JPH1184711A - トナー - Google Patents

トナー

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JPH1184711A
JPH1184711A JP24637897A JP24637897A JPH1184711A JP H1184711 A JPH1184711 A JP H1184711A JP 24637897 A JP24637897 A JP 24637897A JP 24637897 A JP24637897 A JP 24637897A JP H1184711 A JPH1184711 A JP H1184711A
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JP
Japan
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toner
binder resin
wax
fine powder
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Application number
JP24637897A
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English (en)
Inventor
Noriaki Hirota
典昭 廣田
Yasuhito Yuasa
安仁 湯浅
Masatoshi Maeda
正寿 前田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー組成バラツキが少なく、長期にわたり
感光体、中間転写体へのトナーフィルミングを防止で
き、高定着性で、高濃度低地カブリの高画質を実現する
トナーを提供することを目的とする。 【解決手段】 物性を特定した植物系ワックスを結着樹
脂溶剤中に添加後、脱溶剤したものを主成分とし、分級
微粉とのガラス転移点の差を特定したトナーを用いる構
成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機、プリンタや
ファクシミリに用いられるトナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の複写機やプリンターでは
次のプロセスによって印字が行われている。先ず、画像
形成のために感光体(以下、感光体と称す)を帯電す
る。帯電方法としては、従来から用いられているコロナ
帯電器を使用するもの、また、近年ではオゾン発生量の
低減を狙って導電性ローラを感光体に直接押圧した接触
型の帯電方法等によって感光体表面を均一に帯電する手
段が実用化されている。感光体を帯電した後、複写機で
あれば、複写原稿に光を照射して反射光をレンズ系を通
じて感光体に照射する。また、プリンターであれば露光
光源としての発光ダイオードやレーザーダイオードに画
像信号を送り、光のON−OFFによって感光体に潜像
を形成する。感光体に潜像(表面電位の高低)が形成さ
れると、感光体は、予め帯電された着色粉体であるであ
るトナー(直径が5μm〜15μm程度)によって顕像
化される。トナーは感光体の表面電位の高低に従って感
光体表面に付着し、その後、複写用紙に電気的に転写さ
れる。即ち、トナーは予め正または負に帯電しており複
写用紙の背面からトナー極性と反対の極性の電荷を付与
して電気的に吸引する。これまで、この電荷付与方式と
しては、帯電方法と同じくコロナ放電器が広く用いられ
てきたが、オゾン発生量低減のため近年では導電性ロー
ラを用いた転写装置が実用化されている。転写時には感
光体上の全てのトナーが複写用紙に移るのではなく、一
部は感光体上に残留する。この残留トナーはクリーニン
グ部でクリーニングブレード等で掻き落とされ廃トナー
となる。従来、電子写真方法では、廃トナーは再利用さ
れず廃棄されていた。環境保護面からも不用意な廃棄は
避けるべきであり、廃トナーの再利用は重要課題であ
る。
【0003】カラー複写機では、感光体を、帯電チャー
ジャーによるコロナ放電で帯電させ、その後各色の潜像
を光信号として感光体に照射し、静電潜像を形成し、第
1色、例えばイエロートナーで現像し、潜像を顕像化す
る。
【0004】その後感光体に、イエロートナーの帯電と
逆極性に帯電され、転写材を当接し、感光体上に形成さ
れたイエロートナー像を転写する。感光体は転写時に残
留したトナーをクリーニングしたのち除電され、第1の
カラートナーの現像、転写を終える。
【0005】その後マゼンタ、シアン等のトナーに対し
てもイエロートナーと同様な操作を繰り返し、各色のト
ナー像を転写材上で重ね合わせてカラー像を形成する方
法が取られている。そしてこれらの重畳したトナー像は
トナーと逆極性に帯電した転写紙に転写された後、定着
され複写が終了する。
【0006】このカラー像形成方法としては、単一の感
光体上に順次各色のトナー像を形成し、転写ドラムに巻
き付けた転写材を回転させて繰り返しこの感光体に対向
させ、そこで順次形成される各色のトナー像を重ねて転
写していく転写ドラム方式と、複数の像形成部を並べて
配置し、ベルトで搬送される転写材にそれぞれの像形成
部を通過させて順次各色のトナー像を転写し、カラー像
を重ね合わす連続重ね方式が一般的である。
【0007】前記の転写ドラム方式を用いたものに、特
開平1−252982号公報に示されるカラー画像形成
装置がある。図2はこの従来例の全体構成の概要を示す
もので、以下その構成と動作を簡単に説明する。
【0008】図2において、501は感光体で、これに
対向して帯電器502と、現像部503と、転写ドラム
504、クリーナ505が設けられている。現像部50
3は、イエロ色のトナー像をつくるためのY現像器50
6、マゼンタ色のM現像器507、シアン色のC現像器
508、黒色のBk現像器509とで構成され、現像器
群全体が回転して各々の現像器が順次感光体501に対
向し現像可能の状態になる。転写ドラム512と感光体
は動作中は対向しながらそれぞれ矢印方向に一定速度で
回転している。
【0009】像形成動作が開始すると感光体501が矢
印方向に回転するとともに、その表面が帯電器502に
よって一様に帯電される。その後感光体表面には、1色
目のイエロの像を形成するための信号で変調されたレー
ザビーム510を照射されて、潜像が形成される。次に
この潜像は最初に感光体に対向しているY現像器506
により現像され、イエロのトナー像が形成される。感光
体上に形成されたイエロのトナー像が転写ドラム504
に対向する位置に移動するまでに、すでに転写ドラム5
04の外周には給紙部511から送られた転写材として
の1枚の用紙が先端を爪部512でつかまれて巻き付け
られており、その用紙の所定の位置に感光体上のイエロ
のトナー像が対向して出会うようにタイミングがとられ
ている。
【0010】感光体上のイエロのトナー像が転写帯電器
513の作用により用紙に転写された後、感光体表面は
クリーナ505により清掃されて、次色の像形成が準備
される。続いてマゼンタ、シアン、黒のトナー像も同様
に形成されるが、そのとき現像部503は色に応じて用
いる各現像器を感光体に対向させて現像可能の状態にす
る。転写ドラムの径は最長の用紙が巻き付けられかつ各
色の像間で現像器の交換が間に合うように充分の大きさ
を持っている。
【0011】各色の像形成のためのレーザビーム510
の照射は、回転につれて感光体上の各色のトナー像と転
写ドラム上の用紙に既に転写されたトナー像とが位置的
に合致されて対向するようにタイミングがとられて実行
される。この様にして4色のトナー像が転写ドラム50
4上で用紙に重ねて転写されて、用紙上にカラー像が形
成される。全ての色のトナー像が転写された後、用紙は
剥離爪514により転写ドラム504から剥されて、搬
送部515を経て定着器516によりトナー像が定着さ
れ、装置外へ排出される。
【0012】一方、連続転写方式を用いたカラー画像形
成装置の例として、特開平1−250970号公報があ
る。この従来例では4色の像形成のためにそれぞれが感
光体、光走査手段などを含んだ4つの像形成ステーショ
ンが並び、ベルトに搬送された用紙がそれぞれの感光体
の下部を通過してカラートナー像が重ね合わされる。
【0013】さらにまた、転写材上に異なる色のトナー
像を重ねてカラー像を形成する他の方法として、感光体
上に順次形成される各色トナー像を中間転写材上に一旦
重ねて、最後にこの中間転写材上のトナー像を一括して
転写紙に移す方法が特開平2−212867号公報で開
示されている。
【0014】複写用紙に転写されたトナーを用紙上に永
久定着させるために用いられる定着方法として、熱ロー
ル法、加圧ロール法、フラッシュ定着法、薬剤を用いた
方法等が知られている。そのなかで、接触状態でトナー
を溶融し用紙上に定着させる熱ロール法がエネルギー効
率、安全性、印字品質の面から一般的である。
【0015】周知のように、これらの現像法に使用され
る静電荷現像用のトナ−は、一般的に結着樹脂成分、顔
料または染料からなる着色剤及び可塑剤や電荷制御剤、
さらに必要に応じて磁性体、離型剤等の内添剤と外添剤
によって構成されている。結着樹脂成分には、天然また
は合成樹脂が単独あるいは適時混合して使用される。
【0016】そして上記結着樹脂成分と添加成分を適当
な割合で予備混合し、熱溶融によって熱混練し、その後
微粉砕、必要に応じて微粉分級を行い、外添剤を外添処
理してトナーが得られる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記構成では、
印字を繰り返している内に、トナーが感光体表面やキャ
リア表面、トナー担持体表面に固着する、いわゆるトナ
ーフィルミング現象が生じる場合がある。これは、トナ
ー結着樹脂やワックス等が凝集性を持ち、軟化した場合
に、除去されにくく、その部分にトナーが固着するため
に起こるものと考えられる。トナーの凝集は、温度の上
昇、外部からのストレスなどによって発生する。感光体
表面にトナーが固着すると、画像パターンに応じて露光
する際に光が遮断され、静電潜像が形成されず、正転現
像では黒点が発生し、反転現像においては白抜けとなり
画像欠陥となる。
【0018】キャリア表面にトナーが固着すると、トナ
ーに必要な電荷量がキャリアから与えられず帯電量が低
下し、画像品質が著しく劣化する。
【0019】トナー担持体表面にトナーが固着すると、
その部分のみトナーが搬送されず印字不良が発生する。
【0020】近年コスト、生産性の面から1種類のトナ
ーを低速機から高速機に対応させる試みが行われている
が、このトナーフィルミング現象は、印字スピードの増
加とともに顕著となる。
【0021】つまり、印字スピードの増加に対応して定
着スピードも増加させる必要があるため、単位時間当た
りにトナーが与えられる熱量が減少する。このため少な
い熱量でも定着可能なように、トナーの結着樹脂を低粘
度化することが行われる。複写用紙中に浸入することで
定着性に寄与する低分子量成分が、低粘度化によって増
加するからである。しかし、低粘度化によって結着樹脂
自体の強度が低下し、凝集性が増すため固着が激しくな
ってしまう。そして、このトナーを定着スピードの遅い
低速機に適用した場合には、結着樹脂の粘弾性が不足す
