JP3544832B2 - 磁気記録再生方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にパーソナルコンピュータ、大型計算機、通信用サーバ等に使用される磁気ディスク装置に好適な磁気記録再生方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスク装置、特にリジッドな磁気記録媒体を用いるハードディスク装置(HDD)は、大容量性、高速アクセス性、高データ転送速度といった特長を有し、パーソナルコンピュータ、大型計算機、通信用サーバなどの情報処理機器の周辺記憶装置として幅広く使用されている。MPUの演算速度の向上、通信インフラの整備・拡充に伴って、HDDの記憶容量増大に対する要求は今後も止まるところを知らない。
【0003】
HDDの記憶容量を増加させるためには面記録密度を向上させる必要があり、PRML(pertial response maximum likelihood) に代表される信号処理技術、ヘッドの高精度位置決め技術、ヘッド・ディスク間のインタフェースに重要なトライボロジー技術、GMRヘッド(巨大磁気抵抗効果型ヘッド)に代表されるヘッド技術、磁気ディスクの媒体技術など、種々の側面から高記録密度化のための努力が続けられている。媒体に形成される記録セルのサイズは高密度化するほど微細化され、それに伴い再生信号に寄与する媒体からの漏洩信号磁界は低下するので、再生信号のSNR(信号対雑音比)を十分に確保するためには、媒体ノイズを低下させる必要がある。
【0004】
従来から磁気ディスクの記録層には、Co系磁性結晶粒子の集合体からなる薄膜が使用されてきているが、このような粒子集合体薄膜においては、磁性結晶粒子の交換相互作用に起因して磁化転移部の揺らぎが発生しやすく、低ノイズ化のためには粒間を非磁性体で分離する必要がある。従って、低ノイズ化するほど磁性粒子の体積含有比率が低下して、さらに信号磁界は小さくなってしまうので、低ノイズ化によるSNR向上の効果が希薄であった。
【0005】
また、磁性粒子の粒間の交換相互作用を完全に断ち切った形態においても、磁性粒子のサイズに相当する磁化転移揺らぎは原理的に避けようがなく、さらなる低ノイズ化のためには磁性粒子のサイズを小さくする必要がある。磁性粒子のサイズを小さくすると、粒子の持つ磁気的なエネルギーが小さくなる。例えば10Gbpsi級の高密度記録をしようとした場合には、要求される粒子サイズは高々10nm程度になるが、この程度の粒子サイズになると、磁気的エネルギーの低下から、室温に相当する熱擾乱に対する磁気的安定性が問題となる。
【0006】
粒子サイズは小さいまま、磁性粒子の磁気的エネルギーを増加させるには、磁性粒子結晶の磁気異方性エネルギーを増加させればよいが、磁気異方性エネルギーが過度に高いと、磁化反転に必要な記録飽和磁界が過大となり、記録ヘッドの能力を超えてしまう。記録ヘッドの磁極に高飽和磁束密度の軟磁性材料を用いようとする試みも同時に進められてはいるものの、高記録密度化に伴い記録トラック幅が狭くなる以上、ヘッドの記録能力の向上は期待できない。
【0007】
このように従来の磁性粒子の集合体からなる記録層を有する磁気記録媒体を用いた磁気記録技術では、高記録密度化に際して媒体ノイズを十分に小さくするためには、記録層を構成する磁性粒子のサイズを小さくする必要があるが、粒子サイズが小さくとも熱擾乱に打ち勝つためには、磁性粒子の結晶磁気異方性エネルギーを大きくする必要があり、また狭トラックヘッドで十分なオーバライト消去比を得ようとすると磁気異方性エネルギーの上限が制限されるといった難点があるため、記録密度の向上は限界を迎えつつある。
【0008】
記録密度の限界を打破する磁気記録技術として期待されている方式は、一般的には垂直記録である。垂直記録においても、媒体の記録層は長手記録の場合と同様、磁性結晶粒子の集合体である。垂直記録が長手記録と異なる点は、記録層が膜面に垂直な方向に磁化容易軸を有していることであり、長手記録にない特長としては、記録セルのサイズが小さくとも反磁界の影響で磁化状態が変化することがないので、原理的には記録層の膜厚を厚くできることである。記録層の膜厚を厚くできれば、高密度化のために微粒子化していっても、膜厚を厚くした分だけ高い熱擾乱耐性を付与でき、過大な磁気異方性エネルギーを有する材料を強いて採用する必要がなく、低ノイズ、高熱擾乱耐性、高記録感度の全ての条件を満足できる可能性があると考えられている。
【0009】
