JPH1186856A - 電池、非水二次電池およびポリマー電池 - Google Patents

電池、非水二次電池およびポリマー電池

Info

Publication number
JPH1186856A
JPH1186856A JP9268120A JP26812097A JPH1186856A JP H1186856 A JPH1186856 A JP H1186856A JP 9268120 A JP9268120 A JP 9268120A JP 26812097 A JP26812097 A JP 26812097A JP H1186856 A JPH1186856 A JP H1186856A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery
rock salt
electrode
weight
vanadium oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9268120A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Kahata
利幸 加幡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP9268120A priority Critical patent/JPH1186856A/ja
Publication of JPH1186856A publication Critical patent/JPH1186856A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 重負荷放電時にも高いエネルギー密度を有す
る、岩塩型バナジウム酸化物を活物質とする電極を備え
た電池を提供する。 【解決手段】 粒子径が0.1〜25μmで、かつイオ
ンを含有する岩塩型バナジウム酸化物と、V2 5 ,V
3 8 の少なくとも一方とを混合した混合物を活物質と
して電極を作製する。実施例では、粒子径0.3〜3μ
mの岩塩型Ca22 7 75重量部、V2 5 15重
量部、アセチレンブラック2重量部、グラファイト3重
量部および、ポリフッ化ビニリデン5重量部を混合し、
これにN−メチルピロリドンを混合してペースト状に
し、アルミニウム箔上に塗布・乾燥して正極を作製し
た。負極にリチウムを、セパレータにポリプロピレン微
多孔フィルムをそれぞれ用い、さらに電解液としてLi
N(CF3 SO2 2 の非水溶媒溶液を用いてコイン型
電池を作製した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、岩塩型バナジウム
酸化物を活物質とする電極を備えた電池に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化、軽量化の進歩
には目覚ましいものがあり、とりわけOA分野において
は、デスクトップ型からラップトップ、ノートブック型
へと小型化、軽量化している。加えて、電子手帳、電子
スチルカメラなどの新しい小型電子機器の分野も出現
し、さらには従来のハードディスク、フロッピーディス
クの小型化に加えてメモリーカードの開発が進められて
いる。このような電子機器の小型化、軽量化の波の中
で、これらの電力を支える電池にも高エネルギー密度、
高出力等の高性能化が要求されている。
【0003】電池の形状においても、従来からある円筒
形のものから、機器の形状に合わせることができる角型
電池が種々開発され、発売されている。電池の種類にお
いても、従来からあるニッケルカドミウム電池、鉛電池
から、より高エネルギー密度のニッケル水素電池、リチ
ウムイオン電池、リチウム電池の開発がなされている。
特に、リチウムイオン電池、リチウム電池は高い電圧及
び高いエネルギー密度を有している。電池への更なる高
エネルギー密度化の要求は大きく、高エネルギー密度の
活物質の開発が要望されている。第37回電池討論会予
稿集、p.149〜150(1996)には、岩塩型の
バナジウム酸化物が潜在的に高エネルギーを持つことが
報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この活
物質は低電流での充放電では高いエネルギー密度を示す
が、実用的な電流で放電を行うと、放電容量が極端に低
下してしまう欠点があった。また、この活物質は、負極
にリチウムを用いた場合、放電電圧は本質的には2.5
V付近であるが、重負荷放電では放電電圧は2V以下と
なるため、Wh容量は更に低下してしまう。さらに、サ
イクル特性も充分ではなく、電池への実用化は困難であ
った。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、その目的は、岩塩型バナジウム酸化物を活物質とす
る電極を備えた電池において、重負荷放電時にも高いエ
ネルギー密度を有する電池を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、岩塩型バ
ナジウム酸化物を用いた電池の上記欠点をなくすため、
岩塩型バナジウム酸化物を用いた電極について鋭意検討
を行ったところ、活物質としての岩塩型バナジウム酸化
物は、粒子径が大きな粒子を多く含むほど性能が悪くな
ることを見出し、さらに検討を重ねた結果、この電極活
物質の粒子径を0.1〜25μmとすることにより、重
負荷放電時の放電容量の低下および、放電電圧の低下が
大幅に減少することを確認し、本発明に到った。
【0007】すなわち、請求項1に記載の発明は、岩塩
型バナジウム酸化物を活物質とする電極を備えた電池に
おいて、岩塩型バナジウム酸化物の粒子径が0.1〜2
5μmであることを特徴とする電池である。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1におい
て岩塩型バナジウム酸化物が、活物質としてV2 5
よび/またはV3 8 を含有していることを特徴とする
電池である。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項2におい
て岩塩型バナジウム酸化物がイオンを含有しており、か
つ岩塩型バナジウム酸化物と、これに含有されたV2
5 および/またはV3 8 との重量比が99.5:0.
