JPH1186206A - 磁気記録再生方法および装置 - Google Patents

磁気記録再生方法および装置

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JPH1186206A
JPH1186206A JP9244021A JP24402197A JPH1186206A JP H1186206 A JPH1186206 A JP H1186206A JP 9244021 A JP9244021 A JP 9244021A JP 24402197 A JP24402197 A JP 24402197A JP H1186206 A JPH1186206 A JP H1186206A
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勝太郎 市原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高記録密度、低ノイズ、高熱擾乱耐性、高記録
感度の要求を容易に満たす磁気記録再生方法を提供す
る。 【解決手段】磁化反転磁界(Hn)が磁壁移動磁界
(w)よりも大きく、かつ実質的に非磁性粒間のない磁
性連続膜を記録層12として有する磁気記録媒体10を
用い、記録層12のトラック方向に所定間隔で並んだ基
準位置に磁壁22を形成しておき、記録パターン信号に
応じて磁気記録媒体10にHn>Hr>Hwなる記録磁
界(Hr)を印加することにより、記録層12中の磁壁
位置22を基準位置23からトラック方向の前方または
後方に移動させて情報の記録を行い、記録層12中の磁
壁位置22の基準位置23からの移動方向を再生信号3
3のピーク位置35の基準位置34に対する時間シフト
方向として識別することにより、記録された情報を再生
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にパーソナルコ
ンピュータ、大型計算機、通信用サーバ等に使用される
磁気ディスク装置に好適な磁気記録再生方法および装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置、特にリジッドな磁気
記録媒体を用いるハードディスク装置(HDD)は、大
容量性、高速アクセス性、高データ転送速度といった特
長を有し、パーソナルコンピュータ、大型計算機、通信
用サーバなどの情報処理機器の周辺記憶装置として幅広
く使用されている。MPUの演算速度の向上、通信イン
フラの整備・拡充に伴って、HDDの記憶容量増大に対
する要求は今後も止まるところを知らない。
【0003】HDDの記憶容量を増加させるためには面
記録密度を向上させる必要があり、PRML(pertial r
esponse maximum likelihood) に代表される信号処理技
術、ヘッドの高精度位置決め技術、ヘッド・ディスク間
のインタフェースに重要なトライボロジー技術、GMR
ヘッド(巨大磁気抵抗効果型ヘッド)に代表されるヘッ
ド技術、磁気ディスクの媒体技術など、種々の側面から
高記録密度化のための努力が続けられている。媒体に形
成される記録セルのサイズは高密度化するほど微細化さ
れ、それに伴い再生信号に寄与する媒体からの漏洩信号
磁界は低下するので、再生信号のSNR(信号対雑音
比)を十分に確保するためには、媒体ノイズを低下させ
る必要がある。
【0004】従来から磁気ディスクの記録層には、Co
系磁性結晶粒子の集合体からなる薄膜が使用されてきて
いるが、このような粒子集合体薄膜においては、磁性結
晶粒子の交換相互作用に起因して磁化転移部の揺らぎが
発生しやすく、低ノイズ化のためには粒間を非磁性体で
分離する必要がある。従って、低ノイズ化するほど磁性
粒子の体積含有比率が低下して、さらに信号磁界は小さ
くなってしまうので、低ノイズ化によるSNR向上の効
果が希薄であった。
【0005】また、磁性粒子の粒間の交換相互作用を完
全に断ち切った形態においても、磁性粒子のサイズに相
当する磁化転移揺らぎは原理的に避けようがなく、さら
なる低ノイズ化のためには磁性粒子のサイズを小さくす
る必要がある。磁性粒子のサイズを小さくすると、粒子
の持つ磁気的なエネルギーが小さくなる。例えば10G
bpsi級の高密度記録をしようとした場合には、要求
される粒子サイズは高々10nm程度になるが、この程
度の粒子サイズになると、磁気的エネルギーの低下か
ら、室温に相当する熱擾乱に対する磁気的安定性が問題
となる。
【0006】粒子サイズは小さいまま、磁性粒子の磁気
的エネルギーを増加させるには、磁性粒子結晶の磁気異
方性エネルギーを増加させればよいが、磁気異方性エネ
ルギーが過度に高いと、磁化反転に必要な記録飽和磁界
が過大となり、記録ヘッドの能力を超えてしまう。記録
ヘッドの磁極に高飽和磁束密度の軟磁性材料を用いよう
とする試みも同時に進められてはいるものの、高記録密
度化に伴い記録トラック幅が狭くなる以上、ヘッドの記
録能力の向上は期待できない。
【0007】このように従来の磁性粒子の集合体からな
る記録層を有する磁気記録媒体を用いた磁気記録技術で
は、高記録密度化に際して媒体ノイズを十分に小さくす
