトで優
れた効率を有する溶融炭酸塩型燃料電池発電プラントを
提供することができる。
【0077】また、一体型アノードガスリサイクル熱交
換器21の内部洗浄を行うだけで複数の熱交換器部21
a〜21e全体の炭酸塩析出物を一括的に容易に除去で
きるため、プラントのメンテナンス性の向上に寄与する
ことができる。したがって、少なくとも定期的にこのよ
うな洗浄を行うことにより、熱交換器やその下流の水処
理装置等の機器に対する炭酸塩析出物の影響を防止する
ことができる。
【0078】[変形例]なお、以上の説明においては、
被加熱流体として、プラント内を流れる各種の流体を対
象としたが、本発明の対象となる被加熱流体は、プラン
ト内に供給されル流体や、プラント内で発生し、排出さ
れる流体に限らず、プラント外で使用される多様な流体
を含むものである。具体的には、例えば、プラント外で
使用される排熱利用水、排熱利用水蒸気、あるいは、放
熱用空気、冷却用海水、河川水等が考えられるが、それ
以外の各種の流体を被加熱流体とすることも同様に可能
である。すなわち、プラントの具体的なシステム構成に
応じて、一体型アノードガスリサイクル熱交換器21に
流す流体構成のパターンは適宜選択される。
【0079】一方、以上の説明においては、フィンチュ
ーブタイプの熱交換器部21a〜21eからなる一体型
アノードガスリサイクル熱交換器21を対象としたが、
それ以外のタイプの熱交換器部を使用して一体型アノー
ドガスリサイクル熱交換器を構成することも可能であ
る。また、一体型アノードガスリサイクル熱交換器内に
組み込まれる熱交換器部の数は、必要に応じて適宜選択
される。さらに、一体型アノードガスリサイクル熱交換
器21の配置形状についても、横向きに傾斜を付けて設
置するタイプに限らず、任意の配置形状を選択可能であ
る。
【0080】[2.第2の実施の形態] [構成]図2は、本発明に係る第2の実施の形態とし
て、請求項2に記載の発明を適用した一つの実施の形態
を示す図であり、特に、図21に示した従来技術に係る
溶融炭酸塩型燃料電池発電プラントに対し、前記第1の
実施の形態に係る一体型アノードガスリサイクル熱交換
器21を組み込んだ場合のシステム構成図である。な
お、図中において、図21と同一部分には同一符号を付
し、その説明は省略する。
【0081】図2に示すように、一体型アノードガスリ
サイクル熱交換器21の複数の熱交換器部21a〜21
eの管内側を流れる被加熱流体は、プラント内の各種の
流体である。すなわち、熱交換器部21aの管内側を流
れる被加熱流体は、圧縮機4から燃料電池本体1のカソ
ード極1aに供給される空気であり、熱交換器部21b
の管内側を流れる被加熱流体は、圧縮機4から改質器2
の燃焼部2bに供給される空気である。また、熱交換器
部21cの管内側を流れる被加熱流体は、燃料供給源6
から改質器2の反応部2aに供給される燃料であり、熱
交換器部21dの管内側を流れる被加熱流体は、冷却さ
れて気水分離器19を通過した後に改質器2の燃焼部2
bに供給されるアノード排ガスである。さらに、熱交換
器部21eの管内側を流れる被加熱流体は、水処理装置
8から排熱回収ボイラー7に供給される水である。
【0082】[作用・効果]以上のように構成された溶
融炭酸塩型燃料電池発電システムにおいて、前述した各
被加熱流体、すなわち、燃料電池本体1のカソード極1
aと改質器2の燃焼部2bにそれぞれ供給される空気、
改質器2の反応部2aに供給される燃料と燃焼部2bに
供給されるアノード排ガス、および排熱回収ボイラー7
に供給される水は、一体型アノードガスリサイクル熱交
換器21内の各熱交換器部21a〜21eをそれぞれ通
過して、管外側を流れる高温のアノード排ガスにより加
熱され、各流体の規定の温度になって外部に流出する。
【0083】この場合、本実施の形態においても、前記
第1の形態と同様に、各熱交換器部21a〜21eの設
計パラメータを調整して最適なものにすることにより、
一体型アノードガスリサイクル熱交換器21を流れる各
被加熱流体の出口温度が規定の温度になるように設計す
ることができる。
【0084】したがって、本実施の形態においては、前
記第1の実施の形態の作用・効果に加えて、特に、燃料
電池本体1や改質器2に供給される空気、燃料、排ガ
ス、水分等のプラント内の各種の流体を一体型アノード
ガスリサイクル熱交換器21によって一括的に適切に予
熱できる。そのため、プラント内の流体を有効に利用し
てプラントのコンパクト化に寄与できると共にプラント
効率を向上できる。
【0085】[変形例]なお、複数の熱交換器部21a
〜21eの管内側を流れる被加熱流体としては、上記の
流体に限らず、例えば、改質器2の反応部2aに供給す
る排熱回収ボイラー7からの水蒸気と混合した後の炭化
水素系燃料ガスや、改質ガス等、前記第1の実施の形態
で列挙したような各種の流体が同様に適用可能である。
すなわち、プラントの具体的なシステム構成に応じて、
一体型アノードガスリサイクル熱交換器21に流す流体
構成のパターンは適宜選択される。
【0086】[3.第3の実施の形態] [構成]図3は、本発明に係る第3の実施の形態とし
て、請求項3に記載の発明を適用した一つの実施の形態
を示す図であり、特に、前記第1の実施の形態に係る一
体型アノードガスリサイクル熱交換器21と気水分離器
19とを一体化してなる一体型アノードガスリサイクル
処理装置31を示す構成図である。なお、図中におい
て、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明は省
略する。
【0087】まず、図3において模式的に示すように、
本実施の形態に係る一体型アノードガスリサイクル処理
装置31は、一体型アノードガスリサイクル熱交換器2
1とこの一体型アノードガスリサイクル熱交換器21か
ら排出されたアノード排ガス中の水分をアノード排ガス
から分離する気水分離器19とを一体化して縦置き型に
したものである。
【0088】すなわち、気水分離器19は、一体型アノ
ードガスリサイクル熱交換器21の下部に、凝縮水回収
エリミネータ32を介して配置されている。この凝縮水
回収エリミネータ32は、凝縮水分のみを分離する装置
である。また、図中33は、凝縮水回収エリミネータ3
2の下部に設けられた凝縮水出口ノズルであり、図中3
4は、気水分離器19の下部に設けられた気水分離器出
口ノズルである。この気水分離器出口ノズル34は、配
管を介して水処理装置と接続される。
【0089】一方、この図3の一体型アノードガスリサ
イクル熱交換器21において、アノード排ガス入口22
は上端部の片側に水平に設けられ、アノード排ガス出口
23は下端部の反対側に水平に設けられており、アノー
ド排ガスは一体型アノードガスリサイクル熱交換器21
の管外側を上から下へ向かって流れるように構成されて
いる。また、複数の熱交換器部21a〜21eは、上下
方向に重ねて配置されており、各熱交換器部21a〜2
1eの被加熱流体入口ノズル26と被加熱流体出口ノズ
ル27は、熱交換器部を挟んで互いに対向するようにし
て水平に設けられている。なお、このような配置方向に
伴う若干の差異を除けば、本実施の形態に係る一体型ア
ノードガスリサイクル熱交換器21は、基本的に前記第
1の実施の形態に係る一体型アノードガスリサイクル熱
交換器21と同様に構成されているため、これ以上の説
明は省略する。
【0090】[作用・効果]以上のように構成された一
体型アノードガスリサイクル処理装置31の作用は次の
通りである。まず、燃料電池本体から排出されたアノー
ド排ガスは、アノード排ガス入口ノズル22から流入
し、一体型アノードガスリサイクル熱交換器21の複数
の熱交換器部21a〜21eの管外側を通過してその管
内側を流れる被加熱流体を加熱することにより冷却され
る。
【0091】このアノード排ガス中に含まれる水分は、
アノード排ガスの冷却に伴い冷却されて凝縮し、下部の
凝縮水回収エリミネータ32によって凝縮水分のみが分
離され、凝縮水出口ノズル33よりその下部の気水分離
器19に流入し、さらに、気水分離器出口ノズル34よ
り水処理装置へ送られる。一方、凝縮成分を除去された
アノード排ガスは、気水分離器19の上部のアノード排
ガス出口ノズル23から流出する。
【0092】このように、本実施の形態においては、前
記第1の実施の形態の作用・効果に加えて、特に次のよ
うな作用・効果が得られる。すなわち、一体型アノード
ガスリサイクル熱交換器21と気水分離器19を組み合
わせて一体化し、一体型アノードガスリサイクル処理装
置31を構成することにより、水処理装置内に凝縮水タ
ンク等を設置することが不要となるため、プラントのコ
ンパクト化にさらに寄与できる。また、熱交換器と気水
分離器との間の配管が不要となるため、その分だけプラ
ント内における無駄な放熱量をさらに減少させることが
でき、プラント効率をさらに向上できる。
【0093】[4.第4の実施の形態] [構成]図4は、本発明に係る第4の実施の形態とし
て、請求項4に記載の発明を適用した一つの実施の形態
を示す図であり、特に、前記第3の実施の形態に係る一
体型アノードガスリサイクル処理装置31の気水分離器
19内に凝縮水冷却用熱交換器20を設置して構成した
一体型アノードガスリサイクル処理装置31を示す構成
図である。なお、図中において、図1、図3と同一部分
には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0094】まず、図4において模式的に示すように、
本実施の形態に係る一体型アノードガスリサイクル処理
装置31は、気水分離器19から水処理装置に送られる
凝縮水を冷却するための凝縮水冷却用熱交換器20を、
この気水分離器19内に設置したものである。ここで、
図中20a,20bは、それぞれ、凝縮水冷却用熱交換
器20の冷却水入口ノズルと冷却水出口ノズルである。
また、この凝縮水冷却用熱交換器20内に流す冷却水と
しては、プラント内の水処理装置に補給する補給水、水
処理装置から排熱回収ボイラーに送る供給水等を用い