5〜60:40であることを特徴とする電池である。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1,2ま
たは3において岩塩型バナジウム酸化物が、結晶構造中
にアルカリ土類金属を含有するバナジウム酸化物である
ことを特徴とする電池である。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項1,2,
3または4に記載の構成要件からなることを特徴とする
非水二次電池である。
【0012】請求項6に記載の発明は、請求項1,2,
3,4または5に記載の電池がポリマー電池であって、
電解質に高分子固体電解質を用いたものであることを特
徴とするポリマー電池である。
【0013】請求項7に記載の発明は、請求項6におい
て、高分子固体電解質がゲル状高分子固体電解質である
ことを特徴とするポリマー電池である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。岩塩型バナジウム酸化物の粒子径は0.1〜25
μmとするが、0.2〜20μmが好ましく、0.2〜
12μmが更に好ましい。粒子径が25μmを超える
と、重負荷放電時の放電容量、放電電圧のいずれも低下
するため好ましくない。また、粒子径が0.1μm未満
では電極を作製し、充放電を繰り返すうちに、この酸化
物が電極から脱離しやすくなり、最悪の場合にはセパレ
ータを通過し、負極に達してしまう可能性が高くなるた
め好ましくない。
【0015】本発明の電池では、岩塩型バナジウム酸化
物を用いた電極を作製する場合、この酸化物にV
2 5 ,V3 8 の少なくとも一方を混合することが好
ましく、これにより電極特性が向上する。V2 5 およ
び/またはV3 8 を混合した岩塩型バナジウム酸化物
により電極を作製した場合に電極特性が向上する理由は
明らかではないが、V2 5 ,V3 8 では重負荷放電
時の性能が低負荷放電時とあまり変わらないため、これ
らの酸化物が岩塩型バナジウム酸化物の充放電に、何ら
かの補助的作用を及ぼしているものと考えられる。
【0016】岩塩型バナジウム酸化物と、V2 5 およ
び/またはV3 8 との混合物におけるこれらの混合割
合(重量比)は、 〔岩塩型バナジウム酸化物〕:〔V2 5 および/また
はV3 8 〕=99.5:0.5〜60:40とするこ
とが好ましい。上記混合物中のV2 5 および/または
3 8 割合が0.5重量%未満では、これらを混合し
た効果があがらず、重負荷放電時に電極性能の低下が見
られるため好ましくない。また、上記割合が40重量%
を超えると、電極のエネルギー密度が低下し好ましくな
い。
【0017】本発明に係る岩塩型バナジウム酸化物とし
ては、その結晶構造中にCa,Mg,Sr,Ba等のア
ルカリ土類金属や、Zn,Mn,Pb等の遷移金属を含
有したものが例示でき、中でもアルカリ土類金属が好ま
しく、さらにCa,Mgを含有したバナジウム酸化物は
エネルギー密度が高いので特に好ましい。
【0018】本発明の岩塩型バナジウム酸化物を用いた
電極のエネルギー密度は、従来の電極に比べて大変高い
ため、一次電池、二次電池のどちらにも応用可能である
が、エネルギー環境を考慮すると二次電池への応用が好
ましい。本発明の岩塩型バナジウム酸化物を用いた電極
は正極、負極のどちらにも応用可能であり、放電電圧が
3V以上の電極と組み合わせる場合には負極として用
い、放電電圧が2V以下の電極と組み合わせる場合には
正極として使用することができる。
【0019】本発明の岩塩型バナジウム酸化物を用いた
電極を負極に用いた場合の正極活物質としてはCo
2 ,NiO2 ,TiO2 ,V2 5 ,Cr2 3 ,F
2 (SO4 3 ,Fe2 (MoO2 3 ,Fe2 (W
2 3 ,LiCoO2 ,LiNiO2 ,LiMn2
4 等の遷移金属カルコゲン化合物、ポリアセチレン、ポ
リピロール、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェ
ン、ポリカルバゾール、ポリアズレン、ポリジフェニー
ルベンジジン等の導電性高分子、炭素体および、これら
の活物質の混合物あるいは複合体が例示できる。これら
の中では、電池電圧を高くすることができるLiCoO
2 ,LiNiO2 ,LiMn2 4 が最も好ましい。
【0020】本発明の岩塩型バナジウム酸化物を用いた
電極を正極に用いた場合の負極活物質としてはLi,N
a,K等のアルカリ金属、Zn,Ag等の遷移金属、L
iとAl,Si,Pb等の金属とのリチウム合金、Sn
2 ,SnO,TiO2 ,NbO2 等の金属酸化物、ポ
リアセチレン、ポリポラフェニレン、ポリチオフェン、
ポリアルキルチオフェン、ポリピリジン等の導電性高分
子および、天然黒鉛や石炭コークス、石油コークス、有
機化合物を原料とした熱分解炭素、天然高分子および合
成高分子を焼成することにより得られる炭素体等の炭素
材料ならびに、これらの活物質の混合物あるいは複合体
が用いられる。これらの中では、作製する電池の電圧を
考慮すると、アルカリ金属、上記Li合金および炭素材
料が好ましく、またサイクル寿命、エネルギー密度の点
では炭素材料が最も好ましい。
【0021】本発明の電池では、電解質として電解液あ
るいは固体電解質を用いることができる。固体電解質は
電解液の液漏れを完全になくすことができる。電解液を
用いた電池では、溶媒として水あるいは、非水溶媒が用
いられる。ただし、非水溶媒の多くは高沸点であるた
め、液漏れが起きると電解液は蒸発することなく、機器
内に流動してゆき、電気回路を短絡させ機器の故障原因
になったり、可燃性の電解液が燃焼して火災につながっ
たりする危険性がある。一方、固体電解質は、電解液の
場合と違って液漏れが発生しない点で大変好ましい。固
体電解質としては無機系、高分子系のものが挙げられる
が、室温付近でのイオン伝導度および、充放電に対する
電極の体積変化を吸収することができる点で高分子固体