ところが、垂直記録においても記録層を膜厚方向に均一に磁化して記録を行う必要性と、記録層に加わる記録磁界が急峻である必要性から、記録層の膜厚をある薄くすることが要求され、上述した長手記録に比べての特長は疑問視される。記録層の下地層として軟磁性膜を配した二層媒体を用いて、記録層に急峻な記録磁界を印加させ、記録層が厚くとも膜厚方向に均一に記録ができるようにする方法が提案されている。しかし、磁気記録媒体のような大面積の領域に軟磁性膜を形成した場合、記録パターンとは無関係なランダムな磁壁が形成し易く、しかもその磁壁は容易にその位置を移動するので、バースト的なエラーが多数発生するという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、磁性粒子の集合体を磁気記録媒体の記録層として用いる従来の磁気記録技術では、(1) 媒体ノイズを十分に小さくするために記録層を構成する磁性粒子のサイズを小さくする必要がある、(2) 粒子サイズを小さくしても熱擾乱に打ち勝つためには磁性粒子の結晶磁気異方性エネルギーを大きくする必要がある、(3) 狭トラックヘッドで十分なオーバライト消去比を得ようとすると磁気異方性エネルギーの上限が制限される、という事情から記録密度の向上に限界を迎えつつある。
【0011】
また、長手記録よりも原理的に高記録密度化が可能な垂直記録は、記録層の膜厚を薄くして低ノイズ、高熱擾乱耐性、高記録感度の全ての条件を満たすようにできる可能性はあるが、記録層の膜厚方向に均一に記録を行い、かつ記録層に加わる記録磁界を急峻にする必要性から、記録層の膜厚を厚くすることが難しいという根本的な問題があり、さらに記録層の下地層として軟磁性膜を配した二層媒体を用いた場合は、記録パターンとは無関係なランダムな磁壁が形成され易く、その磁壁の位置が容易に移動するためにバースト的なエラーが多く発生するという問題があった。
【0012】
本発明は、従来の磁気記録媒体の磁性粒子の集合体からなる記録層に代えて、基本的に非磁性粒間のない磁性的に連続した磁性膜を記録層として使用し、高記録密度、低ノイズ、高熱擾乱耐性、高記録感度の要求を容易に満たすことができる磁気記録再生方法および装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明では磁化反転磁界(Hn)が磁壁移動磁界(Hw)よりも大きく、しかも実質的に非磁性粒間のない磁性的に連続した磁性膜(磁性連続膜)からなる記録層を有する磁気記録媒体を用い、記録層のトラック方向に所定間隔で並んだ基準位置に磁壁を形成しておく。
【0014】
そして、情報の記録は記録ヘッドを介して磁気記録媒体にHn>Hr>Hwなる記録磁界(Hr)を印加して、記録層中の磁壁位置を基準位置からトラック方向の前方または後方に移動させることにより行う。さらに具体的には、例えば基準位置に対応した一定周期の基準信号に同期して、記録すべき情報に対応した記録パターン信号を生成し、この記録パターン信号に従って記録ヘッドを駆動することで、Hn>Hr>Hwなる記録磁界(Hr)を印加する。
【0015】
一方、記録された情報の再生は、記録層中の磁壁位置(記録後の磁壁位置)の基準位置(記録前の磁壁位置)に対する移動方向を識別することにより行う。より具体的には、磁気記録媒体から再生ヘッドを介して得られる再生信号から、記録層中の基準位置に対応した基準信号に対する、磁壁位置に対応した信号の時間的進みまたは遅れを識別することにより、記録された情報を再生する。この進み遅れは、例えば基準信号に対する再生信号のピーク位置の時間シフト方向として識別することができる。
【0016】
記録前に記録層に形成する磁壁(初期磁壁)の形成は、磁化反転磁界(Hn)以上の初期磁壁形成用磁界を印加することによって可能である。この初期磁壁の形成は、工場内の工程として実施してもよいし、磁気記録再生装置により記録ヘッドを用いて行ってもよい。また、初期磁壁の形成は最密パターン、つまり記録再生動作がシステム的に成立する最大密度で行うのが、より高記録密度の磁気記録再生装置を実現する上で好ましい。
【0017】
従来から磁気記録に使用されてきた磁気記録媒体の記録層は、磁性粒子の集合体であり、磁性結晶粒子と非磁性もしくは弱磁性の粒間からなる。このような形態の記録層では、磁化転移部は磁壁ではなく非磁性粒間部により形成されるので、磁壁移動は考慮する必要がなく、情報の記録は基本的に磁化反転磁界よりも大きな記録磁界を印加して実行される。
【0018】
一方、粒間への非磁性体もしくは弱磁性体の析出が十分に少なく、粒間分離されていない形態、すなわち本発明で用いる記録層のように実質的に非磁性粒間のない、いわゆる磁性連続膜の形態では、磁壁移動を考慮する必要がある。磁壁移動磁界(Hw)と磁化反転磁界(Hn)の大小関係は、粒間連続性の度合いによって異なり、連続性が良好なほど一般的にHn>Hwとなり、本発明では、この条件を満たす磁性連続膜を積極的に記録層として利用する。このような磁性連続膜中に形成される磁化転移部(磁壁)は、従来の磁性粒子集合体からなる磁性膜の磁化転移部のように粒子サイズレベルの揺らぎはないので、直線的な好ましい形状を有する。