る。なお、他の部分については、前記第3の実施の形態
と全く同様に構成されている。
【0095】[作用・効果]以上のように構成された一
体型アノードガスリサイクル処理装置31によれば、前
記第3の実施の形態の作用・効果に加えて、特に次のよ
うな作用・効果が得られる。すなわち、気水分離器19
内に凝縮水冷却用熱交換器20を設置することにより、
別に凝縮水冷却用熱交換器を設置することが不要となる
ため、プラントのコンパクト化にさらに寄与できる。ま
た、気水分離器と凝縮水冷却用熱交換器との間の配管が
不要となるため、その分だけプラント内における無駄な
放熱量をさらに減少させることができ、プラント効率を
さらに向上できる。
【0096】[5.第5の実施の形態] [構成]図5は、本発明に係る第5の実施の形態とし
て、請求項5に記載の発明を適用した一つの実施の形態
を示す図であり、特に、前記第3の実施の形態に係る一
体型アノードガスリサイクル処理装置31の一体型アノ
ードガスリサイクル熱交換器21に、アノード排ガス中
の炭酸塩を析出・回収するための構造を組み込んで構成
した一体型アノードガスリサイクル処理装置31の内部
構造を示す斜視図(a)と一部切欠き断面図(b)であ
る。なお、図中において、図1、図3と同一部分には同
一符号を付し、その説明は省略する。
【0097】まず、図5において示すように、本実施の
形態に係る一体型アノードガスリサイクル処理装置31
の一体型アノードガスリサイクル熱交換器21は、アノ
ード排ガス上流側に設けられてアノード排ガスに含まれ
る炭酸塩を析出させるための炭酸塩析出熱交換器部41
と、この炭酸塩析出熱交換器部41のアノード排ガス下
流側に設けられてアノード排ガスに含まれる水蒸気を凝
縮させるための凝縮水回収熱交換器部42とに分離され
ている。
【0098】この場合、図5において模式的に示すよう
に、炭酸塩析出熱交換器部41と凝縮水回収熱交換器部
42の間には、炭酸塩析出物を回収するための炭酸塩析
出物回収用パレット(炭酸塩析出物回収手段)43が設
置されており、この炭酸塩析出物回収用パレット43
は、図中矢印に示すように、引き出し可能に構成されて
いる。この炭酸塩析出物回収用パレット43の上部には
パンチングメタル44等が配置されている。また、一体
型アノードガスリサイクル処理装置31の上部には取り
外し可能な点検蓋45が設置されている。
【0099】[作用・効果]以上のように構成された一
体型アノードガスリサイクル処理装置31の作用は次の
通りである。まず、燃料電池本体から排出されたアノー
ド排ガスが、アノード排ガス入口ノズル22から一体型
アノードガスリサイクル熱交換器21の炭酸塩析出熱交
換器部41に流入すると、この炭酸塩析出熱交換器部4
1においてアノード排ガス中の炭酸塩が析出し、伝熱面
等に付着する。このように、炭酸塩析出熱交換器部41
において析出し、その伝熱面等に付着した炭酸塩析出物
は、炭酸塩析出物回収用パレット43内に堆積する形で
回収され、その下部の凝縮水回収熱交換器部42に流入
することはない。
【0100】これにより、プラント運転中において、炭
酸塩析出物回収用パレット43より下流の凝縮水回収熱
交換器部42等の機器に炭酸塩析出物が飛散することを
防止できる。また、炭酸塩析出物回収用パレット43上
に堆積した炭酸塩析出物は、プラント停止時にこの炭酸
塩析出物回収用パレット43を引き出すことによって、
容易に洗浄し、除去することができる。さらに、炭酸塩
析出熱交換器部41に残留する炭酸塩析出物について
は、プラント停止時または運転中において、炭酸塩析出
物回収用パレット43を設置した状態で点検蓋45を取
り外すことにより、容易に洗浄、除去することができ
る。この場合、洗浄によって除去された炭酸塩析出物
は、炭酸塩析出物回収用パレット43で回収される。
【0101】そして、以上のように、凝縮水回収熱交換
器部42およびその下流の機器にまで炭酸塩析出物が流
入することを防止できるため、凝縮水を処理する水処理
装置の負荷を低減できる。また、凝縮水回収熱交換器部
42およびその下流の機器に耐蝕性を向上させた高級材
料を使用することも不要となり、プラントのコストダウ
ンを図ることもできる。
【0102】このように、本実施の形態においては、前
記第3の実施の形態の作用・効果に加えて、特に次のよ
うな作用・効果が得られる。すなわち、炭酸塩析出熱交
換器部41と炭酸塩析出物回収用パレット43により、
アノード排ガス中の炭酸塩を容易かつ確実に析出・回収
できるため、凝縮水回収熱交換器部42から下流の機器
に炭酸塩析出物が流入することを防止でき、機器や配管
の信頼性を向上できると共に、水処理装置の負荷を低減
できる。また、炭酸塩析出熱交換器部41や炭酸塩析出
物回収用パレット43に付着した炭酸塩析出物を容易に
洗浄できるため、プラントのメンテナンス性の向上に寄
与することができ、さらに、耐蝕性向上のためのコスト
を緩和できるため、経済性にも優れている。
【0103】[6.第6の実施の形態] [構成]図6は、本発明に係る第6の実施の形態とし
て、請求項6に記載の発明を適用した一つの実施の形態
を示す図であり、特に、前記第1の実施の形態に係る横
置き型の一体型アノードガスリサイクル熱交換器21
に、洗浄手段51を設置して構成した一体型アノードガ
スリサイクル熱交換器21を示す構成図である。なお、
図中において、図1と同一部分には同一符号を付し、そ
の説明は省略する。
【0104】まず、図6に示すように、一体型アノード
ガスリサイクル熱交換器21の複数の熱交換器部21a
〜21eは、アノード排ガス上流側に設けられてアノー
ド排ガスに含まれる炭酸塩を析出させるための炭酸塩析
出熱交換器部41と、この炭酸塩析出熱交換器部41の
アノード排ガス下流側に設けられてアノード排ガスに含
まれる水蒸気を凝縮させるための凝縮水回収熱交換器部
42とに分離されている。すなわち、アノード排ガス上
流側に設けられた2つの熱交換器部21a,21bが、
炭酸塩析出熱交換器部41を構成すると共に、その下流
に設けられた3つの熱交換器部21c〜21eが、凝縮
水回収熱交換器部42を構成しており、炭酸塩析出熱交
換器部41と凝縮水回収熱交換器部42の間には、両者
を分離する一定の間隔が設けられている。
【0105】そして、一体型アノードガスリサイクル熱
交換器21内における炭酸塩析出熱交換器部41のアノ
ード排ガス入口側には、この炭酸塩析出熱交換器部41
に洗浄用流体を散布可能な洗浄手段51が配置されてい
る。
【0106】[作用・効果]以上のように構成された一
体型アノードガスリサイクル熱交換器21の作用は次の
通りである。まず、燃料電池本体から排出されたアノー
ド排ガスが、アノード排ガス入口ノズル22から一体型
アノードガスリサイクル熱交換器21の炭酸塩析出熱交
換器部41に流入すると、この炭酸塩析出熱交換器部4
1においてアノード排ガス中の炭酸塩が析出し、伝熱面
等に付着する。このように、炭酸塩析出熱交換器部41
において析出し、その伝熱面等に付着した炭酸塩析出物
は、炭酸塩析出熱交換器部41のアノード排ガス入口側
に配置された洗浄手段51から散布される洗浄用流体に
よって洗浄、除去される。
【0107】この場合、洗浄用流体は、炭酸塩析出物を
含む洗浄廃液となるが、この洗浄廃液は、一体型アノー
ドガスリサイクル熱交換器21の底面に降下した後、こ
の底面の傾斜によって低位置側であるアノード排ガス出
口ノズル23側に向かって流れ、アノード排ガス出口ノ
ズル23からアノード排ガスと共に流出する。
【0108】以上のように、本実施の形態においては、
前記第1の実施の形態の作用・効果に加えて、特に次の
ような作用・効果が得られる。すなわち、炭酸塩析出熱
交換器部41のアノード排ガス入口側に設置した洗浄手
段51により、プラント運転中においても炭酸塩析出熱
交換器部41のアノード排ガス側表面を効果的にかつ容
易に洗浄することができるため、一体型アノードガスリ
サイクル熱交換器21のアノード排ガス側表面に炭酸塩
析出物が付着することを防止できる。したがって、一体
型アノードガスリサイクル熱交換器21の信頼性を向上
できると共に、プラントのメンテナンス性の向上に寄与
することができる。
【0109】[変形例]なお、図6においては、一体型
アノードガスリサイクル熱交換器21を横置き型とし、
洗浄手段51を炭酸塩析出熱交換器部41のアノード排
ガス入口側に設置しているが、一体型アノードガスリサ
イクル熱交換器21の具体的な形状や構成、洗浄手段5
1の具体的な構成や設置方法等は、これに限定されるも
のではなく、他にも多種多様な形態が実施可能である。
【0110】[7.第7の実施の形態] [構成]図7は、本発明に係る第7の実施の形態とし
て、請求項7に記載の発明を適用した一つの実施の形態
を示す図であり、特に、前記第6の実施の形態と同様、
前記第1の実施の形態に係る横置き型の一体型アノード
ガスリサイクル熱交換器21に、洗浄手段51を設置し
て構成した一体型アノードガスリサイクル熱交換器21
を示す構成図である。なお、図中において、図1および
図6と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略す
る。
【0111】すなわち、図7に示すように、本実施の形
態において、洗浄手段51は、一体型アノードガスリサ
イクル熱交換器21内における凝縮水回収熱交換器部4
2のアノード排ガス入口側に配置されており、この洗浄
手段51によって凝縮水回収熱交換器部42に洗浄用流
体を散布するように構成されている。
【0112】[作用・効果]以上のように構成された一
体型アノードガスリサイクル熱交換器21の作用は次の
通りである。まず、燃料電池本体から排出されたアノー
ド排ガスが、アノード排ガス入口ノズル22から一体型
アノードガスリサイクル熱交換器21の炭酸塩析出熱交
換器部41に流入すると、この炭酸塩析出熱交換器部4
1においてアノード排ガス中の炭酸塩が析出し、伝熱面
等に付着する。このように、炭酸塩析出熱交換器部41
において析出し、その伝熱面等に付着した炭酸塩析出物
