JPH1186237A - 磁気抵抗効果ヘッドおよび磁気記憶装置 - Google Patents

磁気抵抗効果ヘッドおよび磁気記憶装置

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JPH1186237A
JPH1186237A JP24261497A JP24261497A JPH1186237A JP H1186237 A JPH1186237 A JP H1186237A JP 24261497 A JP24261497 A JP 24261497A JP 24261497 A JP24261497 A JP 24261497A JP H1186237 A JPH1186237 A JP H1186237A
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pair
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bias magnetic
field applying
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JP24261497A
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English (en)
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Yuichi Osawa
裕一 大沢
Hiroaki Yoda
博明 與田
Takeo Sakakubo
武男 坂久保
Susumu Hashimoto
進 橋本
Kei Sakota
圭 迫田
Masahisa Yoshikawa
将寿 吉川
Hideaki Fukuzawa
英明 福澤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗効果膜の下地として非磁性膜を使用
する場合や製造プロセスでバイアス磁界印加膜上に不純
物が残留したような場合においても、サイドフリンジや
バルクハウゼンノイズなどの発生を安定して抑制する。 【解決手段】 基板上に、所定の間隙をもって配置さ
れ、この間隙を挟んで対向する内側端部にそれぞれ正傾
斜面14aを有する一対のバイアス磁界印加膜14を形
成する。スピンバルブGMR膜15などの磁気抵抗効果
膜は、一対のバイアス磁界印加膜14の端部の正傾斜面
14aのみ、あるいは端部の近傍部のみと重なるよう
に、一対のバイアス磁界印加膜14の間隙内に形成す
る。一対のリード電極22は、一対のバイアス磁界印加
膜14の端部より内側に各リード端22aが位置するよ
うに、一対のバイアス磁界印加膜14上に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、巨大磁気抵抗効果
を示す磁性多層膜を有する磁気抵抗効果ヘッドおよび磁
気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】HDDなどの磁気記録装置では、記録密
度の向上を図るために媒体の記録トラック幅を縮小する
方向に進んでおり、この記録トラック幅の縮小に伴う再
生出力の低下を補うために、高感度な磁気抵抗効果素子
(MR素子)を適用した磁気ヘッド(MRヘッド)が必
要となりつつある。特に、信号磁界に応じて磁化回転す
る強磁性層(以下、感磁層と記す)、非磁性導電層、磁
化固着された強磁性層(以下、磁化固着層と記す)、お
よび磁化固着層の磁化を固着するための反強磁性層を順
に積層した磁性多層膜からなる巨大磁気抵抗効果を示す
スピンバルブ膜を用いたMRヘッドが有望視されてい
る。
【0003】上記したスピンバルブ膜を用いたMRヘッ
ドでは、感磁層の磁壁の不連続移動に起因するバルクハ
ウゼンノイズが実用化の上で大きな課題となっている。
このような課題を解決するために、例えば図14に示す
ように、スピンバルブ膜1のトラック幅Wt から外れた
領域に、予め硬磁性膜などからなる一対のバイアス磁界
印加膜2を配置しておき、この一対のバイアス磁界印加
膜2上にスピンバルブ膜1の磁界検出部の両端部外側部
分を積層形成した構造、いわゆるオーバーレイド構造が
提案されている。オーバーレイド構造においては、スピ
ンバルブ膜1とバイアス磁界印加膜2とを積層すること
により交換結合させ、主としてこの交換結合に伴うバイ
アス磁界で感磁層の磁区を消失させることによって、バ
ルクハウゼンノイズを抑制している(IEEE Trans onMag
vol.32 3363(1996)など参照)。図14に示すスピンバ
ルブMRヘッドにおいて、スピンバルブ膜1は上述した
ように感磁層3、非磁性層4、磁化固着層5および反強
磁性層6からなり、スピンバルブ膜1上にはそれにセン
ス電流を供給するための一対のリード電極7が形成され
ている。また、スピンバルブ膜の耐熱性や抵抗変化率な
どを向上させるために、Taなどの非磁性金属膜を下地
膜として用いることも検討されている。なお、スピンバ
ルブ膜1はそれぞれ磁気ギャップ膜8a、8b介して配
置された上下一対の磁気シールド層9a、9bにより挟
持されており、シールド型MRヘッドを構成している。
【0004】上述したように、バイアス磁界印加膜2上
に延在するTaなどの非磁性下地膜(図14では図示せ
ず)を使用することによって、スピンバルブ膜1の特性
向上を図ることができる。しかし、バイアス磁界印加膜
2上にスピンバルブ膜1を積層するオーバーレイド構造
のMRヘッドでは、非磁性下地膜の存在により交換結合
によるバイアス磁界が感磁層3に直接加わらなくなるた
め、トラック幅Wt から外れたバイアス磁界印加膜2上
の感磁層3が外部磁界に反応して磁化回転を起こすとい
