JP2007128655A - 磁気テープカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】落下衝撃等によって上下ケースに口開き変形が発生しないようにして、又は収納部に対するリーダーピンの保持機能を高めて、リーダーピンが収納部から抜けるのを防止し確実なローディング動作を確保し、信頼性を高める。
【解決手段】磁気テープ6を巻装した単一のリール7を回転可能に上ケース2と下ケース3との重ね合わせによるカートリッジケース4に収容し、磁気テープ6の先端に固着したリーダーピン5の端部を着脱可能にケース4の凹状収納部20に固定保持し、収納部20をアンダーカット溝20bに形成し、リーダーピン5の両端固定部5dをこれと係合する抜け止め構造に形成してなる。
【選択図】図11

Description

本発明は、カートリッジケース内に磁気テープが巻装された単一のリールを回転可能に収容し、この磁気テープの先端に該磁気テープを引き出すためのリーダーピンを固着してなる磁気テープカートリッジに関し、特に、保管時等に落下衝撃などが作用した際に開口部の口開き変形によりリーダーピンが収納部から外れるのを防止する構造に関するものである。
従来、コンピュータ等の外部記憶装置に用いられる記録媒体として使用されている磁気テープカートリッジには、単一のリールに磁気テープを巻装し、このリールをカートリッジケース内に回転可能に収容したタイプのものが知られている。この磁気テープはコンピュータ等のデータ保存用として用いられ、重要な情報が記憶されているため、テープジャミング等のトラブルが発生しないように、また不用意に磁気テープが引き出されないように構成されている。
また、上記磁気テープの先端部にはリーダーピンが固着され、このリーダーピンを記録再生装置側で引き出して巻き取り又は巻き戻し(ロード/アンロード)を行うように構成される。上記リーダーピンは、カートリッジケースのスライドドアによって開閉される開口部から内部に配設された収納部に所定の姿勢で着脱可能に保持されるもので、このリーダーピンの両端部を固定保持するロック部材が配設されている。そして、カートリッジケースが記録再生装置に装填されると、スライドドアが開作動されて開口部が開かれ、その後、ローディング用の係合部材(リーダーブロック)が開口部に内に進入し、この係合部材がリーダーピンに係合して引っ掛けた後、後退移動して開口部からケース外にリーダーピンが引き出される。
しかして、上記のような磁気テープカートリッジにおいては、前記リーダーピンの収納位置への保持を確実に行って、記録再生装置の係合部材に正確に保持されるようにしてローディング動作の信頼性を高める必要がある。
つまり、前記リーダーピンの収納状態すなわち磁気テープカートリッジの保管又は搬送状態において、カートリッジの落下等により衝撃が作用した際に、カートリッジケースの開口部分近傍の上下ケースが離間するように変形して開口部が上下に開かれると、リーダーピンを保持している収納部が上下に移動して該リーダーピンが収納部から抜け、収納位置からケース内部に離脱移動するか、傾いた状態となる可能性がある。そして、このようにリーダーピンが抜けた状態となると、次に磁気テープカートリッジを記録再生装置に装填した際に、記録再生装置側の係合部材に正常に保持されずにローディング動作不良が発生して使用上の信頼性を損なう恐れがある。特に、カートリッジケースの開口部の近傍には前記ロック部材等が設置される関係で、上下ケースを締結するビスを配設するスペースがなく、上記のような口開きが発生する可能性がある。
本発明は上記点に鑑みなされたもので、落下衝撃等によって上下ケースに口開き変形が発生しないようにして、又は収納部に対するリーダーピンの保持機能を高めて、リーダーピンが収納部から抜けるのを防止し確実なローディングが行えるようにした磁気テープカートリッジを提供することを目的とする。
本発明の磁気テープカートリッジは、上ケースと下ケースとの重ね合わせにより、磁気テープを巻装した単一のリールを回転可能に収容するカートリッジケースを備え、前記磁気テープの先端に該磁気テープを引き出すためのリーダーピンが固着され、該リーダーピンの両端部が前記カートリッジケースの開口部内の凹状収納部に着脱可能にロック部材によって固定保持され、前記開口部を開閉するスライドドアが設置されてなる磁気テープカートリッジにおいて、前記収納部がアンダーカット溝に形成され、リーダーピンの両端部が前記アンダーカット溝に係合する形状に設けられていることを特徴とするものである。
