JPH1186866A - 二次電池 - Google Patents

二次電池

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JPH1186866A
JPH1186866A JP9237405A JP23740597A JPH1186866A JP H1186866 A JPH1186866 A JP H1186866A JP 9237405 A JP9237405 A JP 9237405A JP 23740597 A JP23740597 A JP 23740597A JP H1186866 A JPH1186866 A JP H1186866A
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JP
Japan
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binder
active material
negative electrode
diffusion coefficient
positive electrode
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Application number
JP9237405A
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English (en)
Inventor
Hidekazu Okuno
英一 奥野
Yukihiro Sano
幸浩 佐野
Tokuichi Hosokawa
▲徳▼一 細川
Manabu Yamada
学 山田
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極活物質、負極活物質、および結着材を備
える二次電池において、放電負荷特性の低下を低減する
電極構成を提供する。 【解決手段】 正極活物質、負極活物質、及び結着材を
備える二次電池において、正極および負極の両活物質の
うち少なくとも一方の活物質表面の結着材の膜厚を15
nm以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正極活物質、負極
活物質、及びこれら活物質に含まれる結着材を備える二
次電池に関するものであり、例えば、リチウムイオン電
池等に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】正極活物質、負極活物質、およびこれら
活物質に含まれる結着材を備える二次電池としては、例
えばLiイオン二次電池がある。このLiイオン二次電
池は、高エネルギー密度であり、負極活物質にグラファ
イトを用いた場合には、放電に対し良好な電圧特性を示
す。この場合、正極及び負極に対するゲスト物質はL
i、Liイオンである。また、正極材料としては、Li
CoO2 、LiNiO2 、LiMnO2 、LiMn2
4 などを用い、負極活物質としては、グラファイトなど
のカーボン系を用いている。
【0003】そして、これら正、負極活物質は、有機結
着材によって電子の導電パスとなる集電体(Al、Cu
箔等)に保持されて電極を構成しているが、その有機結
着材としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を用
いている場合が多い。PVDFを用いたものとしては、
例えば、特開平2−68855号公報、特開平8−25
0127号公報に記載のものが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の結着材は、活物
質粒子が分散しないように活物質粒子同士を接合するも
の、いわゆるバインダとして、電極の結着性を維持する
役目を果たしている。そのため、例えばPVDFを結着
材に用いた電極の場合、PVDFが活物質の表面に付着
することは避けられない。
【0005】本発明者等は、結着材で結着された電極を
備える二次電池において、大容量化を目指して検討を進
めた。その結果、特に、活物質表面に付着した結着材の
膜厚が厚い場合には、ゲスト物質であるLiイオンの活
物質への出入りが阻害されるため、大電流(例えば、放
電電流4.5A)を流す高負荷での放電容量の低下(放
電負荷特性の低下)を引き起こすという問題が生じるこ
とがわかった。
【0006】そこで、本発明は上記点に鑑みて、正極活
物質、負極活物質、およびこれら活物質に含まれる結着
材を備える二次電池において、放電負荷特性の低下を低
減する電極構成を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、正極活物