う欠点がある。その結果として、トラック幅Wt から外
れた部分からトラック部分に磁化回転を伝播したり、そ
こでの抵抗変化によりサイドフリンジが発生したり、ま
たバルクハウゼンノイズを発生させるなどして、再生特
性に悪影響を及ぼしている。
【0005】また、非磁性下地膜を使用しない場合にお
いても、製造プロセスでバイアス磁界印加膜2上に例え
ばレジストなどが不純物として残る可能性がある。この
ような不純物がバイアス磁界印加膜2上に存在している
と、その部分でのスピンバルブ膜1とバイアス磁界印加
膜2との交換結合が不十分となり、その部分で感磁層3
が外部磁界に反応して、サイドフリンジとして読み取ら
れてしまうという問題が生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、スピ
ンバルブ膜を用いたMRヘッドにおいて、スピンバルブ
膜の磁界検出部の両端部外側部分をバイアス磁界印加膜
上に積層形成したオーバーレイド構造は、基本的には感
磁層の磁壁に起因するバルクハウゼンノイズの抑制など
に有効であるものの、スピンバルブ膜の下地として非磁
性金属膜を使用する場合や製造プロセスでバイアス磁界
印加膜上に不純物が残留した場合には、それらの部分で
感磁層に交換バイアスが加わらなくなったり、また交換
結合が不十分となるため、サイドフリンジやバルクハウ
ゼンノイズを発生させるなどして、再生特性に悪影響を
及ぼすという難点がある。
【0007】さらに、スピンバルブ膜は磁気抵抗効果メ
モリ(MRAM)等の磁気記憶装置に適用することも検
討されており、このような場合においても感磁層の磁化
制御性を高めることが求められている。
【0008】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、スピンバルブ膜の下地として非磁性
金属膜を使用する場合や製造プロセスでバイアス磁界印
加膜上に不純物が残留した場合においても、スピンバル
ブ膜特に感磁層の磁化制御性を高め、サイドフリンジや
バルクハウゼンノイズの発生を抑制することを可能にし
た磁気抵抗効果ヘッド、およびスピンバルブ膜特に感磁
層の磁化制御性を高め、特性の向上を図った磁気記憶装
置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明における第1の磁
気抵抗効果ヘッドは、請求項1に記載したように、所定
の間隙をもって配置され、前記間隙を挟んで対向する内
側端部にそれぞれ正傾斜面を有する一対のバイアス磁界
印加膜と、前記一対のバイアス磁界印加膜の前記端部の
正傾斜面のみと重なるように、前記一対のバイアス磁界
印加膜の前記間隙内に形成され、強磁性層と非磁性導電
層との積層膜を有する磁気抵抗効果膜と、前記一対のバ
イアス磁界印加膜の前記端部より内側に各リード端が位
置するように、前記一対のバイアス磁界印加膜上に形成
され、前記磁気抵抗効果膜にセンス電流を供給する一対
のリード電極とを具備することを特徴としている。
【0010】本発明における第2の磁気抵抗効果ヘッド
は、請求項2に記載したように、所定の間隙をもって配
置され、前記間隙を挟んで対向する内側端部にそれぞれ
正傾斜面を有する一対のバイアス磁界印加膜と、前記一
対のバイアス磁界印加膜の前記間隙内を含めて、前記一
対のバイアス磁界印加膜の前記正傾斜面を介して前記端
部の近傍部のみと重なるように形成され、強磁性層と非
磁性導電層との積層膜を有する磁気抵抗効果膜と、前記
一対のバイアス磁界印加膜の前記端部より内側に各リー
ド端が位置するように、前記一対のバイアス磁界印加膜
上に形成され、前記磁気抵抗効果膜にセンス電流を供給
する一対のリード電極とを具備することを特徴としてい
る。
【0011】本発明の第1の磁気抵抗効果ヘッドにおい
ては、磁気抵抗効果膜を一対のバイアス磁界印加膜の間
隙内のみに配置し、従来のオーバーレイド構造における
一対のバイアス磁界印加膜上に存在する部分を除去した
構造としているため、磁気抵抗効果膜の下地として非磁
性膜を使用する場合や製造プロセスでバイアス磁界印加
膜上に不純物が残留した場合においても、磁気抵抗効果
膜の再生トラック幅から外れた部分が外部磁界に反応し
て磁化回転を起こすというような欠点を解消することが
できる。従って、サイドフリンジの発生を確実に防止す
ることができ、さらにバルクハウゼンノイズの発生も有
効に抑制することが可能となる。
【0012】また、第2の磁気抵抗効果ヘッドにおいて
は、磁気抵抗効果膜とバイアス磁界印加膜とが重なる部
分をバイアス磁界印加膜の端部近傍の必要最小限として
いるため、同様に磁気抵抗効果膜の下地として非磁性膜
を使用する場合や製造プロセスでバイアス磁界印加膜上
に不純物が残留した場合においても、サイドフリンジの
発生を十分に抑制することができ、さらにバルクハウゼ
ンノイズの発生も有効に抑制することが可能となる。
【0013】さらに、本発明の磁気抵抗効果ヘッドにお
いては、磁気抵抗効果膜の実質的な再生トラック幅を、
リード端をそれぞれ一対のバイアス磁界印加膜の内側端
部よりさらに内側に配置した一対のリード電極で規定し
ている。これにより、磁気抵抗効果膜の実質的な再生ト
ラックは磁気的な感度に優れる平坦部分のみで構成され
るため、狭トラック幅で高感度な再生出力を得ることが
できる。
【0014】本発明における第1の磁気記憶装置は、請
求項6に記載したように、所定の間隙をもって配置さ
れ、前記間隙を挟んで対向する内側端部にそれぞれ正傾
斜面を有する一対のバイアス磁界印加膜と、前記一対の
バイアス磁界印加膜の前記端部の正傾斜面のみと重なる
ように、前記一対のバイアス磁界印加膜の前記間隙内に
形成され、強磁性層と非磁性導電層との積層膜を有する
磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜に情報を記憶す