その際、前記収納部の周面を逆円錐状のアンダーカット溝に形成し、前記リーダーピンの両端部を前記アンダーカット溝に係合する逆円錐形状に設けるのが好適である。
また、前記収納部の周面を段状のアンダーカット溝に形成し、前記リーダーピンの両端部を前記アンダーカット溝に係合する端部にフランジ部分を有する段形状に設けるのが好適である。
本発明の他の磁気テープカートリッジは、上ケースと下ケースとの重ね合わせにより、磁気テープを巻装した単一のリールを回転可能に収容するカートリッジケースを備え、前記磁気テープの先端に該磁気テープを引き出すためのリーダーピンが固着され、該リーダーピンの両端部が前記カートリッジケースの開口部内の凹状収納部に着脱可能にロック部材によって固定保持され、前記開口部を開閉するスライドドアが設置されてなる磁気テープカートリッジにおいて、前記スライドドアの内面の上下に、該スライドドアの閉状態において前記リーダーピンのフランジ部より細い上下の係合部に係合し、前記収納部に保持されたリーダーピンの姿勢を維持する保持部材を備え、該保持部材はフォーク状に形成され、前記スライドドアの閉移動に応じて先端部がリーダーピンの係合部に挿入して係合し、収納部に保持されたリーダーピンの上下方向及び開口部に直交する方向の移動を規制することを特徴とするものである。
上記のような本発明の磁気テープカートリッジによれば、リーダーピンを収容する収納部をアンダーカット溝に形成しリーダーピンの両端部をアンダーカット溝に係合する形状に設けたことにより、又は、スライドドアの内面の上下に該スライドドアの閉状態においてリーダーピンのフランジ部より細い上下の係合部に係合して収納部に保持されたリーダーピンの姿勢を維持する保持部材を備えたことにより、落下衝撃時等においても収納部にリーダーピンを保持して収納部からリーダーピンが抜けるのが防止でき、リーダーピンが収納部から外れたり傾くのが防止でき、リーダーピンは係合部材に正常に保持されて確実なローディング動作が行え使用上の信頼性を確保できる。
以下、図面に示す各実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1ないし図5にこの実施の形態を示し、基本構造の説明を行うもので、本発明の実施態様に該当しない部分も含んでいる。図1は磁気テープカートリッジの分解斜視図、図2はスライドドアが開いた状態の開口部近傍の正面図、図3は上ケースを除去した状態の開口部近傍の平面図、図4は図2の側面図、図5はロック部材の斜視図である。この明細書での前後方向は、磁気テープカートリッジの装填方向(図1の斜め右上方向)に対応して表記している。
磁気テープカートリッジ1は、上ケース2と下ケース3とがビス等により締結されてなるカートリッジケース4内に、先端にローディング用のリーダーピン5が固着された磁気テープ6を巻装した単一のリール7が回動可能に収容される。上記上下ケース2,3の一側壁2b,3bには、磁気テープ6を引き出すための略矩形状の開口部10が形成され、この開口部10は図示しないスプリングで閉方向に付勢されたスライドドア11により開閉され、開口部10近傍には上記スライドドア11が摺動する溝状のドアレール12(図3参照)が形成される。
また、磁気テープカートリッジ1はその不使用時に磁気テープ6が完全にリール7に巻き込まれた状態で、先端のリーダーピン5が開口部10の近傍に形成された凹状の収納部20に係止保持される。この収納部20には開口部10に向けて誘い込み構造に形成された挿入案内部21(ガイド面)が連設され、奥部の収納部20に向けてリーダーピン5の端部を案内する。また、上記リーダーピン5を前記収納部20に着脱可能に保持する板バネによるロック部材9が設置されている。
