JPH11860A - ウェーハ研磨装置 - Google Patents

ウェーハ研磨装置

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JPH11860A
JPH11860A JP15557797A JP15557797A JPH11860A JP H11860 A JPH11860 A JP H11860A JP 15557797 A JP15557797 A JP 15557797A JP 15557797 A JP15557797 A JP 15557797A JP H11860 A JPH11860 A JP H11860A
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carrier
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head
polishing
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Hiroyuki Kobayashi
弘之 小林
Osamu Endo
修 遠藤
Hiroo Miyairi
広雄 宮入
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ウェーハがキャリアから滑り出し
たことを検知可能とすることにより、ウェーハやウェー
ハ研磨装置の損傷を未然に防止することを課題とする。 【解決手段】 研磨すべきウェーハの一面を円盤状のキ
ャリアにより保持して研磨パッドにウェーハの他面を当
接させるウェーハ保持ヘッドに、キャリアの外周に同心
状に配置されかつヘッド軸線方向に変位可能なリテーナ
リングと、リテーナリングを同心状かつ内部に配し内周
面で当該リテーナリングを支持するヘッド本体とを設け
るとともに、ヘッド本体に研磨中のウェーハがキャリア
から滑り出したことを検知する検知手段を設け、この検
知手段を研磨パッドに対するリテーナリングの上下方向
の相対変位を検出する位置センサと、位置センサからの
出力信号によりウェーハがキャリアから滑り出したか否
かを判断する滑り判断手段とを備えた構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集積回路を形成す
る半導体ウェーハ等の表面を研磨するためのウェーハ研
磨装置に係わり、特に、ウェーハ保持ヘッドがフローテ
ィングヘッド構造とされたウェーハ研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のウェーハ研磨装置としては、表
面に研磨パッドが貼付された円盤状のプラテンと、研磨
すべきウェーハの一面を保持して研磨パッドにウェーハ
の他面を当接させる複数のウェーハ保持ヘッドとを具備
し、これらウェーハ保持ヘッドと前記プラテンとを相対
運動させつつ研磨パッドとウェーハの間に研磨砥粒を含
むスラリーを供給することにより研磨を行うものが広く
知られている。
【0003】その一例として、研磨パッドに対するウェ
ーハの当接圧力を均一化することができるといった利点
を有するフローティングヘッド構造を採用したウェーハ
保持ヘッドが開示されている(米国特許5,205,0
82号)。
【0004】このウェーハ保持ヘッドは、図8に示すよ
うに、中空のヘッド本体1と、ヘッド本体1内に水平に
張られたダイアフラム2と、ダイアフラム2の下面に固
定されたキャリア3とを備え、ダイアフラム2によって
画成された空気室4に、シャフト5を通じて加圧空気源
6から加圧空気を供給することにより、キャリア3を下
方へ押圧する構成とされている。
【0005】また、キャリア3の外周には、下端がキャ
リア3よりも下方に突出するようにリテーナリング7が
配置され、キャリア3の下面に付着したウェーハの外周
を保持するとともに研磨中のウェーハがキャリア3から
外れるといった不具合を防止するようなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
ウェーハ大径化に伴う研磨面積の増大により、ウェーハ
研磨時におけるウェーハと研磨パッドとの間の摩擦抵抗
が増大しており、このため、ウェーハをキャリア3の下
面に設けた吸水性のウェーハ付着シートによって表面張
力で保持するようにした水貼り法では、研磨中のウェー
ハがリテーナリング7と研磨パッドとの間に入り込むよ
うにウェーハ保持ヘッドから外れ、滑り出たウェーハが
他のウェーハ保持ヘッドに衝突して割れや欠けが生じた
り、その破片により研磨パッド,キャリア3およびリテ