るためには、記録層を構成する磁性粒子のサイズを小さ
くする必要があるが、粒子サイズが小さくとも熱擾乱に
打ち勝つためには、磁性粒子の結晶磁気異方性エネルギ
ーを大きくする必要があり、また狭トラックヘッドで十
分なオーバライト消去比を得ようとすると磁気異方性エ
ネルギーの上限が制限されるといった難点があるため、
記録密度の向上は限界を迎えつつある。
【0008】記録密度の限界を打破する磁気記録技術と
して期待されている方式は、一般的には垂直記録であ
る。垂直記録においても、媒体の記録層は長手記録の場
合と同様、磁性結晶粒子の集合体である。垂直記録が長
手記録と異なる点は、記録層が膜面に垂直な方向に磁化
容易軸を有していることであり、長手記録にない特長と
しては、記録セルのサイズが小さくとも反磁界の影響で
磁化状態が変化することがないので、原理的には記録層
の膜厚を厚くできることである。記録層の膜厚を厚くで
きれば、高密度化のために微粒子化していっても、膜厚
を厚くした分だけ高い熱擾乱耐性を付与でき、過大な磁
気異方性エネルギーを有する材料を強いて採用する必要
がなく、低ノイズ、高熱擾乱耐性、高記録感度の全ての
条件を満足できる可能性があると考えられている。
【0009】ところが、垂直記録においても記録層を膜
厚方向に均一に磁化して記録を行う必要性と、記録層に
加わる記録磁界が急峻である必要性から、記録層の膜厚
をある薄くすることが要求され、上述した長手記録に比
べての特長は疑問視される。記録層の下地層として軟磁
性膜を配した二層媒体を用いて、記録層に急峻な記録磁
界を印加させ、記録層が厚くとも膜厚方向に均一に記録
ができるようにする方法が提案されている。しかし、磁
気記録媒体のような大面積の領域に軟磁性膜を形成した
場合、記録パターンとは無関係なランダムな磁壁が形成
し易く、しかもその磁壁は容易にその位置を移動するの
で、バースト的なエラーが多数発生するという問題があ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、磁性
粒子の集合体を磁気記録媒体の記録層として用いる従来
の磁気記録技術では、(1) 媒体ノイズを十分に小さくす
るために記録層を構成する磁性粒子のサイズを小さくす
る必要がある、(2) 粒子サイズを小さくしても熱擾乱に
打ち勝つためには磁性粒子の結晶磁気異方性エネルギー
を大きくする必要がある、(3) 狭トラックヘッドで十分
なオーバライト消去比を得ようとすると磁気異方性エネ
ルギーの上限が制限される、という事情から記録密度の
向上に限界を迎えつつある。
【0011】また、長手記録よりも原理的に高記録密度
化が可能な垂直記録は、記録層の膜厚を薄くして低ノイ
ズ、高熱擾乱耐性、高記録感度の全ての条件を満たすよ
うにできる可能性はあるが、記録層の膜厚方向に均一に
記録を行い、かつ記録層に加わる記録磁界を急峻にする
必要性から、記録層の膜厚を厚くすることが難しいとい
う根本的な問題があり、さらに記録層の下地層として軟
磁性膜を配した二層媒体を用いた場合は、記録パターン
とは無関係なランダムな磁壁が形成され易く、その磁壁
の位置が容易に移動するためにバースト的なエラーが多
く発生するという問題があった。
【0012】本発明は、従来の磁気記録媒体の磁性粒子
の集合体からなる記録層に代えて、基本的に非磁性粒間
のない磁性的に連続した磁性膜を記録層として使用し、
高記録密度、低ノイズ、高熱擾乱耐性、高記録感度の要
求を容易に満たすことができる磁気記録再生方法および
装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明では磁化反転磁界(Hn)が磁壁移動磁界
(Hw)よりも大きく、しかも実質的に非磁性粒間のな
い磁性的に連続した磁性膜(磁性連続膜)からなる記録
層を有する磁気記録媒体を用い、記録層のトラック方向
に所定間隔で並んだ基準位置に磁壁を形成しておく。
【0014】そして、情報の記録は記録ヘッドを介して
磁気記録媒体にHn>Hr>Hwなる記録磁界(Hr)
を印加して、記録層中の磁壁位置を基準位置からトラッ
ク方向の前方または後方に移動させることにより行う。
さらに具体的には、例えば基準位置に対応した一定周期
の基準信号に同期して、記録すべき情報に対応した記録
パターン信号を生成し、この記録パターン信号に従って
記録ヘッドを駆動することで、Hn>Hr>Hwなる記
録磁界(Hr)を印加する。
【0015】一方、記録された情報の再生は、記録層中
の磁壁位置(記録後の磁壁位置)の基準位置(記録前の
磁壁位置)に対する移動方向を識別することにより行
う。より具体的には、磁気記録媒体から再生ヘッドを介
して得られる再生信号から、記録層中の基準位置に対応
した基準信号に対する、磁壁位置に対応した信号の時間
的進みまたは遅れを識別することにより、記録された情
報を再生する。この進み遅れは、例えば基準信号に対す
る再生信号のピーク位置の時間シフト方向として識別す
ることができる。
【0016】記録前に記録層に形成する磁壁(初期磁
壁)の形成は、磁化反転磁界(Hn)以上の初期磁壁形
成用磁界を印加することによって可能である。この初期
磁壁の形成は、工場内の工程として実施してもよいし、
磁気記録再生装置により記録ヘッドを用いて行ってもよ