前記開口部10を開閉するスライドドア11は略矩形状であり、その上下縁は上下ケース2,3に設けられたドアレール12に沿って開閉摺動する。このスライドドア11の先端部には、上下縁部分を除く中央部分に外面側に突出する突起部11aが設けられている。また、カートリッジケース4の開口部10の前側端部の開口縁は、前記スライドドア11の突起部11aの幅に対応する部分が切り欠かれ、この切欠き部4aに閉状態のスライドドア11の前記突起部11aが挿入し、切欠き部4aの上下の開口縁にスライドドア11の先端部が当接して閉状態で停止し、ケース前面側に上記突起部11aの先端が露出する。この突起部11aに記録再生装置側の開操作部材(図示せず)が係止して、カートリッジケース4の装填動作に応じてスライドドア11の開作動が行われるように設けられている。
そして、図2〜図4に示すように、前記スライドドア11の先端部の内面の上下には、開閉方向に延びて内方に突出する係合突起11b,11bが形成されている。また、前記カートリッジケース4の上ケース2及び下ケース3の前記切欠き部4aにおけるそれぞれの側壁2b,3b(前壁)の端面には、スライドドア11の開閉方向に延びる凹状の係合溝4b,4bが設けられている。前記スライドドア11の上下の係合突起11b,11bは、該スライドドア11の閉状態において、それぞれ上ケース2の係合溝4b及び下ケース3の係合溝4bに係合し、この係合状態において前記上ケース2と下ケース3とが離間するような開口部10の口開き変形を阻止するようになっている。
なお、前記スライドドア11の内面には、前記ロック部材9の先端部に対応する位置に開閉方向に延びる凹溝11cが形成され、スライドドア11とロック部材9との干渉を避けるようにしている。また、リーダーピン5に対応する位置の内面には凸部11dが形成され、リーダーピン5の開口部10側への移動量を規制している。
前記リーダーピン5は図2に示すように、磁気テープ6の先端部を巻き付けて断面C形のクランプ部材5eの嵌着によりクランプする軸状のテープクランク部5aを中央に有し、このテープクランプ部5aの上下両側に板状の上下フランジ部5b,5bが連設され、さらに上下フランジ部5bの上下に記録再生装置の係合部材で係合保持される細い係合部5c,5cがそれぞれ軸方向に延びて形成され、両端にはケース固定用の固定部5d,5dが形成されてなる。このリーダーピン5は例えば金属棒(ステンレス鋼等)の削り出しによって形成され、そのテープクランプ部5aは長さが磁気テープ6の幅に設けられている。前記クランプ部材5eは樹脂成形品であり、前記リーダーピン5のテープクランプ部5aの長さに相当する軸方向長さを有し、その全長に渡って軸方向に延びるスリットが開口された断面C形に形成され、テープクランプ部5aの外周に弾性的に嵌着可能に設けられている。
前記ロック部材9(図5参照)は上下一体であり、略矩形板状の取付部9aが、前記上ケース2及び下ケース3の重ね合わせで、ケース側壁2b,3b(前壁)の近傍に設けられたバネ装着部23(上ケース2については図示していないが下ケース3と対称同形状である)に係合されて保持される。上記取付部9aのリーダーピン5側の縁部の上下両端部に、リーダーピン5の方向に前記取付部9aから屈曲して延びる弾性腕部9bが連接され、この腕部9bの先端保持部9cがリーダーピン5の固定部5dの外周に当接する。該保持部9cは、リーダーピン5側に突出する山形に設けられ、先端側の斜面で開口部10から挿入移動するリーダーピン5に接触して弾性腕部9bが撓み変形し、内部側の斜面でリーダーピン5を収納部20内に押圧保持するようになっている。また、前記取付部9aの上下端部には係合凹部9dが設けられている。なお、上下の弾性腕部9b,9bは、根元部分で上下連結するように設けてもよい。
前記のようなロック部材9を保持する上下ケース2,3のバネ装着部23は、上下ケース2,3の側壁2b,3b(前壁)の内面に形成された2つのリブ23a,23aと、その中間における底面に立設された突起23bとの間に取付部9aが挿入されると共に、底面の凸部23cに係合凹部9dが嵌合して、ロック部材9を保持するように設けられている。また、奥部側の端部には、ロック部材9の取付部9aにおける腕部9bと反対側の端部を直立状態に保持する倒れ規制部23dが設けられている。
前記収納部20は凹部周面と平坦な底面とによる略U字状の凹部に形成され、凹部周面の高さ(凹部の深さ)はリーダーピン5の固定部5dの高さより低く形成されている。前記収納部20より開口部10側の挿入案内部21は、収納部20の底面に連続する平坦面と開口端の傾斜面とで構成されている。また、前記収納部20に近接して、前記ロック部材9を設置するための凹部25が形成され、腕部9b前端の保持部9cがリーダーピン5の固定部5dに当接可能に設けられている。