【0019】
また、従来の磁性粒子集合型媒体では、記録磁界(Hr)が反転磁界(Hn)よりも大きい条件で、1に近い確度で磁化の向きが記録磁界の向きに揃い、逆にHr<Hnでは0に近い確度で磁化反転は起こらない。従って、HrとしてHnに近い値を使用することができ、記録磁界が切り替わったとほぼ同一の時点で磁化転移部が形成される。
【0020】
本発明で用いる磁壁移動型媒体では、磁壁移動速度は記録磁界(Hr)と反転磁界(Hn)の差(Hr−Hw)に比例し(比例定数は移動度)、高速に磁壁の位置を所定の位置に移動させようとすると、Hr−Hwの差を大きくする必要がある。このような場合は記録磁界が切り替わった瞬間に、所定の位置迄移動させてきた磁壁がヘッドの磁界分布に起因して、それまで移動してきたのとは逆の向きに若干量ではあるものの移動してしまう。このため、磁壁移動型媒体は従来では磁壁移動に起因するジッタ性ノイズが大きく、使用不能と考えられていた。磁壁移動は磁化反転と異なり、記録閾値が不明確であるからである。従って、磁化転移位置で情報の識別を行う磁気記録には、磁壁移動型媒体は適さないとされてきた。
【0021】
これに対し、本発明においては磁壁の位置そのもので情報の識別を行うのでなく、所定の基準位置、つまり記録層に初期に形成した記録前の磁壁の位置と、記録後の磁壁位置の相対的関係によって情報の記録再生を行うので、高速の磁壁移動と低ジッタ性を両立することが可能である。
【0022】
このように本発明では、磁気記録媒体として従来の磁性粒子集合型媒体に代わって、実質的に非磁性粒間のない磁性連続膜を記録層とする磁壁移動型媒体を用いて記録を行うため、高記録密度化しても磁性粒子サイズによって媒体ノイズや熱擾乱耐性が左右されることがなく、高記録密度、低ノイズ、高熱擾乱耐性が得られる。
【0023】
さらに、上述したように初期磁壁形成工程で形成した磁壁位置である基準位置に対する磁壁位置の移動方向を利用して情報の記録再生を行うことによって、高速の磁壁移動と低ジッタ性の両立ができるため、高い記録感度が得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る磁気記録再生方法を説明するための概念図であり、(a)は初期磁壁形成状態での磁気記録媒体、(b)は基準信号波形、(c)は記録動作、(d)は再生動作、(e)は再生信号波形をそれぞれ示している。
【0025】
磁気記録媒体10は例えば磁気ディスクであり、ガラス基板からなるディスク基板11上に、記録層12として例えば20nm厚のCoPt膜をスパッタにより直接形成し、さらに記録層12の上に保護膜13として10nm厚のC膜13を直接コートして構成される。ここで、記録層12であるCoPt膜は、磁性的に連続した構造の磁性連続膜、つまり実質的に非磁性粒間のない磁性膜であり、かつ磁化反転磁界(Hn)と磁壁移動磁界(Hw)の両方を有し、両者の関係はHn>Hwである。
【0026】
記録層12には、情報の記録前の状態では予め図1(a)に示すようにトラック方向に磁化21が形成されると共に、所定の一定間隔、好ましくは装置がシステム上許容する最密間隔で磁壁22が形成されている。磁化21および磁壁22は、図1(b)に示す一定周期の基準信号30に従って、周期的に磁気記録媒体10に磁化反転磁界(Hn)以上の磁界を印加することにより形成することができる。これらの磁化21および磁壁22の形成は、ユーザ側で磁気記録再生装置に備えられた記録ヘッドを用いて行ってもよいし、また工場内の工程として出荷前に実施してもよい。この初期磁壁形成状態での磁壁22の位置を基準位置と呼ぶ。
【0027】
磁気記録媒体10への情報の記録は、図1(a)に示した初期磁壁形成後の磁気記録媒体10に対し、図1(c)に示すように磁気記録媒体10を矢印Aの方向に移動させながら、例えば誘導型ヘッドからなる記録ヘッド31を用いて、記録すべき情報に対応した記録パターン信号に応じてHn>Hr>Hwなる記録磁界(Hr)を図中右向きまたは左向きに印加し、磁壁22を点線で示す基準位置23からトラック方向の前方または後方(図中右方向または左方向)に移動させることにより行う。
【0028】
一方、このようにして磁気記録媒体10に記録された情報の再生は、磁壁位置の基準位置23に対する移動方向を識別することにより行う。具体的には、図1(d)に示すように、磁気記録媒体10を矢印A方向に移動させながら、例えばMRヘッドまたはGMRヘッドからなる再生ヘッド32を介して、磁気記録媒体10から再生信号を得る。