の一部は、下流の凝縮水回収熱交換器部42にまで達し
てそのアノード排ガス側表面に付着する可能性がある。
しかしながら、このように凝縮水回収熱交換器部42に
付着した炭酸塩析出物は、凝縮水回収熱交換器部42の
アノード排ガス入口側に配置された洗浄手段51から散
布される洗浄用流体によって洗浄、除去される。
【0113】この場合、洗浄用流体は、炭酸塩析出物を
含む洗浄廃液となるが、この洗浄廃液は、一体型アノー
ドガスリサイクル熱交換器21の底面に降下した後、こ
の底面の傾斜によって低位置側であるアノード排ガス出
口ノズル23側に向かって流れ、アノード排ガス出口ノ
ズル23からアノード排ガスと共に流出する。
【0114】以上のように、本実施の形態においては、
前記第1の実施の形態の作用・効果に加えて、特に次の
ような作用・効果が得られる。すなわち、凝縮水回収熱
交換器部42のアノード排ガス入口側に設置した洗浄手
段51により、プラント運転中においても、凝縮水回収
熱交換器部42のアノード排ガス側表面を効果的にかつ
容易に洗浄することができるため、一体型アノードガス
リサイクル熱交換器21の炭酸塩析出熱交換器部41で
析出した炭酸塩析出物が凝縮水回収熱交換器部42内に
まで達した場合でも、この凝縮水回収熱交換器部42の
アノード排ガス側表面に炭酸塩析出物が付着することを
防止できる。したがって、一体型アノードガスリサイク
ル熱交換器21の凝縮水回収熱交換器部42の信頼性を
向上できると共に、プラントのメンテナンス性の向上に
寄与することができる。
【0115】[変形例]なお、図7においては、一体型
アノードガスリサイクル熱交換器21を横置き型とし、
洗浄手段51を凝縮水回収熱交換器部42のアノード排
ガス入口側に設置しているが、一体型アノードガスリサ
イクル熱交換器21の具体的な形状や構成、洗浄手段5
1の具体的な構成や設置方法等は、これに限定されるも
のではなく、他にも多種多様な形態が実施可能である。
【0116】[8.第8の実施の形態] [構成]図8は、本発明に係る第8の実施の形態とし
て、請求項8に記載の発明を適用した一つの実施の形態
を示す図であり、特に、前記第3の実施の形態に係る縦
置き型の一体型アノードガスリサイクル処理装置31
に、洗浄手段51を設置して構成した一体型アノードガ
スリサイクル処理装置31を示す構成図である。なお、
図中において、図3と同一部分には同一符号を付し、そ
の説明は省略する。
【0117】すなわち、図8に示すように、本実施の形
態において、洗浄手段51は、一体型アノードガスリサ
イクル処理装置31内における気水分離器19の内部の
側面近傍に配置されており、この洗浄手段51によっ
て、気水分離器19の側面に向かって洗浄用流体を散布
するように構成されている。
【0118】[作用・効果]以上のように構成された一
体型アノードガスリサイクル処理装置31の作用は次の
通りである。まず、燃料電池本体から排出されたアノー
ド排ガスが、アノード排ガス入口ノズル22から一体型
アノードガスリサイクル熱交換器21に流入すると、こ
の一体型アノードガスリサイクル熱交換器21において
アノード排ガス中の炭酸塩が析出し、伝熱面等に付着す
る。このように、一体型アノードガスリサイクル熱交換
器21において析出し、その伝熱面等に付着した炭酸塩
析出物の一部は、下流の気水分離器19にまで達してそ
の側面に付着する可能性がある。このうち、しかしなが
ら、このように気水分離器19の側面に付着した炭酸塩
析出物は、気水分離器19内部の側面近傍に配置された
洗浄手段51から散布される洗浄用流体によって洗浄、
除去される。この場合、洗浄用流体は、炭酸塩析出物を
含む洗浄廃液となるが、この洗浄廃液は、気水分離器1
9下部の気水分離器出口ノズル34より流出する。
【0119】以上のように、本実施の形態においては、
前記第1の実施の形態の作用・効果に加えて、特に次の
ような作用・効果が得られる。すなわち、気水分離器1
9内部の側面近傍に設置した洗浄手段51により、プラ
ント運転中においても、気水分離器19の内面を効果的
にかつ容易に洗浄することができるため、一体型アノー
ドガスリサイクル熱交換器21で析出した炭酸塩析出物
が気水分離器19内にまで達した場合でも、この気水分
離器19の内面に炭酸塩析出物が付着することを防止で
きる。したがって、一体型アノードガスリサイクル処理
装置31の気水分離器19の信頼性を向上できると共
に、プラントのメンテナンス性の向上に寄与することが
できる。
【0120】[変形例]なお、図8においては、一体型
アノードガスリサイクル処理装置31を縦置き型とし、
洗浄手段51を気水分離器19内部の側面近傍に設置し
ているが、一体型アノードガスリサイクル処理装置31
の具体的な形状や構成、洗浄手段51の具体的な構成や
設置方法等は、これに限定されるものではなく、他にも
多種多様な形態が実施可能である。
【0121】[9.第9の実施の形態] [構成]図9は、本発明に係る第9の実施の形態とし
て、請求項9に記載の発明を適用した一つの実施の形態
を示す図であり、特に、前記第8の実施の形態と同様、
前記第3の実施の形態に係る縦置き型の一体型アノード
ガスリサイクル処理装置31に、洗浄手段51を設置し
て構成した一体型アノードガスリサイクル処理装置31
を示す構成図である。なお、図中において、図3と同一
部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0122】まず、図9に示すように、一体型アノード
ガスリサイクル熱交換器21の複数の熱交換器部21a
〜21eは、アノード排ガス上流側に設けられてアノー
ド排ガスに含まれる炭酸塩を析出させるための炭酸塩析
出熱交換器部41と、この炭酸塩析出熱交換器部41の
アノード排ガス下流側に設けられてアノード排ガスに含
まれる水蒸気を凝縮させるための凝縮水回収熱交換器部
42とに分離されている。すなわち、アノード排ガス上
流側である上方に設けられた2つの熱交換器部21a,
21bが、炭酸塩析出熱交換器部41を構成すると共
に、その下流側である下方に設けられた3つの熱交換器
部21c〜21eが、凝縮水回収熱交換器部42を構成
しており、炭酸塩析出熱交換器部41と凝縮水回収熱交
換器部42の間には、両者を分離する一定の間隔が設け
られている。
【0123】そして、一体型アノードガスリサイクル処
理装置31内における炭酸塩析出熱交換器部41の上方
には、この炭酸塩析出熱交換器部41に洗浄用流体を散
布可能な洗浄手段51が配置されている。この場合、洗
浄手段51は、洗浄用流体供給用ヘッダ52と、広角型
のスプレーノズル53によって構成されている。また、
炭酸塩析出熱交換器部41の下方における凝縮水回収熱
交換器部42の上方には、炭酸塩析出物回収用パレット
43が配置され、引き出し可能に構成されている。この
炭酸塩析出物回収用パレット43の上部にはパンチング
メタル44等が配置されている。この場合、炭酸塩析出
物回収用パレット43は、一体型アノードガスリサイク
ル処理装置31に対して、例えばボルト締め構造等によ
って取り外し可能に固定されている。さらに、一体型ア
ノードガスリサイクル処理装置31の上部には取り外し
可能な点検蓋45が設置されている。
【0124】[作用・効果]以上のように構成された一
体型アノードガスリサイクル処理装置31の作用は次の
通りである。まず、燃料電池本体から排出されたアノー
ド排ガスが、アノード排ガス入口ノズル22から一体型
アノードガスリサイクル熱交換器21の炭酸塩析出熱交
換器部41に流入すると、この炭酸塩析出熱交換器部4
1においてアノード排ガス中の炭酸塩が析出し、伝熱面
等に付着する。このように、炭酸塩析出熱交換器部41
において析出し、その伝熱面等に付着した炭酸塩析出物
の一部は、炭酸塩析出物回収用パレット43内に堆積す
る形で回収され、その下部の凝縮水回収熱交換器部42
に流入することはない。
【0125】これにより、プラント運転中において、炭
酸塩析出物回収用パレット43より下流の凝縮水回収熱
交換器部42等の機器に炭酸塩析出物が飛散することを
防止できる。また、炭酸塩析出熱交換器部41の伝熱面
等に付着し、そのまま残留した炭酸塩析出物は、炭酸塩
析出熱交換器部41の上方に配置された洗浄手段51か
ら散布される洗浄用流体によって洗浄、除去される。す
なわち、洗浄用流体はまず、洗浄用流体供給用ヘッダ5
2に供給され、広角型のスプレーノズル53から炭酸塩
析出熱交換器部41の表面に向けて散布されて、この炭
酸塩析出熱交換器部41を全面的に洗浄し、この炭酸塩
析出熱交換器部41に付着し、残留している炭酸塩析出
物を洗浄、除去する。
【0126】この場合、洗浄用流体は、炭酸塩析出物を
含む洗浄廃液となるが、この洗浄廃液は、炭酸塩析出物
回収用パレット43で回収され、後述するような図示し
ていない炭酸塩析出廃液排出用ノズルから外部に排出す
る。また、この炭酸塩析出物回収用パレット43から溢
れた洗浄廃液は、パンチングメタル44等を伝わった
後、下部の凝縮水回収熱交換器部42の側壁を伝わって
凝縮水出口ノズル33より流出する。なお、凝縮水回収
熱交換器部42の伝熱面表面で凝縮した水は、凝縮水回
収熱交換器部42の伝熱管、フィン、側壁等を介して伝
わって降下し、その下部に設置した凝縮水回収エリミネ
ータ32により回収され、凝縮水出口ノズル31を通っ
て下部の気水分離器19に溜まる。
【0127】一方、炭酸塩析出物回収用パレット43上
に炭酸塩析出物が付着、残留する可能性があるが、この
ような炭酸塩析出物は、プラント停止時に、この炭酸塩
析出物回収用パレット43を固定しているボルト等を外
して、炭酸塩析出物回収用パレット43を一体型アノー
ドガスリサイクル処理装置31から引き出すことによ
り、容易に洗浄可能である。
【0128】以上のように、本実施の形態においては、
前記第3の実施の形態の作用・効果に加えて、特に次の
ような作用・効果が得られる。すなわち、炭酸塩析出熱
交換器部41の上方に設置した洗浄用流体供給用ヘッダ
52とスプレーノズル53からなる洗浄手段51によっ