るため、定着時に複写用紙上のトナーが定着ローラに付
着し、ローラの回転とともに複写用紙に再転写する、い
わゆるホットオフセット現象が発生する。そこで、これ
らを防止する手段として、特開昭51−143333
号、同57−148752号、同58−97056号、
同60−247250号公報等では、種々の離型剤の添
加が提案されている。
【0022】また、少ない熱量でも定着可能なように、
トナーの結着樹脂のガラス転移点を低下させることが行
われる。結着樹脂のガラス転移点を低下させることによ
り、トナーの軟化温度が低下することから定着性向上に
対しては有効な手段である。しかし、トナーの保管・輸
送時における貯蔵安定性、いわゆる耐ブロッキング性や
耐ケーキング性は悪化する。
【0023】結着樹脂の分子量分布を2ピークとして、
高分子量領域、低分子量領域各々に機能分離する方法が
行われている。つまり、高分子量領域には樹脂強度を活
かして耐ホットオフセット性を持たせ、低分子量領域に
は複写用紙に対する定着性を担わせるのである。しか
し、この方法では、定着スピード幅が狭い場合には対応
できるものの低速機から高速機といった幅広い要求に
は、裕度が狭く、定着性、耐ホットオフセット性、耐フ
ィルミング性の両立が図れない。
【0024】また、定着時に同一熱量を与えるため定着
温度を上昇させることは、消費電力の増大ウオームアッ
プ時間の増加といった面から好ましくない。また、定着
ローラの保温性を高め、連続印字時の温度低下を抑制す
ることが行われるが、機内温度の上昇を招き、トナーの
凝集を引き起こす。
【0025】定着性改善のために植物系ワックスや低分
子量ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス等
のポリオレフィンワックスを添加することは、特開平3
−91764号、同7−43940号、同8−1666
86号公報に示されている。
【0026】植物系ワックスはそれ自身の融点が低く、
低温ですばやく溶融し複写用紙中に浸入することで定着
性向上に寄与する。
【0027】ポリプロピレンワックスは、離型作用を持
つためホットオフセット現象の改善には効果的であるも
のの、高速定着における定着性改善には効果が少ない。
ポリエチレンワックスは、それ自身摩擦低減効果を持つ
ため、複写用紙中に浸入することで、定着性に寄与する
低分子量成分が同量であっても、定着性向上には効果的
である。つまり、ポリエチレンワックスの定着性向上作
用は、複写用紙とトナーとの結合を強化するのではな
く、外部からの力を逃がす効果によるものである。
【0028】しかし、植物系ワックスは融点が低い故
に、トナー製造工程における予備混合工程で、凝集を発
生させる。これは、予備混合工程での温度上昇や衝撃ス
トレスにより植物系ワックスを核として着色剤や電荷制
御剤等が凝集するものである。凝集が発生すると以降の
混練工程に於いても着色剤や電荷制御剤等の内添剤の分
散性は改善されず、組成不均一のトナーが発生し画像不
良の原因となる。
【0029】また、より広い定着範囲と定着強度を実現
するために、植物系ワックスとポリオレフィンワックス
を併用した場合、植物系ワックスを核としたポリオレフ
ィンワックスの凝集が発生する。この場合、現像特性が
悪化するだけでなく、ポリオレフィンワックスが感光体
上にフィルミングする。この現象は、低沸点成分を多く
含む低圧重合法にて作成したポリオレフィンワックスに
顕著である。低沸点成分はトルエンによって除去可能で
あるが、除去後の乾燥工程を有することなど、実用的で
はない。逆にトルエン洗浄によって回収率が高いポリオ
レフィンワックスは低沸点成分が少ないと言える。
【0030】ワックスのトナー中での偏在は、ワックス
成分とトナー母体を構成する結着樹脂成分との低相容性
や、トナー製造工程における分散能力不足、あるいは予
備混合工程におけるワックスを核とした凝集の発生に起
因する。
【0031】結着樹脂とワックスとの相溶性が低く相分
離した状態では、トナー製造工程での微粉砕工程におい
てワックスと結着樹脂との界面で粉砕が行われ易いた
め、表面にワックスが露出しトナー流動性の低下を招
く。これはトナー流動時にワックス部が塑性変形するた
めであると考えられる。さらにトナー表面に存在するワ
ックスにより、温度が上昇するとトナー凝集が発生す
る。
【0032】また微粉砕工程時に遊離したワックスは、
一部はトナー表面に付着し、大部分はトナー製造工程に
おける微粉分級工程で、分級微粉として分離される。こ
のため遊離したワックスが多い場合は、トナー中に存在
するワックス量と分級微粉中のワックス量が大きく異な
る。
【0033】トナーの生産性を向上させるために、トナ
ー製造工程における微粉分級工程で分離された分級微粉
を再度予備混合工程あるいは混練工程へ戻して使用す
る、いわゆる微粉戻しは従来からおこなわれてきた。し
かしワックスを添加したトナーの場合、微粉戻しをおこ
なうとワックスの分散状態が変化し、劣悪な画像となっ
てしまう。
【0034】また、本発明に係るトナーが用いられる電
子写真方法は、クリーニング工程で除去された廃トナー
を再度現像工程に戻し再利用する廃トナーリサイクルを
行う構成である。
【0035】クリーニング工程で除去され再度現像工程
に戻される廃トナーは、初期のトナーと特性が大きく変
化しており、画像に悪影響を与える。これは、クリーニ
ング部でトナーがストレスを受けたり、廃トナーを現像
工程に戻す輸送管内での温度上昇により、流動性が低下
したりトナー凝集が発生してしまうことに起因してい
る。初期トナーの組成にバラツキが大きいと、廃トナー
になるトナー量が増加するだけでなく、廃トナーリサイ
クルによる特性変化も増大する。
【0036】また、本発明に係るトナーを用いる電子写
真方法では、中間転写体を用いる構成である。
【0037】転写ドラム方式では、異なる色のトナー像
の位置を合わせて重ねるために転写ドラムを用いる。こ
の転写ドラムを感光体に対して同速度で回転させ、さら
に像の先端のタイミングを合わせることによって、カラ
ー像を形成する場合の各色トナー像の相互位置を合致さ
せる。しかしながら上記のような構成では、転写ドラム
に用紙を巻き付ける必要があるため、転写ドラムの径が
一定の大きさ以上必要であり、またその構造が非常に複
雑で高精度が要求されるため、装置が大がかりで高価な
ものとなっていた。また葉書や厚紙など腰の強い用紙
は、転写ドラムに巻き付けることができないため使用で
きなかった。
【0038】一方、連続転写方式は、色数に対応した像
形成位置を有しており、そこに用紙を次々と通過させれ
ばよいため、このような転写ドラムは不要であるが、こ
の方式では感光体上に潜像を形成するためのレーザ光学
系などの潜像形成手段が色の数に対応して複数個必要で
あり、構造が非常に複雑で高価であった。さらにまた、
像形成位置が複数箇所あるため、各色の像形成部の相対
的な位置ずれ、回転軸の偏心、各部の平行度のずれなど
が直接色ずれに影響し高画質を安定に得ることが困難で
あった。特に潜像形成手段による潜像の各色間の位置合
わせを正確に行う必要があり、特開平1−250970
号公報にも示されているように、潜像形成手段である像
露光系に相当の工夫と複雑な構成が必要であるという問
題点があった。
【0039】さらに、中間転写材を用いる特開平2−2
12867号公報の例では、各色のトナー像を同一の感
光体上に形成するために、複数の現像器を単一の感光体
の周辺に配置しなければならず、必然的に感光体の形状
が大きくなり、また感光体が取り扱いにくいベルト形状
になった。また、各現像器をメンテナンス時に交換する
と感光体の特性とのマッチング調整が必要であったり、
感光体の交換時には各現像器との間での位置調整が必要
であったため、各色現像器や感光体のメンテナンスも困
難であった。
【0040】しかし中間転写方式は、複雑な光学系を必
要としなく、また葉書や厚紙などの腰の強い用紙にも使
用でき、また中間転写ベルトを使用するとフレキシブル
なため、転写ドラム方式、連続転写方式に比べて、装置
自体の小型化を可能に出来るメリットがある。
【0041】しかし、トナーは転写時に全て転写される
のが理想であるが、一部転写残りが生じる。いわゆる転
写効率は100%でなく、一般的には75〜90%程度
である。この転写残りのトナーは感光体クリーニングの
工程でクリーニングブレード等で掻き落とされて廃トナ
ーとなる。
【0042】中間転写体を使用する構成では、トナーは
感光体から中間転写体へ、さらに中間転写体から受像紙
へと、少なくとも2回以上の転写工程を経ることにな
り、通常の1回転写の複写機では、例えば85%の転写
効率があっても、2回の転写により、転写効率は72%
にまで低下する。さらに1回転写で75%の転写効率で
あるものは56%と約半分のトナーが廃トナーとなって
しまい、トナーのコストアップや、廃トナーボックスの
容積をより大きなものとせねばならず、これでは装置の
小型化が出来ない。転写効率の低下は分散不良による逆
極性の地かぶりや転写抜けが要因と考えられる。
【0043】またカラー現像の場合は、中間転写体上で
4色のトナー画像を重ねるためトナー層が厚くなり、ト
ナー層がない、あるいは、薄いところとの圧力差が生じ
やすい。このため、トナーの凝集効果によって画像の一
部が転写されずに穴となる”中抜け”現象が発生し易
い。さらに、受像紙が詰まった場合のクリーニングを確
実に行うために、中間転写体にトナーの離型効果の高い
材料を用いると、中抜けは顕著に現れ、画像の品位を著
しく低下させてしまう。さらに、文字やライン等ではエ
ッジ現像となっており、トナーがより多くのり、加圧に
よるトナー同士の凝集を起こし、中抜けがより顕著にな
る。特に高湿高温の環境下でより顕著に現れる。
【0044】本発明は、上記課題に鑑み、トナー組成バ
ラツキが少なく、長期にわたり感光体、中間転写体への
トナーフィルミングを防止でき、高定着性で、高濃度低
地カブリの高画質を実現するトナーを提供することを目
的とする。
【0045】トナー製造工程における微粉分級工程で分
離された分級微粉を再度予備混合工程あるいは混練工程
へ戻して使用するトナー製造方法に於いても、トナー組
成バラツキがなく生産性の向上に寄与することを目的と
している。
【0046】クリーニング工程で除去された廃トナーを
現像工程に戻し再利用する廃トナーリサイクルを行う構
成で、フィルミングの発生や感光体上の傷の発生、トナ
ー輸送管内でのトナー凝集を防止すること、トナー組成
の変化を抑制することによって、高画像濃度、低地カブ
リの高画質を長期にわたって実現するトナーを提供する
ことを目的としている。
【0047】また中間転写体を用いた電子写真方法で転
写時の中抜けや飛び散りを防止し、高転写効率が得られ
るトナーを提供することにある。
【0048】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のトナーは、以下のような構成である。
【0049】少なくとも結着樹脂、着色剤、内添剤、及
び外添剤とから構成されるトナーであって、結着樹脂
が、結着樹脂溶液中に植物系ワックスを添加して、脱溶
剤したものを主成分とし、植物系ワックスのDSCによ
る吸熱ピークが65〜90℃に存在し、220℃での加
熱減量が5重量%以下であることを特徴とするトナーで
ある。
【0050】また本発明は、トナー製造工程における微
