JP3183204B2 - ウェーハ研磨装置 - Google Patents

ウェーハ研磨装置

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JP3183204B2
JP3183204B2 JP173197A JP173197A JP3183204B2 JP 3183204 B2 JP3183204 B2 JP 3183204B2 JP 173197 A JP173197 A JP 173197A JP 173197 A JP173197 A JP 173197A JP 3183204 B2 JP3183204 B2 JP 3183204B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集積回路を形成す
る半導体ウェーハ等の表面を研磨するためのウェーハ研
磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のウェーハ研磨装置として、表面
に研磨パッドが貼付された円盤状のプラテンと、研磨す
べきウェーハの一面を保持して研磨パッドにウェーハの
他面を当接させる複数のウェーハ保持ヘッドと、これら
ウェーハ保持ヘッドをプラテンに対し相対回転させるヘ
ッド駆動機構とを具備し、研磨パッドとウェーハの間に
研磨砥粒を含むスラリーを供給することにより研磨を行
うものが広く知られている。
【0003】この種のウェーハ研磨装置としては、例え
ば、米国特許5,205,082号に、図7に示すよう
なウェーハ保持ヘッドを複数採用したものが開示されて
いる。このウェーハ保持ヘッドは、中空のヘッド本体1
と、ヘッド本体1内に水平に張られたダイアフラム2
と、ダイアフラム2の下面に固定されたキャリア4とを
有し、ダイアフラム2によって画成された空気室6へ、
シャフト8を通じて加圧空気源10から加圧空気を供給
することにより、キャリア4を下方へ押圧できるフロー
ティングヘッド構造になっている。このようなフローテ
ィングヘッド構造は、研磨パッドに対するウェーハの当
接圧力が均一化できる利点を有する。
【0004】キャリア4の外周には同心上にリテーナリ
ング12が配置され、このリテーナリング12もダイア
フラム2に固定されている。リテーナリング12の下端
はキャリア4よりも下方に突出し、これにより、キャリ
ア4の下面に付着されたウェーハの外周を保持する。こ
のようにウェーハ外周を保持することにより、研磨中の
ウェーハがキャリア4から外れる不具合が防止できる。
また、ウェーハをリテーナリング12で囲み、このリテ
ーナリング12の下端をウェーハ下面と同じ高さで研磨
することにより、ウェーハ外周部での過研磨が防止でき
るとされている。
【0005】ところで、従来、上記ウェーハ研磨装置に
おいては、一度に研磨すべき製品用ウェーハの枚数がウ
ェーハ保持ヘッドの数より少ない場合(例えば、ウェー
ハ保持ヘッドが6基であるときに、研磨すべきウェーハ
が3枚の場合)には、製品用ウェーハを保持していない
ウェーハ保持ヘッドに、ダミーウェーハを保持させて研
磨を行っていた。このようにダミーウェーハを用いる理
由は、研磨パッドにウェーハ保持ヘッドが直接、当接し
て研磨されてしまうことを防ぐためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ウェーハ研磨装置には、以下のような課題が残されてい
る。すなわち、研磨すべき製品用ウェーハの枚数がウェ
ーハ保持ヘッドの数より少ない場合には、製品として用
いることができないダミーウェーハを用意しなければな
らず、またダミーウェーハの取り付けおよび取り外しの
作業が必要となることから、研磨作業に手間がかかると
ともに作業効率が低下するという不都合があった。
【0007】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、研磨するウェーハが少なくてもダミーウェーハを
必要とせず、ウェーハを保持していないウェーハ保持ヘ
ッドと研磨パッドとの接触を防止することができるウェ
ーハ研磨装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために以下の構成を採用した。すなわち、請求項