て、プラント運転中においても、炭酸塩析出熱交換器部
41のアノード排ガス側表面を効果的にかつ容易に洗浄
することができるため、一体型アノードガスリサイクル
熱交換器21のアノード排ガス側表面における炭酸塩析
出物の影響を防止できる。また、洗浄廃液を外部に排出
するか、あるいは、凝縮水回収熱交換器部42の側壁を
伝わって凝縮水出口ノズル33から流出させることがで
きるため、凝縮水回収熱交換器部42に炭酸塩析出物の
影響が及ぶことを防止できる。したがって、一体型アノ
ードガスリサイクル熱交換器21の信頼性を向上できる
と共に、プラントのメンテナンス性の向上に寄与するこ
とができる。
【0129】[変形例]なお、図9においては、一体型
アノードガスリサイクル処理装置31を縦置き型とし、
洗浄手段51を洗浄用流体供給用ヘッダ52と広角型の
スプレーノズル53によって構成し、炭酸塩析出熱交換
器部41の上方に設置しているが、一体型アノードガス
リサイクル処理装置31の具体的な形状や構成、洗浄手
段51の具体的な構成や設置方法等は、これに限定され
るものではなく、他にも多種多様な形態が実施可能であ
る。
【0130】[10.第10の実施の形態] [構成]図10は、本発明に係る第10の実施の形態と
して、請求項10に記載の発明を適用した一つの実施の
形態を示す図であり、特に、前記第8、第9の実施の形
態と同様、前記第3の実施の形態に係る縦置き型の一体
型アノードガスリサイクル処理装置31に、洗浄手段を
設置して構成した一体型アノードガスリサイクル処理装
置31を示す構成図である。なお、図中において、図3
と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0131】すなわち、図10に示すように、本実施の
形態においては、一体型アノードガスリサイクル処理装
置31内における炭酸塩析出熱交換器部41の上方に、
この炭酸塩析出熱交換器部41の表面全体を覆う散布用
パレット54が配置されており、この散布用パレット5
4が洗浄手段として使用されるようになっている。この
散布用パレット54は、その下部に散布用の小径の散布
孔を多数備えており、この散布孔から洗浄用流体を散布
するようになっている。なお、他の部分については、前
記第9の実施の形態と全く同様に構成されている。
【0132】[作用・効果]以上のように構成された一
体型アノードガスリサイクル処理装置31においては、
プラント運転中において、炭酸塩析出熱交換器部41の
上方に配置された散布用パレット54から洗浄用流体を
散布することによってこの炭酸塩析出熱交換器部41を
全面的に洗浄できる。
【0133】したがって、本実施の形態においても、前
記第9の実施の形態と同様に、炭酸塩析出熱交換器部4
1の伝熱面等に付着している炭酸塩析出物を容易に除去
することができ、凝縮水回収熱交換器部42に炭酸塩析
出物の影響が及ぶことを防止できるため、一体型アノー
ドガスリサイクル熱交換器21の信頼性を向上できると
共に、プラントのメンテナンス性の向上に寄与すること
ができる。
【0134】[変形例]なお、図10においては、一体
型アノードガスリサイクル処理装置31を縦置き型と
し、洗浄手段として、散布用パレット54を炭酸塩析出
熱交換器部41の上方に設置しているが、一体型アノー
ドガスリサイクル処理装置31の具体的な形状や構成、
洗浄手段の具体的な構成や設置方法等は、これに限定さ
れるものではなく、他にも多種多様な形態が実施可能で
ある。
【0135】[11.第11の実施の形態] [構成]図11は、本発明に係る第11の実施の形態と
して、請求項11に記載の発明を適用した一つの実施の
形態を示す図であり、特に、前記第8〜第10の実施の
形態と同様、前記第3の実施の形態に係る縦置き型の一
体型アノードガスリサイクル処理装置31に、洗浄手段
を設置して構成した一体型アノードガスリサイクル処理
装置31を示す構成図である。なお、図中において、図
3と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略す
る。
【0136】まず、図11に示すように、本実施の形態
においては、前記第9の実施の形態と同様に、一体型ア
ノードガスリサイクル処理装置31内における炭酸塩析
出熱交換器部41の上方に、洗浄用流体供給用ヘッダ5
2と広角型のスプレーノズル53からなる洗浄手段51
を配置すると共に、炭酸塩析出熱交換器部41の下方に
おける凝縮水回収熱交換器部42の上方に、引き出し可
能な炭酸塩析出物回収用パレット43が配置されてい
る。
【0137】また、この構成に加えて、凝縮水回収熱交
換器部42の上方における炭酸塩析出物回収用パレット
43の下方には、この凝縮水回収熱交換器部42の表面
全体を覆う散布用パレット54が配置されており、この
散布用パレット54が凝縮水回収熱交換器部42用の洗
浄手段として使用されるようになっている。この散布用
パレット54は、その下部に散布用の小径の散布孔を多
数備えており、この散布孔から洗浄用流体を散布するよ
うになっている。さらに、気水分離器19の内部には、
洗浄用流体供給用ヘッダ52と広角型のスプレーノズル
53からなる洗浄手段51が、側面に向かって洗浄用流
体を散布するように配置されている。なお、他の部分に
ついては、前記第9の実施の形態と全く同様に構成され
ている。
【0138】[作用・効果]以上のように構成された一
体型アノードガスリサイクル処理装置31においては、
プラント運転中に、炭酸塩析出熱交換器部41の上方に
配置された洗浄手段51から洗浄用流体を散布すること
により、この炭酸塩析出熱交換器部41を全面的に洗浄
し、炭酸塩析出熱交換器部41の伝熱面等に付着してい
る炭酸塩析出物を容易に除去することができる。この場
合、洗浄廃液は、下部の炭酸塩析出物回収用パレット4
3によって回収され、後述する炭酸塩析出廃液排出用ノ
ズルから外部に排出される。
【0139】また、炭酸塩析出物回収用パレット43の
下方に設置されている散布用パレット54から洗浄用流
体を散布することにより、凝縮水回収熱交換器部42に
ついても全面的に洗浄できる。そのため、炭酸塩析出物
の一部が凝縮水回収熱交換器部42にまで達した場合で
も、この炭酸塩析出物を除去することができる。さら
に、気水分離器19内に配置された洗浄手段51から気
水分離器19の側面に洗浄用流体を散布することによ
り、気水分離器19の内面をも洗浄できる。そのため、
炭酸塩析出物回収用パレット43から溢れた洗浄廃液に
含まれる炭酸塩析出物が凝縮水回収熱交換器部42の側
壁を伝わって気水分離器19にまで達した場合でも、こ
の炭酸塩析出物を洗浄して除去し、外部に排出できる。
【0140】以上のように、本実施の形態においては、
前記第3の実施の形態の作用・効果に加えて、特に次の
ような作用・効果が得られる。一体型アノードガスリサ
イクル処理装置31の内部に設置した複数の洗浄手段に
より、プラント運転中においても、炭酸塩析出熱交換器
部41と凝縮水回収熱交換器部42のアノード排ガス側
表面、および気水分離器19の内面を効果的にかつ容易
に洗浄することができるため、一体型アノードガスリサ
イクル処理装置31の内部に炭酸塩析出物が付着するこ
とを防止できる。したがって、一体型アノードガスリサ
イクル処理装置31全体の信頼性を向上できると共に、
プラントのメンテナンス性の向上に寄与することができ
る。
【0141】[変形例]なお、図11においては、縦置
き型の一体型アノードガスリサイクル処理装置31内
に、洗浄用流体供給用ヘッダ52と広角型のスプレーノ
ズル53からなる洗浄手段51や散布用パレット54を
設置しているが、一体型アノードガスリサイクル処理装
置31の具体的な形状や構成、洗浄手段の具体的な構成
や設置方法等は、これに限定されるものではなく、他に
も多種多様な形態が実施可能である。
【0142】[12.第12の実施の形態] [構成]図12は、本発明に係る第12の実施の形態と
して、請求項12に記載の発明を適用した一つの実施の
形態を示す図であり、特に、前記第8〜第11の実施の
形態と同様、前記第3の実施の形態に係る縦置き型の一
体型アノードガスリサイクル処理装置31に、洗浄手段
を設置して構成した一体型アノードガスリサイクル処理
装置31を示す構成図である。なお、図中において、図
3と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略す
る。
【0143】まず、図12に示すように、本実施の形態
においては、前記第9の実施の形態と同様に、一体型ア
ノードガスリサイクル処理装置31内における炭酸塩析
出熱交換器部41の上方に、洗浄用流体供給用ヘッダ5
2と広角型のスプレーノズル53からなる洗浄手段51
を配置すると共に、炭酸塩析出熱交換器部41の下方に
おける凝縮水回収熱交換器部42の上方に、引き出し可
能な炭酸塩析出物回収用パレット43が配置されてい
る。
【0144】そして、この構成に加えて、洗浄手段51
に洗浄用流体を供給するラインには、洗浄用流体流量制
御用バルブ61が設置されている。なお、他の部分につ
いては、前記第9の実施の形態と全く同様に構成されて
いる。
【0145】[作用・効果]以上のように構成された本
実施の形態によれば、前記第9の実施の形態の作用・効
果に加えて、特に次のような作用・効果が得られる。す
なわち、洗浄手段51に洗浄用流体を供給するラインに
洗浄用流体流量制御用バルブ61を設置しているため、
例えば、プラント運転中にこの洗浄用流体流量制御用バ
ルブ61を自動制御することにより、数時間毎に洗浄用
流体を定期的に散布したり、あるいは、連続的に流量を
調整しながら散布することが可能になる。したがって、
プラントのメンテナンス性の向上にさらに寄与すること
ができる。
【0146】[変形例]なお、図12においては、炭酸
塩析出熱交換器部41の上部に設けた洗浄手段51のみ
に洗浄用流体を供給する構成であるため、その供給ライ
ンに一つの洗浄用流体流量制御用バルブ61を設置して
いるだけであるが、前記第11の実施の形態のように、
複数箇所に設けた複数の洗浄手段に洗浄用流体をそれぞ