粉分級工程で分離される分級微粉のガラス転移点Tg1
とトナーのガラス転移点Tg2との差の絶対値が2℃以
下であることを特徴とするトナーである。
【0051】また本発明は、少なくとも結着樹脂、着色
剤、内添剤、及び外添剤とから構成されるトナーであっ
て、結着樹脂が、結着樹脂溶液中に植物系ワックスを添
加して、脱溶剤したものを主成分とし、植物系ワックス
のDSCによる吸熱ピークが65〜90℃に存在し、2
20℃での加熱減量が5重量%以下であり、トナー製造
工程における微粉分級工程で発生する分級微粉のガラス
転移点Tg1とトナーのガラス転移点Tg2との差の絶
対値が2℃以下であることを特徴とするトナーである。
【0052】また本発明は、すくなくとも予備混合工程
と混練工程と微粉砕工程と微粉分級工程と、微粉分級工
程で分離される分級微粉の一部または全部を再度予備混
合工程あるいは混練工程に戻して再使用する工程と外添
工程とによって製造されるトナーであって、トナーが少
なくとも結着樹脂、着色剤、内添剤及び外添剤とから構
成され、DSCによる吸熱ピークが65〜90℃に存在
し、220℃での加熱減量が5重量%以下である植物系
ワックスを結着樹脂溶液中に添加して、脱溶剤したもの
を主成分とするトナーである。
【0053】また本発明は、すくなくとも予備混合工程
と混練工程と微粉砕工程と微粉分級工程と、微粉分級工
程で分離される分級微粉の一部または全部を再度予備混
合工程あるいは混練工程に戻して再使用する工程と外添
工程とによって製造されるトナーであって、トナーが少
なくとも結着樹脂、着色剤、内添剤及び外添剤とから構
成され、微粉分級工程で分離される分級微粉のガラス転
移点Tg1とトナーのガラス転移点Tg2との差の絶対
値が2℃以下であるトナーである。
【0054】また本発明は、すくなくとも予備混合工程
と混練工程と微粉砕工程と微粉分級工程と、微粉分級工
程で分離される分級微粉の一部または全部を再度予備混
合工程あるいは混練工程に戻して再使用する工程と外添
工程とによって製造されるトナーであって、トナーが少
なくとも結着樹脂、着色剤、内添剤及び外添剤とから構
成され、DSCによる吸熱ピークが65〜90℃に存在
し、220℃での加熱減量が5重量%以下である植物系
ワックスを結着樹脂溶液中に添加して、脱溶剤したもの
を主成分とし、微粉分級工程で分離される分級微粉のガ
ラス転移点Tg1とトナーのガラス転移点Tg2との差
の絶対値が2℃以下であるトナーである。
【0055】また本発明は、トナーが少なくとも結着樹
脂、着色剤、内添剤及び外添剤とから構成され、結着樹
脂が、結着樹脂溶液中に植物系ワックスを添加して、脱
溶剤したものを主成分とし、植物系ワックスのDSCに
よる吸熱ピークが65〜90℃に存在し、220℃での
加熱減量が5重量%以下であり、かつトナーのガラス転
移点が40〜50℃であることを特徴とするトナーであ
る。
【0056】さらに本発明は、トナーにより感光体上の
静電潜像を可視像化するた現像工程と、感光体上の可視
像化したトナーを転写紙に移す転写工程と、転写工程時
に一部感光体に残留するトナーを感光体から除去するク
リーニング工程と、クリーニング工程で除去された廃ト
ナーを再度現像工程に戻し再利用する廃トナーリサイク
ル工程とを少なくとも有する電子写真方法に使用される
ことを特徴とするトナーである。
【0057】さらに本発明は、像担持体上に形成した静
電潜像をトナーにより顕像化する現像工程と、トナーを
像担持体に当接した無端状の中間転写体に1次転写する
工程と、1次転写の工程を複数回動作させて転写トナー
重複像を形成する工程と、中間転写体上に形成した転写
トナー重複像を給紙側から搬送される受像紙に一括して
2次転写する工程とを少なくとも有する電子写真方法に
使用されることを特徴とするトナーである。
【0058】さらに本発明は、内添剤がすくなくともポ
リオレフィンから構成されることを特徴とするトナーで
ある。
【0059】さらに本発明は、植物系ワックスが、結着
樹脂溶液中の固形分100重量部あたり0.1〜10重
量部添加されることを特徴とするトナーである。
【0060】さらに本発明は、植物系ワックスが、カル
ナウバワックス、キャンデリラワックス、水素添加ホホ
バ油、またはライスワックスのうち少なくとも1種類か
らなることを特徴とするトナーである。
【0061】さらに本発明は、ポリオレフィンワックス
の添加量が結着樹脂100重量部あたり0.5〜6重量
部であることを特徴とするトナーである。
【0062】さらに本発明は、ポリオレフィンワックス
が、すくなくとも熱分解法により作成されたポリエチレ
ンワックスから構成され、25℃のトルエンで1時間洗
浄した場合の回収率が95%以上であり、ポリエチレン
ワックスの軟化点が80〜140℃、25℃での針入度
が8以下であることを特徴とするトナーである。
【0063】
【発明の実施の形態】本発明のトナーの結着樹脂には、
スチレンと、アクリル酸アルキルエステル及びメタクリ
ル酸アルキルエステル等のビニル系単量体を重合または
共重合したビニル系重合体が使用できる。この結着樹脂
を構成する単量体のスチレンとしては、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、P−クロルスチレン等のスチ
レン及びその置換体があり、アクリル酸アルキルエステ
ルとしては、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシ
ル、アクリル酸オクチル、アクリル酸イソブチル、アク
リル酸ヘキシルがあり、また、メタクリル酸アルキルエ
ステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸ドデシル、
メタクリル酸ヘキシルなどの二重結合を有するモノカル
ボン酸及びその置換体等がある。
【0064】この共重合体を用いるときは、スチレン系
成分を50〜95重量%含むことが好ましい。スチレン
の割合が50重量%未満であると、トナーの溶融特性が
劣り、トナーの定着性が不十分になるし、粉砕性が悪化
する。
【0065】これらの共重合体の製造には、塊状重合、
溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の重合法が用
いられる。
【0066】また、結着樹脂には、このような主要成分
以外に、必要に応じて、ポリエステル系樹脂、エポキシ
系樹脂、ポリウレタン系樹脂等、他の公知の重合体ある
いは共重合体を使用することもできる。
【0067】結着樹脂の、溶融時の粘性を示すメルトイ
ンデックス値は、150℃で4〜40g/10minで
あることが好ましい。結着樹脂のメルトインデックスが
4g/10min以下ではトナー製造時の粉砕性が悪
く、生産性が悪化する。40g/10min以上では結
着樹脂が溶融時に粘度低下し、混練力が作用しないため
ワックス成分を分散できず、キャリア表面、トナー担持
体表面に樹脂成分が固着し、トナー帯電量が低下する。
【0068】また結着樹脂は、紙への浸透力を高め、耐
高温オフセット性を維持するため、そして、混練工程時
のワックスや内添剤の分散性を向上させるため、軟化
点、重量平均分子量、数平均分子量と、低分子量成分及
び高分子量成分の組成比率を特定することが必要であ
る。
【0069】重量平均分子量Mwが10万以上、数平均
分子量Mnは2000以上2万以下が好ましい。重量平
均分子量が10万より小さいと、耐高温オフセット性が
悪化する。さらに、混練工程において十分な混練ストレ
スが加わらないため、結着樹脂中におけるワックスや内
添剤の分散性が悪化し、逆極性に帯電するトナーが増加
する。また、結着樹脂強度が低下するため粉砕工程時に
過粉砕されやすく、分級工程時に分離される分級微粉が
増加する。結着樹脂中での分散性が不十分であるため、
この時分離された分級微粉は、トナーと組成やガラス転
移点等の特性が大幅に異なる。
【0070】数平均分子量が2000以下では、トナー
は十分な強度を持たず、感光体上にフィルミングする。
2万より大きいと、定着性が劣る。
【0071】高分子量成分と低分子量成分の組成比(H
P/LP比)は10:90〜50:50が好ましい。結
着樹脂の軟化点は110〜160℃で、好ましくは11
0〜150℃、より好ましくは115〜140℃であ
る。110℃以下であると結着樹脂の強度が弱くなる。
160℃以上では定着性が悪化する。
【0072】本発明の結着樹脂溶液は、上記の結着樹脂
を次に示すような溶剤に溶解したものである。溶剤とし
ては、ベンゼン、トリオール、キシロール、シクロヘキ
サン、ソルベントナフサ等の炭化水素系溶剤、メタノー
ル、エタノール、iso-プロピルアルコール、n-ブチルア
ルコール、sec-ブチルアルコール、iso-ブチルアルコー
ル、アミルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコ
ール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、
酢酸エチル、n-酢酸ブチル、セロソルブアセテート等の
エステル系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール等のエーテ
ル系溶剤等が挙げられる。
【0073】本発明の脱溶剤とは、結着樹脂溶液を12
0〜250℃で常圧脱溶剤あるいは減圧脱溶剤する工程
をいう。結着樹脂やワックスの熱劣化の防止、脱溶剤の
効率の観点から、150〜220℃で減圧脱溶剤をおこ
なうことが好ましい。
【0074】結着樹脂溶液中に植物系ワックスを添加し
脱溶剤することによって、結着樹脂と植物系ワックスと
の相分離が抑制され相溶性が向上する。また、予備混合
工程で発生する植物系ワックスが核とした凝集が起こら
ないため、植物系ワックスの分散性が向上するととも
に、着色剤や他の内添剤の分散性も向上する。
【0075】結着樹脂溶液中に添加する植物系ワックス
は、DSCによる吸熱ピークが80〜86℃のカルナウ
バワックス、68〜72℃のキャンデリラワックス、6
6〜71℃の水素添加ホホバ油、または79〜83℃の
ライスワックスのうち少なくとも1種類から構成され
る。
【0076】さらに、植物系ワックスの220℃におけ
る加熱減量は5重量%以下である。加熱減量が5重量%
より大きい場合、結着樹脂溶液の脱溶剤工程において脱
溶剤が十分におこなわれず結着樹脂中に残留する。この
ため結着樹脂のガラス転移点を大きく低下させ、トナー
の貯蔵安定性を損なう。
【0077】植物系ワックスは、精製処理、脱色処理、
脱臭処理等をおこなってもよい。植物系ワックスは、結
着樹脂溶液中の固形分100重量部あたり0.1〜10
重量部添加される。0.1重量部以下では定着性の改善
が行えない。10重量部以上では結着樹脂溶液中で植物
系ワックスを良好に分散させることが困難である。
【0078】植物系ワックスは、トナーへの添加量の全
量を結着樹脂溶液中に添加してもよいし、一部を予備混
合工程で加えてもよい。結着樹脂溶液中にあらかじめ添
加した植物系ワックスにより、後で植物系ワックスを添
加し混練をおこなっても、呼び水効果によりワックスが
均一に分散する。
【0079】着色剤に用いる顔料または染料としては、
カーボンブラック、鉄黒、グラファイト、ニグロシン、
アゾ染料の金属錯体、フタロシアニンブルー、デュポン