1記載のウェーハ研磨装置では、表面に研磨パッドが貼
付されたプラテンと、研磨すべきウェーハの一面を保持
して前記研磨パッドにウェーハの他面を当接させる複数
のウェーハ保持ヘッドと、これらウェーハ保持ヘッドを
前記プラテンに対し相対運動させることにより前記研磨
パッドでウェーハ他面を研磨するヘッド駆動機構とを具
備し、前記ウェーハ保持ヘッドは、前記ウェーハの一面
を保持するための円盤状のキャリアと、円筒状に形成さ
れ前記キャリアをほぼ同心上にかつ内部に配し内周面で
該キャリアを支持するヘッド本体と、前記キャリアと前
記ヘッド本体との間に張られこれらを連結するダイアフ
ラムと、該ダイアフラム、前記キャリアおよび前記ヘッ
ド本体の間に形成される流体室に満たされた流体圧力を
調整する圧力調整機構とを備え、該圧力調整機構は、前
記流体室に接続され該流体室を加圧状態にする加圧手段
と、前記流体室に接続され該流体室を負圧状態にする負
圧手段と、前記加圧手段と前記負圧手段とに接続されこ
れらと前記流体室との接続を切り替えて該流体室の圧力
を選択的に加圧状態または負圧状態にする圧力切替手段
とを備えている技術が採用される。
【0009】このウェーハ研磨装置では、圧力調整機構
が流体室を加圧状態にする加圧手段と、流体室を負圧状
態にする負圧手段と、これらと流体室との接続を切り替
える圧力切替手段とを備えているので、研磨すべきウェ
ーハを保持するウェーハ保持ヘッドでは、圧力切替手段
によってその流体室と加圧手段とを接続状態とし、加圧
手段によってその流体室を加圧状態としてキャリアに取
り付けたウェーハを研磨パッドに押圧させる。また、ウ
ェーハを保持していないウェーハ保持ヘッドでは、圧力
切替手段によってその流体室と負圧手段とを接続状態と
し、負圧手段によってその流体室を負圧状態としてキャ
リアを研磨パッドから離間・退避させる。
【0010】請求項2記載のウェーハ研磨装置では、請
求項1記載のウェーハ研磨装置において、前記キャリア
の外周に同心上に配置されたリテーナリングを設け、該
リテーナリングは、前記ダイアフラムに固定されヘッド
軸線方向に変位可能とされ、前記負圧手段により前記流
体室が負圧状態となったときに前記研磨パッドから離間
するように設定されている技術が採用される。
【0011】このウェーハ研磨装置では、ダイアフラム
に固定されヘッド軸線方向に変位可能とされたリテーナ
リングを設けているので、ウェーハを保持しないウェー
ハ保持ヘッドでは、その流体室を負圧状態とすることに
より、キャリアが研磨パッドから離間するとともに、ダ
イアフラムによってキャリアと接続されたリテーナリン
グも研磨パッドから離間状態となり、退避される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るウェーハ研磨
装置の第1実施形態を図1から図4を参照しながら説明
する。
【0013】始めに図3を参照して全体の構成を簡単に
説明すると、図中符号21は基台であり、この基台21
の中央には円盤状のプラテン22が水平に設置されてい
る。このプラテン22は基台21内に設けられたプラテ
ン駆動機構により軸線回りに回転されるようになってお
り、その上面には全面に亙って研磨パッド23が貼付さ
れている。
【0014】プラテン22の上方には、複数の支柱24
を介して上側取付板25が水平に固定されている。この
上側取付板25の下面には円盤状のカルーセル(ヘッド
駆動機構)26が固定され、このカルーセル26にはプ
ラテン22と対向する計6基のウェーハ保持ヘッド27
が設けられている。これらウェーハ保持ヘッド27は、
図4に示すようにカルーセル26の中心から同一距離に
おいて、カルーセル26の中心軸回りに60゜毎に配置
され、カルーセル26によりそれぞれ遊星回転される。
ただし、ウェーハ保持ヘッド27の個数は6基に限定さ
れず、2〜5基または7基以上でもよい。
【0015】次に、図1および図2を参照してウェーハ
保持ヘッド27を説明する。ウェーハ保持ヘッド27
は、図1および図2に示すように、軸線垂直に配置され
下端が開口する中空のヘッド本体28と、このヘッド本
体28の内部に張られたダイアフラム29と、このダイ
アフラム29の下面に固定された円盤状のキャリア30