【0029】
図1(e)に、再生ヘッド32としてMRヘッドを用いた場合の再生信号33の波形を示す。矢印34は基準位置23に対応する基準信号の位置、35は再生信号33のピーク位置をそれぞれ表す。再生信号33のピーク位置34は、図1(c)の記録後の磁壁22の位置に対応している。従って、基準信号位置34に対する再生信号33のピーク位置35の時間シフト方向、つまり基準信号位置34に対してピーク位置35が進んでいるか遅れているかを識別することにより、記録された情報を再生することができる。
【0030】
次に、本実施形態についてさらに具体的に説明する。
磁気記録媒体10の記録層12であるCoPt膜は、室温でガラス基板上に純Arガススパッタする方法で作成した。この方法で作成されたCoPt膜は、膜面内に磁化が向いた磁性連続膜であり、前述の通り磁化反転磁界(Hn)と磁壁移動磁界(Hw)の両方を有する。このCoPt膜のヒステリシス特性を振動試料形磁力計(VSM)を用いて調べたところ、飽和磁化(Ms)は800emu/cc、残留磁化(Mr)は600emu/cc、保磁力(Hc)は2kOe、保磁力角形比(S )は0.75であった。
【0031】
このVSMによるヒステリシス特性(メジャーループ)の測定により得られた保磁力(Hc)は、次のように定義される。磁気記録媒体10の記録層12の飽和状態、つまり例えば記録層12が図1中の右方向に一様に磁化された磁壁のない状態から外部磁界を低下させると、磁気記録媒体10の試料端部付近に形成される強い反磁界で局所的に左向きに磁化反転して磁壁が形成される。そして、この磁壁が移動して残留状態にまでなり、さらに逆向きの磁界を印加してゆくと、やがて右向きの磁化領域と左向きの磁化領域の面積が等しくなる。このときの外部磁界が保磁力(Hc)を表す。
【0032】
この保磁力(Hc)は磁壁移動磁界(Hw)に近いが、残留状態から移動した右向きの磁壁と左向きの磁壁がバランスする外部磁界であるので、バランス点に至る迄の間は右向きの磁化成分が多く、反磁界は磁壁移動を促進する方向に働く。従って、このメジャーループ測定で得られた保磁力(Hc)は記録層12の膜本来の磁壁移動磁界(Hw)よりも小さい。
【0033】
磁壁移動磁界(Hw)は、交流消磁状態の磁気記録媒体10の記録層12に対して、徐々に外部磁界を印加することで測定した。この場合は初期磁壁状態において右向きの磁化と左向きの磁化がバランスしているので、磁壁に印加される反磁界は右向きの磁化に対しても左向きの磁化に対しても同じ値をとる。このようにして明らかに磁壁が移動し始める磁界を調べたところ、Hw=2.4kOeと算定された。
【0034】
次に、磁化反転磁界(Hn)は以下の方法で求めた。磁気ディスクとして構成した磁気記録媒体10をスピンスタンド形のディスク特性評価装置にセットし、所定の半径位置を所定範囲で一様に磁化する。ここで、「所定の」のという意味は実験段階で本発明の効果を実証する目的においては、例えば半径15mm〜20mmといったように、ディスク特性評価を行おうとする任意の領域を指す。磁気記録媒体10をディスク一周にわたり一様に磁化した場合には、先のVSM測定のようにサンプル端部で大きな反磁界が印加して酸化反転が起こるという現象がなく、磁界を取り去った後も一様に磁化された状態、すなわち磁壁のない状態を実現できる。
【0035】
この磁壁のない状態から、記録ヘッド31から発生される磁界(これを記録磁界という)を徐々に増加させ、磁化反転信号の有無を検出する。記録磁界が磁化反転磁界(Hn)に至ると磁化反転信号が得られるようになるので、この磁化反転信号が得られる閾値に相当する記録磁界がHnである。このようにして求めた磁化反転磁界(Hn)はHn=3.5kOeであり、上述のようにして作成された磁気記録媒体試料は本発明の条件であるHn>Hwを満たしていることが確認された。
【0036】
次に、磁気記録媒体10上の記録層12で磁化反転磁界(Hn)未満、かつ磁壁移動磁界(Hw)以上の記録磁界の印加によって磁壁の移動ができるかどうかを確認するために、予め記録層12にHn以上の磁界を印加して150kfciの密度で作成した磁壁22上に、誘導型ヘッドよりなる記録ヘッド31によって120kfciの周波数で3kOeの記録磁界を印加して磁壁22の移動実験を行った。こうして磁壁22の移動を行った磁気記録媒体10からMRヘッドよりなる再生ヘッド32によって検出した再生信号をスペクトラムアナライザで観測したところ、再生信号には初期の150kfciの位置の他に120kfciの位置にもピークが現れ、Hn>Hr>Hwの記録磁界(Hr)で磁壁22の移動が実現されることが判明した。