オイルレッド、アニリンブルー、ベンジンイエロー、ロ
ーズベンガルやこれら等の混合物を使用することができ
る。
【0080】内添剤としては、ポリエチレンワックス
や、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリヘキセン等のポ
リオレフィンワックスを単体または混合して使用でき
る。
【0081】ポリオレフィンワックスの添加量は結着樹
脂100重量部あたり0.5〜6重量部である。0.5
重量部以下では添加効果が現れない。6重量部以上で
は、感光体上にフィルミングし、高湿環境下で感光体表
面抵抗が低下し静電潜像が保持できず、異常画像が発生
する。
【0082】ポリオレフィンワックスは、すくなくとも
熱分解法により作成されたポリエチレンワックスから構
成され、25℃のトルエンで1時間で洗浄した場合の回
収率が95%以上であり、軟化点が80〜140℃、2
5℃での針入度が8以下であるものが好ましい。これ
は、低軟化点特性によりワックスの溶融開始温度が低い
ため、定着画像表面にしみ出るワックス量が多く、トナ
ー定着性を改善する効果が高いことと、低沸点成分含有
量が少ないことによる耐感光体フィルミング特性とを併
せ持つ。ポリエチレンワックス作成時に熱分解反応を利
用するため、低沸点成分は気化し、ポリエチレンワック
ス中には含有されづらいためである。トルエンに溶融し
除去される物質は、ポリエチレンワックス中の低沸点成
分が大部分であると考えられるため、トルエン洗浄後の
回収率が高いポリエチレンワックスは、低沸点成分含有
量が少ないと言える。
【0083】ポリエチレンワックスの軟化点が80℃以
下ではトナーの保存性が低下する。また、キャリア表
面、トナー担持体表面にワックス成分が固着する。14
0℃以上ではトナー定着時に定着画像表面にしみ出さ
ず、定着性改善効果が小さい。
【0084】ポリエチレンワックスの25℃での針入度
が8以上であると、トナーの流動性を低下させ、均一帯
電が行えない。
【0085】また必要に応じて内添剤として磁性粉を添
加することもできる。磁性粉には、鉄、マンガン、ニッ
ケル、コバルト等の金属粉末や鉄、マンガン、ニッケ
ル、コバルト、亜鉛等のフェライト粉末等を用いる。粉
末の平均粒径は1μm以下、特に0.6μm以下である
ことが好ましい。
【0086】外添剤には、シリカ、アルミナ、チタニ
ア、ジルコニア、マグネシア、フェライト、マグネタイ
ト等の金属酸化物微粉末、タングステンカーバイドなど
の炭化物、その他窒化物、チタン酸バリウム、チタン酸
カルシウム、チタン酸ストロンチウム等のチタン酸塩、
ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、ジルコン
酸ストロンチウム等のジルコン酸塩あるいはこれらの混
合物が用いられる。外添剤は必要に応じて疎水化処理等
の表面処理を施しても良い。
【0087】本発明のトナーは、さらに必要に応じて内
添剤や外添剤として離型剤や、有機材料の微粉末等の流
動性補助剤、帯電補助剤、クリーニング補助剤を含める
ことができる。
【0088】本発明のトナーは以下の方法で製造され
る。トナーは予備混合、混練、微粉砕、微粉分級、外添
の各工程を経て製造される。
【0089】予備混合工程は、結着樹脂と着色剤、内添
剤とを撹拌羽根を具備したミキサー等により均一分散す
る処理であり、公知の処理方法が用いられる。
【0090】実施例では、ヘンシュルミキサーFM−2
0B(三井三池化工機社製)で混合処理を行っている。
【0091】混練工程は、混合処理された材料を加熱し
て、せん断力により結着樹脂に内添剤を分散させるもの
で、この混練には、三本ロール型、一軸スクリュウー
型、二軸スクリュウー型、バンバリーミキサー型等の混
練物を加熱してせん断力をかけて練る公知の加熱混練機
を用いることが出来る。実施例では、二軸混練機PCM
−30(池貝鉄工社製)を用いて混合物を加熱混練して
いる。
【0092】次いで、混練処理によって得られた塊をカ
ッターミル等で粗粉砕した後、微粉砕する。この微粉砕
工程には、ジェットミル粉砕機に代表される気流式粉砕
機やロータ式に代表される機械式粉砕機が使用できる。
【0093】更に分級機を用いて分級処理し、微粉粒子
を分離して、所望の粒度分布を得る。微粉分級には、回
転するロータの遠心力を利用して分級する機械式分級方
法を使用することもできる。実施例では、混練物をジェ
ットミル粉砕機IDS−2型(日本ニューマチック工業
社製)で微粉砕し、次いで微粉砕物を気流分級機DS−
2型(日本ニューマチック工業社製)を用いて分級し、
分級微粉を分離して、体積平均粒径8μmのトナー粒子
を得た。この段階で得られたものを完成品トナーと区別
するために、トナー母体と呼ぶこととする。
【0094】外添処理は、トナー母体に外添剤を加え、
混合する処理である。混合機は公知のミキサーが使用で
きる。
【0095】微粉分級工程で分離される分級微粉の一部
または全部を予備混合工程あるいは混練工程に戻して使
用することができる。分級微粉は予備混合性を向上させ
るためにペレット状に固化してもよい。固化にはローラ
コンパクタ等が使用できる。
【0096】本発明の実施例に用いられるキャリアは、
フェライト粒子表面に樹脂被覆層を設けることにより作
成される。フェライトは、Fe23を主原料に、Ni
O、CuO、CoO、MgO、ZnO、MnCO3、B
aCO3、SrCO3を混合して原料に用いる。
【0097】フェライト粒子は、湿式法、乾式法どちら
の方法で作成してもよいが、乾式法が一般的である。乾
式法では、原料を混合後仮焼成し、水中にてボールミル
等で微粉砕し、さらに結着剤としてPVA(ポリビニル
アルコール)、消泡剤、分散剤を加え造粒用スラリーと
する。このスラリーを噴霧乾燥機で加熱乾燥しながら造
粒し顆粒とし、本焼成する。本焼成は、900〜140
0℃で10〜30時間おこない、その後、解砕、分級し
てフェライト粒子を得る。
【0098】樹脂被覆層は、スプレー法、ディッピング
法等公知の方法が用いられる。被覆量は、キャリア粒子
重量の0.3〜1.2wt%である。
【0099】樹脂被覆層に用いる樹脂は、フッ素系樹脂
またはシリコーン系樹脂が用いられる。樹脂被覆層に含
有させるカーボンブラックは、種々の製法のカーボンブ
ラックが用いられるが、オイルファーネスカーボンやア
セチレンブラックが好ましい。またカーボンブラック表
面をグラフト化して用いたり、酸化処理して用いてもよ
い。
【0100】(実施の形態1)本発明に係るトナーは、
結着樹脂が、結着樹脂溶液中に植物系ワックスを添加し
て、脱溶剤したものを主成分とし、植物系ワックスのD
SCによる吸熱ピークが65〜90℃に存在し、220
℃での加熱減量が5重量%以下である構成である。
【0101】DSCによる吸熱ピークが65〜90℃に
存在する植物系ワックスは、低融点であるためトナーの
定着性向上に大きく寄与する。しかし、トナーの製造工
程における予備混合工程で、結着樹脂や着色剤、その他
の内添剤と同時に混合をおこなうと、植物系ワックスを
核とした凝集が発生しトナーの組成不均一が発生する。
この凝集はその後の混練工程においても解消することが
できない。よって、植物系ワックスを使用する構成で
は、混練工程以前の組成を均一化することが要求され
る。
【0102】本構成では、植物系ワックスを結着樹脂溶
液中で分散させ、その後脱溶剤するため、植物系ワック
スが結着樹脂中に均一に分散する。このため、植物系ワ
ックスを核とした凝集が発生せず、内添剤や着色剤の分
散不良に起因するトナーの帯電ムラが抑制できる。
【0103】植物系ワックスのDSCによる吸熱ピーク
が65℃以下の場合、トナーの熱的安定性が低下し貯蔵
安定性が悪化する。また90℃以上では、トナーの定着
性改善効果が小さい。
【0104】220℃での加熱減量が5重量%より大き
い場合、結着樹脂溶液からの脱溶剤工程において、十分
な脱溶剤が行えず、結着樹脂中に溶剤が残留する。この
ためトナーの環境安定性が低下し、高温高湿下で異常画
像が発生する。
【0105】(実施の形態2)本発明に係るトナーは、
トナー製造工程における微粉分級工程で分離される分級
微粉のガラス転移点Tg1とトナーのガラス転移点Tg
2との差の絶対値が2℃以下の構成である。
【0106】微粉分級工程で分離される分級微粉は、微
粉砕工程時に粉砕された微粉末のうち、体積平均粒径が
小さいものから構成される。微粉分級の目的は、トナー
流動性の低下やトナー飛散を誘引する微小粒子の除去で
ある。
【0107】トナー微粉砕時には、混練工程において結
着樹脂に熱溶融混練された着色剤や内添剤と結着樹脂と
の界面で粉砕がおこなわれる場合と結着樹脂の内部で粉
砕がおこなわれる場合があると考えられる。
【0108】結着樹脂の重量平均分子量が10万より小
さく混練工程で十分なストレスがかからない場合や、結
着樹脂に架橋成分を40重量%以上含有させた場合、あ
るいは予備混合工程での予備混合物の温度が結着樹脂の
ガラス転移点以上になった場合は、着色剤、内添剤と結
着樹脂との界面での密着性が良好でない。結着樹脂中の
架橋成分は高温域においても弾性を持つため、耐高温オ
フセット性を向上させるためには有効であるが、濡れ性
が悪い。
【0109】密着性が悪い場合や結着樹脂自身の組成不
均一などによって微粉砕工程においてトナーが粉砕され
る部分は変化し、その結果トナーと分級微粉の組成差が
発生する。
【0110】トナーのガラス転移点は、結着樹脂組成や
内添剤の添加量に影響される。つまり、分級微粉のガラ
ス転移点とトナーのガラス転移点との差は、トナーの組
成均一性を示しているといえる。
【0111】分級微粉のガラス転移点Tg1とトナーの
ガラス転移点Tg2との差の絶対値が2℃より大きい場
合、トナーの組成不均一のため逆極性に帯電したトナー
が多く、地カブリが多い劣悪な画像となってしまう。
【0112】(実施の形態3)本発明に係るトナーは、
結着樹脂が、結着樹脂溶液中に植物系ワックスを添加し
て脱溶剤したものを主成分とし、植物系ワックスのDS
Cによる吸熱ピークが65〜90℃に存在し、220℃
での加熱減量が5重量%以下であり、トナー製造工程に
おける微粉分級工程で発生する分級微粉のガラス転移点
Tg1とトナーのガラス転移点Tg2との差の絶対値が
2℃以下である構成である。
【0113】DSCによる吸熱ピークが65〜90℃に
存在する植物系ワックスは、低融点であるためトナーの
定着性向上に大きく寄与する。また、低融点の植物系ワ
ックスは結着樹脂との相溶性が比較的高く、結着樹脂の
ガラス転移点に影響する。
【0114】本構成では、植物系ワックスを結着樹脂溶
液中で分散させ、その後脱溶剤するため、植物系ワック
スが結着樹脂中に均一に分散する。このため、植物系ワ
ックスを核とした凝集が発生せず、内添剤や着色剤の分
散不良に起因するトナーの帯電ムラが抑制できる。
【0115】さらに、本構成はトナー製造工程における
微粉分級工程で分離される分級微粉のガラス転移点Tg
1とトナーのガラス転移点Tg2との差の絶対値が2℃
以下の構成である。このため、トナー微粉砕工程におい
てもトナーの組成ムラが発生することなしに微粉砕がお
こなわれ、均一な組成のトナーを得ることができる。
【0116】植物系ワックスのDSCによる吸熱ピーク
が65℃以下の場合、トナーの熱的安定性が低下し貯蔵
安定性が悪化する。また90℃以上では、トナーの定着
