JPH11307126A - 二次電池 - Google Patents

二次電池

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JPH11307126A
JPH11307126A JP10123958A JP12395898A JPH11307126A JP H11307126 A JPH11307126 A JP H11307126A JP 10123958 A JP10123958 A JP 10123958A JP 12395898 A JP12395898 A JP 12395898A JP H11307126 A JPH11307126 A JP H11307126A
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JP
Japan
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polymer
electrode
solid electrolyte
acrylate
weight
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Pending
Application number
JP10123958A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Kahata
利幸 加幡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11307126A publication Critical patent/JPH11307126A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低インピーダンスで高エネルギー密度の電極
を備え、高容量でありながら、重負荷放電時にも容量低
下の少ない二次電池を提供する。 【構成】 正極、負極および電解質を備えた二次電池に
おいて、少なくとも1つのチオール基を有するアニリン
系化合物の重合体と可溶性導電性高分子との複合体から
なる電極を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次電池に関し、
特に高容量でありながら、重負荷放電時にも容量低下の
少ない二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の電子機器の小型化、軽量化の進歩
は目覚ましいものがあり、とりわけOA分野において
は、デスクトップ型からラップトップ型、ノートブック
型へと小型化、軽量化している。加えて、電子手帳、電
子スチルカメラなどの新しい小型電子機器の分野も出現
し、さらには従来のハードディスク、フロッピーディス
クの小型化に加えてメモリーカードの開発が進められて
いる。このような電子機器の小型化、軽量化の波の中で
これらの電力を支える電池にも高エネルギー密度、高出
力等の高性能化が要求されている。また電池の形状にお
いても従来からある円筒形のものから機器の形状に合わ
せることができる角型電池が種々開発され、発売されて
いる。さらに電池の種類においても従来からあるニッケ
ルカドミウム電池、鉛電池から、より高エネルギー密度
のニッケル水素電池、リチウムイオン電池、リチウム電
池などの開発がなされている。特に、リチウムイオン電
池、リチウム電池は高い電圧及び高いエネルギー密度を
有しているが、電池へのさらなる高エネルギー密度化の
要求は大きく、高エネルギー密度の活物質の開発が要望
されていた。
【0003】USP4833048号明細書には、硫黄
−硫黄結合による重合及び解重合反応を利用した所謂ジ
スルフィド化合物を電極活物質に用いた二次電池が開示
されている。ジスルフィド化合物は、遷移金属酸化物よ
りも高い理論エネルギー密度を有することから、高容量
二次電池用活物質として注目されてきた。しかしなが
ら、硫黄−硫黄結合による重合及び解重合反応の反応速
度は、室温付近では通常の電極活物質の反応速度に比べ
て極めて遅いため、反応速度を上げるには高温での使用
が不可欠であるが、90℃以上の温度であっても、電極
活物質のエネルギー密度は理論エネルギー密度よりもか
なり低い値であった。特開平4−308660号公報に
はジスルフィド化合物とポリアニリン及びアクリロニト
リルとアクリル酸メチル等の共重合体ゲルからなる電極
が開示されている。この電極においては、ポリアニリン
の触媒作用により、ジスルフィド化合物の電極反応は室
温付近でも起こるようになり、アクリル酸メチル等の共
重合体ゲルによりイオン伝導をスムーズに行うことがで
き、初期特性としてはほぼ満足できるものであった。し
かしながら、充放電サイクルを繰り返すに従い、解重合
したジスルフィド化合物モノマーが電極より遊離し、放
電容量が減少してしまう欠点があった。
【0004】特開平5−135767号公報には、硫黄
−硫黄結合を再生する性質を有する基を導入した電子伝
導性及びイオン伝導性高分子を用いた電極が開示されて
いる。しかしながら、この電子伝導性及びイオン伝導性
高分子はモノマーの分子量が大きいため、理論エネルギ
ー密度がもともと小さく、充放電サイクル特性も良くな
かった。また、K.Naoi et.al,J.E1e
ctrochem.Soc.,Vol.144,No.