る書き込み電極と、前記磁気抵抗効果膜に記憶された情
報を再生する一対の読み出し電極とを具備することを特
徴としている。
【0015】本発明における第2の磁気記憶装置は、請
求項7に記載したように、所定の間隙をもって配置さ
れ、前記間隙を挟んで対向する内側端部にそれぞれ正傾
斜面を有する一対のバイアス磁界印加膜と、前記一対の
バイアス磁界印加膜の前記間隙内を含めて、前記一対の
バイアス磁界印加膜の前記正傾斜面を介して前記端部の
近傍部のみと重なるように形成され、強磁性層と非磁性
導電層との積層膜を有する磁気抵抗効果膜と、前記磁気
抵抗効果膜に情報を記憶する書き込み電極と、前記磁気
抵抗効果膜に記憶された情報を再生する一対の読み出し
電極とを具備することを特徴としている。
【0016】本発明の磁気記憶装置においても、磁気抵
抗効果膜の磁化制御性を高めることができるため、特性
の向上を図ることが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0018】図1は、本発明の第1の磁気抵抗効果ヘッ
ドを再生部に適用した録再分離型磁気ヘッドの一実施形
態の構造を示す図である。図1は録再分離型磁気ヘッド
を媒体対向面方向から見た断面図(x方向が記録媒体の
記録トラック幅方向、y方向が記録トラックの進行方向
で磁気抵抗効果膜の膜厚方向に対応)である。また、図
2はその要部を拡大して示す断面図である。
【0019】これらの図において、11は基板であり、
この基板11としてはAl2 3 層を有するAl2 3
・TiC基板などが用いられる。このような基板11の
主表面上には、NiFe合金、FeSiAl合金、アモ
ルファスCoZrNb合金などの軟磁性材料からなる下
側磁気シールド層12と、AlOx などの非磁性絶縁材
料からなる下側再生磁気ギャップ13とが順に積層形成
されている。
【0020】下側再生磁気ギャップ13上には、所定の
間隙をもって配置された一対のバイアス磁界印加膜14
が形成されている。これらバイアス磁界印加膜14に
は、例えばCoPt合金やCoCrPt合金などの硬磁
性膜、NiMn合金、FeMn合金、IrMn合金、P
tMn合金などの反強磁性膜、軟磁性膜と硬磁性膜との
積層膜、反強磁性膜と軟磁性膜との積層膜などが用いら
れる。
【0021】一対のバイアス磁界印加膜14は、図2に
拡大して示すように、上記した間隙を挟んで対向する内
側端部にそれぞれ角度θの正傾斜面14aを有してい
る。なお、ここで言う正傾斜面14aとは、角度θが90
°以下の場合を指すものである。この正傾斜面14aの
角度θは、後述するMR膜15の端部近傍における磁化
の不連続性を抑制する上で、70°以下とすることが好ま
しい。この角度θは後に詳述するように、多段の傾斜面
を持たせるように途中で変化させてもよく、さらに正傾
斜面14aは直線的な傾斜面に限らず、曲線的に変化す
る傾斜面であってもよい。
【0022】上記した正傾斜面14aを有する内側端部
で挟まれた一対のバイアス磁界印加膜14の間隙内に
は、磁性多層膜からなる磁気抵抗効果膜(MR膜)15
が形成されている。ここで、MR膜15は少なくとも外
部磁界により磁化方向が変化する感磁層16、非磁性導
電層17、磁化固着層18および反強磁性層19を順に
積層した磁性多層膜を有し、巨大磁気抵抗効果を示すい
わゆるスピンバルブ膜(スピンバルブGMR膜)であ
る。感磁層16は非磁性下地膜20上に形成されてい
る。
【0023】すなわち、非磁性下地膜20を含むスピン
バルブGMR膜15が、一対のバイアス磁界印加膜14
の正傾斜面14aを有する内側端部で挟まれた間隙内に
配置されている。スピンバルブGMR膜15は一対のバ
イアス磁界印加膜14の内側端部に設けられた正傾斜面
14aのみと重なるように形成されており、その両端部
は基本的には一対のバイアス磁界印加膜14の上面と同
一平面より上側が除去された形状を有している。なお、
スピンバルブGMR膜15の両端部は、一対のバイアス
磁界印加膜14の上面より盛り上がっていてもよく、こ
れら両端部がバイアス磁界印加膜14の上面に積層され
ていなければよい。
【0024】言い換えると、スピンバルブGMR膜15
は一対のバイアス磁界印加膜14の間隙内のみに配置さ
れている。よって、感磁層16は非磁性下地膜20を介
して一対のバイアス磁界印加膜14の内側端部と隣接し
ており、この一対のバイアス磁界印加膜14からの静磁
界バイアスが印加されている。この静磁界バイアスによ
り、感磁層16は磁区制御されている。
【0025】スピンバルブGMR膜15を構成する多層
膜のうち、感磁層16は少なくともCo、CoFe合
金、CoFeB合金、NiFe合金、CoNi合金、N
iFeCo合金などからなる強磁性層を有している。ま
た、特に感磁層16の主要部を構成する強磁性層にCo
やCo合金を用いる場合、強磁性層と軟磁性下地層との
積層膜で感磁層16を構成することが好ましい。軟磁性
下地層の構成材料としては、NiFe合金、NiFeX
(X:Cr、Nb、Ta、Zr、Hf、W、Mo、V、
Ti、Rh、Ir、Cu、Au、Ag、Mn、Re、R
uなど)合金などの結晶質磁性合金、CoZrNb系、
CoFeRe系、CoFeAlO系などのアモルファス
磁性合金、FeZrN、CoFeTaNなどの窒化微結
晶合金、あるいはこれらの積層膜などが挙げられる。
【0026】さらに、感磁層16はその結晶配向性など
を高める目的で、上述したように非磁性下地膜20上に
形成されている。この非磁性下地膜20としては、T
a、Zr、Nb、Hf、Ti、あるいはこれらを含む合
金などが用いられる。非磁性下地膜20の膜厚は 1〜20
nm程度とすることが好ましい。
【0027】磁化固着層18は、Cu、Au、Agおよ
びこれらの合金などからなる非磁性導電層17を介して