なお、図1において、上下ケース2,3は略矩形状に形成され、上壁2a及び底壁3aの周囲に側壁2b,3bが設けられ、内部にはリール7の外周に沿う円弧状の内壁3c(上ケース2については図示せず)が設けられている。下ケース3は前記側壁3bと内壁3cとの間に配設された4カ所のボス部3d(開口部10近傍のボス部はスライドドア11で隠れている)を上ケース2の不図示のボス部と当接させて、底面からビスを締め付けて重ね合わせ状態で締結される。
また、前記下ケース3の中心部にはドライブ装置の駆動軸によって前記リール7を回転駆動するためのセンター穴3eが開口され、カートリッジケース4の後端部には書き込み防止用のライトプロテクタ部材13が摺動可能に配設される。前記リール7の中心部には、不使用状態におけるリール7の回転を拘束する回転規制機構15が設けられる。
その他、図示していないが、リール7の底面には中央部にマグネット式の回転駆動手段を吸引保持させるためのリールプレートが取り付けられ、外周部には回転駆動手段のドライブギヤと噛合するリールギヤが刻設されている。なお、リールギヤとドライブギヤが噛合した状態においては前記回転規制機構15が解除作動してリール7が回転自在とされる。
本実施の形態によれば、前記スライドドア11の内面に係合突起11b,11bを設けると共に、開口部10近傍の上下ケース2,3に係合溝4b,4bを設けて、保管時等にはスライドドア11が閉状態にあって上下ケース2,3の係合溝4b,4bにスライドドア11の係合突起11b,11bがそれぞれ係合し、落下衝撃等によりカートリッジケース4に開口部10近傍の上ケース2と下ケース3の接合面が離れるような力が作用しても、この力を係合突起11b,11bを介してスライドドア11が担持して上下ケース2,3の口開き変形を阻止する。その結果、開口部10内の収納部20が上下に離間する方向の変形を阻止して、この収納部20に保持されたリーダーピン5が抜けて外れたり傾くのを防止し、ローディング動作の信頼性を高めている。
<第2の実施の形態>
図6ないし図8にこの実施の形態を示し、図6は開口部近傍のロック部材の部分で切断した内部機構を省略した断面図、図7はカートリッジケースの上面部分の要部斜視図、図8はロック部材の斜視図である。
本実施形態の上下ケース2,3及びリーダーピン5等の基本構造は前記実施の形態に示した構造と同様であり、ロック部材9に口開き変形を阻止する構造を備えている。
すなわち、ロック部材9の取付部9aの上下端には、カートリッジケース4の上ケース2及び下ケース3に係合し、前記開口部10の口開きを阻止する係合片9e,9eが形成されている。具体的には、ロック部材9は、カートリッジケース4に支持される取付部9aの上下に、前例と同様に前記リーダーピン5の上下端部の固定部5dに当接する上下保持部9cが腕部9bの前端に一体に設けられ、さらに、前記取付部9aの上下端にそれぞれ上下方向に延びる係合片9e,9eが連接されている。一方、カートリッジケース4の上ケース2の上壁2a及び下ケース3の下壁3aには、スリット状の挿通孔4c,4cがそれぞれ貫通形成され、この挿通孔4c,4cの上面及び下面の開口部分には凹部4d,4dが形成されている。
そして、前記ロック部材9の取り付け状態においては、前記係合片9e,9eが上ケース2及び下ケース3の挿通孔4c,4cに挿入されて上壁2a及び下壁3aを貫通して先端が外面に突出し、この係合片9e,9eの先端部分が凹部4d,4d内に折り曲げられて係合され、上ケース2と下ケース3とが離間するような口開き変形を防止するように設けられている。
本実施の形態によれば、ロック部材9の係合片9e,9eを上下ケース2,3に固定して、この上下ケース2,3が離間するような開口部10の口開き変形を防止し、落下衝撃時等における収納部20の変位を抑制し、この収納部20からリーダーピン5が抜けるのを防止し、ローディング動作の信頼性を高めている。
<第3の実施の形態>
図9及び図10にこの実施の形態を示し、図9は上ケースを除去した状態の開口部近傍の一部断面平面図、図10は要部正面図である。本実施の形態では、スライドドア11にリーダーピン5を保持する構造を備えている。