【0037】
再生信号の120kfciの位置にも150kfciの位置にもピークが現れるのは、記録磁界(Hr)の空間分布を加味して、150kfciの磁壁位置に磁壁移動磁界(Hw)以上の記録磁界(Hr)が印加された場合は磁壁が120kfciのパターンに従って移動するが、そうでない場合には元の150kfciの位置の磁壁が残存するためと考えられる。実際、同一トラックを何回もHn>Hr>Hwの記録磁界(Hr)により120kfciで記録し続けると、徐々に120kfciの信号のみに変化してゆくことが確認された。
【0038】
上記した基礎的実験の結果、新たな磁壁の生成なしに、初期自局形成により既に存在する磁壁22をHn>Hr>Hwの記録磁界(Hr)の印加によって移動させることが可能なことが立証されると共に、単純なオーバライトを行う従来の磁気記録再生方式では高速オーバライトは不能であることが明らかとなった。
【0039】
次に、上述した基礎的実験の結果を踏まえて、本実施形態の記録再生方法についてさらに具体的に説明する。
図1(a)に示したように、図1(b)の基準信号30に従って磁気記録媒体10に磁化反転磁界(Hn)以上の磁界を印加して記録層12に磁壁22を形成する。この磁壁22の位置が基準位置であり、基準信号30の周波数に従って一定間隔で並ぶ。このとき、記録ヘッド31で磁界の反転が起こるのは図1(b)の立ち上がりの時点となるようにした。この場合、記録ヘッド31としては飽和磁束密度Bsが1.6Tの誘導型薄膜ヘッドを用いた。
【0040】
記録ヘッド31のギャップ長は0.2μm、トラック幅は1μmとし、また磁気記録媒体10に対する記録ヘッド31の浮上量は20nmとした。このとき、磁気記録媒体10にかかる磁界はCoPt系の微粒子集合型媒体(保磁力Hcが2kOe〜4.5kOe)を用いた記録実験(入出力特性、オーバライト特性、ノイズ特性)の結果から、およそ4kOeと見積もられた。
【0041】
高記録密度の記録再生装置を実現する上で、図1(a)の初期磁壁形成工程で形成される磁壁22は、なるべく高密度であることが望ましく、例えば300kfciとするのがよい。初期磁壁形成においては、磁気記録媒体10に磁化反転磁界(Hn)以上の磁界を印加するので、形成される磁壁22の位置は記録ヘッド31の磁気ギャップの移動もしくは記録磁界(Hr)の極性反転に伴って、磁壁22が形成された瞬間の位置からトラック方向に移動する。しかしながら初期の磁壁22の位置はそれほど厳密に制御する必要はなく、単に基準信号30と同一の空間周波数で列をなしていればよい。
【0042】
基準信号30の立上りもしくは立ち下がりに対応するトラック上の位置に対して、実際に形成された磁壁22の位置がずれている場合には、その位置ずれをオフセットとして扱えばよく、好ましくは初期に実際に形成する磁壁22に対応する再生信号から基準信号33を作成するのがよい。
【0043】
磁気記録媒体10への情報の記録は、図1(a)の初期磁壁形成工程で形成された磁壁22をトラック方向に図1(c)の基準位置23から右側もしくは左側に移動させて行う。基準位置23から磁壁22を移動させる距離は基準信号33の周期をTとしたとき、時間軸で〜T/4程度が適当である。例えば、基準信号33の空間的な間隔を300kfci相当の85nmと設定する場合には、磁壁22の基準位置23からの移動距離は、20nm程度となる。
【0044】
磁壁22の移動速度は、記録層12に本実施形態で用いたCoPt膜も含めて大方の磁性膜を用いた場合、1kOeの印加磁界当り1〜10m/sである。従って、記録磁界(Hr)と反転磁界(Hn)の差(Hr−Hw)の選び方にもよるが、HwとHnの差は1kOe程度以上は設けることが可能なので、本発明を実施する際の磁壁移動速度もほぼ1〜10m/sと見積もることができ、上述した20nmの距離の移動に要する時間は2〜20nsである。
【0045】
一方、典型的な数値として記録ヘッド31のギャップ長を100nm、線速度(磁気記録媒体10と記録ヘッド31の相対速度)を10m/sとする場合、記録ヘッド31のギャップ下部を磁気記録媒体10が通過するに要する時間は10nsである。従って、磁気記録媒体10が記録ヘッド31のギャップ下部にある間、すなわち磁壁移動に十分な磁界が印加されている時間内に磁気記録媒体10がギャップ下部を20nm程度移動することは十分に可能である。さらに、基準信号30の空間的な間隔を85nmとすれば、10m/sの線速度では基準信号30の時間間隔(周期)は8.5nsであり、20nmの移動は移動に要する時間が2nsであるため、再生時に基準位置からの磁壁の移動方向を識別することは、信号処理上容易に可能である。
【0046】