感磁層16上に設けられており、例えば感磁層16と同
様な強磁性層を有している。磁化固着層18はIrMn
合金、RhMn合金、RuMn合金、PdPtMn合
金、CrMnPt合金、FeMn合金、NiMn合金、
PtMn合金などからなる反強磁性層19との交換結合
により磁化固着されている。なお、図中21はTaやT
iなどからなる保護膜であり、必要に応じて形成される
ものである。
【0028】上記した非磁性下地膜20を含むスピンバ
ルブGMR膜15の具体的な構成としては、Ta(5nm)
20/(アモルファスCoZrNb(7nm)/NiFe(2
nm)/CoFe(3nm))16/Cu(3nm)17/CoF
e(3nm)18/IrMn(8nm)19/Ta(5nm)21な
どが挙げられる。
【0029】スピンバルブGMR膜15上には、Cu、
Au、Zr、Ta、Ti、あるいはこれらを含む合金な
どからなる一対のリード電極22が形成されており、こ
の一対のリード電極22によりスピンバルブGMR膜1
5にセンス電流が供給される。また、この一対のリード
電極22の間隔によって、スピンバルブGMR膜15の
実質的な再生トラック幅が規定されている。
【0030】すなわち、一対のリード電極22の間隔は
一対のバイアス磁界印加膜14の間隙より狭く設定され
ており、一対のリード電極22のリード端22aは一対
のバイアス磁界印加膜14の内側端部よりさらに内側に
位置している。そして、一対のリード電極22のリード
端22aは、それぞれスピンバルブGMR膜15と直接
接する構造とされており、これらリード端22aでスピ
ンバルブGMR膜15の実質的な再生トラック幅が規定
されている。
【0031】そして、これらスピンバルブGMR膜1
5、一対のバイアス磁界印加膜14および一対のリード
電極22はGMR再生部23を構成している。このよう
なGMR再生部23は、例えば以下のようにして作製す
ることができる。GMR再生部23の製造工程を図3を
参照して説明する。
【0032】すなわち、まず厚さ 100nm程度のAlOx
膜などからなる下側再生磁気ギャップ13上に、バイア
ス磁界印加膜14となる厚さ70nm程度のCoPt膜など
を成膜する。次いで、図3(a)に示すように、CoP
t膜を一対のバイアス磁界印加膜14の間隙が例えば 2
μm となるようにイオンミリングなどでパターニングす
る。言い換えると、所定の間隙をもって一対のバイアス
磁界印加膜14が配置されるようにパターニングする。
このパターニングにあたって、一対のバイアス磁界印加
膜14の内側端部がそれぞれ正傾斜面14aとなるよう
にミリングする。正傾斜面14aの角度θは例えば30°
とする。
【0033】次に、図3(b)に示すように、パターニ
ングされた一対のバイアス磁界印加膜14上に、スピン
バルブGMR膜15を構成する各層、すなわち非磁性下
地膜20、感磁層16、非磁性導電層17、磁化固着層
18、反強磁性層19および保護膜21を順に積層(積
層膜15′)する。この積層膜15′の一対のバイアス
磁界印加膜14の間隙内に存在する部分を除いて、イオ
ンミリングを用いたエッチバックなどにより除去する。
すなわち、スピンバルブGMR膜15を一対のバイアス
磁界印加膜14の間隙内のみに配置するように、積層膜
15′をパターニングする。
【0034】具体的には、図3(c)に示すように、一
対のバイアス磁界印加膜14による積層膜15′の段差
を平坦化するように、積層膜15′上に例えば厚さ 1μ
m のレジスト24を形成する。次いで、図3(d)に示
すように、積層膜15′の段差内にのみレジスト24が
残るように、レジスト24をイオンミリングを用いてエ
ッチバックする。この後、段差内に存在するレジスト2
4を利用して、積層膜15′の両端部が一対のバイアス
磁界印加膜14の上面と同一平面となるまでイオンミリ
ングすると共に、残余のレジスト24を除去することに
よって、図3(e)に示すように、一対のバイアス磁界
印加膜14の間隙内のみに存在するスピンバルブGMR
膜15が得られる。言い換えると、スピンバルブGMR
膜15の一対のバイアス磁界印加膜14の間隙内に存在
する部分以外は、イオンミリングにより除去される。
【0035】次に、スピンバルブGMR膜15の幅方向
(デプス方向)を規定するパターニングを、別途レジス
トを形成してイオンミリング等により実施する。このよ
うにして、トラック方向および幅方向のパターニングを
実施したスピンバルブGMR膜15上および一対のバイ
アス磁界印加膜14上に、一対のリード電極22となる
良導体膜、例えば厚さ 100nm程度のTiW膜を成膜し、
この良導体膜をリフトオフ法でパターニングすることに
よって、図1および図2に示した一対のリード電極22
を形成する。この際、一対のリード電極22の間隔が一
対のバイアス磁界印加膜14の間隙より狭くなるよう
に、良導体膜をパターニング(例えば間隔1μm )し
て、一対のリード電極22のリード端22aを一対のバ
イアス磁界印加膜14の内側端部よりさらに内側に位置
させる。
【0036】このようにして、一対のバイアス磁界印加
膜14の間隙内のみにスピンバルブGMR膜15を配置
したGMR再生部23、言い換える従来のオーバーレイ
ド構造におけるGMR膜の一対のバイアス磁界印加膜上
に存在する部分を除去した構造を有するGMR再生部2
3が得られる。
【0037】なお、バイアス磁界印加膜14をイオンミ
リングでパターニングした場合、図4に示すように、オ
ーバーミリングにより下側再生磁気ギャップ13を数10
nm程度エッチングする可能性がある。この場合、スピン
バルブGMR膜15の一部がバイアス磁界印加膜14よ
り下側に位置することになる。このような構造において
も、感磁層16へのバイアス磁界の印加に不都合が生じ
ることはない。