6,L173−L175(1997)にはポリ(2,2
−ヂチオヂアニリン)の電極特性が開示されている。ポ
リ(2,2−ヂチオヂアニリン)はポリアニリンにチオ
ール基を導入した構造であり、電極反応はチオール基が
隣の分子のチオール基との結合、解離により起こるが、
それぞれの分子は固定されているため、上記のジスルフ
ィド化合物のように、電極から遊離していくこともなく
サイクル特性も優れている。しかしながら、ポリ(2,
2−ヂチオヂアニリン)の導電性が低いため、重負荷放
電時に放電容量及び放電電圧が極端に低くなる欠点を有
している。アセチレンブラック等の導電剤を多量に添加
すると重負荷放電時の改善は見られるものの電極のエネ
ルギー密度は低下してしまう欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は
このような問題点を解決し、低インピーダンスで高エネ
ルギー密度の電極を備え、高容量でありながら、重負荷
放電時にも容量低下の少ない二次電池を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、正
極、負極および電解質を備えた二次電池において、少な
くとも1つのチオール基を有するアニリン系化合物の重
合体と可溶性導電性高分子との複合体からなる電極を用
いることを特徴とする二次電池によって達成される。
【0007】本発明者らは、硫黄−硫黄結合・解離反応
を起こす化合物のうち少なくとも1つのチオール基を有
するアニリン系化合物の重合体が本質的に高エネルギー
密度であり、サイクル特性にも優れる点に着目し、それ
を用いた電極のインピーダンスを下げる方法を鋭意検討
を重ねたところ、可溶性導電性高分子を複合することに
より、電極のインピーダンスを低減させることができ、
該電極を用いた二次電池が高容量でありながら、重負荷
放電時においても容量低下が少ないことを見出し本発明
に至った。上記電極は、正極、負極のいずれにも用いる
ことができる。
【0008】本発明の二次電池において用いる少なくと
も1つのチオール基を有するアニリン系化合物の重合体
は、少なくとも1つのチオール基を有するアニリン系化
合物を含有した溶液の定電流電解重合法、定電圧電解重
合法、定電位電解重合法、電位掃引する電解重合法、あ
るいは酸化剤を用いた化学重合法などによって得ること
ができる。少なくとも1つのチオール基を有するアニリ
ン系化合物としては下記一般式(1)で表される化合物
が例示できる。
【0009】
【化1】 (R1、R2、R3、R4、R5は水素原子またはチオール
基を表し、R1〜R5の少なくとも1つはチオール基であ
る。)
【0010】そして、本発明の二次電池において用いる
少なくとも1つのチオール基を有するアニリン系化合物
の重合体と可溶性導電性高分子との複合体からなる電極
は、例えば次のようにして作ることができる。すなわ
ち、少なくとも1つのチオール基を有するアニリン系化
合物の重合体を可溶性導電性高分子の有機溶媒溶液に加
え、混合、分散させた後、それを集電体に塗布し、有機
溶媒を除去することにより、少なくとも1つのチオール
基を有するアニリン系化合物の重合体と可溶性導電性高
分子物質との複合体からなる電極を作製することができ
る。
【0011】このようにして作製することにより、少な
くとも1つのチオール基を有するアニリン系化合物の重
合体と可溶性導電性高分子物質との複合が均一に行われ
た電極を得ることができる。可溶性導電性高分子は電極
活物質として働くとともに導電性であり、かつバインダ
ーとして機能することから、本来電極活物質として機能
しない導電剤及びバインダーの使用量を大幅に減らすこ
とが可能であることから、電極のエネルギー密度は高
く、また電極のインピーダンスは低い。
【0012】少なくとも1つのチオール基を有するアニ
リン系化合物の重合体と可溶性導電性高分子の混合割合
としては、重量比で50:50〜98:2が適当であ
り、60:40〜97:3が好ましく、特に70:30
〜95:5が好ましい。可溶性導電性高分子の混合割合
が50重量%以上では電極のエネルギー密度が低くな
り、2重量%以下では電極のインピーダンスが高く、電
極の機械的強度も低下し好ましくない。
【0013】本発明において用いる可溶性導電性高分子
としては、例えば下記一般式(2)で表される可溶性ポ
リチオフェン、下記一般式(3)で表される可溶性ポリ
ピロール、及びポリアニリンを例示できるが、ポリアニ
リンが電極の高エネルギー密度化、低インピーダンス化
を図る上で最も好ましい。
【0014】
【化2】 (R6、R7は水素原子、アルキル基またはアルコキシ基
を表し、R6、R7の少なくとも1つはアルキル基または
アルコキシ基である。)
【0015】
【化3】 (R8、R9、R10は水素原子、アルキル基またはアルコ
キシ基を表し、R8〜R10の少なくとも1つはアルキル
基またはアルコキシ基である。)
【0016】また、本発明における電極には、電極活物
質として働くとともに電極のイオン伝導をスムーズに進
行させるために、CoO2、NiO2、TiO2、V
25、Cr23、Fe2(SO43、Fe2(Mo
23、Fe2(WO23、LiCoO2、LiNi
2、LiMn24等の遷移金属カルコゲン化合物を混
合させることが好ましい。、中でも電極の放電電位に近
いV25、Cr23が好ましく、特にV25がエネルギ
ー密度を高くすることができ最も好ましい。