質、負極活物質、およびこれら活物質に含まれる結着材
を備える二次電池において、電極構成として、活物質表
面に付着した結着材の膜厚に着目し、膜厚と放電負荷特
性との関係について検討した。その結果、ある膜厚以下
であれば、良好な放電負荷特性を実現できることがわか
った。
【0008】すなわち、請求項1記載の発明において
は、正極活物質、負極活物質、及びこれら活物質に含ま
れる結着材を備える二次電池において、両活物質のうち
少なくとも一方の活物質表面の結着材の膜厚を15nm
以下としたことを特徴とする。それによって、二次電池
の高負荷(例えば、放電電流4.5A)時において放電
容量を実用レベル(例えば70%以上)とでき、良好な
放電負荷特性が実現できる。
【0009】さらに、ゲスト物質の活物質への出入り度
合の指標として、結着材を有する電極のゲスト物質に対
する拡散係数Dに着目して実験検討を進め、良好な放電
負荷特性を実現する拡散係数Dを特定した。このような
特定の拡散係数Dを有する電極構成とすれば、負荷特性
を向上させた二次電池を提供できる。すなわち、請求項
2記載の発明のように、結着材を有する正極内のゲスト
物質に対する拡散係数Dが数式1の関係にあるもの、も
しくは、請求項3記載の発明のように、請求項2記載の
発明に加えて結着材を有する負極内のゲスト物質に対す
る拡散係数Dが数式2の関係にあるものにすれば、放電
において放電容量を80%以上とできる。
【0010】さらに、請求項4記載の発明のように、結
着材を有する正極内のゲスト物質に対する拡散係数Dが
数式3の関係にあるもの、もしくは、請求項5記載の発
明のように、請求項4記載の発明に加えて結着材を有す
る負極内のゲスト物質に対する拡散係数Dが数式4の関
係にあるものにすれば、放電において放電容量を90%
以上とできる。
【0011】また、請求項6記載の発明のように、結着
材を有する正極内のゲスト物質に対する拡散係数Dが数
式5の関係にあるもの、もしくは、請求項7記載の発明
のように、請求項6記載の発明に加えて結着材を有する
負極内のゲスト物質に対する拡散係数Dが数式6の関係
にあるものにすれば、充電において充電容量を80%以
上とできる。
【0012】さらに、請求項8記載の発明のように、結
着材を有する正極内のゲスト物質に対する拡散係数Dが
数式7の関係にあるもの、もしくは、請求項9記載の発
明のように、請求項8記載の発明に加えて結着材を有す
る負極内のゲスト物質に対する拡散係数Dが数式8の関
係にあるものにすれば、充電において充電容量を90%
以上とできる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明するが、本実施形態は、ゲスト物質としてLiイオ
ンを用いたLiイオン二次電池としたものである。本実
施形態は、例えば、携帯電話や携帯用パソコン等の携帯
機器に用いることができる。本実施形態の二次電池は、
正極が保持された正極集電体(例えば、アルミニウム
箔)と、負極が保持された負極集電体(例えば、銅箔)
とが、正極と負極を電気的に絶縁するためのセパレータ
(例えば、ポリエチレン多孔フィルム)を介して設けら
れた構成となっている。
【0014】正極は、主成分である正極活物質と、導電
材(カーボン等)と、バインダとしての結着材とから成
る。ここで、正極活物質としては、LiCoO2 、Li
NiO2 、LiMnO2 、LiMn24 、LiFeO
2 、LiCrO2 、LiTiO2 等のセラミック正極材
を用いることができる。また、負極は、主成分である負
極活物質と、バインダとしての結着材とからなる。ここ
で、負極活物質としては、MCMB(メソフェーズカー
ボンマイクロビーズ)の他に天然黒鉛、PIC(Pse
udo Isotropic Carbon)、FMC
(Fine Mosaic Carbon)、不定形炭
素、ポリアセン、高分子樹脂の焼成品、アモルファスコ
ートや窒化処理等の表面処理されたカーボン、金属添加
したカーボンの単体またはその混合体等を用いることが
できる。もちろん、Liをインターカレーションできる
材料であれば負極材料として使用できる。
【0015】また、上記の両極における結着材は、活物
質粒子が分散しないように活物質粒子同士を接合し、電
極の結着性を維持する役目を果たすとともに、電極を各
集電体に保持する役目も果たしている。この結着材とし
ては、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)の他にセルロ
ース、イミド系、SBR(スチレンブタジエンゴム)や
NBR(ニトリルブタジエンゴム)等のゴム系を使用で
きる。
【0016】そして、本実施形態においては、少なくと
も一方の電極において、高負荷(例えば、放電電流4.