【0038】上述したようなGMR再生部23上には、
図1に示したように、下側再生磁気ギャップ13と同様
な非磁性絶縁材料からなる上側再生磁気ギャップ25を
介して、下側磁気シールド層12と同様な軟磁性材料か
らなる上側磁気シールド層26が形成されている。これ
らによって、再生ヘッドとしてのシールド型GMRヘッ
ド27が構成されている。
【0039】シールド型GMRヘッド27上には、記録
ヘッドとして薄膜磁気ヘッド28が形成されている。薄
膜磁気ヘッド28の下側記録磁極は、上側磁気シールド
層26と同一の磁性層により構成されている。すなわ
ち、シールド型MRヘッド27の上側磁気シールド層2
6は、薄膜磁気ヘッド28の下側記録磁極を兼ねてい
る。この上側磁気シールド層を兼ねる下側記録磁極26
上には、AlOx などの非磁性絶縁材料からなる記録磁
気ギャップ29と上側記録磁極30とが順に形成され、
また下側記録磁極26と上側記録磁極30に記録磁界を
付与する記録コイル(図示せず)が媒体対向面より後方
側に形成され、記録ヘッドとしての薄膜磁気ヘッド28
が構成されている。
【0040】上述したシールド型GMRヘッド27にお
いて、スピンバルブGMR膜15は一対のバイアス磁界
印加膜14の間隙内のみに配置されており、従来のオー
バーレイド構造における一対のバイアス磁界印加膜上に
存在する部分は除去されている。さらに、感磁層16へ
のバイアス磁界は、スピンバルブGMR膜15の両端部
外側に位置する一対のバイアス磁界印加膜14からの静
磁界バイアスにより有効に印加されている。
【0041】従って、最下層が非磁性下地膜20である
スピンバルブGMR膜15を用い、スピンバルブGMR
膜15と一対のバイアス磁界印加膜14とを直接交換結
合させることができない場合においても、感磁層の再生
トラック幅から外れたバイアス磁界印加膜上に存在する
部分が外部磁界に反応して磁化回転を起こすというよう
な欠点を解消することができ、オフトラック部分におけ
る出力を十分に抑制することができる。すなわち、サイ
ドフリンジの発生を防止することができ、さらにバルク
ハウゼンノイズの発生も有効に抑制することが可能とな
る。
【0042】さらに、スピンバルブGMR膜15の実質
的な再生トラック幅を、リード端22aをそれぞれ一対
のバイアス磁界印加膜14の内側端部よりさらに内側に
配置した一対のリード電極22で規定している。すなわ
ち、スピンバルブGMR膜15の実質的な再生トラック
は一対のリード電極22によって、磁気的に不感応なバ
イアス磁界印加膜14の近傍部分を除き、磁気的な感度
に優れる平坦部分のみで構成されているため、狭トラッ
ク幅で高感度な再生出力を得ることができる。上述した
実施形態では、最下層が非磁性下地膜20であるスピン
バルブGMR膜15を用いた場合について述べたが、図
5に示すように、非磁性下地膜を有さないスピンバルブ
GMR膜15についても同様に適用することができる。
すなわち、図5に示すスピンバルブGMR膜15は、下
側再生磁気ギャップ13上に直接感磁層16が形成され
ており、この感磁層16上に非磁性導電層17、磁化固
着層18、反強磁性層19および保護膜21が順に積層
形成されている。
【0043】このような構成のスピンバルブGMR膜1
5を適用する場合においても、スピンバルブGMR膜1
5を一対のバイアス磁界印加膜14の間隙内のみに配置
し、従来のオーバーレイド構造における一対のバイアス
磁界印加膜上に存在する部分を除去することによって、
製造プロセスでバイアス磁界印加膜14上に例えばレジ
ストなどが不純物として残ったとしても、感磁層16の
再生トラック幅から外れた部分が外部磁界に反応して磁
化回転を起こすというような欠点を解消することができ
る。すなわち、サイドフリンジの発生を確実に防止する
ことができ、さらにバルクハウゼンノイズの発生も有効
に抑制することが可能となる。
【0044】また、上記したような非磁性下地膜を有さ
ないスピンバルブGMR膜15の場合、感磁層16のエ
ッジ部をバイアス磁界印加膜14と直接交換結合させる
ことができるため、感磁層16のエッジ部の磁区制御性
を高めることができる。これにより、狭トラック化した
場合においても感磁層16のエッジ部の磁区形成等に伴
うバルクハウゼンノイズを有効に抑制することができ
る。また、バイアス磁界印加膜14の膜厚を低減するこ
ともできる。例えば、図2に示した構造ではバイアス磁
界印加膜14の膜厚を70nmとしたが、図5に示した構造
ではバイアス磁界印加膜14の膜厚を50nm程度としても
よい。
【0045】上述した各実施形態における一対のバイア
ス磁界印加膜14は、硬磁性膜や反強磁性膜の単層膜に
限らず、前述したように軟磁性膜と硬磁性膜との積層
膜、反強磁性膜と軟磁性膜との積層膜などを適用するこ
とができる。図6は、第1の磁性膜14Aとして例えば
膜厚50nm程度のCoPt膜などの硬磁性膜を用い、第2
の磁性膜14Bとして例えば膜厚 5nm程度のFeCo膜
などの軟磁性膜を用いたバイアス磁界印加膜14を示し
ている。また、第1の磁性膜14Aに反強磁性膜を使用
し、第2の磁性膜14Bに同様な軟磁性膜を使用しても
よい。なお、第2の磁性膜14Bに代えて非磁性下地膜
を適用することもできる。
【0046】上記したような積層膜からなるバイアス磁
界印加膜14を使用する場合、例えば図7に示すよう
に、各磁性膜14A、14Bの内側端部の正傾斜面の角
度を変化させてもよい。具体的には、下側の第2の磁性
膜14Bの傾斜角をよりなだらかにすることが好まし
い。第2の磁性膜14Bに代えて非磁性下地膜を適用す
る場合も同様である。これによって、感磁層16の磁化
がバイアス磁界印加膜14の傾斜面14a上でよりスム
ーズに変化するため、磁化の不連続が起こりにくくな
り、よってバルクハウゼンノイズをより有効に抑制する