【0017】さらに、本発明における電極には、電極の
導電性をさらに高めるためにグラファイト、アセチレン
ブラック等の導電剤を混合することもでき、また電極の
機械的強度を高めるためにポリテトラフオロエチレン、
ポリフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロエチレンとポリ
テトラフルオロエチレンとの共重合体、ポリビニルピリ
ジン系化合物等をバインダーとして混合することもでき
る。
【0018】また、本発明の二次電池における電解質と
しては非水電解液あるいは固体電解質を用いることがで
きるが、固体電解質は電解液の液漏れを完全になくすこ
とができるので、より好ましい。すなわち、非水電解液
の多くは高沸点の非水溶媒が用いられるため、液漏れが
起きると電解液は蒸発することなく、機器の中を流動
し、ついには電気回路を短絡させ機器の故障の原因にな
ったり、可燃性の電解液が燃焼し、火災につながる危険
があるが、固体電解質は電解液の液漏れを完全になくす
ことができるので上記のような機器の故障や火災の危険
がなく好ましい。固体電解質は無機系、高分子系のもの
が挙げられるが、室温付近でのイオン伝導度に優れてい
る点および電極の充放電に対する体積変化を吸収するこ
とができる点で高分子固体電解質が好ましい。
【0019】電解質に用いる電解質塩としては通常の非
水電池に用いられるものであれば特に制限はなく、例え
ば、LiBR4(Rはフェニル基またはアルキル基を表
す。)、LiPF6、LiSbF6、LiAsF6、Li
BF4、LiClO4、LiCF3SO3、LiN(CF3
SO22、LiC(CF3SO23、LiN(C25
22、LiAlCl4、リチウムテトラキス[3,5
−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート等の
単独あるいは混合物を例示することができる。LiPF
6、LiBF4、LiN(CF3SO22、LiN(C2
5SO22がイオン伝導性、安全性等の点で好ましい。
【0020】非水溶媒としてはカーボネート溶媒(プロ
ピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチル
カーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート等)、アミド溶媒(N−メチルホルムアミ
ド、N−エチルホルムアミド等)、ラクトン溶媒(γ−
ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、σ−バレロラク
トン、3−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン
等)、アルコール溶媒(エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、グリセリン、メチルセルソルブ、1,2
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、ジグリセリン、ポリオキシアルキレン
グリコール、シクロヘキサンジオール、キシレングリコ
ール等)、エーテル溶媒(メチラール、1,2−ジメト
キシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1−エトキシ
−2−メトキシエタン、アルコキシポリアルキレンエー
テル等)、ニトリル溶媒(ベンゾニトリル、アセトニト
リル、3−メトキシプロピオニトリル等)、燐酸類及び
燐酸エステル溶媒(正燐酸、メタ燐酸、ピロ燐酸、ポリ
燐酸、亜燐酸、トリメチルフォスフェート等)、2−イ
ミダゾリジノン類(1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン等)、ピロリドン類、スルホラン溶媒(スルホラ
ン、テトラメチレンスルホラン等)、フラン溶媒(テト
ラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、2,
5−ジメトキシテトラヒドロフラン)、ジオキソラン、
ジオキサン、ジクロロエタン等の単独あるいは2種類以
上の混合溶媒が使用できる。これらのうち好ましいもの
はカーボネート溶媒、エーテル溶媒、フラン溶媒であ
る。
【0021】固体電解質としては無機系固体電解質とし
て、AgCl、AgBr、AgI、LiIなどの金属ハ
ロゲン化物、RbAg44、RbAg44CN等が挙げ
られる。また高分子固体電解質としては、ポリエチレン
オキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリアクリルアミド等をポリマーマトリック
スとし電解質塩をポリマーマトリックス中に溶解した複
合体、またはこれらのゲル架橋体、あるいは低分子量ポ
リエチレンオキサイド、クラウンエーテル等のイオン解
離基をポリマー主鎖にグラフト化した高分子固体電解
質、あるいは高分子量重合体に電解液を含有させたゲル
状高分子固体電解質などを挙げることができるが、特に
ゲル状高分子固体電解質がイオン伝導度が高く、電極と
の界面抵抗を小さくすることができ好ましい。
【0022】ゲル状高分子固体電解質は、重合性化合物
を重合させた重合体と電解質塩及び非水溶媒からなる電
解液とから構成され、重合性化合物を重合させた重合体
に対して200重量%以上の電解液を含有させたもの