電解質が好ましい。
【0022】本発明の電池に用いる電解質塩としては、
通常の電池に用いることができるものであれば特に制限
はなく、LiBR4 (Rはフェニル基、アルキル基)、
LiPF6 ,LiSbF6 ,LiAsF6 ,LiB
4 ,LiClO4 ,LiCF3SO3 ,LiN(CF
3 SO2 2 ,LiC(CF3 SO2 3 ,LiN(C
25 SO2 2 ,LiAlCl4 ,リチウムテトラキ
ス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボ
レート等の単独あるいは混合物を例示することができ
る。これらのうちではLiPF6 ,LiBF4 ,LiN
(CF3 SO2 2 ,LiN(C2 5 SO2 2 がイ
オン伝導性、安全性等の点で好ましい。
【0023】本発明に用いる溶媒としては水、カーボネ
ート溶媒(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネ
ート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート等)、アミド溶媒(N−メチ
ルホルムアミド、N−エチルホルムアミド等)、ラクト
ン溶媒(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ
−バレロラクトン、3−メチル−1,3−オキサゾリジ
ン−2−オン等)、アルコール溶媒(エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソ
ルブ、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、ジグリセリン、ポリオキ
シアルキレングリコール、シクロへキサンジオール、キ
シレングリコール等)、エーテル溶媒(メチラール、
1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタ
ン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、アルコキシポ
リアルキレンエーテル等)、ニトリル溶媒(ベンゾニト
リル、アセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル
等)、燐酸類及び燐酸エステル溶媒(正燐酸、メタ燐
酸、ピロ燐酸、ポリ燐酸、亜燐酸、トリメチルホスフェ
ート等)、2−イミダゾリジノン類(1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン等)、ピロリドン類、スルホラ
ン溶媒(スルホラン、テトラメチレンスルホラン等)、
フラン溶媒(テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒ
ドロフラン、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラ
ン)、ジオキソラン、ジオキサン、ジクロロエタン等の
単独あるいは2種以上の混合溶媒が使用できる。これら
のうち好ましいのはカーボネート類、エーテル類、フラ
ン溶媒である。
【0024】本発明のポリマー電池では、必要によりセ
パレータを用いることができる。セパレータとしては例
えばガラス、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリテトラフルオロエチレン等から選んだ1種類
または2種類以上の材質からなる不織布または織布が挙
げられる。なお、本発明のポリマー電池は偏平型、コイ
ン型、角型、円筒型など種々の形態をとることができ
る。
【0025】本発明の固体電解質では、無機系固体電解
質としてAgCl,AgBr,AgI,LiIなどの金
属ハロゲン化物、RbAg4 4 ,RbAg4 4 CN
等が挙げられる。高分子固体電解質としては、ポリエチ
レンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフッ
化ビニリデン、ポリアクリルアミド等をポリマーマトリ
ックスとして電解質塩をポリマーマトリックス中に溶解
した複合体、あるいはこれらのゲル架橋体、低分子量ポ
リエチレンオキサイド、クラウンエーテル等のイオン解
離基をポリマー主鎖にグラフト化した高分子固体電解
質、あるいは高分子量重合体に電解液を含有させたゲル
状高分子固体電解質を挙げることができるが、特にゲル
状高分子固体電解質はイオン伝導度が高く、電極との界
面抵抗を小さくすることができ好ましい。
【0026】ゲル状高分子固体電解質は、重合性モノマ
ーを重合させた重合体と、電解質塩および非水溶媒から
なる電解液とから構成される。本発明に用いるゲル状固
体電解質を構成するための重合性モノマーとしては、分
子内に酸素原子、窒素原子、イオウ原子などの、炭素以
外のヘテロ原子を含むものである。これらのヘテロ原子
を含有する重合性化合物に電解質塩を溶解させるか、あ
るいは重合性化合物を非水電解液に溶解させ、重合反応
させて得られる固体電解質において、その炭素以外のヘ
テロ原子は、電解質塩のイオン化を促進し、固体電解質
のイオン伝導性を向上させるとともに、固体電解質の強
度を向上させる働きもあると考えられる。
【0027】また、本発明で用いる重合性化合物の種類
は、特に制約されず、これには熱重合及び活性光線重合
などの重合反応を生起させて得るものが包含されるが、
特に活性光線による光重合性を示すものが好ましい。熱
重合反応としては、ウレタン化反応の他、エポキシ基や
アクリレート基による重合反応等が挙げられるが、ウレ
タン化反応が好ましい。また活性光線重合反応として
は、不飽和カルボン酸エステル、ポリエン/ポリチオー
ル混合物及び架橋性マクロマー(有機シラン、ポリイソ
チアナフテン等)による重合反応が挙げられるが、好ま
しくは不飽和カルボン酸エステル、ポリエン/ポリチオ
ール混合物による反応である。
【0028】以下、特に電解液中の重合反応として優れ