5A)時の放電容量が良好(例えば70%)となるよう
に、活物質表面に付着した結着材の膜厚を調整される
か、もしくは、電極のLiイオン拡散係数Dが調整され
たものとなっている。また、両極の間には電解液が満た
されており、この電解液の溶媒としては、EC(炭酸エ
チル)、DEC(炭酸ジエチル)、DMC(炭酸ジメチ
ル)の他に、双極性非プロトン性溶媒、例えばPC(炭
酸プロピレン)、BC(炭酸ブチレン)、GLB(γ−
ブチルラクトン)、EMC(炭酸エチルメチル)等を使
用できる。また、電解液の溶質としては、LiPF6
他に、Li塩、例えば、LiBF4 、LiClO4 、L
iAsF6 、LiCF3 SO3 、Li(CF3 SO2
2 N、LiC4 9 SO3 等を使用できる。
【0017】次に、本実施形態を以下に示す実施例およ
び比較例に基づいて、さらに詳細に述べる。これら各例
は、負極における活物質表面の結着材膜厚を変えたもの
である。 (実施例) 負極活物質には平均粒径10μm、比表面
積3m2 /gのMCMB(メソフェーズカーボンマイク
ロビーズ)を、正極活物質には平均粒径10μm、比表
面積0.5m2 /gのLiCoO2 を用いた。結着材に
は、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)を用いた。負極
集電体には膜厚10〜20μmのCu箔、正極集電体に
は膜厚10〜20μmのAl箔を用いた。
【0018】本実施例の正極作製方法を述べる。2wt
%のPVDFをNMP(N−メチルピロリドン)に溶解
させた溶液と、2wt%のカーボンを導電材として加え
たLiCoO2 とを混合してペースト状にする。Al箔
にペーストを塗布し、室温にてプレスにより密度3.5
g/cm2 、膜厚80μmの電極とする。本実施例の電
解液は、溶媒として、PC(炭酸プロピレン):EC
(炭酸エチレン):DEC(炭酸ジエチル)=35:4
5:20を用いた。また、溶質のLi塩として、1mo
l/lのLiPF6 を用いた。
【0019】次に、本実施例の負極作製方法を述べる。
7.5wt%のPVDFと92.5wt%のMCMBを
NMPに溶解させる。NMPは合剤量に対して100w
t%程度とした。NMPを溶媒とした場合は、室温にて
溶解する。上記溶液を、Cu箔上に塗布し、80℃で1
5分間乾燥した後に密度1.5g/cm3 、膜厚80μ
mまで室温にてプレスする。
【0020】活物質表面の結着材膜厚は、活物質の比表
面積を用いて、活物質表面に均一に付着しているとして
求めた値とする。本実施例において、7.5wt%のP
VDF(密度1.78g/cm2 )と92.5wt%の
MCMB(比表面積3m2 /g)とから成る負極1gの
場合には、 活物質表面積=3×0.925=2.775m2 PVDF体積=0.075/1.78=0.042cm3 結着材膜厚=0.042×10-6/2.775=1.5×10-8m となり、負極活物質表面のPVDF膜厚は、15nmと
なる。
【0021】(比較例1) 本比較例1の負極作製方法
を述べる。10wt%のPVDFと90wt%のMCM
BをNMPに溶解させ、この溶液を、上記実施例と同様
に、Cu箔上に塗布し、乾燥、プレスを行い、密度1.
5g/cm3 、膜厚80μmとする。この場合、上記実
施例と同様の膜厚算出方法にて求めた負極活物質表面の
PVDF膜厚は、20nmである。
【0022】(比較例2) 本比較例2の負極作製方法
を述べる。30wt%のPVDFと70wt%のMCM
BをNMPに溶解させ、この溶液を、上記実施例と同様
に、Cu箔上に塗布し、乾燥、プレスを行い、密度1.
5g/cm3 、膜厚80μmとする。この場合、上記実
施例と同様の膜厚算出方法にて求めた負極活物質表面の
PVDF膜厚は、60nmである。
【0023】上記実施例と比較例1および2での負極の
Liイオン拡散係数Dを電流パルス緩和法(電流パルス
緩和法については、内田 隆、脇原 将孝著:電気科学
65、No.1、p21、1997)にて測定した。
電流パルス緩和法の原理を図1に示す。Li金属(φ1
5mm)1と被測定電極(φ15mm)5を用い、セパ
レータを介して加圧セルを作製した。被測定電極5は、
集電体4表面に形成されている。
【0024】ここで、パルス電流印加装置2により例え
ば、0.5mA/cm2 、10sec程度の電流パルス
を加圧セルに印加すると、被測定電極表面に過剰なLi
イオンが蓄積して、被測定電極5表面にLiイオン蓄積
層3を形成し、急激な電圧変化を生ずる。電流パルスを
止めると、Liイオンが電極5内に拡散して、蓄積層3
が無くなり電圧が定常状態まで変化する。この電圧変化
(電極5の経時的な電位変化)を電圧計6にて測定する
ことにより、電極5へのLiイオン拡散係数Dが測定で
