JPH1186235A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気記録再生装置

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JPH1186235A
JPH1186235A JP23926797A JP23926797A JPH1186235A JP H1186235 A JPH1186235 A JP H1186235A JP 23926797 A JP23926797 A JP 23926797A JP 23926797 A JP23926797 A JP 23926797A JP H1186235 A JPH1186235 A JP H1186235A
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JP
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layer
film
ferromagnetic
magnetic
magnetization
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JP23926797A
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Yoshiaki Kawato
良昭 川戸
Hiroshi Fukui
宏 福井
Kazuhiro Nakamoto
一広 中本
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】素子高さ等の形状ばらつきに対する再生信号の
劣化を最小限に抑えるスピンバルブ型MRヘッドを搭載
した磁気記録再生装置を提供する。 【解決手段】スピンバルブMRヘッドの固定層を互いに
反強磁性的に結合する二枚の強磁性膜と、これらを隔て
る非磁性膜によって構成することにより、固定層の巨視
的なモーメント量を各磁性膜のモーメント量の絶対値の
和より実質的に小さくなり、また、上記スピンバルブ型
MRヘッドに定電圧駆動でセンス電流を流すための定電
圧電源を設けた磁気記録再生装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気抵抗効果型再生
ヘッドを有した新規な磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】年々高まる磁気記録再生装置の大容量化
と装置サイズ小型化への要求を両立するため記録密度の
向上は欠かせない。これを実現するには様々な課題があ
る。なかでも媒体に磁気的に記録された信号を読み取っ
てこれを電気信号に変換する再生ヘッドは磁気ディスク
装置中のキー・デバイスの一つである。再生ヘッドでは
増大する記録密度に応じて小型化しつつ、なおかつ高感
度化することが必須である。近年はこの2つの要求に応
えうる再生ヘッドとして、磁気抵抗効果型ヘッド(MR
ヘッド)が用いられている。MRヘッドは、従来のいわ
ゆるインダクティブヘッドに比べて高い信号/ノイズ比
(S/N比)が得られるのが特徴である。現在MRヘッド
に利用されている磁気抵抗効果は、異方性磁気抵抗効果
(AMR)と呼ばれる。これは磁性体に電流を流したと
き、抵抗が磁化方向と電流方向の相対角度に依存すると
いう現象である。このAMR効果では、約2〜5%程度
の抵抗変化率が得られることが知られている。AMR効
果を利用したMRヘッドで実現可能な記録密度は数ギガ
ビット/平方インチであり、これ以上〜数十ギガビット
/平方インチの記録密度では更に高感度な磁気抵抗効果
を利用することが必要であるとされている。その候補と
して、いわゆる巨大磁気抵抗効果(GMR)が注目され
ている。この現象は磁性金属膜と非磁性金属膜を交互に
積層した多層膜において、各磁性膜の磁化同士の成す角
度に依存して電気抵抗が変化するもので、室温でも5%