すなわち、開口部10を開閉するスライドドア11の内面の上下には、該スライドドア11の閉状態において、前記収納部20に保持されたリーダーピン5の上下の係合部5c,5cに係合する保持部材17,17がそれぞれ設けられている。この保持部材17はフォーク状に形成され、スライドドア11の閉移動に応じて先端部がリーダーピン5の係合部5cに挿入して係合し、収納部20に保持されたリーダーピン5の上下方向及び開口部10に直交する方向(矢印L方向)の移動を規制するように設けられている。また、前記保持部材17のフォーク状先端部の内側には突起を形成し、リーダーピン5の係合部5cの姿勢保持をより確実に行うようにしてもよい。
本実施の形態によれば、スライドドア11の閉状態においてその内面に設けた保持部材17がリーダーピン5に係合して特に上下方向の移動を規制し、落下衝撃時等に収納部20からリーダーピン5が抜けるのを防止し、ローディング動作を確保する。また、上記保持部材17はスライドドア11の閉状態のみリーダーピンに係合し、開状態においてはリーダーピン5から離脱してローディング動作を阻害しない。
<第4の実施の形態>
図11はこの実施の形態を示す要部正面図であり、収納部20がリーダーピン5の端部を保持する構造を備えている。
すなわち、収納部20の周面が逆円錐状のアンダーカット溝20aに形成されると共に、前記リーダーピン5の両端固定部5dが前記アンダーカット溝20aに係合する逆円錐形状に設けられている。
また、図12は本実施形態の変形例を示し、収納部20の周面が段状のアンダーカット溝20bに形成されると共に、前記リーダーピン5の両端固定部5dが前記アンダーカット溝20bに係合する端部にフランジ部分を有する段形状に設けられている。
本実施の形態によれば、収納部20にリーダーピン5を収納した状態においては、該収納部20のアンダーカット溝20a,20bにリーダーピン5の端部の固定部5dが係合して上下方向に抜けないように保持され、落下衝撃時等において収納部20からリーダーピン5が抜けるのを防止し、ローディング動作を確保することができる。
なお、上記アンダーカット溝20a,20bは、上下ケース2,3の少なくとも一方(例えば下ケース3)の収納部20に設けて、口開き変形時に抜けないようにすればよいが、上下ケース2,3の両方の収納部20,20に設けると、これに係合したリーダーピン5によって開口部10の口開き変形が防止できる機能をも有する。
<第5の実施の形態>
図13及び図14にこの実施の形態を示し、図13は要部平面図、図14は要部正面図であり、収納部20によるリーダーピン5の保持機能を高めている。
すなわち、上ケース2及び下ケース3における両収納部20,20の周囲には、リーダーピン5の固定部5dに当接する保持リブ18が設けられている。なお、上記保持リブ18は、記録再生装置側の係合部材のローディング動作と干渉しない高さに設けられている。
本実施の形態によれば、上下ケース2,3の収納部20,20にリーダーピン5の端部固定部5d,5dを収納した状態においては、該収納部20,20の保持リブ18,18がリーダーピン5の端部の固定部5d,5dに当接して上下方向の保持高さが大きく、落下衝撃時等において口開き変形に対する上下方向の抜け止め作用が大きくなり、この収納部20からのリーダーピン5の抜けを防止し、ローディング動作を確保することができる。
<第6の実施の形態>
図15はこの実施の形態を示すリーダーピンの部分の斜視図であり、磁気テープ6によるリーダーピン5の姿勢保持を行っている。
すなわち、磁気テープ6の先端にリーダーテープ8がスプライシングテープ8aの貼付で延長接続され、このリーダーテープ8の終端にリーダーピン5が固着されている。そして、前記リーダーテープ8は収納部20に保持されたリーダーピン5の姿勢を維持する剛性を有する素材及び厚みに設けられている。例えば、このリーダーテープ8は、厚みが100〜500μm、好ましくは200〜400μm、さらに好ましくは250〜350μm程度のポリエチレンテレフタレートテープで形成され、その長さはリーダーピン5が収納部20に保持された状態で一端がリール7に巻かれて該リール7から収納部20に延びている状態となるように設定される。