図1(c)の記録状態では、記録ヘッド31のコイルに記録パターン信号に応じた記録電流を流し、記録ヘッド31のギャップ中心部付近が基準位置23に位置した時点で、記録パターン信号に応じて図中右向きもしくは左向きの記録磁界(Hr)を印加する(Hn>Hr>Hw)。これにより、図1(a)の初期磁壁形成後の記録層12中の磁壁22が基準位置23に対して移動する。記録パターン信号は図示していないが、例えば図1(c)の移動後の磁壁22の位置で立ち上がるPWM(パルス幅変調)信号である。
【0047】
記録磁界(Hr)を磁気記録媒体10の磁壁移動度と記録ヘッド31のギャップ長に合わせて適切に設定すると、所定距離の磁壁22の移動を実現できる。図1(c)の例では、記録後の磁壁22の位置は左側から順番に、基準位置23に対して左側、右側、左側へ所定の距離(例えば20nm)移動している。移動距離は正確に20nmとする必要はなく、例えば基準信号30を生成する際のクロックの周波数で決まる時間分解幅以上、かつ隣接磁壁との干渉の少ない距離以下の間に入っていればよい。従って、磁壁22の移動後に記録ヘッド31からの磁界の影響を受けて僅かに位置が変動しても構わない。
【0048】
一方、このようにして磁壁22の移動方向の変化として記録された情報の再生は、前述したように基準位置23に対する磁壁22の位置の移動方向を識別することにより行う。この再生は、図1(d)に示す再生ヘッド32として、スピンスタンド上にトラック幅0.8μmでギャップ長(シールド・シールド間距離)が0.2μmのシールド型MRヘッドを取付けて行った。シールド型MRヘッドは、トラック幅方向に沿って形成されたMR膜のトラック方向両側をシールド膜で挟んだ構造のMRヘッドである。
【0049】
このMRヘッドからは、MR膜の直下に磁気記録媒体10からの磁界が大きくなる磁壁22が位置したときにピークを示す再生信号33が検出される。基準信号の位置34に対する再生信号33のピーク位置35の時間シフト量は2ns程度であり、この程度のシフト量であれば、信号処理上、その時間シフト方向を識別することは十分に可能である。
【0050】
なお、ここでは図1(d)の基準位置23および図1(e)の基準位置34として、図1(b)の基準信号30の立上がりに対応する位置を図示したが、基準信号30の立ち下がりに対応する位置を基準位置としてもよいし、基準信号30の立上り、立ち下がりの両方に対応する位置を基準位置として再生信号の識別を行ってもよいし、
また、発明者らは熱揺らぎに関しても検討した。熱揺らぎの実験は、本発明による磁気記録媒体10に200kfciの密度で情報を記録し、再生信号の時間変化を観察することで行った。記録直後(記録から1秒経過後)から半年経過後に至るまで定期的に観察を行ったところ、結果は1%未満の劣化であった。従って、本発明は熱揺らぎに関しても問題ないことが確認された。
【0051】
従来のハードディスクに使用されているCoCrPtTa/Cr等の記録層を用いた磁気記録媒体は、記録層が微粒子化された磁性粒子集合型媒体であり、1つの記録セル(ビット)を構成する磁性粒子の粒子数は数百個必要である。このため、高SNR化のためには粒子数を増やさなければならず、必然的に磁性粒子の粒径を小さくしなければならない。従って、個々の磁性粒子が超常磁性に近づいてしまい、熱的に不安定であることが問題となっている。
【0052】
これに対し、本発明で使用する磁気記録媒体10では、磁壁22と磁壁22の間が一つの磁気的ユニットとして働くため、この磁気的ユニットの大きさは磁性粒子集合型媒体に比べ100倍以上大きく、これが熱揺らぎによる再生出力低下が全く観察されなかった原因と思われる。
【0053】
なお、上記実施形態では面内に磁化が向くCoPt連続膜を記録層とする磁気記録媒体を用いた場合について例示したが、本発明の磁気記録再生方法は記録層材料、ヘッド材料には制約を受けず、記録層材料としてはCoPt系以外にCoCr系、グラニュラー系等幅広く使用でき、また膜面に垂直に記録磁化を形成する垂直磁気記録媒体を用いた垂直記録にも適用できる。垂直磁気記録媒体としては、記録層材料として垂直磁気異方性を付与したCoPt,CoCr,グラニュラー系等を用いる他、光磁気記録に利用される希土類・遷移金属合金、Co/Pt多層膜等の使用も可能である。
【0054】
図2に、本発明を垂直記録に適用した場合の概念図を示す。
図2(a)は初期磁壁形成状態の磁気記録媒体の記録層を示す図であり、記録層の膜厚方向、つまり膜面に垂直な方向に磁化41および磁壁42が形成されている。この初期磁壁形成状態では、磁壁42はトラック方向に一定間隔で並んだ基準位置に形成される。一方、図2(b)は記録後の状態であり、磁壁42の位置は記録パターン信号に応じて基準位置43からトラック方向の前方または後方に移動している。