い。また、初期磁壁の形成は最密パターン、つまり記録
再生動作がシステム的に成立する最大密度で行うのが、
より高記録密度の磁気記録再生装置を実現する上で好ま
しい。
【0017】従来から磁気記録に使用されてきた磁気記
録媒体の記録層は、磁性粒子の集合体であり、磁性結晶
粒子と非磁性もしくは弱磁性の粒間からなる。このよう
な形態の記録層では、磁化転移部は磁壁ではなく非磁性
粒間部により形成されるので、磁壁移動は考慮する必要
がなく、情報の記録は基本的に磁化反転磁界よりも大き
な記録磁界を印加して実行される。
【0018】一方、粒間への非磁性体もしくは弱磁性体
の析出が十分に少なく、粒間分離されていない形態、す
なわち本発明で用いる記録層のように実質的に非磁性粒
間のない、いわゆる磁性連続膜の形態では、磁壁移動を
考慮する必要がある。磁壁移動磁界(Hw)と磁化反転
磁界(Hn)の大小関係は、粒間連続性の度合いによっ
て異なり、連続性が良好なほど一般的にHn>Hwとな
り、本発明では、この条件を満たす磁性連続膜を積極的
に記録層として利用する。このような磁性連続膜中に形
成される磁化転移部(磁壁)は、従来の磁性粒子集合体
からなる磁性膜の磁化転移部のように粒子サイズレベル
の揺らぎはないので、直線的な好ましい形状を有する。
【0019】また、従来の磁性粒子集合型媒体では、記
録磁界(Hr)が反転磁界(Hn)よりも大きい条件
で、1に近い確度で磁化の向きが記録磁界の向きに揃
い、逆にHr<Hnでは0に近い確度で磁化反転は起こ
らない。従って、HrとしてHnに近い値を使用するこ
とができ、記録磁界が切り替わったとほぼ同一の時点で
磁化転移部が形成される。
【0020】本発明で用いる磁壁移動型媒体では、磁壁
移動速度は記録磁界(Hr)と反転磁界(Hn)の差
(Hr−Hw)に比例し(比例定数は移動度)、高速に
磁壁の位置を所定の位置に移動させようとすると、Hr
−Hwの差を大きくする必要がある。このような場合は
記録磁界が切り替わった瞬間に、所定の位置迄移動させ
てきた磁壁がヘッドの磁界分布に起因して、それまで移
動してきたのとは逆の向きに若干量ではあるものの移動
してしまう。このため、磁壁移動型媒体は従来では磁壁
移動に起因するジッタ性ノイズが大きく、使用不能と考
えられていた。磁壁移動は磁化反転と異なり、記録閾値
が不明確であるからである。従って、磁化転移位置で情
報の識別を行う磁気記録には、磁壁移動型媒体は適さな
いとされてきた。
【0021】これに対し、本発明においては磁壁の位置
そのもので情報の識別を行うのでなく、所定の基準位
置、つまり記録層に初期に形成した記録前の磁壁の位置
と、記録後の磁壁位置の相対的関係によって情報の記録
再生を行うので、高速の磁壁移動と低ジッタ性を両立す
ることが可能である。
【0022】このように本発明では、磁気記録媒体とし
て従来の磁性粒子集合型媒体に代わって、実質的に非磁
性粒間のない磁性連続膜を記録層とする磁壁移動型媒体
を用いて記録を行うため、高記録密度化しても磁性粒子
サイズによって媒体ノイズや熱擾乱耐性が左右されるこ
とがなく、高記録密度、低ノイズ、高熱擾乱耐性が得ら
れる。
【0023】さらに、上述したように初期磁壁形成工程
で形成した磁壁位置である基準位置に対する磁壁位置の
移動方向を利用して情報の記録再生を行うことによっ
て、高速の磁壁移動と低ジッタ性の両立ができるため、
高い記録感度が得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係
る磁気記録再生方法を説明するための概念図であり、
(a)は初期磁壁形成状態での磁気記録媒体、(b)は
基準信号波形、(c)は記録動作、(d)は再生動作、
(e)は再生信号波形をそれぞれ示している。
【0025】磁気記録媒体10は例えば磁気ディスクで
あり、ガラス基板からなるディスク基板11上に、記録
層12として例えば20nm厚のCoPt膜をスパッタ
により直接形成し、さらに記録層12の上に保護膜13
として10nm厚のC膜13を直接コートして構成され
る。ここで、記録層12であるCoPt膜は、磁性的に
連続した構造の磁性連続膜、つまり実質的に非磁性粒間
のない磁性膜であり、かつ磁化反転磁界(Hn)と磁壁
移動磁界(Hw)の両方を有し、両者の関係はHn>H
wである。
【0026】記録層12には、情報の記録前の状態では
予め図1(a)に示すようにトラック方向に磁化21が
形成されると共に、所定の一定間隔、好ましくは装置が
システム上許容する最密間隔で磁壁22が形成されてい
る。磁化21および磁壁22は、図1(b)に示す一定
周期の基準信号30に従って、周期的に磁気記録媒体1
0に磁化反転磁界(Hn)以上の磁界を印加することに
より形成することができる。これらの磁化21および磁
壁22の形成は、ユーザ側で磁気記録再生装置に備えら
れた記録ヘッドを用いて行ってもよいし、また工場内の
工程として出荷前に実施してもよい。この初期磁壁形成
状態での磁壁22の位置を基準位置と呼ぶ。
【0027】磁気記録媒体10への情報の記録は、図1
(a)に示した初期磁壁形成後の磁気記録媒体10に対
し、図1(c)に示すように磁気記録媒体10を矢印A