を越える大きな抵抗変化率が得られることが知られてい
る。中でも磁気ヘッドへの応用上最も有望とされている
のは、スピンバルブ膜と呼ばれ、実質的に四層からなる
構成を持つ。即ち、一層の非磁性層によって隔てられた
二層の強磁性層と、一方の強磁性層をある方向に固定す
るための反強磁性層である。この反強磁性層によって一
方の強磁性層の磁化方向は他方に対し90度の角度を成
すように固定されている。通常反強磁性層側の強磁性層
を固定層、他方の強磁性層を自由層と呼んでいる。磁気
ヘッドへの適用を考えた場合、自由層の磁化はトラック
幅方向に、固定層の磁化は素子高さ方向に向いているこ
とが望ましい。このようなスピンバルブ膜を用いたヘッ
ドの基本構成の詳細に関しては、特開平3−337905号,
特開平4−358310号,特開平8−221719 号に開示されて
いる。
【0003】MRヘッドを磁気記録再生装置に適用する
場合、従来のインダクティブヘッドにはなかった問題が
いくつか生じる。その中で最も大きなものの一つは、再
生波形の上下非対称性と呼ばれるもので、媒体上の記録
磁化から来る磁界に対応する出力パルスの大きさが、磁
界の極性により異なるという現象である。特にスピンバ
ルブ型MRヘッドにおいては、固定層の磁化が素子高さ
方向を向き、自由層の磁化が長手方向(トラック幅を規
定する方向)を向くことで両者の磁化が互いに90度の
角度をなす場合に上下非対称性がなくなることが知られ
ている。このような磁化配置を実現するため、固定層磁
化は先述したように反強磁性体と強磁性体との交換相互
作用に基づく一方向異方性によって素子高さ方向に向け
られている。一方自由層は、もともと強磁性体が持って
いる一軸異方性によってほぼ長手方向を向けられてはい
るが、一般に強磁性積層膜に現われる層間結合磁界,セ
ンス電流による磁界,固定層磁化からの静磁界の三者の
バランスさせることが必要である。このような、自由層
の磁化方向を改善する策の一つとして、特開平9−16920
号に、固定層として強磁性膜/非磁性金属膜/強磁性
膜という構成を持ち、二枚の強磁性金属膜が反強磁性的
に結合することで実質的なモーメントをほぼゼロとする
スピンバルブ膜が提案されている。これにより、ヘッド
の設計中心においては、上述の理想的な磁化配置を容易
に実現することができる。しかしこの開示例では、大量
に製造されるここのヘッドについてこのような磁化配置
を実現することはできない。
【0004】磁気ヘッドを大量かつ安価に供給するため
には、製造プロセス中で生じる様々なばらつき要因に対
してヘッドの再生特性が鈍感であることが必要である。
このばらつき要因として、各種薄膜の膜厚・物性のばら
つきや、フォトリソグラフィ工程でのサイズばらつき等
もあるが、現状での最も大きな要因の一つに、素子高さ
寸法のばらつきが有る。
【0005】上記の開示例中図5を見ると信号検出手段
(50)はセンス電流源(48)と並列に接続されてい
る。これはいわゆる定電流駆動の再生システムを提示し
ていることにほかならない。定電流駆動の再生システム
では、同一装置内の各ヘッドごとの素子高さばらつきに
対して、上記した再生信号の上下非対称性は敏感に変化
する。素子高さが中心値からずれた場合、素子を流れる
電流密度は設定値と異なり、このため自由層に及ぼされ
る磁界が変化するため自由層の磁化方向は長手方向から
ずれるためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、素子
高さばらつきによるヘッド特性のばらつき就中再生波形
の上下非対称性のばらつきの少ない磁気記録再生装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、理想的な自由
層の磁化方向を維持するため、二枚の強磁性膜とこれら
を隔る一枚の非磁性膜が固定層を構成し、上記二枚の強
磁性膜を反強磁性的に結合させて固定層の巨視的な磁気
モーメント量が各強磁性体膜各々の磁気モーメント量の