ている不飽和カルボン酸エステルの重合反応、ポリエン
/ポリチオール混合物の重合反応、ポリウレタン化反応
について詳述する。なお、本明細書における(メタ)ア
クリレートは、アクリレート又はメタアクリレートを意
味し、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基又は
メタアクリロイル基を意味する。
【0029】本発明の固体電解質を得るための非水電解
液中における重合反応は、電解質の熱分解を避けるため
に、低温プロセスである活性光線重合反応が好ましい。
活性光線重合性化合物としては(メタ)アクリレート
や、ポリエンとポリチオールとの組合せ等が挙げられ
る。(メタ)アクリレートとしては単官能及び多官能の
(メタ)アクリレートが挙げられる。単官能アクリレー
トとしては、アルキル(メタ)アクリレート[メチル
(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等]、脂環式
(メタ)アクリレート[テトラヒドロフルフリル(メ
タ)アクリレート等]、ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート[ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキ
シプロピルアクリレート等]、ヒドロキシポリオキシア
ルキレン(オキシアルキレン基の炭素数は好ましくは1
〜4)(メタ)アクリレート[ヒドロキシポリオキシエ
チレン(メタ)アクリレート、ヒドロキシポリオキシプ
ロピレン(メタ)アクリレート等]及びアルコキシ(ア
ルコキシ基の炭素数は好ましくは1〜4)(メタ)アク
リレート[メトキシエチルアクリレート、エトキシエチ
ルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等]が
挙げられる。多官能(メタ)アクリレートの例として
は、UV、EB硬化技術((株)総合技術センター発
行)142頁〜152頁記載の光重性モノマー及び光重
合性プレポリマーのうち3官能以上のモノマー、プレポ
リマー[トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールへキサ(メタ)アクリレー
ト等が好ましい。
【0030】アクリレートのうち、一般式が下記[化
1]で表わされる分子量500未満の化合物及び、一般
式が[化2]で示される構造のものが特に好ましい。
【0031】
【化1】 (式中、R1 は水素原子又はメチル基、R2 は炭化水素
基、又は複素環を含む基、nは1以上の整数を表す)
【0032】
【化2】 (式中、R3 は水素原子又はメチル基、R4 は複素環を
含む基を表す)
【0033】前記[化1]において、R2 は炭化水素基
又は複素環を含む基を示すが、この場合、炭化水素基と
しては、脂肪族系及び芳香族系のものが含まれる。脂肪
族炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル、へキシル、オクチル等の炭素数1〜1
0、好ましくは1〜5のものが挙げられる。また、芳香
族炭化水素基としては、フェニル、トリル、キシリル、
ナフチル、ベンジル、フェネチル等が挙げられる。複素
環を含む基には、酸素、窒素、硫黄等のへテロ原子を含
む各種の複素環基が包含され、このようなものとして
は、例えば、フルフリル、テトラヒドロフルフリル等が
挙げられる。
【0034】前記[化1]で示されるアクリレートの具
体例としては、アルキエチレングリコールアクリレート
[メチルエチレングリコールアクリレート、エチルエチ
レングリコールアクリレート、プロピルエチレングリコ
ールアクリート、フェニルエチレングリコールアクリレ
ート等]、アルキルプロピレングリコールアクリレート
[エチルプロピレングリコールアクリレート、ブチルプ
ロピレングリコールアクリレート等]、複素環を有する
アルキレングリコールアクリレート[フルフリルエチレ
ングリコールアクリレート、テトラヒドロフルフリルエ
チレングリコールアクリレート、フルフリルプロピレン
グリコールアクリレート、テトラヒドロフルフリルプロ
ピレングリコールアクリレート等]が挙げられる。[化
1]で表わされるこれらのアクリレートの分子量は通常
500未満であるが、300以下がより好ましい。分子
量が500以上のアクリレートでは、得られる固体電解
質から非水溶媒が滲出しやすい。
【0035】前記[化2]で示される(メタ)アクリレ
ート中に含まれる複素環は特に限定はされない。この場
合、複素環を含む基としては、酸素、窒素、イオウ等の
へテロ原子を含む複素環の残基、例えば、フルフリル
基、テトラヒドロフルフリル基等が挙げられる。前記
[化2]で示される(メタ)アクリレートとしては、例
えば、フルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロ
フルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これ
らのうちフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフ
リルアクリレートが好ましい。[化1]あるいは[化
2]で表わされる化合物は単独で使用してもよいが、2
種類以上を混合して使用することもできる。
【0036】[化1]あるいは[化2]で示される化合
物には、多官能不飽和カルボン酸エステルを併用するこ
とにより、弾性率、イオン伝導度とも理想的な固体電解
質を得ることができる。多官能不飽和カルボン酸エステ
ルとしては、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する
ものが挙げられる。このものの好ましい具体例として
は、「UV、EB硬化技術」((株)総合技術センター
発行)142頁〜152頁記載の光重合性モノマー及び
光重合性プレポリマーのうち2官能以上のモノマー、プ