ーナリング7が損傷することがあるといった不都合が生
じている。
【0007】また、キャリア3の下面に吸着孔を形成
し、該吸着孔に接続される吸引手段等によりウェーハを
真空吸着して保持性を高める真空吸着法もあるが、この
場合には、吸着孔付近で局所的な圧力差が生じて研磨量
が不均一になり、平滑な仕上げ面を得ることができない
という問題が生じ得る。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、ウェーハがキャリアから滑り出したことを検知可能
とすることにより、ウェーハやウェーハ研磨装置の損傷
を未然に防止し得るウェーハ研磨装置を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために以下の構成を採用した。請求項1記載のウ
ェーハ研磨装置は、表面に研磨パッドが貼付されたプラ
テンと、研磨すべきウェーハの一面を保持して前記研磨
パッドにウェーハの他面を当接させる1または2以上の
ウェーハ保持ヘッドとを具備し、これらウェーハ保持ヘ
ッドと前記プラテンとの相対運動により前記研磨パッド
でウェーハ他面を研磨するウェーハ研磨装置であって、
前記ウェーハ保持ヘッドは、研磨すべきウェーハの前記
一面を保持するための円盤状のキャリアと、該キャリア
の外周に同心状に配置されかつヘッド軸線方向に変位可
能なリテーナリングと、円筒状に形成され前記リテーナ
リングを同心状かつ内部に配し内周面で該リテーナリン
グを支持するヘッド本体とを備えるとともに、該ヘッド
本体に、研磨中のウェーハが前記キャリアから滑り出し
たことを検知する検知手段が設けられていることを特徴
とするものである
【0010】このウェーハ研磨装置では、検知手段によ
り研磨中のウェーハがキャリアから滑り出したことを検
知することができるので、例えば、検知手段からの出力
信号により警報を発することができる警報装置を設け、
該装置から警報が発せられた場合に手動でウェーハ研磨
装置を停止するようにしたり、ウェーハ研摩装置を前記
出力信号に応じて制御することができるように構成して
自動的に緊急停止させる等の対策を講じることができ
る。
【0011】請求項2記載のウェーハ研磨装置では、前
記検知手段は、前記研磨パッドに対する前記リテーナリ
ングの上下方向の相対変位を検出する位置センサと、該
位置センサからの出力信号によりウェーハが前記キャリ
アから滑り出したか否かを判断する滑り判断手段とを備
えた構成であることを特徴とするものである。
【0012】このウェーハ研磨装置では、研磨中のウェ
ーハがキャリアから滑り出すと、ウェーハがリテーナリ
ングと研磨パッドとの間に入り込んでリテーナリングが
上方向に変位するので、研磨パッドに対するリテーナリ
ングの相対変位を位置センサによって検出することがで
きる。
【0013】したがって、位置センサからの出力信号を
受けた滑り判断手段は、上方向の相対変位と、あらかじ
め設定した基準値とを比較する等してウェーハが滑り出
したか否かを判断することができる。
【0014】請求項3記載のウェーハ研磨装置では、前
記検知手段は、前記リテーナリングに作用する半径外方
向の圧力を検出する圧力センサと、該圧力センサからの
出力信号によりウェーハが前記キャリアから滑り出した
か否かを判断する滑り判断手段とを備えた構成であるこ
とを特徴とするものである。
【0015】このウェーハ研磨装置では、研磨中のウェ
ーハがキャリアから滑り出すと、ウェーハがリテーナリ
ングと研磨パッドとの間に入り込んでウェーハがリテー
ナリングの内面を押圧しなくなるので、リテーナリング
に作用する半径外方向の圧力の減少を圧力センサによっ
て検出することができる。
【0016】したがって、圧力センサからの出力信号を
受けた滑り判断手段は、検出された圧力の減少量と、あ
らかじめ設定した基準値とを比較する等してウェーハが
滑り出したか否かの状態を判断することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るウェーハ研磨
装置の第一の実施形態を図1から図4を参照しながら説
明する。
【0018】始めに、図3および図4を参照して全体の
構成を簡単に説明する。これらの図中、符号11は基台
であり、この基台11の中央には円盤状のプラテン12
が水平に設置されている。このプラテン12は基台11
内に設けられたプラテン駆動機構(図示略)により軸線
回りに回転されるようになっており、その上面には全面
に亙って研磨パッド13が貼付されている。
【0019】プラテン12の上方には、複数の支柱14
を介して上側取付板15が水平に設置されている。この