絶対値の和より実質的に小さくすることで、固定層から
の静磁界を実質的になくした。また、個々のMRヘッド
の素子高さに関らず一定の電流密度下での動作を実現す
るために、このMRヘッドを搭載する磁気記録再生装置
は、電極間の電圧が一定になるようなセンス電流源を装
備している。
【0008】即ち、本発明は、適正な再生出力信号を得
るために理想的な自由層の磁化方向を維持しつつ、量産
にたえるよう、素子高さばらつきによるヘッド特性のば
らつき就中再生波形の上下非対称性のばらつきを最小限
に抑えるためには、素子高さのばらつきに関らず一定の
電流密度を流すような再生システムを備えた磁気記録再
生装置にある。
【0009】本発明は、非磁性体層によって隔てられた
第一及び第二の強磁性体層を含み、該第二の強磁性体層
が少なくとも二枚の強磁性体膜とこれらを分離する非磁
性体膜を有する磁気抵抗効果膜と、上記第二の強磁性体
層の一方の強磁性体膜の磁化を特定の方向に固定する手
段と、上記磁気抵抗効果膜にセンス電流を流す一対の電
極を備えた磁気抵抗効果型ヘッドを搭載し、前記センス
電流に対し上記磁気抵抗効果膜の直流抵抗の変化にかか
わらずその電圧が一定になるように駆動する定電圧電源
回路を備えていることを特徴とする磁気記録再生装置に
ある。
【0010】上記第二の強磁性体層の二枚の強磁性体膜
は非磁性体膜を介して互いに反強磁性的に結合され、上
記第二の強磁性体層の巨視的な磁気モーメント量が各強
磁性体膜各々の磁気モーメント量の絶対値の和より小さ
くなっていることが好ましい。
【0011】上記第二の強磁性体層の前記第一の強磁性
体層に近い側の強磁性膜の磁化の素子高さ方向成分の向
きと、上記一対の電極間に流れるセンス電流が上記第一
の強磁性体層に及ぼす磁界の素子高さ方向成分の向きが
同方向であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
〔実施例1〕図1は、本発明を適用したMRヘッドを搭
載した磁気記録再生装置、特に再生システム部分の概念
図およびスピンバルブ(SV)型MRッドの断面図であ
る。MRヘッドを構成するスピンバルブ(SV)膜は次
の積層構造からなる。積層構造は順に配向制御層20と
してTa(50Å)、自由層21はNiFe(100Å)、
非磁性層22はCu(25Å)、固定層23はCo(3
0Å)/Ru(6Å)/Co(30Å)の3層構造、反
強磁性層24はCrMnPt(300Å)、酸化を防止
するキャッピング層26としてTa(50Å)を有す
る。このスピンバルブ膜に一対の電極25が接してお
り、34より25を通して供給されるセンス電流によっ
て外部磁界による抵抗変化が電気信号に変換され、再生
動作を行う。図2は、このときの各強磁性層の磁化方向
とセンス電流の方向との関係を示した斜視図である。電
流は電極25aから電極25bへと流れており、非磁性
層22,固定層23および反強磁性層24に流れる電流
によって自由層21内に作られる磁界は上方向であるこ
とがわかる。図中の矢印は自由層の磁化と、固定層23
の二枚の強磁性膜のうち自由層21に近い側の強磁性膜
の磁化を示している。いま、自由層21と固定層23
働く層間結合は、両者の磁化を平行にするようにはたら
いているため、自由層21は下向きの磁界を感じている
ことになる。従って、層間結合磁界と電流による磁界が
バランスすることで自由層21の磁化は長手方向を向い
ている。結果として固定層磁化と自由層磁化は90度の
角度をなし、理想的な磁化配置になっている。
【0013】図3は、記録媒体と磁気ヘッドとの位置関
係を示す斜視図である。図3のように磁気コア13,励
磁コイル14を備えた記録ヘッドとともにスライダ16
上に形成し、磁気ディスク11表面に記録された記録ト
ラック12の記録磁化から出る磁界により再生動作を行
ったが、再生出力信号に上下非対称性は見られなかっ
た。
【0014】図4は、本発明を実施した磁気記録再生装