れ供給する場合には、その複数の供給ラインに個別の洗
浄用流体流量制御用バルブ61を設置し、これらを一括
的に、あるいは個々に自動制御することにより、プラン
トの運転状態に最適な洗浄用流体の散布を行うことが可
能になる。
【0147】また、一体型アノードガスリサイクル処理
装置31内に設けた洗浄手段に供給する洗浄用流体とし
ては、例えば、プラント内の水蒸気を供給することが考
えられるが、この場合にも、洗浄用流体流量制御用バル
ブ61は有用である。すなわち、この場合には、改質器
2の反応部2aへ供給する水蒸気の一部を洗浄手段に供
給する構成となるため、洗浄手段に供給される洗浄用流
体の流量を急激に増やしすぎると、改質器2の反応部2
aへ供給される水蒸気の量が規定値以下に減少する可能
性がある。したがって、このような場合に、洗浄手段の
供給ラインに設置した洗浄用流体流量制御用バルブ61
を自動制御することにより、改質器2の反応部2aに供
給する水蒸気量と洗浄手段に供給する水蒸気量を常に適
切に調整することができる。
【0148】[13.第13の実施の形態] [構成]図13は、本発明に係る第13の実施の形態と
して、請求項13に記載の発明を適用した一つの実施の
形態を示す図であり、特に、前記第8〜第12の実施の
形態と同様、前記第3の実施の形態に係る縦置き型の一
体型アノードガスリサイクル処理装置31に、洗浄手段
を設置して構成した一体型アノードガスリサイクル処理
装置31を示す構成図である。なお、図中において、図
3と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略す
る。
【0149】すなわち、図13に示すように、本実施の
形態においては、前記第12の実施の形態と同様に、一
体型アノードガスリサイクル処理装置31内における炭
酸塩析出熱交換器部41の上方に、洗浄用流体供給用ヘ
ッダ52と広角型のスプレーノズル53からなる洗浄手
段51が配置されると共に、洗浄手段51に洗浄用流体
を供給するラインには、洗浄用流体流量制御用バルブ6
1が設置されている。
【0150】そして、この構成に加えて、本実施の形態
の洗浄手段51の洗浄用流体供給用ヘッダ52には、首
振り旋回機能および上下左右への移動機能が持たせられ
ている。すなわち、洗浄用流体供給用ヘッダ52は、一
定周期で、ある角度内で首振り旋回を行い、あるいは、
ある範囲内で上下左右に移動するようにして自動制御さ
れるようになっている。このような洗浄用流体供給用ヘ
ッダ52の制御は、スプレーノズル53から散布される
洗浄用流体が、炭酸塩析出熱交換器部41に対して洗浄
に適切な角度で各部に当たるようにして行われる。な
お、他の部分については、前記第12の実施の形態と全
く同様に構成されている。
【0151】[作用・効果]以上のように構成された本
実施の形態によれば、前記第12の実施の形態の作用・
効果に加えて、特に次のような作用・効果が得られる。
すなわち、洗浄手段51に首振り旋回機能および上下左
右への移動機能を持たせることにより、炭酸塩析出熱交
換器部41のアノード排ガス側表面をより効果的に完全
に洗浄することができるため、一体型アノードガスリサ
イクル熱交換器21のアノード排ガス側表面における炭
酸塩析出物の影響をより効果的に防止することができ
る。したがって、一体型アノードガスリサイクル熱交換
器21の信頼性をさらに向上できると共に、プラントの
メンテナンス性の向上にさらに寄与することができる。
【0152】[変形例]なお、図13においては、縦置
き型の一体型アノードガスリサイクル処理装置31内
に、洗浄用流体供給用ヘッダ52と広角型のスプレーノ
ズル53からなる洗浄手段51を設置し、この洗浄手段
51に首振り旋回機能および上下左右への移動機能を持
たせているが、一体型アノードガスリサイクル処理装置
31の具体的な形状や構成、洗浄手段の具体的な構成や
設置方法等は、これに限定されるものではなく、他にも
多種多様な形態が実施可能である。特に、洗浄手段に首
振り旋回機能および上下左右への移動機能を持たせ、そ
のような旋回や移動を制御することは、既存の各種の技
術を適用して容易に実現可能である。
【0153】[14.第14の実施の形態] [構成]図14は、本発明に係る第14の実施の形態と
して、請求項14に記載の発明を適用した一つの実施の
形態を示す図であり、特に、前記第2の実施の形態に係
る溶融炭酸塩型燃料電池発電プラントに対し、横置き型
の一体型アノードガスリサイクル熱交換器21に代えて
前記第12の実施の形態に係る縦置き型の一体型アノー
ドガスリサイクル処理装置31を組み込み、その洗浄手
段51に対して水処理装置8で処理した水または水蒸気
を供給するように構成した場合のシステム構成図であ
る。なお、図中において、図2および図12と同一部分
には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0154】すなわち、図14に示すように、本実施の
形態においては、プラント内の水処理装置8で処理され
た水または水蒸気が、排熱回収ボイラー7に供給される
一方で、その一部が分岐して、一体型アノードガスリサ
イクル処理装置31内の洗浄手段51に洗浄用流体とし
て供給されるようになっている。そして、この洗浄手段
51への供給ライン上に、洗浄用流体流量制御用バルブ
61が設置されている。さらに、一体型アノードガスリ
サイクル処理装置31の気水分離器19には、凝縮水冷
却用熱交換器20が組み込まれている。なお、他の部分
については、前記第2の実施の形態と全く同様に構成さ
れている。
【0155】[作用・効果]以上のように構成された本
実施の形態によれば、前記第2、第12の実施の形態の
作用・効果に加えて、特に次のような作用・効果が得ら
れる。すなわち、一体型アノードガスリサイクル処理装
置31内の洗浄手段51に供給する洗浄用流体をプラン
ト内で水処理された水または水蒸気とすることにより、
一般の水道水等を用いて洗浄する場合に比べて洗浄効果
が増し、洗浄排水をそのまま水処理装置8に送った場合
でも、水処理装置8の負荷を低減することができる。さ
らに、洗浄手段51に対して供給する水または水蒸気の
流量を、洗浄用流体流量制御用バルブ61を用いて自動
制御で調節することにより、効率的に洗浄することがで
きる。特に、洗浄手段51に対して水蒸気を供給する場
合には、水を供給する場合よりもさらに洗浄効果を高め
ることができる。
【0156】また、本実施の形態では、前記第4の実施
の形態と同様に、一体型アノードガスリサイクル処理装
置31の気水分離器19内に、凝縮水冷却用熱交換器2
0を設置しているため、プラントのコンパクト化にさら
に寄与できると共に、プラント内における無駄な放熱量
をさらに減少させることができ、プラント効率をさらに
向上できる。
【0157】[変形例]なお、図14においては、一体
型アノードガスリサイクル処理装置31内の洗浄手段5
1に対する洗浄用流体として、プラント内の水処理装置
8で処理した水または水蒸気を供給しているが、プラン
ト外部で水処理された水または水蒸気を供給するように
構成することも可能であり、同様に優れた作用・効果を
得ることができる。また、一体型アノードガスリサイク
ル処理装置31の具体的な形状や構成、洗浄手段の具体
的な構成や設置方法等は、図示した形態に限定されるも
のではなく、他にも多種多様な形態が実施可能である。
【0158】[15.第15の実施の形態] [構成]図15は、本発明に係る第15の実施の形態と
して、請求項15に記載の発明を適用した一つの実施の
形態を示す図であり、特に、前記第14の実施の形態に
係るプラントにおいて、一体型アノードガスリサイクル
処理装置31内の洗浄手段51に対して、プラント内で
利用される各種の水または水蒸気を供給するように構成
した場合のシステム構成図である。なお、図中におい
て、図14と同一部分には同一符号を付し、その説明は
省略する。
【0159】すなわち、図15に示すように、本実施の
形態においては、プラント内で利用される水または水蒸
気として、プラント内に補給される補給水a、水処理装
置8で水処理されてボイラーあるいは熱交換器に供給さ
れる供給水b、ボイラーあるいは熱交換器において加熱
された水c、および排熱回収ボイラー7から出る水蒸気
dという、4つの供給源a〜dのいずれか1つ以上から
の水または水蒸気を洗浄手段51に供給するように構成
したことを特徴としている。
【0160】特に、図中では、一例として、排熱回収ボ
イラー7からの水蒸気dの一部を燃料電池発電システム
内洗浄流体供給系62を介して洗浄手段51に供給する
構成が示されている。なお、他の部分については、前記
第14の実施の形態と全く同様に構成されている。
【0161】さらに言及すれば、このような構成で実際
にプラント運転を行う場合には、一体型アノードガスリ
サイクル処理装置31の洗浄手段51に供給される洗浄
用流体の流量を急激に増やさないように制御することが
必要である。すなわち、排熱回収ボイラー7から洗浄手
段51に供給される洗浄用流体の流量を急激に増やした
場合には、排熱回収ボイラー7から改質器2の反応部2
aに供給される水蒸気量が急激に減少してしまい、スチ
ーム/カーボン比(S/C)も減少してしまうため、洗
浄手段51に供給する水蒸気量がある規定値以上に上昇
しないように、洗浄用流体流量制御用バルブ61を利用
して洗浄用の水蒸気量を監視制御することが必要であ
る。
【0162】[作用・効果]以上のように構成された本
実施の形態によれば、前記第14の実施の形態と同様の
作用・効果が得られる。すなわち、プラント内で利用さ
れる水または水蒸気を一体型アノードガスリサイクル処
理装置31内の洗浄手段51に供給することにより、一
般の水道水等を用いて洗浄する場合に比べて洗浄効果が
増し、洗浄排水をそのまま水処理装置8に送った場合で
も、水処理装置8の負荷を低減させることができる。さ
らに、洗浄手段51に対して供給する水または水蒸気の
流量を、洗浄用流体流量制御用バルブ61を用いて自動