きる。Liイオン拡散係数Dの計算は、下記の数式9を
用いて行った。
【0025】
【数9】
【0026】 但し、VM :電極のモル体積 dE/dx:開路電圧−組成(x)曲線のLi組成xに
おける傾き i:電流(A) τ:電流パルスの継続時間(s) n:反応に関与する電子の個数 F:ファラデー常数(C/m) a:電極面積(cm2 ) ΔE:電位変化 t:時間 である。
【0027】なお、本実施形態において、上記のパルス
電流印加装置2としては、ファンクションジェネレータ
(北斗電工(株)製 HB−105)を使用し、電圧計
6としては、ポテンショスタット(北斗電工(株)製H
A−501G)を使用した。このようにして求めた実施
例、比較例1および比較例2での満充電状態からの放電
時の拡散係数Dは、各々2.0×10-14 2 /se
c、1.6×10-142 /secおよび1.0×10
-14 2 /secとなった。放電時における負極活物質
表面の結着材膜厚と拡散係数Dとの関係を図2に示す。
これから、結着材膜厚が薄くなるほど拡散係数Dが大き
くなることがわかる。
【0028】ここで、電極の拡散係数Dと電池容量との
関係をシミュレーションによって求めた結果を図3〜図
6に示す。電池としては、各々17枚の正極(例えば、
正極面積387cm2 =3.70cm×3.08cm×
17枚×2)と負極(例えば、負極面積422cm2
3.90cm×3.18cm×17枚×2)とからなる
電池を想定している。
【0029】図3に放電時の負極内のゲスト物質に対す
る拡散係数と放電容量の関係を、図4に放電時の正極内
のゲスト物質に対する拡散係数と放電容量の関係を示し
た。また、図5に充電時の正極内のゲスト物質に対する
拡散係数と放電容量の関係を、図6に充電時の負極内の
ゲスト物質に対する拡散係数と放電容量の関係を示し
た。
【0030】上記の実施例および比較例1を、図3に示
す関係に当てはめてみると、負極に対する電流密度が1
0.7mA/cm2 (放電電流4.5A)での放電容量
は、比較例1では50%であったが、実施例では70%
となり、活物質表面に付着するPVDF量を制御するこ
とで放電容量が改善できることが確認できる。従って、
放電電流密度10.7mA/cm2 で、目標(実用レベ
ル)である放電容量70%を達成するためには、図3か
ら、負極内でのLiイオン拡散係数Dを2.0×10
-14 2 /sec以上にする必要があり、図2から、負
極活物質表面を被覆する結着材膜厚は15nm以上とす
る必要がある。
【0031】また、例えば、図3、図4より、負極に対
して17.8mA/cm2 かつ正極に対して19.4m
A/cm2 での放電において、90%以上の放電容量が
得られるためには、負極内のゲスト物質に対する拡散係
数を8.86×10-14 2/sec以上、正極内のゲ
スト物質に対する拡散係数を4.33×10-13 2
sec以上とすれば良いことがわかる。
【0032】このように、図3〜図6の各図において、
放電容量または充電容量の所定値以上を満足するための
拡散係数D(m2 /sec)を各電流密度i(mA/c
2)について求め、拡散係数Dと電流密度iとの関係
をプロットした。その結果を、グラフとして図7〜図1
0に示す。図7は、図3に基づいて求めたもので、放電
時の負極電流密度iと、放電容量80%または90%を
満足するための負極内の拡散係数Dとの関係を示すもの
である。図7において、放電容量80%の場合の各点を
滑らかに結ぶ(図7中、破線)ように近似すると下記の
数式10が得られ、また放電容量90%の場合の各点を
滑らかに結ぶ(図7中、実線)ように近似すると下記の
数式11が得られた。
【0033】
【数10】 D=1.16×10-14 ×exp(0.0727×i)
【0034】
【数11】 D=1.89×10-14 ×exp(0.0779×i) 図8は、図4に基づいて求めたもので、放電時の正極電
流密度iと、放電容量80%または90%を満足するた
めの正極内の拡散係数Dとの関係を示すものである。図
7と同様に近似すると、放電容量80%の場合(図8
中、破線)に下記数式12、また放電容量90%の場合
(図8中、実線)に下記数式13が得られた。
【0035】
【数12】 D=1.00×10-14 ×i+1.03×10-14
【0036】
【数13】 D=2.03×10-14 ×i+1.84×10-14 図9は、図5に基づいて求めたもので、充電時の正極電
流密度iと、充電容量80%または90%を満足するた
めの正極内の拡散係数Dとの関係を示すものである。図
7と同様に近似すると、充電容量80%の場合(図9
中、破線)に下記数式14、また充電容量90%の場合
(図9中、実線)に下記数式15が得られた。
【0037】