の方向に移動させながら、例えば誘導型ヘッドからなる
記録ヘッド31を用いて、記録すべき情報に対応した記
録パターン信号に応じてHn>Hr>Hwなる記録磁界
(Hr)を図中右向きまたは左向きに印加し、磁壁22
を点線で示す基準位置23からトラック方向の前方また
は後方(図中右方向または左方向)に移動させることに
より行う。
【0028】一方、このようにして磁気記録媒体10に
記録された情報の再生は、磁壁位置の基準位置23に対
する移動方向を識別することにより行う。具体的には、
図1(d)に示すように、磁気記録媒体10を矢印A方
向に移動させながら、例えばMRヘッドまたはGMRヘ
ッドからなる再生ヘッド32を介して、磁気記録媒体1
0から再生信号を得る。
【0029】図1(e)に、再生ヘッド32としてMR
ヘッドを用いた場合の再生信号33の波形を示す。矢印
34は基準位置23に対応する基準信号の位置、35は
再生信号33のピーク位置をそれぞれ表す。再生信号3
3のピーク位置34は、図1(c)の記録後の磁壁22
の位置に対応している。従って、基準信号位置34に対
する再生信号33のピーク位置35の時間シフト方向、
つまり基準信号位置34に対してピーク位置35が進ん
でいるか遅れているかを識別することにより、記録され
た情報を再生することができる。
【0030】次に、本実施形態についてさらに具体的に
説明する。磁気記録媒体10の記録層12であるCoP
t膜は、室温でガラス基板上に純Arガススパッタする
方法で作成した。この方法で作成されたCoPt膜は、
膜面内に磁化が向いた磁性連続膜であり、前述の通り磁
化反転磁界(Hn)と磁壁移動磁界(Hw)の両方を有
する。このCoPt膜のヒステリシス特性を振動試料形
磁力計(VSM)を用いて調べたところ、飽和磁化(M
s)は800emu/cc、残留磁化(Mr)は600
emu/cc、保磁力(Hc)は2kOe、保磁力角形
比(S* )は0.75であった。
【0031】このVSMによるヒステリシス特性(メジ
ャーループ)の測定により得られた保磁力(Hc)は、
次のように定義される。磁気記録媒体10の記録層12
の飽和状態、つまり例えば記録層12が図1中の右方向
に一様に磁化された磁壁のない状態から外部磁界を低下
させると、磁気記録媒体10の試料端部付近に形成され
る強い反磁界で局所的に左向きに磁化反転して磁壁が形
成される。そして、この磁壁が移動して残留状態にまで
なり、さらに逆向きの磁界を印加してゆくと、やがて右
向きの磁化領域と左向きの磁化領域の面積が等しくな
る。このときの外部磁界が保磁力(Hc)を表す。
【0032】この保磁力(Hc)は磁壁移動磁界(H
w)に近いが、残留状態から移動した右向きの磁壁と左
向きの磁壁がバランスする外部磁界であるので、バラン
ス点に至る迄の間は右向きの磁化成分が多く、反磁界は
磁壁移動を促進する方向に働く。従って、このメジャー
ループ測定で得られた保磁力(Hc)は記録層12の膜
本来の磁壁移動磁界(Hw)よりも小さい。
【0033】磁壁移動磁界(Hw)は、交流消磁状態の
磁気記録媒体10の記録層12に対して、徐々に外部磁
界を印加することで測定した。この場合は初期磁壁状態
において右向きの磁化と左向きの磁化がバランスしてい
るので、磁壁に印加される反磁界は右向きの磁化に対し
ても左向きの磁化に対しても同じ値をとる。このように
して明らかに磁壁が移動し始める磁界を調べたところ、
Hw=2.4kOeと算定された。
【0034】次に、磁化反転磁界(Hn)は以下の方法
で求めた。磁気ディスクとして構成した磁気記録媒体1
0をスピンスタンド形のディスク特性評価装置にセット
し、所定の半径位置を所定範囲で一様に磁化する。ここ
で、「所定の」のという意味は実験段階で本発明の効果
を実証する目的においては、例えば半径15mm〜20
mmといったように、ディスク特性評価を行おうとする
任意の領域を指す。磁気記録媒体10をディスク一周に
わたり一様に磁化した場合には、先のVSM測定のよう
にサンプル端部で大きな反磁界が印加して酸化反転が起
こるという現象がなく、磁界を取り去った後も一様に磁
化された状態、すなわち磁壁のない状態を実現できる。
【0035】この磁壁のない状態から、記録ヘッド31
から発生される磁界(これを記録磁界という)を徐々に
増加させ、磁化反転信号の有無を検出する。記録磁界が
磁化反転磁界(Hn)に至ると磁化反転信号が得られる
ようになるので、この磁化反転信号が得られる閾値に相
当する記録磁界がHnである。このようにして求めた磁
化反転磁界(Hn)はHn=3.5kOeであり、上述
のようにして作成された磁気記録媒体試料は本発明の条
件であるHn>Hwを満たしていることが確認された。
【0036】次に、磁気記録媒体10上の記録層12で
磁化反転磁界(Hn)未満、かつ磁壁移動磁界(Hw)
以上の記録磁界の印加によって磁壁の移動ができるかど
うかを確認するために、予め記録層12にHn以上の磁
界を印加して150kfciの密度で作成した磁壁22
上に、誘導型ヘッドよりなる記録ヘッド31によって1
20kfciの周波数で3kOeの記録磁界を印加して
磁壁22の移動実験を行った。こうして磁壁22の移動
を行った磁気記録媒体10からMRヘッドよりなる再生