上側取付板15の下面には円盤状のカルーセル16が設
置されている。このカルーセル16は、上側取付板15
上に設けられたカルーセル駆動機構(図示略)により軸
線回りに回転されるようになっており、その下面にはプ
ラテン12と対向する計6基のウェーハ保持ヘッド17
が設けられている。
【0020】これらウェーハ保持ヘッド17は、図4に
示すように、カルーセル16の中心から同一距離におい
てカルーセル16の中心軸回りに60゜毎に配置されて
おり、それぞれ、ヘッド駆動機構(図示略)により周方
向に回転させられるとともに、カルーセル駆動機構によ
り遊星回転させられるようになっている。なお、ウェー
ハ保持ヘッド17の個数は6基に限定されず、1〜5基
または7基以上でもよい。
【0021】次に、図1を参照して、本実施形態に係る
ウェーハ保持ヘッド17について説明する。ウェーハ保
持ヘッド17は、軸線が垂直に配置されるとともに下端
が開口する中空のヘッド本体18と、このヘッド本体1
8の内部に張られた第1のダイアフラム19Aおよび第
2のダイアフラム19Bと、この第1のダイアフラム1
9Aの下面に固定された円盤状のキャリア20と、該キ
ャリア20の外周に同心に配置されたリテーナリング2
1とを具備するものである。
【0022】前記ヘッド本体18は、円板状の天板部1
8aと、この天板部18aの外周に固定される円筒状の
周壁部18bとから構成され、天板部18aはカルーセ
ル16のシャフト22に同軸に固定されている。この周
壁部18bの内周面には、全周に亙って半径内方向に突
出する円環状段部の取付部23が形成されている。
【0023】前記キャリア20は、セラミック等の高い
剛性を有する材料で成形された一定厚さのものであり、
弾性変形はしない。前記リテーナリング21は、下端面
が平坦な円環状をなし、キャリア20の外周面との間に
僅かなクリアランスをもって同心状に配置され、キャリ
ア20とは独立して上下変位可能とされている。
【0024】また、リテーナリング21の上端外周縁に
は、半径外方向に突出する保持部21Aが形成されてお
り、ウェーハ保持ヘッド17をカルーセル16と共にプ
ラテン22から引き上げた場合に、この保持部21Aが
周壁部18bの下端の円環状のストッパ部24により保
持されるようになっている。
【0025】該ストッパ部24は、周壁部18bの下端
周縁から半径内方向に突出し、リテーナリング21の外
周に当接状態若しくは僅かなクリアランスをもってリテ
ーナリング21を取り囲んで形成されている。
【0026】前記キャリア20の上面には、第1のダイ
アフラム19Aの内縁部が軸線を同じくして配されると
ともに、リテーナリング21の上面には、第1のダイア
フラム19Aの外縁部が配されている。
【0027】第1のダイアフラム19Aの内縁部の上面
には、軸線を同じくして第1の固定リング25が配さ
れ、該第1の固定リング25は、第1の固定リング25
および第1のダイアフラム19Aを貫通する複数のボル
ト26によって第1のダイアフラム19Aを挟持した状
態でキャリア20に固定されている。
【0028】また、第1のダイアフラム19Aの外縁部
の上面には、軸線を同じくして連結用リング27が配さ
れ、該連結用リング27の上面には第2のダイアフラム
19Bの内縁部が配されている。
【0029】そして、第2のダイアフラム19Bの内縁
部上面には、軸線を同じくして第2の固定リング28が
配され、該第2の固定リング28は、第1のダイアフラ
ム19A、連結用リング27、第2のダイアフラム19
Bおよび第2の固定リング28を貫通する複数のボルト
29によって第1のダイアフラム19Aおよび第2のダ
イアフラム19Bをそれぞれ挟持した状態でリテーナリ
ング21に固定されている。
【0030】さらに、第2のダイアフラム19Bの外縁
部は取付部23に載せられ、前記外縁部上面には、軸線
を同じくして第3の固定リング30が配されている。該
第3の固定リング30は、第2のダイアフラム19Bお
よび第3の固定リング30を貫通する複数のボルト31
によって、第2のダイアフラム19Bを挟持した状態で
取付部23に固定されている。
【0031】そして、第1のダイアフラム19Aと第2
のダイアフラム19Bは、各種ゴム等の弾性材料で形成
され、これによりリテーナリング21はヘッド本体18
の周壁部18bとは独立に上下変位可能になっている。
【0032】前記ヘッド本体18の天板部18aには、
当該天板部18aをヘッド本体18の軸線と平行に貫通
するとともに先端が所定の間隔をおいて前記固定リング
28に対向するように配される位置センサ32が3箇所
以上設けられている。