が、イオン伝導度が特に高く二次電池のインピーダンス
を下げることができ、また重負荷放電においても高いエ
ネルギー密度を維持することができるので好ましい。
【0023】ゲル状高分子固体電解質における重合性化
合物としては、その分子内に酸素原子、窒素原子、イオ
ウ原子等の炭素以外のへトロ原子を含むものが好まし
い。これらへテロ原子を含有する重合性化合物に電解質
塩を溶解させ、あるいは重合性化化合物を非水電解液に
溶解させて重合反応を行わせて得られるゲル状高分子固
体電解質においては、その炭素以外のへテロ原子は電解
質塩のイオン化を促進させ、ゲル状高分子固体電解質の
イオン伝導性を向上させるとともに、ゲル状高分子固体
電解質の強度を向上させる働きもあると考えられる。
【0024】ゲル状高分子固体電解質を得るのに用いる
重合性化合物の種類は、特に制約されず、熱重合および
活性光線重合などの重合反応を生起して得るものが包含
されるが、特に活性光線による光重合性を示すものが好
ましい。熱重合反応としては、ウレタン化反応の他、エ
ポキシ基やアクリレート基による重合反応等が挙げられ
るが、ウレタン化反応が好ましい。また活性光線重合反
応としては、不飽和カルボン酸エステル、ポリエン/ポ
リチオール混合物及び架橋性マクロマー(有機シラン、
ポリイソチアナフテン等)による重合反応が挙げられる
が、好ましくは不飽和カルボン酸エステル、ポリエン/
ポリチオール混合物による反応であり、不飽和カルボン
酸エステルとしてはアクリレート基を有したモノマー
が、正極とゲル状高分子固体電解質の界面抵抗を低くで
き特に好ましい。
【0025】以下に、非水電解液中の重合反応として特
に優れている不飽和カルボン酸エステルの重合反応、ポ
リエン/ポリチオール混合物の重合反応、ポリウレタン
化反応について詳述する。なお、本明細書における(メ
タ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレート
を意味し、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基
又はメタアクリロイル基を意味する。
【0026】非水電解液中における重合反応は、電解質
の熱分解を避けるために低温プロセスである活性光線重
合反応が好ましい。活性光線重合性モノマーとしては
(メタ)アクリレートや、ポリエンとポリチオールとの
組合せ等が挙げられる。(メタ)アクリレートとしては
単官能及び多官能の(メタ)アクリレートが挙げられ
る。単官能アクリレートとしては、アルキル(メタ)ア
クリレート〔メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリ
レート等〕、脂環式(メタ)アクリレート〔テトラヒド
ロフルフリル(メタ)アクリレート等〕、ヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート〔ヒドロキシエチルアクリ
レート、ヒドロキシプロピルアクリレート等〕、ヒドロ
キシポリオキシアルキレン(オキシアルキレン基の炭素
数は好ましくは1〜4)(メタ)アクリレート〔ヒドロ
キシポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等〕及
びアルコキシ(アルコキシ基の炭素数は好ましくは1〜
4)(メタ)アクリレート〔メトキシエチルアクリレー
ト、エトキシエチルアクリレート、フェノキシエチルア
クリレート等〕などが挙げられる。
【0027】多官能(メタ)アクリレートの例として
は、「UV、EB硬化技術」〔(株)総合技術センター
発行〕142頁〜152頁記載の光重合性モノマー及び
光重合性プレポリマーのうち3官能以上のモノマー及び
プレポリマー〔トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート等〕が好ましい。アクリレートのうち、下記一
般式(4)で表わされる分子量500未満の化合物及び
下記一般式(5)で表わされる化合物が特に好ましい。
【0028】
【化4】 (式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭化水素
基または複素環を含む基を表し、nは1以上の整数を表
す。)
【0029】
【化5】 (式中、R3は水素原子またはメチル基、R4は複素環を
含む基を表わす。)
【0030】上記一般式(4)において、R2は炭化水
素基または複素環を含む基を示すが、この場合、炭化水
素基としては、脂肪族系及び芳香族系のものが含まれ
る。脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ヘキンル基、オクチル
基等の炭素数1〜10の基、好ましくは1〜5の基が挙
げられる。また、芳香族炭化水素基としては、フェニル
基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基、
フェネチル基等が挙げられる。複素環を含む基として
は、酸素、窒素、硫黄等のへテロ原子を含む各種の複素
環基が包含され、このようなものとしては、例えば、フ
ルフリル、テトラヒドロフルフリル等が挙げられる。
【0031】上記一般式(4)で表されるアクリレート
の具体例としては、アルキルエチレングリコールアクリ
レート〔メチルエチレングリコールアクリレート、エチ
ルエチレングリコールアクリレート、プロピルエチレン