ヘッド32によって検出した再生信号をスペクトラムア
ナライザで観測したところ、再生信号には初期の150
kfciの位置の他に120kfciの位置にもピーク
が現れ、Hn>Hr>Hwの記録磁界(Hr)で磁壁2
2の移動が実現されることが判明した。
【0037】再生信号の120kfciの位置にも15
0kfciの位置にもピークが現れるのは、記録磁界
(Hr)の空間分布を加味して、150kfciの磁壁
位置に磁壁移動磁界(Hw)以上の記録磁界(Hr)が
印加された場合は磁壁が120kfciのパターンに従
って移動するが、そうでない場合には元の150kfc
iの位置の磁壁が残存するためと考えられる。実際、同
一トラックを何回もHn>Hr>Hwの記録磁界(H
r)により120kfciで記録し続けると、徐々に1
20kfciの信号のみに変化してゆくことが確認され
た。
【0038】上記した基礎的実験の結果、新たな磁壁の
生成なしに、初期自局形成により既に存在する磁壁22
をHn>Hr>Hwの記録磁界(Hr)の印加によって
移動させることが可能なことが立証されると共に、単純
なオーバライトを行う従来の磁気記録再生方式では高速
オーバライトは不能であることが明らかとなった。
【0039】次に、上述した基礎的実験の結果を踏まえ
て、本実施形態の記録再生方法についてさらに具体的に
説明する。図1(a)に示したように、図1(b)の基
準信号30に従って磁気記録媒体10に磁化反転磁界
(Hn)以上の磁界を印加して記録層12に磁壁22を
形成する。この磁壁22の位置が基準位置であり、基準
信号30の周波数に従って一定間隔で並ぶ。このとき、
記録ヘッド31で磁界の反転が起こるのは図1(b)の
立ち上がりの時点となるようにした。この場合、記録ヘ
ッド31としては飽和磁束密度Bsが1.6Tの誘導型
薄膜ヘッドを用いた。
【0040】記録ヘッド31のギャップ長は0.2μ
m、トラック幅は1μmとし、また磁気記録媒体10に
対する記録ヘッド31の浮上量は20nmとした。この
とき、磁気記録媒体10にかかる磁界はCoPt系の微
粒子集合型媒体(保磁力Hcが2kOe〜4.5kO
e)を用いた記録実験(入出力特性、オーバライト特
性、ノイズ特性)の結果から、およそ4kOeと見積も
られた。
【0041】高記録密度の記録再生装置を実現する上
で、図1(a)の初期磁壁形成工程で形成される磁壁2
2は、なるべく高密度であることが望ましく、例えば3
00kfciとするのがよい。初期磁壁形成において
は、磁気記録媒体10に磁化反転磁界(Hn)以上の磁
界を印加するので、形成される磁壁22の位置は記録ヘ
ッド31の磁気ギャップの移動もしくは記録磁界(H
r)の極性反転に伴って、磁壁22が形成された瞬間の
位置からトラック方向に移動する。しかしながら初期の
磁壁22の位置はそれほど厳密に制御する必要はなく、
単に基準信号30と同一の空間周波数で列をなしていれ
ばよい。
【0042】基準信号30の立上りもしくは立ち下がり
に対応するトラック上の位置に対して、実際に形成され
た磁壁22の位置がずれている場合には、その位置ずれ
をオフセットとして扱えばよく、好ましくは初期に実際
に形成する磁壁22に対応する再生信号から基準信号3
3を作成するのがよい。
【0043】磁気記録媒体10への情報の記録は、図1
(a)の初期磁壁形成工程で形成された磁壁22をトラ
ック方向に図1(c)の基準位置23から右側もしくは
左側に移動させて行う。基準位置23から磁壁22を移
動させる距離は基準信号33の周期をTとしたとき、時
間軸で〜T/4程度が適当である。例えば、基準信号3
3の空間的な間隔を300kfci相当の85nmと設
定する場合には、磁壁22の基準位置23からの移動距
離は、20nm程度となる。
【0044】磁壁22の移動速度は、記録層12に本実
施形態で用いたCoPt膜も含めて大方の磁性膜を用い
た場合、1kOeの印加磁界当り1〜10m/sであ
る。従って、記録磁界(Hr)と反転磁界(Hn)の差
(Hr−Hw)の選び方にもよるが、HwとHnの差は
1kOe程度以上は設けることが可能なので、本発明を
実施する際の磁壁移動速度もほぼ1〜10m/sと見積
もることができ、上述した20nmの距離の移動に要す
る時間は2〜20nsである。
【0045】一方、典型的な数値として記録ヘッド31
のギャップ長を100nm、線速度(磁気記録媒体10
と記録ヘッド31の相対速度)を10m/sとする場
合、記録ヘッド31のギャップ下部を磁気記録媒体10
が通過するに要する時間は10nsである。従って、磁
気記録媒体10が記録ヘッド31のギャップ下部にある
間、すなわち磁壁移動に十分な磁界が印加されている時
間内に磁気記録媒体10がギャップ下部を20nm程度
移動することは十分に可能である。さらに、基準信号3
0の空間的な間隔を85nmとすれば、10m/sの線
速度では基準信号30の時間間隔(周期)は8.5ns
であり、20nmの移動は移動に要する時間が2nsで
あるため、再生時に基準位置からの磁壁の移動方向を識
別することは、信号処理上容易に可能である。
【0046】図1(c)の記録状態では、記録ヘッド3
1のコイルに記録パターン信号に応じた記録電流を流
し、記録ヘッド31のギャップ中心部付近が基準位置2