レポリマー[ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等]が挙げ
られるが、3官能(メタ)アクリレートが、保液性、イ
オン伝導度、強度に優れた固体電解質を与える点で最も
好ましい。
【0037】[化1]及び[化2]で示される化合物又
はこれを主成分とする不飽和カルボン酸エステルの使用
割合は、非水電解液に対して50重量%以下、好ましく
は5〜40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%
である。この範囲外では固体電解質のイオン伝導度及び
強度が低下する。[化1]及び[化2]の化合物に多官
能不飽和カルボン酸エステルを併用する場合、その多官
能不飽和カルボン酸エステルの添加量は、非水電解液に
対して4重量%以下、好ましくは0.05〜2重量%で
あり、特に3官能不飽和カルボン酸エステルを併用する
場合には、2重量%以下、好ましくは0.05〜0.5
重量%という少量の添加量で、イオン伝導度や強度の点
で優れた固体電解質を得ることができる。
【0038】このような多官能不飽和カルボン酸エステ
ルの併用により、イオン伝導度や強度の点でより優れた
固体電解質を得ることができる。また、多官能不飽和カ
ルボン酸エステルの併用量が多すぎると、得られる固体
電解質は粘弾性体としての性状を示さず、柔軟性に欠
け、特に外力によりクラックが生じやすくなる。
【0039】[化1]及び[化2]で示される化合物又
はこれを主成分として含む不飽和カルボン酸エステルの
重合開始剤としては、カルボニル化合物、ベンゾイン類
(ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
エチルエーテル、エチルエーテル、ベンゾインプロピル
エーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイ
ンイソブチルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−フ
ェニルベンゾイン等)、アントラキノン類(アントラキ
ノン、メチルアントラキノン、クロルアントラキノン
等)、その他の化合物(ベンジル、ジアセチル、アセト
フエノン、ベンゾフェノン、メチルベンゾイルフォーメ
ート等)、硫黄化合物(ジフェニルスルフィド、ジチオ
カーバメート等)、多縮合環系炭化水素のハロゲン化物
(α−クロルメチルナフタリン等)、色素類(アクリル
フラビン、フルオレセン等)、金属塩類(塩化鉄、塩化
銀等)、オニウム塩類(p−メトキシベンゼンジアゾニ
ウム、へキサフルオロフォスフェート、ジフェニルアイ
オドニウム、トリフェニルスルフォニウム等)などの光
重合開始剤が挙げられる。これらは単独でも、あるいは
2種以上の混合物としても使用できる。
【0040】好ましい光重合開始剤は、カルボニル化合
物、硫黄化合物及びオニウム塩類である。必要により熱
重合開始剤(アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイル
パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、エチルメ
チルケトンペルオキシド等)を併用することができる
し、また、ジメチルアニリン、ナフテン酸コバルト、ス
ルフィン酸、メルカプタン等の重合開始剤も併用でき
る。さらに、増感剤、貯蔵安定剤も必要により併用でき
る。
【0041】増感剤及び貯蔵安定剤の具体例としては、
「UV、EB硬化技術((株)総合技術センター発
行)」158頁〜159頁記載の増感剤、貯蔵安定剤の
うち、前者としては、尿素ニトリル化合物(N,N−ジ
置換−p−アミノベンゾニトリル等)、燐化合物(トリ
ーn−ブチルホスフィン等)が好ましく、後者として
は、第4級アンモニウムクロライド、ベンゾチアゾー
ル、ハイドロキノンが好ましい。重合開始剤の使用量
は、全不飽和カルボン酸エステルに対し、通常0.1〜
10重量%、好ましくは0.5〜7重量%である。この
範囲外では適度な反応性が得られない。増感剤及び貯蔵
安定剤の使用量は、全不飽和カルボン酸エステル100
重量部に対し、通常、0.1〜5重量部である。
【0042】本発明では電解液の固体化は、[化1]も
しくは[化2]で示される化合物、またはこれを主成分
とする不飽和カルボン酸エステルを含む非水電解液を密
封容器に注入するか、あるいは支持体(例えばフィル
ム、金属、金属酸化物、ガラス等)にコーティングした
後、熱又は活性光線で重合することにより達成される。
活性光線としては、通常、光、紫外線、電子線、X線が
使用できる。これらのうち好ましいのは、100〜80
0nmの波長を主波長とする活性光線である。
【0043】ポリエン/ポリチオールの混合物の重合反
応は、基本的には次の[化3]に示す通りである。
【0044】
【化3】 RSH→RS・+H・ RS・+CH2 =CH−CH2 R’ →RS−CH2 −CH−CH2 R’ RSH→RS−CH2 −CH2 −CH2 R’+RS・ (式中、R及びR’はアルキル基等の有機基である)
【0045】ポリエンとしては、ポリアリルエーテル化
合物、ポリアリルエステル化合物が挙げられる。ポリア
リルエーテル化合物の例としては、置換、未置換のアリ
ルアルコールにエポキシ化合物(エチレンオキサイド、
プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレン
オキサイド、シクロへキセンオキサイド、エピハロヒド
リン、アリルグリシジルエーテル等)を付加した化合物
が挙げられる。これらのうち好ましいものは、置換、未
置換のアリルアルコールにエチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイドを付加した化合物である。
【0046】ポリアリルエステル化合物としては、アリ
ルアルコール又は上記のポリアリルエーテル化合物とカ