【0033】位置センサ32には、例えば、静電容量式
のセンサが用いられ、この場合には、当該位置センサ3
2の先端に設けられた電極と、前記固定リング28の頭
部基準面28aに設けられた電極との間における電気容
量の変化を、これら電極間の離間距離の変化、すなわち
リテーナリング21の変位として検出することができ
る。
【0034】ウェーハ保持ヘッド17の外部に設けられ
た研磨機制御系33には、位置センサ32からの出力信
号を受けるとともにその出力信号から研磨パッド13に
対するリテーナリング21の上下方向の相対変位と、あ
らかじめ設定した基準値とを比較してウェーハWが滑り
出したか否かの判断を行う滑り判断手段が設けられ、該
滑り判断手段からの出力信号に応じて、前記ヘッド駆動
機構,カルーセル駆動機構及びプラテン駆動機構を緊急
停止できるように構成されている。
【0035】一方、シャフト22には流路が形成され、
ヘッド本体18、キャリア20、第1のダイアフラム1
9Aおよび第2のダイアフラム19Bにより画成された
流体室34は、流路を通じて圧力調整機構である加圧手
段35に接続されている。
【0036】そして、加圧手段35で流体室34内の流
体圧力を調整することにより、第1のダイアフラム19
Aおよび第2のダイアフラム19Bが上下に変位して研
磨パッド13へのキャリア20の押圧力が変化するよう
になっている。なお、流体としては、一般に空気を使用
すれば十分であるが、必要に応じて他種のガスや液体を
使用してもよい。
【0037】上記構成からなるウェーハ研磨装置では、
研磨工程中、ウェーハWは研磨パッド13との摩擦力に
よってリテーナリング21の内周に押圧されており、ウ
ェーハWに過度の摩擦力が作用した場合、図2に示すよ
うに、研磨中のウェーハWがリテーナリング21と研磨
パッド13との間に入り込むように滑り始める場合があ
る。
【0038】この場合、位置センサ32の先端に設けら
れた電極と、リテーナリング21に一体に固定された固
定リング28の頭部基準面28Aに設けられた電極との
間の電気容量の変化が、これら電極間の離間距離の変
化、すなわち研磨パッド13に対するリテーナリング2
1の上方向への相対変位として検出される。
【0039】そして、滑り判断手段は、位置センサ32
により検出された上方向の相対変位が、あらかじめ設定
した基準値を越えるものであると、ウェーハWがキャリ
ア20から滑り出した状態であるものと判断し、その出
力信号を受けた研磨機制御系33によって、前記ヘッド
駆動機構,カルーセル駆動機構及びプラテン駆動機構は
緊急停止させられる。
【0040】このように、本実施形態に係るウェーハ研
磨装置によれば、研磨中のウェーハWがキャリア20か
ら滑り出すと、研磨パッド13に対するリテーナリング
21の相対変位が位置センサ32により検出されるとと
もに、滑り判断手段により位置センサ32の出力信号か
らウェーハWが滑り出したか否かが判断されて、前記ヘ
ッド駆動機構,カルーセル駆動機構及びプラテン駆動機
構を緊急停止させることができるので、ウェーハWがウ
ェーハ保持ヘッド17から外れ、この滑り出したウェー
ハWが他のウェーハ保持ヘッド17に衝突して割れや欠
けが生じたり、その破片により研磨パッド13,キャリ
ア20およびリテーナリング21が損傷するといったこ
とを未然に防ぐことができる。
【0041】次に、図5および図6を参照して、本発明
の第二の実施形態に係るウェーハ保持ヘッド41につい
て説明する。各図において、前記第一の実施形態に係る
ウェーハ保持ヘッド17と同一構成の部分については、
同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0042】本実施形態のウェーハ保持ヘッド41は、
図5に示すように、ヘッド本体42の平板部42aに前
記位置センサ32は設けられておらず、代わりに周壁部
42bの下端に設けられた円環状のストッパ部43に圧
力センサ44が設けられている点で前記第一の実施形態
に係るウェーハ保持ヘッド17と異なる構成になってい
る。
【0043】圧力センサ44は、その先端の受感面を前
記ストッパ部43の内周面に僅かに突出するように半径
内方向に向けて設けられており、前記受感面にはピエゾ
抵抗効果を測定するシリコンチップ等の半導体素子が配
されて、外部に設けられた研磨機制御系45に無線によ
り、または、スリップリング(図示略)を介して接続さ
れている。
【0044】研磨機制御系45は、前記半導体素子で検
出された圧力信号から圧力の減少量とあらかじめ設定し
た基準値とを比較してウェーハWがキャリア20から滑
り出したか否かを判断する滑り判断手段とを備え、該滑