グリコールアクリート、フェニルエチレングリコールア
クリレート等〕、アルキルプロピレングリコールアクリ
レート〔エチルプロピレングリコールアクリレート、ブ
チルプロピレングリコールアクリレート等〕、複素環を
有するアルキレングリコールアクリレート〔フルフリル
エチレングリコールアクリレート、テトラヒドロフルフ
リルエチレングリコールアクリレート、フルフリルプロ
ピレングリコールアクリレート、テトラヒドロフルフリ
ルプロピレングリコールアクリレート等〕が挙げられ
る。一般式(4)で表されるこれらのアクリレートの分
子量は通常500未満であるが、300以下がより好ま
しい。分子量が500以上のアクリレートでは得られる
ゲル状高分子固体電解質から非水溶媒が滲出しやすい。
【0032】上記一般式(5)で表される(メタ)アク
リレート中に含まれる複素環は特に限定はされない。R
4の複素環を含む基としては、酸素や、窒素、イオウ等
のへテロ原子を含む複素環の残基、例えばフルフリル
基、テトラヒドロフルフリル基等が挙げられる。一般式
(5)で表される(メタ)アクリレートとしては、例え
ばフルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフル
フリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの
うちフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリル
アクリレートが好ましい。
【0033】一般式(4)あるいは一般式(5)で表わ
される化合物は単独で使用してもよいが、2種類以上を
混合して使用することもできる。一般式(4)あるいは
一般式(5)で表わされる化合物には、多官能不飽和カ
ルボン酸エステルを併用することにより、弾性率、イオ
ン伝導度とも理想的なゲル状高分子固体電解質を得るこ
とができる。多官能不飽和カルボン酸エステルとして
は、(メタ)アクリロイル基を2個以上有するものが挙
げられる。このものの好ましい具体例としては、「U
V、EB硬化技術」〔(株)総合技術センター発行〕1
42頁〜152頁記載の光重合性モノマー及び光重合性
プレポリマーのうち2官能以上のモノマー及びプレポリ
マー〔ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート等〕が挙げられる
が、3官能(メタ)アクリレートが、保液牲、イオン伝
導度、強度にすぐれたゲル状高分子固体電解質を与える
点で最も好ましい。
【0034】一般式(4)あるいは一般式(5)で表わ
される化合物またはこれを主成分とする不飽和カルボン
酸エステルの使用割合は、非水電解液に対して50重量
%以下が適当であり、5〜40重量%が好ましく、特に
10〜30重量%が好ましい。この範囲外ではゲル状高
分子固体電解質のイオン伝導度及び強度が低下する。
【0035】一般式(4)あるいは一般式(5)で表わ
される化合物に多官能不飽和カルボン酸エステルを併用
する場合、その多官能不飽和カルボン酸エステルの添加
量は、非水電解液に対して4重量%以下、好ましくは
0.05〜2重量%であり、特に3官能不飽和カルボン
酸エステルを併用する場合には、2重量%以下、好まし
くは0.05〜0.5重量%という少量の添加量でイオ
ン伝導度や強度の点で優れたゲル状高分子固体電解質を
得ることができる。このような多官能不飽和カルボン酸
エステルの併用により、イオン伝導度や強度の点でより
すぐれたゲル状高分子固体電解質を得ることができる。
また、多官能不飽和カルボン酸エステルの併用量が多す
ぎると、得られるゲル状高分子固体電解質は粘弾性体と
しての性状を示さず、柔軟性に欠け、特に外部応力に対
してクラックを生じやすくなる。
【0036】一般式(4)あるいは一般式(5)で表わ
される化合物またはこれを主成分として含む不飽和カル
ボン酸エステルの重合開始剤としては、カルボン化合
物、ベンゾイン類(ベンゾイン、ベンゾインメチルエー
テル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピル
エーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイ
ンイソブチルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−フ
ェニルベンゾイン等)、アントラキノン類(アントラキ
ノン、メチルアントラキノン、クロルアントラキノン
等)、その他の化合物(ベンジル、ジアセチル、アセト
フェノン、ベンゾフェノン、メチルベンゾイルフォーメ
ート等)、硫黄化合物(ジフェニルスルフィド、ジチオ
カーバメート等)、多縮合環系炭化水素のハロゲン化物
(α−クロルメチルナフタリン等)、色素類(アクリル
フラビン、フルオレセン等)、金属塩類(塩化鉄、塩化
銀等)、オニウム塩類(P−メトキシベンゼンジアゾニ
ウム、ヘキサフルオロフォスフェート、ジフェニルアイ
オドニウム、トリフェニルスルフオニウム等)などの光
重合開始剤が挙げられる。これらは単独でも、あるいは
2種以上の混合物としても使用できる。
【0037】好ましい光重合開始剤は、カルボニル化合
物、硫黄化合物及びオニウム塩類である。必要により熱
重合開始剤(アゾビスイソブテロニトリル、べンゾイル
パーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、エチルメ