性改善効果が小さい。
【0117】220℃での加熱減量が5重量%より大き
い場合、結着樹脂溶液からの脱溶剤工程において、十分
な脱溶剤が行えず、結着樹脂中に溶剤が残留する。この
ためトナーの環境安定性が低下し、高温高湿下で異常画
像が発生する。
【0118】分級微粉のガラス転移点Tg1とトナーの
ガラス転移点Tg2との差の絶対値が2℃より大きい場
合、植物系ワックスがトナー中に不均一に分布するた
め、感光体上にフィルミングが発生し、さらに逆極性に
帯電したトナーが多く、地カブリが多い劣悪な画像とな
ってしまう。
【0119】(実施の形態4)本発明に係るトナーは、
すくなくとも予備混合工程と混練工程と微粉砕工程と微
粉分級工程と、微粉分級工程で分離される分級微粉の一
部または全部を再度予備混合工程あるいは混練工程に戻
して再使用する工程と外添工程とによって製造され、少
なくとも結着樹脂、着色剤、内添剤及び外添剤とから構
成され、DSCによる吸熱ピークが65〜90℃に存在
し、220℃での加熱減量が5重量%以下である植物系
ワックスを結着樹脂溶液中に添加して、脱溶剤したもの
を主成分とする構成である。
【0120】分級微粉は、トナーと組成や分散性が異な
っている。予備混合工程において植物系ワックスを核と
した凝集が発生しやすいため、この分散が異なる傾向は
植物系ワックスを添加した構成において顕著である。そ
のため、再度予備混合工程あるいは混練工程に戻して使
用すると、当初設定した組成と異なったトナーが製造さ
れるため、十分な特性が発揮されない。
【0121】本発明のトナーは、結着樹脂が結着樹脂溶
液中に植物系ワックスを添加して脱溶剤したものを主成
分としているため、予備混合工程における植物系ワック
スを核とした凝集が発生せず、分級微粉の組成や分散性
はトナーとほぼ同一である。このため、分級微粉を再度
予備混合工程あるいは混練工程に戻して使用しても、ト
ナーの組成や分散性は変化しない。
【0122】植物系ワックスのDSCによる吸熱ピーク
が65℃以下では、結着樹脂に結着樹脂溶液中に植物系
ワックスを添加して脱溶剤したものを主成分としてもち
いても、結着樹脂中における分散性が悪く、分級微粉を
再度戻した際のトナー分散性が低下する。90℃以上で
は、定着性の改善効果が見られない。
【0123】220℃での加熱減量が5重量%より大き
い場合も、結着樹脂中における分散性が悪く、分級微粉
を再度戻した際のトナー分散性が低下する。
【0124】(実施の形態5)本発明に係るトナーは、
すくなくとも予備混合工程と混練工程と微粉砕工程と微
粉分級工程と、微粉分級工程で分離される分級微粉の一
部または全部を再度予備混合工程あるいは混練工程に戻
して再使用する工程と外添工程とによって製造されるト
ナーであって、トナーが少なくとも結着樹脂、着色剤、
内添剤及び外添剤とから構成され、微粉分級工程で分離
される分級微粉のガラス転移点Tg1とトナーのガラス
転移点Tg2との差の絶対値が2℃以下である構成であ
る。
【0125】トナーや分級微粉のガラス転移点は、組成
や内添剤の分散に影響される。ガラス転移点差が大きい
分級微粉を再度予備混合工程あるいは混練工程に戻して
使用すると、トナーの組成や内添剤の分散状態が変化
し、逆極性に帯電したトナーが増加する。
【0126】本発明のトナーは、分級微粉のガラス転移
点Tg1とトナーのガラス転移点Tg2との差の絶対値
が2℃以下であるため、トナーと分級微粉の組成や内添
剤の分散状態がほぼ同一である。このため、分級微粉を
再度予備混合工程あるいは混練工程に戻して使用して
も、トナーの組成や内添剤の分散状態は変化せず、逆極
性トナーの増加もない。
【0127】(実施の形態6)本発明に係るトナーは、
すくなくとも予備混合工程と混練工程と微粉砕工程と微
粉分級工程と、微粉分級工程で分離される分級微粉の一
部または全部を再度予備混合工程あるいは混練工程に戻
して再使用する工程と外添工程とによって製造されるト
ナーであって、トナーが少なくとも結着樹脂、着色剤、
内添剤及び外添剤とから構成され、DSCによる吸熱ピ
ークが65〜90℃に存在し、220℃での加熱減量が
5重量%以下である植物系ワックスを結着樹脂溶液中に
添加して、脱溶剤したものを主成分とし、微粉分級工程
で分離される分級微粉のガラス転移点Tg1とトナーの
ガラス転移点Tg2との差の絶対値が2℃以下である構
成である。
【0128】DSCによる吸熱ピークが65〜90℃に
存在する植物系ワックスは、低融点であるためトナーの
定着性向上に大きく寄与する。また、低融点の植物系ワ
ックスは結着樹脂との相溶性が比較的高く、結着樹脂の
ガラス転移点に影響する。このため、分散性が悪いと分
級微粉のガラス転移点がトナーと大きく異なり、再度予
備混合工程あるいは混練工程に戻した場合、トナー中で
の植物系ワックスの分散状態が悪化する。
【0129】本構成では、植物系ワックスを結着樹脂溶
液中で分散させ、その後脱溶剤するため、植物系ワック
スが結着樹脂中に均一に分散する。このため、植物系ワ
ックスを核とした凝集が発生せず、内添剤や着色剤の分
散不良に起因するトナーの帯電ムラが抑制できる。
【0130】さらに、本構成はトナー製造工程における
微粉分級工程で分離される分級微粉のガラス転移点Tg
1とトナーのガラス転移点Tg2との差の絶対値が2℃
以下の構成である。このため、トナー微粉砕工程におい
てもトナーの組成ムラが発生することなしに微粉砕がお
こなわれ、均一な組成のトナーを得ることができる。
【0131】植物系ワックスのDSCによる吸熱ピーク
が65℃以下の場合、トナーの熱的安定性が低下し貯蔵
安定性が悪化する。また90℃以上では、トナーの定着
性改善効果が小さい。
【0132】220℃での加熱減量が5重量%より大き
い場合、結着樹脂溶液からの脱溶剤工程において、十分
な脱溶剤が行えず、結着樹脂中に溶剤が残留する。この
ためトナーの環境安定性が低下し、高温高湿下で異常画
像が発生する。
【0133】分級微粉のガラス転移点Tg1とトナーの
ガラス転移点Tg2との差の絶対値が2℃より大きい場
合、分級微粉中での植物系ワックスの分散状態が不均一
なため、再度使用すると、予備混合工程や混練工程にお
いて不均一に分布した植物系ワックスを核とした凝集が
発生する。このため感光体上にフィルミングが発生し、
さらに逆極性に帯電したトナーが多く、地カブリが多い
劣悪な画像となってしまう。
【0134】(実施の形態7)本発明に係るトナーは、
少なくとも結着樹脂、着色剤、内添剤及び外添剤とから
構成され、結着樹脂が、結着樹脂溶液中に植物系ワック
スを添加して、脱溶剤したものを主成分とし、植物系ワ
ックスのDSCによる吸熱ピークが65〜90℃に存在
し、220℃での加熱減量が5重量%以下であり、トナ
ーのガラス転移点が40〜50℃である構成である。
【0135】トナーの定着性を向上させるために結着樹
脂のガラス転移点を低下させて、トナーのガラス転移点
を低下させることは従来からおこなわれてきた。しか
し、トナーのガラス転移点が50℃以下では、トナーの
貯蔵安定性を満たすことは困難であった。
【0136】本構成では、植物系ワックスのDSCによ
る吸熱ピークが65〜90℃に存在する。このため、植
物系ワックスが結着樹脂中に相溶し、トナーのガラス転
移点を低下させトナー定着性が向上する。この場合、結
着樹脂のガラス転移点自体は変化させないため、定着性
と貯蔵安定性の両立が可能となる。
【0137】また、結着樹脂が、結着樹脂溶液中に植物
系ワックスを添加して、脱溶剤したものを主成分とする
ため、植物系ワックスが均一に結着樹脂中に相溶する。
よってトナーの組成バラツキがなく、遊離した植物系ワ
ックスに起因する貯蔵安定性が悪化することもない。
【0138】トナーのガラス転移点が40℃以下では、
貯蔵安定性が悪化する。50℃以上では定着性の改善効
果が見られない。
【0139】(実施の形態8)本発明に係るトナーが用
いられる電子写真方法は、トナーにより感光体上の静電
潜像を可視像化する現像工程と、感光体上の可視像化し
たトナーを静電力で転写紙に移す転写工程と、転写工程
時に一部感光体に残留するトナーを感光体から除去する
クリーニング工程と、クリーニング工程で除去された廃
トナーを再度現像工程に戻し再利用する廃トナーリサイ
クル工程とを、少なくとも有する構成である。
【0140】そのため、リサイクルによってトナーが変
質せず、帯電量や流動性が変化しないことが要求され
る。
【0141】本発明のトナーは、植物系ワックスや内添
剤が均一に分散しているため、逆極性に帯電するトナー
が少なく、本質的に廃トナーが少ない。さらに、廃トナ
ーを再度現像工程に戻し再利用する廃トナーリサイクル
をおこなってもトナーの組成変化がなく、良好な画質を
維持できる。
【0142】また、植物系ワックスや内添剤が均一に分
散しているため、廃トナーリサイクル工程において、ワ
ックスや内添剤のトナーからの遊離がなく、流動性低下
がなく感光体へのフィルミングも回避できる。
【0143】(実施の形態9)本発明のトナーが用いら
れる電子写真方法は、像担持体上に形成した静電潜像を
トナーにより顕像化する現像工程と、トナーを像担持体
に当接した無端状の中間転写体に1次転写する工程と、
1次転写の工程を複数回動作させて転写トナー重複像を
形成する工程と、中間転写体上に形成した転写トナー重
複像を給紙側から搬送される受像紙に一括して2次転写
する工程とから構成される。
【0144】中間転写体を使用する構成では、トナー流
動性が高く安定していることが要求される。本発明のト
ナーは、植物系ワックスや内添剤が均一にトナー中に分
散しているため、使用中にトナーから遊離する事がな
い。このため、流動性が低下せず転写効率が向上する。
特にトナーの凝集効果によって画像の一部が転写されず
に穴となる”中抜け”現象が減少する。遊離したトナー
成分を核としたトナーの凝集が緩和されたためと推察で
きる。
【0145】
【実施例】
(実施例1)本発明のトナーが用いられる電子写真方法
の一実施例の電子写真装置は、市販の複写機(FP−4
080、松下電器産業(株))の改造機を用いて行っ
た。本実施例では、現像方式に二成分現像方式を用いて
いるが、本発明はこれに限定されるものではなく、一成
分現像方式も用いることが出来る。
【0146】実施例では、(表1)に示す結着樹脂、
(表2)に示すワックス、(表3)に示す材料を用いト
ナーを試作した。
【0147】
【表1】
【0148】
【表2】
【0149】
【表3】
【0150】なお、(表3)において、添加量は重量部
を表している。また、外添剤添加量はトナー母体100
重量部に対する値である。
【0151】結着樹脂の軟化点は、島津製作所のフロー
テスタ(CFT−500)により、1cm3の試料を昇
温速度6℃/分で加熱しながらプランジャーにより20
kg/cm2の荷重を与え、直径1mm、長さ1mmの
ノズルを押し出すようにする。このプランジャーの降下
量と昇温温度特性との関係から、その特性線の1/2に
対する温度を軟化点としている。
【0152】樹脂の分子量重量平均分子量は、数種の単
分散ポリスチレンを標準サンプルとするゲル・パーミエ
ーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定し
た値を用いる。温度25℃においてテトラヒドロフラン
を溶媒として毎分1mlの流速で流し、これに濃度0.