とを具備するものである。
【0016】ヘッド本体28は円板状の天板部31と、
この天板部31の外周に固定された円筒状の周壁部32
とから構成され、天板部31はカルーセル26のシャフ
ト33に同軸に固定されている。周壁部32の内周面に
は、全周に亙って半径方向内方へ突出する円環状段部の
取付部34が形成され、この取付部34に円板状のダイ
アフラム29の外周が載せられ、固定リング35Aで固
定されている。ダイアフラム29は、各種ゴム等の弾性
材料で形成されている。
【0017】一方、シャフト33には流路33aが形成
され、ヘッド本体28とダイアフラム29とにより形成
された流体室36は、流路33aを通じて三方弁等の圧
力切替手段Cに接続されている。該圧力切替手段Cは、
さらにコンプレッサー等の加圧空気源である加圧手段3
7および真空ポンプ等の負圧手段38にそれぞれ接続さ
れ、これらと流体室36との接続を各ウェーハ保持ヘッ
ド27毎に選択的に適宜切替可能とされている。
【0018】前記加圧手段37または前記負圧手段38
で流体室36内の流体圧力を調整することにより、ダイ
アフラム29が上下に変位して研磨パッド23へのキャ
リア30の押圧圧力および上下位置が変化する。すなわ
ち、加圧手段37、負圧手段38および圧力切替手段C
は、流体室36の圧力調整機構として機能する。なお、
流体としては、一般に空気を使用すれば十分であるが、
必要に応じては他種のガスや液体を使用してもよい。
【0019】キャリア30は、セラミック等の高い剛性
を有する材料で成形された一定厚さのものであり、弾性
変形はしない。キャリア30は、ダイアフラム29の上
面に同軸に配置された固定リング35Bに対して複数の
ボルトで固定されている。固定リング35Bの上端には
外方に広がるフランジ部が形成され、ヘッド上昇時に
は、ヘッド本体28に取り付けられた保持部材42によ
りこのフランジ部が保持されて、キャリア重量が支えら
れるようになっている。
【0020】前記キャリア30の外周には、同心に配置
されたリテーナリング41が設けられている。リテーナ
リング41は、下端面が平坦な円環状をなし、キャリア
30の外周面との間に僅かな透き間を空けて同心状に配
置され、キャリア30とは独立して上下変位可能とされ
ている。また、リテーナリング41の上端外周縁には、
半径方向外方に突出する保持部41Aが形成されてお
り、ウェーハ保持ヘッド27をカルーセル26と共にプ
ラテン22から引き上げた場合には、この保持部41A
が周壁部32の下端の円環状のストッパ部43により保
持されるようになっている。
【0021】該ストッパ部43は、周壁部32の下端周
縁から半径方向内方に突出し、リテーナリング41の外
周に当接状態若しくは僅かなクリアランスをもってリテ
ーナリング41を取り囲んで形成されている。
【0022】前記天板部31には、外部に設けられた洗
浄水供給手段(図示せず)に接続される供給口50が設
けられ、該供給口50に接続された洗浄水供給孔51が
内部に形成されている。該洗浄水供給孔51の下流端開
口部は、周壁部32に形成された洗浄水流通孔52の上
流端開口部に接続され、該洗浄水流通孔52の下流端開
口部は、周壁部32の内周面に配されるとともにリテー
ナリング41の外周面に向かって開口して形成されてい
る。該リテーナリング41には、その外周面から内周面
に貫通状態に前記洗浄水流通孔52の下流端開口部に対
向して配された洗浄用貫通孔53が形成されている。
【0023】すなわち、前記洗浄水供給手段から純水等
の洗浄水を供給口50に供給すると、洗浄水が洗浄水供
給孔51を介して洗浄水流通孔52に流通し、洗浄水流
通孔52の下流端開口部からリテーナリング41の外周
面に供給される。さらに、リテーナリング41の外周面
に供給された洗浄水は、洗浄用貫通孔53を流通してリ
テーナリング41の内周面に供給される。したがって、
上記経路によってリテーナリング41の内外周面に洗浄
水が供給され、リテーナリング41およびキャリア30
に付着したスラリーを洗い流すことができる。
【0024】なお、研磨を行う場合には、真空ポンプ等
の吸引手段(図示せず)に接続されキャリア30の下面
に形成された吸着孔(図示せず)によりウェーハWを吸
着固定する。