【数14】 D=1.11×10-14 ×exp(0.0684×i)
【0038】
【数15】 D=1.90×10-14 ×exp(0.0714×i) 図10は、図6に基づいて求めたもので、充電時の負極
電流密度iと、充電容量80%または90%を満足する
ための負極内の拡散係数Dとの関係を示すものである。
図7と同様に近似すると、充電容量80%の場合(図1
0中、破線)に下記数式16、また充電容量90%の場
合(図10中、実線)に下記数式17が得られた。
【0039】
【数16】 D=1.09×10-14 ×i+9.85×10-15
【0040】
【数17】 D=2.22×10-14 ×i+1.34×10-14 このように、数式10(負極)および数式12(正極)
のDは、放電において80%容量が得られる拡散係数で
あり、数式11(負極)および数式13(正極)のD
は、放電において90%容量が得られる拡散係数であ
る。
【0041】また、数式14(正極)および数式16
(負極)のDは、充電において80%容量が得られる拡
散係数であり、数式15(正極)および数式17(負
極)のDは、充電において90%容量が得られる拡散係
数である。従って、容量80%以上を満足する拡散係数
Dは、数式10、数式12、数式14および数式16に
おいて、それぞれ、左辺D≧右辺(つまり、図7〜図1
0において破線より上側の領域)となるものであればよ
い。また、容量90%以上を満足する拡散係数Dは、数
式11、数式13、数式15および数式17において、
それぞれ、左辺D≧右辺(つまり、図7〜図10におい
て実線より上側の領域)となるものであればよい。
【0042】また、二次電池での負荷特性は、電極内部
でのゲスト物質の拡散係数により決まるため、放電にお
いては数式10(負極)および数式12(正極)の拡散
係数Dの組み合わせにおいて80%容量が得られ、数式
11(負極)および数式13(正極)の拡散係数Dの組
み合わせにおいて90%容量が得られる。従って、放電
に関して、90%容量が得られる数式11(負極)と8
0%容量が得られる数式12(正極)との拡散係数Dの
組み合わせでは、80%容量しか得られない。
【0043】ここで、正極単独で特定の拡散係数D(例
えば、上記数式12〜15のD)を有するものは、例え
ば対極として負極にLi金属(またはLi合金)を用い
れば、充電もしくは放電容量が80%あるいは90%が
得られる。一方、負極単独で特定の拡散係数D(例え
ば、上記数式10、11、16、17)を有するもの
は、上記の特定の拡散係数Dを有する正極とのコンビネ
ーションで充電もしくは放電容量が80%あるいは90
%が得られる。
【0044】ところで、本実施形態においては、正極ま
たは負極に用いられる結着材の付着量を制御して、結着
材の膜厚を15nm以下にすることにより、結着材への
電解液の膨潤が容易となり、活物質表面でLiイオンが
インターカレート、デインターカレートしやすくなり、
電極内での拡散係数を高くすることができる。また、本
実施形態によれば、上述のように、二次電池の電極構成
において拡散係数Dが、上記数式10〜数式17に掲げ
る各所定値以上であれば、高放電容量を実現できる。そ
のため、結着材の膜厚を指標としなくとも、拡散係数D
を指標とすることで、負荷特性を向上させた二次電池を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電極拡散係数の測定方法としての電流パルス緩
和法の原理を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態における放電時の負極活物質
表面の結着材膜厚と拡散係数との関係を示すグラフであ
る。
【図3】上記実施形態における放電時の負極内のゲスト
物質に対する拡散係数と放電容量の関係を示すグラフで
ある。
【図4】上記実施形態における放電時の正極内のゲスト
物質に対する拡散係数と放電容量の関係を示すグラフで
ある。
【図5】上記実施形態における充電時の正極内のゲスト
物質に対する拡散係数と放電容量の関係を示すグラフで
ある。
【図6】上記実施形態における充電時の負極内のゲスト
物質に対する拡散係数と放電容量の関係を示すグラフで
ある。
【図7】上記実施形態における放電時の負極電流密度と
放電容量80%または90%を満足するための拡散係数
との関係を示すグラフである。
【図8】上記実施形態における放電時の正極電流密度と
放電容量80%または90%を満足するための拡散係数
との関係を示すグラフである。
【図9】上記実施形態における充電時の正極電流密度と
放電容量80%または90%を満足するための拡散係数
との関係を示すグラフである。
【図10】上記実施形態における充電時の負極電流密度