置の概念図を示している。但し符号/記録系は省略して
ある。ヘッドを形成したスライダ16はセンス電流源及
び再生信号検出手段を有するデータ再生/復合系34お
よび機構制御系33,ヘッド位置決め機構32を通して
閉ループ制御されることで、スピンドルモータ31によ
り高速回転している磁気ディスク11上の所定の位置に
シークして所望の情報を読み取ることができる。本実施
例では歪みの少ない再生信号が得られたため、高い記録
密度と高速のデータ転送を実現できた。
【0015】図5は、従来型スピンバルブヘッドと本発
明を適用したスピンバルブヘッドの特性を比較したもの
である。ここでは再生信号の上下非対称性を次式のよう
に定義し、 上下非対称性(%)=100×(V+ − V-)/(V+
+ V-) (但し、V+ ;正極性の媒体磁界に対する出力値。
- ;負極性の媒体磁界に対する出力値。) その素子高さ依存性を示した。なお従来型は、上記実施
例と全く同じ構成を持つヘッドを定電流駆動した場合で
ある。これをみると、従来型・本発明とも、設計中心の
1.2μm の素子高さにおいては非対称性はゼロになっ
ているが、従来型では素子高さが設計中心値からずれた
場合、再生信号の上下非対称性が大きくなる。これに対
し本発明を適用した場合、素子高さが変化しても再生信
号の上下非対称性はほとんど現れないことが分かる。
【0016】なお、このように再生信号の上下非対称性
が素子高さに殆ど依存しないような再生系の構成は、ス
ピンバルブ膜の固定層の巨視的なモーメントが上記実施
例のように実質的にゼロとなっている場合だけではな
く、ある程度有限の場合にも実現可能である。
【0017】本実施例によれば、互いに反強磁性的に結
合した二枚の強磁性膜を固定層として備えたスピンバル
ブ型MRヘッドを定電圧駆動することで、素子形状のば
らつきに対する再生信号特性の劣化を最小限に抑えた高
性能な磁気記録再生装置が得られる。また、素子形状の
許容範囲が広がったことでヘッド製造コストの低減にも
なる。
【0018】〔実施例2〕実施例1のSVヘッドにおい
て、再生信号の非対称性に対する固定層からの静磁界の
影響を低減するため、強く反強磁性結合した2枚の強磁
性膜からなる積層膜(積層フェリと呼ぶ)を固定層に適
用し、この積層フェリ固定層を適用したSVヘッドの基
本特性として特に再生信号の非対称性Asym制御の観点を
検討した。
【0019】計算にはマイクロマグネティクスに基づく
手法[3]を用いた。
【0020】想定したSV膜の構成はNiFe(7n
m)/Cu(2.5nm)/Co(3nm)/Ru(0.6n
m)/Co(3nm)/CrMnPt(30nm)であ
る。( )内は膜厚である。図6にそのモデル図を示
す。ただし、固定層の2枚のCo膜は十分強く層間結合
していると考え、計算上は固定層を1枚の強磁性膜とし
て扱った。このとき、Co/Ru/Coの合計膜厚と等
しくなるように計算上の固定層膜厚を規定した。また、
反強磁性層と固定層の結合磁界は、実質的に無限大とな
るようにした。ヘッド構造は、永久磁石による長手方向
バイアスを備えたシールド型SVヘッドとした。
【0021】図7は、自由層−固定層間の結合磁界Hint
=10Oeとした場合の、非対称性Asymの素子高さhM
R依存性である。hMRは図2及び図3のMR素子にお
いて各層の紙面に対して平行な方向の縦方向の大きさで
ある。ここで自由層の電流密度Jを10,15,20,
30MA/cm2 と変化させた。ただし、電流の向きは図
6に示すように、センス電流が自由層に及ぼす磁界Hcur
r の向きがHintと逆向きになるようにした。図から、J
=15MA/cm2 のときAsymの素子高さ(hMR)依存性は
ほとんど平坦になっていることが分かる。この理由を調
べるため、hMR=0.5μm,1.2μmのときの、素子
長手方向中央における自由層の磁化角度θの分布を図8
及び図9に示す。図8はhMR=0.5μm、図9はh
MR=1.2μmのデータである。図7と同様、J=1