【0025】次に、研磨時におけるウェーハ保持ヘッド
27の状態設定を、ウェーハWを保持している場合と保
持していない場合とに分けて説明する。
【0026】〔ウェーハWを保持している場合〕研磨す
べきウェーハWを保持するウェーハ保持ヘッド27で
は、図1に示すように、圧力切替手段Cによってその流
体室36と加圧手段37とを接続状態とし、加圧手段3
7によってその流体室36に加圧空気を供給して流体室
36を加圧状態とし、キャリア30に取り付けたウェー
ハWを研磨パッド23に押圧させる。このとき、キャリ
ア30とダイアフラム29で接続されたリテーナリング
41も同様に研磨パッド23に押圧される。
【0027】〔ウェーハWを保持していない場合〕ウェ
ーハWを保持していないウェーハ保持ヘッド27では、
図2に示すように、圧力切替手段Cによってその流体室
36と負圧手段38とを接続状態とし、負圧手段38に
よってその流体室36の空気を吸引して流体室36を負
圧状態とし、キャリア30を研磨パッド23から離間・
退避させる。このとき、リテーナリング41も研磨パッ
ド23から離間状態となり、退避される。
【0028】したがって、上記構成のウェーハ研磨装置
では、ウェーハWを保持しているウェーハ保持ヘッド2
7の流体室36を加圧状態に、またウェーハWを保持し
ていないウェーハ保持ヘッド27の流体室36を負圧状
態に、個別かつ選択的に流体圧力の設定をすることがで
きる。すなわち、ダミーウェーハを用いる必要もなく、
ウェーハWを保持していないウェーハ保持ヘッド27が
研磨パッド23に当接して、研磨されることがない。
【0029】次に、本発明に係るウェーハ研磨装置の第
2実施形態について、図5および図6を参照しながら説
明する。
【0030】第2実施形態と第1実施形態との異なる点
は、第1実施形態におけるウェーハ保持ヘッド27のダ
イアフラム29が一つであったのに対し、第2実施形態
におけるウェーハ保持ヘッド100のダイアフラムは第
1のダイアフラム101Aと第2のダイアフラム101
Bとの2つに分割されて構成されている点である。
【0031】以下、ウェーハ保持ヘッド100について
詳細に説明する。ウェーハ保持ヘッド100は、軸線垂
直に配置され下端が開口する中空のヘッド本体102
と、このヘッド本体102の内部に張られた第1のダイ
アフラム101Aおよび第2のダイアフラム101B
と、この第1のダイアフラム101Aの下面に固定され
た円盤状のキャリア103とを具備するものである。ま
た、該キャリア103の外周には、同心に配置されたリ
テーナリング104が設けられている。
【0032】ヘッド本体102は、第一実施形態と同様
に、円板状の天板部102Aと、この天板部102Aの
外周に固定された円筒状の周壁部102Bとから構成さ
れ、天板部102Aはカルーセルのシャフト105に同
軸に固定されている。また、前記周壁部102Bの内周
面には、全周に亙って半径方向内方へ突出する円環状段
部の取付部107が形成されている。
【0033】前記リテーナリング104は、下端面が平
坦な円環状をなし、キャリア103の外周面との間に僅
かな透き間を空けて同心状に配置され、キャリア103
とは独立して上下変位可能とされている。
【0034】また、リテーナリング104の上端外周縁
には、第1実施形態と同様に、半径方向外方に突出する
保持部108が形成されており、ウェーハ保持ヘッド1
00をカルーセル26と共にプラテン22から引き上げ
た場合には、この保持部108が周壁部102Bの下端
の円環状のストッパ部109により保持されるようにな
っている。該ストッパ部109は、周壁部102Bの下
端周縁から半径方向内方に突出し、リテーナリング10
4の外周に当接状態若しくは僅かなクリアランスをもっ
てリテーナリング104を取り囲んで形成されている。
【0035】前記キャリア103の上面には、第1のダ
イアフラム101Aの内縁部が軸線を同じくして配され
るとともに、リテーナリング104の上面には、第1の
ダイアフラム101Aの外縁部が配されている。第1の
ダイアフラム101Aの内縁部の上面には、軸線を同じ
くして第1の固定リング110が配され、該第1の固定
リング110は、第1の固定リング110および第1の
ダイアフラム101Aを貫通する複数のボルト111に