チルケトンペルオキシド等)を併用することができる
し、また、ジメチルアニリン、ナフテン酸コバルト、ス
ルフィン酸、メルカプタン等の重合開始剤も併用でき
る。
【0038】さらに、増感剤、貯蔵安定剤も必要により
併用できる。増感剤及び貯蔵安定剤の具体例としては、
「UV、EB硬化技術」〔(株)総合技術センター発
行〕158頁〜159頁記載の増感剤、貯蔵安定剤のう
ち、前者としては、尿素ニトリル化合物(N,N−ジ置
換−P−アミノベンゾニトリル等)、隣化合物(トリ−
n−ブチルホスフィン等)が好ましく、後者としては、
第4級アンモニウムクロライド、ベンゾチアゾール、ハ
イドロキノンが好ましい。
【0039】重合開始剤の使用量は、全不飽和カルボン
酸エステルに対し、通常0.1〜10重量%、好ましく
は0.5〜7重量%である。この範囲外では適度な反応
性が得られない。増感剤および貯蔵安定剤の使用量は、
全不飽和カルボン酸エステル100重量部に対し、通常
0.1〜5重量部である。
【0040】電解液の固体化は、例えば前記の一般式
(4)あるいは一般式(5)で表わされる化合物又はこ
れを主成分とする不飽和カルボン酸エステルを含む非水
電解液を密封容器に注入するか、あるいは支持体および
電極(例えばフィルム、金属、金属酸化物、ガラス等)
にコーティングした後、熱又は活性光線で重合すること
により達成される。活性光線としては、通常、光、紫外
線、電子線、X線が使用できる。これらのうち、好まし
くは、100〜800nmの波長を主波長とする活性光
線である。ポリエン/ポリチオールの混合物の重合反応
は、基本的には下記表1に示す通りである。
【0041】
【表1】 (式中、R及びR′はアルキル基等の有機基である)
【0042】ポリエンとしては、ポリアリルエーテル化
合物、ポリアリルエステル化合物が挙げられる。ポリア
リルエーテル化合物の例としては、置換、未置換のアリ
ルアルコールにエポキシ化合物(エチレンオキサイド、
プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレン
オキサイド、シクロヘキセンオキサイド、エピハロヒド
リン、アリルグリシジルエーテル等)を付加した化合物
が挙げられる。これらのうち好ましいものは、置換、未
置換のアリルアルコールにエチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイドを付加した化合物である。
【0043】ポリアリルエステル化合物としては、アリ
ルアルコール又は上記のポリアリルエーテル化合物とカ
ルボン酸との反応生成物が挙げられる。カルボン酸の例
としては、脂肪族、脂環式、及び芳香族系のモノ及びポ
リカルボン酸〔酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクタン
酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、安息香酸
などのモノカルボン酸(炭素数1〜20)、アジピン
酸、フタル酸なとのジカルボン酸〕が挙げられる。これ
らのうち好ましいものは、ポリアリルエーテル化合物と
ポリカルボン酸の反応生成物である。
【0044】ポリチオールとしては、液状ポリサルファ
イド、脂肪族、脂環式及び芳香族系のポリチオール化合
物、メルカプトカルボン酸エステルが挙げられる。液状
ポリサルファイドとしてはチオコールLPシリーズ〔東
レチオコール(株)〕が挙げられる。このうち好ましい
ものは平均分子量が400以下のものである。脂肪族、
脂環式及び芳香族系のポリチオール化合物の例として
は、メタン(ジ)チオール、エタン(ジ)チオールが挙
げられる。
【0045】メルカプトカルボン酸エステルとしては、
メルカプトカルボン酸と多価アルコールとのエステル化
反応又はメルカプトカルボン酸アルキルエステルと多価
アルコールとのエステル交換反応により得られる化合物
が挙げられる。メルカプトカルボン酸の例としては、2
−メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸が挙げ
られる。多価アルコールの例としては、エチレングリコ
ール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエ
リスリトール、ショ糖及びこれらのアルキレンオキサイ
ド付加物(エチレンオキサイド、フロピレンオキサイド
付加物、ブチレンオキサイド付加物)などが挙げられ
る。多価アルコールとして好ましいものは3価以上の多
価アルコールでアルキレンオキサイド付加物を含まない
ものである。
【0046】メルカプトカルボン酸アルキルエステルの
例としては、2−メルカプト酢酸エチルエステル、3−
メルカプトプロピオン酸メチルエステル等が挙げられ
る。ポリチオールのうちで好ましいものは、液状ポリサ
ルファイド及びメルカプトカルボン酸エステルである。
ポリエチレン/ポリチオールの反応混合物の重合開始剤
としては、不飽和カルボン酸エステルの重合について示
したものと同様のものが用いられる。
【0047】本発明の二次電池において、電極とゲル状
高分子固体電解質との複合は、電極とゲル状高分子固体
電解質フィルムを圧着しても機能するが、電極とゲル状
高分子固体電解質の界面抵抗を下げる上で、電極と重合
性化合物を含有するゲル状高分子固体電解質プレ溶液と
を接触させた後、重合性化合物の重合によりゲル状高分