5g/dlのテトラヒドロフラン試料溶液を、試料重量
で10mg注入して測定する。測定条件として対象試料の
分子量分布が、数種の単分散ポリスチレン標準試料によ
り得られる検量線における分子量の対数とカウント数が
直線となる範囲内に包含される条件を選択する。また、
HP/LP比は、結着樹脂の分子量分布曲線において、
高分子量側のピークを有する山と、低分子量側のピーク
を有する山との間の谷を境にしてHP側/LP側を区別
し決定する。
【0153】メルトインデックス値は、一定荷重、一定
温度下で一定時間にオリフィスから流出した結着樹脂重
量を示している。実験ではメルトインデクサーを用い、
150℃、2160gの荷重下で10分間に流出したも
のをメルトインデックス値として、JIS K 676
0に準拠して測定した。メルトインデックスが大きいと
いうことは、当該温度において樹脂が流れやすいことを
示しており、定着性の一指標といえる。
【0154】ガラス転移温度(Tg)とDSC吸熱ピーク
温度は示差走査熱量計(DSC−50、島津製作所製)
を用い、一度150℃まで昇温し、7.5℃/minで
冷却する際のDSC曲線から測定した。
【0155】220℃での加熱減量は、熱天秤(TA−
50、島津製作所製)を用い、試料を10℃/minで
220℃まで昇温し、60min保持した際の質量変化
から測定した。
【0156】ワックスの軟化点は、ワックスが溶融状態
になる温度の指標として、JISK 2207−6.4
−93に準拠して測定した。
【0157】針入度は、ワックスの常温での硬さを示す
指標としてJIS K 2235−6.3−93に準拠
して25℃にて測定した。
【0158】トルエン洗浄での回収率は、以下のように
して測定した。25℃のトルエン1000ml中にワッ
クスを100g投入し、1時間攪拌した後、全量を濾紙
で濾過した。濾紙上の抽出残分は室温で十分乾燥させ、
洗浄前後の重量を測定し回収率を計算した。
【0159】(表4)に(表3)の各トナーの物性値を
示す。
【0160】
【表4】
【0161】なお、(表4)において、静かさ密度は、
トナーの流動性を定義するものであり、この値が大きい
ことは流動性が高いことを表している。静かさ密度の測
定は、ホソカワミクロン社製パウダーテスタPT−E型
を使用した。
【0162】また、帯電量はブローオフ法で測定した。
測定サンプルは、キャリアにDBP吸油量360ml/
100g、比表面積800m2/g、PH8のカーボン
ブラックを含有したシリコーン樹脂で被覆した平均粒径
80μmで体積抵抗3×10 8ΩcmのCu−Zn−F
23粒子を使用し、トナー濃度が3.5%となるよう
にトナーを混合し、100mlのポリエチレンボトルに
入れ、回転数60rpmで10min間撹拌したものを
使用した。
【0163】DBP吸油量は、150℃±1℃で1時間
乾燥した試料20gをアブソープトメータ(Brabe
nder社製、スプリング張力2.68kg/cm)の
混合室に投入し、予めリミットスイッチを最大トルクの
約70%に設定した後、混合機を回転する。同時に、自
動ビューレットからDBP(比重1.045〜1.05
0g/cm3)を4ml/minの割合で添加する。終
点近くになるとトルクが急速に増加してリミットスイッ
チが切れる。それまでに添加したDBP量と試料重量か
ら試料100gあたりのDBP吸油量が求められる。
【0164】PHは、試量10gに蒸留水100mlを
加え、ホットプレート上で10分間煮沸し、室温まで冷
却した後、上澄みを除去分離し、泥状物のPHをガラス
電極PHメーターで測定した。
【0165】キャリアの体積抵抗は、大きさ2×1cm
の電極を間隔2mmで対向させた間に、サンプルキャリ
アを0.2g投入し、電極の外側で対向させた磁石によ
り電極間でブリッジを形成させ、電極に1000Vを印
可し測定した。
【0166】保存性は、トナーを50℃、50%RH環
境下に24時間放置し、その前後でのトナー凝集性を官
能評価した。
【0167】各種のトナーを用いて、複写テストを実施
し、複写画像を評価した。(表5)に(表3)の各トナ
ーの画像評価結果、定着性を示す。
【0168】
【表5】
【0169】画像濃度は反射濃度計(マクベス社)で測
定し、評価を行なった。トナー定着性は、画像濃度1.
0の定着サンプル画像をFP−4080改造機(プロセ
ススピード350mm/s)で連続5枚出力し、こすり
試験を行うことによって、定量化した。こすり試験は、
平滑なガラス板上に測定画像サンプルを置き、70g/
cm2の荷重を印加した不織布(商品名ベンコット、旭
化成製)で10往復擦過することによって行い、擦過前
後の画像濃度維持率を定着性とした。
【0170】トナーA1、A2、A3を用いた場合は、
初期の複写画像には横線の乱れやトナーの飛び散りなど
がなく、画像濃度1.4以上の高濃度のベタ黒画像が均
一に得られた。非画像部の地カブリは発生していない。
150k枚の連続印字試験においても初期画像品質を維
持した。しかしトナーサンプルB1では分散不良に起因
すると思われる地かぶりが増大した。トナーサンプルB
2ではトナー流動性が低く、感光体フィルミングが発生
した。
【0171】(実施例2)本発明のトナーが用いられる
電子写真方法の一実施例の電子写真装置は、市販の複写
機(FP−4080、松下電器産業(株))に廃トナー
リサイクル機構を付加した改造機を用いて行った。現像
剤は、キャリアにシリコーン樹脂コートした平均粒径8
0μmのCu−Zn−Fe23粒子を使用し、トナー濃
度が3.5%となるようにトナーを混合し、ポリエチレ
ンボトルに入れ、回転数60rpmで20min間撹拌
したものを使用した。
【0172】トナーA1、A2、A3を用いた場合は、
初期の複写画像には横線の乱れやトナーの飛び散りなど
がなく、画像濃度1.4以上の高濃度のベタ黒画像が均
一に得られた。非画像部の地カブリは発生していない。
廃トナーリサイクルを行った150k枚の連続印字試験
においても、安定したリサイクルが行え初期画像品質を
維持した。
【0173】(実施例3)(表3)に示したトナーの製
造工程における微粉分級工程で分離された分級微粉を、
予備混合工程に戻し、その後の工程は(実施例1)と同
様にしてトナーを試作した。戻し量は、結着樹脂100
重量部あたり30重量部とした。
【0174】トナーA1、A2、A3については、分級
微粉を戻して試作したトナーもほぼ同等の特性を示し、
横線の乱れやトナーの飛び散りなどがなく、画像濃度
1.4以上の高濃度のベタ黒画像が均一に得られた。非
画像部の地カブリは発生していない。さらに廃トナーリ
サイクルを行った150k枚の連続印字試験において
も、安定したリサイクルが行え初期画像品質を維持し
た。
【0175】しかし、トナーB1、B2は分級微粉を戻
して試作したトナーの帯電量が低く、非画像部の地カブ
リが非常に多い劣悪な画像が得られた。
【0176】(実施例4)本発明のトナーが用いられる
電子写真方法の一実施例の電子写真装置は、市販の複写
機(PD−3018、松下電器産業(株))の改造機を
用いて行った。本実施例では、現像方式に二成分現像方
式を用いているが、本発明はこれに限定されるものでは
なく、一成分現像方式も用いることが出来る。
【0177】実施例では、(表1)に示す結着樹脂、
(表2)に示すワックス、(表6)に示す材料を用いト
ナーを試作した。
【0178】
【表6】
【0179】なお、(表6)において、添加量は重量部
を表している。なお、外添剤添加量はトナー母体100
重量部に対する値である。
【0180】(表7)、(表8)に(表6)の各トナー
の物性値、画像評価結果、定着性を示す。
【0181】
【表7】
【0182】
【表8】
【0183】トナーA4、A5、A6を用いた場合は、
初期の複写画像には横線の乱れやトナーの飛び散りなど
がなく、高解像度な画像と画像濃度1.35以上の高濃
度のベタ黒画像が均一に得られた。非画像部の地カブリ
は発生していない。150k枚の連続印字試験において
もトナー飛散や機内汚れの発生なしに初期画像品質を維
持した。
【0184】(実施例5)図1に本発明の電子写真方法
の一実施例の電子写真装置の断面図を示す。
【0185】カラー像形成時の動作を説明する。201
はカラー電子写真プリンタの外装筐であり、図面右端面
側が前面である。201Aはプリンタ前面板であり、該
前面板はプリンタ外装筐201に対して下辺側のヒンジ
軸201Bを中心に点線表示のように倒し開き操作、実
線表示のように起こし閉じ操作自由である。プリンタ内
に対する中間転写ベルトユニット202の着脱操作や紙
詰まり時などのプリンタ内部点検保守等は前面板201
Aを倒し開いてプリンタ内部を大きく解放することによ
り行われる。この中間転写ベルトユニット202の着脱
動作は、感光体の回転軸母線方向に対し垂直方向になる
ように設計されている。
【0186】中間転写ベルトユニット202の構成を図
3に示す。中間転写ベルトユニット202はユニットハ
ウジング202aに、転写ベルト203、導電性弾性体
よりなる第1転写ローラ204、アルミローラよりなる
第2転写ローラ205、転写ベルトの張力を調整するテ
ンションローラ206、転写ベルト上に残ったトナー像
をクリーニングするベルトクリーナローラ207、クリ
ーナローラ207上に回収したトナーをかきおとすスク
レーパ208、回収したトナーを溜おく廃トナー溜め2
09aおよび209b、転写ベルトの位置を検出する位
置検出器210を内包している。この中間転写ベルトユ
ニット202は、図1においてプリンタ前面板201A
を点線のように倒し開いてプリンタ外装筐201内の所
定の収納部に対して着脱自在である。
【0187】中間転写ベルト203は、絶縁性樹脂中に
導電性のフィラーを混練して押出機にてフィルム化して
用いる。本実施例では、絶縁性樹脂としてポリカーボネ
ート樹脂(例えば三菱ガス化学製ユーピロンZ300)
95部に、導電性カーボン(例えばケッチェンブラッ
ク)5部を加えてフィルム化したものを用いた。表面に