ことができる。
【0047】また、上記したようなバイアス磁界印加膜
14の内側端部の傾斜面14aの角度変化は積層膜を使
用する場合に限らず、例えば図8に示すように、単層膜
でバイアス磁界印加膜14を構成する場合にも適用可能
である。このような形状は、例えばパターニングの途中
でイオンミリングの角度を変えることにより実現するこ
とができる。
【0048】さらに、図9に示すように、バイアス磁界
印加膜14の内側端部の傾斜面14aは、曲線的に変化
させた面(曲面状傾斜面)で構成してもよく、このよう
な構造においても途中で角度を変化させた傾斜面と同様
な効果を得ることができる。次に、本発明の第2の磁気
抵抗効果ヘッドの実施形態について説明する。図10
は、本発明の第2の磁気抵抗効果ヘッドの一実施形態の
要部を示す断面図である。なお、この磁気抵抗効果ヘッ
ドを用いてシールド型GMRヘッドを構成する場合、お
よびそれを再生部に適用した録再分離型磁気ヘッドを構
成する場合には、全体構造は図1と同様とされる。
【0049】図10に示す磁気抵抗効果ヘッドにおい
て、下側再生磁気ギャップ13上には前述した実施形態
と同様に、所定の間隙をもって配置された一対のバイア
ス磁界印加膜14が形成されており、これらは上記した
間隙を挟んで対向する内側端部にそれぞれ角度θの正傾
斜面14aを有している。バイアス磁界印加膜14の構
成材料は前述した通りであり、角度θも前述した実施形
態と同様とすることが好ましい。
【0050】上記した一対のバイアス磁界印加膜14の
正傾斜面14aを有する内側端部で挟まれた間隙内に
は、図10に示すように、前述したような構成を有する
スピンバルブGMR膜15が形成されている。スピンバ
ルブGMR膜15は、非磁性下地膜を有するものであっ
てもよいし、また非磁性下地膜を有しないものであって
もよい。
【0051】そして、スピンバルブGMR膜15の両端
部は、それぞれ一対のバイアス磁界印加膜14の正傾斜
面14aを介して、それらの端部近傍の上面部14bの
みと重なるように形成されている。すなわち、スピンバ
ルブGMR膜15とバイアス磁界印加膜14との重なり
量Lは、バイアス磁界印加膜14に対するアライメント
精度を考慮した最低限の幅とされている。具体的には、
重なり量Lは 5μm 以下とすることが好ましい。このよ
うな重なり量Lであれば、バイアス磁界印加膜14に対
するスピンバルブGMR膜15のアライメント精度を確
保した上で、スピンバルブGMR膜15具体的には感磁
層16のバイアス磁界印加膜14上に存在する部分を十
分に低減することができる。
【0052】一対のリード電極22は、前述した第1の
実施形態と同様に、その間隔が一対のバイアス磁界印加
膜14の間隙より狭く設定されており、一対のリード電
極22のリード端22aは一対のバイアス磁界印加膜1
4の内側端部よりさらに内側に位置している。一対のリ
ード電極22のリード端22aは、それぞれスピンバル
ブGMR膜15と直接接する構造とされており、これら
リード端22aでスピンバルブGMR膜15の実質的な
再生トラック幅が規定されている。
【0053】上記したような構成のGMRヘッドは、前
述した第1の実施形態と同様に、まずパターニングされ
た一対のバイアス磁界印加膜14上に、スピンバルブG
MR膜15を構成する各層を順に積層する。次いで、図
11に示すように、積層膜15′を一対のバイアス磁界
印加膜14の端部近傍の上面部14bとの重なり量Lが
5μm 以下となるように、例えば 3μm となるようにパ
ターニングする。このパターニングは、通常のPEP工
程により実施することができ、またリフトオフを適用し
てもよい。
【0054】この後、スピンバルブGMR膜15の幅方
向のパターニング、リード電極22の形成およびパター
ニングを実施することにより、図10に示したGMRヘ
ッドが得られる。なお、このGMRヘッドを適用してシ
ールド型GMRヘッドを構成する場合、またそれを再生
ヘッドとして録再分離型磁気ヘッドを構成する場合に
は、前述した第1の実施形態と同様とすればよい。
【0055】上述したように、スピンバルブGMR膜1
5の両端部をそれぞれ一対のバイアス磁界印加膜14の
端部近傍の上面部14bのみと重なるように形成するこ
とによって、前述した第1の実施形態と同様に、最下層
が非磁性下地膜20であるスピンバルブGMR膜15を
用い、スピンバルブGMR膜15と一対のバイアス磁界
印加膜14とを直接交換結合させることができない場合
においても、サイドフリンジの発生を十分に抑制するこ
とができ、さらにバルクハウゼンノイズの発生も有効に
抑制することが可能となる。
【0056】また、感磁層16が最下層に位置するスピ
ンバルブGMR膜15を適用する場合においても、製造
プロセスで生じるバイアス磁界印加膜14上の不純物に
影響されることなく、サイドフリンジの発生を確実に防
止することができ、さらにバルクハウゼンノイズの発生
も有効に抑制することが可能となる。またさらに、狭ト
ラック幅とした場合に、高感度な再生出力が得られるこ
とについては、いずれの構成も前述した第1の実施形態
と同様である。
【0057】なお、サイドフリンジやバルクハウゼンノ
イズの抑制という点からは、前述した第1の実施形態の
方が優れるが、スピンバルブGMR膜15とバイアス磁
界印加膜14とのコンタクトの確実性や製造コスト点か
らは、第2の実施形態の方が優れている。
【0058】上述した各実施形態においては、本発明の
磁気抵抗効果ヘッドをシールド型GMRヘッド、および
それを再生ヘッドとした録再分離型磁気ヘッドに適用し
た例について説明したが、本発明の磁気抵抗効果ヘッド
はこれらに限らず、例えば一対の磁気ヨークを記録ヘッ
ドと再生ヘッドで共有する録再一体型磁気ヘッドなどの
他のヘッド構成に適用することも可能である。