3に位置した時点で、記録パターン信号に応じて図中右
向きもしくは左向きの記録磁界(Hr)を印加する(H
n>Hr>Hw)。これにより、図1(a)の初期磁壁
形成後の記録層12中の磁壁22が基準位置23に対し
て移動する。記録パターン信号は図示していないが、例
えば図1(c)の移動後の磁壁22の位置で立ち上がる
PWM(パルス幅変調)信号である。
【0047】記録磁界(Hr)を磁気記録媒体10の磁
壁移動度と記録ヘッド31のギャップ長に合わせて適切
に設定すると、所定距離の磁壁22の移動を実現でき
る。図1(c)の例では、記録後の磁壁22の位置は左
側から順番に、基準位置23に対して左側、右側、左側
へ所定の距離(例えば20nm)移動している。移動距
離は正確に20nmとする必要はなく、例えば基準信号
30を生成する際のクロックの周波数で決まる時間分解
幅以上、かつ隣接磁壁との干渉の少ない距離以下の間に
入っていればよい。従って、磁壁22の移動後に記録ヘ
ッド31からの磁界の影響を受けて僅かに位置が変動し
ても構わない。
【0048】一方、このようにして磁壁22の移動方向
の変化として記録された情報の再生は、前述したように
基準位置23に対する磁壁22の位置の移動方向を識別
することにより行う。この再生は、図1(d)に示す再
生ヘッド32として、スピンスタンド上にトラック幅
0.8μmでギャップ長(シールド・シールド間距離)
が0.2μmのシールド型MRヘッドを取付けて行っ
た。シールド型MRヘッドは、トラック幅方向に沿って
形成されたMR膜のトラック方向両側をシールド膜で挟
んだ構造のMRヘッドである。
【0049】このMRヘッドからは、MR膜の直下に磁
気記録媒体10からの磁界が大きくなる磁壁22が位置
したときにピークを示す再生信号33が検出される。基
準信号の位置34に対する再生信号33のピーク位置3
5の時間シフト量は2ns程度であり、この程度のシフ
ト量であれば、信号処理上、その時間シフト方向を識別
することは十分に可能である。
【0050】なお、ここでは図1(d)の基準位置23
および図1(e)の基準位置34として、図1(b)の
基準信号30の立上がりに対応する位置を図示したが、
基準信号30の立ち下がりに対応する位置を基準位置と
してもよいし、基準信号30の立上り、立ち下がりの両
方に対応する位置を基準位置として再生信号の識別を行
ってもよいし、また、発明者らは熱揺らぎに関しても検
討した。熱揺らぎの実験は、本発明による磁気記録媒体
10に200kfciの密度で情報を記録し、再生信号
の時間変化を観察することで行った。記録直後(記録か
ら1秒経過後)から半年経過後に至るまで定期的に観察
を行ったところ、結果は1%未満の劣化であった。従っ
て、本発明は熱揺らぎに関しても問題ないことが確認さ
れた。
【0051】従来のハードディスクに使用されているC
oCrPtTa/Cr等の記録層を用いた磁気記録媒体
は、記録層が微粒子化された磁性粒子集合型媒体であ
り、1つの記録セル(ビット)を構成する磁性粒子の粒
子数は数百個必要である。このため、高SNR化のため
には粒子数を増やさなければならず、必然的に磁性粒子
の粒径を小さくしなければならない。従って、個々の磁
性粒子が超常磁性に近づいてしまい、熱的に不安定であ
ることが問題となっている。
【0052】これに対し、本発明で使用する磁気記録媒
体10では、磁壁22と磁壁22の間が一つの磁気的ユ
ニットとして働くため、この磁気的ユニットの大きさは
磁性粒子集合型媒体に比べ100倍以上大きく、これが
熱揺らぎによる再生出力低下が全く観察されなかった原
因と思われる。
【0053】なお、上記実施形態では面内に磁化が向く
CoPt連続膜を記録層とする磁気記録媒体を用いた場
合について例示したが、本発明の磁気記録再生方法は記
録層材料、ヘッド材料には制約を受けず、記録層材料と
してはCoPt系以外にCoCr系、グラニュラー系等
幅広く使用でき、また膜面に垂直に記録磁化を形成する
垂直磁気記録媒体を用いた垂直記録にも適用できる。垂
直磁気記録媒体としては、記録層材料として垂直磁気異
方性を付与したCoPt,CoCr,グラニュラー系等
を用いる他、光磁気記録に利用される希土類・遷移金属
合金、Co/Pt多層膜等の使用も可能である。
【0054】図2に、本発明を垂直記録に適用した場合
の概念図を示す。図2(a)は初期磁壁形成状態の磁気
記録媒体の記録層を示す図であり、記録層の膜厚方向、
つまり膜面に垂直な方向に磁化41および磁壁42が形
成されている。この初期磁壁形成状態では、磁壁42は
トラック方向に一定間隔で並んだ基準位置に形成され
る。一方、図2(b)は記録後の状態であり、磁壁42
の位置は記録パターン信号に応じて基準位置43からト
ラック方向の前方または後方に移動している。
【0055】さらに、本発明は横記録、すなわちトラッ
ク幅方向に記録磁化を形成して記録を行う方式にも適用
が可能であり、その例を図3の概念図に示す。図3
(a)は初期磁壁形成状態での磁気記録媒体の記録層を
示す図であり、記録層のトラック幅方向(横方向)に磁
化51および磁壁52が形成されている。この場合も、
初期磁壁形成状態では磁壁52はトラック方向に一定間
