JPH1186499A - 磁気テープカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 上ケースに仮り組みしたライトプロテクト片
を安定した状態に保つことができ、組み立て速度の向上
を図ることができる磁気テープカートリッジを提供す
る。 【解決手段】 磁気テープカートリッジ10は、磁気テー
プ20が巻装されたリール３と、下ケース2bと該下ケース
2bの上部に重ね合わせる上ケース2aとでリール３を回転
可能に収容するカートリッジケース２と、カートリッジ
ケース２の一側面にスライド可能に配設されたライトプ
ロテクト片27と、前記下ケース2bに突設されて前記ライ
トプロテクト片27の裏面に突設された山形リブ27a の斜
面27b,27cに弾性接触することにより前記ライトプロテ
クト片27を両スライド方向端側に付勢可能な弾性接触片
32とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は磁気テープカートリ
ッジに関し、特に、カートリッジケース内に磁気テープ
が巻装された単一のリールを回転可能に収容する磁気テ
ープカートリッジの組立性の改善に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、コンピュータ等の記録媒体として
使用されている磁気テープカートリッジとして、単一の
リールに磁気テープを巻装したタイプのものがある。こ
の磁気テープカートリッジはコンピュータの外部記憶装
置として用いられ、重要な情報が記憶されているので、
テープジャミング等のトラブルが発生しないように、ま
た不用意に磁気テープが引き出されないように構成され
ている。

【０００３】図８は前記磁気テープカートリッジの従来
例を示したものである。ここに示した磁気テープカート
リッジ１は、上リール４と下リール５とを超音波溶着に
より結合した単一のリール３に磁気テープ２０を巻装
し、上ケース２ａと下ケース２ｂとがビス１９等により
締結されて成るカートリッジケース２内に前記リール３
を回動自在に収納した構成である。

【０００４】前記上リール４は、外周に磁気テープ２０
が巻回される有底円筒状のリールハブ４２と、該リール
ハブ４２の上端外周から径方向に張り出したフランジ部
４３とを合成樹脂により一体成形したもので、前記リー
ルハブ４２の底部外面に回転駆動用の係合手段としての
係止歯が刻設されると共に、前記フランジ部４３の外周
縁には不使用時の回転を拘束する際にリールロック５
０，５１が係合する制止用ギヤ４３ａが刻設されてい
る。なお、図８に示すように、前記リールハブ４２の有
底凹部は上方側に開放されている。

【０００５】一方、前記下リール５は、前記リールハブ
４２の底部外面を挿通させる開口５ａが中心部に形成さ
れた円盤状を成しており、超音波溶着により前記上リー
ル４に一体化される。前述のように上リール４と下リー
ル５とを溶着して一体化させたリール３は、前記カート
リッジケース２に組み込む際に、前記リールハブ４２の
有底凹部にベアリング６が圧入固定され、更に、該ベア
リング６の中心部の穴にスプリングプラグ７が圧入固定
される。そして前記スプリングプラグ７に取り付けられ
たリールばね８が、前記リール３を下方側に付勢すると
共に回転自在に保持する。

【０００６】また、前記リール３は、カートリッジ不使
用時に不測の回動をしないように、ブレーキ用のトーシ
ョンばね１２による付勢力で前記制止用ギヤ４３ａに係
合するリールロック５０，５１により係止される。又、
前記磁気テープカートリッジ１はその不使用時に前記磁
気テープ２０が完全に前記リール３に巻き込まれた状態
で、磁気テープ端に取り付けられたリーダーテープ（磁
気テープカートリッジ１を使用する外部記憶装置が、前
記磁気テープ２０を装置内の所定のテープ走行路に導入
するための手段）２１がカートリッジ側面寄りに組み込
まれたフック１８の先端部分に係止される。