ルボン酸との反応生成物が挙げられる。カルボン酸の例
としては、脂肪族、脂環式、及び芳香族系のモノ及びポ
リカルボン酸[酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン
酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、安息香酸
などのモノカルボン酸(炭素数1〜20);アジピン
酸、フタル酸などのジカルボン酸等]が挙げられる。こ
れらのうち好ましいものは、ポリアリルエーテル化合物
とポリカルボン酸の反応生成物である。ポリチオールと
しては、液状ポリサルファイド;脂肪族、脂環式及び芳
香族系のポリチオール化合物;メルカプトカルボン酸エ
ステルが挙げられる。液状ポリサルファイドとしてはチ
オコールLPシリーズ(東レチオコール(株))が挙げ
られる。このうち好ましいものは平均分子量が400以
下のものである。
【0047】脂肪族、脂環式及び芳香族系のポリチオー
ル化合物の例としては、メタン(ジ)チオール、エタン
(ジ)チオールが挙げられる。メルカプトカルボン酸エ
ステルとしては、メルカプトカルボン酸と多価アルコー
ルとのエステル化反応又はメルカプトカルボン酸アルキ
ルエステルと多価アルコールとのエステル交換反応によ
り得られる化合物が挙げられる。メルカプトカルボン酸
の例としては、2−メルカプト酢酸、3−メルカプトプ
ロピオン酸が挙げられる。
【0048】多価アルコールの例としてはエチレングリ
コール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタ
エリスリトール、ショ糖及びこれらのアルキレンオキサ
イド付加物(エチレンオキサイド付加物、プロピレンオ
キサイド付加物、ブチレンオキサイド付加物)等が挙げ
られる。多価アルコールとして好ましいものは、3価以
上の多価アルコールでアルキレンオキサイド付加物を含
まないものである。
【0049】メルカプトカルボン酸アルキルエステルの
例としては、2−メルカプト酢酸エチルエステル、3−
メルカプトプロピオン酸メチルエステル等が挙げられ
る。ポリチオールのうちで好ましいものは、液状ポリサ
ルファイド及びメルカプトカルボン酸エステルである。
ポリエチレン/ポリチオールの反応混合物の重合開始剤
としては、不飽和カルボン酸エステルの重合について示
したものと同様のものが用いられる。
【0050】
【実施例】
実施例1 CaCO3 とV2 5 をモル比2:1の割合で混合し、
700℃・7時間焼成を行い岩塩型のCa2 2 7
合成した。この岩塩型Ca2 2 7 をメノウ乳鉢で粉
砕し、分級して粒子径5〜22μmとした。この岩塩型
Ca2 2 790重量部、アセチレンブラック2重量
部、グラファイト3重量部および、ポリフッ化ビニリデ
ン5重量部を混合し、N−メチルピロリドンを混合して
ペースト状にし、アルミニウム箔上に塗布・乾燥して電
極を作製した。
【0051】前記電極を正極とし、負極にリチウムを、
セパレータにポリプロピレン微多孔フィルムをそれぞれ
用い、さらに電解液として濃度1MのLiPF6 をエチ
レンカーボネートとジエチルカーボネートの1:1(体
積比)混合溶液に溶解したものを用いてコイン型電池を
作製した。放電電流10mA〔(1/3)C〕および3
0mA(1C)で2Vまで定電流放電を行い放電容量を
測定した。その結果を[表1]に示す。
【0052】実施例2 実施例1で合成した岩塩型Ca2 2 7 をジェットミ
ルで粉砕し、粒子径0.3〜3μmの粒子としたものを
用いる以外は実施例1と同様にコイン型電池を作製し、
放電容量を測定した。結果を[表1]に示す。
【0053】比較例1 実施例1で合成した岩塩型Ca2 2 7 をメノウ乳鉢
で粉砕し、分級して粒子径30〜70μmの粒子とした
ものを用いる以外は実施例1と同様にコイン型電池を作
製し、放電容量を測定した。結果を[表1]に示す。
【0054】
【表1】
【0055】実施例3 実施例2において電解液として濃度1MのLiN(CF
3 SO2 2 をエチレンカーボネートとジメチルカーボ
ネートの1:1(体積比)混合溶液に溶解したものを用
いてコイン型電池を作製した。このコイン型電池につい
て10mAで3.5Vまで充電を行い、10mAおよび
30mAで2Vまで放電を行った。充放電を繰り返して
5サイクル目、20サイクル目の放電容量を測定した。
結果を[表2]に示す。
【0056】実施例4 実施例3において粒子径0.3〜3μmの岩塩型Ca2
2 7 86重量部、V2 5 4重量部、アセチレンブ
ラック2重量部、グラファイト3重量部および、ポリフ
ッ化ビニリデン5重量部を混合し、N−メチルピロリド
ンを混合してペースト状にし、アルミニウム箔上に塗布
・乾燥して電極を作製する以外は実施例3と同様にコイ
ン型電池を作製した。このコイン型電池について10m
Aで3.5Vまで充電を行い、10mAおよび30mA
で2Vまで放電を行った。充放電を繰り返して5サイク
ル目、20サイクル目の放電容量を測定した。結果を
[表2]に示す。
【0057】実施例5 実施例3において粒子径0.3〜3μmの岩塩型Ca2
2 7 75重量部、V2 5 15重量部、アセチレン
ブラック2重量部、グラファイト3重量部および、ポリ
フッ化ビニリデン5重量部を混合し、N−メチルピロリ
ドンを混合してペースト状にし、アルミニウム箔上に塗
布・乾燥して電極を作製する以外は実施例3と同様にコ
イン型電池を作製した。このコイン型電池について10
mAで3.5Vまで充電を行い、10mAおよび30m
Aで2Vまで放電を行った。充放電を繰り返して5サイ
クル目、20サイクル目の放電容量を測定した。結果を
[表2]に示す。
【0058】実施例6 実施例3において粒子径0.3〜3μmの岩塩型Ca2
2 7 60重量部、V2 5 30重量部、アセチレン
ブラック2重量部、グラファイト3重量部および、ポリ
フッ化ビニリデン5重量部を混合し、N−メチルピロリ