【0055】
さらに、本発明は横記録、すなわちトラック幅方向に記録磁化を形成して記録を行う方式にも適用が可能であり、その例を図3の概念図に示す。
図3(a)は初期磁壁形成状態での磁気記録媒体の記録層を示す図であり、記録層のトラック幅方向(横方向)に磁化51および磁壁52が形成されている。この場合も、初期磁壁形成状態では磁壁52はトラック方向に一定間隔で並んだ基準位置に形成される。図3(b)は記録後の状態であり、磁壁52の位置は記録パターン信号に応じて基準位置53からトラック方向の前方または後方に移動している。
【0056】
次に、上述した本発明に基づく磁気記録再生方法を適用した磁気記録再生装置として、磁気ディスク装置を例にとり説明する。図4は、この磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。
図4において、磁気ディスク40は例えば図1(a)に示したように一艇間隔の基準位置に初期磁壁が形成された磁気記録媒体であり、スピンドルモータ41によって回転駆動される。この磁気ディスク40に対向して、前述した記録ヘッド31と再生ヘッド32を例えば一体構造とした複合型磁気ヘッドが設けられている。このヘッドは記録再生時には、図示しないヘッドアクチュエータによって磁気ディスク40の半径方向に移動される。
【0057】
まず、情報の記録時にはシステムコントローラ100から記録情報信号201が出力され、システムコントローラ100から供給されるクロック信号202に従って、符号化器101により例えばNRZ−Iパターンに符号化された後、記録パターン生成部102に入力される。記録パターン生成部102は、システムコントローラ100から供給される基準信号203に従って、符号化器101から入力されるNRZ−Iパターンから記録パターン信号205を生成する。
【0058】
ここで、基準信号203は例えばクロック信号202の整数倍の周期の信号であり、記録パターン生成部102はNRZ−Iパターンに従って基準信号203の立ち上がり、立ち下がりの一方または両方を変化点とするPWM信号を記録パターン信号204として発生する。
【0059】
こうして生成された記録パターン信号204は、記録増幅器103により電流増幅され、この記録増幅器103から記録ヘッド31に記録電流が供給される。このとき、記録ヘッド31からは例えば記録パターン信号204が“1”および“0”のときそれぞれ右向きおよび左向きの記録磁界が発生され、この記録磁界によって磁気ディスク40の記録層のトラック上に形成されている磁壁の位置が基準位置から前方または後方に所定量移動する。すなわち、前述したように磁気ディスク40上には基準位置からの磁壁の移動方向の変化として情報が記録される。
【0060】
一方、再生時には再生ヘッド32から例えば電流−電圧変換増幅器よりなる再生増幅器104を介して再生信号205が検出される。この再生信号205は、波形等化器105により記録再生系での歪みが小さくなるような波形等化を受けた後、識別再生器106とタイミング再生器107に入力される。
【0061】
タイミング再生器107は、例えばPLL回路を用いて構成され、波形等化器105を介して出力された波形等化後の再生信号206から、記録時にシステムコントローラ100から出力される基準信号203およびクロック信号202と同一の基準信号207およびクロック信号208をタイミング信号として再生する。なお、基準信号207およびクロック208は、記録時の基準信号203およびクロック信号202を再生信号206中から抽出したタイミング信号に従って位相調整することによって生成するようにしてもよい。
【0062】
識別再生器106は、波形等化後の再生信号206の磁壁位置に対応したピーク位置を検出すると共に、タイミング再生器107で再生された基準信号207の立ち上がり、立ち下がりの一方または両方を磁気ディスク100の記録層に形成された初期の磁壁位置に対応した基準位置として、この基準位置に対する再生信号206のピーク位置の時間シフト方向、つまり基準位置に対してピーク位置が時間的に進んでいるか遅れているかを識別することによって、基準位置に対する磁壁の移動方向を識別し、NRZ−Iパターンを再生する。
【0063】
このようにして識別再生器106で再生されたNRZ−Iパターンは、復号化器107によりタイミング再生器107で再生されたクロック信号208に従って復号化され、記録情報信号201と同じ再生情報信号209が生成される。再生情報信号209はシステムコントローラ100に入力される。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば従来の磁気記録の概念では使用不能であった磁壁移動型媒体、すなわち実質的に非磁性粒間のない磁性連続膜からなる記録層を有する磁気記録媒体の使用が可能となるので、従来以上に高記録密度化した場合にも、従来からの課題であった低ノイズ特性、高密度特性、熱擾乱耐性の要求を全て満足することができる。