子固体電解質と電極とを複合させることが好ましく、特
に本発明に用いる1つのチオール基を有するアニリン系
化合物の重合体と可溶性導電性高分子との複合体からな
る電極においては電極とゲル状高分子固体電解質の界面
抵抗を下げる効果が著しく大きい。
【0048】本発明の二次電池においては、正極及び負
極の短絡を防止するため、必要によりセパレータを用い
ることもできる。セパレータとしては、例えばガラス、
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテ
トラフルオロエチレン等の単独または2種類以上の材質
からなる不織布や織布、或いはこれらの複合体の多孔性
フィルムなどが挙げられる。本発明の二次電池は偏平
型、コイン型、角型、円筒型等の種々の形態をとること
ができる。
【0049】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。 実施例1 過塩素酸と過塩素酸リチウムの水−アセトニトリル混合
溶液から1V vs AgClの定電位電解重合法により
白金板上に重合体を堆積させ、この重合体を白金より剥
ぎ取り、洗浄、乾燥することにより重合体を得た。この
重合体70重量部、ポリアニリン30重量部、アセチレ
ンブラック5重量部、N−メチルピロリドン300重量
部を混合、分散し、溶液をアルミ箔上に塗布し乾燥させ
て正極を作製した。
【0050】この正極、及び負極にリチウムを用い、プ
ロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの1:1
(体積比)混合溶媒に2M LiBF4を溶解した電解液
を用いてコイン型二次電池を作製した。このコイン型二
次電池を2mA、3.7Vで10時間定電流定電圧充
電、2Vまでの2mA、5mA、10mAの各定電流放
電で充放電を繰り返した。充放電5サイクル目の放電容
量を表2に示す。
【0051】実施例2 実施例1において、重合体80重量部、ポリアニリン2
0重量部とした以外は実施例1と同様にしてコイン型二
次電池を作製し、実施例1と同様にして電池特性を評価
した。その結果を表2に示す。
【0052】実施例3 実施例1において、重合体45重量部、ポリアニリン5
5重量部とした以外は実施例1と同様にしてコイン型二
次電池を作製し、実施例1と同様にして電池特性を評価
した。その結果を表2に示す。
【0053】実施例4 実施例1において、重合体90重量部、ポリアニリン1
0重量部とした以外は実施例1と同様にしてコイン型二
次電池を作製し、実施例1と同様にして電池特性を評価
した。その結果を表2に示す。
【0054】比較例1 実施例1で作製した重合体90重量部、導電性バインダ
ー(International Battery Association、TAB2)
10重量部を混練し、加圧成型した後、ステンレス金網
に圧着して正極を作製した。この正極を用いた以外は実
施例1と同様にしてコイン型二次電池を作製し、実施例
1と同様にして電池特性を評価した。その結果を表2に
示す。
【0055】比較例2 2,5−メルカプト−1,3,4−チアゾール70重量
部、ポリアニリン30重量部をN−メチルピロリドン3
00重量部に混合溶解し、アルミ箔上に塗布し乾燥させ
て正極を作製した。この正極、及び負極にリチウムを用
い、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの
1:1(体積比)混合溶媒に2M LiBF4を溶解した
電解液を用いてコイン型二次電池を作製した。このコイ
ン型二次電池を2mA、3.7Vで10時間定電流定電
圧充電、2Vまでの2mA、5mA、10mAの各定電
流放電で充放電を繰り返した。充放電5サイクル目の放
電容量を表2に示す。
【0056】実施例5 実施例1で作製した重合体70重量部とポリ−3−ヘキ
シルチオフェン25重量部、アセチレンブラック5重量
部、クロロホルム500重量部を混合、分散してアルミ
箔上に乾燥して正極を作製した。この正極を用いた以外
は実施例1と同様にしてコイン型二次電池を作製し、実
施例1と同様にして電池特性を評価した。その結果を表
2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】実施例6 天然黒鉛60重量部、フリュードコークスを2500℃
で焼成したもの30重量部およびポリ弗化ビニリデン1
0重量部を混合し、更にN−メチルピロリドン300重
量部を混合してペースト状にし、銅ホイル上に塗布し乾
燥させて負極を作製した。エチレンカーボネートとプロ
ピレンカーボネートとジメチルカーボネートを体積比で
5:2:3の割合で混合した混合溶媒に1.5M Li
PF6を溶解した電解液85重量部、エトキシジエチレ
ングリコールアクリレート14.7重量部、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート0.3重量部、ベンゾイ
ンイソプロピルエーテル1重量部を混合してゲル状高分
子固体電解質プレ溶液を調製した。
【0059】このゲル状高分子固体電解質プレ溶液に実
施例1で作製した正極を浸漬し、正極にゲル状高分子固
体電解質プレ溶液を十分に含有させた後、UV光を照射
してゲル状高分子固体電解質を正極に複合した。負極も
正極と同様にしてゲル状高分子固体電解質を複合した。
【0060】ゲル状高分子固体電解質を複合した正極と