弗素樹脂をコートした。フィルムの厚みは約350μ
m、抵抗は約107〜108Ω・cmであった。
【0188】この転写ベルトを、厚さ100μmのエン
ドレスベルト状の半導電性のウレタンを基材としたフィ
ルムよりなり、周囲に107Ω・cmの抵抗を有するよう
に低抵抗処理をしたウレタンフォームを成形した第1転
写ローラ204、第2転写ローラ205およびテンショ
ンローラ206に巻回し、矢印方向に移動可能に構成さ
れる。ここで、転写ベルトの周長は、最大用紙サイズで
あるA4用紙の長手方向の長さ(298mm)に、後述
する感光体ドラム(直径30mm)の周長の半分より若
干長い長さ(62mm)を足した360mmに設定して
いる。
【0189】中間転写ベルトユニット202がプリンタ
本体に装着されたときには、第1転写ローラ204は、
中間転写ベルト203を介して感光体211(図3に図
示)に約1.0kgの力で圧接され、また、第2転写ロ
ーラ205は、中間転写ベルト203を介して上記の第
1転写ローラ204と同様の構成の第3転写ローラ21
2(図3に図示)に圧接される。この第3転写ローラは
中間転写ベルト203に従動回転可能に構成している。
【0190】クリーナローラ207は、中間転写ベルト
203を清掃するベルトクリーナ部のローラである。こ
れは、金属性のローラにトナーを静電的に吸引する交流
電圧を印加する構成である。なお、このクリーナローラ
7はゴムブレードや電圧を印加した導電性ファーブラシ
であってもよい。
【0191】再び、図1に戻る。プリンタ中央には黒、
シアン、マゼンタ、イエロの各色用の4組の扇型をした
像形成ユニット217Bk、217Y、217M、21
7Cが像形成ユニット群218を構成し、図のように円
環状に配置されている。各像形成ユニットは、図1のプ
リンタ上面板201Cをヒンジ軸201Dを中心に開い
て像形成ユニット群218の所定の位置に着脱自在であ
る。像形成ユニット217はプリンタ内に正規に装着さ
れることにより、像形成ユニット側とプリンタ側の両者
側の機械的駆動系統・電気回路系統が相互カップリング
部材(不図示)を介して結合して機械的・電気的に一体
化する。
【0192】円環状に配置されている像形成ユニット2
17Bk、217C、217M、217Yは支持体(図
示せず)に支持されており、全体として移動手段である
移動モータ219に駆動され、固定されて回転しない円
筒状の軸220の周りに回転移動可能に構成されてい
る。各像形成ユニットは、回転移動によって順次前述の
中間転写ベルト203を支持する第2転写ローラ204
に対向した像形成位置221に位置することができる。
像形成位置221は信号光222による露光位置でもあ
る。
【0193】各像形成ユニットは、中に入れた現像剤を
除きそれぞれ同じ構成部材よりなるので、説明を簡略化
するため黒用の像形成ユニット217Bkについて説明
し、他色については省略する。なお、各色用について、
同じ部分には同じ符号を付し、各色の構成の区別をつけ
る必要がある場合は、符号に各色を示す文字を付す。
【0194】現像は二成分現像剤で、キャリアはシリコ
ーン樹脂コートしたCu−Zn−Fe23粒子を使用し
た。
【0195】再び図1に戻り説明する。235はプリン
タ外装筐1内の下側に配設したレーザビームスキャナ部
であり、半導体レーザ、スキャナモータ235a、ポリ
ゴンミラー235b、レンズ系235c等から構成され
ている。該スキャナ部235からの画像情報の時系列電
気画素信号に対応した画素レーザ信号光222は図1の
像形成ユニット217Bkと217Yの間に構成された
光路窓口236を通って、軸220の一部に開けられた
窓237を通して軸220内の固定されたミラー238
に入射し、反射されて像形成位置221にある像形成ユ
ニット217Bkの露光窓225から像形成ユニット2
17Bk内にほぼ水平に進入し、像形成ユニット内に上
下に配設されている現像剤溜め226とクリーナ234
との間の通路を通って感光体ドラム211の左側面の露
光部に入射し母線方向に走査露光される。
【0196】ここで光路窓口236からミラー238ま
での光路は両隣の像形成ユニット217Bkと217Y
とのユニット間の隙間を利用しているため、像形成ユニ
ット群218には無駄になる空間がほとんど無い。ま
た、ミラー238は像形成ユニット群218の中央部に
設けられているため、固定された単一のミラーで構成す
ることができ、シンプルでかつ位置合わせ等が容易な構
成である。
【0197】212はプリンタ前面板201Aの内側で
給送ローラ239の上方に配設した第3転写ローラであ
り、中間転写ベルト203と第3転写ローラ212との
圧接されたニップ部には、プリンタ前面板201Aの下
部に設けた紙給送ローラ239により用紙が送られてく
るように用紙搬送路が形成されている。
【0198】240はプリンタ前面板201Aの下辺側
に外方に突出させて設けた給紙カセットであり、複数の
紙Sを同時にセットできる。241aと241bとは紙
搬送タイミングローラ、242a・242bはプリンタ
の内側上部に設けた定着ローラ対、243は第3転写ロ
ーラ212と定着ローラ対242a・242b間に設け
た紙ガイド板、244a・244bは定着ローラ対24
2a・242bの紙出口側に配設した紙排出ローラ対、
245は定着ローラ242aに供給するシリコーンオイ
ル246を溜める定着オイル溜め、247はシリコーン
オイル246を定着ローラ242aに塗布するオイル供
給ローラである。以上が本発明の電子写真装置の主要構
成の説明である。
【0199】本発明のトナーが用いられる電子写真装置
では、各像形成ユニット、中間転写ベルトユニットに
は、廃トナー溜めを設けている。本発明のトナーを用い
れば高効率の転写率のため、ほとんど廃トナーは生じな
いため、その容積は非常に小さくできる。
【0200】最初、像形成ユニット群218は図1に示
す位置にあり、黒の像形成ユニット217Bkが図示の
ように像形成位置221にある。このとき感光体211
は中間転写ベルト203を介して第1転写ローラ204
に対向接触している。
【0201】像形成工程により、レーザ露光装置235
により黒の信号光が像形成ユニット217Bkに入力さ
れ、黒トナーによる像形成が行われる。この時像形成ユ
ニット217Bkの像形成の速度(感光体の周速に等し
い60mm/s)と中間転写ベルト203の移動速度は
同一になるように設定されており、像形成と同時に第1
転写ローラ204の作用で、黒トナー像が中間転写ベル
ト203に転写される。このとき第1転写ローラには+
1kVの直流電圧を印加した。黒のトナー像がすべて転
写し終わった直後に、像形成ユニット217Bk、21
7C、217M、217Yは像形成ユニット群218と
して全体が移動モータ219に駆動されて図1矢印方向
に回転移動し、ちょうど90度回転して像形成ユニット
217Cが像形成位置221に達した位置で止まる。こ
の間、像形成ユニットの感光体以外のトナーホッパ22
6やクリーナ234の部分は感光体211先端の回転円
弧より内側に位置しているので、中間転写ベルト203
が像形成ユニットに接触することはない。
【0202】像形成ユニット217Cが像形成位置22
1に到着後、前と同様に今度はシアンの信号でレーザ露
光装置235が像形成ユニット217Cに信号光を入力
しシアンのトナー像の形成と転写が行われる。このとき
までに中間転写ベルト203は一回転し、前に転写され
た黒のトナー像に次のシアンのトナー像が位置的に合致
するように、シアンの信号光の書き込みタイミングが制
御される。この間、第3転写ローラ212とクリーナロ
ーラ207とは中間転写ベルト203から少し離れてお
り、転写ベルト上のトナー像を乱さないように構成され
ている。
【0203】以上と同様の動作を、マゼンタ、イエロに
ついても行い、中間転写ベルト203上には4色のトナ
ー像が位置的に合致して重ね合わされカラー像が形成さ
れた。最後のイエロトナー像の転写後、4色のトナー像
はタイミングを合わせて給紙カセット240から送られ
る用紙に、第3転写ローラ212の作用で一括転写され
た。このとき第2転写ローラ205は接地し、第3転写
ローラ212には+1.5kVの直流電圧を印加した。
用紙に転写されたトナー像は定着ローラ対242a・2
42bにより定着された。用紙はその後排出ローラ対2
44a・244bを経て装置外に排出された。中間転写
ベルト203上に残った転写残りのトナーは、クリーナ
ローラ207の作用で清掃され次の像形成に備えた。
【0204】次に単色モード時の動作を説明する。単色
モード時は、まず所定の色の像形成ユニットが像形成位
置に移動する。次に前と同様に所定の色の像形成と中間
転写ベルト203への転写を行い、今度は転写後そのま
ま続けて、次の第3転写ローラ212により給紙カセッ
ト240から送られてくる用紙に転写をし、そのまま定
着した。
【0205】なお以上の実施例では、像形成ユニットの
構造として特定のものを用いたが、他にコンベンショナ
ルな現像法を用いた構造の像形成ユニットの場合でも、
本発明の本質と作用効果は変わることがない。
【0206】トナーのイエロー着色剤としては、ベンジ
ジン系黄色顔料、フォロンイエロー、アセト酢酸アニリ
ド系不溶性アゾ顔料、モノアゾ染料等がある。
【0207】マゼンタ着色剤としては、2,9−ジメチ
ルキナクリドン、ナフトール系不溶性アゾ顔料、アント
ラキノン系染料、ナフロール系不溶性アゾ顔料等があ
る。
【0208】(表9)に本実施例で使用したカラートナ
ーの組成を示す。
【0209】
【表9】
【0210】結着樹脂は(表1)で示した樹脂r−2を
使用した。電荷制御剤として酸価20のポリエステル樹
脂を20重量部添加した。酸価は5〜40が好ましい。
添加量は結着樹脂100重量部に対して5〜45重量部
が好ましい。
【0211】トナー帯電量は、各トナーとも−15〜−
18μC/gであった。また、分級微粉とトナーのガラ
ス転移点の差は0.5〜0.7℃であった。
【0212】図1示した電子写真装置を用いて、本発明