【0065】
また、本発明では特に磁気記録媒体の記録層の磁化反転磁界を磁壁移動磁界よりも大きくすると共に、記録前に予め記録層のトラック方向に所定間隔で並んだ基準位置に磁壁を初期磁壁として形成しておき、磁気記録媒体に磁化反転磁界より小さく磁壁移動磁界より大きな記録磁界を印加して、磁壁位置を基準位置からトラック方向の前方または後方に移動させることで情報の記録を行い、さらに磁壁位置の基準位置からの移動方向を識別することにより、記録された情報を再生するため、磁壁移動型媒体を用いながらも実用上十分に高い記録感度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る磁気記録再生方法を説明するための概念図
【図2】本発明の他の実施形態を説明するための概念図
【図3】本発明の他の実施形態を説明するための概念図
【図4】本発明の一実施形態に係る磁気記録再生装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
10…磁気記録媒体
11…ディスク基板
12…記録層
13…保護膜
21,41,51…磁化
22,42,52…磁壁
23,43,53…基準位置
30…基準信号
31…記録ヘッド
32…再生ヘッド
33…再生信号
34…基準位置
100…システムコントローラ
101…符号化器
102…記録パターン生成部
103…記録増幅器
104…再生増幅器
105…波形等化器
106…識別再生器
107…タイミング再生器
201…記録情報信号
202…クロック信号
203…基準信号
204…記録パターン信号
205…再生信号
206…等化後の再生信号
207…基準信号
208…クロック信号
209…再生情報信号

Claims (7)

  1. 磁化の方向を変えるための磁化反転磁界が磁壁を移動するための磁壁移動磁界よりも大きく、かつ実質的に磁性領域のみを有する磁性膜からなる記録層を有する磁気記録媒体の前記記録層のトラック方向に所定間隔で並んだ基準位置に磁壁を形成し、
    前記磁気記録媒体に前記磁化反転磁界より小さく、かつ前記磁壁移動磁界より大きな記録磁界を印加することにより、前記記録層中の磁壁位置を前記基準位置からトラック方向の前方または後方に移動させて情報の記録を行なうことを特徴とする磁気記録再生方法。
  2. 前記情報の記録を行なった後に、前記記録層中の磁壁位置の前記基準位置からの移動方向を識別することにより、記録された情報を再生することを特徴とする請求項1記載の磁気記録再生方法。
  3. 磁化の方向を変えるための磁化反転磁界が磁壁を移動するための磁壁移動磁界よりも大きく、かつ実質的に磁性領域のみを有する磁性膜からなる記録層を有し、前記記録層のトラック方向に所定間隔で並んだ基準位置に磁壁が形成された磁気記録媒体と、
    前記磁気記録媒体に記録ヘッドを介して前記磁化反転磁界より小さく、かつ前記磁壁移動磁界より大きな記録磁界を印加することにより、前記記録層中の磁壁位置を前記基準位置からトラック方向の前方または後方に移動させて情報の記録を行う記録手段と
    を具備することを特徴とする磁気記録再生装置。
  4. 前記磁気記録媒体から再生ヘッドを介して得られる再生信号から、前記記録層中の前記基準位置に対応した基準信号に対する磁壁位置に対応した信号の時間的進みまたは遅れを識別することにより、記録された情報を再生する再生手段をさらに具備する請求項3記載の磁気記録再生装置。
  5. 前記磁気記録媒体に所定の基準信号に従って前記磁化反転磁界以上の磁界を印加することにより、前記記録層のトラック方向に所定間隔で並んだ基準位置に磁壁を形成する磁壁形成手段をさらに具備する請求項3記載の磁気記録再生装置。
  6. 前記記録手段は、前記基準位置に対応する基準信号に同期して、記録すべき情報に対応した記録パターン信号を生成し、この記録パターン信号に従って前記記録ヘッドを介して前記記録磁界を前記記録層に印加することを特徴とする請求項3記載の磁気記録再生装置。
  7. 前記再生手段は、前記基準位置に対応した基準信号に対する前記再生信号のピーク位置の時間シフト方向を識別することにより、記録された情報を再生することを特徴とする請求項4記載の磁気記録再生装置。
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