【０００７】カートリッジケース２を構成する上ケース
２ａ及び下ケース２ｂの一側壁には、前記磁気テープ２
０を引き出すための磁気テープ引き出し用開口部２４と
なる切り欠き２４ａ，２４ｂが形成されている。そし
て、これらの切り欠き２４ａ，２４ｂによる磁気テープ
引き出し用開口部２４には、カートリッジ平面方向に開
閉可能なリッド３０が、リッド付勢用のトーションばね
１５によって適宜付勢されるように取り付けられてい
る。更に、カートリッジ不使用時に回動しないように、
前記リッド３０はリッドロックばね１６により適宜付勢
されたリッドロック４０により係止されている。又、前
記リッド３０と対向する反対側の側面には、ライトプロ
テクト片１７が組み込まれている。

【０００８】前記ライトプロテクト片１７は、図９乃至
図１１に示すように、上縁を前記上ケース２ａのガイド
溝２４ｃに嵌合させると共に下縁を前記下ケース２ｂの
ガイド溝２４ｄに嵌合させることで、前記カートリッジ
ケース２の一側面にスライド可能に支持される。このラ
イトプロテクト片１７のスライド方向は、図９に矢印
（イ）で示すように、カートリッジケース２の一側面に
沿った方向である。

【０００９】また、前記ライトプロテクト片１７の裏面
には、山形リブ１７ａが突設されており、前記上ケース
２ａの上壁内面には、前記山形リブ１７ａの斜面に弾性
接触することにより前記ライトプロテクト片１７を両ス
ライド方向端側に付勢可能な弾性接触片２２が突設され
ている。即ち、前記ライトプロテクト片１７は、両スラ
イド方向端の一方に位置することにより、データの書き
込み可位置又は書き込み不可位置を採り得ると共に、不
用意なスライド動作を防止されている。

【００１０】そして、上述の磁気テープカートリッジ１
が対応する外部記憶装置等にセットされると、前記下ケ
ース２ｂの中央部の開口２ｃに露呈している前記リール
３の係止歯に装置側の回転駆動手段が係合すると共に、
装置側のテープ引き出し機構により前記リッド３０が開
かれて前記リーダーテープ２１がテープ走行路の所定位
置に引き込まれ、前記磁気テープ２０へのデータの読み
書きが可能になる。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した磁
気テープカートリッジ１は、組立時には、図９及び図１
０に示すように、組み立て用搬送台２３上に前記上ケー
ス２ａを裏返した状態でセットし、この裏返しの上ケー
ス２ａ上に、前記リール３、前記リールロック５０，５
１、前記リッド３０及び前記ライトプロテクト片１７等
の各種部品を仮り組みした後、前記上ケース２ａに下ケ
ース２ｂの組み付けがなされる。

【００１２】ところが、前記上ケース２ａに仮り組みさ
れた前記ライトプロテクト片１７は、下ケース２ｂの組
付けが完了するまでは、上縁（図９及び図１１では、下
方の縁）だけが嵌合支持された片持ち状態であり、そこ
に、前記山形リブ１７ａに当接している弾性接触片２２
からの弾性付勢力が作用するため、自由端となっている
下縁（図９及び図１１では、上側の縁）が傾斜した不安
定な状態で、組立ライン上を搬送されることになる。

【００１３】そこで、例えば、搬送途中の搬送速度の僅
かな変動でライトプロテクト片１７の脱落が生じたり、
あるいは、下ケース２ｂを組み付けるために押さえ治具
３１で押さえようとしたときの僅かな衝撃でもライトプ
ロテクト片１７が位置ずれを起こし易く、組み立て速度
の向上が難しいという問題があった。従って、本発明の
目的は上記課題を解消することに係り、上ケースに仮り
組みしたライトプロテクト片を安定した状態に保つこと
ができ、組み立て速度の向上を図ることができる磁気テ
ープカートリッジを提供することである。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、磁
気テープが巻装されたリールハブの底部外面に回転駆動
用の係合手段が設けられた単一のリールと、前記回転駆
動用の係合手段を露呈させる回転駆動用開口が底部中央
に形成された下ケースと該下ケースの上部に重ね合わせ
る上ケースとで前記リールを回転可能に収容するカート
リッジケースと、前記カートリッジケースの一側面にス
ライド可能に配設されたライトプロテクト片と、前記下
ケースに突設されて前記ライトプロテクト片の裏面に突
設された山形リブの斜面に弾性接触することにより前記
ライトプロテクト片を両スライド方向端側に付勢可能な
弾性接触片とを備えた磁気テープカートリッジにより達
成される。