隔で並んだ基準位置に形成される。図3(b)は記録後
の状態であり、磁壁52の位置は記録パターン信号に応
じて基準位置53からトラック方向の前方または後方に
移動している。
【0056】次に、上述した本発明に基づく磁気記録再
生方法を適用した磁気記録再生装置として、磁気ディス
ク装置を例にとり説明する。図4は、この磁気ディスク
装置の構成を示すブロック図である。図4において、磁
気ディスク40は例えば図1(a)に示したように一艇
間隔の基準位置に初期磁壁が形成された磁気記録媒体で
あり、スピンドルモータ41によって回転駆動される。
この磁気ディスク40に対向して、前述した記録ヘッド
31と再生ヘッド32を例えば一体構造とした複合型磁
気ヘッドが設けられている。このヘッドは記録再生時に
は、図示しないヘッドアクチュエータによって磁気ディ
スク40の半径方向に移動される。
【0057】まず、情報の記録時にはシステムコントロ
ーラ100から記録情報信号201が出力され、システ
ムコントローラ100から供給されるクロック信号20
2に従って、符号化器101により例えばNRZ−Iパ
ターンに符号化された後、記録パターン生成部102に
入力される。記録パターン生成部102は、システムコ
ントローラ100から供給される基準信号203に従っ
て、符号化器101から入力されるNRZ−Iパターン
から記録パターン信号205を生成する。
【0058】ここで、基準信号203は例えばクロック
信号202の整数倍の周期の信号であり、記録パターン
生成部102はNRZ−Iパターンに従って基準信号2
03の立ち上がり、立ち下がりの一方または両方を変化
点とするPWM信号を記録パターン信号204として発
生する。
【0059】こうして生成された記録パターン信号20
4は、記録増幅器103により電流増幅され、この記録
増幅器103から記録ヘッド31に記録電流が供給され
る。このとき、記録ヘッド31からは例えば記録パター
ン信号204が“1”および“0”のときそれぞれ右向
きおよび左向きの記録磁界が発生され、この記録磁界に
よって磁気ディスク40の記録層のトラック上に形成さ
れている磁壁の位置が基準位置から前方または後方に所
定量移動する。すなわち、前述したように磁気ディスク
40上には基準位置からの磁壁の移動方向の変化として
情報が記録される。
【0060】一方、再生時には再生ヘッド32から例え
ば電流−電圧変換増幅器よりなる再生増幅器104を介
して再生信号205が検出される。この再生信号205
は、波形等化器105により記録再生系での歪みが小さ
くなるような波形等化を受けた後、識別再生器106と
タイミング再生器107に入力される。
【0061】タイミング再生器107は、例えばPLL
回路を用いて構成され、波形等化器105を介して出力
された波形等化後の再生信号206から、記録時にシス
テムコントローラ100から出力される基準信号203
およびクロック信号202と同一の基準信号207およ
びクロック信号208をタイミング信号として再生す
る。なお、基準信号207およびクロック208は、記
録時の基準信号203およびクロック信号202を再生
信号206中から抽出したタイミング信号に従って位相
調整することによって生成するようにしてもよい。
【0062】識別再生器106は、波形等化後の再生信
号206の磁壁位置に対応したピーク位置を検出すると
共に、タイミング再生器107で再生された基準信号2
07の立ち上がり、立ち下がりの一方または両方を磁気
ディスク100の記録層に形成された初期の磁壁位置に
対応した基準位置として、この基準位置に対する再生信
号206のピーク位置の時間シフト方向、つまり基準位
置に対してピーク位置が時間的に進んでいるか遅れてい
るかを識別することによって、基準位置に対する磁壁の
移動方向を識別し、NRZ−Iパターンを再生する。
【0063】このようにして識別再生器106で再生さ
れたNRZ−Iパターンは、復号化器107によりタイ
ミング再生器107で再生されたクロック信号208に
従って復号化され、記録情報信号201と同じ再生情報
信号209が生成される。再生情報信号209はシステ
ムコントローラ100に入力される。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば従
来の磁気記録の概念では使用不能であった磁壁移動型媒
体、すなわち実質的に非磁性粒間のない磁性連続膜から
なる記録層を有する磁気記録媒体の使用が可能となるの
で、従来以上に高記録密度化した場合にも、従来からの
課題であった低ノイズ特性、高密度特性、熱擾乱耐性の
要求を全て満足することができる。
【0065】また、本発明では特に磁気記録媒体の記録
層の磁化反転磁界を磁壁移動磁界よりも大きくすると共
に、記録前に予め記録層のトラック方向に所定間隔で並
んだ基準位置に磁壁を初期磁壁として形成しておき、磁
気記録媒体に磁化反転磁界より小さく磁壁移動磁界より
大きな記録磁界を印加して、磁壁位置を基準位置からト
ラック方向の前方または後方に移動させることで情報の
記録を行い、さらに磁壁位置の基準位置からの移動方向
を識別することにより、記録された情報を再生するた
め、磁壁移動型媒体を用いながらも実用上十分に高い記