【0059】次に、本発明の第1の磁気記憶装置を磁気
抵抗効果メモリ(MRAM)に適用した実施形態につい
て説明する。
【0060】図12は巨大磁気抵抗効果(GMR)を利
用したMRAMの一実施形態の構成を示す図である。同
図に示すMRAM40は、ガラス基板やSi基板等の基
板41上に形成されたスピンバルブGMR膜42を有し
ている。スピンバルブGMR膜42は、前述した各実施
形態のGMRヘッドと同様な構造を有し、その両端部は
一対のバイアス磁界付与膜43と隣接している。スピン
バルブGMR膜42と一対のバイアス磁界付与膜43と
の位置関係は、前述した第1の実施形態によるGMRヘ
ッドと同様とされている。
【0061】スピンバルブGMR膜42の上部には、絶
縁層44を介して書き込み電極45が設けられている。
また、スピンバルブGMR膜42の両端部には、一対の
読み出し電極46が設けられており、この一対の読み出
し電極46からスピンバルブGMR膜42にセンス電流
が供給される。なお、図中47は読み出し補助電極であ
る。
【0062】上記したMRAM40における情報の書き
込みおよび読み出しは、例えば以下のようにして行われ
る。まず、情報の書き込みは、書き込み電極45に電流
を流して外部磁界を印加し、磁化固着層の磁化方向を
“1”または“0”に対応する方向とすることにより行
われる。
【0063】記憶情報の読み出しは、読み出し電極46
からセンス電流を流した状態で、書き込み電極45に正
負のパルス電流を流し、その電流磁界により磁化フリー
層の磁化方向を反転させる。書き込み電極45の正負に
対して、磁化フリー層の磁化方向は磁化固着層の
“1”、“0”にかかわらず一定である。一方、“1”
または“0”として記憶された磁化固着層の磁化方向に
よって、書き込み電極45のパルス電流が正のときにス
ピンバルブGMR膜42の上下強磁性層の磁化方向が平
行で負のときに反平行か、もしくは書き込み電極45の
パルス電流が負のときに磁化方向が平行で正のときに反
平行かが決まる。従って、書き込み電極45に例えば正
→負のパルス電流を流したとき、センス電流の抵抗が大
→小か、小→大かによって、磁化固着層の“1”または
“0”が判別される。
【0064】MRAM40におけるバイアス磁界付与膜
43は、書き込み電極45に正負のパルス電流を流した
ときの磁化フリー層の磁化反転が生じる磁界の大きさを
制御したり、また磁区が形成された状態での不規則な磁
化反転に伴うノイズを抑制するものである。ここで、バ
イアス構造については、高集積化に対応して感磁層の不
要な磁化回転を抑制することが重要である。前述したG
MRヘッドの第1の実施形態で詳細に述べたように、本
発明のバイアス構造によれば感磁層の不要な磁化回転を
抑制することができるため、MRAM40は高集積化を
実現可能にするものである。
【0065】次に、本発明の第2の磁気記憶装置を磁気
抵抗効果メモリ(MRAM)に適用した実施形態につい
て説明する。
【0066】図13に示すMRAM40は、図12に示
したMRAMと同様に、ガラス基板やSi基板等の基板
41上に形成されたスピンバルブGMR膜42を有して
いる。スピンバルブGMR膜42は、前述した各実施形
態のGMRヘッドと同様な構造を有し、その両端部は一
対のバイアス磁界付与膜43と端部近傍のみと重なるよ
うに配置されている。スピンバルブGMR膜42と一対
のバイアス磁界付与膜43との位置関係は、前述した第
2の実施形態によるGMRヘッドと同様とされている。
【0067】スピンバルブGMR膜42の上部には、絶
縁層44を介して書き込み電極45が設けられている。
また、スピンバルブGMR膜42の両端部には、一対の
読み出し電極46が設けられており、この一対の読み出
し電極46からスピンバルブGMR膜42にセンス電流
が供給される。この実施形態のMRAM40における情
報の書き込みおよび読み出しは、図12に示したMRA
Mと同様である。
【0068】MRAM40におけるバイアス磁界付与膜
43は、書き込み電極45に正負のパルス電流を流した
ときの磁化フリー層の磁化反転が生じる磁界の大きさを
制御したり、また磁区が形成された状態での不規則な磁
化反転に伴うノイズを抑制するものである。ここで、バ
イアス構造については、高集積化に対応して感磁層の不
要な磁化回転を抑制することが重要である。前述したG
MRヘッドの第2の実施形態で詳細に述べたように、本
発明のバイアス構造によれば感磁層の不要な磁化回転を
抑制することができるため、MRAM40は高集積化を
実現可能にするものである。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁気抵抗
効果ヘッドによれば、磁気抵抗効果膜の下地として非磁
性膜を使用する場合や製造プロセスでバイアス磁界印加
膜上に不純物が残留したような場合においても、サイド
フリンジやバルクハウゼンノイズなどの発生を安定して
抑制することができる。また、本発明の磁気記憶装置に
よれば、特性の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の磁気抵抗効果ヘッドを再生部
に適用した録再分離型磁気ヘッドの一実施形態の構造を
示す断面図である。
【図2】 図1に示す録再分離型磁気ヘッドにおける磁
気抵抗効果ヘッドの要部を拡大して示す断面図である。
【図3】 図1に示す録再分離型磁気ヘッドにおける磁
気抵抗効果ヘッドの要部製造工程を示す断面図である。
【図4】 図1に示す磁気抵抗効果ヘッドの変形例を示
す断面図である。
【図5】 本発明の第1の磁気抵抗効果ヘッドの他の実
施形態の要部構造を示す断面図である。
【図6】 図1に示す磁気抵抗効果ヘッドにおけるバイ
アス磁界印加膜の第1の変形例を示す断面図である。