【００１５】上記構成によれば、磁気テープカートリッ
ジの組立時には、組み立て用搬送台上に上ケースを裏返
した状態でセットし、この裏返しの上ケース上に各種部
品と共にライトプロテクト片を仮り組みするが、裏返し
た上ケースの上に仮り組みされたライトプロテクト片の
山形リブには、下ケースの組み付けを行うまでは弾性接
触片が接触しない。そこで、上ケースの上に仮り組みさ
れたライトプロテクト片が傾斜した不安定な状態で組立
ライン上を搬送されることがない。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の一実施形態に係る磁気テープカートリッジ１０を詳細
に説明する。なお、図１に示した本実施形態の磁気テー
プカートリッジ１０は、ライトプロテクト片２７の不測
のスライド動作を規制するために前記ライトプロテクト
片２７の裏面に突設される山形リブ２７ａの配置、及び
前記山形リブ２７ａに当接する弾性接触片３２の配置を
変更したものであり、これらの変更箇所以外の構成は図
８に示した従来の磁気テープカートリッジ１と同様の構
成を採るので、前記磁気テープカートリッジ１の構成部
品と同一のものは同符号を付して詳細な説明を省略す
る。

【００１７】前記磁気テープカートリッジ１０は、上縁
を前記上ケース２ａのガイド溝２４ｃに嵌合させると共
に下縁を前記下ケース２ｂのガイド溝２４ｄに嵌合させ
ることで、前記カートリッジケース２の一側面にスライ
ド可能に支持されるライトプロテクト片２７と、前記下
ケース２ｂの底壁内面に突設され、前記ライトプロテク
ト片２７の裏面に突設された山形リブ２７ａの斜面に弾
性接触することにより前記ライトプロテクト片２７を両
スライド方向端側に付勢可能な弾性接触片３２とを備え
る（図２及び図３参照）。

【００１８】そこで、組立時には、図２及び図３に示す
ように、組み立て用搬送台２３上に前記上ケース２ａを
裏返した状態でセットし、この裏返しの上ケース２ａ上
に、前記リール３、前記リールロック５０，５１、前記
リッド３０及び前記ライトプロテクト片２７等の各種部
品を仮り組みした後、前記上ケース２ａ上に仮り組みさ
れているライトプロテクト片２７の表面の凹部２７ｅに
押さえ治具３１の突起３１ａを押し当てて、前記ライト
プロテクト片２７を適正姿勢に位置決め支持した状態で
前記上ケース２ａに下ケース２ｂの組み付けを行う。

【００１９】ここで、本実施形態の磁気テープカートリ
ッジ１０の場合は、図１及び図２にも示したように、前
記ライトプロテクト片２７の不測のスライド動作を規制
するための前記弾性接触片３２が、下ケース２ｂの底壁
内面に突設されている。また、図４及び図５に示すよう
に、前記山形リブ２７ａは、従来の場合とは逆に、上ケ
ース２ａの上壁側に突出位置をずらして設けられてお
り、更に、前記弾性接触片３２が当接する前記山形リブ
２７ａの斜面２７ｂ，２７ｃの下ケース２ｂ側の角部
は、前記下ケース２ｂの組み付け時に弾性接触片３２の
先端を斜面側に導くための面取り２７ｄが施されている
（図６及び図７参照）。

【００２０】前記山形リブ２７ａの斜面に当接した弾性
接触片３２は、図７に示すように、先端側が適宜寸法Ｌ
だけ弾性変形した状態で前記ライトプロテクト片２７の
スライド方向の不測の動きを規制する。そして、弾性接
触片３２の付勢力に抗して前記ライトプロテクト片２７
をスライド操作したときに、前記弾性接触片３２が両斜
面２７ｂ，２７ｃ間の山部を乗り越える度に、ライトプ
ロテクト片２７が書き込み可位置または書き込み不可位
置に移動したことを操作感触として伝えるクリック感を
与える。