制御で調節することにより、効率的に洗浄することがで
きる。特に、図15に示すように、洗浄手段51に対し
て水蒸気を供給することにより、水を供給する場合より
もさらに洗浄効果を高めることができる。
【0163】[変形例]なお、図15においては、プラ
ント内で利用される水または水蒸気として、4つの供給
源a〜dを示しているが、プラントのシステム構成によ
っては、さらに異なる水または水蒸気の供給源が考えら
れる。そのようなプラント内で利用される別の水または
水蒸気を一体型アノードガスリサイクル処理装置31内
の洗浄手段51に供給することも同様に可能であり、同
様に優れた作用・効果を得ることができる。また、一体
型アノードガスリサイクル処理装置31の具体的な形状
や構成、洗浄手段の具体的な構成や設置方法等は、図示
した形態に限定されるものではなく、他にも多種多様な
形態が実施可能である。
【0164】[16.第16の実施の形態] [構成]図16は、本発明に係る第16の実施の形態と
して、請求項16に記載の発明を適用した一つの実施の
形態を示す図であり、特に、前記第15の実施の形態に
係るプラントにおいて、一体型アノードガスリサイクル
処理装置31内の洗浄手段51に対して、プラント内で
利用される各種の水または水蒸気を供給する際の分岐点
にプラント内の水または水蒸気ラインの流量と洗浄用流
体の流量とを調節可能に構成した場合のシステム構成図
である。なお、図中において、図15と同一部分には同
一符号を付し、その説明は省略する。
【0165】すなわち、図16に示すように、本実施の
形態においては、プラント内の水または水蒸気ラインの
流量と、一体型アノードガスリサイクル処理装置31内
の洗浄手段51に供給する燃料電池発電システム内洗浄
流体供給系62に供給する洗浄用流体との流量とを調節
するための洗浄用流体分岐流量調節三方弁(分岐流量調
節手段)63が設置されたことを特徴としている。
【0166】特に、図中では、一例として、排熱回収ボ
イラー7からの水蒸気の一部を洗浄用流体分岐流量調節
三方弁63を介して燃料電池発電システム内洗浄流体供
給系62に供給する構成が示されている。なお、他の部
分については、前記第14の実施の形態と全く同様に構
成されている。
【0167】[作用・効果]以上のように構成された本
実施の形態によれば、排熱回収ボイラー7からの水蒸気
を、改質器2の反応部2aと一体型アノードガスリサイ
クル処理装置31の洗浄手段51とにそれぞれ供給する
際に、洗浄用流体分岐流量調節三方弁63を制御するこ
とにより、水蒸気を適切に分配することが可能となる。
すなわち、洗浄用流体分岐流量調節三方弁63により、
改質器2の反応部2aに供給される水蒸気量が規定値以
下に減少しないようにして、改質器2の反応部2aに供
給される水蒸気の流量と洗浄手段51に供給される洗浄
用水蒸気の流量とを適切に自動制御することが可能とな
る。
【0168】このように、本実施の形態によれば、前記
第15の実施の形態と同様の作用・効果に加えて、特に
次のような作用・効果が得られる。すなわち、洗浄用流
体分岐流量調節三方弁63を設置することにより、プラ
ント内の水または水蒸気ラインの流量とこれから分岐す
る洗浄用流体の流量との両方の流量を適切に調整するこ
とができるため、一体型アノードガスリサイクル処理装
置31内の洗浄を行っている際にも、プラントの安定し
た運転を継続することができる。
【0169】[変形例]なお、図16においては、プラ
ント内で利用される水または水蒸気として、排熱回収ボ
イラー7からの水蒸気を示しているが、前記第15の実
施の形態で示したようなプラント内で利用される他の各
種の水または水蒸気を供給源として、それらの供給源か
らの分岐点に洗浄用流体分岐流量調節三方弁63を設置
することも同様に可能であり、同様に優れた作用・効果
を得ることができる。また、一体型アノードガスリサイ
クル処理装置31の具体的な形状や構成、洗浄手段の具
体的な構成や設置方法等は、これに限定されるものでは
なく、他にも多種多様な形態が実施可能である。
【0170】[17.第17の実施の形態] [構成]図17は、本発明に係る第17の実施の形態と
して、請求項17に記載の発明を適用した一つの実施の
形態を示す図であり、特に、前記第14の実施の形態に
係るプラントにおいて、一体型アノードガスリサイクル
処理装置31内の洗浄手段51に対して供給される洗浄
用流体として、化学洗浄用薬品を使用した場合のシステ
ム構成図である。なお、図中において、図14と同一部
分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0171】すなわち、図17に示すように、本実施の
形態においては、一体型アノードガスリサイクル処理装
置31の洗浄手段51に対して、洗浄用流体流量制御用
バルブ61を介して、化学洗浄用薬品供給源64が接続
されており、この化学洗浄用薬品供給源64から、炭酸
塩析出物を溶解する性質を有する化学洗浄用薬品が供給
されるように構成されている。ここで、化学洗浄用薬品
としては、炭酸塩析出物を溶解する性質のある酸性の薬
品等、炭酸塩析出物の溶解試験に基づいて最適な薬品を
選定する。なお、他の部分については、前記第14の実
施の形態と全く同様に構成されている。
【0172】[作用・効果]以上のように構成された本
実施の形態によれば、前記第14の実施の形態と同様の
作用・効果に加えて、特に次のような作用・効果が得ら
れる。すなわち、化学洗浄用薬品供給源64から炭酸塩
析出物を溶解する性質を有する化学洗浄用薬品を一体型
アノードガスリサイクル処理装置31内の洗浄手段51
に供給することにより、水や水蒸気で洗浄する場合に比
べて洗浄効果をさらに向上することができる。そして、
洗浄手段51に対して供給する化学洗浄用薬品の流量
を、洗浄用流体流量制御用バルブ61を用いて自動制御
で調節することにより、効率的に洗浄することができ
る。
【0173】[変形例]なお、本実施の形態において
は、一体型アノードガスリサイクル処理装置31内の洗
浄手段51に対して、炭酸塩析出物を溶解する性質を有
する化学洗浄用薬品を供給するように構成したが、化学
洗浄用薬品以外であっても、炭酸塩析出物を溶解あるい
は除去可能である限り、プラント内外の各種の供給源か
ら各種の洗浄用流体を洗浄手段51に供給することが可
能である。
【0174】[18.第18の実施の形態] [構成]図18は、本発明に係る第18の実施の形態と
して、請求項18に記載の発明を適用した一つの実施の
形態を示す図であり、特に、前記第17の実施の形態に
係るプラントにおいて、一体型アノードガスリサイクル
処理装置31内の洗浄手段51に対する洗浄用流体とし
て、プラント内の水または水蒸気と、化学洗浄用薬品と
を切り替え可能に構成した場合のシステム構成図であ
る。なお、図中において、図17と同一部分には同一符
号を付し、その説明は省略する。
【0175】すなわち、図18に示すように、本実施の
形態においては、一体型アノードガスリサイクル処理装
置31内の洗浄手段51に供給する洗浄用流体の供給源
として、プラント内で利用される水または水蒸気を供給
する燃料電池発電システム内洗浄流体供給系62と、プ
ラント外から化学洗浄用薬品を供給する化学洗浄用薬品
供給系65とが設けられている。そして、これらの供給
系62,65を洗浄用流体流量制御用バルブ61の上流
に選択的に接続して洗浄手段51に供給される洗浄用流
体を切り替えるための洗浄用流体切替え用三方弁(洗浄
用流体選択手段)66が設置されている。なお、他の部
分については、前記第17の実施の形態と全く同様に構
成されている。
【0176】[作用・効果]以上のように構成された本
実施の形態によれば、洗浄用流体切替え用三方弁66に
より、一つの洗浄手段51に対して、水または水蒸気と
化学洗浄用薬品の両方を同時にあるいは交互に供給した
り、またはいずれか一方を供給することができる。これ
により、例えば、一体型アノードガスリサイクル処理装
置31内をプラント運転中に洗浄する際、最初に化学洗
浄用薬品を洗浄用流体として供給し、その後にプラント
内の水または水蒸気で化学洗浄用薬品を洗い流す等の方
式の洗浄を行うことが可能となる。
【0177】このように、本実施の形態によれば、前記
第17の実施の形態と同様の作用・効果に加えて、プラ
ント運転中でも水または水蒸気と化学洗浄用薬品をその
供給タイミングも含めて自由に選択して容易に供給する
ことができるため、単に水または水蒸気のみを供給する
構成、あるいは化学洗浄用薬品のみを供給する構成に比
べて、一体型アノードガスリサイクル処理装置31内の
洗浄方式の選択範囲が広がり、状況に応じた洗浄を効率
よく行うことができる。したがって、プラントのメンテ
ナンス性の向上にさらに寄与することができる。
【0178】[変形例]なお、本実施の形態において
は、一体型アノードガスリサイクル処理装置31内の洗
浄手段51に対して、プラント内で利用される水または
水蒸気と、化学洗浄用薬品とを供給するように構成した
が、化学洗浄用薬品以外であっても、炭酸塩析出物を溶
解あるいは除去可能である限り、プラント内外の各種の
供給源から各種の洗浄用流体を、プラント内の水または
水蒸気と共に洗浄手段51に選択的に供給するように構
成することが可能である。また、プラント外で利用され
る水または水蒸気、あるいは他の流体を供給するように
構成することも可能であり、さらに、3種類以上の洗浄
用流体を適宜選択して供給するように構成することも可
能である。
【0179】[19.第19の実施の形態] [構成]図19は、本発明に係る第19の実施の形態と
して、請求項19に記載の発明を適用した一つの実施の
形態を示す図であり、特に、前記第18の実施の形態に
係るプラントにおいて、一体型アノードガスリサイクル
処理装置31内の気水分離器19から排出される流体の
送り先を水処理側と排出側に切り替え可能に構成した場
合のシステム構成図である。なお、図中において、図1
8と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略す