のトナーで複写テストを行った。その結果、横線の乱れ
やトナーの飛び散り、文字の中抜けなどがなくベタ黒画
像が均一で濃度が1.4の16本/mmの画線をも再現
した極めて高解像度高画質の画像が得られた。画像濃度
1.4以上の高濃度の画像が得られた。非画像部の地か
ぶりは発生していない。
【0213】また1万枚の長期耐久テストに於いても、
流動性、画像濃度とも変化が少なく安定した特性を示し
ている。また転写においても中抜けは実用上問題ないレ
ベルであり転写効率は90%であった。感光体、中間転
写ベルトへのトナーのフィルミングの発生は実用上問題
ないレベルであった。
【0214】
【発明の効果】以上のように本発明は、物性を特定した
植物系ワックスを結着樹脂溶剤中に添加後、脱溶剤した
ものを主成分とし、分級微粉とのガラス転移点の差を特
定したトナーと、さらに、廃トナーをリサイクルする工
程を有する電子写真方法、さらに中間転写体を使用した
電子写真方法との組み合わせにより、優れた定着性、現
像性、転写効率が得られ、さらに転写時の中抜け、感光
体、中間転写媒体へのトナーのフィルミングを防止する
ことが可能となる。
【0215】さらに、分級微粉の一部または全部を再度
予備混合工程あるいは混練工程に戻して使用するトナー
においても、良好な特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーが用いられる電子写真方法の一
実施例の電子写真装置の断面図
【図2】従来のカラー電子写真装置の構成図
【図3】本発明の中間転写ベルトユニットの構成図
【符号の説明】
202 中間転写ベルトユニット 203 中間転写ベルト 204 第1転写ローラ 205 第2転写ローラ 206 テンションローラ 211 感光体 212 第3転写ローラ 215 バネ 216 コロ 217Bk,217C,217M,217Y 像形成ユ
ニット 218 像形成ユニット群 221 像形成位置 222 レーザ信号光 235 レーザ露光装置 238 ミラー

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、着色剤、内添剤、
    及び外添剤とから構成されるトナーであって、 前記結着樹脂が、結着樹脂溶液中に植物系ワックスを添
    加して、脱溶剤したものを主成分とし、 前記植物系ワックスのDSCによる吸熱ピークが65〜
    90℃に存在し、220℃での加熱減量が5重量%以下
    であることを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 トナー製造工程における微粉分級工程で
    分離される分級微粉のガラス転移点Tg1と前記トナー
    のガラス転移点Tg2との差の絶対値が2℃以下である
    ことを特徴とするトナー。
  3. 【請求項3】 少なくとも結着樹脂、着色剤、内添剤、
    及び外添剤とから構成されるトナーであって、 前記結着樹脂が、結着樹脂溶液中に植物系ワックスを添
    加して、脱溶剤したものを主成分とし、 前記植物系ワックスのDSCによる吸熱ピークが65〜
    90℃に存在し、220℃での加熱減量が5重量%以下
    であり、 トナー製造工程における微粉分級工程で発生する分級微
    粉のガラス転移点Tg1と前記トナーのガラス転移点T
    g2との差の絶対値が2℃以下であることを特徴とする
    トナー。
  4. 【請求項4】 すくなくとも予備混合工程と混練工程と
    微粉砕工程と微粉分級工程と、前記微粉分級工程で分離
    される分級微粉の一部または全部を再度前記予備混合工
    程あるいは前記混練工程に戻して再使用する工程と外添
    工程とによって製造されるトナーであって、 トナーが少なくとも結着樹脂、着色剤、内添剤及び外添
    剤とから構成され、 DSCによる吸熱ピークが65〜90℃に存在し、22
    0℃での加熱減量が5重量%以下である植物系ワックス
    を結着樹脂溶液中に添加して、脱溶剤したものを主成分
    とするトナー。
  5. 【請求項5】 すくなくとも予備混合工程と混練工程と
    微粉砕工程と微粉分級工程と、前記微粉分級工程で分離
    される分級微粉の一部または全部を再度前記予備混合工
    程あるいは前記混練工程に戻して再使用する工程と外添
    工程とによって製造されるトナーであって、トナーが少
    なくとも結着樹脂、着色剤、内添剤及び外添剤とから構
    成され、 前記微粉分級工程で分離される分級微粉のガラス転移点
    Tg1と前記トナーのガラス転移点Tg2との差の絶対
    値が2℃以下であるトナー。
  6. 【請求項6】 すくなくとも予備混合工程と混練工程と
    微粉砕工程と微粉分級工程と、前記微粉分級工程で分離
    される分級微粉の一部または全部を再度前記予備混合工
    程あるいは前記混練工程に戻して再使用する工程と外添
    工程とによって製造されるトナーであって、トナーが少
    なくとも結着樹脂、着色剤、内添剤及び外添剤とから構
    成され、 DSCによる吸熱ピークが65〜90℃に存在し、22
    0℃での加熱減量が5重量%以下である植物系ワックス
    を結着樹脂溶液中に添加して、脱溶剤したものを主成分
    とし、前記微粉分級工程で分離される分級微粉のガラス
    転移点Tg1と前記トナーのガラス転移点Tg2との差
    の絶対値が2℃以下であるトナー。
  7. 【請求項7】 トナーが少なくとも結着樹脂、着色剤、
    内添剤及び外添剤とから構成され、 前記結着樹脂が、結着樹脂溶液中に植物系ワックスを添
    加して、脱溶剤したものを主成分とし、 前記植物系ワックスのDSCによる吸熱ピークが65〜
    90℃に存在し、220℃での加熱減量が5重量%以下
    であり、かつ前記トナーのガラス転移点が40〜50℃
    であることを特徴とするトナー。
  8. 【請求項8】 トナーにより感光体上の静電潜像を可視
    像化する現像工程と、 前記感光体上の可視像化した前記トナーを転写紙に移す
    転写工程と、 前記転写工程時に一部前記感光体に残留する前記トナー
    を前記感光体から除去するクリーニング工程と、 前記クリーニング工程で除去された廃トナーを再度現像
    工程に戻し再利用する廃トナーリサイクル工程とを少な
    くとも有する電子写真方法に使用されることを特徴とす
    る請求項1〜7いずれかに記載のトナー。
  9. 【請求項9】 像担持体上に形成した静電潜像をトナー
    により顕像化する現像工程と、 前記トナーを前記像担持体に当接した無端状の中間転写
    体に1次転写する工程と、 前記1次転写の工程を複数回動作させて転写トナー重複
    像を形成する工程と、 前記中間転写体上に形成した前記転写トナー重複像を給
    紙側から搬送される受像紙に一括して2次転写する工程
    とを少なくとも有する電子写真方法に使用されることを
    特徴とする請求項1〜7いずれかに記載のトナー。
  10. 【請求項10】 内添剤がすくなくともポリオレフィン
    から構成されることを特徴とする請求項1〜7いずれか
    に記載のトナー。
  11. 【請求項11】 植物系ワックスが、結着樹脂溶液中の
    固形分100重量部あたり0.1〜10重量部添加され
    ることを特徴とする請求項1、3、4、6、7いずれか
    に記載のトナー。
  12. 【請求項12】 植物系ワックスが、カルナウバワック
    ス、キャンデリラワックス、水素添加ホホバ油、または
    ライスワックスのうち少なくとも1種類からなることを
    特徴とする請求項1、3、4、6、7いずれかに記載の
    トナー。
  13. 【請求項13】 内添剤がポリオレフィンワックスであ
    り、前記ポリオレフィンワックスの添加量が結着樹脂1
    00重量部あたり0.5〜6重量部であることを特徴と
    する請求項1〜7いずれかに記載のトナー。
  14. 【請求項14】 内添剤がポリオレフィンワックスであ
    り、前記ポリオレフィンワックスが、すくなくとも熱分
    解法により作成されたポリエチレンワックスから構成さ
    れ、25℃のトルエンで1時間洗浄した場合の回収率が
    95%以上であり、前記ポリエチレンワックスの軟化点
    が80〜140℃、25℃での針入度が8以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載のトナー。
JP24637897A 1997-09-11 1997-09-11 トナー Pending JPH1184711A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7556906B2 (en) 2005-11-30 2009-07-07 Ricoh Company Limited Toner, and image forming method, image forming apparatus, and process cartridge using the toner
CN102023500A (zh) * 2009-09-14 2011-04-20 株式会社理光 图像形成装置和处理盒
JP2012008510A (ja) * 2009-08-05 2012-01-12 Ricoh Co Ltd トナー、プロセスカートリッジ及び画像形成方法、並びにトナーの製造方法

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JP2012008510A (ja) * 2009-08-05 2012-01-12 Ricoh Co Ltd トナー、プロセスカートリッジ及び画像形成方法、並びにトナーの製造方法
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