録感度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る磁気記録再生方法を
説明するための概念図
【図2】本発明の他の実施形態を説明するための概念図
【図3】本発明の他の実施形態を説明するための概念図
【図4】本発明の一実施形態に係る磁気記録再生装置の
構成を示すブロック図
【符号の説明】
10…磁気記録媒体 11…ディスク基板 12…記録層 13…保護膜 21,41,51…磁化 22,42,52…磁壁 23,43,53…基準位置 30…基準信号 31…記録ヘッド 32…再生ヘッド 33…再生信号 34…基準位置 100…システムコントローラ 101…符号化器 102…記録パターン生成部 103…記録増幅器 104…再生増幅器 105…波形等化器 106…識別再生器 107…タイミング再生器 201…記録情報信号 202…クロック信号 203…基準信号 204…記録パターン信号 205…再生信号 206…等化後の再生信号 207…基準信号 208…クロック信号 209…再生情報信号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁化反転磁界が磁壁移動磁界よりも大き
    く、かつ実質的に非磁性粒間のない磁性膜からなる記録
    層を有する磁気記録媒体の該記録層のトラック方向に所
    定間隔で並んだ基準位置に磁壁を形成しておき、 前記磁気記録媒体に前記磁化反転磁界より小さく前記磁
    壁移動磁界より大きな記録磁界を印加することにより、
    前記記録層中の磁壁位置を前記基準位置からトラック方
    向の前方または後方に移動させて情報の記録を行うこと
    を特徴とする磁気記録方法。
  2. 【請求項2】磁化反転磁界が磁壁移動磁界よりも大き
    く、かつ実質的に非磁性粒間のない磁性膜からなる記録
    層を有する磁気記録媒体の該記録層のトラック方向に所
    定間隔で並んだ基準位置に磁壁を形成しておき、 前記磁気記録媒体に前記磁化反転磁界より小さく前記磁
    壁移動磁界より大きな記録磁界を印加することにより、
    前記記録層中の磁壁位置を前記基準位置からトラック方
    向の前方または後方に移動させて情報の記録を行い、 前記記録層中の磁壁位置の前記基準位置からの移動方向
    を識別することにより、記録された情報を再生すること
    を特徴とする磁気記録再生方法。
  3. 【請求項3】磁化反転磁界が磁壁移動磁界よりも大き
    く、かつ実質的に非磁性粒間のない磁性膜からなる記録
    層を有し、該記録層のトラック方向に所定間隔で並んだ
    基準位置に磁壁が形成された磁気記録媒体と、 前記磁気記録媒体に記録ヘッドを介して前記磁化反転磁
    界より小さく前記磁壁移動磁界より大きな記録磁界を印
    加することにより、前記記録層中の磁壁位置を前記基準
    位置からトラック方向の前方または後方に移動させて情
    報の記録を行う記録手段と、 前記磁気記録媒体から再生ヘッドを介して得られる再生
    信号から、前記記録層中の前記基準位置に対応した基準
    信号に対する磁壁位置に対応した信号の時間的進みまた
    は遅れを識別することにより、記録された情報を再生す
    る再生手段とを具備することを特徴とする磁気記録再生
    装置。
  4. 【請求項4】磁化反転磁界が磁壁移動磁界よりも大き
    く、かつ実質的に非磁性粒間のない磁性膜からなる記録
    層を有する磁気記録媒体と、 前記磁気記録媒体に所定の基準信号に従って前記磁化反
    転磁界以上の磁界を印加することにより、前記記録層の
    トラック方向に所定間隔で並んだ基準位置に磁壁を形成
    する磁壁形成手段と、 前記磁気記録媒体に前記記録ヘッドを介して前記磁化反
    転磁界より小さく前記磁壁移動磁界より大きな記録磁界
    を印加することにより、前記記録層中の磁壁位置を前記
    基準位置からトラック方向の前方または後方に移動させ
    て情報の記録を行う記録手段と、 前記磁気記録媒体から再生ヘッドを介して得られる再生
    信号から、前記記録層中の前記基準位置に対応した基準
    信号に対する磁壁位置に対応した信号の時間的進みまた
    は遅れを識別することにより、記録された情報を再生す
    る再生手段とを具備することを特徴とする磁気記録再生
    装置。
  5. 【請求項5】前記記録手段は、前記基準位置に対応する
    基準信号に同期して、記録すべき情報に対応した記録パ
    ターン信号を生成し、この記録パターン信号に従って前
    記記録ヘッドを介して前記記録磁界を印加することを特
    徴とする請求項3または4に記載の磁気記録再生装置。
  6. 【請求項6】前記再生手段は、前記基準位置に対応した
    基準信号に対する前記再生信号のピーク位置の時間シフ
    ト方向を識別することにより、記録された情報を再生す
    ることを特徴とする請求項3または4に記載の磁気記録
    再生装置。
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