る。
【0180】すなわち、図19に示すように、本実施の
形態においては、一体型アノードガスリサイクル処理装
置31の気水分離器出口ノズル34から水処理装置8に
至るライン上に洗浄廃液切替え用三方弁67が設置され
ている。そして、この洗浄廃液切替え用三方弁(洗浄廃
液切替え手段)67によって、気水分離器19から排出
される流体の送り先を、水処理装置8とプラント外部へ
の排出ラインとの間で切り替えるように構成されてい
る。なお、他の部分については、前記第18の実施の形
態と全く同様に構成されている。
【0181】[作用・効果]以上のように構成された本
実施の形態によれば、プラントの運転中、停止中のいず
れにおいても、一体型アノードガスリサイクル処理装置
31内のアノード排ガス側の洗浄を行う際に、洗浄廃液
切替え用三方弁67を切り替えることにより、この一体
型アノードガスリサイクル処理装置31の気水分離器出
口ノズル34から排出される洗浄廃液を、プラント外部
に排出することができる。そのため、一体型アノードガ
スリサイクル処理装置31からの洗浄廃液が凝縮水に混
じって下流の水処理装置8に流入することを防止でき
る。また、洗浄を終了した後は、再び洗浄廃液切替え用
三方弁67を切り替えることにより、気水分離器出口ノ
ズル34からの凝縮水を水処理装置8に供給する。
【0182】このように、本実施の形態によれば、前記
第18の実施の形態と同様の作用・効果に加えて、一体
型アノードガスリサイクル処理装置31からの洗浄廃液
が下流の水処理装置8に流入することを防止できるた
め、水処理装置8の負荷を低減して、水処理装置8をコ
ンパクト化でき、その結果、プラント全体のコンパクト
化に寄与することができる。さらに、プラント運転中に
化学洗浄用薬品によって一体型アノードガスリサイクル
処理装置31を洗浄する場合にも、その洗浄廃液をプラ
ント外部に排出できるため、プラントのメンテナンス性
の向上にさらに寄与することができる。
【0183】[20.第20の実施の形態] [構成]図20は、本発明に係る第20の実施の形態と
して、請求項20に記載の発明を適用した一つの実施の
形態を示す図であり、特に、前記第18の実施の形態に
係るプラントにおいて、一体型アノードガスリサイクル
処理装置31内の炭酸塩析出物回収用パレット43の底
部から外部に洗浄廃液を排出できるように構成した場合
のシステム構成図である。なお、図中において、図18
と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0184】すなわち、図20に示すように、本実施の
形態においては、一体型アノードガスリサイクル処理装
置31内の一体型アノードガスリサイクル熱交換器21
において、その炭酸塩析出熱交換器部41の下方に設置
された炭酸塩析出物回収用パレット43には、この炭酸
塩析出物回収用パレット(炭酸塩析出物回収手段)43
に溜まった炭酸塩析出物および洗浄廃液を外部に排出す
るための炭酸塩析出廃液排出用ノズル(廃液排出手段)
68が設置されている。そして、この炭酸塩析出廃液排
出用ノズル68の先には、炭酸塩析出廃液排出用バルブ
69が取り付けられており、この炭酸塩析出廃液排出用
バルブ69にホース等を接続して洗浄廃液をプラント外
部に容易に排出できるように構成されている。なお、他
の部分については、前記第18の実施の形態と全く同様
に構成されている。
【0185】[作用・効果]以上のように構成された本
実施の形態によれば、前記第18の実施の形態と同様の
作用・効果に加えて、炭酸塩析出廃液排出用ノズル68
により、一体型アノードガスリサイクル処理装置31内
の炭酸塩析出熱交換器部41に溜まった炭酸塩析出物を
容易に外部に排出できる。したがって、プラント運転中
においても、炭酸塩析出熱交換器部41の下部の凝縮水
回収熱交換器部42に洗浄廃液中の炭酸塩析出物の影響
を及ぼすことなしに、炭酸塩析出熱交換器部41の良好
な洗浄を行うことができる。したがって、プラントのメ
ンテナンス性の向上にさらに寄与することができる。
【0186】[21.他の実施の形態]なお、本発明
は、前記各実施の形態に限定されるものではなく、他に
も多種多様な形態が実施可能である。例えば、一体型ア
ノードガスリサイクル熱交換器や一体型アノードガスリ
サイクル処理装置、およびその内部に配置される洗浄手
段の具体的な構成や配置は適宜選択可能である。また、
プラントの具体的なシステム構成についても、図示した
構成に限定されるものではなく、他の各種の機器や配管
が追加される場合や、あるいは図示した機器や配管が省
略される場合もあるが、いずれの場合にも、本発明を同
様に適用することにより、同様に優れた作用・効果が得
られるものである。
【0187】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アノードガスリサイクルラインに設置する機器類を一体
化して一体型アノードガスリサイクル熱交換器あるいは
一体型アノードガスリサイクル処理装置とすることによ
り、熱交換器とその配管を含めた排熱・水回収システム
の構成を小型・簡略化すると共に配管からの無駄な放熱
量を減少させることができるため、プラント効率の向上
やコンパクト化に寄与できる。
【0188】また、プラント運転中においてもアノード
ガスリサイクルラインに設置する熱交換器等の機器や配
管のアノード排ガス側を一括的に洗浄でき、プラント運
転に伴い熱交換器の性能が低下することを防止できると
共に、一体型アノードガスリサイクル熱交換器あるいは
一体型アノードガスリサイクル処理装置の下流の機器や
配管が腐食することを防止できる。
【0189】したがって、本発明によれば、コンパクト
で優れた効率を有し、しかも、機器や配管の信頼性に優
れ、水処理装置の負荷を低減可能な溶融炭酸塩型燃料電
池発電プラントを提供することができる。
【0190】さらに、洗浄手段としてスプレーノズルや
散布パレット等を設置し、洗浄用流体の流量を制御する
手段や洗浄廃液をプラント外部に排出する三方弁等を設
置することにより、プラントのメンテナンス性の向上に
寄与する溶融炭酸塩型燃料電池発電プラントを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における一体型アノ
ードガスリサイクル熱交換器を示す構成図。
【図2】本発明の第2の実施の形態における溶融炭酸塩
型燃料電池発電プラントを示すシステム構成図。
【図3】本発明の第3の実施の形態における一体型アノ
ードガスリサイクル処理装置を示す構成図。
【図4】本発明の第4の実施の形態における一体型アノ
ードガスリサイクル処理装置を示す構成図。
【図5】本発明の第5の実施の形態における一体型アノ
ードガスリサイクル処理装置の内部構造を示す図であ
り、(a)は斜視図、(b)は一部切欠き断面図。
【図6】本発明の第6の実施の形態における一体型アノ
ードガスリサイクル熱交換器を示す構成図。
【図7】本発明の第7の実施の形態における一体型アノ
ードガスリサイクル熱交換器を示す構成図。
【図8】本発明の第8の実施の形態における一体型アノ
ードガスリサイクル処理装置を示す構成図。
【図9】本発明の第9の実施の形態における一体型アノ
ードガスリサイクル処理装置を示す構成図。
【図10】本発明の第10の実施の形態における一体型
アノードガスリサイクル処理装置を示す構成図。
【図11】本発明の第11の実施の形態における一体型
アノードガスリサイクル処理装置を示す構成図。
【図12】本発明の第12の実施の形態における一体型
アノードガスリサイクル処理装置を示す構成図。
【図13】本発明の第13の実施の形態における一体型
アノードガスリサイクル処理装置を示す構成図。
【図14】本発明の第14の実施の形態における溶融炭
酸塩型燃料電池発電プラントを示すシステム構成図。
【図15】本発明の第15の実施の形態における溶融炭
酸塩型燃料電池発電プラントを示すシステム構成図。
【図16】本発明の第16の実施の形態における溶融炭
酸塩型燃料電池発電プラントを示すシステム構成図。
【図17】本発明の第17の実施の形態における溶融炭
酸塩型燃料電池発電プラントを示すシステム構成図。
【図18】本発明の第18の実施の形態における溶融炭
酸塩型燃料電池発電プラントを示すシステム構成図。
【図19】本発明の第19の実施の形態における溶融炭
酸塩型燃料電池発電プラントを示すシステム構成図。
【図20】本発明の第20の実施の形態における溶融炭
酸塩型燃料電池発電プラントを示すシステム構成図。
【図21】従来考案されている溶融炭酸塩型燃料電池発
電プラントの一例を示すシステム構成図。
【符号の説明】
1…燃料電池本体 1a…カソード極 1b…アノード極 2…改質器 2a…反応部 2b…燃焼部 3…膨脹タービン 4…圧縮機 5…発電機 6…燃料供給源 7…排熱回収ボイラー 8…水処理装置 9…アノードガスリサイクル系 10…カソードガスリサイクル系 11…炭酸ガスリサイクル系 12…アノード排ガス循環ブロワ 13…アノード排ガス凝縮熱交換器 14…カソード排ガス循環ブロワ 15…補助燃焼器 16…燃料予熱器 17…アノード排ガス予熱器 18…改質器燃焼空気予熱器 19…気水分離器 20…凝縮水冷却用熱交換器 21…一体型アノードガスリサイクル熱交換器 21a〜21e…熱交換器部 22…アノード排ガス入口 23…アノード排ガス出口 24…伝熱管 25…フィン 26…被加熱流体入口ノズル 27…被加熱流体出口ノズル 28…入口ヘッダ 29…出口ヘッダ 31…一体型アノードガスリサイクル処理装置 32…凝縮水回収エリミネータ 33…凝縮水出口ノズル 34…気水分離器出口ノズル 41…炭酸塩析出熱交換器部 42…凝縮水回収熱交換器部 43…炭酸塩析出物回収用パレット 44…パンチングメタル 45…点検蓋 51…洗浄手段 52…洗浄用流体供給用ヘッダ 53…スプレーノズル 54…散布用パレット 61…洗浄用流体流量制御用バルブ 62…燃料電池発電システム内洗浄流体供給系 63…洗浄用流体分岐流量調節三方弁 64…化学洗浄用薬品供給源 65…化学洗浄用薬品供給系 66…洗浄用流体切替え用三方弁 67…洗浄廃液切替え用三方弁 68…炭酸塩析出廃液排出用ノズル 69…炭酸塩析出廃液排出用バルブ