【００２１】即ち、本実施形態の磁気テープカートリッ
ジ１０では、組立時には、組み立て用搬送台２３上に上
ケース２ａを裏返した状態でセットし、この裏返しの上
ケース２ａ上に、前記リール３、前記リールロック５
０，５１、前記リッド３０及び前記ライトプロテクト片
２７等の各種部品を仮り組みした後に、前記上ケース２
ａに下ケース２ｂの組み付けを行うが、裏返した上ケー
ス２ａの上に仮り組みされたライトプロテクト片２７の
山形リブ２７ａには、下ケース２ｂの組み付けを行うま
では弾性接触片３２が接触しない。

【００２２】そこで、裏返した上ケース２ａの上に仮り
組みされたライトプロテクト片２７は、弾性接触片３２
の付勢力で傾斜した不安定な状態のまま組み立てライン
上を搬送されることがなく、安定した状態に保って搬送
されるので、搬送途中の搬送速度の僅かな変動や下ケー
ス２ｂを組み付けるために押さえ治具３１で押さえよう
としたときの僅かな衝撃でライトプロテクト片２７が脱
落したり位置ずれを起こすことがなくなる。従って、組
み立てラインにおける搬送速度の高速化等によって、磁
気テープカートリッジの組み立て速度の向上を図ること
もできる。

【００２３】

【発明の効果】本発明の磁気テープカートリッジによれ
ば、磁気テープカートリッジの組立時には、組み立て用
搬送台上に上ケースを裏返した状態でセットし、この裏
返しの上ケース上に各種部品と共にライトプロテクト片
を仮り組みするが、裏返した上ケースの上に仮り組みさ
れたライトプロテクト片の山形リブには、下ケースの組
み付けを行うまでは弾性接触片が接触しない。そこで、
上ケースの上に仮り組みされたライトプロテクト片が傾
斜した不安定な状態で組立ライン上を搬送されることが
ない。従って、上ケースに仮り組みしたライトプロテク
ト片を安定した状態に保って搬送することができ、搬送
途中の搬送速度の僅かな変動や下ケースを組み付けるた
めに押さえ治具で押さえようとしたときの僅かな衝撃で
ライトプロテクト片が脱落したり位置ずれを起こすこと
がなくなり、組み立てラインにおける搬送速度の高速化
等によって、組み立て速度の向上を図ることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る磁気テープカートリ
ッジの分解斜視図である。

【図２】図１に示した磁気テープカートリッジの組み立
て途中の状態を示す要部斜視図である。

【図３】図２におけるＤ矢視図である。

【図４】図２のＥ矢視図である。

【図５】図１に示した磁気テープカートリッジの組み立
て完了状態におけるライトプロテクト片の正面図であ
る。

【図６】図５におけるＦ−Ｆ線に沿う断面図である。

【図７】図６におけるＧ−Ｇ線に沿う断面図である。

【図８】従来の磁気テープカートリッジの分解斜視図で
ある。

【図９】図８に示した磁気テープカートリッジの組み立
て途中の状態を示す要部斜視図である。

【図１０】図９におけるＡ矢視図である。

【図１１】図１０に示したライトプロテクト片の仮組み
状態を示す正面図である。

【符号の説明】

２ カートリッジケース ２ａ 上ケース ２ｂ 下ケース ３ 磁気テープカートリッジ用リール ４ 上リール ５ 下リール １０ 磁気テープカートリッジ ２０ 磁気テープ ２７ ライトプロテクト片 ３２ 弾性接触片

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気テープが巻装されたリールハブの底
   部外面に回転駆動用の係合手段が設けられた単一のリー
   ルと、前記回転駆動用の係合手段を露呈させる回転駆動
   用開口が底部中央に形成された下ケースと該下ケースの
   上部に重ね合わせる上ケースとで前記リールを回転可能
   に収容するカートリッジケースと、前記カートリッジケ
   ースの一側面にスライド可能に配設されたライトプロテ
   クト片と、前記下ケースに突設されて前記ライトプロテ
   クト片の裏面に突設された山形リブの斜面に弾性接触す
   ることにより前記ライトプロテクト片を両スライド方向
   端側に付勢可能な弾性接触片とを備えた磁気テープカー
   トリッジ。