ドンを混合してペースト状にし、アルミニウム箔上に塗
布・乾燥して電極を作製する以外は実施例3と同様にコ
イン型電池を作製した。このコイン型電池について10
mAで3.5Vまで充電を行い、10mAおよび30m
Aで2Vまで放電を行った。充放電を繰り返して5サイ
クル目、20サイクル目の放電容量を測定した。結果を
[表2]に示す。
【0059】実施例7 実施例3において粒子径0.3〜3μmの岩塩型Ca2
2 7 45重量部、V2 5 45重量部、アセチレン
ブラック2重量部、グラファイト3重量部および、ポリ
フッ化ビニリデン5重量部を混合し、N−メチルピロリ
ドンを混合してペースト状にし、アルミニウム箔上に塗
布・乾燥して電極を作製する以外は実施例3と同様にコ
イン型電池を作製した。このコイン型電池について10
mAで3.5Vまで充電を行い、10mAおよび30m
Aで2Vまで放電を行った。充放電を繰り返して5サイ
クル目、20サイクル目の放電容量を測定した。結果を
[表2]に示す。
【0060】比較例2 実施例3において粒子径0.5〜2μmのV2 5 90
重量部、アセチレンブラック2重量部、グラファイト3
重量部および、ポリフッ化ビニリデン5重量部を混合
し、N−メチルピロリドンを混合してペースト状にし、
アルミニウム箔上に塗布・乾燥して電極を作製する以外
は実施例3と同様にコイン型電池を作製した。このコイ
ン型電池について10mAで3.5Vまで充電を行い、
10mAおよび30mAで2Vまで放電を行った。充放
電を繰り返して5サイクル目、20サイクル目の放電容
量を測定した。結果を[表2]に示す。
【0061】
【表2】
【0062】実施例8 LiCoO2 90重量部、アセチレンブラック2重量
部、グラファイト3重量部および、ポリフッ化ビニリデ
ン5重量部を混合し、N−メチルピロリドンを混合して
ペースト状にし、アルミニウム箔上に塗布・乾燥して正
極を作製した。実施例3で作製した電極を負極に用いて
コイン型電池を作製した。このコイン型電池について1
0mAで2.2Vまで充電を行い、10mAで0.5V
まで放電を行った。充放電を繰り返して放電容量を測定
したところ、5サイクル目、20サイクル目、100サ
イクル目の放電容量は、それぞれ31.2mAh、3
1.0mAh、30.5mAhであった。
【0063】実施例9 天然黒鉛60重量部、フリュードコークスを2500℃
で焼成したものを30重量部、ポリフッ化ビニリデン1
0重量部を混合し、これにN−メチルピロリドンを混合
してペースト状にし、銅ホイル上に塗布・乾燥して負極
を作製した。この負極と、実施例3の正極と、ゲル状高
分子固体電解質とを用いてポリマー電池を作製した。
【0064】ゲル状高分子固体電解質は、濃度1.5M
のLiPF6 をエチレンカーボネートとプロピレンカー
ボネートとを1:1(体積比)で混合した溶媒に溶解し
た電解液85重量部、エトキシジエチレングリコールア
クリレート13.5重量部、トリメチロールプロパント
リアクリレート0.5重量部、ベンゾインイソプロピル
エーテル0.1重量部を混合し、紫外線を照射して作製
した。外装材にはポリエステル/アルミニウム/ポリエ
ステル/ポリエチレンからなる積層フィルムを用いた。
このポリマー電池について10mAで3.5Vまで充電
を行い、30mAで1.8Vまで放電を行った。充放電
を繰り返して放電容量を測定したところ、5サイクル
目、20サイクル目、100サイクル目の放電容量は、
それぞれ94.2mAh、94.1mAh、88.8m
Ahであった。
【0065】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば以下の効果が得られる。 (1)請求項1によれば、電極活物質としての岩塩型バ
ナジウム酸化物の粒子径を0.1〜25μmの範囲とし
たため、電極のインピーダンスを低下させることができ
るので、電池の重負荷放電特性を向上させることができ
る。
【0066】(2)請求項2によれば、岩塩型バナジウ
ム酸化物が活物質としてV2 5 および/またはV3
8 を含有しているため電極のインピーダンスが低下し、
電池の重負荷放電特性が向上する。
【0067】(3)請求項3によれば、イオンを含有す
る岩塩型バナジウム酸化物と、V2 5 および/または
3 8 とを重量比99.5:0.5〜60:40で混
合した混合物を電極活物質として用いるので、高エネル
ギー密度で、重負荷放電特性に優れる電池が提供でき
る。
【0068】(4)請求項4によれば、岩塩型バナジウ
ム酸化物が、結晶構造中にアルカリ土類金属を含有する
バナジウム酸化物であるため、高エネルギー密度の電池
が提供できる。
【0069】(5)請求項5によれば、請求項1,2,
3または4に記載の構成要件を備えているので、高エネ
ルギー密度の非水二次電池を提供することができる。
【0070】(6)請求項6によれば、請求項1,2,
3,4または5の電池において、電解質として高分子固
体電解質を用いたので、液漏れのない安全なポリマー電
池を提供することができる。
【0071】(7)請求項7によれば、高分子固体電解
質がゲル状高分子固体電解質であるため、電池のインピ
ーダンスが低くなるので、重負荷放電特性に優れるポリ
マー電池を提供することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 岩塩型バナジウム酸化物を活物質とする
    電極を備えた電池において、岩塩型バナジウム酸化物の
    粒子径が0.1〜25μmであることを特徴とする電
    池。
  2. 【請求項2】 岩塩型バナジウム酸化物が、活物質とし
    てV2 5 および/またはV3 8 を含有していること
    を特徴とする請求項1に記載の電池。
  3. 【請求項3】 岩塩型バナジウム酸化物がイオンを含有
    しており、かつ岩塩型バナジウム酸化物と、これに含有
    されたV2 5 および/またはV3 8 との重量比が9
    9.5:0.5〜60:40であることを特徴とする請