【図7】 図1に示す磁気抵抗効果ヘッドにおけるバイ
アス磁界印加膜の第2の変形例を示す断面図である。
【図8】 図1に示す磁気抵抗効果ヘッドにおけるバイ
アス磁界印加膜の第3の変形例を示す断面図である。
【図9】 図1に示す磁気抵抗効果ヘッドにおけるバイ
アス磁界印加膜の第4の変形例を示す断面図である。
【図10】 本発明の第2の磁気抵抗効果ヘッドの一実
施形態の要部構造を示す断面図である。
【図11】 図10に示す磁気抵抗効果ヘッドの要部製
造工程を示す断面図である。
【図12】 本発明の第1の磁気記憶装置の一実施形態
の要部構造を示す断面図である。
【図13】 本発明の第2の磁気記憶装置の一実施形態
の要部構造を示す断面図である。
【図14】 従来のオーバーレイド構造の磁気抵抗効果
ヘッドの一構成例の要部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
14、43……一対のバイアス磁界印加膜 15、42……スピンバルブGMR膜 16……感磁層 17……非磁性導電層 18……磁化固着層 19……反強磁性層 20……非磁性下地膜 22……一対のリード電極 40……MRAM 45……書き込み電極 46……一対の読み出し電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 進 神奈川県川崎市幸区堀川町72 株式会社東 芝川崎事業所内 (72)発明者 迫田 圭 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 吉川 将寿 神奈川県川崎市幸区堀川町72 株式会社東 芝川崎事業所内 (72)発明者 福澤 英明 神奈川県川崎市幸区堀川町72 株式会社東 芝川崎事業所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の間隙をもって配置され、前記間隙
    を挟んで対向する内側端部にそれぞれ正傾斜面を有する
    一対のバイアス磁界印加膜と、 前記一対のバイアス磁界印加膜の前記端部の正傾斜面の
    みと重なるように、前記一対のバイアス磁界印加膜の前
    記間隙内に形成され、強磁性層と非磁性導電層との積層
    膜を有する磁気抵抗効果膜と、 前記一対のバイアス磁界印加膜の前記端部より内側に各
    リード端が位置するように、前記一対のバイアス磁界印
    加膜上に形成され、前記磁気抵抗効果膜にセンス電流を
    供給する一対のリード電極とを具備することを特徴とす
    る磁気抵抗効果ヘッド。
  2. 【請求項2】 所定の間隙をもって配置され、前記間隙
    を挟んで対向する内側端部にそれぞれ正傾斜面を有する
    一対のバイアス磁界印加膜と、 前記一対のバイアス磁界印加膜の前記間隙内を含めて、
    前記一対のバイアス磁界印加膜の前記正傾斜面を介して
    前記端部の近傍部のみと重なるように形成され、強磁性
    層と非磁性導電層との積層膜を有する磁気抵抗効果膜
    と、 前記一対のバイアス磁界印加膜の前記端部より内側に各
    リード端が位置するように、前記一対のバイアス磁界印
    加膜上に形成され、前記磁気抵抗効果膜にセンス電流を
    供給する一対のリード電極とを具備することを特徴とす
    る磁気抵抗効果ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の磁気抵抗
    効果ヘッドにおいて、前記磁気抵抗効果膜は、感磁層と
    非磁性導電層と磁化固着層を順に積層した積層膜を有
    し、かつ前記感磁層は前記一対のバイアス磁界印加膜と
    非磁性膜を介して隣接していることを特徴とする磁気抵
    抗効果ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載の磁気抵抗
    効果ヘッドにおいて、前記バイアス磁界印加膜は、硬磁
    性膜、反強磁性膜、軟磁性膜と硬磁性膜との積層膜、ま
    たは反強磁性膜と軟磁性膜との積層膜からなることを特
    徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の磁気抵抗効果ヘッドにお
    いて、 前記一対のバイアス磁界印加膜と前記磁気抵抗効果膜と
    の重なり量がそれぞれ5μm 以下であることを特徴とす
    る磁気抵抗効果ヘッド。
  6. 【請求項6】 所定の間隙をもって配置され、前記間隙
    を挟んで対向する内側端部にそれぞれ正傾斜面を有する
    一対のバイアス磁界印加膜と、 前記一対のバイアス磁界印加膜の前記端部の正傾斜面の
    みと重なるように、前記一対のバイアス磁界印加膜の前
    記間隙内に形成され、強磁性層と非磁性導電層との積層
    膜を有する磁気抵抗効果膜と、 前記磁気抵抗効果膜に情報を記憶する書き込み電極と、 前記磁気抵抗効果膜に記憶された情報を再生する一対の
    読み出し電極とを具備することを特徴とする磁気記憶装
    置。
  7. 【請求項7】 所定の間隙をもって配置され、前記間隙
    を挟んで対向する内側端部にそれぞれ正傾斜面を有する
    一対のバイアス磁界印加膜と、 前記一対のバイアス磁界印加膜の前記間隙内を含めて、
    前記一対のバイアス磁界印加膜の前記正傾斜面を介して
    前記端部の近傍部のみと重なるように形成され、強磁性
    層と非磁性導電層との積層膜を有する磁気抵抗効果膜
    と、 前記磁気抵抗効果膜に情報を記憶する書き込み電極と、 前記磁気抵抗効果膜に記憶された情報を再生する一対の
    読み出し電極とを具備することを特徴とする磁気記憶装
    置。
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