0,15,20,30MA/cm2 についてプロットし
た。これをみると、j=15MA/cm2 のときにはhM
Rにかかわらず自由層の磁化がほぼ一様に素子長手方向
(θ=0°)を向いている。これはHintとHcurr が相殺
したため、自由層の磁化方向を決める要素が、自由層自
身の一軸異方性(素子長手方向とした)と長手方向バイ
アス磁界のみになるためである。
【0022】なお、実際のSV膜では自由層のAMR効
果(Anisotropic Magnetoresistivity)が存在するた
め、自由層磁化が完全に素子長手方向を向いている場合
でも有限のAsymが残る。たとえば、AMRをGMR効果
の10%と仮定すると図7のAsymは約8%マイナス側に
シフトする。このAsymは、固定層の2枚の磁性膜の膜厚
差により実質的な磁気モーメントを適当な値にすること
で0に近づけることができる。
【0023】Co/Ru/Co積層膜は、Ru膜を介し
てCo膜間に作用する反強磁性的交換結合により、巨視
的な磁気モーメントを零とすることができる。このCo
/Ru/Co積層膜をスピンバルブ膜の自由層又は固定
層に用いて、高感度化,出力波形の非対称性を改善する
ことができる。発明者らは、Co/Ru/Co積層膜の
磁気特性及びこの積層膜を固定層に用いたスピンバルブ
膜のGMR特性について検討した。
【0024】試料は、rfマグネトロンスパッタ法によ
りガラス基板上に作製した。Ru膜を介してCo膜間に
作用する交換結合の評価に用いた試料の膜構成はTa
(5)/Co(1.5〜10)/Ru(0.2〜1.2)
/Co(3〜10)/Ta(5)(膜厚単位:nm)であ
り、スピンバルブ膜の構成はTa(5)/NiFe
(5)/CoFe(1)/Cu(2.5)/Co(3)/
Ru(0.8)/Co(1.5〜4.5)[/CrMnPt
(30)]/Ta(5)である。磁気特性はVSMによ
り、磁気抵抗効果は直流4端子法により測定した。
【0025】図10に、Ta/Co/Ru/Co/Ta
積層膜におけるCo膜間の交換結合エネルギーJのRu
膜厚依存性を示す。Ru膜厚が0.3〜1.2nmの範囲
では、Jの大きさはRu膜厚が薄い程大きく、反強磁性
的交換結合が強い。また、Ru膜厚が0.6〜1.0nm
の範囲で、Co膜の磁化が零磁界において反平行配列す
る。図中、各膜の( )内は膜厚(nm)である。
【0026】図11及び図12に、CrMnPt反強磁
性膜(a)無し(図11),(b)有り(図12)とし
た場合の、Co(3)/Ru(0.8)/Co(3)積層
膜を固定層に用いたスピンバルブ膜の磁気抵抗効果曲線
を示す。また、図中には、磁化配列の模式図を合わせて
示す。(a)は保磁力差に起因したGMR効果を示し、
抵抗変化率が最大(5.6%)となる磁界領域は、Co膜
の保磁力に対応した100Oe程度と小さい。また、±
1.5kOe で抵抗変化率が極大となるのは、反強磁性
的交換結合によりCo膜磁化が互いに反平行配列しよう
として、外部磁界(自由層磁化)方向に対して角度を持
つためと考えられる。反強磁性膜を形成した(b)は、
固定層に単層磁性膜を用いた通常のスピンバルブ膜と同
様に、固定層の磁化反転は原点から一方向にシフトして
いる。このシフト量Hshiftは1.3kOe と非常に大き
い。また、−2kOeで抵抗変化率が極大となるのは
(a)と同様な理由によると考えられる。
【0027】以上の結果から、固定層にCo/Ru/C
o積層膜を用いたスピンバルブ膜は反強磁性膜を形成す
ることで、磁気ヘッドに適した特性を示すことが分かっ
た。本実施例においても、実施例1と同様に非磁性体層
によって隔てられた第一及び第二の強磁性体層を含み、
該第二の強磁性体層が少なくとも二枚の強磁性体膜とこ
れらを分離する非磁性体膜を有する磁気抵抗効果膜と、
上記第二の強磁性体層の一方の強磁性体膜の磁化を特定
の方向に固定する手段と、上記磁気抵抗効果膜にセンス
電流を流す一対の電極を備えた磁気抵抗効果型ヘッドを