    求項2に記載の電池。
  4. 【請求項4】 岩塩型バナジウム酸化物が、結晶構造中
    にアルカリ土類金属を含有するバナジウム酸化物である
    ことを特徴とする請求項1,2または3に記載の電池。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4に記載の構成
    要件からなることを特徴とする非水二次電池。
  6. 【請求項6】 請求項1,2,3,4または5に記載の
    電池がポリマー電池であって、電解質に高分子固体電解
    質を用いたものであることを特徴とするポリマー電池。
  7. 【請求項7】 高分子固体電解質がゲル状高分子固体電
    解質であることを特徴とする請求項6に記載のポリマー
    電池。
JP9268120A 1997-09-12 1997-09-12 電池、非水二次電池およびポリマー電池 Pending JPH1186856A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9268120A JPH1186856A (ja) 1997-09-12 1997-09-12 電池、非水二次電池およびポリマー電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9268120A JPH1186856A (ja) 1997-09-12 1997-09-12 電池、非水二次電池およびポリマー電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1186856A true JPH1186856A (ja) 1999-03-30

Family

ID=17454176

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9268120A Pending JPH1186856A (ja) 1997-09-12 1997-09-12 電池、非水二次電池およびポリマー電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1186856A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008056794A1 (fr) * 2006-11-10 2008-05-15 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Matériau d'électrode, procédé de fabrication de matériau d'électrode et batterie secondaire au lithium non aqueuse

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008056794A1 (fr) * 2006-11-10 2008-05-15 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Matériau d'électrode, procédé de fabrication de matériau d'électrode et batterie secondaire au lithium non aqueuse
US8241792B2 (en) 2006-11-10 2012-08-14 Fuji Jukogyo Kabushiki Kaisha Electrode material, method of manufacturing thereof and nonaqueous lithium secondary battery

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5223353A (en) Solid electrolyte, electrochemical device including the same and method of fabricating the solid electrolyte
TWI423495B (zh) 含共熔混合物之電解質及使用其之二次電池
JP2009218065A (ja) リチウム二次電池及びその製造方法
US7282298B2 (en) Electrochemical device
JPH11288738A (ja) 固体電解質電池およびその製造方法
JP5463257B2 (ja) リチウム二次電池
JPH1167211A (ja) 非水電解質二次電池
JP4026787B2 (ja) 薄型電池
JP3607470B2 (ja) ポリマー電池
JP4601273B2 (ja) 非水溶媒系二次電池
JP2004071560A (ja) リチウム−硫黄電池用高分子電解質及びこれを含むリチウム−硫黄電池
JPH1186855A (ja) 二次電池
JPH11185817A (ja) ポリマー電池
JP3666776B2 (ja) 電極及びそれを用いた非水二次電池
JPH1050314A (ja) 非水電解液二次電池
JP4707312B2 (ja) 非水溶媒系二次電池
JP3516290B2 (ja) 高分子固体電解質及びそれを用いた電気化学素子
JPH1186856A (ja) 電池、非水二次電池およびポリマー電池
JPH10188984A (ja) 固体二次電池
JPH1140143A (ja) 電極の製造方法、及びこの電極を用いた非水二次電池
JPH09235479A (ja) イオン伝導性高分子固体電解質および該固体電解質を使用した電気化学素子
JPH11307126A (ja) 二次電池
JP2001006740A (ja) ポリマー電解質を備えたリチウム二次電池およびその製造方法
JP3784705B2 (ja) 固体電解質、それを含む電気化学素子及び電池
KR20030066622A (ko) 리튬 이차전지