り判断手段からの出力信号に応じて前記ヘッド駆動機
構,カルーセル駆動機構及びプラテン駆動機構を緊急停
止できるように構成されている。
【0045】上記構成のウェーハ研磨装置では、研磨工
程中、キャリア20に保持されたウェーハWは研磨パッ
ド13から受ける摩擦力によってリテーナリング21の
内周面に押圧されており、その押圧力は、リテーナリン
グ21を介してその外周面に受感面が当接させられた圧
力センサ44によって半径外方向に加わる圧力として検
出される。
【0046】そして、ウェーハWに過度の摩擦力が作用
すると、図6に示すように、研磨中のウェーハWがリテ
ーナリング21と研磨パッド13との間に入り込むよう
に滑り出す場合がある。この場合、ウェーハWはリテー
ナリング21の内周面を押圧しなくなるので、リテーナ
リング21に作用する半径外方向の圧力の減少を圧力セ
ンサ44によって検出することができる。
【0047】そして、滑り判断手段は、圧力センサ44
により検出された圧力の減少量が、あらかじめ設定した
基準値よりも大きいと、ウェーハWがキャリア20から
滑り出した状態であると判断し、その出力信号を受けた
研磨機制御系45によって、前記ヘッド駆動機構,カル
ーセル駆動機構及びプラテン駆動機構は緊急停止させら
れる。
【0048】このように、本実施形態に係るウェーハ研
磨装置によれば、研磨中のウェーハWがキャリア20か
ら滑り出すと、リテーナリング21に作用する半径外方
向の圧力の減少が圧力センサ44によって検出されると
ともに、滑り判断手段により圧力センサ44の出力信号
からウェーハWが滑り出したか否かが判断されて、ヘッ
ド駆動機構,カルーセル駆動機構及びプラテン駆動機構
を緊急停止させることができるので、ウェーハWがウェ
ーハ保持ヘッド17から外れ、この滑り出したウェーハ
Wが他のウェーハ保持ヘッド17に衝突して割れや欠け
が生じたり、その破片により研磨パッド13,キャリア
20およびリテーナリング21が損傷するといったこと
を未然に防ぐことができる。
【0049】なお、本実施形態では、圧力センサ44を
1箇所にのみ設けた構成を図示したが、複数箇所に設け
ることによって、より正確かつ迅速なウェーハWの滑り
出しの検出を可能にすることができる。すなわち、研磨
加工中、リテーナリング21はウェーハ保持ヘッド41
内で偏芯運動をしているためストッパ部43に対して接
触・離間を周期的に繰り返しており、圧力センサ44が
1箇所にのみ設けられた構成であると、検知が遅れたり
誤検知する場合がある。
【0050】したがって、かかる場合にも正確かつ迅速
にウェーハWの滑り出しを検出することができるよう
に、圧力センサ44は、図7(a)および同図(b)に
示すように、3箇所以上設けておくことが望ましい。
【0051】また、本実施形態に係るウェーハ研磨装置
では、ウェーハ研磨の終点も検知することが可能であ
る。すなわち、ウェーハWの被研磨面は、研磨が進むに
従い平滑になるため、該被研磨面と研磨パッド13との
接触面積が増加してウェーハWに作用する摩擦抵抗が次
第に大きくなり、これに伴いキャリア20からリテーナ
リング21に作用する半径外方向の圧力も次第に大きく
なるため、ウェーハWの研磨量に応じて変化する圧力か
ら研磨の終点を検出することができる。
【0052】さらに、上記各実施形態では、研磨パッド
に対するウェーハWの当接圧力を均一化することを目的
として、第1のダイアフラム19Aおよび第2のダイア
フラム19Bをそれぞれ別体としたものを図示したが、
これらダイアフラム19A,19Bは、図8に示すよう
な円形状に一体成形されたものであっても構わない。
【0053】また、上記各実施形態では、ウェーハ保持
ヘッド17を遊星回転させるカルーセル16が設けられ
たものについて説明したが、該カルーセル16が設けら
れておらず、前記ヘッド駆動機構によりウェーハ保持ヘ
ッド17を周方向に回転させつつ前記プラテン駆動機構
によりプラテン12を回転させてウェーハWの研摩を行
うように構成されたものであっても構わない。この場合
には、前記滑り判断手段からの出力信号に応じてヘッド
駆動機構及びプラテン駆動機構が緊急停止させられる。
【0054】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るウェーハ研磨装置によれば、次のような効果を奏
することができる。 (1)請求項1記載のウェーハ研磨装置によれば、検知
手段により研磨中のウェーハがキャリアから滑り出した
ことを検知することができるので、検知手段からの出力
信号により警報を発することができる警報装置を設け、