本実施の形態によれば、上下ケース2,3の収納部20にリーダーピン5の端部固定部5dを収納した状態においては、そのリーダーピン5の位置及び上下方向の姿勢が、剛性を有するリーダーテープ8によって保持され、落下衝撃時等における口開き変形に対する収納部20の変位に対してリーダーピン5の位置を保持し、この収納部20からのリーダーピン5の抜けを防止し、ローディング動作を確保することができる。
第1の実施の形態による磁気テープカートリッジの分解斜視図 スライドドアが開いた状態の開口部近傍の正面図 図2の上ケースを除去した状態の開口部近傍の平面図 図2の要部側面図 図2のロック部材の斜視図 第2の実施の形態による磁気テープカートリッジの開口部近傍のロック部材の部分で切断した内部機構を省略した断面正面図 図6のカートリッジケースの要部斜視図 図6のロック部材の斜視図 第3の実施の形態による磁気テープカートリッジの上ケースを除去した状態の開口部近傍の一部断面平面図 図9の要部断面正面図 第4の実施の形態による磁気テープカートリッジのスライドドアを除去し内部機構を省略した要部正面図 図11の実施の形態の他の態様を示す同要部正面図 第5の実施の形態による磁気テープカートリッジの上ケースを除去した状態の開口部近傍の要部平面図 図13のカートリッジケースの要部正面図 第6の実施の形態によるリーダーピンの部分の斜視図
符号の説明
1 磁気テープカートリッジ
2 上ケース
3 下ケース
4 カートリッジケース
4b 係合溝
5 リーダーピン
5c 係合部
5d 固定部
6 磁気テープ
7 リール
8 リーダーテープ
9 ロック部材
9a 取付部
9b 腕部
9c 保持部
10 開口部
11 スライドドア
17 保持部材
20 収納部
20a,20b アンダーカット溝

Claims (4)

  1. 上ケースと下ケースとの重ね合わせにより、磁気テープを巻装した単一のリールを回転可能に収容するカートリッジケースを備え、前記磁気テープの先端に該磁気テープを引き出すためのリーダーピンが固着され、該リーダーピンの両端部が前記カートリッジケースの開口部内の凹状収納部に着脱可能にロック部材によって固定保持され、前記開口部を開閉するスライドドアが設置されてなる磁気テープカートリッジにおいて、
    前記収納部がアンダーカット溝に形成され、前記リーダーピンの両端部が前記アンダーカット溝に係合する形状に設けられていることを特徴とする磁気テープカートリッジ。
  2. 前記収納部の周面が逆円錐状のアンダーカット溝に形成され、前記リーダーピンの両端部が前記アンダーカット溝に係合する逆円錐形状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の磁気テープカートリッジ。
  3. 前記収納部の周面が段状のアンダーカット溝に形成され、前記リーダーピンの両端部が前記アンダーカット溝に係合する端部にフランジ部分を有する段形状に設けられていることを特徴とする請求項1記載の磁気テープカートリッジ。
  4. 上ケースと下ケースとの重ね合わせにより、磁気テープを巻装した単一のリールを回転可能に収容するカートリッジケースを備え、前記磁気テープの先端に該磁気テープを引き出すためのリーダーピンが固着され、該リーダーピンの両端部が前記カートリッジケースの開口部内の凹状収納部に着脱可能にロック部材によって固定保持され、前記開口部を開閉するスライドドアが設置されてなる磁気テープカートリッジにおいて、
    前記スライドドアの内面の上下に、該スライドドアの閉状態において前記リーダーピンのフランジ部より細い上下の係合部に係合し、前記収納部に保持されたリーダーピンの姿勢を維持する保持部材を備え、該保持部材はフォーク状に形成され、前記スライドドアの閉移動に応じて先端部がリーダーピンの係合部に挿入して係合し、収納部に保持されたリーダーピンの上下方向及び開口部に直交する方向の移動を規制することを特徴とする磁気テープカートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012113770A (ja) * 2010-11-22 2012-06-14 Hitachi Maxell Ltd テープカートリッジ

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