搭載し、前記センス電流に対し上記磁気抵抗効果膜の直
流抵抗の変化にかかわらずその電圧が一定になるように
駆動する定電圧電源回路を設けることにより、互いに反
強磁性的に結合した二枚の強磁性膜を固定層として備え
たスピンバルブ型MRヘッドを定電圧駆動するので、素
子形状のばらつきに対する再生信号特性の劣化を最小限
に抑えた高性能な磁気記録再生装置が得られる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、互いに反強磁性的に結
合した二枚の強磁性膜を固定層として備えたスピンバル
ブ型MRヘッドを定電圧駆動することで、素子形状のば
らつきに対する再生信号特性の劣化を最小限に抑えた高
性能な磁気記録再生装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した磁気記録再生装置に搭載され
た、再生システム部分の概念図と、スピンバルブ型MR
ヘッドの断面図。
【図2】本発明の実施例において、各磁性層の磁化方向
とセンス電流の向きとの関係を示す、スピンバルブ型M
Rヘッドの斜視概念図。
【図3】本発明の実施例において、信号磁界を発生する
記録媒体とヘッドの位置関係を示す斜視概念図。
【図4】本発明の実施例である、磁気記録再生装置の概
念図。
【図5】本発明の実施例と従来型における、MR素子高
さに対する再生信号の上下非対称性の変化を示す図。
【図6】スピンバルブ膜のモデル図。
【図7】非対象性Asymと素子高さhMRとの関係示す線
図。
【図8】自由層の磁化角度と素子高さにおける位置との
関係を示す線図。
【図9】自由層の磁化角度と素子高さにおける位置との
関係を示す線図。
【図10】交換結合エネルギとRu厚さとの関係を示す
線図。
【図11】MR比と磁界の強さとの関係を示す線図。
【図12】MR比と磁界の強さとの関係を示す線図。
【符号の説明】
11…磁気ディスク、12…記録トラックおよび記録磁
化、13…記録用ヘッド上部磁気コア、14…記録用ヘ
ッドコア励磁コイル、15…MR再生ヘッド、16…ス
ライダ、21…自由層、22…非磁性層、23…固定
層、24…反強磁性層、25…電極、31…スピンドル
モータ、32…ヘッド位置決め機構、33…機構制御
系、34…データ再生/復合系。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性体層によって隔てられた第一及び第
    二の強磁性体層を含み、該第二の強磁性体層が少なくと
    も二枚の強磁性体膜とこれらを分離する非磁性体膜を有
    する磁気抵抗効果膜と、上記第二の強磁性体層の一方の
    強磁性体膜の磁化を特定の方向に固定する手段と、上記
    磁気抵抗効果膜にセンス電流を流す一対の電極を備えた
    磁気抵抗効果型ヘッドを搭載し、前記センス電流に対し
    上記磁気抵抗効果膜の直流抵抗の変化にかかわらずその
    電圧が一定になるように駆動する定電圧電源回路を備え
    ていることを特徴とする磁気記録再生装置。
  2. 【請求項2】上記第二の強磁性体層の二枚の強磁性体膜
    は非磁性体膜を介して互いに反強磁性的に結合され、上
    記第二の強磁性体層の巨視的な磁気モーメント量が各強
    磁性体膜各々の磁気モーメント量の絶対値の和より小さ
    くなっていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録
    再生装置。
  3. 【請求項3】上記第二の強磁性体層の前記第一の強磁性
    体層に近い側の強磁性膜の磁化の素子高さ方向成分の向
    きと、上記一対の電極間に流れるセンス電流が上記第一
    の強磁性体層に及ぼす磁界の素子高さ方向成分の向きが
    同方向であることを特徴とする請求項2記載の磁気記録
    再生装置。
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