該装置から警報が発せられた場合に手動でウェーハ研磨
装置を停止するようにしたり、ウェーハ研摩装置を前記
出力信号に応じて制御することができるように構成して
自動的に緊急停止させるようにする等の対策を講じるこ
とができる。
【0055】これにより、滑り出したウェーハが他のウ
ェーハ保持ヘッドに衝突して割れや欠けが生じたり、そ
の破片により研磨パッド,キャリアおよびリテーナリン
グが損傷するといったことを未然に防ぐことができる。
【0056】(2)請求項2記載のウェーハ研磨装置に
よれば、研磨中のウェーハがキャリアから滑り出すと、
研磨パッドに対するリテーナリングの相対変位が位置セ
ンサにより検出されるとともに、滑り判断手段によりウ
ェーハが滑り出したか否かが判断されるので、ウェーハ
研磨装置を緊急停止させるといった対策を講じることが
でき、ウェーハの割れや欠け、研磨パッド,キャリアお
よびリテーナリングの損傷を未然に防ぐことができる。
【0057】(3)請求項3記載のウェーハ研磨装置に
よれば、研磨中のウェーハがキャリアから滑り出すと、
リテーナリングに作用する半径外方向の圧力の減少が圧
力センサによって検出されるとともに、滑り判断手段に
よりウェーハが滑り出したか否かが判断されるので、ウ
ェーハ研磨装置を緊急停止させるといった対策を講じる
ことができ、ウェーハの割れや欠け、研磨パッド,キャ
リアおよびリテーナリングの損傷を未然に防ぐことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るウェーハ研磨装置の第一の実施
形態におけるウェーハ保持ヘッドを示す断面図である。
【図2】 同装置によるウェーハの研磨工程中、ウェー
ハがキャリアから滑り出した状態を示す断面図である。
【図3】 同装置の全体の構成を示す正面図である。
【図4】 同装置のウェーハ保持ヘッドとプラテンの配
置状態を示す平面図である。
【図5】 本発明に係るウェーハ研磨装置の第二の実施
形態におけるウェーハ保持ヘッドを示す断面図である。
【図6】 同装置によるウェーハの研磨工程中、ウェー
ハがキャリアから滑り出した状態を示す断面図である。
【図7】 (a)は本発明に係るウェーハ研磨装置の他
の実施形態におけるウェーハ保持ヘッドを示す平面図、
(b)は(a)のA−A線断面図である。
【図8】 従来のウェーハ研磨装置におけるウェーハ保
持ヘッドの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
12 プラテン 13 研磨パッド 16 カルーセル 17、41 ウェーハ保持ヘッド 18、42 ヘッド本体 20 キャリア 21 リテーナリング 32 位置センサ 44 圧力センサ W ウェーハ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に研磨パッドが貼付されたプラテン
    と、研磨すべきウェーハの一面を保持して前記研磨パッ
    ドにウェーハの他面を当接させる1または2以上のウェ
    ーハ保持ヘッドとを具備し、これらウェーハ保持ヘッド
    と前記プラテンとの相対運動により前記研磨パッドでウ
    ェーハ他面を研磨するウェーハ研磨装置であって、 前記ウェーハ保持ヘッドは、研磨すべきウェーハの前記
    一面を保持するための円盤状のキャリアと、 該キャリアの外周に同心状に配置されかつヘッド軸線方
    向に変位可能なリテーナリングと、 円筒状に形成され前記リテーナリングを同心状かつ内部
    に配し内周面で該リテーナリングを支持するヘッド本体
    とを備えるとともに、 該ヘッド本体に、研磨中のウェーハが前記キャリアから
    滑り出したことを検知する検知手段が設けられているこ
    とを特徴とするウェーハ研磨装置。
  2. 【請求項2】 前記検知手段は、前記研磨パッドに対す
    る前記リテーナリングの上下方向の相対変位を検出する
    位置センサと、 該位置センサからの出力信号によりウェーハが前記キャ
    リアから滑り出したか否かを判断する滑り判断手段とを
    備えた構成であることを特徴とする請求項1記載のウェ
    ーハ研磨装置。
  3. 【請求項3】 前記検知手段は、前記リテーナリングに
    作用する半径外方向の圧力を検出する圧力センサと、 該圧力センサからの出力信号によりウェーハが前記キャ
    リアから滑り出したか否かを判断する滑り判断手段とを
    備えた構成であることを特徴とする請求項1記載のウェ
    ーハ研磨装置。
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