負極を張り合わせ、外装材にポリエステル/アルミニウ
ム/ポリエステル/ポリエチレン積層フィルムを用いて
真空封止を行いポリマー電池を作製した。このポリマー
電池を20mAで3.7Vまで充電を行い、30mAで
2Vまで放電を行った。充放電を繰り返して放電容量を
測定したところ、5サイクル目、20サイクル目、10
0サイクル目の放電容量はそれぞれ、67.8mAh、
66.5mAh、61.0mAhであった。
【0061】実施例7 実施例6においてゲル状高分子固体電解質プレ溶液中の
エトキシジエチレングリコールアクリレートの代りにフ
ルフリルアクリレートを用いた以外は実施例6と同様に
してポリマー電池を作製し、実施例6と同様にして電池
性能を評価したところ、5サイクル目、20サイクル
目、100サイクル目の放電容量はそれぞれ、67.4
mAh、66.1mAh、60.5mAhであった。
【0062】実施例8 実施例6においてゲル状高分子固体電解質プレ溶液中の
エトキシジエチレングリコールアクリレートの代りにポ
リエン(分子量400のポリオキシエチレングリコール
400重量部にアリルグリシジルエーテル342重量部
を反応させたもの)9重量部、ペンタエリストールテト
ラキスチオグリコレート5重量部を用いた以外は実施例
6と同様にしてポリマー電池を作製し、実施例6と同様
にして電池性能を評価した。5サイクル目、20サイク
ル目、100サイクル目の放電容量はそれぞれ、67.
9mAh、66.5mAh、60.9mAhであった。
【0063】実施例9 エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートを体積
比で1:1で混合した溶媒に1M LiClO4を溶解し
た電解液83重量部とポリアクリロニトリル17重量部
を混合し、120℃に加熱して溶解した後、−15℃で
15時間冷却してゲル状高分子固体電解質フィルムを得
た。このゲル状高分子固体電解質フィルムを実施例6の
正極及び負極の間に挟み、外装材にポリエステル/アル
ミニウム/ポリエステル/ポリエチレン積層フィルムを
用いて真空封止を行いポリマー電池を作製した。このポ
リマー電池を20mAで3.7Vまで充電を行い、30
mAで2Vまで放電を行った。充放電を繰り返して放電
容量を測定したところ、5サイクル目、20サイクル
目、100サイクル目の放電容量はそれぞれ、35.9
mAh、28.3mAh、5.2mAhであった。
【0064】なお、上記実施例では、少なくとも1つの
チオール基を有するアニリン系化合物の重合体の重合方
法として電解重合法について示したが、過酸化水素、過
硫酸アンモニウム、酸化鉄などの酸化剤を用いた化学重
合法を用いても同様の結果がえられることを確認した。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、高エネルギー密度で低
インピーダンスの電極を用いることにより高容量であり
ながら、重負荷放電時にも容量低下の少ない二次電池を
得ることができる。さらに本発明によれば、電解質とし
て固体電解質を用いることにより、高信頼性の二次電池
を得ることができる。さらに本発明によれば、ゲル状高
分子固体電解質と電極とを複合させることにより、電極
とゲル状高分子固体電解質との界面抵抗を低減させるこ
とができるため、高信頼性で低インピーダンスの二次電
池を得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、負極および電解質を備えた二次電
    池において、少なくとも1つのチオール基を有するアニ
    リン系化合物の重合体と可溶性導電性高分子との複合体
    からなる電極を用いることを特徴とする二次電池。
  2. 【請求項2】 少なくとも1つのチオール基を有するア
    ニリン系化合物の重合体と可溶性導電性高分子との混合
    比率が重量比で50:50〜98:2であることを特徴
    とする請求項1記載の二次電池。
  3. 【請求項3】 電解質が固体電解質であることを特徴と
    する請求項1または2記載の二次電池。
  4. 【請求項4】 固体電解質がゲル状高分子固体電解質で
    あることを特徴とする請求項3記載の二次電池。
  5. 【請求項5】 ゲル状高分子固体電解質と電極とが複合
    されていることを特徴とする請求項4記載の二次電池。
  6. 【請求項6】 電極と重合性化合物を含有するゲル状高
    分子固体電解質プレ溶液とを接触させた後、重合性化合
    物の重合によりゲル状高分子固体電解質と電極とを複合
    させてなることを特徴とする請求項5記載の二次電池。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006109495A1 (ja) * 2005-04-12 2006-10-19 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 非水電解液二次電池
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CN116314730A (zh) * 2023-05-22 2023-06-23 江苏传艺科技股份有限公司 一种用于钠离子电池的生物质基碳电极材料

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