よって第1のダイアフラム101Aを挟持した状態でキ
ャリア103に固定されている。
【0036】また、第1のダイアフラム101Aの外縁
部の上面には、軸線を同じくして連結用リング112が
配され、該連結用リング112の上面には第2のダイア
フラム101Bの内縁部が配されている。そして、第2
のダイアフラム101Bの内縁部上面には、軸線を同じ
くして第2の固定リング113が配され、該第2の固定
リング113は、第1のダイアフラム101A、連結用
リング112、第2のダイアフラム101Bおよび第2
の固定リング113を貫通する複数のボルト114によ
って第1のダイアフラム101Aおよび第2のダイアフ
ラム101Bをそれぞれ挟持した状態でリテーナリング
104に固定されている。
【0037】さらに、第2のダイアフラム101Bの外
縁部は取付部107に載せられ、前記外縁部上面には、
軸線を同じくして第3の固定リング115が配されてい
る。該第3の固定リング115は、第2のダイアフラム
101Bおよび第3の固定リング115を貫通する複数
のボルト116によって、第2のダイアフラム101B
をそれぞれ挟持した状態で取付部107に固定されてい
る。第1のダイアフラム101Aと第2のダイアフラム
101Bは、それぞれ各種ゴム等の弾性材料で形成され
ている。
【0038】また、第2のダイアフラム101Bの可撓
部分、すなわち取付部107による挟持部分と連結用リ
ング112による挟持部分との間の部分が、第1のダイ
アフラム101Aの可撓部分、すなわちリテーナリング
104による挟持部分とキャリア103による挟持部分
との間の部分より幅広に設定されている。したがって、
第2のダイアフラム101Bは、第1のダイアフラム1
01Aより上下方向(軸線方向)に大きく撓むことがで
き、該方向への柔軟性が高い。
【0039】一方、シャフト105には流路が形成さ
れ、ヘッド本体102、キャリア103、第1のダイア
フラム101Aおよび第2のダイアフラム101Bによ
り形成された流体室117は、流路を通じて第一実施形
態と同様に、三方弁等の圧力切替手段Cに接続されてい
る。該圧力切替手段Cは、さらにコンプレッサー等の加
圧空気源である加圧手段37および真空ポンプ等の負圧
手段38にそれぞれ接続され、これらと流体室117と
の接続を各ウェーハ保持ヘッド100毎に選択的に適宜
切替可能とされている。
【0040】前記加圧手段37または前記負圧手段38
で流体室117内の流体圧力を調整することにより、第
1のダイアフラム101Aおよび第2のダイアフラム1
01Bが上下に変位して研磨パッド23へのキャリア1
03の押圧圧力および上下位置が変化する。なお、符号
120は、負圧手段38によりキャリア103を上方に
退避させた場合に、図6に示すように、所定位置で第2
の固定リング113上面に当接するように天板部102
A下面に取り付けた退避用ストッパである。
【0041】上記構成からなる第2実施形態におけるウ
ェーハ研磨装置では、キャリア103がヘッド本体10
2に連結用リング112を介して張られた第1のダイア
フラム101Aおよび第2のダイアフラム101Bに取
り付けられ流体室117に加わる流体圧力を調整するこ
とにより、キャリア103を下方へ押圧した状態とな
り、研磨パッド23に対するウェーハの当接圧力を均一
化して研磨工程が行われる。
【0042】すなわち、キャリア103とリテーナリン
グ104との間に張られこれらを連結する第1のダイア
フラム101Aと、リテーナリング104とヘッド本体
102との間に張られこれらを連結する第2のダイアフ
ラム101Bとを備えているので、ダイアフラムが一つ
の場合に比べて、ダイアフラムが2つに分割されている
ことによりキャリア103の動きに対して追従性が向上
し、ウェーハの当接圧力がより均一化される。
【0043】また、第2のダイアフラム101Bの内縁
部が第1のダイアフラム101Aの外縁部上方に配され
て張られているので、第1のダイアフラム101Aの外
縁部と第2のダイアフラム101Bの内縁部とが軸線方
向に重なって配されることから、第2のダイアフラム1
01Bを第1のダイアフラム101Aの径方向外側にお
ける同一平面上に配する場合に比べて、ウェーハ保持ヘ