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融炭酸塩を電解質とする燃料電池と、
    燃料を改質して前記燃料電池本体のアノード極に供給す
    る改質器と、前記燃料電池本体に反応用酸化剤を供給す
    る酸化剤供給装置と、燃料電池本体のアノード極から排
    出されるアノード排ガスから保有熱と水とを回収しかつ
    冷却されたアノード排ガスを改質器の燃焼部に燃焼用ガ
    スとして供給するアノードガスリサイクルラインと、ア
    ノード排ガスから回収した凝縮水を水処理装置に供給す
    る凝縮水回収ラインを備えた溶融炭酸塩型燃料電池発電
    プラントにおいて、 前記アノードガスリサイクルラインに、複数の熱交換器
    部を一体化してなる一体型アノードガスリサイクル熱交
    換器が設置され、前記複数の熱交換器部は、前記燃料電
    池本体から排出されるアノード排ガスを流すアノード排
    ガス流路と、被加熱流体を個別に流す複数の被加熱流体
    流路から構成されたことを特徴とする溶融炭酸塩型燃料
    電池発電プラント。
  2. 【請求項2】 前記一体型アノードガスリサイクル熱交
    換器の前記複数の被加熱流体流路には、前記改質器に供
    給される燃料、冷却されたアノード排ガス、前記水処理
    装置で水処理された水または水蒸気、および前記燃料電
    池本体に供給される酸化剤、の中から選択された1以上
    の流体が流されるように構成されたことを特徴とする請
    求項1記載の溶融炭酸塩型燃料電池発電プラント。
  3. 【請求項3】 前記一体型アノードガスリサイクル熱交
    換器が、この一体型アノードガスリサイクル熱交換器か
    ら排出されたアノード排ガス中の水分とアノード排ガス
    とを分離する気水分離器とさらに一体化されて、一体型
    アノードガスリサイクル処理装置が構成されたことを特
    徴とする請求項1または2記載の溶融炭酸塩型燃料電池
    発電プラント。
  4. 【請求項4】 前記一体型アノードガスリサイクル熱交
    換器から排出されたアノード排ガス中の水分とアノード
    排ガスとを分離する気水分離器内に、この気水分離器か
    ら前記水処理装置へ供給される凝縮水を冷却する凝縮水
    冷却用熱交換器を設置したことを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれか1項に記載の溶融炭酸塩型燃料電池発電
    プラント。
  5. 【請求項5】 前記一体型アノードガスリサイクル熱交
    換器は、アノード排ガス上流側に設けられてアノード排
    ガスに含まれる炭酸塩を析出させるための炭酸塩析出熱
    交換器部と、この炭酸塩析出熱交換器部のアノード排ガ
    ス下流側に設けられてアノード排ガスに含まれる水蒸気
    を凝縮させるための凝縮水回収熱交換器部とから構成さ
    れ、 前記炭酸塩析出熱交換器部の下流側に炭酸塩析出物を回
    収するための炭酸塩析出物回収手段が設置されたことを
    特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の溶融
    炭酸塩型燃料電池発電プラント。
  6. 【請求項6】 前記一体型アノードガスリサイクル熱交
    換器は、アノード排ガス上流側に設けられてアノード排
    ガスに含まれる炭酸塩を析出させるための炭酸塩析出熱
    交換器部と、この炭酸塩析出熱交換器部のアノード排ガ
    ス下流側に設けられてアノード排ガスに含まれる水蒸気
    を凝縮させるための凝縮水回収熱交換器部とから構成さ
    れ、 前記炭酸塩析出熱交換器部を洗浄する洗浄手段が設置さ
    れたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に
    記載の溶融炭酸塩型燃料電池発電プラント。
  7. 【請求項7】 前記一体型アノードガスリサイクル熱交
    換器は、アノード排ガス上流側に設けられてアノード排
    ガスに含まれる炭酸塩を析出させるための炭酸塩析出熱
    交換器部と、この炭酸塩析出熱交換器部のアノード排ガ
    ス下流側に設けられてアノード排ガスに含まれる水蒸気
    を凝縮させるための凝縮水回収熱交換器部とから構成さ
    れ、 前記凝縮水回収熱交換器部を洗浄する洗浄手段が設置さ
    れたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に
    記載の溶融炭酸塩型燃料電池発電プラント。
  8. 【請求項8】 前記一体型アノードガスリサイクル熱交
    換器から排出されたアノード排ガス中の水分とアノード
    排ガスとを分離する気水分離器内に、この気水分離器内
    を洗浄する洗浄手段が設置されたことを特徴とする請求
    項1乃至7のいずれか1項に記載の溶融炭酸塩型燃料電
    池発電プラント。
  9. 【請求項9】 前記洗浄手段は、洗浄対象部に向けて洗
    浄用流体を散布するスプレーノズルを含むことを特徴と
    する請求項6乃至8のいずれか1項に記載の溶融炭酸塩
    型燃料電池発電プラント。
  10. 【請求項10】 前記洗浄手段は、洗浄対象部の上方に
    配置されて下方の洗浄対象部に対し複数の散布孔から洗
    浄用流体を散布する散布用パレットを含むことを特徴と
    する請求項6乃至9のいずれか1項に記載の溶融炭酸塩
    型燃料電池発電プラント。
  11. 【請求項11】 前記洗浄手段は、複数の洗浄対象部の
    各々に対して1以上配置された複数の洗浄手段であるこ
    とを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載
    の溶融炭酸塩型燃料電池発電プラント。
  12. 【請求項12】 前記洗浄手段に供給される洗浄用流体
    の流量を制御する流量制御手段が設置されたことを特徴
    とする請求項6乃至11のいずれか1項に記載の溶融炭
    酸塩型燃料電池発電プラント。
  13. 【請求項13】 前記洗浄手段は、首振り旋回機能、垂
    直移動機能、水平移動機能、の中から選択された1以上
    の可動機能を備えていることを特徴とする請求項6乃至
    12のいずれか1項に記載の溶融炭酸塩型燃料電池発電
    プラント。
  14. 【請求項14】 前記洗浄手段に供給される洗浄用流体
    は、水処理された水または水蒸気であることを特徴とす
    る請求項6乃至13のいずれか1項に記載の溶融炭酸塩
    型燃料電池発電プラント。
  15. 【請求項15】 前記洗浄手段に供給される洗浄用流体
    は、前記水処理装置で水処理されてボイラーあるいは熱
    交換器に供給される供給水、ボイラーあるいは熱交換器
    において加熱された水または水蒸気、およびプラント内
    に補給される補給水、の中から選択された1以上の流体
    を含むことを特徴とする請求項6乃至14のいずれか1
    項に記載の溶融炭酸塩型燃料電池発電プラント。
  16. 【請求項16】 前記洗浄手段にプラント内で利用され
    る水または水蒸気を供給するために、プラント内で利用
    される水または水蒸気ラインから分岐して洗浄用流体と
    して前記洗浄手段に供給する分岐点に、プラント内で利
    用される水または水蒸気ラインの流量と洗浄用流体の流
    量とを調節する分岐流量調節手段が設置されたことを特
    徴とする請求項6乃至15のいずれか1項に記載の溶融
    炭酸塩型燃料電池発電プラント。
  17. 【請求項17】 前記洗浄手段に供給される洗浄用流体
    は、炭酸塩析出物を溶解する性質を有する化学洗浄用薬
    品を含むことを特徴とする請求項6乃至16のいずれか
    1項に記載の溶融炭酸塩型燃料電池発電プラント。
  18. 【請求項18】 前記洗浄手段に供給される洗浄用流体
    として、異なる洗浄用流体を供給する複数の供給系が設
    置されると共に、前記洗浄手段に接続する供給系を選択
    して前記洗浄手段に供給する洗浄用流体を選択する洗浄
    用流体選択手段が設置されたことを特徴とする請求項6
    乃至17のいずれか1項に記載の溶融炭酸塩型燃料電池
    発電プラント。
  19. 【請求項19】 前記一体型アノードガスリサイクル熱
    交換器から排出されたアノード排ガス中の水分とアノー
    ド排ガスとを分離する気水分離器からの流体の送り先
    を、前記水処理装置とプラント外部の排出側のいずれか
    に切り替えるための洗浄廃液切替え手段が設置されたこ
    とを特徴とする請求項6乃至18のいずれか1項に記載
    の溶融炭酸塩型燃料電池発電プラント。
  20. 【請求項20】 前記一体型アノードガスリサイクル熱
    交換器は、アノード排ガス上流側に設けられてアノード
    排ガスに含まれる炭酸塩を析出させるための炭酸塩析出
    熱交換器部と、この炭酸塩析出熱交換器部のアノード排
    ガス下流側に設けられてアノード排ガスに含まれる水蒸
    気を凝縮させるための凝縮水回収熱交換器部とから構成
    され、前記炭酸塩析出熱交換器部の下流側に炭酸塩析出
    物を回収するための炭酸塩析出物回収手段が設置され、
    前記炭酸塩析出物回収手段から洗浄廃液を外部に排出す
    るための廃液排出手段が設置されたことを特徴とする請
    求項1乃至請求項19のいずれか1項に記載の溶融炭酸
    塩型燃料電池発電プラント。
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