と放電容量80%または90%を満足するための拡散係
数との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…Li金属、2…パルス電流印加装置、3…Liイオ
ン蓄積層、4…集電体、5…被測定電極、6…電圧計。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 学 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質、負極活物質、及びこれら活
    物質に含まれる結着材を備える二次電池において、前記
    両活物質のうち少なくとも一方の活物質表面の結着材の
    膜厚を15nm以下としたことを特徴とする二次電池。
  2. 【請求項2】 正極活物質、負極活物質、及びこれら活
    物質に含まれる結着材を備える二次電池において、結着
    材を有する正極内のゲスト物質に対する拡散係数D(m
    2 /sec)が、下記数式1の関係にあることを特徴と
    する二次電池。 【数1】 D≧1.00×10-14 ×i+1.03×10-14 (iは電流密度(mA/cm2 ))
  3. 【請求項3】 結着材を有する負極内のゲスト物質に対
    する拡散係数D(m 2 /sec)が、下記数式2の関係
    にあることを特徴とする請求項2に記載の二次電池。 【数2】 D≧1.16×10-14 ×exp(0.0727×i) (iは電流密度(mA/cm2 ))
  4. 【請求項4】 正極活物質、負極活物質、及びこれら活
    物質に含まれる結着材を備える二次電池において、結着
    材を有する正極内のゲスト物質に対する拡散係数D(m
    2 /sec)が、下記数式3の関係にあることを特徴と
    する二次電池。 【数3】 D≧2.03×10-14 ×i+1.84×10-14 (iは電流密度(mA/cm2 ))
  5. 【請求項5】 結着材を有する負極内のゲスト物質に対
    する拡散係数D(m 2 /sec)が、下記数式4の関係
    にあることを特徴とする請求項4に記載の二次電池。 【数4】 D≧1.89×10-14 ×exp(0.0779×i) (iは電流密度(mA/cm2 ))
  6. 【請求項6】 正極活物質、負極活物質、及びこれら活
    物質に含まれる結着材を備える二次電池において、結着
    材を有する正極内のゲスト物質に対する拡散係数D(m
    2 /sec)が、下記数式5の関係にあることを特徴と
    する二次電池。 【数5】 D≧1.11×10-14 ×exp(0.0684×i) (iは電流密度(mA/cm2 ))
  7. 【請求項7】 結着材を有する負極内のゲスト物質に対
    する拡散係数D(m 2 /sec)が、下記数式6の関係
    にあることを特徴とする請求項6に記載の二次電池。 【数6】 D≧1.09×10-14 ×i+9.85×10-15 (iは電流密度(mA/cm2 ))
  8. 【請求項8】 正極活物質、負極活物質、及びこれら活
    物質に含まれる結着材を備える二次電池において、結着
    材を有する正極内のゲスト物質に対する拡散係数D(m
    2 /sec)が、下記数式7の関係にあることを特徴と
    する二次電池。 【数7】 D≧1.90×10-14 ×exp(0.0714×i) (iは電流密度(mA/cm2 ))
  9. 【請求項9】 結着材を有する負極内のゲスト物質に対
    する拡散係数D(m 2 /sec)が、下記数式8の関係
    にあることを特徴とする請求項8に記載の二次電池。 【数8】 D≧2.22×10-14 ×i+1.34×10-14 (iは電流密度(mA/cm2 ))
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030006745A (ko) * 2001-07-14 2003-01-23 주식회사 뉴턴에너지 리튬-황 전지용 양극 및 그 제조 방법
KR100467704B1 (ko) * 2002-10-26 2005-01-24 삼성에스디아이 주식회사 리튬 전지 애노드용 활물질 조성물, 이로부터 제조된애노드 극판 및 상기 극판을 포함하는 리튬 전지
JP2015525437A (ja) * 2012-05-25 2015-09-03 ネグゼオン・リミテッドNexeon Ltd 複合粒子
CN106992318A (zh) * 2017-04-17 2017-07-28 广西卓能新能源科技有限公司 一种锂离子动力电池及其制备方法

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