ッド100全体の外径寸法が小さく抑えられる。
【0044】なお、本発明は、次のような実施形態をも
含むものである。 (1)キャリアの下面にウェーハを保持させる手段とし
て、吸着孔による吸着を用いたが、他の保持手段を採用
しても構わない。例えば、キャリアの下面にウェーハ付
着シートを介してウェーハを付着させても良い。このウ
ェーハ付着シートは、例えば不織布等の吸水性を有する
材質で形成され、水分を吸収すると、表面張力でウェー
ハを吸着するものである。また、キャリアの下面にワッ
クスを介してウェーハを付着させる構成としてもよい。
【0045】(2)第2実施形態のウェーハ研磨装置に
おける第1のダイアフラム101Aと第2のダイアフラ
ム101Bは、同一の厚さに設定したが、互いに異なる
厚さに設定しても構わない。例えば、第1のダイアフラ
ムの膜厚を、第2のダイアフラムより厚く設定すること
により、第1のダイアフラムの剛性が高くなるので、キ
ャリアの動きを直接受ける第1のダイアフラムを、キャ
リアの全周に亙って高い均一性をもって高精度に取り付
けることができ、研磨精度がさらに向上する。また、第
1のダイアフラムの剛性が高いので、キャリアの細かな
動きに対する追従性が向上するとともに、薄い第2のダ
イアフラムの柔軟性が高いので、キャリアおよびリテー
ナリングの大きな動きにも十分対応可能である。
【0046】(3)第2実施形態のウェーハ研磨装置に
おける第1のダイアフラム101Aおよび第2のダイア
フラム101Bを、同一の弾性材料で形成したが、互い
に異なる材質で形成しても構わない。例えば、第1のダ
イアフラムを、四フッ化エチレン樹脂系材料(例えば、
テフロン(デュポン社の登録商標))で形成するととも
に、第2のダイアフラムを、ポリエステル薄膜にゴムを
被膜してなるもので構成してもよい。
【0047】この場合、第1のダイアフラムが加工精度
の高い四フッ化エチレン樹脂系材料で形成されているの
で、第1のダイアフラムの全周に亙って高い寸法精度お
よび取付精度が得られるとともに均一な剛性が得られ
る。また、第2のダイアフラムがポリエステル薄膜にゴ
ムを被膜した構成とされるので、軸線方向の柔軟性と面
方向における高い強度とを有するとともに高い気密性が
得られる。
【0048】したがって、この第2のダイアフラムを採
用することにより、キャリアの軸線方向の動きに対して
優れた追従性を有するとともに、第2のダイアフラムに
作用する作動流体の漏洩を確実に防止し、またヘッド本
体からの回転力が第2のダイアフラムを介してリテーナ
リング及びキャリアに良好に伝達される。
【0049】(4)第1実施形態のダイアフラムおよび
第2実施形態の第1のダイアフラムは円環状に形成した
が、円形状に形成しても構わない。
【0050】(5)上記各実施形態では、キャリアの下
面にウェーハWを保持させる手段として、吸着孔による
吸着を用いたが、他の保持手段を採用しても構わない。
例えば、キャリアの下面にウェーハ付着シートを介して
ウェーハを付着させても良い。このウェーハ付着シート
は、例えば不織布等の吸水性を有する材質で形成され、
水分を吸収すると、表面張力でウェーハを吸着するもの
である。また、キャリアの下面にワックスを介してウェ
ーハを付着させる構成としてもよい。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果を奏する。 (1)請求項1記載のウェーハ研磨装置によれば、圧力
調整機構が流体室を加圧状態にする加圧手段と、流体室
を負圧状態にする負圧手段と、これらと流体室との接続
を切り替える圧力切替手段とを備えているので、ウェー
ハの保持の有無によって各ウェーハ保持ヘッドの流体室
を加圧または負圧状態に、選択的に圧力設定をすること
ができ、キャリアを研磨パッドに当接または離間させる
ことが個別にできる。したがって、ウェーハを保持して
いないウェーハ保持ヘッドを容易に研磨パッドから離間
・退避させることができ、研磨すべきウェーハ枚数が少
なくてもダミーウェーハを用いる必要もなく、研磨作業
の迅速化および作業効率の向上を図ることができる。
【0052】(2)請求項2記載のウェーハ研磨装置に
よれば、ダイアフラムに固定されヘッド軸線方向に変位
可能とされたリテーナリングを設けているので、キャリ
アとともにリテーナリングも研磨パッドに対し選択的に
当接または離間させることができる。すなわち、ウェー
ハを保持しているウェーハ保持ヘッドにおいては、研磨
時においてリテーナリングがウェーハの外周を保持する
ことができるとともに、ウェーハを保持していないウェ
ーハ保持ヘッドにおいては、リテーナリングを研磨パッ
ドから退避させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るウェーハ研磨装置の第1実施形
態におけるウェーハを保持しているウェーハ保持ヘッド
を示す断面図である。
【図2】 本発明に係るウェーハ研磨装置の第1実施形
態におけるウェーハを保持していないウェーハ保持ヘッ
ドを示す断面図である。
【図3】 本発明に係るウェーハ研磨装置の全体の構成
を示す正面図である。
【図4】 同装置のウェーハ保持ヘッドとプラテンの配
置状態を示す平面図である。
【図5】 本発明に係るウェーハ研磨装置の第2実施形
態におけるウェーハを保持しているウェーハ保持ヘッド
を示す断面図である。
【図6】 本発明に係るウェーハ研磨装置の第2実施形
態におけるウェーハを保持していないウェーハ保持ヘッ
ドを示す断面図である。
【図7】 本発明に係るウェーハ研磨装置の従来例にお
けるウェーハ保持ヘッドを示す断面図である。
【符号の説明】
22 プラテン 23 研磨パッド 26 カルーセル(ヘッド駆動機構) 27,100 ウェーハ保持ヘッド 28,102 ヘッド本体 29 ダイアフラム 30,103 キャリア 31,102A 天板部 32,102B 周壁部 36,117 流体室 37 加圧手段 38 負圧手段 41,104 リテーナリング 101A 第1のダイアフラム 101B 第2のダイアフラム C 圧力切替手段 W ウェーハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−257893(JP,A) 特開 平6−79618(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B24B 37/00,37/04 H01L 21/304

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に研磨パッドが貼付されたプラテン
    と、研磨すべきウェーハの一面を保持して前記研磨パッ
    ドにウェーハの他面を当接させる複数のウェーハ保持ヘ
    ッドと、これらウェーハ保持ヘッドを前記プラテンに対
    し相対運動させることにより前記研磨パッドでウェーハ
    他面を研磨するヘッド駆動機構とを具備し、 前記ウェーハ保持ヘッドは、前記ウェーハの一面を保持
    するための円盤状のキャリアと、円筒状に形成され前記
    キャリアをほぼ同心上にかつ内部に配し内周面で該キャ
    リアを支持するヘッド本体と、前記キャリアと前記ヘッ
    ド本体との間に張られこれらを連結するダイアフラム
    と、該ダイアフラム、前記キャリアおよび前記ヘッド本
    体の間に形成される流体室に満たされた流体圧力を調整
    する圧力調整機構とを備え、 該圧力調整機構は、前記流体室に接続され該流体室を加
    圧状態にする加圧手段と、 前記流体室に接続され該流体室を負圧状態にする負圧手
    段と、 前記加圧手段と前記負圧手段とに接続されこれらと前記
    流体室との接続を切り替えて該流体室の圧力を選択的に
    加圧状態または負圧状態にする圧力切替手段とを備えて
    いることを特徴とするウェーハ研磨装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のウェーハ研磨装置におい
    て、 前記キャリアの外周に同心上に配置されたリテーナリン
    グを設け、 該リテーナリングは、前記ダイアフラムに固定されヘッ
    ド軸線方向に変位可能とされ、前記負圧手段により前記
    流体室が負圧状態となったときに前記研磨パッドから離
    間するように設定されていることを特徴とするウェーハ
    研磨装置。
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